JPH07109493B2 - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JPH07109493B2
JPH07109493B2 JP3616688A JP3616688A JPH07109493B2 JP H07109493 B2 JPH07109493 B2 JP H07109493B2 JP 3616688 A JP3616688 A JP 3616688A JP 3616688 A JP3616688 A JP 3616688A JP H07109493 B2 JPH07109493 B2 JP H07109493B2
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    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/76Photosensitive materials characterised by the base or auxiliary layers
    • G03C1/795Photosensitive materials characterised by the base or auxiliary layers the base being of macromolecular substances

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はハロゲン化銀写真感光材料(以下「感光材料」
と記す)に関し、特にそのバツキング層(以下「バツク
層」と記す)の表面層に関するものである。
(来従の技術) 感光材料は一般にプラスチツクフイルム支持体上に感光
性ハロゲン化銀写真乳剤層(以下、「感光層」と記
す)、ハレーシヨン防止層、保護層、中間層、下塗層、
およびバツク層などを塗布することにより、製造され
る。
近年、感光材料の製造技術は著しく向上し、例えば感光
層の塗布スピード、裁断・切断スピードは著しく高速化
されている。
また撮影時の感光材料の取扱いスピード、現像処理工程
に於ける感光材料の搬送スピードも著しく高速化されて
きている。そのため製造工程、撮影時、処理工程で感光
材料と搬送ロール、包装機械、カメラ、処理機などとの
接触摩擦により、感光材料の表面に擦過傷いわゆるスリ
傷を生じ易くなつている。また、感光層の表面は通常親
水性コロイド、特にゼラチンが使用されているが、ゼラ
チンは金属面、プラスチツク面などに対し、摩擦係数が
高く、表面が接触、摩擦などにより傷つき易いという重
大な欠点を有している。感光層に傷がついた場合は圧力
カブリや減感などの致命的な影響を与えるため、製造工
程、撮影時、処理工程において、感光層はできる限り、
他の物質と接触しない様工夫されている。その結果、バ
ツク層が搬送ロール、包装工程、カメラ内、処理機等で
数多く他の物質と接触するよう設計されており感光層の
保護層やバツク層の耐傷性は感光材料に求められる重要
な性質である。
またバツク層には、高湿の環境下でも感光層と接着故障
を生じさせないためや、処理液中に溶出させない等のた
め、疎水性ポリマーを用いることが多い。疎水性ポリマ
ーとしては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニルなどの重合
体もしくは共重合体、セルロースジアセテート、セルロ
ーストリアセテート、セルロースナイトレース、エチル
セルロース、セルロースプロピオネート、などのセルロ
ース誘導体、さらに、ポリビニルホルマール、ポリビニ
ルアセタール、ポリビニルベンザールなどのアセタール
類等があげられる。しかしこれらはほとんど有機溶剤に
可溶なものであり、作業環境衛生上、有害であり、問題
が多い。
この問題を解決する為に、水溶性または水分散性の合成
ポリマーを用いて写真感光材料の耐傷性を改良する種々
の試みがなされてきた。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら水溶性または水分散性の合成オリマーをプ
