JPH07112922A - 毛髪処理剤及び損傷毛髪の修復方法 - Google Patents

毛髪処理剤及び損傷毛髪の修復方法

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JPH07112922A
JPH07112922A JP28178393A JP28178393A JPH07112922A JP H07112922 A JPH07112922 A JP H07112922A JP 28178393 A JP28178393 A JP 28178393A JP 28178393 A JP28178393 A JP 28178393A JP H07112922 A JPH07112922 A JP H07112922A
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JP
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hair
compound
agent
formula
iridoid
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JP28178393A
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English (en)
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Zentarou Shinjiyou
善太郎 新條
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Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 イリドイド系化合物の配糖体を用いることな
く、しかも1種のイリドイド化合物の使用により複数種
の染色色調を与える毛髪処理剤を提供するとともに、損
傷毛髪を簡便に修復させる方法を提供する。 【構成】 一般式(1)で表わされるイリドイド化合物
及び一般式(2)で表わされるセコイリドイド化合物の
中から選ばれる少なくとも1種のイリドイド系化合物
と、アミノ基含有化合物からなる毛髪処理剤、ならびに
当該毛髪処理剤で損傷毛髪を処理することより成る損傷
毛髪の修復方法。 (式中、Rは、−H,−CH,−COOH,−CO
OA(A:アルキル基)、−COOM(M:塩形成
性陽イオン)、−COA(A:アルキル基)、−C
又はハロゲンを示し、R及びRは、−H又は−
OHを示し、Rは、−CH又は−CHOHを示
し、Rは、−CH,−CHO又は−COOHを示
し、Rは、−H又は−COOAを示す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、毛髪処理剤及び損傷毛
髪の修復方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の染毛料は、永久染毛料と一時染毛
料に大別される。永久染毛料は、通常、染料前駆体、染
料カップラー、酸化剤の3成分から構成される酸化染料
をアルカリ領域に於いて毛髪中に浸透させ、毛髪内で酸
化重合し、色素を生成させて毛髪を染色させるものであ
る。この永久染毛料は、堅牢度の高い優れた染毛効果を
与える反面その処理過程でアルカリ酸化反応によって毛
髪を著しく傷めるという問題があった。一方、一時染毛
料は、酸性色素等の色素を用い、毛髪に物理的に吸着さ
せて染毛を行うものである。これらは、簡便に使用で
き、毛髪を傷めることはないものの、その染毛効果が弱
く、色持ちしないという不満があった簡便に使用でき、
毛髪を傷めることなしに、しかも永久染毛料と同等の染
毛効果を有する染毛料は、いまだ実用化されていない。
【0003】一方、毛髪をパーマ処理する場合、そのパ
ーマ処理により得られる毛髪は損傷を受けたもので、そ
の手ざわりや光沢は通常の毛髪より劣ったものとなって
いる。このような損傷毛髪を簡便に修復できる技術も未
だ実用化されていない。
【0004】特開平3−220115号公報によれば、
イリドイド配糖体又はセコイリドイト配糖体を含有する
組成物(A)と、これらの配糖体を加水分解し得る酵素
を含有する組成物(B)との組合せからなる染毛化粧料
が提案されている。この染毛化粧料は、その使用状態に
おいて、前記イリドイド系化合物の配糖体を酵素により
加水分解させることから、染毛処理に長時間を有すると
いう問題がある上、毛髪の染色色調はそのイリドイド系
化合物の種類によって決まることから、所望する色調に
