JPH07113052B2 - 成形品の製造方法 - Google Patents

成形品の製造方法

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JPH07113052B2
JPH07113052B2 JP4034285A JP4034285A JPH07113052B2 JP H07113052 B2 JPH07113052 B2 JP H07113052B2 JP 4034285 A JP4034285 A JP 4034285A JP 4034285 A JP4034285 A JP 4034285A JP H07113052 B2 JPH07113052 B2 JP H07113052B2
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polyisocyanate
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オツトー・ガンシユター
ウルリツヒ・クニツプ
ブルーノ・ルーカス
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バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は900kg/m3を越える総密度を有する成形品の新規
な製造方法に関する。この方法においては、優れた機械
的性質を得るのに必要な尿素基は、主として芳香族ポリ
イソシアネートと、芳香族ポリイソシアネートと水とか
らその場で得られる芳香族アミンとの反応によって製造
される。
〔従来の技術および発明が解決しようとする問題点〕
反応射出成形法を使用して芳香族ポリイソシアネート、
比較的分子量の高いポリヒドロキシル化合物および第1
級または第2級アミノ基を含む芳香族ジアミンの反応混
合物を密閉された型の中で反応させることによって、尿
素基を含むポリウレタンから成形品を製造することが知
られている(米国特許第4,218,543号またはドイツ特許
出願公開明細書第3,147,736号を参照)。この方法によ
って得られた成形品はそれの高い尿素基含有量のため
に、優れた機械的性質を有する。この公知の方法では芳
香族ジアミンを使用することによって、(これらの機械
的性質を得るのに必要な)尿素基がポリウレタン構造に
合体される。しかしながら、この公知方法において、優
れた機械的性質という上述の利点は、1−メチル−3,5
−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼンのような高価な特
定の芳香族ジアミンまたはそれと1−メチル−3,5−ジ
エチル−2,6−ジアミノベンゼンを使用しなければなら
ないことを犠牲にして得られる。これらのジアミンは芳
香族状に結合したイソシアネート基と極めて活発に反応
する結果、公知方法の反応性の高い反応混合物を極く短
時間のうちに型の中に導入しなければならない。これ
は、大きな型を満たすには、特別の強力な装入装置を使
用する場合にしか成しとげることができない。
〔発明の目的〕
したがって、本発明の目的は、このように概して高価な
芳香族ジアミンの使用をもはや必要としないか、あるい
は比較的極く少量しか必要としない結果、公知方法の利
点が上述の欠点を伴なわずに得ることができる、900kg/
m3を越える総密度(DIN 53 420)を有する、ポリイソシ
アネートをベースとした成形品の新規な製造方法を提供
することであった。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の問題は本発明方法によって解決することができ
た。本発明の基礎をなす基本的な原理は、尿素基を生成
させるのに必要なアミノ基がポリイソシアネート成分の
イソシアネート基の一部と水との反応により現場で得ら
れることにある。それと同時に発泡構造の形成は外部圧
力を維持することによって防止される。
水の存在下において有機ポリイソシアネートと有機ポリ
ヒドロキシル化合物との反応によって尿素基を含むポリ
ウレタンを製造することは既に知られている。この公知
方法において、水は発泡構造を形成させる目的の発泡剤
としての二酸化炭素を生成させるために、主としてまた
は専らイソシアネート基と水との反応のために使用され