ラスチツク支持体に薄層で塗布するとピンホール状のハ
ジキ、又は汚れを呈し、写真用支持体としての価値を失
うことがあつた。
従つて本発明は耐傷性がよいバツク層を提供することで
ある。
本発明は更に有機溶剤を用いることなく製造できるバツ
ク層を提供することである。また薄層で高速塗布も可能
なバツク層を提供することである。また本発明は耐ブロ
ツキング性に優れ、感光層の写真特性への影響の少いバ
ツク層を提供することである。
(問題点を解決するための手段) 本発明の目的はプラスチツク支持体の一方の側にハロゲ
ン化銀写真感光性層を有し、他方の側にバツク層を有し
てなる写真性感光材料に於て、該バツク層の表面が置換
度2.5以下の水溶性メチルセルロース及び水溶性または
水分散性合成ポリマーを含有することを特徴とするハロ
ゲン化銀写真感光材料によつて達成された。
本発明で用いることのできるメチルセルロースはセルロ
ースのグルコース基当りのメチル化の置換度としては0
〜2.5好ましくは0.5〜2.5より好ましくは1.0〜2.5のも
のが優れた効果を有し、2.5を越える場合には水溶性で
なくなるため本発明の目的は達成されない。メチルセル
ロースの重合度については、塗布方法により、塗布液の
粘度との関係から適宜選択が可能である。本発明の著し
き特徴は、水溶性ポリマーとしてのセルロース誘導体の
中でも、置換度が2.5以下という特定の範囲にあるメチ
ルセルロースを用いる事によつて本発明の目的を効率良
く達成する事を見い出した点にある。
ここで用いられるメチルセルロースは、メトキシ基以外
のエーテル化又はエステル化たとえばヒドロキシプロピ
ル基の導入、カルボキシベンゾイル基等が導入されても
差支えない。
この様なメチルセルロースとしては、下記の名称で信越
化学社より市販されており容易に入手する事も出来る。
メトローズSM-15、メトローズ60SH−6、メトローズ60S
H-50、メトローズ60SH-4000、メトローズ65SH-50、メト
ローズ90SH-100これらの合成法、性質については信越化
学社の製品カタログ「メトローズ」及びCellulose and
Cellulose Derivatives No.1〜5、Off.Eら等に詳しく
記されている。
メチルセルロースの製法としては、セルロースを18〜35
%のNaOH溶液と硫酸ジメチルでメチル化し、高メチル化
度の試料を得る為に、このメチル化操作をくり返す方法
あるいは、オートクレーブ中でアルカリセルロースと塩
化メチルを反応させる方法などがある。
本発明のメチルセルロースの使用量は0.001g/m2〜10g/m
2が良く、0.05g/m2〜5.0g/m2が特に好ましい。
本発明に用いる水溶性または水分散性合成ポリマーとし
ては、ポリエステルおよびポリオレフインが良い。
本発明で用いることのできるポリエステルとして米国特
許第4,252,885号、同第4,241,169号、同第4,394,442
号、欧州特許第29,620号、同第78,559号、特開昭54-430
17号、リサーチデイスクロージヤー18928(1982年1月
号)特開昭61-18943号、特開昭61-20033号等に記載され
ている水性ポリエステルを挙げることができる。
また市販されている商品例えば、イーストマン・ケミカ
ル社製のWD-Size、WNT、WMS、大日本インキ化学工業株
式会社製のFINETEXES-670、三井石油化学工業株式会社
製のケミパール S−120、製鉄化学工業株式会社製の
ザイクセン−A、ザイクセン−L、等を用いることがで
きる。
本発明に用いることができるポリオレフインとしてはス
チレン/ブタジエン系共重合体、スチレン/アクリル酸
エステル系共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン系
共重合体、アクリロニトリル/アクリル酸エステル系共
重合体、塩化ビニリデン系共重合体、塩化ビニリデン/
アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニリデン/アクリ
