JP3618797B2 - 免疫測定法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、不溶性担体を使用し免疫反応に基づいて抗梅毒トレポネーマ抗体を測定する免疫測定法に関する。
【0002】
【従来の技術】
抗梅毒トレポネーマ抗体の検出方法の一つとして、梅毒トレポネーマ抗原を不溶性担体に担持させ、検体中の抗梅毒トレポネーマ抗体との抗原抗体反応によって生じた不溶性担体の凝集の度合いを検出することにより測定する方法がある。このような測定方法としては、赤血球凝集反応法、ラテックス凝集法が知られている。
【0003】
上記検出方法としては、凝集の有無を肉眼で判定する方法、反応液に光を照射して散乱光または透過光を測定する方法があり、肉眼判定は定性法または半定量法として用いられている。
【0004】
これら凝集反応の測定において、測定感度の向上または抗原抗体反応の促進を目的として、ポリエチレングリコール等の水溶性高分子を反応系に添加する方法が提案されていた(特開昭58−47256号公報、特開平2−257063号公報)。
しかしながらポリエチレングリコール等の水溶性高分子では、ロット間差が大きく、再精製が必要である等の問題点を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決するものであり、その目的とするところは、汎用性が高く、高い検出感度を有する抗梅毒トレポネーマ抗体の免疫測定法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の免疫測定法は、不溶性担体に梅毒トレポネーマ抗原を担持させ、抗梅毒トレポネーマ抗体との抗原抗体反応により生じた凝集の度合いを検出することにより前記抗体を測定する。
上記抗原抗体反応の測定系における検体希釈液のpHは、低くなると不溶性担体が非特異的な凝集を引き起こし、高くなると検出感度が十分でなくなるため、5.5〜6.0に限定される。さらに、上記検体希釈液中にグリコシルエチルメタクリレートのホモポリマーを存在させる。
【0007】
上記抗原抗体反応は通常の条件で行われ、反応媒体としては、例えば、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液等が用いられる。測定系の温度は、0〜50℃が好ましく、さらに好ましくは20〜40℃である。反応時間は適宜決められる。
【0008】
上記不溶性担体としては、例えば、有機高分子粉末、無機物質粉末、微生物、血球及び細胞膜片、プラスチック製マイクロタイタープレート等が挙げられる。
上記有機高分子粉末としては、例えば、不溶性アガロース、セルロース、不溶性デキストラン等の天然高分子粉末、ポリスチレン、スチレン−スチレンスルホン酸塩共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体等の合成高分子粉末などが挙げられ、特に合成高分子粉末を均一に懸濁させたラテックスが好ましい。
【0009】
上記無機物質粉末としては、例えば、金、チタン、鉄、ニッケル等の金属片、シリカ、アルミナ、炭素末などが挙げられる。
上記不溶性担体の平均粒径は、測定方法、測定機器によって異なるが、0.05〜1.0μmのものが通常用いられる。
【0010】
上記不溶性担体に梅毒トレポネーマ抗原を担持させる方法としては、例えば、化学的または物理的結合により感作させる方法が挙げられる。
上記抗原としては、例えば、菌体破砕物、精製物、または遺伝子組み換えにより人工的に合成されたもの等が挙げられ、これらは単独で用いられてもよいし、併用されてもよい。
【0011】
上記試薬を用いて抗原抗体反応を測定する際の測定系としては、例えば、ラテックス凝集反応、血球凝集反応等が利用される。
上記反応により生じた凝集を測定する方法としては、凝集の程度を光学的に観察する方法が採用される。
【0012】
具体的には、光学的に観察する方法においては、測定は検体、検体希釈液及び梅毒トレポネーマ抗原を担持させた不溶性担体を混合した後、該混合液の散乱光強度、吸光度、または透過光強度を検出する。測定の波長は300〜2400nmが使用でき、測定方法は公知の方法に従い、用いる不溶性担体の粒径、濃度、反応時間によって散乱光強度、吸光度、または透過光強度の増加もしくは減少を測定する。またこれらの方法は単独で用いられてもよいし、併用されてもよい。
【0013】
【0014】
【実施例】
本発明を実施例につき説明する。
(実施例1)
〔梅毒トレポネーマ抗原担持ラテックス液の調製〕
100mMリン酸緩衝液(pH7.4)に梅毒トレポネーマ抗原液(蛋白濃度150μg/ml)400μlを平均粒径400mμのポリスチレンラテックス(固形分10%(w/v)、積水化学工業社製)100mlに添加し、4℃で1時間攪拌した。
次いでウシ血清アルブミン(以下「BSA」とする)を1%(w/v)含有する100mMリン酸緩衝液(pH7.4)2mlを添加し、1.5時間攪拌した。この液を10℃で30分間、18000rpmで遠心分離した。得られた沈殿物にBSAを0.25%(w/v)含有する100mMリン酸緩衝液(pH7.4)5mlを添加し、ラテックスを懸濁させ、梅毒トレポネーマ抗原担持ラテックス液を調製した。
【0015】
〔検体希釈液の調製〕
pH5.5の100mMリン酸緩衝液に、BSAを0.25%(w/v)、グリコシルエチルメタクリレートのホモポリマー(pGEMA、平均分子量114万、日本精化社製)を1%(w/v)となるように溶解した。
