JPH07110972B2 - 高r値高張力冷延鋼板の製造方法 - Google Patents
高r値高張力冷延鋼板の製造方法Info
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- JPH07110972B2 JPH07110972B2 JP25191687A JP25191687A JPH07110972B2 JP H07110972 B2 JPH07110972 B2 JP H07110972B2 JP 25191687 A JP25191687 A JP 25191687A JP 25191687 A JP25191687 A JP 25191687A JP H07110972 B2 JPH07110972 B2 JP H07110972B2
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、高r値高張力冷延鋼板の製造方法に関し、特
に、超深絞り加工用冷延鋼板の製造方法に関する。
に、超深絞り加工用冷延鋼板の製造方法に関する。
従来の技術 近年、自動車部品や電気機器外板として、高いプレス成
形性を有し、従つて、高いr値を有する冷延鋼板が強く
要望されている。特に、自動車部品に関しては、安全性
の確保の観点から、高r値に加えて、鋼板の高強度化も
要求されている。
形性を有し、従つて、高いr値を有する冷延鋼板が強く
要望されている。特に、自動車部品に関しては、安全性
の確保の観点から、高r値に加えて、鋼板の高強度化も
要求されている。
従来、r値を向上させた鋼種として、極低C鋼にCとN
とを十分に固着し得るに足るTi及び/又はNbを添加した
所謂IF(Interstitial Free)鋼が知られている。この
鋼種を高強度化するには、これに固溶強化元素であるS
i、Mn、P等を添加しているが、しかし、これらの固溶
強化元素は、冷間圧延後の焼鈍中にr値に有利な(22
2)結晶方位の核生成及び結晶粒成長を抑制する傾向を
有するために、高いr値と強度とを併せて得ることが困
難である。
とを十分に固着し得るに足るTi及び/又はNbを添加した
所謂IF(Interstitial Free)鋼が知られている。この
鋼種を高強度化するには、これに固溶強化元素であるS
i、Mn、P等を添加しているが、しかし、これらの固溶
強化元素は、冷間圧延後の焼鈍中にr値に有利な(22
2)結晶方位の核生成及び結晶粒成長を抑制する傾向を
有するために、高いr値と強度とを併せて得ることが困
難である。
発明が解決しようとする問題点 本発明者らは、上記した問題を解決するために鋭意研究
した結果、極低C鋼にCとNとを固着し得るに必要とさ
れる量より多い量にてTi及び/又はNbを添加し、これに
通常の高r値IF鋼の製造方法に従つて、熱間圧延、冷間
圧延及び焼鈍処理を行なつて、r値に有利な結晶集合組
織を形成した後、浸炭及び/又は窒化処理によつて、Ti
C、NbC及びTiN、TiNの分散析出による分散強化によつ
て、高r値高強度冷延鋼板を製造し得ることを見出して
本発明に至つたものである。
した結果、極低C鋼にCとNとを固着し得るに必要とさ
れる量より多い量にてTi及び/又はNbを添加し、これに
通常の高r値IF鋼の製造方法に従つて、熱間圧延、冷間
圧延及び焼鈍処理を行なつて、r値に有利な結晶集合組
織を形成した後、浸炭及び/又は窒化処理によつて、Ti
C、NbC及びTiN、TiNの分散析出による分散強化によつ
て、高r値高強度冷延鋼板を製造し得ることを見出して
本発明に至つたものである。
問題点を解決するための手段 本発明による高r値高張力冷延鋼板の製造方法の第1
は、重量%で (a)C 0.01%以下、 Mn 0.05〜0.50%、 Sol.Al 0.005〜0.08%、 P 0.02%以下、 S 0.015%以下、及び N 0.006%以下を含有し、更に、 (b)Ti 0.01〜0.30%、及び Nb 0.01〜0.30% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有