ロニトリル共重合体、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重
合体、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル/
アクリル酸エステル系共重合体、アクリル酸エステル系
共重合体、クロロプレン系共重合体、エチレン系共重合
体、ウレタン系共重合体、などがあげられる。
その中でも特に塩化ビニリデン系共重合体(塩化ビニリ
デンを60〜98重量%含有する)、塩化ビニリデン/アク
リル酸エステル系共重合体(塩化ビニリデン60〜98重量
%、アクリル酸エステル2〜40重量%含有する)、スチ
レン/ブタジエン系共重合体(スチレン50〜80重量%、
ブタジエン20〜50重量%含有する)、アクリル酸エステ
ル系共重合体(アクリル酸エステルを60〜98重量%含有
する)を使用すると特に効果が著しい。
これらの共重合体はさらに必要に応じて他の成分を共重
合しても良く、共重合成分としてはアクリル酸、メタク
リル酸、イタコン酸、ヒドロキシエチルアクリレート、
ヒドロキシエチルメタアクリレート、2エチルヘキシル
アクリレート、2エチルヘキシルメタアクリレート、グ
リシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート、
アクリルアミド、n−ブトキシメチルアクリルアミド、
ヒドロキシメチル化ジアセドンアクリルアミド、ジビニ
ルベンゼン、n−メチロールアクリルアミド、アクロレ
インなどがあげられる。
本発明のバツク層の最外層を塗布するに際して塗布液に
膨質改質材例えば架橋剤を併用しても良い。架橋剤とし
ては、アルデヒド系、エポキシ系、エチレンイミン系、
活性ハロゲン系、ビニルスルホン系、イソシアネート
系、スルホン酸エステル系、カルボジイミド系、ムコク
ロル酸系等の各架橋剤があげられる。この時使用する架
橋剤の量は水性ポリマーの種類、要求される物理的性質
に応じて任意の範囲でよい。
本発明に用いる水溶性または水分散性合成ポリマーの使
用量は0.02g/m2〜20g/m2が良く、0.05g/m2〜10g/m2が特
に好ましい。
また、本発明のバツク層の最外層を塗布するに際しての
溶媒は作業環境衛生上、水が好ましい。しかし例えば目
的に応じてメタノール、エタノール、プロパノールのよ
うなアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンのよ
うなケトン類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、
ジオキサンのようなグリコールエーテル類などの有機溶
剤で水の一部を置き換えても良い。
プラスチツク支持体とバツク層の最外層との間には親水
性ポリマーからなる中間層を設けてもよい。
中間層の親水性ポリマーとしては水溶性ポリマー、セル
ロースエステル、ラテツクスポリマー、水溶性ポリエス
テルなどが上げられる。
水溶性ポリマーとしてはゼラチン、ゼラチン誘導体、カ
ゼイン、寒天、アルギン酸ソーダ、でんぷん、ポリビニ
ルアルコール、ポリアクリル酸共重合体、無水マレイン
酸共重合体などであり、セルロースエステルとしてはカ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
スなどである。ラテツクスポリマーとしては塩化ビニル
含有共重合体、塩化ビニリデン含有共重合体、アクリル
酸エステル含有共重合体、酢酸ビニル含有共重合体、ブ
タジエン含有共重合体などである。この中で最も好まし
いのは塩化ビニリデン含有共重合体である。
中間層には帯電防止剤を併用して使用することができ
る。帯電防止剤としては、特開昭49-3972号等に記載の
マレイン酸系共重合体、特開昭56-117234号等に記載の
イオネン型ポリマー、特開昭58-58541号等に記載のアル
ミナゾル、特開昭56-143443号等に記載の導電性金属酸
化物あるいはその複合酸化物等があげられる。
中間層を設けるに際し予め、支持体をコロナ放電処理、