てきた(Kunststoff Handbuch,Volume II,「Polyuretha
ne」,Carl Hanser Verlag Munich(1966)、第440頁以
下参照)。連鎖延長剤として水を使用する2段階法によ
って中実の非発泡性ポリウレタンエラストマーを製造す
ることも既に知られているが、非発泡性エラストマーを
製造するこの方法もまた発泡構造を生成する中間段階を
通り抜け、そしてこの発泡構造はローラで固められ、最
後に圧縮されて中身の詰ったエラストマーを生成した。
本発明方法は、他方では、後で圧縮して発泡していない
ポリウレタンを生成させなければならない発泡体の中間
的な生成を伴わずに、初めから水性の反応混合物を実質
的に発泡していない尿素変性生成物に転化することがで
きる。これは、本発明に従い、生成した二酸化炭素が反
応混合物および得られた生成物の溶液中に大部分または
完全に残る反応中に、上記のような圧力をかけることに
よって、達成される。
本発明は、さらに特定的には、密閉した型の中に反応混
合物を導入することを含む、反応射出成形法を経て緻密
な表面層と900kg/m3を越す総密度とを有する非発泡性ま
たは微孔性、すなわち実質的に非気泡質の成形品を製造
する方法において、上記反応混合物が、 (a)専ら芳香族状に結合したイソシアネート基しかも
たない少なくとも1種のポリイソシアネートからなるポ
リイソシアネート成分、 (b)400〜12,000の分子量を有し、かつ少なくとも2
個のイソシアネート反応性の水素原子を有する化合物、 (c)成分(a)のイソシアネート基1モル当り少なく
とも0.15モルの量の水、(d)随意に、60〜399の分子
量を有し、かつ少なくとも2個のイソシアネート反応性
の基を有する化合物、および (e)随意に、通常の助剤および添加剤からなり、そし
て反応中に生成した二酸化炭素の全部または大部分が反
応混合物中およびその反応混合物から得られた成形品の
中に溶解して残るように、反応中に反応混合物の圧力を
40バールよりも高く維持し、そして生成した成形品を化
学反応終了後に型から取り出す上記製造方法に関するも
のである。
反応射出成形法(以下、RIMと略す)は、ポリイソシア
ネートをベースとした成形品を製造する通例の方法であ
って、例えばVan Nostrand Reinhold社、ニューヨー
ク、シンシナティ、ロンドン、アトランタ、トロント、
ダラス、サンフランシスコ、メルボルン(1979年)発
行、W.E.Becker著、「Reaction Injection Molding」に
記載されている。
出発物質(a)は、すべてのイソシアネート基が芳香族
状に結合している有機ポリイソシアネート、特にポリウ
レタン化学から公知の工業的に重要な芳香族ポリイソシ
アネート、例えば2,4−ジイソシアナトトルエン、それ
の2,6−ジイソシアナトトルエンとの商業的な混合物お
よびジフェニルメタン系列のポリイソシアネートまたは
ポリイソシアネート混合物を包含している。ポリイソシ
アネートは変性されていない形で使用してもよいし、あ
るいはウレタン基、カルボジイミド基および/またはイ
ソシアヌレート基で変性することもできる。4,4′−ジ
イソシアナトジフェニルメタンの「ジフェニルメタン系
列のポリイソシアネートおよびポリイソシアネート混合
物」およびこれらのポリイソシアネートと、随意に2,
2′−ジイソシアナトジフェニルメタンおよび/または
その官能性の高い同族体との混合物も使用できる。官能
性の高い同族体も含むこの種の混合物は対応するアニリ
ン/ホルムアルデヒド縮合物のホスゲン化により公知方
法で得ることができる。本発明方法において使用される
ジフェニルメタン系列のポリイソシアネート混合物は好
ましくは少なくとも60重量%の二官能性イソシアネート
含有量を有する。非常に大きい衝撃強さを有する堅い成
形品または弾力のある成形品の製造に使用する場合、そ
の二官能性のイソシアネート含有量は好ましくは少なく
とも90重量%である。本発明方法において使用すべきポ
リイソシアネートは好ましくは室温で液体である。特に
好ましいポリイソシアネートの中には、1モルの4,4′
−ジイソシアナトジフェニルメタンと0.05〜0.3モルの
低分子量ジオールまたはトリオール、好ましくは700よ
りも小さい分子量を有するポリプロピレングリコールと
の反応生成物または例えば米国特許第3,152,162号によ