応じてそのイリドイド系化合物の配糖体の種類を選ぶ必
要があった。しかし、このようなイリドイド系化合物の
配糖体は天然物であり、その価格が高いため、所望の染
毛色調に応じた数多くの染毛化粧料を製品としてそろえ
ることは非常に困難であり、実用的ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、イリドイド
系化合物の配糖体を用いることなく、しかも1種のイリ
ドイド化合物の使用により複数種の染色色調を与える毛
髪処理剤を提供するとともに、損傷毛髪を簡便に修復さ
せる方法を提供することをその課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、分子内に不飽和結合
を有する特定のイリドイド系化合物をアミノ基含有化合
物の存在下で毛髪と反応させるときには、そのアミノ基
含有化合物は、イリドイド系化合物と毛髪との反応に悪
影響を与えることなく、毛髪とともにイリドイド系化合
物と反応し、毛髪に対してそのアミノ基含有化合物によ
る特有の染色色調を与えることを見出すとともに、イリ
ドイド系化合物を損傷毛髪と反応させることにより、そ
の毛髪損傷を容易に修復し得ることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0007】即ち、本発明によれば、下記一般式(1)
で表わされるイリドイド化合物及び下記一般式(2)で
表わされるセコイリドイド化合物の中から選ばれる少な
くとも1種のイリドイド系化合物と、アミノ基含有化合
物からなる毛髪処理剤が提供される。
【0008】また、本発明によれば、アミノ基含有化合
物を含有するA剤と、下記一般式(1)で表わされるイ
リドイド化合物と下記一般式(2)で表わされるセコイ
リドイド化合物の中から選ばれる少なくとも1種のイリ
ドイド系化合物を含有するB剤からなる毛髪処理剤が提
供される。
【0009】さらに本発明によれば、損傷毛髪を、下記
一般式(1)で表わされるイリドイド化合物及び下記一
般式(2)で表わされるセコイリドイド化合物の中から
選ばれる少なくとも1種のイリドイド系化合物を含有す
る毛髪処理剤で処理することを特徴とする損傷毛髪の修
復方法が提供される。
【0010】一般式(1):
【化1】 (式中、R1は、−H、−CH3、−COOH、−COO
1(A1:アルキル基)、−COOM(M:塩形成性陽
イオン)、−COA2(A2:アルキル基)、−CF3
はハロゲンを示し、R2及びR3は、−H又は−OHを示
し、R4は、−CH3又は−CH2OHを示す)
【0011】一般式(2)
【化2】 (式中、R1は、−H、−CH3、−COOH、−COO
1(A1:アルキル基)、−COOM(M:塩形成性陽
イオン)、−COA2(A2:アルキル基)、−CF3
はハロゲンを示し、R5は、−CH3、−CHO又は−C
OOHを示し、R6は、−H又は−COOA1を示す)が
提供される。
【0012】本発明で用いるイリドイド化合物及びセコ
イリドイド化合物(本明細書ではこれらをイリドイド系
化合物と言う)は、植物の果実等から抽出分離したイリ
ドイド系化合物の配糖体を酵素(β−グリコシダーゼ)
や酸で加水分解することにより得ることができる。ま
た、このようにして得られた配糖体のアグリコンである
イリドイド系化合物を原料とし、これを反応処理するこ
とにより種々のイリドイド系化合物を得ることができ
る。また、本発明で用いるイリドイド化合物は、天然物
から得られたイリドイド系化合物を原料として用い、こ
れを反応処理することにより各種の置換基を有するイリ
ドイド系化合物を得ることができる。さらに、本発明の
イリドイド化合物は、合成法によって合成されたもので
あることができる。
【0013】本発明で用いるイリドイド化合物は、好ま
しくはゲニピンであることができる。このゲニピンは、
クチナシ果実を原料として得られるイリドイド化合物
で、次の構造式で表わされるものである。
【0014】
【化3】 本発明で用いる他の好ましいイリドイド化合物は、下記
一般式で表わされるゲニピン誘導体であることができ
る。
【0015】
【化4】 (式中、R7は−COOH、−COOM(M:塩形成性
陽イオン)、−COA2(A2:アルキル基、−COOA
3(A3:炭素数2以上のアルキル基、−CF3又はハロ
ゲン原子を示す)
【0016】前記一般式(4)で表わされるゲニピン誘
導体は、構造式(3)で表わされるゲニピンを反応処理
することによって得ることができる。例えば、一般式
(4)において、R7がCOOHであるゲニピン酸は、
ゲニピンのCOOCH3基を加水分解することにより得