紫外線処理、グロー放電処理などの表面処理を施しても
良く、悪影響を及ぼすことはない。
本発明に係るバツク層は一般によく知られた塗布方法例
えばデイツプコート法、エアーナイフコート法、カーテ
ンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコード
法、エクストルージヨンコート法などにより塗布するこ
とができる。
本発明の感光材料のプラスチツクフイルム支持体として
は例えばセルローストリアセテート、セルロースアセテ
ートブチレート、セルロースアセテートプロピオネー
ト、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナタタ
レート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンなどあるいはこれらの積層物などが
使用しうる。特にポリエチレンテレフタレートを支持体
とした時、効果が著しい。
次に、本発明のバツク層を有する感光材料の感光層につ
いて説明する。
本発明に使用されるハロゲン化銀乳剤は、臭化銀、沃臭
化銀、沃塩臭化銀、塩臭化銀および塩化銀のいずれであ
つてもよい。
本発明に使用しうるハロゲン化銀粒子は、立方体、八面
体のような規則的(regular)な結晶形を有するもの、
また球状、板状などのような変則的(irregular)な結
晶形をもつもの、あるいはこれらの結晶形の複合形をも
つものである。また種々の結晶形の粒子の混合から成る
ものも使用できるが、規則的な結晶形を使用するのが好
ましい。
本発明に使用されるハロゲン化銀粒子は内部と表層とが
異なる相をもつていても、均一な相から成つていてもよ
い。また潜像が主として表面に形成されるような粒子
(例えばネガ型乳剤)でもよく、粒子内部に主として形
成されるような粒子(例えば、内部潜像型乳剤、予めか
ぶらせた直接反転乳剤)であつてもよい。好ましくは、
潜像が主として表面に形成されるような粒子である。
本発明に使用されるハロゲン化銀乳剤は、厚みが0.5ミ
クロン以下、好ましくは0.3ミクロン以下で径が好まし
くは0.6ミクロン以上であり、平均アスペクト比が5以
上の粒子が全投影面積の50%以上を占めるような平板粒
子乳剤か、統計学上の変動係数(投影面積を円近似した
場合の標準偏差Sを直径で除した値s/)が20%以下
である単分散乳剤が好ましい。また平板粒子乳剤および
単分散乳剤を2種以上混合してもよい。
本発明に用いられる写真乳剤はピー・グラフキデス(P.
Glafkides)著、シミー・エ・フイジーク・フオトグラ
フイーク(Chimie er Physique Photographeque)(ポ
ールモンテル社刊、1967年)、ジー・エフ・ダフイン
(G.F.Duffin)著、フオトグラフイツク・エマルジヨン
・ケミストリー(Photographic Emulsion Chemistry)
(フオーカルプレス刊、1966年)、ブイ・エル・ゼリク
マン(V.L.Zelikman)ら著、メーキング・アンド・コー
テイング・フオトグラフイツク・エマルジヨン(Making
and Coating Photographic Emulsion)(フオーカルプ
レス刊、1964年)などに記載された方法を用いて調製す
ることができる。
またこのハロゲン化銀粒子の形成時には粒子の成長をコ
ントロールするためにハロゲン化銀溶剤として例えばア
ンモニア、ロダンカリ、ロダンアンモン、チオエーテル
化合物(例えば米国特許第3,271,157号、同第3,574,628
号、同第3,704,130号、同第4,297,439号、同第4,276,37
4号など)、チオン化合物(例えば特開昭53-144319号、
同53-82408号、同55-77737号など)、アミン化合物(例
えば特開昭54-100717号など)などを用いることができ
る。
ハロゲン化銀粒子形成または物理熟成の過程において、
カドミウム塩、亜鉛塩、タリウム塩、イリジウム塩また
はその錯塩、ロジウム塩またはその錯塩、鉄塩または鉄
錯塩などを共存させてもよい。