って得られるような、カルボジイミドによって変性(ま
たはウレトンイミンによって変性)した4,4′−ジイソ
シアナトジフェニルメタンが包含される。これらのウレ
タン変性またはカルボジイミド変性ジイソシアネート相
互の混合物またはこれらのジイソシアネートと、同様に
変性されたまたは変性されていない2,4′−ジイソシア
ナトジフェニルメタンとの混合物または前述の同様に変
性されたまたは変性されていない官能性の高い同族体ポ
リイソシアネートとの混合物も特に好ましい。これらの
混合物は対応する出発ポリイソシアネートの混合物の適
当な変性または既に少なくとも一部分が変性されている
ポリイソシアネートの混合によって製造することができ
る。上に例示したポリイソシアネートおよび以下に述べ
るポリヒドロキシル化合物(b)および(d)をベース
としたイソシアネートプレポリマーおよびイソシアネー
トセミ−プレポリマーもまたポリイソシアネート成分
(a)として使用することができる。
好適な出発成分(b)は400〜12,000、好ましくは900〜
6000の分子量を有する特定のポリエステルポリオールお
よびポリエーテルポリオールおよびこのような化合物の
混合物である。これらのポリヒドロキシル化合物は少な
くとも2個、好ましくは2〜6個のアルコール性ヒドロ
キシル基を有し、公知方法により公知の出発物質から製
造される。
好適なポリエステルポリオールは、例えば過剰量の多価
アルコールと多塩基性、好ましくは二塩基性のカルボン
酸またはカルボン酸無水物との反応によって得ることが
できる。好適なカルボン酸、無水カルボン酸および低分
子量の多価アルコールは、例えば米国特許第4,128,543
号の第8欄、第27行〜第52行に記載されている。
本発明方法に適したポリエーテルポリオールは、例え
ば、随意に混合物の形で、または連続的に、特にエチレ
ンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドを使用し
て適当な出発分子をアルコキシル化する公知方法によっ
て得ることができる。好適な出発分子の例は、水、エチ
レングリコール、1,2−ジヒドロキシプロパン、トリメ
チロールプロパンおよび/またはグリセロールを包含し
ている。
前述のポリエステルポリオールおよび/またはポリエー
テルポリオールの他に、またはこれらに代えて、前記の
分子量範囲を有し、かつイソシアネート反応性の基を含
むその他の比較的分子量の高い化合物も本発明方法にお
ける成分(b)として使用できる。これらの化合物は、
例えば、前述の分子量範囲を有するラクトンをベースと
したポリエステル、例えばポリ−ε−カプロラクトン、
またはω−ヒドロキシアルカンカルボン酸をベースとし
たポリエステル、例えばω−ヒドロキシカプロン酸、ポ
リカーボネートポリオール、ポリエステルアミドまたは
ヒドロキシル基含有ポリアセタールを包含している。前
述の分子量範囲を有する周知のアミノポリエーテルも化
合物(b)として使用できる。これらの「アミノポリエ
ーテル」は、そのイソシアネート反応性の基の少なくと
も一部が第1級または第2級アミノ基からなる化合物で
ある。このような「アミノポリエーテル」の製造は、例
えばドイツ特許出願公開明細書第3,231,399号、第2,01
9,432号、第2,619,840号、第2,546,536号、第2,948,419
号、第3,039,600号または米国特許第3,654,370号、第3,
236,895号、第3,808,250号、第3,975,428号、第4,016,1
43号または第4,218,543号のような多くの刊行物に記載
されている。例として上に述べたポリエステルポリオー
ルおよびポリエーテルポリオールが好ましい。
60〜399の分子量を有する低分子量化合物(d)もまた
本方法において随意に使用される。これらの化合物は好
ましくは(随意にエーテル基を含み)62〜399の分子量
を有する多価の脂肪族アルコール、例えばエチレングリ
コール、1,2−ジヒドロキシプロパン、1,3−ジヒドロキ
シプロパン、1,4−ジヒドロキシブタン、1,6−ジヒドロ
キシヘキサン、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレング
リコール、トリメチロールプロパン、グリセロール、前
述の多価アルコールの低分子量のアルコキシル化生成
