JP2670898B2 - 銀塩拡散転写による画像形成方法 - Google Patents

銀塩拡散転写による画像形成方法

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JP2670898B2 JP29640190A JP29640190A JP2670898B2 JP 2670898 B2 JP2670898 B2 JP 2670898B2 JP 29640190 A JP29640190 A JP 29640190A JP 29640190 A JP29640190 A JP 29640190A JP 2670898 B2 JP2670898 B2 JP 2670898B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は銀塩拡散転写による画像形成方法およびそこ
で使用するフイルムユニットに関するものである。
(従来の技術) 拡散転写法は、現在、当業界では周知であり、その詳
細については省略する。詳しくは、ロック(A.Rott)と
ワイデ(E.Weyde)著、「ハロゲン化銀写真の拡散過程
(Photographic Silver Hlide Diffusion Processe
s)」、フォーカルプレス(Focal Press)社刊(1972
年);スタージ(J.Sturge)、ウォルワース(V.Walwor
th)およびシェップ(A.Shepp)著、「画像処理と材
料:ネブレット第8版(Imaging Processes and Materi
als:Neblette′s Eighth Edition)」、バン・ノストラ
ンド・レインホールド(Van Nostrand Reinhold)社刊
(1989年)、第6章(Chapter 6)、「インスタント写
真および関連する複製写真処理方法(Instantt photogr
aphy and Related Reprographic Processes)」;ハイ
スト(G.Haist)著、「近代的な写真処理、第2巻(Mod
ern Photographic Processing Vol.2)」、ジョン・ウ
ィリー・アンド・サンズ(John Wiley and Sons)社刊
(1979年)、第8章(Chapter 8)、「拡散転写(Diffu
sion Transfer)」などに記載されている。この拡散転
写法では、多くの種類の写真材料を作製することがで
き、前出の成書に詳しく述べられている。例えば、ハロ
ゲン化銀乳剤が支持体上に塗布された感光要素と、銀沈
澱核を含む受像層が別の支持体上に塗布された受像要素
とを重ね合わせて、現像主薬とハロゲン化銀溶剤とを含
む高粘度のアルカリ性処理組成物から成る処理要素を、
前記2つの要素の間に展開することによって転写画像を
得ることができることが知られている。
(発明が解決しようとする課題) 前記の構成では、感光要素を露光した後、受像要素と
重ね合わせ、その間に処理要素を展開して、一定時間後
に剥離すると、受像要素に転写画像が得られる。この転
写画像をより速く完成させることは、常に望まれている
ことである。
転写画像の完成を速くする方法として、処理要素に含
まれている現像主薬にハイドロキノン類のような還元性
の高いものを使用し、さらにハロゲン化銀溶剤にハイポ
のような溶解速度の速いものを使用する方法がある。し
かしこの方法では、転写画像が非常に不安定であり、現
像主薬の酸化体によるステインの発生、残留ハイポによ
る硫化などで、画像を長期保存することができない。こ
れを防止するために、画像表面にアルカリ中和剤を含む
ポリビニルアルコールのような酸化防止層を画像完成直
後に塗布することが必要となり、取扱いが複雑となる。
転写画像の完成を速くする別の方法として、感光要素
のハロゲン化銀乳剤を溶解性の高い塩化銀、塩臭化銀な
どにする方法があるが、感度が低いため撮影用としては
使用できないことと、カブリが出易いため転写画像濃度
が低くなってしまう欠点を有している。
(発明の目的) 本発明の目的は、画像完成が速く、かつ剥離後の画像
安定化処理の不要な方法を提供することにある。
さらに本発明の目的は、高い撮影感度を有したまま、
画像完成を速くする方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 前記の目的は、画像露光された感光性ハロゲン化銀乳
剤層を含む感光要素を、ハロゲン化銀溶剤を含むアルカ
リ性処理要素を用いて現像して、該乳剤層の未露光ハロ
ゲン化銀の少なくとも一部を転写性銀錯塩とし、該錯塩
の少なくとも一部を銀沈澱核含有受像層を含む受層要素