し、(Ti+Nb)/Cなる原子比が1以上であり、残部鉄及
び不可避的不純物よりなる鋼を1100〜1250℃の範囲の温
度に加熱し、仕上温度を(Ar3−50)℃乃至(Ar3+10
0)℃とする熱間圧延の後、550〜800℃の範囲の温度で
巻取り、これを酸洗し、60〜90%の圧延率で冷間圧延
し、600〜850℃の範囲の温度で再結晶焼鈍を行なつた
後、更に、浸炭ガス中で700〜850℃の範囲の温度で浸炭
処理するか、又は窒化ガス中で450〜850℃の範囲の温度
で窒化処理することを特徴とする。
は、重量%で (a)C 0.01%以下、 Mn 0.05〜0.50%、 Sol.Al 0.005〜0.08%、 P 0.02%以下、 S 0.015%以下、及び N 0.006%以下を含有し、更に、 (b)Ti 0.01〜0.30%、及び Nb 0.01〜0.30% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有
し、(Ti+Nb)/Cなる原子比が1以上であり、残部鉄及
び不可避的不純物よりなる鋼を1100〜1250℃の範囲の温
度に加熱し、仕上温度を(Ar3−50)℃乃至(Ar3+10
0)℃とする熱間圧延の後、550〜800℃の範囲の温度で
巻取り、これを酸洗し、60〜90%の圧延率で冷間圧延
し、600〜850℃の範囲の温度で再結晶焼鈍を行なつた
後、更に、浸炭ガス中で700〜850℃の範囲の温度で浸炭
処理するか、又は窒化ガス中で450〜850℃の範囲の温度
で窒化処理することを特徴とする。
本発明による高r値高張力冷延鋼板の製造方法の第2
は、上記化学成分を有する鋼を1100〜1250℃の範囲の温
度に加熱し、仕上温度を(Ar3−50)℃乃至(Ar3+10
0)℃とする熱間圧延の後、550〜800℃の範囲の温度で
巻取り、これを酸洗し、60〜90%の圧延率で冷間圧延
し、600〜850℃の範囲の温度までの昇温によつて再結晶
焼鈍を行なつた後、その温度を保持したまま、引き続い
て、浸炭ガス中で浸炭処理するか、又は窒化ガス中で窒
化処理することを特徴とする。
は、上記化学成分を有する鋼を1100〜1250℃の範囲の温
度に加熱し、仕上温度を(Ar3−50)℃乃至(Ar3+10
0)℃とする熱間圧延の後、550〜800℃の範囲の温度で
巻取り、これを酸洗し、60〜90%の圧延率で冷間圧延
し、600〜850℃の範囲の温度までの昇温によつて再結晶
焼鈍を行なつた後、その温度を保持したまま、引き続い
て、浸炭ガス中で浸炭処理するか、又は窒化ガス中で窒
化処理することを特徴とする。
本発明による方法における鋼の化学成分について説明す
る。
る。
Cは、その添加量が増大するにつれて、Cを固着するに
要するTi及びNbの添加量が増大し、製造費用が増加し、
また、TiC及び/又はNbCが焼鈍中に析出するこによつ
て、粒成長を阻害して、r値の向上を妨げる。従つて、
本発明において、C量は少ないほどよいので、上限値を
0.01%以下とする。下限値については、製鋼技術上の観
点から、0.001%とする。
要するTi及びNbの添加量が増大し、製造費用が増加し、
また、TiC及び/又はNbCが焼鈍中に析出するこによつ
て、粒成長を阻害して、r値の向上を妨げる。従つて、
本発明において、C量は少ないほどよいので、上限値を
0.01%以下とする。下限値については、製鋼技術上の観
点から、0.001%とする。
Mnは、鋼の強度化に寄与するが、他方、添加量の増大と
共に、r値が劣化するので、添加量の上限を0.5%とす
る。しかし、0.05%よりも少ないときは、熱間割れを生
じ、r値を低下させるので、下限値を0.05%とする。
共に、r値が劣化するので、添加量の上限を0.5%とす
る。しかし、0.05%よりも少ないときは、熱間割れを生
じ、r値を低下させるので、下限値を0.05%とする。
Pは、焼鈍過程でのr値の向上を得ると共に、Pの添加
がスポツト溶接性を低下させることから、その含有量は
低いほど好ましいが、製鋼技術上の観点から、含有量を
0.02%以下とする。