ることができ、R7がCOOMであるゲニピン酸塩は、
ゲニピンから誘導されるゲニピン酸を無機又は有機塩基
を用いて中和することによって得ることができる。R7
がCOOA3であるゲニピン酸エステルは、ゲニピンを
アルコールとエステル交換反応させることによって又は
ゲニピン酸をアルコールとエステル化反応させることに
よって得ることができる。R7がCOA2である化合物
は、例えば、ゲニピン酸とグリニヤール試薬を反応させ
た後、得られた生成物を塩化アンモニウム処理すること
によって得ることができる。R7がハロゲン原子である
化合物は、次の反応によって得ることができる。
【化5】 (前記式中、Xはハロゲン原子を示す。) イリドイド化合物(5)は、シソ科に属するチクマハッ
カの成分である。ネペタラクドン(nepetalac
tone)より誘導することができる。R7がCF3であ
る化合物は、前記の反応で得られた化合物(6)(メニ
塩素)にパーフルオロメチレンクロライドを光照射下で
ラジカル反応させることによって得ることができる。
【0017】本発明で用いる一般式(1)のイリドイド
化合物において、R1がHである化合物は、アウクビン
のアグリコンより常法の反応により誘導することができ
る。R1がCH3である化合物は、一般式(6)の化合物
をグリニヤール反応でメチル化することにより得ること
ができる。R1が−COOH、−COOM、−COOA1
又は−COA2である化合物は、前記したようにゲニピ
ンから誘導することができる。R2が−OHである化合
物は、カタルポール(Catalpol)より誘導する
ことができる。R4が−CH3である化合物はロガニン
(Loganin)より誘導することにより得ることが
できる。
【0018】本発明で用いるセコイリドイド化合物は、
前記一般式(4)のイリドイド化合物をその7.8倍の
C−C結合を開製することにより得られたものであるこ
とができる。このようにして得られるセコイリドイド化
合物は、次の一般式(7)で表わされる。
【化6】 (前記式中、R1は前記と同じ意味を示し、R5は−CO
OH、R8は−COOCH3を示す。
【0019】本発明で用いるセコイリドイドは、下記一
般式(8)で表わされるものであることができる。
【化7】 このセコイリドイドは、セコロガニン(Secolog
anin)から得ることができる。また、このセコイリ
ドイドを原料として用い、ゲニピンの場合と同様に反応
処理することにより、下記一般式(9)で表わされるセ
コイリドを得ることができる。
【化8】 (式中、R7は前記と同じ意味を有する)
【0020】本発明で用いる一般式(2)で表わされる
セコイリドイドのうち、R5がCHOであるものは、セ
コロガニンにより得ることができる。
【0021】前記した各種の置換基において、塩形成性
陽イオンMとしては、従来公知の各種のものが用いられ
る。このようなものとしては、例えば、ナトリウムやカ
リウム等のアルカリ金属、置換又は未置換のアンモニウ
ムが好ましく用いられる。置換アンモニウムとしては、
各種有機塩基、例えば、モノエタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノール
アミンから誘導されたアンモニウムを挙げることができ
る。また、前記したA1、A2のアルキル基としては、炭
素数1〜22のもの、例えば、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基、ステア
リル基、オレイル基等を挙げることができる。
【0022】本発明で用いるアミノ基含有化合物として
は、従来公知の各種のものを用いることができる。この
ようなアミノ基含有化合物としては、グリシン、アラニ
ン、ロイシン、セリン、グルタミン酸、シスチン、シス
テイン、グルタチオン、チロシン、フェニルアラニン、
リジン、アルギニン、ヒドロキシプリン、アシルグルタ
ミン酸、アシルサルコシン塩、アラニネート、ピログル
タミン酸誘導体等のアミノ酸及びその誘導体;ゼラチ
ン、カゼイン、アルブミン、酵素蛋白、コラーゲン、ケ
ラチン、ペプトン、ポリペプチド、加水分解コラーゲ
ン、加水分解ケラチン等の蛋白質及びその加水分解物等
の他、エタノールアミン、プロピノールアミン等のアル
カノールアミンや、尿素、チオ尿素、パラアミノ安息香
酸、アセトアミド、ベタイン等が挙げられる。
【0023】本発明の第1の毛髪処理剤は、前記したイ
リドイド系化合物とアミノ基含有化合物を含有すること
を特徴とする。この毛髪処理剤は、泡状、固体状、半固
体状等の種々の形態であることができる。この毛髪処理
剤の調製に際しては、イリドイド系化合物及びアミノ基