へ転写して、該受像要素に画像を形成させる画像形成方
法において、該感光性ハロゲン化銀乳剤が、沃化銀含量
0.5〜3.5モル%の,沃臭化銀または塩沃臭化銀から成
り、かつ化学増感終了後に、粒子表面に、銀量で3〜20
%の臭化銀または沃臭化銀を形成させたものであること
を特徴とする画像形成方法によって達成された。
本発明におけるハロゲン化銀乳剤粒子の平均沃化銀含
量は、好ましくは1.0〜3.0モル%であり、さらに好まし
くは1.5〜3.0モル%である。さらに粒子の内部と表面で
沃化銀含量を変化させることが好ましい。内部の沃化銀
含量が多く、表面付近の沃化銀含量が少ないほど高感度
で、かつ溶解速度が速くなり、従って転写画像の完成が
速くなる。塩化銀含量は任意に設定して良いが、感度と
カブリの観点から、10モル%以下が好ましい。
化学増感後に表面に形成させる臭化銀または沃臭化銀
の効果は、溶解速度を遅くすることなく、より高い感度
を達成する非常に有効な手段である。形成させる臭化銀
または沃臭化銀は、好ましくは銀量で5〜15%である。
沃臭化銀を形成させる場合の沃化銀含量は0.1〜3.0ミル
%が好ましい。沃化銀含量が多すぎると溶解速度が遅く
なり、転写画像の完成が遅くなる。臭化銀または沃臭化
銀を形成させる方法として、銀イオンとハロゲンイオン
とを化学増感後に添加する方法、臭化銀または沃臭化銀
の微粒子乳剤を添加してオストワルド熟成によりホスト
粒子上に再結晶化させる方法などがある。
本発明のハロゲン化銀粒子のハロゲン組成分布につい
ては、前述したことを含め、粒子のどの部分をとっても
組成の等しいいわゆる均一型構造の粒子、粒子内部のコ
ア(核)とそれを取り囲むシェル(殻)[一側または複
数層]とで組成の異なるいわゆる積層型構造の粒子ある
いは粒子内部または表面に、非層状に組成の異なる部分
を有する構造(粒子表面にある場合は、粒子のエッジ、
コーナーまたは面上に異組成の部分が接合した構造)の
粒子などを適宜選択して用いることができる。高感度を
得るには、均一型構造の粒子よりも後二者のいずれかを
用いることが有利であり、耐圧力性の面からも好まし
い。ハロゲン化銀粒子が上記のような構造を有する場合
には、ハロゲン組成の異なる境界部は、明確な境界であ
っても、混晶を形成した不明確な境界であっても良く、
また意図して連続的に構造変化を持たせたものであって
も良い。
本発明のハロゲン化銀粒子、潜像が主として表面に形
成されているような粒子でも良く、粒子内部に主として
形成されているような粒子でも良く、さらに潜像がそれ
らのいずれにも局在しなくても良い。特に、下記の条件
で最高感度を示す位置に潜像が形成される粒子が好まし
い。
[潜像位置確認条件−−−ポリエチレンテレフタレー
トフィルム上にハロゲン化銀乳剤を銀量で1g/m2になる
ように塗布し、その上にゼラチン保護層を付けた試料を
露光後、MAA−1+ハイポ0.3g/1の処理液で、20℃で20
分現像する。] 本発明のハロゲン化銀粒子、立方体、八面体のような
等軸晶系結晶形を有するもの、球状、平板状などのよう
な異形結晶形をもつもの、あるいはこれらの結晶形の複
合形をもつものなどいずれでも良い。
本発明のハロゲン化銀粒子の平均サイズ(投影面積を
円近似した時の直径で表す。)は特に問わないが、4μ
m以下が好ましく、さらに3μm以下が好ましく、特に
好ましいのは0.2〜2μmである。粒子サイズ分布は狭
くても広くてもいずれでも良い。
本発明に用いる乳剤は、グラフキデ(P.Glafkides)
著、「写真の化学と物理(Chimie et Phisique Photogr
aphique)」、ポール・モンテル(Paul Montel)社刊
(1967年);ダフィン(G.F.Duffin)著、「写真用乳剤
の化学(Photographic Emulsion Chemistry)」、フォ
ーカル・プレス(Focal press)社刊(1966年);ツェ
リクマン他(V.L.Zelikman et al)著、「写真用乳剤の
調製と塗布(Making and Coating Photographic Emulsi
ons)」、フォーカル・プレス(Focal Press)社刊(19
64年)などに記載された方法を用いて調製することがで
きる。すなわち、酸性法、中性法、アンモニア法などの
いずれでも良く、また可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を
反応させる形式としては、片側混合法、同時混合法、お
よびそれらの組み合わせなどのいずれの方法を用いても
良い。粒子を銀イオン過剰の雰囲気下で形成させる方法
(いわゆる逆混合法)を用いることもできる。同時混合