がスポツト溶接性を低下させることから、その含有量は
低いほど好ましいが、製鋼技術上の観点から、含有量を
0.02%以下とする。
Sは、r値には、直接には影響しない。しかし、S量の
増加は、MnS系の伸張した介在物を増加させ、局部延性
を劣化させるので、含有量の上限を0.015%とする。
増加は、MnS系の伸張した介在物を増加させ、局部延性
を劣化させるので、含有量の上限を0.015%とする。
Alは、脱酸剤として、少なくとも0.005%を添加するこ
とが必要である。しかし、0.08%を越えて過多に添加す
るときは、脱酸効果が飽和するのみならず、アルミナ系
介在物が発生し、成形性を劣化させる。
とが必要である。しかし、0.08%を越えて過多に添加す
るときは、脱酸効果が飽和するのみならず、アルミナ系
介在物が発生し、成形性を劣化させる。
Nは、その添加量の増大と共に、これを固着するための
Ti及び/又はNbの添加量が増大し、鋼の製造費用を高め
る。更に、析出量も増大し、粒成長性が劣化して、r値
を低下させる。従つて、N量も少ないほど好ましく、本
発明においては、0.006%以下とする。
Ti及び/又はNbの添加量が増大し、鋼の製造費用を高め
る。更に、析出量も増大し、粒成長性が劣化して、r値
を低下させる。従つて、N量も少ないほど好ましく、本
発明においては、0.006%以下とする。
Tiは、前述したように、C及びNを固定して、r値を高
め、また、浸炭又は窒化処理によつて、TiN又はTiCを析
出させるために、C及びNを固定するに必要な量以上の
量を添加することが必要である。かかる目的のために、
本発明においては、Tiは0.01%以上を添加することが必
要であるが、しかし、0.30%を越えて過多に添加すると
きは、析出物の粗大化が起こつて、分散強化を達成し得
ない。
め、また、浸炭又は窒化処理によつて、TiN又はTiCを析
出させるために、C及びNを固定するに必要な量以上の
量を添加することが必要である。かかる目的のために、
本発明においては、Tiは0.01%以上を添加することが必
要であるが、しかし、0.30%を越えて過多に添加すると
きは、析出物の粗大化が起こつて、分散強化を達成し得
ない。
Nbも、Tiと同様に、C及びNを固定して、r値を高め、
また、浸炭又は窒化処理によつて、NbN又はNbCを析出さ
せるために、C及びNを固定するに必要な量以上の量を
添加することが必要である。かかる目的のために、本発
明においては、Nbは0.01%以上を添加することが必要で
ある。しかし、過多に添加するときは、再結晶温度を上
昇させるので、操業上、好ましくない。従つて、本発明
においては、Nbの添加量は、0.30%以下とする。
また、浸炭又は窒化処理によつて、NbN又はNbCを析出さ
せるために、C及びNを固定するに必要な量以上の量を
添加することが必要である。かかる目的のために、本発
明においては、Nbは0.01%以上を添加することが必要で
ある。しかし、過多に添加するときは、再結晶温度を上
昇させるので、操業上、好ましくない。従つて、本発明
においては、Nbの添加量は、0.30%以下とする。
更に、本発明においては、Ti及び/又はNbは、前述した
ように、C及びNを固定するに必要な量以上の量を要す
るので、原子比にて(Ti+Nb)/Cが1以上であるように
添加される。
ように、C及びNを固定するに必要な量以上の量を要す
るので、原子比にて(Ti+Nb)/Cが1以上であるように
添加される。
本発明によれば、第1の方法として、上記した化学成分
を有する鋼を1100〜1250℃の範囲の温度に加熱し、仕上
温度を(Ar3−50)℃乃至(Ar3+100)℃とする熱間圧
延の後、550〜800℃の範囲の温度で巻取り、これを酸洗
し、60〜90%の圧延率で冷間圧延し、600〜850℃の範囲
の温度で再結晶焼鈍を行なつた後、更に、浸炭ガス中で
700〜850℃の範囲の温度で浸炭処理するか、又は窒化ガ
ス中で450〜850℃の範囲の温度で窒化処理することによ
つて、高r値高張力冷延鋼板を製造することができる。
を有する鋼を1100〜1250℃の範囲の温度に加熱し、仕上
