JPH07110421B2 - 自動溶接装置における治具交換装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、溶接機本体の前面に自動車のサイドパネル等
のワークを溶接する溶接治具を着脱自在に取付けて成る
自動溶接装置における溶接治具の交換装置に関する。

（従来の技術） 従来、この種の交換装置として、特開昭62-289377号公
報により、２台の溶接機本体を背中合せに配置し、該両
本体を一方が前向きのとき他方が後向きになるように反
転自在とし、前向きの溶接機本体に取付けた溶接治具で
溶接を行っている間に、後向きの溶接機本体に溶接治具
を脱着して治具交換を行い、次の機種変更に備えるよう
にしたものは知られている。又、このものでは、溶接ス
テーションを２階建構造として、２階部分を溶接治具の
ストック場所とし、クレーンを用いて後向きの溶接機本
体に対する治具交換を行うようにしている。

（発明が解決しようとする課題） 上記のものは、高価な溶接機本体を２台用いるため設備
費が嵩む問題があり、溶接機本体を１台にして且つ短時
間に治具交換を行い得られるようにした装置を提供する
ことが本発明の第１の目的である。

又、上記のものはクレーンを用いて治具交換を行うため
装置全体が大掛りになる問題があり、クレーンを用いず
に治具交換を行い得られるようにすることが本発明の第
２の目的である。

（課題を解決するための手段） 上記第１の目的を達成すべく、請求項１の発明では、溶
接機本体の前面に溶接治具を着脱自在に取付けて成る自
動溶接装置における溶接治具の交換装置において、該溶
接機本体の配置部の回りに旋回自在な、該配置部を囲う
環状のターンテーブルを設け、該ターンテーブルの直径
方向両側に溶接治具の支持部を形成して、該両支持部を
該ターンテーブルの旋回で前記溶接機本体の前方の交換
位置と該溶接機本体の後方の入換え位置とに交互に移動
自在とし、該交換位置に存する支持部と該溶接機本体と
の間で受渡し装置により溶接治具を受渡し自在とし、更
に、上記第２の目的を達成すべく、前記入換え位置の横
方向一側と他側に夫々横方向にのびる入換えレールを設
け、前記各支持部に該各支持部を該入換え位置に移動し
たとき該両入換えレール間に介挿される支持レールを取
付けて、該支持レールと該両入換えレールとの間で溶接
治具を入換え自在とした。この場合、請求項２の発明の
如く、接点各支持部に、溶接治具を前記支持レールから
持上げて該支持レールと直交方向に移動自在に支持する
リフト機構を設けると共に、前記溶接機本体に、前記交
換位置に存する支持部の該リフト機構で支持される溶接
治具を該溶接機本体の前面に向って進退させる駆動機構
とを設け、該リフト機構と該駆動機構とで前記受渡し装
置を構成する。

（作用） 本発明の作用を請求項２の発明に基いて説明する。

治具交換に際しては、溶接機本体からその前方の交換位
置に存する支持部上のリフト機構に溶接治具を駆動機構
によって送出し、該リフト機構の下降動作で該支持部上
の支持レールに該溶接治具を載置すると共に、ターンテ
ーブルを旋回させて該支持部を入換え位置と、他方の支
持部を交換位置とに移動し、他方の支持部上の支持レー
ルに予め入換え位置において投入セットした溶接治具を
該支持部上のリフト機構の上昇動作で該支持レールから
持上げ、該溶接治具を駆動機構により溶接機本体に引込
んでこれに取付ける。

そして、該溶接治具により溶接作業を行っている間に、
入換え位置に存する一方の支持部上の支持レールから一
側の入換えレールに先に使用した溶接治具を払出し、他
側の入換えレールから該支持レールに次に使用する溶接
治具を投入して、次の機種変更に備える。

（実施例） 第１図乃至第３図を参照して、（１）は溶接機本体、
（２）は自動車用サイドパネルｗのアウタパネルと各種
インナ部材と溶接する複数の溶接ガン（図示せず）を搭
載した溶接治具を示し、溶接機本体（１）に溶接ガンへ
の給電を行う複数の給電ユニット（1a）と溶接治具
（２）の背面に突設したドッキングピン（2a）に係合す
るロック部材（図示せず）とを設けて、溶接治具（２）
を溶接機本体（１）の前面にロック部材の作動で着脱自
在に取付けられるようにした。

溶接機本体（１）は、基台（３）の中央部に下端の固定
台（４）において載置されており、該基台（３）上に該
固定台（４）の回りに旋回自在な環状のターンテーブル
（５）を搭載して、該ターンテーブル（５）の直径方向
両側に溶接治具（２）の支持部（６）（６）を形成し、
一方の支持部（６）と他方の支持部（６）とを該ターン
テーブル（５）の180°宛の旋回で溶接機本体（１）の
前方の交換位置Ａと後方の入換え位置Ｂとに交互に移動
自在とした。