法の一つの形式として、ハロゲン化銀の生成する液相中
のpAgを一定に保つ方法、すなわちコントロールド・ダ
ブルジェット法を用いることもできる。この方法による
と、結晶形が規則的で、粒子サイズが均一に近いハロゲ
ン化銀乳剤を得ることができる。
本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は、その乳剤粒子形
成または物理熟成の過程において、種々の多価金属イオ
ン化合物を導入することができる。使用する化合物の例
としては、カドミウム、亜鉛、鉛、タリウムなどの塩、
あるいは周期律表第VIII族の鉄、ルテニウム、ロジウ
ム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金などの
塩または錯塩を挙げることができる。特に上記第VIII族
元素は好ましく用いることができる。これらの化合物の
添加量は、目的に応じて広範囲にわたるが、ハロゲン化
銀1モルに対して10-9〜10-3モルが好ましい。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、通常、化学
増感および分光増感を施される。
化学増感については、前記グラフキデ(Glafkide
s)、ダフィン(Duffin)およびツェリクマン(Zelikma
n)の各著書あるいはフリーザー(H.Frieser)編、「ハ
ロゲン化銀の写真過程の基礎(Die Grundlagen der Pho
tographischen Prozesse mit Silberhalogeniden)」、
アカデミッシェ・フェアラークスゲゼルシャフト(Akad
emische Verlagsgesellschaft)社刊(1968年)に記載
の方法を用いることができる。
すなわち、活性ゼラチンや銀や反応しうるイオウを含
む化合物(例えば、チオ硫酸塩、チオ尿素類、メルカプ
ト化合物類、ローダニン類)を用いるイオウ増感法;貴
金属化合物(例えば、金錯塩の他、Pt、Ir、Pdなどの周
期律表第 族の金属の錯塩)を用いる貴金属増感法;還
元性物質(例えば、第一スズ塩、アミン類、ヒドラジン
誘導体、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化合物)
を用いる還元増感法などを単独または併用して用いるこ
とができる。
また、分光増感剤としては、シアニン色素、メロシア
ニン色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色素、
ホロポーラーシアニン色素、ヘキシアニン色素、スチリ
ル色素およびヘミオキサノール色素が好ましい。特に有
用な色素は、シアニン色素、メロシアニン色素、および
複合メロシアニン色素に属する色素である。その具体的
な例は、ヘイマー(F.M.Hamer)著、「複素環化合物−
シアニン色素および関連化合物(Heterocyclic Compoun
ds-Cyanin Dyes and Related Compounds)」、ジョン・
ウィリー・アンド・サンド(John Wiley and Sons)社
刊(1964年)に記載されている。その他、米国特許2,49
3,748号、同2,519,001号、同2,977,229号、同3,480,434
号、同3,672,897号、同3,703,377号、同2,685,545号、
同2,912,329号、同3,397,060号、同3,615,635号、同3,6
28,964号、英国特許1,195,302号、同1,242,588号、同1,
293,862号、西独特許出願(OLS)2,030,326号、同2,12
1,780号、特公昭43-4936号、同44-14030号、同43-10773
号、米国特許3,511,664号、同3,522,052号、同3,527,64
1号、同3,615,613号、同3,615,632号、同3,617,295号、
同3,635,721号、同3,694,217号、英国特許1,137,580
号、同1,216,203号などに記載の分光増感剤を用いるこ
ともできる。
分光増感剤は、特開昭59-114533号、同61-163334号に
記載されているように、複数組み合わせて用いることも
できる。
本発明のハロゲン化銀乳剤層の厚さは0.5〜8.0μm、
特に0.6〜6.0μmであり、ハロゲン化銀粒子の塗布量
は、銀量として0.1〜3g/m2、好ましくは0.2〜1.5g/m2
ある。
本発明の感光性ハロゲン化銀乳剤層には、写真材料の
製造工程、保存中、あるいは写真処理中のカブリを防止
したり写真性能を安定化させる目的で、種々の化合物を
含有させることができる。
