JPH07113641B2 - 梅毒診断試薬の製造方法 - Google Patents

梅毒診断試薬の製造方法

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JPH07113641B2
JPH07113641B2 JP2312443A JP31244390A JPH07113641B2 JP H07113641 B2 JPH07113641 B2 JP H07113641B2 JP 2312443 A JP2312443 A JP 2312443A JP 31244390 A JP31244390 A JP 31244390A JP H07113641 B2 JPH07113641 B2 JP H07113641B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は抗原抗体反応を利用した梅毒診断試薬の製造方
法に関する。さらに詳しくは、本発明はトレポネーマ・
パリダム(Treponema Pallidum、以下TPと略す)菌体成
分由来の抗原を多量にかつ安定性よく、担体に固定化し
得、感度が高く特異性の良い梅毒診断試薬の製造方法に
関する。
〔従来の技術〕
従来、担体を用いた免疫診断試薬においては、該担体
に、例えば抗原性物質や各種抗体を固定化する場合に
は、物理吸着による方法が多く用いられてきた。すなわ
ち、ラテックス、プラスチックプレートなどの疎水性材
料、タンニン酸処理した赤血球などに、緩衝溶液、生理
食塩水または精製粋などの水性媒体中で、直接、抗原や
抗体を接触させることにより固定化させていた。また
は、担体表面にアミノ基、カルボキシル基などを導入
し、抗原や抗体を共有結合により、表面に固定化させて
いた。
梅毒診断試薬の場合、担体に固定化しようとするトレポ
ネーマ・パリダム菌体成分由来の抗原(以下、TP抗原と
略す)を、菌体から抽出するためや安定化させるために
界面活性剤を用いる場合がある。界面活性剤を含有する
TP抗原液中のTP抗原を担体に固定化する場合、従来の物
理吸着による固定化方法では、その固定化に疎水性相互
作用を利用しているために、界面活性剤のように疎水性
相互作用を弱める物質が存在すると該抗原を固定化しに
くいという問題点があった。
また、共有結合により固定化する方法も提案されている
が(特開昭59−146589、特開昭61−7470)、反応の制御
が難しく、担体の単位面積当りの固定化量が制御しにく
いという問題点があった。また、場合によっては、共有
結合で固定化した場合、固定化した物質の活性が著しく
失われるなどの問題点があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、上記従来の問題点を解決するものであり、そ
の目的とするところは、TP抗原を多量にかつ安定性良く
担体に固定化し得、感度が高く特異性の良い梅毒診断試
薬の製造方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段および作用〕
本発明の梅毒診断試薬の製造方法は、TP抗原を、合成高
分子ラテックス粒子、合成高分子ビーズ、合成高分子プ
レート、合成高分子膜及びタンニン酸処理した赤血球か
らなる群より選ばれる一つの担体に担持させたものと、
抗TP抗体との抗原抗体反応を測定することにより、抗TP
抗体を検出し、梅毒診断を行う診断試薬において、TP抗
原を前記担体に担持させるに際し、界面活性剤を0.01〜
2.5重量%含有し、かつpHが4.5〜7.7である水性媒体中
で行うことを特徴とするものであり、そのことにより上
記目的が達成させる。
本発明に使用される界面活性剤としては、TP菌体の表面
抗原、膜タンパクなどの抽出や安定化のために用いら
れ、(1)目的の成分を抽出および可溶化できるもの
(2)抽出能力の特異性が高いもの(3)pH4.5〜7.7に
おいて析出などせずに安定して存在するものであれば、
特に制限は受けない。例えば、オクチルグルコピラノシ
ド(1−O−n−オクチル−β−D−グルコピラノシ
ド)、トリトンX−100、ツイーン20、ツイーン80、オ
クチルチオグルコシドなどの非イオン性界面活性剤や、
CHAPS(3−〔(3−コラミドプロピル)ジメチルアン
モニオ〕−1−プロパンスルホネート:3−〔(3−Chol
amidopropyl)dimethyl−ammonio〕−1−propanesulfo
nate)などの両面活性剤が好適に用いられるが、ドデシ
ルアミンのような陽イオン性の界面活性剤、ドデシル硫
酸ナトリウムのような陰イオン性の界面活性剤も用いら
れる。
TP抗原を抗体に担持させる際に、水性媒体中の界面活性
剤の有効な濃度は0.01〜2.5重量%、好ましくは0.02〜
2.10重量%である。含有される界面活性剤の濃度が、高
すぎるとTP抗原は、担体に担持されなくなり、また低す
ぎると、担持されたとしても活性が失われる可能性があ
る。
TP抗原を担体に担持させるに際して使用する水性媒体と
しては、リン酸緩衝液、トリス緩衝液など、一般の生化
学実験に用いられるところの緩衝液が好ましい。イオン
強度は添加する塩類によって調節する。有効なpHは、4.
