JPH07112639B2 - ダイセット型自動プレス機械の製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はダイセットに油圧或は空圧アクチュエーダを装
着する超小型軽量のプレス機械の製造方法に関し，特に
ピックアンドブレースを装着し，更にこれにシーケンス
・コントローラを装着することからなるダイセット型自
動プレス機械の製造方法である。

一般に高精度のダイセットはプレス機械のボルスタとス
ライダ間に装着して使用されるのであり，プレス機械の
100分の１にも満たない重量のダイセットは，これに一
組のダイとパンチを装着して，ワークに対するプレス加
工を一切受け持つのであるが，それ自体に駆動力を持た
ないためプレス機械の精度を保証する補助的工具として
使用されるに過ぎないのである。

本発明は，上記事情に基づきなされたもので，高精度の
ダイセットのガイド・ポストの先端にシリンダ・プレー
トを固定し，これに油圧或は空圧アクチュエータを装着
して，従来のダイセットを，小型で高精度な独立した汎
用自動プレス機械に変えたものである。

本発明のダイセット型自動プレス機械は超小型軽量を特
徴とするがその出力は大であり，出力８トン，ストロー
ク100mmの油圧型プレス本体の重量は約45kgで，荷重は
１平方糎当たり140グラムに過ぎない。テーブル上に並
べて使用出来る。この様に超小型軽量であるから場所を
取らず，場所を選ばず作業環境が極めて良好になる。

ダイセット型プレス機械にピックアンドプレース装置を
付加して本発明のダイセット型自動プレス機械を可能に
したのは特に本機用として開発したシーケンス・コント
ローラによる。

プレス機械のワークの挿入側にフィード・センサ，出口
側にディスチャージ・センサを設け，ワークがフィード
・センサを通過するとその信号でシーケンス・コントロ
ーラが起動し，メモリーに書き込まれたプログラムに従
いデータを出力し，一サイクル終了する毎にデータの出
力を一瞬停止し，無事加工を終えたワークがディスチャ
ージ・センサを通過すると続いて入力するフィード・セ
ンサの信号で再起動する。

若し１サイクル終了してもワークがディスチャージ・セ
ンサを通過しない時には続いて入力するフィード・セン
サの信号で異常信号を発してデータの出力を停止し，プ
レス機械は必ず上死点で停止して安全を確保する。

本発明のダイセット型プレス機械はプレス作業の一次加
工，二次加工及び組み立て作業の結合加工等の省力化に
威力を発揮する。

本発明の目的はダイセットに油圧或は空圧アクチュエー
タを装着し，更にピックアンドプレース装置及びシーケ
ンス・コントローラを係合付加してダイセット型自動プ
レス機械を得るにある。

以下に本発明の実施例に付き説明する。第１図は本発明
のダイセット型自動プレス機械の正面図,1はベース・プ
レート２に固定されるガイド・ポスト,3はガイド・ポス
ト１に摺動自在なガイド・ブッシュ,4はガイド・ブッシ
ュ３を圧入固定する可動プレートであり，以上４点セッ
トで従来のダイセットが構成されるのである。このダイ
セットのガイド・ポスト１の頂端面を，油圧或は空圧ア
クチュエータ５をネジ６で固定するシリンダ・プレート
７に装入してネジ８で固定し，シリンダ・プレートの中
央開口部を通してアクチュエータのピストンロッド９の
先端のネジ部を可動プレート４に螺入し，ロック・ナッ
ト10で固定する。

11はピックアンドプレイス装置でベース・プレート２に
固定され，シーケンス・コントローラ12はコネクタ13を
介してシリンダ・プレート７の端面に装着する。14はそ
のカバーである。この様にして本発明のダイセット型自
動プレス機械は製造されるのである。

第２図は本発明のダイセット型自動プレス機械の側面図
でシーケンス・コントローラ12はその正面を示す。11−
Ａはプレス機械の型内にワークを挿入するピックアンド
プレース,11−Ｂはプレス加工終了したワークをプレス
型から取り出し所定の位置に置くピックアンドプレース
装置である。普通同一のものを図示の様にプレス型15,
及び16に対向してネジ17でベース・プレート２に固定す
る。

18は基板19に固定する上下動空圧アクチュエータ,20は
アクチュエータ18のピストン・ロッド21に固定される取
付板でこれにボールを内蔵する軌道ケース22が固定され
る。爪開閉装置23を装着するスライドレール24は軌道ケ
ース22に係合し，アングル25を介して取付板20に固定す
る空圧アクチュエータ26により往復直線運動をなす。

第３図はピックアンドプレース11の平面図である。27′
は爪開閉空圧アクチュエータ28の取付けアングル（第２
図）,29は空圧アクチュエータ28の直線運動を爪の開閉
動に変える変換器でこれ等はプレート30（第４図）を介
してスライドレール24に固定され，爪開閉用ブレイド31
にワークに適合する爪32が固定される。

第４図はピックアンドプレースの側面図である。図に明
らかな様に軌道ケース22は一双の上下動空圧アクチュエ
ータ18のピストン・ロッド21に結合する取り付け板20に
固定されるので堅固に支持されて上下動する。