これらの化合物としては、アゾール類(例えば、ベン
ゾチアゾリウム塩、ニトロイミダゾール類、ニトロベン
ズイミダゾール類、クロロベンズイミダゾール類、ブロ
モベンズイミダゾール類、メルカプトチアゾール類、メ
ルカプトベンゾチアゾール類、メルカプトベンズイミダ
ゾール類、メルカプトチアジアゾール類、アミノトリア
ゾール類、ニトロベンゾトリアゾール類、ベンゾトリア
ゾール類)、メルカプトピリミジン類、メルカプトトリ
アジン類、チオケト化合物、アザインデン類(例えば、
トリアザインデン類、テトラザインデン類、ペンタアザ
インデン類)、ベンゼンスルホン酸類、ベンゼンスルフ
ィン酸類、ベンゼンスルホン酸アミド類、α−リポ酸な
どのよく知られたカブリ防止剤や安定剤が好ましく用い
られる。代表例としては、1−フェニル−2−メルカプ
トテトラゾール、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3
a,7−テトラザインデン、2−メルカプトベンゾチアゾ
ール、5−カルボキシブチル−1,2−ジチオランなどが
ある。
これらのさらに詳しい具体例およびその使用方法につ
いては、例えば、米国特許3,982,947号、特公昭52-2866
0号に記載されたものを用いることができる。
本発明の感光要素には、無機または有機の硬膜剤を含
ませることができる。例えば、クロム塩(クロムミョウ
バン、酢酸クロムなど)、アルデヒド類(ホルムアルデ
ヒド、グリオキザール、グルタールアルデヒドなど)、
N−メチロール化合物(ジメチロール尿素、メチロール
ジメチルヒダントインなど)、ジオキサン誘導体(2,3
−ジヒドロキシジオキサンなど)、活性ビニル化合物
(1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリ
アジンなど)、ムコハロゲン酸類(ムコクロル酸、ムコ
フェノキシクロル酸など)などを単独または組み合わせ
て用いることができる。
本発明の感光要素のハロゲン化銀乳剤層およびその他
の親水性コロイド層には塗布助剤を用いることができ
る。塗布助剤として、リサーチ・ディスクロージャー
(Research Disclosure)第176巻、17643、26頁(1978.
12発行)の「塗布助剤(Coating aids)」の項に記載さ
れている化合物や特開昭61-20035号に記載されている化
合物を用いることができる。
本発明の感光要素のハロゲン化銀乳剤層およびその他
の親水性コロイド層には感度上昇、コントラスト上昇ま
たは現像促進の目的で、例えば、ポリアリキレンオキシ
ドまたはそのエーテル、エステル、アミンなどの誘導
体、チオエーテル化合物、チオモルホリン類、四級アン
モニウム化合物、ウレタン誘導体、尿素誘導体、イミダ
ゾール誘導体、3−ピラゾリドン類などの化合物を含ん
でも良い。このような化合物例として、米国特許2,400,
532号、同2,423,549号、同2,716,062号、同3,617,280
号、同3,772,021号、同3,808,003号などに記載されてい
る化合物を用いることができる。
本発明の感光要素のハロゲン化銀乳剤層およびその他
の親水性コロイド層には寸度安定性の改良の目的で、水
不溶性または難溶性合成ポリマーの分散物を含むことが
できる。例えば、アルキル(メタ)アクリレート、アル
コキシアルキル(メタ)アクリレート、グリシジル(メ
タ)タクリルアミド、ビニルエステル(例えば、酢酸ビ
ニル)、アクリロニトリル、オレフィン、スチレンなど
の単独または組み合わせ、あるいはこれらとアクリル
酸、メタクリル酸、α,β−不飽和ジカルボン酸、ヒド
ロキシアルキル(メタ)アクリレート、スチレンスルホ
ン酸などの組み合わせを単量体成分とするポリマーを用
いることができる。
本発明の感光要素に用いるハロゲン化銀乳剤層は複数
から構成されても良い。さらにハロゲン化銀乳剤層上に
保護層を設けることができる。この保護層はゼラチンな
どの親水性ポリマーから成り、特開昭61-47946号、同61
-75338号に記載されているようなポリメチルメタアクリ
レートラテックスやシリカなどのマット剤またはすべり
剤を含むことができる。
本発明の感光要素には、ハロゲン化銀乳剤層およびそ
の他の親水性コロイド層にフィルターあるいはイラジエ
ーション防止などの目的で、染料や紫外線吸収剤を含ま
せても良い。
その他、本発明の感光要素には、帯電防止剤、可塑
剤、空気カブリ防止剤を含むことができる。
本発明の感光要素に用いる親水性バインダーとして
は、ゼラチンを用いるのが有利であるが、それ以外の親
水性バインダーも用いることができる。例えば、タンパ