物、またはこのような低分子量の連鎖延長剤または架橋
剤の混合物を包含している。少なくとも2個の第1級お
よび/または第2級アミノ基を有する分子量60〜399の
有機ジアミンも成分(d)として使用できる。この例
は、1,2−ジアミノエタン、1,6−ジアミノヘキサン、2,
4−ジアミノトルエン、4,4′−ジアミノジフェニルメタ
ンおよび特に、室温において液体であって、立体障害を
受けたアミノ基を有する芳香族ジアミンを包含してお
り、この例はドイツ特許出願公開明細書第2,916,485号
の第17頁、第26行〜第18頁、第9行に示されている。そ
こに述べられたジアミンの混合物も、それが室温で液体
であるならば、使用できる。しかしながら、このような
アミンを大いに不要にできることが本発明の基礎をなす
目的であったので、これらのアミンは、もしあるとして
も、「粘度調整剤」として作用させるために、水の量を
ベースにして高々30モル%の少量で使用されるにすぎな
い。イソシアネート基とアミノ基との反応は直ちに開始
するので、これらのアミンは、必要な場合、主要な反応
が開始する前に液体反応混合物の粘度を上昇させるため
に使用することができる。これは多くの場合、装置と結
びついた理由によって有利である(分離面、突出し装置
およびコア・ドラフトの封鎖)。
随意に使用される助剤および添加剤(e)は、例えば乳
化剤、触媒、潤滑剤、内部離型剤、安定剤、粉末状また
は繊維状の補強用充填剤、難燃剤または例えばドイツ特
許出願公開明細書第3,147,736号または既に前に参照し
たKunststoff Handbuchの第96頁以下に記載された型の
可塑剤を包含している。
本発明に欠くことのできない特徴は、追加の反応成分と
して水を使用することである。本発明方法において水は
成分(a)の中に存在するイソシアネート基1モル当り
少なくとも0.15モル、好ましくは0.25〜0.49モルの量で
使用される。
反応剤は別に70〜125、好ましくは85〜115のイソシアネ
ート指数に相当する量で使用される。「イソシアネート
指数」とは、イソシアネート反応性の基100個に付き、
反応混合物中に存在するイソシアネート基の数を意味す
る(水は二官能性化合物として計算に入れる)。
本発明方法は、反応して尿素で変性された生成物を生ず
る液体混合物を形成させるために、反応射出成形法に慣
用されている混合装置を使用して、好ましくはポリイソ
シアネート成分(a)と化合する「ポリオール成分」を
形成する成分(b)ないし(e)と一体にする反応射出
成形法で各成分を反応させることによって遂行される。
この方法において使用される成分(a)の量は、使用し
た不活性の助剤および添加剤を計算に入れないで成分
(b),(d)および(e)の全体の量をベースにして
一般に15〜300重量%、好ましくは35〜200重量%であ
る。単一のポリイソシアネートをベースとしたイソシア
ネートプレポリマーをポリイソシアネート成分(a)と
して使用するとともに(b)および随意に(d)で述べ
たポリヒドロキシル化合物を使用する場合には、重量か
らみて著しく過剰のイソシアネートが存在できる。しか
しながら、いずれの場合にも、使用した不活性な助剤お
よび添加剤を計算に入れない反応混合物全体をベースに
して成分(b)の量は少なくとも25重量%である。イソ
シアネート指数に関して上に示した詳細な説明はこのよ
うな個々の成分に当てはまり、すなわち成分(a)の中
に既に組み込まれたポリヒドロキシル化合物はイソシア
ネート指数を計算するときには考慮されない。
本発明にとって欠くことができない第二の特徴は、高圧
の射出混合によって生成させるのが好ましい反応混合物
を、30〜70℃の範囲の温度に焼入れするのが好ましい液
密の金型の中に導入し、そしてこの金型を好ましくは金
属、特に鋼でつくることである。反応中に生成した二酸
化炭素の全部または一部が溶解して残るように、反応中
に、この金型の中の圧力を40バールよりも高い水準に維
持する。この圧力は、 (a)例えばプレス(金型密閉装置)によって外部圧力
を適用するか、または (b)堅い耐圧金型を使用すること によって維持される。
成形用の金型には、化学反応が無視できないほど盛んに
起る前に、液体の反応混合物を完全に満たすのが好まし
い。
液密の耐圧性金型を使用するときには、必要な圧力を発
生させてそれを維持させる目的のために、その金型を満