5〜7.7好ましくは4.9〜7.1、特に好ましくは5.4〜6.5で
ある。pHが4.5未満になると抗原性が失なわれ易く、pH
7.7を越えると固定化量が少なくなる。また、得られた
診断試薬の保存安定性を増すために、必要に応じて防腐
剤を添加することもできる。
本発明に用いられる担体としては、疎水性の表面を有す
る、あるいは部分的に疎水性の表面を有する不活性担体
であり、合成高分子ラテックス粒子、合成高分子ビー
ズ、合成高分子プレート、合成高分子膜及びタンニン酸
処理した赤血球からなる群より選ばれる一つに限定され
る。上記高分子膜としては、例えばニトロセルロースが
挙げられる。特に、工業的に安定した品質で大量生産し
うる合成高分子ラテックス粒子;または合成高分子ビー
ズ、合成高分子プレートなどの合成高分子成形品が好適
に使用される。
また、検査の全自動化処理による検査時間の短縮・省力
化が可能なことなどから、特に好適なのが合成高分子ラ
テックス粒子である。使用しうる合成高分子ラテックス
粒子としては、ポリスチレン系、合成ゴム系など特に限
定されないが、好ましくはポリスチレン系のものがよ
い。平均粒径は0.05μmから1.0μmのものがよい。特
に好ましくは、0.1μmから0.5μmのものがよい。
本発明の方法は、特に放射免疫測定法(RIA)、蛍光免
疫測定法(FIA)、酵素免疫測定法(EIAまたはELIS
A)、ラテックス凝集法、TPHA法(Treponema Pallidum
Hemmagulutination Assay)などの方法の抗TP抗体検出
用診断試薬の製造に好適に利用される。
本発明によりこのような梅毒診断試薬を製造する場合
に、測定系の特異性を高めたり、測定感度を上げたりす
るために、場合によっては塩化コリン、EDTA、糖類(多
糖類、デキストランなど)又はポリエチレングリコール
のような親水性合成高分子などを反応系に添加すること
もできる。
本発明の梅毒診断試薬の製造方法は、例えば、以下のよ
うに行われる。まず、TP菌を家兎こう丸などで培養した
ものから、菌体を採取、洗浄後、界面活性剤を添加し、
インキュベートすることにより菌体破壊とTP抗原の抽出
を行なう。このものを遠心分離し上清を採取し、これを
界面活性剤含有緩衝液で希釈し梅毒抗原液とする。この
抗原液を所定の界面活性剤濃度およびpHに調整して抗原
感作液とする。この抗原感作液と担体とを、界面活性剤
濃度の0.01〜2.5重量%かるpHが4.5〜7.7の水性媒体中
で接触させ、所定時間インキュベートすることにより、
TP抗原を担体に固定する。このようにしてTP抗原が固定
化された担体を使用し、常法により、例えば酵素免疫側
定法、ラテックス凝集法、TPHA法などによる梅毒診断試
薬を製造する。
また、TP抗原を担体に固定する方法は、上記の他に、例
えば担体を界面活性剤や緩衝液等で予め希釈した担体懸
濁液を用意し、これに適当な界面活性剤濃度の抗原感作
液を加えて、所定の界面活性剤濃度およびpH下の水性媒
体中で固定化する方法、或いは担体と希釈度の低い抗原
感作液を混合した後、界面活性剤や緩衝液等からなる希
釈液を加えて、所定の界面活性剤濃度およびpH下の水性
媒体中で固定化する方法等、種々の態様をとり得る。
(実施例) 以下に本発明を実施例につき説明する。
実施例1 (ELISAによる抗TP抗体検出用診断試薬) ELISAによる抗TP抗体検出用診断試薬の製造に本発明を
適用した。本実施例においては、次に挙げる試薬および
測定用検体を使用した。後述の実施例2〜13および比較
例1〜13においても、特に指示しない限り、同名の試薬
および検体については、同様のものを使用した。
PBS(リン酸緩衝液):リン酸1ナトリウム(2水和
物)、リン酸2ナトリウム(2水和物)、塩化ナトリウ
ムおよびアジ化ナトリウム(NaN3)を精製水に溶解し、
リン酸、塩化ナトリウムおよびNaN3の終濃度がそれぞれ
0.02M、0.127Mおよび0.1%(W/W)、pHが7.40となるよ
う調製にした。
NaCl−PBS:リン酸1ナトリウム(2水和物)、リン酸2
ナトリウム(2水和物)および塩化ナトリウムを精製水
に溶解し、リン酸および塩化ナトリウムの終濃度がそれ
ぞれ0.02Mおよび1.00M、pHが6.50となるように調製し
た。
1%BSA・PBS:PBSに試薬特級BSA(ウシ血清アルブミ
ン)を1%(W/W)となるように溶解させて調製した。
10mM KPB:リン酸1カリウム(無水)、リン酸2カリウ
ム(無水)を精製水に溶解し、10mM KPB(pH6.00、7.0
0、7.50、8.00の4種類)を調製した。
オクチルグルコピラノシド(1−O−n−オクチル−β
−D−グルコピラノジド(以下OGと略す):難溶性タン
パク質研究用〔ナカライテスク(株)〕を用いた。
1%OG:OGを10mM KPB(pH6.00)に1%(W/W)になる
ように溶解したもの。
クエン酸緩衝液:クエン酸、クエン酸ナトリウム(2水
和物)を精製水に加えて、0.1Mクエン酸緩衝液(pH4.0
0、5.00、6.00の3種類)を調製した。
NaN3:東京化成(株)より購入したものを用いた。
梅毒抗原液:家兎こう丸中で10−14日間培養したトレポ
ネーマ・パリダム〔Treponema Pallidum;CDC(Center f
or Disease Control,public Health Service,U.S.Depar
tment of Health,Education and Welfare,Atlanta,Geor
gia)より入手されたものを家兎こう丸に接種し、継代
培養したものを用いた〕を生理食塩水中に109個菌体/ml
となるように懸濁した菌体懸濁液1mlを採り、リン酸緩
衝液中で遠心分離(6,000rpm×5分、3回)することに
より洗浄した。次いで、得られた沈澱に1%OGを1ml添
加し、37℃にて30分間インキュベートした。その後、こ
れを超遠心機にかけて(50,000rpm×1時間)上清を採