ク質(ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子とのグラ
フトポリマー、アルブミン、カゼインなど)、セルロー
ス誘導体(ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース、セルロース硫酸エステル類など)、糖
類(アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体など)および合成親
水性ポリマー(ポリビニルアルコール、ポリビニルアル
コール部分アセタール、ポリ−N−ビニルピロリドン、
ポリアクリルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポリビ
ニルピラゾールなどの単一あるいは共重合体)を用いる
ことができる。
ゼラチンとしては、石灰処理ゼラチンの他、酸処理ゼ
ラチンや日本写真学会誌(Bull.Soc.Sci.Phot.Japa
n)、No.16、P.30(1966年)に記載されたような酵素処
理ゼラチンを用いても良く、またゼラチンの加水分解物
や酵素分解物も用いることができる。
ゼラチン誘導体としては、ゼラチンに酸ハライド、酸
無水物、イソシアネート類、ブロモ酢酸、アルカンサル
トン類、ビニルスルホンアミド類、マレインイミド化合
物類、ポリアルキレンオキシド類、エポキシ化合物類な
どを反応させて得られるものが用いられる。その具体例
は、米国特許2,614,928号、同3,132,945号、同3,186,84
6号、同3,312,553号、英国特許861,414号、同1,033,189
号、同1,005,784号、特公昭42-26845号などに記載され
ている。
ゼラチン・グラフトポリマーとして、ゼラチンにアク
リル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、アクリル
アミド、アクリロニトリル、スチレンなどのビニル系モ
ノマーの単一または共重合体をグラフトさせたものを用
いることができる。その具体例は、米国特許2,763,625
号、同2,831,767号、同2,956,884号などに記載されてい
る。
本発明における受像要素は、銀沈澱核を含有する受像
層を担持する支持体、例えば、バライタ紙、ポリエチレ
ンラミネート紙、三酢酸セルロースあるいはポリエステ
ル化合物上に塗布される。このような受像要素は、好ま
しくは、銀沈澱核を分散させた適当なセルロースエステ
ル、例えば二酢酸セルロースの被覆用溶液で、必要によ
り、下塗りした支持体を被覆することにより作ることが
できる。得られたセルロースエステルの層をアルカリ加
水分解させて、セルロースエステルの深度方向の少なく
とも一部分をセルロースに変える。特に有用な具体例に
おいて、銀沈澱核層および/あるいは下にある加水分解
を受けなかった下層のセルロースエステル、例えば二酢
酸セルロースを含有するセルロースエステル層の加水分
解を受けなかった部分は、銀転写像の色調、安定性ある
いは他の写真性能を改良するのに適している1種あるい
はそれ以上のメルカプト化合物を含んでいる。このよう
なメルカプト化合物はインビビジョン中に、これが最初
に置かれた位置から拡散して利用される。この型の受像
要素は米国特許3,711,283号に記載されている。
該メルカプト化合物として特開昭49-120634号、特公
昭56-44418号、英国特許1,276,961号、特公昭56-21140
号、特開昭59-231537号、特開昭60-122939号に記載され
ている化合物が好ましい。
銀沈澱核の具体例としては重金属、例えば鉄、鉛、亜
鉛、ニッケル、カドミウム、錫、クロム、銅、コバル
ト、さらに貴金属、例えば金、銀、白金およびパラジウ
ムがある。他の有用な銀沈澱核は重金属や貴金属の硫化
物およびセレン化物、特に水銀、銅、アルミニウム、亜
鉛、カドミウム、コバルト、ニッケル、銀、鉛、アンチ
モン、ビスマス、セリウム、マグネシウム、金、白金、
およびパラジウムの硫化物、およびセレン化合物を挙げ
ることができる。特に、金、白金、パラジウムかこれら
の硫化物が好ましい。
また該未ケン化層(タイミング層)と支持体との間に
中和用酸性ポリマー層(アルカリ中和層)を設けること
が好ましい。
本発明に用いるアルカリ中和層には、例えば米国特許
3,594,164号に記載の重合体酸などが用いられる。好ま
しい重合体酸としては無水マレイン酸共重合体(例え
ば、スチレン−無水マレイン酸共重合体、メチルビニル
エーテル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−無水マ
レイン酸共重合体など)および(メタ)アクリル酸