温度を(Ar3−50)℃乃至(Ar3+100)℃とする熱間圧
延の後、550〜800℃の範囲の温度で巻取り、これを酸洗
し、60〜90%の圧延率で冷間圧延し、600〜850℃の範囲
の温度で再結晶焼鈍を行なつた後、更に、浸炭ガス中で
700〜850℃の範囲の温度で浸炭処理するか、又は窒化ガ
ス中で450〜850℃の範囲の温度で窒化処理することによ
つて、高r値高張力冷延鋼板を製造することができる。
また、第2の方法として、上記と同様にして、冷間圧延
し、次いで、常温より600〜850℃の範囲の温度までの昇
温によつて再結晶焼鈍を行なつた後、その温度を保持し
たまま、引き続いて、浸炭ガス中で浸炭処理するか、又
は窒化ガス中で窒化処理することによつても、高r値高
張力冷延鋼板を得ることができる。
し、次いで、常温より600〜850℃の範囲の温度までの昇
温によつて再結晶焼鈍を行なつた後、その温度を保持し
たまま、引き続いて、浸炭ガス中で浸炭処理するか、又
は窒化ガス中で窒化処理することによつても、高r値高
張力冷延鋼板を得ることができる。
本発明においては、第1及び第2のいずれの方法におい
ても、上記した化学成分を有する鋼を先ず、従来より知
られている方法に従つて、熱間圧延から冷間圧延までの
工程を行なう。
ても、上記した化学成分を有する鋼を先ず、従来より知
られている方法に従つて、熱間圧延から冷間圧延までの
工程を行なう。
即ち、鋼を1100〜1250℃の温度に加熱した後、熱間圧延
において、仕上圧延を(Ar3−50)℃乃至(Ar3+100)
℃の範囲の温度で行なう。熱間圧延においては、後工程
である冷間圧延と再結晶焼鈍にて高r値の集合組織を得
るために、熱延板は、粒径の細粒化と集合組織のランダ
ム化が必要である。このために、熱間圧延は、Ar3点以
上で行なう必要があり、特に、Ar3点直上温度が好まし
い。しかし、フエライト・オーステナイトの二相域であ
つても、オーステナイトの微細粒が多いときは、必ずし
もAr3直上温度でなくてもよい。このような理由によつ
て、本発明の方法において、仕上温度を(Ar3−50)℃
乃至(Ar3+100)℃の範囲の温度とする。
において、仕上圧延を(Ar3−50)℃乃至(Ar3+100)
℃の範囲の温度で行なう。熱間圧延においては、後工程
である冷間圧延と再結晶焼鈍にて高r値の集合組織を得
るために、熱延板は、粒径の細粒化と集合組織のランダ
ム化が必要である。このために、熱間圧延は、Ar3点以
上で行なう必要があり、特に、Ar3点直上温度が好まし
い。しかし、フエライト・オーステナイトの二相域であ
つても、オーステナイトの微細粒が多いときは、必ずし
もAr3直上温度でなくてもよい。このような理由によつ
て、本発明の方法において、仕上温度を(Ar3−50)℃
乃至(Ar3+100)℃の範囲の温度とする。
この仕上圧延の後の巻取の温度は、鋼中の固溶Cや固溶
Nを炭化物、窒化物等の析出物として除去するための重
要な因子であつて、これら炭化物及び窒化物は、550〜8
00℃の温度で析出するので、本発明においては、巻取を
この温度範囲で行なうことが必要である。
Nを炭化物、窒化物等の析出物として除去するための重
要な因子であつて、これら炭化物及び窒化物は、550〜8
00℃の温度で析出するので、本発明においては、巻取を
この温度範囲で行なうことが必要である。
次に、冷間圧延において、その後の焼鈍にて高r値に有
利な(222)面集合組織を形成し、有害な影響を与える
(200)面を減少させるために、圧延率は60〜90%の範
囲とされる。本発明においては、この冷間圧延の後、60
0〜850℃の範囲の温度のフエライト域にて再結晶焼鈍さ
せることによつて、前述したように、r値に有利な(22
2)面集合組織を形成させるのである。
利な(222)面集合組織を形成し、有害な影響を与える
(200)面を減少させるために、圧延率は60〜90%の範
囲とされる。本発明においては、この冷間圧延の後、60
0〜850℃の範囲の温度のフエライト域にて再結晶焼鈍さ
せることによつて、前述したように、r値に有利な(22