含有化合物は、水や有機溶媒、水/有機溶媒混合物にあ
らかじめ溶解した溶液の形で用いるのが好ましい。この
場合の有機溶媒としては、エタノール、グリセリン、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、ブチレング
リコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレ
ングリコールエチルエーテル、ジメチルスルホキシド等
が挙げられる。
【0024】前記液状(泡状を含む)の毛髪処理剤に
は、ヘアリキッド、ヘアセット剤、パーマネントウエー
ブ液、ヘアトニック、ヘアローション、ヘアスプレー、
ヘアスタイリング、シャンプー、リンス、スタイリング
フォーム、枝毛コート剤、ヘアミスト等が包含される。
固体状又は半固体状(クリーム状を含む)の毛髪処理剤
には、ヘアクリーム、ヘアステック、ヘアジェル等が包
含される。これらの製品は従来公知の方法に従ってその
製品形態に応じた適当な添加剤を配合することによって
製造される。
【0025】毛髪処理剤中のイリドイド系化合物の含有
量は、0.1重量%以上、通常、1〜5重量%である。
アミノ基含有化合物の含有量は、イリドイド系化化合物
1重量部に対し0.1〜10重量部、好ましくは1〜5
重量部である。
【0026】本発明の毛髪処理剤においては、必要に応
じ、この種の毛髪処理剤に慣用の各種の補助添加剤を配
合することができる。このようなものとしては、例え
ば、カチオン化セルロース(商品名:レオガードG)等
のカチオン性高分子、メタクリル酸エステル共重合体
(商品名:ユカフォーマーアM−75−204)等の高
分子、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸
ビニル共重合体等のノニオン性高分子、ジメチルシリコ
ン、アミノ変性シリコン、ポリエーテル変性シリコン等
のシリコン油、プロピレングリコール、グリセリン、ジ
グリセリン等の多価アルコール、POP・POEブチル
エーテル、POPメチルグルコースエーテル、POEメ
チルグルコースエーテル等の親油性油剤、パラペン、グ
ルコン酸クロルヘキシジン、トリクロサン等の殺菌防腐
剤、1−メントール等の清涼感剤、ビタミン、生薬、ア
ニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面
活性剤、ノニオン性界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防
止剤、エタノール、イソプロパノールなどの溶剤、色
素、香料等がある。
【0027】この第1の毛髪処理剤を用いて毛髪を処理
するに際し、その処理温度は常温又は30℃〜80℃の
加温であることができ、その処理時間は5〜120分、
好ましくは10〜60分である。この毛髪処理剤を用い
て毛髪を処理するときには、イリドイド系化合物は毛髪
に対しグラフト重合反応し、イリドイド系化合物は毛髪
に反応するとともに、それ自体で架橋構造を有する重合
体を形成し、一方、アミノ基含有化合物はその毛髪にグ
ラフト重合したイリドイド系化合物と反応する。そし
て、このようにして処理された毛髪は、イリドイド系化
合物とアミノ基含有化合物による独自の染色色調を示
す。また、この場合の毛髪の染色色調は、同一のイリド
イド系化合物を用いても、そのアミノ基含有化合物の種
類を変えることにより、各種の色調に変化させることが
できる。
【0028】本発明の第2の毛髪処理剤は、アミノ基含
有化合物を含有するA剤と、イリドイド系化合物を含有
するB剤からなるものである。B剤中のイリドイド化合
物の含有量は、0.1〜20重量%、好ましくは1〜1
0重量%である。A剤中のアミノ基含有化合物の含有量
は、0.1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%で
ある。A剤及びB剤は、液状、固体状、半固体状等の各
種の形態であることができ、A剤とB剤とは同一の形態
であってもよく、また異なった形態であってもよい。こ
れらのA剤及びB剤には、必要に応じ、前記した補助添
加成分を配合することができる。
【0029】この第2毛髪処理剤を用いて毛髪を処理す
るには、先ず、毛髪をA剤を用いて処理した後、次いで
B剤を用いて処理する。処理温度は、いずれの処理にお
いても、常温又は30〜80℃の範囲の加温であること
ができる。また、A剤による処理時間は1〜30分、好
ましくは5〜20分であり、B剤による処理時間は5〜
120分、好ましくは10〜60分である。このような