ハロゲン化銀乳剤は、通常は化学増感される。化学増感
のためには、例えばH.フリーゼル(H.Frieser)編、デ
イー・グルンドラーゲン・デル・フオトグラフイシエン
・プロツエセ・ミツト・ジルベルハロゲンデン(Die Gr
undlagen der Photographischen Prozesse mit Silberh
alogeniden)(アカデミツシエ・フエルラグスゲゼルシ
ヤクト1968)675〜734頁に記載の方法を用いることがで
きる。
すなわち、活性ゼラチンや銀と反応し得る硫黄を含む化
合物(例えば、チオ硫酸塩、チオ尿素類、メルカプト化
合物類、ローダニン類)を用いる硫黄増感法;還元性物
質(例えば、第一すず塩、アミン類、ヒドラジン誘導
体、ホルムアミジンスルフイン酸、シラン化合物)を用
いる還元増感法;貴金属化合物(例えば、金錯塩のほ
か、Pt、Ir、Pdなどの周期律表VIII族の金属の錯塩)を
用いる貴金属増感法などを単独または組合せて用いるこ
とができる。
本発明に使用されるハロゲン化銀写真乳剤には、感光材
料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のカブリを防
止し、あるいは写真性能を安定化させる目的で、種々の
化合物を含有させることができる。すなわち、アゾール
類たとえばベンゾチアゾリウム塩、ニトロインダゾール
類、トリアゾール類、ベンゾトリアゾール類、ベンズイ
ミダゾール類(特にニトロ−またはハロゲン置換体);
ヘテロ環メルカプト化合物類たとえばメルカプトチアゾ
ール類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカプトベ
ンズイミダゾール類、メルカプトチアジアゾール類、メ
ルカプトテトラゾール類(特に1−フエニル−5−メル
カプトテトラゾール)、メルカプトピリミジン類;カル
ボキシル基やスルホン基などの水溶性基を有する上記の
ヘテロ環メルカプト化合物類;チオケト化合物たとえば
オキサゾリンチオン;アザインデン類たとえばテトラア
ザインデン類(特に4−ヒドロキシ置換(1,3,3a,7)テ
トラアザインデン類);ベンゼンチオスルホン酸類;ベ
ンゼンスルフイン酸;などのようなカブリ防止剤または
安定剤とに知られた多くの化合物を加えることができ
る。
本発明のハロゲン化銀写真乳剤はシアン・カプラー、マ
ゼンタ・カプラー、イエロー・カプラーなどのカラー・
カプラー及びカプラーを分散する化合物を含むことがで
きる。
すなわち、発色現像処理において芳香族1級アミン現像
薬(例えば、フエニレンジアミン誘導体や、アミノフエ
ノール誘導体など)との酸化カツプリングによつて発色
しうる化合物を含んでもよい。例えば、マゼンタカプラ
ーとして、5−ピラゾロンカプラー、ピラゾロベンツイ
ミダゾールカプラー、シアノアセチルクマロンカプラ
ー、ピラゾロトリアゾールカプラー、閉鎖アシルアセト
ニトリルカプラー等があり、イエローカプラーとして、
アシルアセトアミドカプラー(例えばベンゾイルアセト
アニリド類、ピバロイルアセトアニリド類)等があり、
シアンカプラーとして、ナフトールカプラーおよびフエ
ノールカプラー等がある。これらのカプラーは分子中に
バラスト基とよばれる疎水基を有する非拡散のものが望
ましい。カプラーは銀イオンに対し4当量性あるいは2
当量性のどちらでもよい。また色補正の効果をもつカラ
ードカプラー、あるいは現像にともなつて現像抑制剤を
放出するカプラー(いわゆるDIRカプラー)であつても
よい。
またDIRカプラー以外にも、カツプリング反応の生成物
が無色であつて現像抑制剤を放出する無呈色DIRカツプ
リング化合物を含んでもよい。
本発明の写真乳剤には感度上昇、コントラスト上昇また
は現像促進の目的で、例えばポリアルキレンオキシドま
たはそのエーテル、エステル、アミンなどの誘導体、チ
オエーテル化合物、チオモルフオリン類、四級アンモニ
ウム塩化合物、ウレタン誘導体、尿素誘導体、イミダゾ
ール誘導体、3−ピラゾリドン類等を含んでもよい。