たした後にそれをしっかりと封じれば十分である。
成形用金型が、二酸化炭素の発生によって生ずる内圧が
その内容積の増大を引き起すような性質をもつならば、
外部圧力を適用することによって、必要な内圧を確実に
発生させてこれを維持しなければならない。対応する非
発泡性の成形品の密度よりは僅かしか低くないが、なお
900kg/m3を越す総密度を有する微孔性の成形品を製造す
るためには、成形品の所望の密度と一致するように成形
用金型の内部容積を制御するために外部圧力を制御する
ことができる。生成した二酸化炭素の大部分を溶解して
残すことができるように金型の内圧が十分であることを
保証するような注意を常に払わなければならない。
新鮮な反応混合物の粘度は時折極めて低く、また成形用
金型は多くの場合非常に複雑な方法によってやっと封じ
ることができるので、既に始まった反応の結果粘度が既
に上昇してしまうまで、外部からの圧力を適用しないの
が屡々望ましい。圧力を適用する場合のこの時間の引き
延しは、例えば対応するプレスの付いた所謂イマージョ
ン・エッジ金型(immersion edge tool)を使用する
か、またはアフター・プレッシャリゼーション法(afte
r pressurization method)を使用することによって工
業的に実現することができる。好適なイマージョン・エ
ッジ金型は公知であって、例えば「Kunststoff-Handbuc
h」,Carl-Hanser-Verlag,Munich(1973年)、第8巻、
「Polyester」、第488頁に記載されている。所謂アフタ
ー・プレシャリゼーション法に適した装置は、例えば欧
州特許第24610号に記載されている。
生成した二酸化炭素の全部または大部分が溶解して留ま
らなければならないという、本発明によって要求される
条件は、非発泡性または僅かに微孔性でしかない構造
(少なくとも1050kg/m3の総密度を有する)の場合に、
最終製品が、プロセス中に導入された水の量から理論的
に得られる計算上の二酸化炭素の少なくとも70重量%、
好ましくは少なくとも85重量%の二酸化炭素を溶解して
含まなければならないことを意味している。イソシアネ
ート指数が少なくとも100、すなわちプロセス中に導入
された水1モル当り1モルの二酸化炭素が生成する場
合、理論的に得られる二酸化炭素の計算量は、プロセス
中に導入された水の量に一致している。イソシアネート
指数が100よりも小さい場合には、二酸化炭素の理論的
に得られる量を計算するとき、生成した二酸化炭素のモ
ル量は、第一の近似値として、当然プロセス中に導入さ
れた水のモル数にイソシアネート指数を掛けて100で割
った値に相当するものと考えられる。総密度が僅か900k
g/m3であるときでさえ(対応する非発泡製品の密度が11
00kg/m3であると仮定して)、孔のガス容積は成形品の
全容量をベースにして僅か22%にすぎないので、900〜1
050の総密度を有する成形品を製造するときには、二酸
化炭素の理論量の50重量%を越える量が成形品の中に溶
解しているものと憶測することもできる。孔の中に存在
するガスが余分の圧力の下にないと仮定すると、これ
は、900kg/m3の密度を有する成形品中に、容量1000cm3
当り、0.01モルの水に対応する220cm3の二酸化炭素が存
在していることを意味するであろう。しかしながら、実
際には、本発明方法において使用される水の量は、一般
に反応混合物900当り0.30モルを越している。孔の中の
二酸化炭素の圧力がたとえ10バール(この圧力は成形品
の変形または破裂さえも引き起すのに十分であろう)で
あるとしても、孔は900g当り0.1モルの二酸化炭素し
か、すなわちプロセス中に導入された水の量から計算し
た量の3分の1に満たない量しか含まない。
本発明方法のための成形用金型に必要な内圧は一般に40
〜180バール、好ましくは80〜150バールの範囲内にあ
る。反応混合物全体をベースとした水の使用量が2.5重
量%よりも少ないときには、40〜120バールの圧力が一
般に十分である。これよりも多量の水を使用するときに
は、120バールを越す圧力を必要とすることができる。
成形用金型のキャビティが完全に満たされて、使用され
た成形用金型が一定の内部容積を有する場合、本発明方
法によって得られる成形品は非発泡性である。化学反応