処理においては、A剤の処理により、アミノ基含有化合
物が毛髪内に浸透又は毛髪表面に付着し、B剤の処理に
より、イリドイド系化合物が毛髪とともにそのアミノ基
含有化合物と反応し、毛髪はそのイリドイド系化合物と
アミノ基含有化合物による特有の色調に染色される。ま
た、本発明の第2の毛髪処理剤を用いて毛髪を処理する
場合、A剤を用いる処理とB剤を用いる処理の順序は特
に制約されず、B剤による処理の後にA剤による処理を
行うことができる。
【0030】本発明の毛髪処理剤において、そのイリド
イド系化合物は毛髪に対してグラフト重合反応を示すこ
とから、本発明の毛髪処理剤は、パーマ処理により損傷
した毛髪に対する修復剤として適用することができる。
この場合、毛髪処理剤は毛髪修復のために用いられるこ
とからアミノ基含有化合物はこれを省略することができ
る。本発明の毛髪処理剤を毛髪の損傷修復剤として適用
する場合、その処理剤中のイリドイド系化合物の含有量
は、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量
%の範囲に規定するのがよい。
【0031】
【発明の効果】本発明の毛髪処理剤は染毛化粧料として
用いることができる。この場合、その毛髪の染色色調
は、その処理剤に含まれるイリドイド系化合物とアミノ
基含有化合物との組合せにより広範囲に変化させること
ができるが、本発明においては、同一のイリドイド系化
合物を用いても、アミノ基含有化合物の種類を変えるこ
とにより、その染色色調を変化させることができるとい
う大きな利点がある。
【0032】本発明の毛髪処理剤は、毛髪の損傷修復剤
として用いることができる。コールドパーマ処理や、ブ
リーチ処理等の薬剤処理を施したときには、その毛髪
は、その架橋構造が変化し、毛髪繊維タンパク質間相互
の結合性が低下する損傷が起るが、本発明の毛髪処理剤
を用いることにより、その毛髪の損傷を修復させて、通
常の毛髪と同様に、光沢及び手ざわりにすぐれた毛髪と
することができる。本発明の毛髪処理剤は、人の毛髪に
対して適用される他、犬や猫等の動物の毛髪に対しても
適用することができる。
【0033】
【実施例】次に実施例及び参考例によって本発明をさら
に詳細に説明する。なお、処理剤の性能は、以下の方法
により評価した。
【0034】(1)染毛性能;長さ10cm、1gの山
羊白毛束を用い、これに0.5mlの毛髪処理剤液を塗
布し、70℃、30分間放置した後、水洗し、乾燥させ
る。色差計により、毛束試料のL、a、b値を測定し、
その処理前後の色相変化△E(B式)を算出して評価し
た。
【数1】 (△L、△a、△bは染毛処理前後の変化値) 評価基準は次のとおりである。 ◎:△Eの値が50以上、 ○:△Eの値が15〜49、 △:△Eの値が5〜14 ×:△Eの値が4以下
【0035】(2)シャンプー堅牢性;(1)の方法で
得た染色毛髪試料を市販のシャンプーにより繰り返し1
0回洗浄し、乾燥させた後に、(1)と同様に色相変化
△Eを求め、シャンプー処理前の△E値と比較して、そ
の低下率を評価した。評価基準は次のとおりである。 ○:△Eの低下率が10%以下、 △:△Eの低下率が11〜49%、 ×:△Eの低下率が50%以上
【0036】(3)無損傷度試験;毛髪処理剤で処理し
た人毛髪サンプル1本の破断強度を引っ張り強度試験機
(東洋ボールドイン社製)を用い、25℃、65%RH
の恒温恒湿室において測定した。各サンプル10本につ
いて測定した破断強度を未処理毛のそれと比較して、以
下の基準により評価した。 ○:未処理毛とほぼ同等の破断強度 △:未処理毛に比べ破断強度低下 ×:未処理毛に比べ有意に破断強度低下
【0037】(4)損傷修復度試験;コールドパーマ処
理を施した人毛髪を用い、これに各染毛処理を行ったサ
ンプルについて水中に1時間浸漬させた後の毛髪径の増
加率(膨潤度)を顕微鏡を用いて測定した。各サンプル
10本について測定した膨潤度を未処理毛(通常毛)及
びコールドパーマ処理毛のそれと比較して、以下の基準
により評価した。 ○:未処理毛とほぼ同等の膨潤度(14%以下);損傷
修復効果あり △:未処理毛より大きく、コールドパーマ処理毛より小
さい膨潤度(19%以下15%以上);やや損傷修復効
果あり ×:コールドパーマ処理毛とほぼ同等の膨潤度(20%
以上);損傷修復効果なし
【0038】参考例1〜6 表1に示す成分組成(重量%)を有する毛髪処理剤を調
製し、その性能を評価した。その結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】実施例1 表2に示す成分組成(重量%)の毛髪処理剤を調製し、