(共)重合体(例えば、アクリル酸−アルキルアクリレ
ート共重合体、アクリル酸−アルキルメタアクリレート
共重合体、メタアクリル酸−アルキルアクリレート共重
合体、メタアクリル酸−アルキルメタアクリレート共重
合体など)が挙げられる。
この他にポリエチレンスルホン酸、ベンズアルデヒド
スルホン酸とポリビニルアルコールとのアセタール化物
のようなスルホン酸を含むポリマーも有用である。
また、中和層にタイミング層で用いられるメルカプト
化合物を含んでいても良い。また膜物理性改良の目的で
これらの重合体酸と加水分解可能なアルカリ非浸透性ポ
リマー(特に前記のセルロースエステルが好ましい。)
またはアルカリ浸透性ポリマーを混合しても良い。
また、受像要素には、画像保存性を良化させるための
画像安定化層を有することが好ましく、この安定化剤と
してカチオン高分子電解質が好ましく、特に特開昭59-1
66940号、米国特許3,958,995号、特開昭55-142339号、
同54-126027号、同54-155835号、同53-30328号に記載さ
れている水分散ラテックス、米国特許2,548,564号、同
3,148,061号、同3,756,814号に記載のポリビニルピリジ
ニウム塩、米国特許3,709,690号に記載の水溶性四級ア
ンモニウム塩ポリマーあるいは米国特許3,898,088号に
記載の水不溶用四級アンモニウム塩ポリマーがカチオン
高分子電解質として好ましい。
また、画像安定化層のバインダーとして、酢酸セルロ
ースが好ましく、特に酢化度が40〜49%の二酢酸セルロ
ースが好ましい。この画像安定化層は前述の中和層とタ
イミング層の間に設けることが好ましい。
また、タイミング層には、長期保存したときにセルロ
ースエステルの変化によってタイミング時間が長くなる
ことを防いだり、タイミング時間を短縮したりする目的
のために、酸ポリマー(例えば、メチルビニルエーテル
と無水マレイン酸の共重合体やメチルビニルエーテルと
無水マレイン酸ハーフエステルの共重合体)を含ませる
ことができる。
さらに、タイミング層や中和層には、光がシートの断
面方向から内部まで侵入すること(ライトパイピング)
を防ぐ目的で、白色顔料(例えば、二酸化チタン、二酸
化珪素、カオリン、二酸化亜鉛、硫酸バリウム)を含ま
せることができる。
また、受像層とタイミング層との間に中間層を設ける
こともある。中間層として好ましいものは、アラビアゴ
ム、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミドなどの
親水性ポリマーを用いることができる。
また、受像層の表面には、処理液展開後の剥離時に処
理液が受像層の表面に付着するのを防止するために、剥
離層を設けることが好ましい。このような剥離層として
好ましいものは、アラビアゴム、ヒドロキシエチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアル
コール、ポリアクリルアミド、アルギン酸ナトリウムの
他に、米国特許3,772,024号、同3,820,999号および英国
特許1,360,653号に記載されているものを挙げることが
できる。
遮光の方法として、支持体の紙の中に遮光剤(例え
ば、カーボンブラックや有機黒色顔料)を含ませる方法
や、支持体の裏面に上記遮光剤を塗布し、さらにその上
に、白くするために白色顔料(例えば、二酸化チタン、
二酸化珪素、カオリン、二酸化亜鉛、硫酸バリウム)を
塗布することが好ましい。
また、カールや脆性を良くする目的で、グリセリンな
どの吸湿剤やポリエチルアクリレートラテックスのよう
な膜質改良化剤を含ませても良い。
また、それらの最上層に保護層を設けることが好まし
い。その保護層には、マット剤を含ませて接着性を良化
させたり、筆記性を持たせたりすることができる。
上記の遮光層および保護層のバインダーとしては、ゼ
ラチン、セルロースエステル、ポリビニルアルコールな
どが用いられる。
本発明では、二酸化チタンまたはカーボンブラックを
含むポリエチレンテレフタレートフィルムの両面に下塗
り層を有する支持体の一方に感光性ハロゲン化銀乳剤
層、その上に保護層を設け、もう一方の面にはカーボン
ブラック層と、その上に保護層を設ける感光要素が好ま
しく用いられる。
上記層構成のほか、二酸化チタンまたはカーボンブラ
ックを含むポリエチレンテレフタレートフィルムの両面
に下塗り層を有する支持体の一方に二酸化チタンの層、
その上に感光性ハロゲン化銀乳剤層、さらにその上に保
護層を設け、もう一方の面にはカーボンブラック層と、
その上に保護層を設ける感光要素が好ましく用いられ
る。また上述のカーボンブラックの代わり、または、そ