取したものを1%OGで100倍希釈したものを梅毒抗原液
とした。
梅毒陽性家兎血清:こう丸にトレポネーマ・パリを接種
後、45日間飼育した家兎から血清を採取した。市販のTP
HAキット〔セロディアTP(富士レビオ)及びセロクリッ
トT(化血研)〕を用いてタイター(力価)を測定した
ところ、いずれのキットにおいても10,000タイターを示
した。この血清を1%BSA・PBSで100、200、400倍に希
釈して使用した。
正常家兎血清:トレポネーマ・パリダムが接種されてい
ない家兎から採取した血清を用いた。市販TPHAキットに
よりタイターを測定したところ、陰性であった。この血
清を1%BSA・PBSで100、200、400倍に希釈して用い
た。
ペルオキシダーゼ標識抗ウサギIgG:マイルズ・ラボラト
リーズ社のペルオキシダーゼ標識抗ウサギIgGを1%BSA
・PBS(ただし、NaN3は含まない)で1,000倍に希釈して
用いた。
マイクロタイタープレート:ヌンク社の96穴マイクロタ
イタープレート(平底)を用いた。
リン酸−クエン酸緩衝液:精製水に溶解させた0.2Mリン
酸2ナトリウムと0.1Mクエン酸を混合し、pH5.50±0.01
になるように調製した。
ペルオキシダーゼ基質:リン酸−クエン酸緩衝液にo−
フェニレンジアミン(2塩酸塩)を2mg/ml、そして過酸
化水素水0.03%(H2O2)となるように加えた。
基質の調製は使用直前に行った。
1N硫酸:市販されている硫酸の1N規定液をそのまま用い
た。
(A)抗原感作液の調製 梅毒抗原液を1%OGで50倍希釈したもの(A液とす
る)、NaCl−PBS、10mMKPBまたはクエン酸緩衝液および
1%OGを各々第1表に示した量で混合したものを抗原感
作液(1)〜(13)とした。
(B)抗原の固定化 (1)〜(13)の各抗原感作液を、マイクロタイタープ
レートの各ウェルに50μずつ分注し室温で1時間イン
キュベートした。1時間後、抗原感作液を吸引除去し、
次いで1%BSA・PBS200μで1回洗浄した後、1%BA
・PBS200μを加えて室温で1時間インキュベートし、
ブロッキングを行った。その後、1%BSA・PBSを吸引除
去し、0.9%NaCl水溶液200μで3回洗浄を行った。
(C)抗TP抗体の測定 第1抗体として、前述の100、200、400倍に希釈した梅
毒陽性家兎血清を各ウェルに50μずつ分注し、室温で
1時間インキュベートした。対照として、正常家兎血清
を同時に希釈したものを各ウェルに分注・インキュベー
トした。
1時間後、反応液を吸引除去し、1%BSA・PBS200μ
で3回洗浄したのち、第2抗体としてペルオキシダーゼ
標識抗ウサギIgGを各ウェルに50μずつ分注した。室
温で1時間インキュベートしたのち反応液を吸引除去し
1%BSA・PBS(ただし、NaN3は含まない)200μで3
回洗浄した。洗浄後直ちに各ウェルに結合した酵素活性
を測定した。
各ウェルに100μずつペルオキシダーゼ基質を分注
し、室温で15分間インキュベートした。基質ブランクと
して、第1抗体および第2抗体のいずれも添加していな
いウェルを用意し、同様に基質液を添加してインキュベ
ートした。インキュベート後、1N硫酸を100μ分注
し、酵素反応を停止させた。各ウェルの酵素反応時間が
一定となるように操作を行った。
反応停止後、マイクロタイタープレートリーダー(MTP
−100、コロナ社)により、基質ブランクを対照として4
92nmの吸光度を測定した。その結果を第2表に示す(n
=4の平均値)。
また、梅毒陽性家兎血清について、この結果を第1図
(a)(KPB緩衝液使用。OG濃度と吸光度)、第1図
(b)(クエン酸緩衝液使用。OG濃度と吸光度)、第1
図(c)(pHと吸光度)に示す。図において縦軸は吸光
度、横軸は陽性血清の希釈倍率を示す。
比較例1 抗原感作液(1)〜(13)のかわりに、第1表に示した
抗原感作液(14)〜(19)を使用したこと以外は、実施
例1と同様の操作を繰り返した。結果を実施例1の結果
と共に第2表に示す。
また、梅毒陽性家兎血清についての結果を第1図
(a)、第1図(b)、第1図(c)に示す。
第2表および第1図の結果から明らかなように、TP抗原
を担体に担持させるに際し、OG濃度0.025、0.50、1.0
0、2.00重量%、かつpH5.00、6.00、7.00、7.50の水性
媒体中で行ったものは、TP抗原を多量にかつ安定性よく
担体に固定化し得、感度が高く特異性の良い梅毒診断試
薬が得られた。一方、OG濃度が0.005重量%もしくは4.0
0重量%又はpHが4.00もしくは8.00の水性媒体中で行っ
たものは、TP抗原を多量にかつ安定性良く担体に固定化
することが出来ず、感度が低く、また正常家兎血清を検
体とした場合にも非特異反応によりかなりの吸光度が見
られ、良好な梅毒診断試薬を得ることが出来なかった。
実施例2 (ラテックス凝集法による抗TP抗体検出用診断試薬−全
自動分析装置を用いた測定−) 全自動分析装置を用いる、ラテックス凝集法による抗TP
抗体検出用試薬の製造に本発明を適用した。
ラテックス:粒径0.400μmのポリスチレンラテックス
〔固型分10%、積水化学工業(株)製〕を用いた。
100mM NaPB:リン酸1水素ナトリウム(無水)、リン酸
2水素ナトリウム(12水和物)およびNaN3を精製水に加
えて、0.1%(W/W)NaN3を含有する100mM NaPB(pH7.5
0)を調製した。
1%BSA・NaPB:100mM NaPBにBSAが1%(W/W)になる
ように調製したもの。
5%BSA−NaPB:100mM NaPBにBSAが5%になるように調
製したもの。
0.25%PBG50万:5%BSA−NaPBにポリエチレングリコール
(平均分子量500,000:和光純薬社)を0.25%(重量/重
量)となるように溶解させたもの。
装置:日立7050型 全自動分析装置を用いて測定を行っ