中に成形用金型の内容積を(例えば密閉カバーを適用す
る密閉力によって制御できる、モールドコアの外側へ向
う僅かな移動またはその一部の型のキャビティから外側
へ向う僅かな移動によって)制御しながら増大させる
か、あるいは成形用金型の弾性変形能のために型の内容
積が僅かに増大する場合、得られた製品は微孔性の品物
であるが、それはいつも非発泡性の表面層を有する。
一定の内容積を有する圧力に対して安定な型を一部しか
充填しなくても、原則として同じ結果を得ることができ
る。しかしながら、既に上に述べたように、本発明方法
については、化学反応が始まる前に型を全部液体の反応
混合物で満たすのが好ましい。可変性の内容積を有する
成形用金型を使用するか、あるいは型を一部しか満たさ
ない、本方法のすべての変形方法において、得られた成
形品が確実に900kg/m3を越す、好ましくは1050kg/m3
越す総密度(DIN 53 420)を有することが常に必要であ
る。
このように多量の二酸化炭素を含む成形品が、急激な圧
力の放出による破裂、発泡または変形を受けずに極めて
迅速に型から取り出せることは非常に驚くべきことであ
る。成形品は、一般にそれを30〜70℃、好ましくは50〜
60℃において2〜5分間型の中に放置した後に取り出す
ことができる。
型から取り出した成形品が室温で貯蔵されるとき、その
中に溶解した二酸化炭素は拡散によって徐々に放出され
る。室温で約12時間貯蔵した後、製品中に初めに溶解し
た二酸化炭素の約60%が無くなった。この時間後、成形
品は破裂や発泡を起さずに例えば120℃に加熱すること
ができる。大量の水と高いイソシアネート指数が使用さ
れ、それに対応して大量の二酸化炭素が成形品の中に溶
解しているときには、成形品を120〜150℃に加熱する
と、室温で12時間貯蔵した後でも、破裂を起すことがで
きる。この裂け目の形成は段階的に加熱することによっ
て避けることができる。この知見が非発泡性成形品にお
いても本発明の微孔性成形品と同程度まで認められると
いう事実は、加熱されたとき成形品の「破裂」をもたら
す「新鮮な」成形品における内圧の急激な上昇が、対応
する圧力上昇を伴って、殆ど専ら溶解状態の二酸化炭素
がガス状二酸化炭素に急速に転化するためであって、微
孔性製品の孔の中に存在する比較的少量のガス状二酸化
炭素の比較的低いガス圧力によるものでないことを証明
している。
本発明方法によって得られた成形品は900kg/m3を越す密
度、好ましくは1050〜1200kg/m3の密度を有する。反応
混合物が密度の高い充填剤を多く含む場合、その密度は
1200kg/m3を越すことができる。成形品は常に緻密な、
すなわち非発泡性の表面層を有する。本発明方法の原理
を欧州特許第24610号に記載されたアフター・プレシャ
リゼーション法と組み合わせた場合、すなわちこの先行
刊行物に記載された型の成形用金型で本発明方法を遂行
した場合、くぼみ、泡または表面の有孔性のない非常に
均質な成形品が得られる。
本発明方法はショアA硬さ約65(エラストマー)ないし
ショアD硬さ少なくとも80という極めて広い硬さ範囲で
品質の高い成形品を得ることができる。好ましくは、出
発物質、すなわちその分子量と官能性並びに水の量は、
生成した成形品が、ショアA少なくとも70、より好まし
くはショアD少なくとも40、そして最も好ましくはショ
アD40〜80の硬さを示すように、選定される。
本発明方法の特別な利点は、本発明方法が毒物学上完全
に無害な連鎖延長剤(水)によって尿素で変性された、
実質的に非発泡性の、中実なポリウレタンを製造するこ
とができ、しかもこれらのポリウレタンが、その優れた
機械的性質において、これに対応する、本技術分野にお
いて公知のアミンで連鎖が延長されているポリウレタン
と完全に同等であり、さらにジアミン連鎖延長剤を完全
にまたは殆ど完全に使用しないで製造できる点に認める
ことができる。この技術分野において公知の系(これは
連鎖延長剤として、反応性の高い芳香族ジアミンを含
む)と比較した、本発明によって使用した反応系のもう
一つの利点は、本発明に従って使用される反応混合物の
長い流動時間であって、これにより、ポリウレタンの生
成を導く化学反応が始まる前に、複雑な形をした大きな
型の中にさえその混合物を容易に導入することができ
る。
本発明方法の生成物は多くの利用分野において、例えば