これを詳述するに、該ターンテーブル（５）は、各支持
部（６）の下面に取付けた３個の車輪（5a）において基
台（３）上の環状レール（3a）と、その内周縁部下面に
取付けた複数の車輪（5a′）において後記する下板（4
c）とに転動自在に支持されており、前記固定台（４）
を、第４図及び第５図に示す如く、放射状の複数のプレ
ート（4a）で構成される台本体の上面に溶接機本体
（１）を載置する上板（4b）と、その下面に基台（３）
に固定される円形の下板（4c）とを取付けて成るものと
し、該台本体の下部外周に円筒状の第１レール（4d）
と、その上方の台本体のオーバーハング部の下面に円環
状の第２レール（4e）とを固設して、ターンテーブル
（５）の内周縁に該第１レール（4d）の周面に当接する
第１ガイドローラ（5b）の複数個と、該第２レール（4
e）の下面に当接する第２ガイドローラ（5c）の複数個
とを取付け、更に該ターンテーブル（５）に前面下板
（4c）の外周に巻回固定したチェーン（4f）に噛合する
出力軸上のスプロケット（7a）を有する旋回モータ
（７）を搭載し、該モータ（７）の作動により該ターン
テーブル（５）が前記第１第２レール（4d）（4e）に案
内されて基台（３）上を上下にがたつくことなく旋回さ
れるようにした。図中（８）はターンテーブル（５）に
固定の１対のインデックスアーム（5d）を各把持してタ
ーンテーブル（５）を前記両支持部（６）（６）の一方
と他方が夫々交換位置Ａと入換え位置Ｂとに存する位相
にインデックスするクランパーを示す。

入換え位置ｂの横方向一側と他側とには夫々横方向にの
びる入換えレール（９）（９）が敷設されており、前記
各支持部（６）に入換え位置Ｂへの移動で該両入換えレ
ール（９）（９）間にこれを連結するように介挿される
支持レール（10）を取付け、該支持レール（10）に溶接
治具（２）をその下部の架台（2b）に取付けた車輪（2
c）において支持させ、入換え位置Ｂに存する支持部
（６）上の支持レール（10）から一側の入換えレール
（９）に溶接治具（２）を払出すと共に、他側の入換え
レール（９）から該支持レール（10）に別の溶接治具
（２）を投入して、溶接治具（２）の入換えを行うよう
にした。該各入換えレール（９）の敷設軌道には、溶接
治具（２）の架台（2b）の左右各側に突設したアーム
（2d）に係合する第９図示の如きフック（11a）を取付
けたチェーン（11）が縦設されており、該チェーン（1
1）をモータ（11b）により正逆に循環駆動することで溶
接治具（２）の支持レール（10）からの払出しと投入と
を行うようにした。

又、前記各支持部（６）には溶接治具（２）を支持レー
ル（10）から持上げて該支持レール（10）と直交方向に
移動自在に支持するリフト機構（12）が設けられてお
り、更に前記固定台（４）に、交換位置Ａに存する支持
部（６）上のリフト機構（12）に支持される溶接治具
（２）を溶接機本体（１）の前面に向って進退させる駆
動機構（13）を設け、該リフト機構（12）と該駆動機構
（13）とで交換位置Ａに存する支持部（６）と溶接機本
体（１）との間での溶接治具（２）の受渡しを行う受渡
し装置を構成した。

その詳細は第６図乃至第８図に示す通りであり、前記リ
フト機構（12）は、支持部（６）に立設した複数のガイ
ド部材（14a）にローラ（14b）を介して昇降自在に支持
されてシリンダ（14c）を駆動源とする平行リンク機構
（14d）により昇降動作される昇降枠（14）に、溶接治
具（２）をその架台（2b）の下面に取付けた固定レール
（2e）において支持レール（10）と直交方向即ち前後方
向に移動自在に支持するローラ（15a）付きの支持部材
（15）を取付けて成るものに構成され、又前記駆動機構
（13）は、固定台（４）の上板（4b）に前向きに搭載し
たシリンダ（16）と、該シリンダ（16）のピストンロッ
ド（16a）に連結されて該上板（4b）上のガイドレール
（17a）に沿って前後方向に進退されるスライダ（17b）
に立設した係合ピン（17）とで構成され、該係合ピン
（17）を前進位置にした状態で支持部（６）を交換位置
Ａに移動したとき、該支持部（６）上の支持レール（1
0）に支持される溶接治具（２）がその架台（2b）の後
縁中央部に固設した溝（2g）付きの係合ブロック（2f）
において該係合ピン（17）に係合されるようにし、前記
昇降枠（14）を上昇させて前記支持部材（15）により該
溶接治具（２）を支持レール（10）から持上げて支持し
た後、該係合ピン（17）を後退させて該溶接治具（２）
を溶接機本体（１）側に引込み、その前面に該溶接治具
（２）を上記したドッキングピン（2a）を用いて連結す
るようにし、又上記とは逆作動で溶接治具（２）を溶接
機本体（１）から押離して支持レール（10）に載置する
ようにした。