た。
(A)抗原感作液の調製 梅毒抗原液を1%OGで25倍希釈したもの(B液とす
る。)、NaCl−PBS、10mMKPBまたはクエン酸緩衝液、1
%OGを各々第3表に示した量で混合したものを抗原感作
液(1)〜(13)とした。
(B)抗原の固定化 ラテックス100μを4℃のインキュベーター中でマグ
ネチックスターラーで攪拌しながら、各抗原感作液
(1)〜(13)400μを素早く添加し、4℃にて1時
間攪拌した。その後、1%BSA・PBS5mlを添加し、4℃
にて続けて1.5時間攪拌した。その後、15,000rpmにて1
時間遠心分離した。得られた沈澱にさらに1%BSA−NaP
B5mlを添加し、同様に遠心分離することにより沈澱を洗
浄した。この沈澱に1%BSA−NaPB 5mlを添加し、よく
分散させて固形分0.2%のラテックス試薬とした。この
ようにして調製したラテックス試薬は4℃にて保存し
た。
(C)抗TP抗体の測定 測定条件は次のとおりである。
検体容量 20μ ラテックス試薬(R2) 50μ 希釈液(R1:0.25%PBG50万を使用) 350μ 測定波長 570nm 測定温度 37℃ 測定開始後、80秒と320秒後の吸光度の差(ΔOD570)を
測定し、この吸光度の変化量を104倍したものを第4表
に示した(n=4の平均値)。
なお、検体としては、前述の100倍、200倍、400倍希釈
した梅毒陽性家兎血清を用いた。対照として正常家兎血
清を同様に希釈したものを用いた。
また梅毒陽性家兎血清についてこの結果をグラフに表し
たのが第2図(a)(KPB緩衝液使用。OG濃度と吸光
度)、第2図(b)(クエン酸緩衝液使用。OG濃度と吸
光度)、第2図(c)(pHと吸光度)である。横軸は陽
性血清の希釈倍率を示す。また縦軸はΔOD570を示す。
比較例2 実施例2の抗原感作液(1)〜(13)の代わりに、第3
表に示した抗原感作液(14)〜(19)を使用したこと以
外は、実施例2と同様の操作を繰り返した。結果を実施
例2の結果と共に第4表に示す。
また、梅毒陽性家兎血清についての結果を、第2図
(a)、第2図(b)、第2図(c)に示す。
第4表および第2図の結果から明らかなように、本発明
によるラテックス試薬では、TP抗原が多量にかつ安定性
良く担体に固定化され、従来の方法では凝集が見られな
かった高希釈倍率の陽性血清においても、陽性と判定し
うる感度が得られた。正常血清については、比較例で見
られていた非特異反応による凝集が解消されるなど、本
ラテックス試薬は、特異性が高く、感度の良いものであ
るという結果が得られた。
実施例3 (ラテックス凝集法による抗TP抗体検出用診断試薬−凝
集観察板によるマニュアル法を用いた測定−) マニュアル法による、ラテックス凝集法による抗TP抗体
検出用試薬の製造に本発明を適用した。
0.50%PBG50万:5%BSA−NaPBにポリエチレングリコール
(平均分子量500,000:和光純薬社)を0.50%(重量/重
量)となるように溶解させたもの。
(A)抗原感作液の調製 実施例2と同様に行った。
(B)抗原の固定化 感作後のラテックスを5mlの1%BSA−NaPBに分散させ固
型分濃度を0.2%とする代わりに、感作後のラテックス
を2.5mlの0.50%PEG50万に分散させ固型分濃度を0.4%
としたこと以外は、実施例2と同様にしてラテックス試
薬を調製した。
(C)抗TP抗体の測定 梅毒陽性家兎血清と各ラテックス試薬を各々50μずつ
凝集観察板上に採り、混合・攪拌した後、3分間反応さ
せた。対照として、正常家兎血清についても同様に反応
させた。反応後、ラテックス試薬が凝集したかどうかを
目視で判定した。この結果を第5表に示した。第5表に
おいて、記号は以下の意味を表わす。
++:陽性(強い凝集) +:陽性(凝集) +W:陽性(弱い凝集) ±:偽陽性 −:陰性(非凝集) 比較例3 実施例3の抗原感作液(1)〜(13)の代わりに、第3
表に示した抗原感作液(14)〜(19)を使用したこと以
外は、実施例3と同様の操作を繰り返した。結果を実施
例3の結果と共に第5表に示す。
第5表の結果から明らかなように、本発明によるラテッ
クス試薬では、TP抗原が多量にかつ安定性良く担体に固
定化され、従来の方法では凝集が見られなかった高希釈
倍率の陽性血清においても、陽性と判定しうる感度が得
られた。正常血清については、比較例で見られていた非
特異反応による凝集が解消されるなど、本ラテックス試
薬は、特異性が高く、感度の良いものであるという結果
が得られた。
実施例4 (EIAによる抗TP抗体検出用診断試薬) EIAによる抗TP抗体検出用診断試薬の製造に本発明を適
用した。
ポリスチレンビーズ:ポリスチレンを直径6.4mmの球状
に成形したもの(積水化学工業(株)製)を用いた。
(A)抗原感作液の調製 梅毒抗原液を1%OGで25倍希釈したもの(C液とす
る。)、NaCl−PBS、10mM KPBまたはクエン酸緩衝液お
よび1%OGを各々第6表に示した量で混合したものを抗
原感作液(1)〜(13)とした。
(B)抗原の固定化 ポリスチレンビーズ100個を、精製水により充分洗い風
乾した。10mM KPB(pH6.00)10mlを200mlのビーカーに
入れ、これにポリスチレンビーズ10個を加えた。これに
各抗原感作液(1)〜(13)40mlを加え、室温で1時間
攪拌した。次に感作液を吸引除去し、100mM NaPBを100
ml加えた後、吸引除去する操作を3回繰り返して洗浄し
た。最終的に100mM NaPBを50ml加え、梅毒抗原固定化
ポリスチレンビーズとした。この梅毒抗原固定化ポリス
チレンビーズは4℃で保存した。
(C)抗TP抗体の測定 第1抗体として、前述の100倍、200倍および400倍に希
釈した梅毒陽性家兎血清500μずつを試験管に分注し
た。対照として、前述の100倍、200倍および400倍に希
釈した正常家兎血清を同様に試験管に分注した。