本発明のハロゲン化銀写真乳剤にはフイルター染料とし
て、あるいはイラジエーシヨン防止その他種々の目的
で、公知の水溶性染料(例えばベンジリデン染料、オキ
ソノール染料;ヘミオキソノール染料及びメロシアニン
染料)用いることができる。また分光増感剤として公知
のシアニン色素、メロシアニン色素、ヘミシアニン色素
を用いることができる。
本発明の写真乳剤には塗布助剤、帯電防止、スベリ性改
良、酸化分散、接着防止および写真特性改良(例えば現
像促進、硬調化、増感)など種々の目的で種々の界面活
性剤を含んでもよい。
また、本発明の感光材料には退色防止剤、硬膜剤、色カ
ブリ防止剤、紫外線吸収剤、ゼラチン等の保護コロイ
ド、種々の添加剤に関して、具体的には、リサーチ・デ
イスクロージヤー Vol.176(1978、XII)RD-17643など
に記載されている。
本発明の感光材料としては、カラーポジフイルム、カラ
ーネガフイルム、カラー反転、製版用写真感光材料、X
線記録用感光材料、マイクロ写真用感光材料、コンピユ
ーターアウトプツト用感光材料、プリントアウト像を記
録する感光材料、光現像型焼出し(Direct Print imag
e)感光材料、熱現像用感光材料、物理現像用感光材料
などを挙げることができる。
写真像を得るための露光は通常の方法を用いて行えばよ
い。すなわち、自然光(日光)、タングステン電灯、螢
光灯、水銀灯、キセノンアーク灯、炭素アーク灯、キセ
ノンフラツシユ灯、陰極線管フライングスポツトなど公
知の多種の光源をいずれでも用いることができる。露光
時間は通常1/1000秒から30秒の露光時間であるが、1/10
00秒より短い露光、たとえばキセノン閃光灯や陰極線管
を用いた1/104〜1/106秒の露光を用いることもできる
し、30秒より長い露光を用いることもできる。必要に応
じて色フイルターで露光に用いられる光の分光組成を調
節することができる。露光にレーザー光を用いることも
できる。また電子線、X線、γ線、α線などによつて励
起させた螢光体から放出する光によつて露光されてもよ
い。
本発明を用いて作られる感光材料の写真処理には、例え
ばリサーチ・デイスクロージヤー (Research Disclos
ure)176号、第28〜30頁(RD-17643)に記載されている
ような、公知の方法及び公知の処理液のいずれをも適用
することができる。この写真処理は、目的に応じて、録
画像を形成する写真処理(黒白写真処理)、あるいは色
素像を形成する写真処理(カラー写真処理)のいずれで
あつてもよい。処理温度は普通18から50℃の間に選ばれ
るが、18℃より低い温度または50℃を超える温度として
もよい。
実施例1 一方の面に既知の下塗を施した厚さ100μのポリエチレ
ンテレフタレートフイルムの他方の面(いわゆるバツク
面側)にコロナ放電処理した後乾燥膜厚が0.2μになる
ように下記〔I〕の組成の塗布液を塗布し130℃で2分
間乾燥した。次いでその上に下記〔II〕に示す組成の塗
布液を乾燥膜厚が0.1μになるように塗布し、130℃で2
分間乾燥した。ポリエチレンテレフタレートフイルム支
持体の既知の下塗を施した面に高感度白黒ハロゲン化銀
乳剤を塗布し、試料1を得た。
〔I〕蒸留水 85部 塩化ビニリデン系共重合体 15部 (50%水分散液、共重合比塩化ビニリデン/メチルメタ
クリレート/アクリル酸=90/5/5) 〔II〕蒸留水 85部 ポリエステル 10部 (フアインテツクスES-670大日本インキ化学工業(株)
製) メチルセルローズ、メトローズSM-15 5部 (置換度1.79〜1.83、信越化学(株)製) 実施例2 一方の面に既知の下塗を施した厚さ100μのポリエチレ
ンテレフタレートフイルムの他方の面にコロナ放電処理
した後乾燥膜厚が0.2μになるように下記〔III〕の組成
の塗布液を塗布し、130℃で2分間乾燥した。次いでそ
の上に下記〔IV〕に示す組成の塗布液を乾燥膜厚が0.1
μになるように塗布し、130℃で2分間乾燥した。ポリ
エチレンテレフタレートフイルム支持体の既知の下塗を
施した面に高感度白黒ハロゲン化銀乳剤を塗布し、試料