2)面集合組織を形成させるのである。
既に知られているように、r値は、主として鋼の(22
2)面の集合組織に依存し、固溶C及び固溶Nを再結晶
焼鈍前に巻取処理によつて完全に除くのは、上記集合組
織を得るためである。しかし、一旦、再結晶が完了し、
高r値に有利な集合組織が形成されれば、巻取処理によ
つて鋼中に分散した炭化物や窒化物は、CやNの外部か
らの侵入によつて、析出物の成長を促し、析出強化機構
を有する。また、浸炭や窒化によつて侵入した固溶C及
び固溶N自体、鋼を強化する。そこで、本発明の方法に
おいては、再結晶焼鈍を行なつた後、浸炭ガス中でも最
も有効に浸炭し、ここに、既に形成された高r値に有利
な集合組織を破壊しないフエライト域の温度範囲、即
ち、700〜850℃で浸炭を行なうか、又は窒化ガス中で最
も有効に窒化し、ここに、既に形成された高r値に有利
な集合組織を破壊しないフエライト域の温度範囲、即
ち、450〜850℃で窒化を行ない、これによつて、高強度
且つ高r値を有する鋼板を得ることができる。
2)面の集合組織に依存し、固溶C及び固溶Nを再結晶
焼鈍前に巻取処理によつて完全に除くのは、上記集合組
織を得るためである。しかし、一旦、再結晶が完了し、
高r値に有利な集合組織が形成されれば、巻取処理によ
つて鋼中に分散した炭化物や窒化物は、CやNの外部か
らの侵入によつて、析出物の成長を促し、析出強化機構
を有する。また、浸炭や窒化によつて侵入した固溶C及
び固溶N自体、鋼を強化する。そこで、本発明の方法に
おいては、再結晶焼鈍を行なつた後、浸炭ガス中でも最
も有効に浸炭し、ここに、既に形成された高r値に有利
な集合組織を破壊しないフエライト域の温度範囲、即
ち、700〜850℃で浸炭を行なうか、又は窒化ガス中で最
も有効に窒化し、ここに、既に形成された高r値に有利
な集合組織を破壊しないフエライト域の温度範囲、即
ち、450〜850℃で窒化を行ない、これによつて、高強度
且つ高r値を有する鋼板を得ることができる。
また、本発明においては、再結晶が完了し、高r値に有
利な集合組織が形成された後であれば、再結晶温度に保
持したまま、浸炭又は窒化処理を行なつてもよい。
利な集合組織が形成された後であれば、再結晶温度に保
持したまま、浸炭又は窒化処理を行なつてもよい。
発明の効果 以上のように、本発明によれば、極低C鋼にCとNとを
固着し得るに必要とされる量より多い量にてTi及び/又
はNbを添加し、これを通常の高r値IF鋼の製造方法に従
つて、熱間圧延、冷間圧延及び焼鈍処理を行なつて、r
値に有利な結晶集合組織を形成した後、浸炭及び/又は
窒化処理によつて、TiC、NbC及びTiN、TiNの分散析出に
よる分散強化によつて、高r値高強度冷延鋼板を得るこ
とができる。
固着し得るに必要とされる量より多い量にてTi及び/又
はNbを添加し、これを通常の高r値IF鋼の製造方法に従
つて、熱間圧延、冷間圧延及び焼鈍処理を行なつて、r
値に有利な結晶集合組織を形成した後、浸炭及び/又は
窒化処理によつて、TiC、NbC及びTiN、TiNの分散析出に
よる分散強化によつて、高r値高強度冷延鋼板を得るこ
とができる。
実施例 以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこ
れら実施例により何ら限定されるものではない。
れら実施例により何ら限定されるものではない。
第1表に示す化学成分を有する極低C量のIF鋼を1250℃
で30分間加熱して溶体化処理した後、仕上温度を900℃
として熱間圧延を終了し、その後、700℃で30分間炉
冷、高温巻取処理の後、85%の冷間圧延を行え、850℃
で2分間の焼鈍を施した。
で30分間加熱して溶体化処理した後、仕上温度を900℃
として熱間圧延を終了し、その後、700℃で30分間炉
冷、高温巻取処理の後、85%の冷間圧延を行え、850℃
で2分間の焼鈍を施した。
次いで、第1の方法に従つて、上記焼鈍処理の後、鋼板
を500〜900℃で2時間、プロパンガス中で浸炭処理し
た。この浸炭処理の温度、浸炭量及び得られた鋼板のr