その性能評価を行った。その結果を表2に示す。なお、
表2に示したPCA−Na及びセコイリドイドAの具体
的内容は以下の通りである。 (1)PCA−Na dl−ピロリドンカルボン酸ナトリウム (2)セコイリドイドA 下記構造式で表わされる化合物
【化9】
【0041】
【表2】
【0042】表1〜表2に示した結果からわかるよう
に、アミノ基含有化合物の種類を変えることにより、同
一イリドイド系化合物を用いた場合でも、処理毛の染色
色調を種々変化させることがわかる。また、アミノ基含
有化合物の使用によって、処理毛の性能が悪化すること
もない。さらに、参考例3〜6の結果からわかるよう
に、アミノ基含有化合物が存在しなくても、良好な毛髪
損傷修復が得られる。
【0043】実施例2 表3に示す成分組成(重量%)のA剤とB剤からなる毛
髪処理剤を調製し、その性能を評価した。この場合の毛
髪試料の処理は、まず、毛髪試料をA剤を用いて室温で
20分間処理した後、B剤を用いて70℃で30分間処
理し、次いで、水洗乾燥することにより行った。
【0044】
【表3】
【0045】実施例3 下記に示されるクリームを調製し、毛束に対し実施例1
と同様の処理を行ったところ染毛性能、シャンプー堅牢
性、無損傷度及び損傷修復度はいずれも良好であった。 (重量%) ゲニピン 0.5 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.5 アミドアミン 0.5 セトステアリルアルコール 2.0 POE(30)ステアリルエーテル 1.0 プロピレングリコール 5.0 香料 0.4 エタノール 20.0 精製水 バランス
【0046】実施例4 下記に示されるA剤を寝ぐせ直し剤、B剤を泡状セット
剤として、それぞれ調製した。これらのA剤及びB剤の
それぞれを噴射剤(LPG)とともにエアゾール缶に充
填した(原液/噴射剤重量比=92/8)。毛束に対
し、これらのエアゾール缶を用いるA剤処理及びB剤処
理を順次行ったところ、染毛性能、シャンプー堅牢性、
無損傷度及び損傷修復度はいずれも良好であった。 〔A剤〕 (重量%) グリシン 3.0 クエン酸 0.3 POE(30)ステアリルエーテル 0.4 アミドアミン 0.2 カチオン化セルロース 0.3 香料 0.3 エタノール 20.0 精製水 バランス 〔B剤〕 (重量%) ゲニピン 5.0 POE(27)グリセリルエーテル 10.0 POE(30)ステアリルエーテル 0.3 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.2 カチオン化セルロース 0.3 ポリメタクリル酸エステル 0.3 香料 0.2 エタノール 25.0 精製水 バランス
【0047】実施例5 下記に示されるA剤をトニック、B剤を泡状枝毛コート
剤として、それぞれ調製した。これらのA剤及びB剤を
用いた以外は実施例27と同様の実験を行ったところ、
染毛性能、シャンプー堅牢性、無損傷度及び損傷修復度
はいずれも良好であった。 〔A剤〕 (重量%) PCA−Na 3.0 クエン酸 0.3 1−メントール 0.1 イソプロピルメチルフェノール 0.1 香料 0.3 エタノール 30.0 精製水 バランス 〔B剤〕 (重量%) ゲニピン 3.0 ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 0.3 ジメチルシリコン(SH200-30 CS) 7.0 ジメチルシリコン(SH200-100,000 CS) 3.0 POE(30)ステアリルエーテル 0.3 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.2 香料 0.2 黒色401号 0.003 紫色401号 0.001 エタノール 25.0 精製水 バランス
【0048】実施例6 下記に示されるA剤をシャンプー、B剤をリンスとし
て、それぞれ調製した。これらのA剤及びB剤を用い、
毛束に対し実施例1と同様の処理を行ったところ、染毛
性能に関しては、処理時間の経過とともに、徐々に染毛
効果が発現して良好な染毛が得られ、シャンプー堅牢