各試験管に、上述梅毒抗原固定化ポリスチレンビーズを
1個ずつ加えた、各試験管を室温で1時間インキュベー
トした後、反応液を吸引除去し、2mlの0.9%NaClで3回
吸引洗浄した。これにペルオキシダーゼ標識抗ウサギIg
Gを各試験管に500μずつ分注し、室温で1時間インキ
ュベートした。反応液を吸引除去し、2mlの0.9%NaClで
3回吸引洗浄した。
次に、各試験管に500μずつペルオキシダーゼ基質を
添加し、室温で15分間インキュベートを行った。基質ブ
ランクとして、空の試験管にも同様に基質を分注し、イ
ンキュベートした。これに1N 硫酸を2ml添加し、酵素
反応を停止させた。各試験管の酵素反応時間は一定にな
るように注意して行った。反応停止後、分光光度計(日
立製作所、UV−3200)により、基質ブランクを対照とし
て492nmの吸光度を測定した。その結果を第7表に示す
(n=4の平均値)。
また梅毒陽性家兎血清についてこの結果をグラフに表し
たのが第3図(a)(KPB緩衝液使用。OG濃度と吸光
度)、第3図(b)(クエン酸緩衝液使用。OG濃度と吸
光度)、第3図(c)(pHと吸光度)である。縦軸は49
2nmでの吸光度、横軸は陽性血清の希釈倍率を示す。
比較例4 実施例4の抗原感作液(1)〜(13)の代わりに、第6
表に示した抗原感作液(14)〜(19)を使用したこと以
外は、実施例4と同様の操作を繰り返した。結果を実施
例4の結果と共に第7表に示す。
また、梅毒陽性家兎血清についての結果を、第3図
(a)、第3図(b)、第3図(c)に示す。
第7表および第3図の結果から明らかなように、本発明
によるEIA試薬では、TP抗原が多量にかつ安定性良く担
体に固定化され、従来の方法では酵素活性の上昇が見ら
れなかった高希釈倍率の陽性血清においても、陽性と判
定しうる感度が得られた。正常血清については、比較例
で見られていた非特異反応による酵素活性の上昇が解消
されるなど、本EIA試薬は、特異性が高く、感度の良い
ものであるという結果が得られた。
実施例5 (TPHAによる抗TP抗体検出用診断試薬) TPHAによる抗TP抗体検出用診断試薬の製造に本発明を適
用した。
タンニン酸:ナカライテスク(株)より購入したものを
用いた。
市販TPHAキット:セロクリット−TP(化血研)、セロデ
ィア−TP(富士レビオ)を用いた。
ヒツジ赤血球:ヒツジ赤血球を常法によりグルタルアル
デヒド処理後、タンニン酸処理したものを用いた。固形
分濃度6%(W/W)でPBS中に懸濁したものを使用した。
判定プレート:ヌンク社製のU字型96穴マイクロタイタ
ープレートを用いた。
PHA緩衝液:リン酸1ナトリウム(2水和物)とリン酸
2ナトリウム(2水和物)を精製水に溶解して調製した
0.15Mリン酸緩衝液(pH7.40)を生理食塩水で10倍に希
釈し、NaH3を0.1%、正常家兎血清を2%、ストローマ
を1%となるように添加したもの。
(A)抗原感作液の調製 梅毒抗原液を1%OGで250倍希釈したもの(D液とす
る。)、NaCl−PBS、10mMKPBまたはクエン酸緩衝液およ
び1%OGを各々第8表に示した量で混合したものを抗原
感作液(1)〜(13)とした。
(B)梅毒抗原の固定化 前述のタンニン酸処理したヒツジ赤血球6%血球液1ml
をスターラー上で攪拌しながら、第8表のように調製し
た抗原感作液(1)〜(13)各々4mlを添加し、25℃で
1時間攪拌した。この後、十分量の0.9%NaClで3回遠
心洗浄したのち、1%BSA・PBSで6%血球液とし、4℃
で保存した。
(C)抗TP抗体の測定 上記(B)項で製造した血球を用いて、前述の100、20
0、400倍に希釈した陽性家兎血清について抗体価の測定
を行った。対照として前述の100、200、400倍希釈した
正常家兎血清についても同様の測定を行った。測定に
は、市販キット(セロディア−TP)を使用し、感作血球
のみ(B)項で製造した血球を用い、その他の試薬につ
いては同キットの構成品を用い、同キットの使用説明書
に従って定量を行った。なお、判定プレートは添付のも
のを使わず、すべてヌンク社製のU字型マイクロタイタ
ープレートを用いた。
なお、(B)項で作成した血球液はアッセイ時には0.9
%NaClで1度洗浄し、PHA緩衝液で0.6%とし、室温で1
時間インキュベートした後で用いた。
反応2時間後、凝集像を目視で観察した。この結果を第
9表に示した。第9表において、記号は以下の意味を表
わす。
++:陽性(強い凝集) +:陽性(凝集) +W:陽性(弱い凝集) ±:偽陽性 −:陰性(非凝集) 比較例5 実施例5の抗原感作液(1)〜(13)の代わりに、第8
表に示した抗原感作液(14)〜(19)を使用したこと以
外は、実施例5と同様の操作を繰り返した。また、市販
TPHAキット(セロクリット−TP,セロディア−TP)につ
いても実施例5と同じ検体を用いて測定を行った。結果
を実施例5の結果と共に第9表に示す。
第9表の結果から明らかなように、本発明によるTPHA試
薬では、TP抗原が多量にかつ安定性良く担体に固定化さ
れ、市販品や従来の方法では凝集が見られなかった高希
釈倍率の陽性血清においても、陽性と判定しうる感度が
得られた。正常血清については、比較例で見られていた
非特異反応による凝集が解消されるなど、本TPHA試薬
は、特異性が高く、感度の良いものであるという結果が
得られた。
実施例6 (梅毒ドット−イムノバインディングアッセイによる抗
TP抗体検出用診断試薬) 梅毒ドット−イムノバインディングアッセイによる抗TP
抗体検出用診断試薬の製造に本発明を適用した。このア
ッセイ方法は、〔R.Hawkes etc,Analytical Biochemist
ry 119,142−147(1982)〕に準じて行った。
ニトロセルロースメンブレン(以下NCと略す):3×3mm
方眼のついたニトロセルロースメンブレンをミリポア
(株)より購入した。
(A)抗原感作液の調製 梅毒抗原液を1%OGで50倍希釈したもの(E液とす
