JPH07112511A - 高性能遮音材 - Google Patents

高性能遮音材

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JPH07112511A
JPH07112511A JP28207893A JP28207893A JPH07112511A JP H07112511 A JPH07112511 A JP H07112511A JP 28207893 A JP28207893 A JP 28207893A JP 28207893 A JP28207893 A JP 28207893A JP H07112511 A JPH07112511 A JP H07112511A
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Hiroyuki Kurihara
洋幸 栗原
Makio Sakai
万喜夫 酒井
Yoshiaki Watanabe
佳昭 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 吸音層と遮音層からなる遮音材、例えばダッ
シュパネルに装着して、エンジンに起因する騒音を効果
的に防音し得る高性能遮音材に関する。 【構成】 コンジュゲート繊維を加熱処理して、カール
状に変形させた繊維をフリースと成したあと加熱してセ
ミキュア状態とし、裁断して吸音層の原反1を製造、加
熱加圧成形し、成形物1を作成した。綿、麻、ポリエス
テル系繊維及びアクリル系繊維からなる混合繊維原料9
0重量%に対して、フェノール樹脂10重量%を混合し
て同様にセミキュア状態とし、吸音層の原反2を製造、
加熱加圧成形し、成形物2を作成した。ブチルゴム、ブ
ロンアスファルト、炭酸カルシウム及びタルクを混練し
押出し成形し、遮音層となした。遮音層の真空成形物の
上に接着剤を介して上記成形物1および成形物2をこの
順序で載置して上金型を降下せしめ、加圧成形した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸音層と遮音層からな
る遮音材に関し、詳細には、例えば、自動車の車室内と
エンジンルームとを隔てるダッシュパネルに装着して、
防音効果の向上をなし得る高性能遮音材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、自動車のエンジンル
ームと車室内を隔てるダッシュパネル、フロアー、トラ
ンクルーム等の鋼板部位には、防音対策として、吸音材
と制振シートが一体化したものや、制振シートが単独で
適用され防音の用に供されたりしている。
【0003】しかし、特に自動車のエンジンに起因する
騒音が車室内に侵入する場合等、より一層の遮音性の向
上が望まれているのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、す
べての周波数領域においてより一層の十分な騒音対策を
なし得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決せんと
して、本発明者らは鋭意研究の結果、防音の用に供され
る遮音材全体構成のうち、特にエンジンに起因する騒音
が吸音層の部分を通過し、振動となって遮音層に影響を
及ぼし、遮音層の変形により振動エネルギーが車室内に
到達するため、特に低周波数領域の騒音が効果的に防音
できないことを知見し、本発明に至ったものであり、し
かして本発明の要旨は、以下に存する。
【0006】吸音層と遮音層を一体化せしめてなる遮音
材において、吸音層が2層からなり、該吸音層のうち遮
音層に接する吸音層を伸縮性を有する繊維からなるフェ
ルトとなし、他の吸音層は300〜2000g/m2
面密度であることを特徴とする高性能遮音材。
【0007】本発明での遮音層とは、合成ゴム、天然ゴ
ム、再生ゴム等のゴムや、歴青質物、合成樹脂等のバイ
ンダー成分に炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、
クレー、マイカ、粉砕故紙、解繊繊維、ガラスウール、
プラスチックバルーン、ガラスバルーン、シリカバルー