又、前記リフト機構（12）と溶接機本体（１）との間の
橋渡しのために、ターンテーブル（５）の支持部（６）
の内側の部分と固定台（４）とに夫々前記支持部材（1
5）の上昇位置と同レベルで溶接治具（２）の前記固定
レール（2e）を支持するローラ（18a）（19a）付きの支
持部材（18）（19）を取付け、これら３組の支持部材
（15）（18）（19）に夫々該固定レール（2e）の側面に
係合するピン（15b）（18b）（19b）を立設して、溶接
治具（２）の受渡し時の横ずれを防止し得るようにし、
更に各支持部（６）に、支持レール（10）上の溶接治具
（２）の架台（2b）を両側から挟む１対のクランパー
（20）を設け、これにより溶接治具（２）を支持レール
（10）上に位置決めし得るようにした。

又、前記各入換えレール（９）の敷設軌道の外端部に、
上記リフト機構（12）と同様のリフト機構（21）を設
け、該リフト機構（21）を用いて該各入換えレール
（９）への溶接治具（２）の入換えを行い得られるよう
にした。

（発明の効果） 以上の説明から明らかなように、請求項１の発明によれ
ば、入換え位置に存する一方の支持部に溶接作業中に次
に使用する溶接治具を準備しておくことができ、治具交
換に際しては、用済みの溶接治具を交換位置に存する他
方の支持部に受渡し、ターンテーブルの旋回で前記一方
の支持部を交換位置に移動して溶接機本体に上記溶接治
具を受渡すだけで良く、溶接機本体を１台にして短時間
で治具交換を行い得られ、生産性を維持しつつ設備費を
削減できる。

各、入換え位置に存する支持部への溶接治具の入換えを
クレーン等の大掛りな装置を用いずに行うことができ、
設備費の一層の削減を図れると共に、一側の入換えレー
ルを払出し用、他側の入換えレールを投入用として入換
え作業を能率良く行い得られる。この場合、支持部上の
支持レールは交換位置において横向きとなって溶接機本
体側に向かなくなるが、請求項２の発明によれば、リフ
ト機構と治具進退用の駆動源とにより支持レールと溶接
機本体との間の溶接治具の受渡しを自動的に能率良く行
い得られる。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明装置の１例の平面図、第２図は第１図の
II-II線から見た側面図、第３図は第１図の装置の正面
図、第４図は第１図のIV-IV線で截断した溶接機本体を
省略した拡大断面図、第５図は第４図のＶ−Ｖ線截断平
面図、第６図は要部の拡大平面図、第７図及び第８図は
夫々第６図のVII-VII線及びVIII-VIII線截断面図、第９
図は第１図のIX-IX線截断面図である。 （１）……溶接機本体、（２）……溶接治具 （５）……ターンテーブル、（６）……支持部 （９）……入換えレール、（10）……支持レール （12）……リフト機構、（13）……駆動機構 Ａ……交換位置、Ｂ……入換え位置

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】溶接機本体の前面に溶接治具を着脱自在に
   取付けて成る自動溶接装置における溶接治具の交換装置
   において、該溶接機本体の配置部の回りに旋回自在な、
   該配置部を囲う環状のターンテーブルを設け、該ターン
   テーブルの直径方向両側に溶接治具の支持部を形成し
   て、該両支持部を該ターンテーブルの旋回で前記溶接機
   本体の前方の交換位置と該溶接機本体の後方の入換え位
   置とに交互に移動自在とし、該交換位置に存する支持部
   と該溶接機本体との間で受渡し装置により溶接治具を受
   渡し自在とし、更に、前記入換え位置の横方向一側と他
   側に夫々横方向にのびる入換えレールを設け、前記各支
   持部に該各支持部を該入換え位置に移動したとき該両入
   換えレール間に介挿される支持レールを取付けて、該支
   持レールと該両入換えレールとの間で溶接治具を入換え
   自在としたことを特徴とする自動溶接装置における治具
   交換装置。
2. 【請求項２】前記各支持部に、溶接治具を前記支持レー
   ルから持上げて該支持レールと直交方向に移動自在に支
   持するリフト機構を設けると共に、前記溶接機本体に、
   前記交換位置に存する支持部の該リフト機構で支持され
   る溶接治具を該溶接機本体の前面に向って進退させる駆
   動機構を設け、該リフト機構と該駆動機構とで前記受渡
   し装置を構成したことを特徴とする請求項１に記載の自
   動溶接装置における治具交換装置。