る。)、NaCl−PBS、10mMKPBまたはクエン酸緩衝液、1
%OGを各々第10表に示した量で混合したものを抗原感作
液(1)〜(13)とした。
(B)NCシートの調製 NCメンブレンを蒸留水中で5分間すすぎ洗いをし、室温
で乾燥させた。1方眼に(A)項で調製した抗原感作液
(1)〜(13)を20μずつ、プロットした。10分間4
℃のインキュベーター中で静置した後、PBS50ml中でメ
ンブレンごとすすぎ洗いをした。メンブレンが濡れてい
るうちに1方眼ずつ切取り、ヌンクの96穴プレートに、
抗原液をブロットした面を上向きにして1枚ずつ入れ
た。
各ウェルに1%BSA・PBSを100μずつ分注し、15分間
緩やかに振とうさせ、ブロッキング液を吸引・除去した
のち、PBS200μで3回洗浄を行った。
(C)抗TP抗体の測定 第1抗体として、前述の100、200、400倍に希釈した梅
毒陽性血清を各ウェルに50μずつ分注し、室温で2時
間インキュベートした。対照として、前述の100倍、200
倍および400倍に希釈した正常家兎血清を各ウェルに分
注・インキュベートした。
2時間後、反応液を吸引除去し、1%BSA・PBS200μ
で3回洗浄したのち、ペルオキシダーゼ標識抗ウサギIg
Gを各ウェルに100μずつ分注した。室温で1時間イン
キュベートしたのち反応液を吸収除去し1%BSA・PBS
(ただし、NaN3は含まない)200μで3回洗浄した。
洗浄後ただちに各メンブレンに結合した酵素活性を観察
した。
(D)酵素反応 各ウェルに100μずつペルオキシダーゼ基質を分注
し、室温で15分間インキュベートした。基質ブランクと
して、空の試験管にも同様に基質を分注し、イキュベー
トした。インキュベート後、1N硫酸を100μ分注し、
酵素反応を停止させた。各ウェルの酵素反応時間は一定
になるように行った。
反応停止後、基質ブランクを対照として各メンブレンの
発色状態を目視で観察した。この結果を第11表に示す。
第11表において、記号は以下の意味を表わす。
++(陽性):非常によく発色した。
+(陽性):発色した。
+W(陽性):弱い発色。
±(偽陽性):基質ブランクよりやや発色している。
−(陰性):発色していない。
比較例6 実施例6の抗原感作液(1)〜(13)の代わりに、第10
表に示した抗原感作液(14)〜(19)を使用したこと以
外は、実施例6と同様の操作を繰り返した。結果を実施
例6の結果と共に第11表に示す。
第11表の結果から明らかなように、本発明によってTP抗
原を固定化させたNCメンブレンを用いた場合、感度は良
くかつ特異性が高く、陽性血清を検出することができ
た。
実施例7、比較例7 (ラテックス凝集法による抗TP抗体検出用診断試薬−全
自動分析装置を用いた測定−) 界面活性剤としてOGの代わりにCHAPS〔ナカライテスク
(株)Reagent Grade〕を用いる以外は実施例2、比較
例2と全く同様(緩衝液などに溶解する濃度などもOGの
場合と全く同様である)にして、測定を行った。
その結果を第12表および第4図(a)(KPB緩衝液使
用。CHAPS濃度と吸光度)、第4図(b)(クエン酸緩
衝液使用。CHAPS濃度と吸光度)、第4図(c)(pHと
吸光度)に示した。
第12表および第4図より明らかなように、本発明による
ラテックス試薬では、TP抗原が多量にかつ安定性良く担
体に固定化され、感度、特異性ともに優れた梅毒診断ラ
テックス試薬が得られた。
実施例8、比較例8 (ラテックス凝集法による抗TP抗体検出用診断試薬−全
自動分析装置を用いた測定−) 界面活性剤としてOGの代わりにトリトンX−100〔ナカ
ライテスク(株)〕を用いる以外は実施例2、比較例2
と全く同様(緩衝液などに溶解する濃度などもOGの場合
と全く同様である)にして、測定を行った。
その結果を第13表および第5図(a)(KPB緩衝液使
用。トリトンX−100濃度と吸光度)、第5図(b)
(クエン酸緩衝液使用。トリトンX−100濃度と吸光
度)、第5図(c)(pHに吸光度)に示した。
第13表および第5図より明らかなように、本発明による
ラテックス試薬ではTP抗原が多量にかつ安定性良く担体
に固定化され、感度、特異性ともに優れた梅毒診断ラテ
ックス試薬が得られた。
実施例9、比較例9 (梅毒ドット−イムノバインディングアッセイによる抗
TP抗体検出用診断試薬) ブロッティング用のメンブレンとしてニトロセルロース
メンブレンの代わりにナイロンメブレン(日本バイオ・
ラッド ラボラトリーズ社製)を用いる以外は実施例
6、比較例6と全く同様(大きさなども全く同様であ
る)にして、測定を行った。
その結果を第14表に示した。第14表の結果から明らかな
ように、本発明によってTP抗原を固定化させたナイロン
メンブレンを用いた場合、感度はよくかつ特異性が高
く、陽性血清を検出することができた。
実施例10 (ラテックス凝集法による抗TP抗体検出用診断試薬−全
自動分析装置を用いた測定−) 全自動分析装置を用いる、ラテックス凝集法による抗TP
抗体検出用試薬の製造に本発明を適用した。
本実施例では、ラテックスをNaCl−PBS、1%OG、緩衝
液等で予め希釈したラテックス懸濁液を用意し、これに
抗原感作液を加える方法で、水性媒体中での最終OG濃度
およびpHが所定の濃度範囲に入るようにして、抗原の担
体への担持を行った。
試薬等、特に断らない限りは実施例2および比較例2に
用いたものと同じものを使用した。
(A)抗原感作液の調製 梅毒抗原液を1%OGで25倍希釈したもの(F液とする)
を用いた。
(B)ラテックス懸濁液の調製 NaCl−PBS、1%OG、10mM KPBまたはクエン酸緩衝液を
各々第15表に示した割合で混合したものをラテックスと
混合し、ラテックス懸濁液とした。
(C)抗原の固定化 ラテックス懸濁液(1)〜(13)450〜490μ(それぞ
れの使用量は第15表に記載)を4℃のインキュベーター