れに追加して有色染料を用いることができる。また、ポ
リエチレンテレフタレートにカーボンブラックおよび/
または有色染料を含む場合は、一方の面にカーボンブラ
ックおよび/または有色染料の層を設けなくても良い。
また、上記二酸化チタンは他の白色顔料に置き換えても
良い。
支持体としては、上記ポリエステル化合物の他に、ポ
リエチレンでラミネートされた紙、バライタ紙および三
酢酸セルロースが用いられる。
上記の感光性ハロゲン化銀乳剤層、保護層、カーボン
ブラック層などには、通常、親水性バインダー、例えば
ゼラチンなどを含む。
本発明で用いられる処理要素には、現像主薬、ハロゲ
ン化銀溶剤、アルカリ剤および色調剤(Toning agent
s)が含まれているが、目的に応じて、現像主薬および
/またはハロゲン化銀溶剤を感光要素中および/または
受像要素中に含ませておくこともできる。
本発明に用いられる現像主薬は、少なくとも2つのヒ
ドロキシル基および/またはアミノ基がベンゼン核のオ
ルトまたはバラ位に置換されているベンゼン誘導体(例
えば、ハイドロキノン、アミドール、メトール、グリシ
ン、p−アミノフェノール、ピロガロール)およびヒド
ロキシルアミン類、特に第一級脂肪族N−置換、第二級
脂肪族N−置換、芳香族N−置換あるいはβ−ヒドロキ
シルアミン類で、これらは水性アルカリに可溶性であ
り、例えば、ヒドロキシルアミン、N−メチルヒドロキ
シルアミン、N−エチルヒドロキシルアミン、米国特許
2,857,276号に記載されているものおよび米国特許3,29
3,034号に記載されているN−アルコキシアルキル置換
ヒドロキシルアミン類が包含される。
また、特開昭49-88521号に記載されているテトラヒド
ロフルフリル基をもつヒドロキシルアミン、誘導体も用
いられる。
また、西独特許請出願(OLS)2,009,054号、同2,009,
055号、同2,009,078号に記載されているアミノレダクト
ン類や、米国特許4,128,425号に記載されている複素環
アミノレダクトン類も用いられる。
また、米国特許3,615,440号に記載されているテトラ
アルキルレダクチン酸も用いることができる。
上記の現像主薬とともに、補助現像薬として、フェニ
ドン類、p−アミノフェノール類およびアスコルビン酸
を併用することができ、フェニドン類を併用することが
好ましい。
本発明に用いられるハロゲン化銀溶剤には、通常の定
着剤(例えば、ナトリウムチオサルフェート、ナトリウ
ムチオシアネート、アンモニウムチオサルフエートおよ
び上述の米国特許2,543,181号に記載されているも
の)、環式イミドと窒素塩基とが組み合わされたもの
(例えば、バルビツレートまたはウラシルとアンモニア
またはアミンとが組み合わされたものおよび米国特許2,
857,274号に記載されているような組み合わせ)などが
用いられる。また、1,1−ビススルホニルアルカンおよ
びその誘導体も知られており、本発明のハロゲン化銀溶
剤として用いることができる。
処理組成物はアルカリ類、好ましくはアルカリ金属の
水酸化物、例えば、水酸化ナトリウムあるいは水酸化カ
リウムを含んでいる。
重ね合わされた感光要素と受像要素との間に薄い層と
して処理組成物を展開させる場合には、処理要素は重合
体フィルム形成剤あるいは増粘剤を含んでいると好まし
い。
処理要素に含まれる重合体フイルム形成剤または増粘
剤としては、カルボキシメチルセルロース、エチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘
導体、ポリビニルアルコールなどのビニル重合体、ポリ
アクリル酸やポリメタクリル酸などのアクリル酸重合体
あるいは水ガラスなどの無機ポリマーなどが用いられ
る。この中で、ヒドロキシエチルセルロースおよびカル
ボキシメチルセルロースが特に好ましい。これらは拡散
転写写真法の公知の技術により、適当な粘度を与えるの
に効果的な濃度で処理組成物の中に含有される。
処理組成物はさらに、銀塩拡散転写法において公知の
別の助剤、例えば、カブリ防止剤、安定剤などを含有さ
せても良い。
(実施例) 以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明をさら
に詳細に説明する。
実施例−1 1.受像要素の作成 支持体ポリエチレンラミネート紙の上に順に次の層を
設け受像要素を作成した。[]内の数値は塗布量をg/m2
で示すものである。
(1) 中和層 酢酸セルロース(酢化度55%)[6.0]、メチルビニ
ルエーテル−無水マレイン酸共重合体[4.0]、ニービ
テックス(Uvitex)OB(チバガイギー社の商品名)[0.