2を得た。
〔III〕蒸留水 75部 酸化錫−酸化アンチモン分散液 10部 (40%水分散液) 塩化ビニリデン系共重合体 15部 (50%水分散液、共重合比塩化ビニリデン/メチルメタ
クリレート/アクリル酸=90/5/5) 〔IV〕蒸留水 85部 ポリオレフイン 10部 (ケミパールS−120、三井石油化学工業(株)製) メチルセルローズ メトローズ60SH−6 5部 (置換度1.86〜1.90、信越化学(株)製) 比較例1 一方の面に既知の下塗を施した厚さ100μのポリエチレ
ンテレフタレートフイルム支持体の他方の面に実施例1
と同様に実施例1で示した組成〔I〕の塗布液を乾燥膜
厚が0.2μになるように塗布し、130℃で2分間乾燥し
た。次いでその上に下記〔V〕に示す組成の塗布液を乾
燥膜厚が0.1μになるように塗布し、130℃で2分間乾燥
した。ポリエチレンテレフタレートフイルム支持体の既
知の下塗を施した面に高感度白黒ハロゲン化乳剤を塗布
し比較試料1を得た。
〔V〕蒸留水 90部 ポリエステル 10部 (フアインテツクスES-670大日本インキ化学工業(株)
製) 比較例2 一方の面に既知の下塗を施した厚さ100μのポリエチレ
ンテレフタレートフイルム支持体の他方の面に実施例2
と同様に実施例2で示した組成〔III〕の塗布液を乾燥
膜厚が0.2μになるように塗布し、130℃で2分間乾燥し
た。次いでその上に下記〔VI〕に示す組成の塗布液を乾
燥膜厚が0.1μになるように塗布し、130℃で2分間乾燥
した。ポリエチレンテレフタレートフイルム支持体の既
知の下塗を施した面に高感度白黒ハロゲン化乳剤を塗布
し比較試料2を得た。
〔VI〕蒸留水 90部 ポリオレフイン 10部 (ケミパールS−120、三井石油化学工業(株)製) 比較例3 一方の面に既知の下塗を施した厚さ100μのポリエチレ
ンテレフタレートフイルム支持体の他方の面に実施例2
で示した組成〔III〕の塗布液を乾燥膜厚が0.2μになる
ように塗布し、130℃で2分間乾燥した。次いでその上
に下記〔VII〕に示す組成の塗布液を乾燥膜厚が0.1μに
なるように塗布し、130℃で2分間乾燥した。ポリエチ
レンテレフタレートフイルム支持体の既知の下塗を施し
た面に高感度白黒ハロゲン化乳剤を塗布し、比較試料3
を得た。
〔VII〕蒸留水 90部 ゼラチン 5部 メチルセルローズ メトローズ 60SH−6 5部 (置換度1.86〜1.90、信越化学(株)製) 以上の試料No.1、2および比較試料1、2、3に対しハ
ジキの個数、ムラの程度、摩擦係数、耐傷性の結果をま
とめて第1表に示す。
なお摩擦係数、耐傷性については下記の試験方法を用い
た。
〔摩擦係数測定〕鋼球に対する摩擦係数を株式会社東洋
ボールドウイン社製の摩擦係数測定機EFM−4−S型で
測定した。
〔耐傷性〕直径0.050mmのダイヤモンド針に連続的に荷
重をかけてフイルム表面上をひつかき、傷の発生した最
小の荷重を測定した。数値の大きい方が耐傷性は良い。
〔発明の効果〕 第1表からも明らかなように本発明の試料1、2はいず
れもハジキ、ムラに優れている。置換度2.5以下の水溶
性メチルセルロースを含有しないバツキング層からなる
比較試料1、2はハジキ、ムラが劣つており、ゼラチン
を用いた比較試料3は耐傷性が劣つている。本発明が摩
擦係数、耐傷性の性能を損うことなく優れていることは
明らかである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチツクフイルム支持体の一方の側に
    ハロゲン化銀写真感光性層を有し、他方の側にバツキン
    グ層を有して成る写真性感光材料に於て、該バツキング
    層の表面層が置換度2.5以下の水溶性メチルセルロース
    及び水溶性または水分散性合成ポリマーを含有すること
    を特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
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