中でマグネチックスターラーで攪拌しながら、第15表に
記載した各抗原感作液の10〜50μ(それぞれの使用量
は第15表に記載)を素早く添加し、4℃にて1時間攪拌
した。その後、1%BSA・PBS 5mlを添加し、4℃にて
続けて1.5時間攪拌した。その後、15000rpmにて1時間
遠心分離した。得られた沈澱にさらに1%BSA−NaPB 5
mlを添加し、同様に遠心分離することにより沈澱を洗浄
した。この沈澱に1%BSA−NaPB 5mlを添加し、よく分
散させて固形分0.2%のラテックス試薬とした。このよ
うにして調製したラテックス試薬は4℃にて保存した。
(D)抗TP抗体の測定 上記の方法で調製したラテックス試薬を用いる以外は実
施例2と全く同様にして行った。
この結果を第16表に示した。
また、梅毒陽性家兎血清についてこの結果をグラフに表
したのが第6図(a)(KPB緩衝液使用。OG濃度と吸光
度)、第6図(b)(クエン酸緩衝液使用。OG濃度と吸
光度)、第6図(c)(pHと吸光度)である。
比較例10 実施例10のラックス懸濁液(1)〜(13)および抗原感
作液の代わりに、第15表に示したラテックス懸濁液(1
4)〜(19)および抗原感作液を使用したこと以外は、
実施例10と同様の操作を繰り返した。結果を実施例10の
結果と共に第16表に示す。
また、梅毒陽性家兎血清についての結果を、第6図
(a)、第6図(b)、第6図(c)に示す。
第16表および第6図の結果から明らかなように、本発明
によるラテックス試薬では、TP抗原が多量にかつ安定性
良く担体に固定化され、従来の方法では凝集が見られな
かった高希釈倍率の陽性血清においても、陽性と判定し
うる感度が得られた。
実施例11 (ラテックス凝集法による抗TP抗体検出用診断試薬−全
自動分析装置を用いた測定−) 全自動分析装置を用いる、ラテックス凝集法による抗TP
抗体検出用試薬の製造に本発明を適用した。
本実施例では、ラテックスと抗原感作液を予め混合し、
次に、これにNaCl−PBS、1%OG、緩衝液からなる希釈
液を加えて、水性媒体中の最終のOG濃度およびpHを所定
の濃度範囲に入るようにして、抗原の担体への担持を行
った。
試薬等、特に断らない限りは実施例2および比較例2に
用いたものと同じものを使用した。
(A)抗原感作液の調製 梅毒抗原液を1%OGで25倍希釈したもの(F液とする)
を用いた。
(B)希釈液の調製 NaCl−PBS、1%OG、10mM KPBまたはクエン酸緩衝液を
各々第17表に示した割合で混合したものを希釈液とし
た。
(C)抗原の固定化 ラテックス100μを4℃のインキュベーター中でマグ
ネチックスターラーで攪拌しながら、第17表に記載した
各抗原感作液の10〜50μ(それぞれの使用量は第17表
に記載)を素早く添加し、続けて希釈液(1)〜(13)
を350〜390μ(それぞれの使用量は第17表に記載)添
加した後4℃にて1時間攪拌した。その後、1%BSA・P
BS 5mlを添加し、4℃にて続けて1.5時間攪拌した。そ
の後、15,000rpmにて1時間遠心分離した。得られた沈
澱にさらに1%BSA−NaPB 5mlを添加し、同様に遠心分
離することにより沈澱を洗浄した。この沈澱に1%BSA
−NaPB 5mlを添加し、よく分散させて固形分0.2%のラ
テックス試薬とした。このようにして調製されたラテッ
クス試薬は4℃にて保存した。
(D)抗TP抗体の測定 上記の方法で調製したラテックス試薬を用いる以外は実
施例2と全く同様にして行った。
この結果を第18表に示した。
また、梅毒陽性家兎血清についてこの結果をグラフに表
したのが第7図(a)(KPB緩衝液使用。OG濃度と吸光
度)、第7図(b)(クエン酸緩衝液使用。OG濃度と吸
光度)、第7図(c)(pHと吸光度)である。
比較例11 実施例11の抗原感作液および希釈液(1)〜(13)の代
わりに、第17表に示した抗原感作液および希釈液(14)
〜(19)を使用したこと以外は、実施例11と同様の操作
を繰り返した。結果を実施例11の結果と共に第18表に示
す。
また、梅毒陽性家兎血清についての結果を、第7図
(a)、第7図(b)、第7図(c)に示す。
第18表および第7図の結果から明らかなように、本発明
によるラテックス試薬では、TP抗原が多量にかつ安定性
良く担体に固定化され、従来の方法では凝集が見られな
かった高希釈倍率の陽性血清においても、陽性と判定し
うる感度が得られた。
実施例12 (TPHAによる抗TP抗体検出用診断試薬) TPHAによる抗TP抗体検出用診断試薬の製造に本発明を適
用した。
本実施例では、血球液をNaCl−PBS、1%OG、緩衝液等
で予め希釈した血球浮遊液を用意し、これに抗原感作液
を加える方法で、水性媒体中での最終OG濃度およびpHが
所定の濃度範囲に入るようにして、抗原の担体への担持
を行った。
試薬等、特に断らない限りは実施例5および比較例5に
用いたものと同じものを使用した。
(A)抗原感作液の調製 梅毒抗原液を1%OGで250倍希釈したもの(G液とす
る)を用いた。
(B)血球浮遊液の調製 血球とNaCl−PBS、1%OG、10mM KPBまたはクエン酸緩
衝液を各々第19表に示した割合で混合したものを血球浮
遊液とした。
(C)抗原の固定化 上記の血球浮遊液(1)〜(13)4.50〜4.90mlをマグネ
チックスターラーで攪拌しながら、第19表に記載した各
抗原感作液の0.1〜0.5ml(それぞれの使用量は第19表に
記載)を添加し、25℃で1時間攪拌した。この後、十分
量の0.9%NaClで3回遠心洗浄したのち、1%BSA・PBS
で6%血球液とし、4℃にて保存した。
(D)抗TP抗体の測定 上記の方法で調製した血球を用いる以外は実施例2と全
く同様にして行った。
反応2時間後、凝集像を目視で観察した。この結果を第
20表に示した。
比較例12 実施例12の血球浮遊液(1)〜(13)および抗原感作液