値及び引張強さを第2表に示す。また、鋼板を850℃で
2分間の焼鈍の後、800℃で2時間、プロパンガス中で
浸炭処理したときの(Nb+Ti)/C原子比と、得られた鋼
板の値及び引張強さの関係を第1図に示し、Ti量0.10
%の鋼板を所定の800℃で2分間の焼鈍の後、所定温度
で2時間、プロパンガス中で浸炭処理したときの浸炭温
度と、得られ た鋼板のr値及び引張強さの関係を第2図に示す。
を500〜900℃で2時間、プロパンガス中で浸炭処理し
た。この浸炭処理の温度、浸炭量及び得られた鋼板のr
値及び引張強さを第2表に示す。また、鋼板を850℃で
2分間の焼鈍の後、800℃で2時間、プロパンガス中で
浸炭処理したときの(Nb+Ti)/C原子比と、得られた鋼
板の値及び引張強さの関係を第1図に示し、Ti量0.10
%の鋼板を所定の800℃で2分間の焼鈍の後、所定温度
で2時間、プロパンガス中で浸炭処理したときの浸炭温
度と、得られ た鋼板のr値及び引張強さの関係を第2図に示す。
また、前記焼鈍処理の後、鋼板をアンモニア−窒素−水
素ガス中での窒化処理を行なつた。この窒化処理の温
度、窒化量及び得られた鋼板の値及び引張強さを第3
表に示す。また、鋼板を850℃で2分間の焼鈍の後、600
℃で2時間、アンモニア−窒素、水素ガス中での窒化処
理したときの(Nb+Ti)/C原子比と、得られた鋼板の
値及び引張強さの関係を第3図に示し、Ti量0.10%の鋼
板を所定の850℃で2分間の焼鈍の後、所定の温度で2
時間、窒化処理したときの窒化温度と、得られた鋼板の
値及び引張強さの関係を第4図に示す。
素ガス中での窒化処理を行なつた。この窒化処理の温
度、窒化量及び得られた鋼板の値及び引張強さを第3
表に示す。また、鋼板を850℃で2分間の焼鈍の後、600
℃で2時間、アンモニア−窒素、水素ガス中での窒化処
理したときの(Nb+Ti)/C原子比と、得られた鋼板の
値及び引張強さの関係を第3図に示し、Ti量0.10%の鋼
板を所定の850℃で2分間の焼鈍の後、所定の温度で2
時間、窒化処理したときの窒化温度と、得られた鋼板の
値及び引張強さの関係を第4図に示す。
更に第2の方法に従つて、前記の鋼を85%の冷間圧延ま
で前記と同様の熱処理加工を行ない、その後、窒素−水
素ガス焼鈍炉中で300℃まで昇温し、その後、20℃/時
の速度で400〜900℃まで昇温し、その後、その温度を保
持しつつ、アンモニア−窒素−水素中で2時間保持して
窒化処理を行い、次いで炉冷した。これらの試料 について、引張強さ及び値を測定した。結果を第4表
に示す。
で前記と同様の熱処理加工を行ない、その後、窒素−水
素ガス焼鈍炉中で300℃まで昇温し、その後、20℃/時
の速度で400〜900℃まで昇温し、その後、その温度を保
持しつつ、アンモニア−窒素−水素中で2時間保持して
窒化処理を行い、次いで炉冷した。これらの試料 について、引張強さ及び値を測定した。結果を第4表
に示す。
また、窒素−水素ガス焼鈍炉中で300℃まで昇温し、そ
の後、20℃/時で600℃まで昇温し、アンモニア−窒素
−水素ガス中で2時間、窒化処理し、この後、炉冷した
ときの(Nb+Ti)/C原子比と、得られた鋼板の値及び
引張強さの関係を第5図に示し、Ti量0.10%の鋼板を窒
素−水素ガス焼鈍炉中で300℃まで昇温し、その後、20
℃/時で所定温度まで昇温し、アンモニア−窒素−水素
ガス中で2時間、窒化処理したときの窒化温度と、得ら
れた鋼板の値及び引張強さの関係を第6図に示す。
の後、20℃/時で600℃まで昇温し、アンモニア−窒素
−水素ガス中で2時間、窒化処理し、この後、炉冷した
ときの(Nb+Ti)/C原子比と、得られた鋼板の値及び
引張強さの関係を第5図に示し、Ti量0.10%の鋼板を窒
素−水素ガス焼鈍炉中で300℃まで昇温し、その後、20
℃/時で所定温度まで昇温し、アンモニア−窒素−水素
ガス中で2時間、窒化処理したときの窒化温度と、得ら
れた鋼板の値及び引張強さの関係を第6図に示す。
第1図は、本発明による第1の方法に従って、焼鈍した