耐摩耗性ライニング、スクリーンプレート、フィルタプ
レート、工業的な駆動用部品および伝送部品、シール、
ベローズ、タイヤ、シリンダ、ローラ、軸受要素、靴
底、靴のヒール、ブーツ、緩衝装置、バッフル、自動車
の車体部品、容器、トランク;コンピュータ、複写機、
テレビ装置、テレプリンタ、電子装置、空調装置、家庭
用器具および冷凍蔵庫のためのハウジングおよび成形部
品、ケーブル接合ボックス、スキーおよび日常使用され
る同様な品物として使用できる。
〔実施例および発明の効果〕
本発明は、以下の実施例によってさらに説明されるが、
この実施例によって制限されることを意図するものでな
く、実施例中のすべての部および百分率は別に指定され
ていなければ重量によって表わされている。後の実施例
において下記の原料物質を使用した。
成分(a): ポリイソシアネートI: 31.5%のイソシアネート含有量と25℃における100mPa.s
の粘度を有する、アニリン/ホルムアルデヒド縮合物の
ホスゲン化によって製造された、ジフェニルメタン系列
のポリイソシアネート混合物。
ポリイソシアネートII: 90%のジイソシアナトジフェニルメタン異性体を含むジ
フェニルメタン系列のポリイソシアネート混合物とトリ
プロピレングリコールとの反応生成物。イソシアネート
含有量:24.6%。
ポリイソシアネートIII: アジピン酸と、エチレングリコールおよびブタンジオー
ルの混合物との70:30の重量比から得られた、分子量200
0を有するポリエステルジオールと4,4′−ジイソシアナ
トジフェニルメタンとの反応によって製造された、19.5
%のイソシアネート含有量を有するイソシアネートセミ
プレポリマー。
ポリイソシアネートIV: 2,4−ジイソシアナトトルエン。
成分(b): ポリオールI: ソルビトールのプロポキシル化とそのプロポキシル化生
成物のエトキシル化(PO:EOの重量比=83:17)によって
製造された、ヒドロキシル数28を有するポリエーテルポ
リオール。
ポリオールII: トリメチロールプロパンのプロポキシル化と、それにつ
づくそのプロポキシル化生成物のエトキシル化(PO:EO
の重量比=78:22)によって製造された、ヒドロキシル
数28を有するポリエーテルポリオール。
ポリオールIII: 1,4−ジヒドロキシブタンとエチレングリコールとの50:
50の割合の混合物とアジピン酸との反応によって製造さ
れた、ヒドロキシル数56を有するポリエステルジオー
ル。
成分(c): 連鎖延長剤I: 2,4−ジアミノ−3,5−ジエチルトルエン70%と2,6−ジ
アミノ−3,5−ジエチル−トルエン30%との混合物。
連鎖延長剤II: エチレンジアミンのプロポキシル化生成物ヒドロキシル
数800。
成分(d): 添加剤I: 商業的なポリエーテルポリシロキサン安定剤(バイエル
AG,Leverkusenの「安定剤OS50」)。
添加剤II: オレイン酸2モルとN−ジメチルアミノ−プロピルアミ
ン1モルから得られた、アミド基を含む塩。この添加剤
は乳化剤と内部離型剤の二重の作用を果す。
実験方法の一般的な説明 商業的な高圧の装入混合装置において原料を処理した。
ポリウレタンフオームの製造において慣用されているよ
うに、成分(b)ないし(e)を互に混合してポリオー
ル混合物を形成させた。実施例11においてポリオール混
合物とイソシアネートを50〜55℃に予熱したことを除い
て、処理中の原料の温度は約35℃であった。
成形用金型: 内側寸法、50×80×0.45cmを有し、内側表面にワックス
をベースとした商業的な外部離型剤(Acmos,BremenのAc
mosil/80)が被覆されているプレートモールド。この金
型は油で焼入れした鋼のイマージョンエッジ金型であっ
た。
実験中この金型を50〜60℃の温度(表面温度)に維持し
た。
混合ヘッド:Fa.Hennecke,BirlinghovenのMQ18/4K。
金型の内圧の測定: プレートの中央に置かれた圧力レシーバ(Fa.Hottinge
r,Darmstadt製のP3M/200)。
二酸化炭素損失量の測定: 型から取り出した直後の成形品(a)と、室温で12時間
貯蔵し、ついで、120℃において60分間焼入れた成形品
(b)の重量を計量することによって、二酸化炭素損失
量を測定した。
密閉機構: Firmaの商業的なプレス(モデル:300K400PO)。密閉力4