の代わりに、第19表に示した血球浮遊液(14)〜(19)
および抗原感作液を使用したこと以外は、実施例12と同
様の操作を繰り返した。結果を実施例12の結果と共に第
20表に示す。
第20表の結果から明らかなように、本発明によるTPHA試
薬では、TP抗原が多量にかつ安定性良く担体に固定化さ
れ、市販品や従来の方法では凝集が見られなかった高希
釈倍率の陽性血清においても、陽性と判定しうる感度が
得られた。正常血清については、比較例で見られていた
非特異反応による凝集が解消されるなど、本TPHA試薬
は、特異性が高く、感度の良いものであるという結果が
得られた。
実施例13 (TPHAによる抗TP抗体検出用診断試薬) TPHAによる抗TP抗体検出用診断試薬の製造に本発明を適
用した。
本実施例では、血球と抗原感作液を予め混合し、次に、
これにNaCl−PBS、1%OG、緩衝液からなる希釈液を加
えて、水性媒体中の最終のOG濃度およびpHを所定の濃度
範囲に入るようにして、抗原の担体への担持を行った。
試薬等、特に断らない限りは実施例5および比較例5に
用いたものと同じものを使用した。
(A)抗原感作液の調製 梅毒抗原液を1%OGで250倍希釈したもの(G液とす
る)を用いた。
(B)希釈液の調製 NaCl−PBS、1%OG、10mM KPBまたはクエン酸緩衝液を
各々第21表に示した割合で混合したものを希釈液とし
た。
(C)抗原の固定化 ヒツジ赤血球液1.0mlをマグネチックスターラー攪拌し
ながら、第21表に記載した各抗原感作液の0.1〜0.5ml
(それぞれの使用量は第21表に記載)を添加し、続けて
希釈液(1)〜(13)を3.5〜3.9ml添加した後、25℃で
1時間攪拌した。この後、十分量の0.9%NaClで3回遠
心洗浄したのち、1%BSA・PBSで6%血球液とし、4℃
にて保存した。
(D)抗TP抗体の測定 上記の方法で調製した血球を用いる以外は実施例2と全
く同様にして行った。
反応2時間合後、凝集像を目視で観察した。この結果を
第22表に示した。
比較例13 実施例13の抗原感作液および希釈液(1)〜(13)の代
わりに、第21表に示した抗原感作液および希釈液(14)
〜(19)を使用したこと以外は、実施例13と同様の操作
を繰り返した。結果を実施例13の結果と共に第22表に示
す。
第22表の結果から明らかなように、本発明によるTPHA試
薬では、TP抗原が多量にかつ安定性良く担体に固定化さ
れ、市販品や従来の方法では凝集が見られなかった高希
釈倍率の陽性血清においても、陽性と判定しうる感度が
得られた。正常血清については、比較例で見られていた
非特異反応による凝集が解消されるなど、本TPHA試薬
は、特異性が高く、感度の良いものであるという結果が
得られた。
(発明の効果) 本発明によれば、このように、TP抗原を多量にかつ安定
性良く担体に固定化し得、感度が高く特異性の良い梅毒
診断試薬を製造することが出来る。
本発明は、合成高分子ラテックス粒子、合成高分子ビー
ズ、合成高分子プレート、合成高分子膜及びタンニン酸
処理した赤血球などの担体を使用し、抗原抗体反応を利
用した測定方法、例えば、酵素免疫測定法(EIAまたはE
LISA)、ラテックス凝集法、TPHA法、ドット−イムノバ
インディングアッセイ法などの方法による梅毒診断試薬
の製造に好適に利用され得、該試薬は梅毒の診断および
治療のための臨床検査などの分野に広く利用され得る。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)、第2図(a)、第3図(a)、第6図
(a)および第7図(a)は、OGを含有するKPB緩衝液
を使用して、第4図(a)はCHAPSを含有するKPB緩衝液
を使用して、そして、第5図(a)はトリトンX−100
を含有するKPB緩衝液を使用して、それぞれ得られた試
薬により梅毒陽性家兎血清を測定したときの、それぞれ
OG濃度、CHAPS濃度、トリトンX−100濃度と梅毒陽性家
兎血清の希釈倍率と測定の結果得られる吸光度との関係
を示すグラフ、第1図(b)、第2図(b)、第3図
(b)、第6図(b)および第7図(b)は、OGを含有
するクエン酸緩衝液を使用して、第4図(b)はCHAPS
を含有するクエン酸緩衝液を使用して、そして、第5図
(b)はトリトンX−100を含有するクエン酸緩衝液を
使用して、それぞれ得られた試薬により梅毒陽性家兎血
清を測定したときの、それぞれOG濃度、CHAPS濃度、ト
リトンX−100濃度と梅毒陽性家兎血清の希釈倍率と測
定の結果得られる吸光度との関係を示すグラフ、第1図
(c)、第2図(c)、第3図(c)、第4図(c)、
第5図(c)、第6図(c)および第7図(c)は、所
定の界面活性剤を含有し、それぞれpHの異なる緩衝液を
使用して得られた試薬により、梅毒陽性家兎血清を測定
したときの、pHと梅毒陽性家兎血清の希釈倍率と測定の
結果得られる吸光度との関係を示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレポネーマ・パリダム(Treponema Pall
    idum)菌体成分由来の抗原を、合成高分子ラテックス粒
    子、合成高分子ビーズ、合成高分子プレート、合成高分
    子膜及びタンニン酸処理した赤血球からなる群より選ば
    れる一つの担体に担持させたものと、抗トレポネーマ・
    パリダム抗体との抗原抗体反応を測定することにより、
    抗トレポネーマ・パリダム抗体を検出し、梅毒診断を行
    う診断試薬において、トレポネーマ・パリダム菌体成分
    由来の抗原を前記担体に担持させるに際し、界面活性剤
    を0.01〜2.5重量%含有し、かつpHが4.5〜7.7である水
    性媒体中で行うことを特徴とする梅毒診断試薬の製造方
    法。
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