第５図は変換器29の１実施例の内部平面図，第６図はそ
の側面図である。開閉爪32を固定すべき２枚のブレイド
31と31′は互いに面係合し，爪の開閉方向に摺動可能に
ケース33内に拘束される。各ブレイド31と31′にはロー
ラ34を装着するピン35が突出固定され，バネ36を介して
空圧アクチュエータ28のピストン・ロッド37に固定され
る板カム38をローラ34間に挟持する。そしてピストン・
ロッド37の直線運動を爪32の開閉運動に変えるのであ
る。

第７図は互いに面係合する２枚のブレイド31と31′を示
す。左側のブレイド31′を右側のブレイド31の上に重ね
てケース33に挿入する。左側のブレイド31′の穴39は右
側のブレイド31のローラ34の逃げである。斜線部分はケ
ース33の内面間の摺動部分である。この長い部分が摺動
拘束されるので爪32の掴み力は確実となる。

第８図はシーケンス・コントローラ12の正面図，第９図
はその側面図である。

シーケンス・コントローラ12は電源を内蔵する読み出し
クロック・パルス制御装置40にワンボードのプリント基
盤よりなる出力リレー・ユニット41を固定して構成され
る。

出力リレー・ユニット41は出力８点を基準として８個の
リレー42と，リレー１個に付き2Pの端子として8Pの端子
台43と，交流電源導入の2Pを加えた10Pの端子台44及
び，予め所定のデータが書き込まれたEPROM45を装着す
るコネクタ46が固定される。47は ランジスタ・アレ
イ,48は読み出しクロック・パルス制御装置40と出力リ
レー・ユニット41間の回路接続用コネクタ,49は夫々対
応する８個のリレーの動作表示用LED,50は異常表示用LE
Dである。

読み出しクロック・パルス制御装置40にはフューズ51,
パワースイッチ52,リセット・スイッチ53,入力端子台54
（第９図）が設けられる。サイクル・タイムはプリセッ
ト・コード・スイッチ55で決める。サイクル・タイムの
単位を0.1秒とするので図示の32はサイクル・タイム3.2
秒となる。この場合サイクル・タイムは0.1秒から9.9秒
まで変えられる。

第10図はシーケンス・コントローラの回路図である。プ
リセット・コード・スイッチ55でサイクル・タイムを決
めて、パワー・スイッチ52をONにする。スイッチング・
レギュレータ56でVccが得られ，イニシァル・リセット
回路57の出力58の“0"のパルスで２入力NAND59を介して
第1FF60を,2入力NAND61を介して第2FF62を,2入力NAND63
を介して第3FF64を又２入力NAND65を介して第4FF66を夫
々リセットし，更に第5FF67をリセットする。又２入力N
AND63を介してバイナリ・カウンタ68はクリアされる。

ダイセット型プレスの入口側に設けたフィード・センサ
69をワークが通過すると信号“0"のパルスが第１入力端
子70,チャタリング・ノイズ防止回路71,インバータ72を
介して第1FF60をセットし，ワンショット・パルス発生
回路73から“1"のパルスを出力する。そして， A.インバータ74を介してクロック・パルス発生器75を発
振させ，又２入力NAND76を介してプリセッタブル・ダウ
ン・カウンタ77及び78のPEに入力してプリセット・コー
ド・スイッチ55のプリセット値２をカウンタ77に，又プ
リセット値３をカウンタ78に夫々プリセットする。

B.第2FF62をセットEPROM15の▲▼に“0"を入力して
これを出力状態に保持し，又第3FF64をセットし３入力N
AND79を介してプリセッタブル・ダウン・カウンタ77のC
Iに“0"を入力するのでクロック・パルスのカウントを
開始する。

クロック・パルス発生器75の出力1000HZのクロック・パ
ルスはプリセッタブル・ダウン・カウンタ77及び78のク
ロック・ラインＣに入力する。又プリセットラインP1,P
2,P3,P4はこれに対応するプリセット・コード・スイッ
チ55のBCDラインに接続される。

クロック・パルスが１個入力する毎にプロセッタブル・
ダウン・カインタ77の内容は１つづつ減って行く，この
様にしてプリセッタブル・ダウン・カインタに32個のク
ロック・パルスが入力すると２入力NOR80の２入力共
“0"となり，読み出しクロック・パルスを１個出力す
る。

一方２入力NOR80の出力が“1"になると２入力NAND81が
クロック・パルスの立ち下がりでインバータ82が“1"を
出力するのを待って“0"を出力し,2入力NAND76を介して
“1"のパルスをPEに印加してプロセッタブル・ダウン・
カウンタにプリセット値32を再びプリセットする。この
ようにして読み出しクロック・パルスは続いて出力す
る。

これがバイナリ・カウンタ68,トランジスタ・アレイ83,
コネクタ48を介してEPROM45のアドレスを順次指定し，
そこに書き込まれたデータを読み出し,8個のリレー42,
出力端子列を介して各アクチュエータを夫々駆動する。