00tを有する、Paul Ott,Waibling-Neustadtを使用し
た。
全般的な注釈: 実施例1ないし6および実施例7は、ジフェニルメタン
系列の種々の型のポリイソシアネートを使用した場合の
種々の量の水における、水の架橋作用を説明する実施例
である。
実施例6Aないし6Dおよび7Aないし7Cはイソシアネート指
数において可能な変化を示している。実施例6Cは、硬化
が余りにもゆっくりと進行するので、このイソシアネー
ト指数では(指数=135)容認できない離型時間を示す
比較例である。実施例からわかるように、100よりも小
さいイソシアネート指数によって製造された成形品はか
なり低い硬さを有する。
実施例8はポリイソシアネート成分(a)を除けば実施
例7と同様である。
実施例9および10は、連鎖延長剤としての芳香族ジアミ
ンを、水の量をベースにして約30モル%併用した水によ
る架橋を説明している。
実施例11および12は比較的柔軟なエラストマーの製造を
説明している。
実施例において使用した出発物質の性質と量的な割合お
よび測定された分析データと試験結果を次の第1表およ
び第2表に要約する。処方に関して第1表に示した数値
は別に指示がなければ、重量部を意味している。
本発明はこれまで説明の目的で詳細に記述されてきたけ
れども、このような詳細な説明は単にこの目的のために
述べたもので、本発明が特許請求の範囲によって限定さ
れることを除いて、本発明の精神と範囲を逸脱しないで
当業者がその中で種種の変更をなし得ることは理解され
るべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウルリツヒ・クニツプ ドイツ連邦共和国デイー5060 ベルギツシ ユ‐グラトバハ 2、ハーバーラントシユ トラーセ 3 (72)発明者 ブルーノ・ルーカス ドイツ連邦共和国デイー5090 レーヴアー クーゼン 1、ペテルスベルク シユトラ ーセ 4 (56)参考文献 特開 昭57−123213(JP,A) 特開 昭57−42716(JP,A) 特開 昭57−5716(JP,A) 特開 昭55−144020(JP,A) 特開 昭52−142797(JP,A) 特開 昭57−131218(JP,A) 特開 昭47−11840(JP,A) 国際公開82/297(WO,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密閉した型の中に反応混合物を導入して反
    応射出成形法によって緻密な表面層と900kg/m3を越す総
    密度とを有する実質的に非気泡質の成形品を製造する方
    法において、上記反応混合物が、 (a)すべてのイソシアネート基が芳香族状に結合して
    いる少なくとも1種のポリイソシアネートからなるポリ
    イソシアネート成分、 (b)400〜12,000の分子量を有し、かつ少なくとも2
    個のイソシアネート反応性の水素原子を有する化合物、 (c)成分(a)のイソシアネート基1モル当り少なく
    とも0.15モルの量の水、および (d)随意に、60〜399の分子量を有し、かつ少なくと
    も2個のイソシアネート反応性の水素原子を有する化合
    物 からなり、そして反応に加わるすべての反応剤をベース
    としたイソシアネート指数が70〜125であり、そして反
    応中に生成した二酸化炭素の全部または大部分が反応混
    合物中およびその生成した成形品の中に溶解して残るよ
    うに、反応中に反応混合物の圧力を40バールよりも高く
    維持し、そして得られた成形品を化学反応終了後に型か
    ら取り出す、上記製造方法。
  2. 【請求項2】ウレタン基、カルボジイミド基および/ま
    たはイソシアヌレート基で変性されていてもよいジフェ
    ニルメタン系列のポリイソシアネートまたはポリイソシ
    アネート混合物をポリイソシアネート成分(a)として
    使用する、特許請求の範囲第(1)項記載の製造方法。
  3. 【請求項3】400〜12,000の分子量を有するポリエステ
    ルポリオールおよび/またはポリエーテルポリオールを
    化合物(b)として使用する、特許請求の範囲第(1)
    項記載の製造方法。
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