性、無損傷度及び損傷修復度はいずれも良好であった。 〔A剤〕 (重量%) グリシン 3.0 ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(P=3)10.0 ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 0.3 カチオン化セルロース 0.3 芒硝 2.0 クエン酸 0.2 香料 0.5 精製水 バランス 〔B剤〕 (重量%) ゲニピン 3.0 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1.0 セトステアリルアルコール 3.0 POE(3)セチルエーテルリン酸 0.5 POE(5)ステアリルエーテル 1.0 プロピレングリコール 4.0 エタノール 1.0 香料 0.5 パラオキシ安息香酸メチル 0.1 精製水 バランス

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表わされるイリドイ
    ド化合物及び下記一般式(2)で表わされるセコイリド
    イド化合物の中から選ばれる少なくとも1種のイリドイ
    ド系化合物と、アミノ基含有化合物からなる毛髪処理
    剤。一般式(1): 【化1】 (式中、R1は、−H、−CH3、−COOH、−COO
    1(A1:アルキル基)、−COOM(M:塩形成性陽
    イオン)、−COA2(A2:アルキル基)、−CF3
    はハロゲンを示し、R2及びR3は、−H又は−OHを示
    し、R4は、−CH3又は−CH2OHを示す) 一般式(2) 【化2】 (式中、R1は、−H、−CH3、−COOH、−COO
    1(A1:アルキル基)、−COOM(M:塩形成性陽
    イオン)、−COA2(A2:アルキル基)、−CF3
    はハロゲンを示し、R5は、−CH3、−CHO又は−C
    OOHを示し、R6は、−H又は−COOA1を示す)
  2. 【請求項2】 アミノ基含有化合物を含有する第1剤
    と、下記一般式(1)で表わされるイリドイド化合物と
    下記一般式(2)で表わされるセコイリドイド化合物の
    中から選ばれる少なくとも1種のイリドイド系化合物を
    含有するB剤からなる毛髪処理剤。一般式(1): 【化1】 (式中、R1は、−H、−CH3、−COOH、−COO
    1(A1:アルキル基)、−COOM(M:塩形成性陽
    イオン)、−COA2(A2:アルキル基)、−CF3
    はハロゲンを示し、R2及びR3は、−H又は−OHを示
    し、R4は、−CH3又は−CH2OHを示す。) 一般式(2) 【化2】 (式中、R1は、−H、−CH3、−COOH、−COO
    1(A1:アルキル基)、−COOM(M:塩形成性陽
    イオン)、−COA2(A2:アルキル基)、−CF3
    はハロゲンを示し、R5は、−CH3、−CHO又は−C
    OOHを示し、R6は、−H又は−COOA1を示す)
  3. 【請求項3】 アミノ基含有化合物がアミノ酸又はその
    誘導体である請求項1又は2の毛髪処理剤。
  4. 【請求項4】 損傷毛髪を、下記一般式(1)で表わさ
    れるイリドイド化合物及び下記一般式(2)で表わされ
    るセコイリドイド化合物の中から選ばれる少なくとも1
    種のイリドイド系化合物を含有する毛髪処理剤で処理す
    ることを特徴とする損傷毛髪の修復方法。一般式
    (1): 【化1】 (式中、R1は、−H、−CH3、−COOH、−COO
    1(A1:アルキル基)、−COOM(M:塩形成性陽
    イオン)、−COA2(A2:アルキル基)、−CF3
    はハロゲンを示し、R2及びR3は、−H又は−OHを示
    し、R4は、−CH3又は−CH2OHを示す) 一般式(2) 【化2】 (式中、R1は、−H、−CH3、−COOH、−COO
    1(A1:アルキル基)、−COOM(M:塩形成性陽
    イオン)、−COA2(A2:アルキル基)、−CF3
    はハロゲンを示し、R5は、−CH3、−CHO又は−C
    OOHを示し、R6は、−H又は−COOA1を示す)
  5. 【請求項5】 毛髪処理剤として請求項1又は2の毛髪
    処理剤を用いる請求項4の方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000053544A (ja) * 1998-08-06 2000-02-22 Kimi Kasei Kk 染毛剤組成物
JP2004189680A (ja) * 2002-12-12 2004-07-08 Croda Japan Kk 染毛剤及び染毛料組成物
JP2017528534A (ja) * 2014-06-18 2017-09-28 ローディア オペレーションズ 香料入りの安定した組成物の調製方法

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