さて１サイクルに要する時間は読み出しクロック・パル
スの数で決まるので以下１サイクルの読み出しクロック
・パルスの数を100として説明を進める。

100個の読み出しクロック・パルスで１サイクル終了信
号を出力させる為にはバイナリ・カウンタ68の出力Q2,Q
5,及びQ6を３入力NAND84の入力とする。

バイナリ・カウンタ68が読み出しクロック・パルスを10
0個カウントすると１サイクル終了信号“0"パルスを３
入力NAND84から出力し,2入力NAND61を介して第2FF62を
リセットしてEPROM45の出力を止め，又２入力NAND63を
介して第3FF64をリセットして２入力NAND79を介してプ
リセッタブル・ダウン・カウンタ77の出力を止めて各ア
クチュエータの作動を止める。更にインバータ85を介し
て第4FF66をセットして２入力NAND86の第１入力を“1"
に変える。

１サイクル終了して無事加工を終えたワークがプレス機
械の出口側に設けられたディスチャージ・センサ87を通
過すると信号“0"のパルスが第２入力端子88,チャタリ
ング・ノイズ防止回路89,2入力NAND59を介して第1FF60
をリセットし，更に２入力NAND65を介して第4FF66をリ
セットして２入力NAND86の第１入力を“0"にに変える。

続くフィード・センサ69のワークの検出信号により第1F
F60はセットされるのでシーケンス・コントローラは再
起動する。この様にして異常発生の無い限り各アクチュ
エータは連続作動を継続する。

若し１サイクル終了してもワークがディスチャージ・セ
ンサ87を通過しない時には第1FF60はリセットされない
ので続いて入力するフィード・センサ69の信号で２入力
NAND86の２入力共“1"となり，第5FF67はセットされ，
その出力はインバータ90を介してトランジスタ91をONに
変え異常表示灯50は点灯する。一方インバータ92を介し
てトランジスタ93をONとしその出力“0"はチャタリング
防止回路94,3入力NAND79を介しててプリセッタブル・ダ
ウン・カウンタ77の出力を停止するので各アクチュエー
タの作動は止まる。

更にこのトランジスタ93の出力“0"は後述する様に入出
力端子95,外部制御ライン96を介して一連のシーケンス
・コントローラのプリセッタブル・カウンタ77の▲
▼に“1"を入力してこれ等の出力を一斉に止める。

異常信号灯50の発光により異常発生箇所を点検修理し，
終わったらリセット・スイッチ53を押す丈で良い。機械
は作動を再開する。

シーケンス・コントローラ12は出力８点を基準とするの
でそれ以上の出力を要する場合はシーケンス・コントロ
ーラを増してこれに対応する。

ワークの供給は一般にバーツフイーダで行う。プレス機
械のサイクルタイムに同期してワークを１個プレスの入
口側のピックアンドプレースの所定位置に送る。その時
ワークはフィード・センサ69を通過する様にする。

パーツフィーダの制御も亦別のシーケンス・コントロー
ラで行うことが出来る。この場合各シーケンス・コント
ローラの入出力端子95を介して制御ライン96を相互に接
続する。この制御ラインにより各シーケンス・コントロ
ーラの内どれが異常発生しても皆一斉に停止し，異常を
発生したシーケンス・コントローラを点検修理し，終わ
ったら当該シーケンス・コントローラのリセット・スイ
ッチを押すだけで良い。一連のシーケンス・コントロー
ラは一斉に作動を開始する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のダイセット型自動プレス機械の正面
図，第２図は同側面図，第３図は本発明のプレス機械に
係合装着するピックアンドプレース装置の平面図，第４
図はその側面図，第５図は空圧アクチュエータの直線往
復動を爪の開閉動に変える転換器の平面図，第６図はそ
の側面図であり，第７図は爪開閉プレイドの説明図であ
る。第８図は本発明のプレス機械に係合装着するシーケ
ンス・コントローラの正面図，第９図はその側面図，第
10図はシーケンス・コントローラの回路図である。 1.……ガイド・ポスト 2.……ベース・プレート 3.……ガイド・ブッシュ 4.……可動プレート 5.……シリンダ 6.……シリンダ・プレート 10.……ピックアンドプレース装置 11.……シーケンス・コントローラ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ダイを装着するベース・プレート（２）
   と，ベース・プレートに垂直なガイド・ポスト（１）
   と，該ガイド・ポストに係合して摺動自在なブッシュ
   （３）を圧入固定してなり，その下面にパンチを装着す
   る可動プレート（４）と，からなるダイセットを用い，
   前記ガイドポストの先端に，中央開口をもつ水平なシリ
   ンダ・プレート（７）を装入固定し，これに油圧或いは
   空圧アクチュエータ（５）を垂直に装着し，そのピスト
   ンロッド（９）を前記シリンダ・プレートの中央開口を
   通して可動プレートに連結し，更にピックアンドプレー
   ス装置（11）を前記ベース・プレートに立設すると共
   に，シーケンス・コントローラ（12）を前記シリンダ・
   プレート端面に装着することからなるダイセット型自動
   プレス機械の製造方法。