ン、シラスバルーン、炭素中空球等の充填材を配合し、
ディゾルバー、バンバリーミキサー、プラネタリーミキ
サー、オープンニーダー、真空ニーダー等の従来公知の
混合分散機によって分散混練して後、カレンダーロール
等の圧延機により所望の厚さの遮音シートとなす。
【0008】また、本発明での吸音層とは、ガラスウー
ル、麻、毛、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨ
ン、アクリル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン
繊維、カーボン繊維、カイノール等の有機系、無機系の
天然あるいは合成繊維が使用でき、衣類を解繊したリサ
イクルの繊維、いわゆる雑反毛も経済的に好ましく使用
できる。これらは、従来公知の製造方法が利用できる。
すなわち、繊維原料にフェノール樹脂等の熱硬化性樹
脂、あるいはポリエステル、ポリプロピレン等の熱可塑
性樹脂を混合してフリースを形成し、加熱してセミキュ
ア状態の嵩高性原反となす方法で良い。
【0010】本発明の特徴である2層からなる吸音層
は、遮音層に接する吸音層は伸縮性を有する繊維からな
るフェルトを用いることを必須とする。ここで、伸縮性
を有する繊維とは、コンジュゲート繊維を主体として、
0.2〜10mm径のカール状に変形させた繊維や、ク
リンプ半径が2mm以上の繊維が例示できる。即ち、遮
音層に接する吸音層として伸縮性を有する繊維からなる
フェルトを用いれば、遮音層と一体化後は、遮音層に接
する吸音層内での空気の流通により振動エネルギーが遮
音層に到達しにくくなり、即ち振動エネルギーに起因す
る遮音層の変形を極めて小さくすることが可能となり、
十分なる騒音対策に寄与せしめることとなる。
【0011】更に、該吸音層の面密度は200〜100
0g/m2 とすることが好ましい。その際、空気流れ抵
抗は、1〜20dyne・sec/cm3とすることが好ましく、騒
音対策に一層寄与することとなる。
【0012】また、吸音層のうち遮音層に接しない吸音
層は300〜2000g/m2 の面密度であることを必
須とし、該吸音層の空気流れ抵抗は、5〜400dyne・s
ec/cm3とすることが例示できる。
【0013】更に、本発明においては、吸音層と遮音層
間に空気の流動が可能な連続気泡の発泡層を設けても良
く、発泡層を設ける方法としては、吸音層もしくは遮音
層の片面に発泡剤を塗布、散布、含浸、もしくは貼付
し、オーブン中で発泡後一体化する方法が好ましい。
【0014】
【実施例】本発明の理解に供するため、以下に実施例を
記載する。いうまでもなく、本発明は以下の実施例に限
定されるものではない。
【0015】
【実施例1】コンジュゲート繊維を加熱処理して、平均
0.5mm径のカール状に変形させた繊維をフリースと
成したあと加熱してセミキュア状態とし、裁断して吸音
層の原反1を製造した。該原反1を200℃に加熱した
下金型上に載置して上金型を降下せしめ、30ton/m2
にて1分間、加熱加圧成形し、面密度が200g/m2
の吸音層の成形物1を作成した。綿30重量%、麻20
重量%、ポリエステル系繊維30重量%及びアクリル系
繊維20重量%からなる混合繊維原料90重量%に対し
て、フェノール樹脂10重量%を混合してフリースと成
したあと加熱してセミキュア状態とし、面密度が200
0g/m2 の吸音層の原反2を製造した。該原反2を2
00℃に加熱した下金型上に載置して上金型を降下せし
め、30ton/m2にて1分間、加熱加圧成形し、原反2
の成形物2を作成した。ブチルゴム35重量部、ブロン
アスファルト5重量部、炭酸カルシウム55重量部及び
タルク5重量部を混練し、3mm厚に押出し成形し、遮
音層となした。該遮音層を100℃で1分間プレヒート
した後、5℃に冷却した下金型上に載置後真空成形し
た。遮音層の真空成形物の上にアクリル系接着剤を介し
て上記成形物1を更にアクリル系接着剤を介して成形物
2をこの順序で載置して上金型を降下せしめ、50ton
/m2にて30秒間加圧成形し、高性能遮音材1を得
た。
【0016】
【実施例2】クリンプ半径が平均5mmの繊維をフリー
スと成したあと加熱してセミキュア状態とし、裁断して