〔抗梅毒トレポネーマ抗体測定試薬〕
本実施例の抗梅毒トレポネーマ抗体測定試薬は、上記梅毒トレポネーマ抗原担持ラテックス液からなる第1試薬と、上記検体希釈液からなる第2試薬とから構成される2液系の試薬である。
〔標準抗梅毒トレポネーマ抗体液〕
抗梅毒トレポネーマ抗体を各々0、17、67、270T.U.含有するヒト血清を標準抗梅毒トレポネーマ抗体液(検体)として使用した。
【0016】
〔抗梅毒トレポネーマ抗体価の測定〕
生化学自動分析装置(日立7050型、日立製作所社製)により、上記各検体の抗体価を測定した。測定条件は温度37℃、モードOriginal Abs、波長570nmとした。測定方法は、検体20μlを分注後、直ちに検体希釈液(第2試薬)350μlの添加・混合、次いでラテックス液(第1試薬)50μlの添加・混合を行う。反応量は、ラテックス液添加後80秒から320秒の間の吸光度変化量とし、各検体n=2で測定を行い平均値を求めた。結果を表1に示す。
【0017】
(実施例2)
検体希釈液としてpH6.0の100mMリン酸緩衝液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして測定を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
検体希釈液としてpH6.5の100mMリン酸緩衝液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして測定を行った。結果を表1に示す。
【0018】
(比較例2)
検体希釈液としてpH4.0の100mMリン酸緩衝液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして測定を行った。結果を表2に示す。
(比較例3)
検体希釈液としてpH7.2の100mMリン酸緩衝液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして測定を行った。結果を表2に示す。
(比較例4)
検体希釈液としてpH7.4の100mMリン酸緩衝液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして測定を行った。結果を表2に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
表1及び表2から明らかなように、本発明の実施例(1〜2)によると、抗体量に依存した反応量が認められ、また低値の反応量が大きく、高い検出感度が得られた。一方pHが低い場合(比較例2)では、抗体量に依存した反応量が認められず、またpHが高い場合(比較例1、3、4)では、低値での反応量が小さく検出感度が低かった。
【0022】
【発明の効果】
本発明の抗梅毒トレポネーマ抗体を検出する免疫測定法は上述の通りであり、測定系における検体希釈液のpHを調節するとともに、上記凝集の程度を、検体、検体希釈液及び梅毒トレポネーマ抗原を担持させた不溶性担体を混合した後、該混合液の散乱光強度、吸光度、または透過光強度を検出する方法によって観察することにより、汎用性が高く、非特異反応が少なく高感度な梅毒診断ができる。
本発明は、例えばラテックス、赤血球等の担体を使用し、抗原抗体反応を利用したラテックス凝集法や血球凝集法による梅毒診断試薬として利用でき、該試薬は梅毒の診断及び治療のための臨床検査等の分野に広く利用できる。
Claims (1)
- 梅毒トレポネーマ抗原を担持させ、抗梅毒トレポネーマ抗体との抗原抗体反応により生じた不溶性担体の凝集の度合いを検出することにより前記抗体を測定する免疫測定法において、上記抗原抗体反応の測定系における検体希釈液のpHが5.5〜6.0であって、かつ、該検体希釈液中にグリコシルエチルメタクリレートのホモポリマーを存在させるとともに、前記凝集の程度を、検体、検体希釈液及び梅毒トレポネーマ抗原を担持させた不溶性担体を混合した後、該混合液の散乱光強度、吸光度、または透過光強度を検出する方法によって観察することを特徴とする免疫測定法。
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JP24510194A JP3618797B2 (ja) | 1994-10-11 | 1994-10-11 | 免疫測定法 |
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JP24510194A JP3618797B2 (ja) | 1994-10-11 | 1994-10-11 | 免疫測定法 |
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JPH08110341A JPH08110341A (ja) | 1996-04-30 |
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JP24510194A Expired - Lifetime JP3618797B2 (ja) | 1994-10-11 | 1994-10-11 | 免疫測定法 |
Country Status (1)
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