鋼板を850℃で2分間の焼鈍の後、800℃で2時間、プロ
パンガス中で浸炭処理したときの(Nb+Ti)/C原子比
と、得られた鋼板の値及び引張強さの関係を示すグラ
フ、第2図は、焼鈍したTi量0.10%の鋼板をプロパンガ
ス中で浸炭処理したときの浸炭温度と、得られた鋼板の
値及び引張強さの関係を示すグラフ、第3図は、焼鈍
した鋼板を600℃で2時間、アンモニア−窒素−水素ガ
ス中で窒化処理したときの(Nb+Ti)/C原子比と、得ら
れた鋼板の値及び引張強さの関係を示すグラフ、第4
図は、焼鈍したTi量0.10%の鋼板を窒化処理したときの
窒化温度と、得られた鋼板の値及び引張強さの関係を
示すグラフである。 第5図は、本発明による第2の方法に従つて、ガス焼鈍
炉中で昇温し、600℃でアンモニア−窒素−水素ガス中
で窒化処理したときの(Nb+Ti)/C原子比と、得られた
鋼板の値及び引張強さの関係を示すグラフ、第6図
は、Ti量0.10%の鋼板をアンモニア−窒素−水素ガス中
で窒化処理したときの窒化温度と、得られた鋼板の値
及び引張強さの関係を示すグラフである。
鋼板を850℃で2分間の焼鈍の後、800℃で2時間、プロ
パンガス中で浸炭処理したときの(Nb+Ti)/C原子比
と、得られた鋼板の値及び引張強さの関係を示すグラ
フ、第2図は、焼鈍したTi量0.10%の鋼板をプロパンガ
ス中で浸炭処理したときの浸炭温度と、得られた鋼板の
値及び引張強さの関係を示すグラフ、第3図は、焼鈍
した鋼板を600℃で2時間、アンモニア−窒素−水素ガ
ス中で窒化処理したときの(Nb+Ti)/C原子比と、得ら
れた鋼板の値及び引張強さの関係を示すグラフ、第4
図は、焼鈍したTi量0.10%の鋼板を窒化処理したときの
窒化温度と、得られた鋼板の値及び引張強さの関係を
示すグラフである。 第5図は、本発明による第2の方法に従つて、ガス焼鈍
炉中で昇温し、600℃でアンモニア−窒素−水素ガス中
で窒化処理したときの(Nb+Ti)/C原子比と、得られた
鋼板の値及び引張強さの関係を示すグラフ、第6図
は、Ti量0.10%の鋼板をアンモニア−窒素−水素ガス中
で窒化処理したときの窒化温度と、得られた鋼板の値
及び引張強さの関係を示すグラフである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 8/26
Claims (2)
- 【請求項1】重量%で (a)C 0.01%以下、 Mn 0.05〜0.50%、 Sol.Al 0.005〜0.08%、 P 0.02%以下、 S 0.015%以下、及び N 0.006%以下を含有し、更に、 (b)Ti 0.01〜0.30%、及び Nb 0.01〜0.30% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有
し、(Ti+Nb)/Cなる原子比が1以上であり、残部鉄及
び不可避的不純物よりなる鋼を1100〜1250℃の範囲の温
度に加熱し、仕上温度を(Ar3−50)℃乃至(Ar3+10
0)℃とする熱間圧延の後、550〜800℃の範囲の温度で
巻取り、これを酸洗し、60〜90%の圧延率で冷間圧延
し、600〜850℃の範囲の温度で再結晶焼鈍を行なつた
後、更に、浸炭ガス中で700〜850℃の範囲の温度で浸炭
処理するか、又は窒化ガス中で450〜850℃の範囲の温度
で窒化処理することを特徴とする高r値高張力冷延鋼板
の製造方法。 - 【請求項2】重量%で (a)C 0.01%以下、 Mn 0.05〜0.50%、 Sol.Al 0.005〜0.08%、 P 0.02%以下、 S 0.015%以下、及び N 0.006%以下を含有し、更に、 (b)Ti 0.01〜0.30%、及び Nb 0.01〜0.30% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有
し、(Ti+Nb)/Cなる原子比が1以上であり、残部鉄及
び不可避的不純物よりなる鋼を1100〜1250℃の範囲の温
度に加熱し、仕上温度を(Ar3−50)℃乃至(Ar3+10
0)℃とする熱間圧延の後、550〜800℃の範囲の温度で