吸音層の原反1を製造した。該原反1を200℃に加熱
した下金型上に載置して上金型を降下せしめ、30ton
/m2にて1分間、加熱加圧成形し、面密度が300g
/m2 の吸音層の成形物1を作成した。綿30重量%、
麻20重量%、ポリエステル系繊維30重量%及びアク
リル系繊維20重量%からなる混合繊維原料90重量%
に対して、フェノール樹脂10重量%を混合してフリー
スと成したあと加熱してセミキュア状態とし、面密度が
1500g/m2 の吸音層の原反2を製造した。該原反
2を200℃に加熱した下金型上に載置して上金型を降
下せしめ、30ton/m2にて1分間、加熱加圧成形し、
原反2の成形物2を作成した。ブチルゴム35重量部、
ブロンアスファルト5重量部、炭酸カルシウム55重量
部及びタルク5重量部を混練し、3mm厚に押出し成形
し、遮音層となした。該遮音層を100℃で1分間プレ
ヒートした後、5℃に冷却した下金型上に載置後真空成
形した。遮音層の真空成形物の上にアクリル系接着剤を
介して上記成形物1を更にアクリル系接着剤を介して成
形物2をこの順序で載置して上金型を降下せしめ、50
ton/m2にて30秒間加圧成形し、高性能遮音材2を得
た。
【0017】
【実施例3】コンジュゲート繊維を主体として、0.2
〜10mm径のカール状に変形させた繊維をフリースと
成したあと加熱してセミキュア状態とし、裁断して吸音
層の原反1を製造した。該原反1を200℃に加熱した
下金型上に載置して上金型を降下せしめ、30ton/m2
にて1分間、加熱加圧成形し、面密度が400g/m2
の吸音層の成形物1を作成した。綿30重量%、麻20
重量%、ポリエステル系繊維30重量%及びアクリル系
繊維20重量%からなる混合繊維原料90重量%に対し
て、フェノール樹脂10重量%を混合してフリースと成
したあと加熱してセミキュア状態とし、面密度が100
0g/m2 の吸音層の原反2を製造した。該原反2を2
00℃に加熱した下金型上に載置して上金型を降下せし
め、30ton/m2にて1分間、加熱加圧成形し、原反2
の成形物2を作成した。ブチルゴム30重量部、ブロン
アスファルト5重量部、炭酸カルシウム60重量部及び
タルク5重量部を混練し、3mm厚に押出し成形し、遮
音層となした。該遮音層を100℃で1分間プレヒート
した後、5℃に冷却した下金型上に載置後真空成形し
た。遮音層の真空成形物の上にアクリル系接着剤を介し
て上記成形物1を更にアクリル系接着剤を介して成形物
2をこの順序で載置して上金型を降下せしめ、50ton
/m2にて30秒間加圧成形し、高性能遮音材1を得
た。
【0018】
【実施例4】平均0.5mm径のカール状に変形させた
繊維50重量%及びクリンプ半径が平均4mmの繊維5
0重量%をフリースと成したあと加熱してセミキュア状
態とし、裁断して吸音層の原反1を製造した。該原反1
を200℃に加熱した下金型上に載置して上金型を降下
せしめ、30ton/m2にて1分間、加熱加圧成形し、面
密度が500g/m2 の吸音層の成形物1を作成した。
綿30重量%、麻20重量%、ポリエステル系繊維30
重量%及びアクリル系繊維20重量%からなる混合繊維
原料90重量%に対して、フェノール樹脂10重量%を
混合してフリースと成したあと加熱してセミキュア状態
とし、面密度が800g/m2 の吸音層の原反2を製造
した。該原反2を200℃に加熱した下金型上に載置し
て上金型を降下せしめ、30ton/m2にて1分間、加熱
加圧成形し、原反2の成形物2を作成した。ブチルゴム
30重量部、ブロンアスファルト5重量部、炭酸カルシ
ウム60重量部及びタルク5重量部を混練し、3mm厚
に押出し成形し、遮音層となした。該遮音層を100℃
で1分間プレヒートした後、5℃に冷却した下金型上に
載置後真空成形した。遮音層の真空成形物の上にアクリ
ル系接着剤を介して上記成形物1を更にアクリル系接着
剤を介して成形物2をこの順序で載置して上金型を降下
せしめ、50ton/m2にて30秒間加圧成形し、高性能
遮音材1を得た。
【0019】
【比較例1】コンジュゲート繊維を主体として、0.2
〜10mm径のカール状に変形させた繊維や、クリンプ
半径が2mm以上の繊維 状繊維をフリースと成し
たあと加熱してセミキュア状態とし、裁断して吸音層の
原反1を製造した。該原反1を200℃に加熱した下金
型上に載置して上金型を降下せしめ、30ton/m2にて
1分間、加熱加圧成形し、面密度が1500g/m2
吸音層の成形物1を作成した。綿30重量%、麻20重
量%、ポリエステル系繊維30重量%及びアクリル系繊
維20重量%からなる混合繊維原料90重量%に対し
て、フェノール樹脂10重量%を混合してフリースと成
したあと加熱してセミキュア状態とし、面密度が250
0g/m2 の吸音層の原反2を製造した。該原反2を2
00℃に加熱した下金型上に載置して上金型を降下せし
め、30ton/m2にて1分間、加熱加圧成形し、原反2
の成形物2を作成した。ブチルゴム35重量部、ブロン
アスファルト5重量部、炭酸カルシウム55重量部及び
タルク5重量部を混練し、3mm厚に押出し成形し、遮
音層となした。該遮音層を100℃で1分間プレヒート
した後、5℃に冷却した下金型上に載置後真空成形し
た。遮音層の真空成形物の上にアクリル系接着剤を介し
て上記成形物1を更にアクリル系接着剤を介して成形物
2をこの順序で載置して上金型を降下せしめ、50ton
/m2にて30秒間加圧成形し、遮音材5を得た。
【0020】
【比較例2】ブチルゴム35重量部、ブロンアスファル
ト5重量部、炭酸カルシウム55重量部及びタルク5重
量部を混練し、3mm厚に押出し成形した遮音層とな
し、アクリル系接着剤を塗布して、金型上に載置した。
綿30重量%、麻20重量%、ポリエステル系繊維30
重量%及びアクリル系繊維20重量%からなる混合繊維
原料にフェノール樹脂を混合してフリースと成したあと
加熱してセミキュア状態とし、吸音層の原反を製造し
た。該吸音層の原反を200℃、30ton/m2で加熱加
圧成形後、上記遮音層上に積層し、50ton/m2の圧力
で加圧成形し、遮音材6を得た。
【0021】
【試験方法】100〜5000Hzの各周波数における
防音効果を測定した。試験方法は、0.8mm厚の鋼板
を約200個の金属球(8mmφ平均)をぶつけること
によって、加振させ、その際の騒音レベル(TL0)を
測定し、同様に該鋼板上に実施例及び比較例による自動
車車室内用防音材1〜6の騒音レベル(TL1)を測定
した。各周波数ごとのTL0−TL1の値を以下の表1に
示した。
【0022】
【試験結果】試験結果を表1に示す。表中の単位はdB
である。数字が大きいほど防音効果に優れる。
【表1】
【0023】
【発明の効果】本発明になる高性能遮音材は、全周波数
領域において要求されている防音効果を満足するもので
あることが明らかになった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B60R 13/08 E04B 1/86 M

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸音層と遮音層を一体化せしめてなる遮
    音材において、吸音層が2層からなり、該吸音層のうち
    遮音層に接する吸音層を伸縮性を有する繊維からなるフ
    ェルトとなし、他の吸音層は300〜2000g/m2
    の面密度であることを特徴とする高性能遮音材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100352140B1 (ko) * 1999-08-09 2002-09-12 주식회사 익성 차음재 및 그 제조방법
ES2736079R1 (es) * 2018-06-11 2020-01-15 Faurecia Innenraum Systeme Gmbh Panel compuesto y procedimiento para su obtencion

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KR100352140B1 (ko) * 1999-08-09 2002-09-12 주식회사 익성 차음재 및 그 제조방법
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