巻取り、これを酸洗し、60〜90%の圧延率で冷間圧延
し、常温より600〜850℃の範囲の温度までの昇温によつ
て再結晶焼鈍を行なつた後、その温度を保持したまま、
引き続いて、浸炭ガス中で浸炭処理するか、又は窒化ガ
ス中で窒化処理することを特徴とする高r値高張力冷延
鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25191687A JPH07110972B2 (ja) | 1987-10-05 | 1987-10-05 | 高r値高張力冷延鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25191687A JPH07110972B2 (ja) | 1987-10-05 | 1987-10-05 | 高r値高張力冷延鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0196330A JPH0196330A (ja) | 1989-04-14 |
JPH07110972B2 true JPH07110972B2 (ja) | 1995-11-29 |
Family
ID=17229869
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25191687A Expired - Lifetime JPH07110972B2 (ja) | 1987-10-05 | 1987-10-05 | 高r値高張力冷延鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07110972B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE69014532T2 (de) * | 1989-08-09 | 1995-05-04 | Kobe Steel Ltd | Verfahren zur Herstellung eines Stahlbleches. |
JPH0814019B2 (ja) * | 1989-12-28 | 1996-02-14 | 川崎製鉄株式会社 | プレス加工用冷延鋼板の製造方法 |
JPH03253543A (ja) * | 1990-03-02 | 1991-11-12 | Kobe Steel Ltd | 耐2次加工脆性又は焼付け硬化性に優れた深絞り用冷延鋼板又は溶融亜鉛メッキ冷延鋼板 |
CA2037316C (en) * | 1990-03-02 | 1997-10-28 | Shunichi Hashimoto | Cold-rolled steel sheets or hot-dip galvanized cold-rolled steel sheets for deep drawing |
JP3296599B2 (ja) * | 1992-09-21 | 2002-07-02 | 川崎製鉄株式会社 | 高い張り剛性を有すると共にプレス成形性にも優れるプレス加工用薄鋼板 |
DE102006047460A1 (de) * | 2006-10-07 | 2008-04-10 | Andreas Kufferath Gmbh & Co. Kg | Verstärkungsvorrichtung für den Einsatz bei Bauteilen aus vergießfähigen, aushärtenden Materialien, wie Betonwerkstoffen, sowie damit hergestellte Bauteile |
-
1987
- 1987-10-05 JP JP25191687A patent/JPH07110972B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0196330A (ja) | 1989-04-14 |
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