04]、1−(4−ヘキシルカルバモイルフェニル)−2,
3−ジヒドロキシイミダゾール−2−チオン[0.25] (2) 画像安定化層 酢酸セルロース(酢化度46%)[4.0]、下記化合物
[2.0] (3) タイミング層 酢酸セルロース(酢化度55%)[8.0] (4) 受像層 酢酸セルロース(酢化度55%)[2.0]、硫化パラジ
ウム[7.5×10-4]、1−(4−ヘキシルカルバモイル
フェニル)−2,3−ジヒドロイミダゾール−2−チオン
[1.0×10-2] (5) ケン化 水酸化ナトリウム 12gとグリセリン 24gとメタノー
ル 280mlを混合した液で表面からケン化し、水洗し
た。
(6) 剥離層 ブチルメタアクリレート−アクリル酸共重合体(モル
比15:85)[0.1] (7) バック層 上記支持体の裏面に遮光層、白色層および保護層を塗
布した。
(7−1) 遮光層 カーボンブラック[4.0]、ゼラチン[8.0]、ポリア
クリレート粒子(平均直径0.05μm)[0.2] (7−2) 白色層 二酸化チタン[6.0]、ゼラチン[0.7] (7−3) 保護層 ポリメチルメタアクリレート粒子(平均直径0.05μ
m)[0.2]、ゼラチン[1.6] 2.感光要素の作成 支持体(ポリエチレンテレフタレート)上に下記の各
層を塗布して感光要素を作成した。[]内の数値は塗布
量をg/m2で示すものである。
(1) コロイド銀層 平均粒径0.01μmのコロイド銀[0.002]、ゼラチン
[0.9] (2) 感光層 平均粒径1.1μmの沃臭化銀乳剤(AgI含量6.0モル%
均一型構造)[銀換算0.55]、4−ヒドロキシ−6−メ
チル−1,3,3a,7−テトラザインデン[0.01]、下記増感
色素A[3.2×10-4]、下記増感色素B[3.2×10-4]、
下記増感色素C[1.2×10-4]、ゼラチン[3.9] (3) 保護層 ゼラチン[0.7]、ポリメチルメタクリレート粒子
(平均直径4.7μm)[0.1] (4) バック層 (4−1) 遮光層 カーボンブラック[4.0]、ゼラチン[2.0] (4−2) 保護層 ゼラチン[0.7]、ポリメチルメタクリレート粒子
(平均直径0.05μm)[0.1] 上記感光要素を(1A)とし、層(2)のハロゲン化銀
乳剤を第一表の乳剤に置き換えた感光要素(1B)〜(1
L)を作製した。
感光要素(1A)〜(1L)の乳剤(A)〜(L)は以下の
ようにして調製した。
乳剤(A): (e) KBr(30%) 50cc (f) NH4NO3(50%) 15cc (g) NaOH(1N) 56cc (h) H2SO4(1N) 49cc (i) KSCN(1N) 37.8cc (n) ゼラチン 37g (a)をタンクに投入し、60℃に加熱してから(b)
と(e)を1分間で同時添加した。15分後に(d)と
(e)を添加して30分間物理熱成した。その後さらに、
(f)と(g)を添加して、40分間物理熟成した。物理
熟成後、(h)を添加して2分後、(j)と(k)を30
分間で同時添加した。(j)と(k)を30%添加した時
点で(i)を添加する。さらに(l)と(m)を20分間
で同時添加した。添加5分後に温度を40℃まで下げ、脱
塩操作を3回繰り返してから、(n)を添加し、さらに
全体が800gに成るようにH2Oを添加した。再分散させ
た後、62℃に温度を上げ、チオ硫酸ナトリウム、塩化金
酸およびチオシアン酸カリウムによりイオウ+金増感の
最適化学増感を施した。
乳剤(B): (c)と(k)のKI量が6モル%になるようにし、
(m)のKI量が3モル%に成るようにする以外は乳剤
(A)と同様に調製した。
乳剤(C): (c)、(k)および(m)のKI量が1.5モル%に成
るようにする以外は乳剤(A)と同様に調製した。
乳剤(D): (c)と(k)のKI量が2モル%に成るようにし、
(m)のKI量が1モル%に成るようにする以外は乳剤
(A)と同様に調製した。
乳剤(E): (c)、(k)および(m)のKI量が2.5モル%に成
るようにする以外は乳剤(A)と同様に調製した。
乳剤(F): (c)と(k)のKI量が4モル%に成るようにし、
(m)のKI量が1モル%に成るようにする以外は乳剤
(A)と同様に調製した。
乳剤(G): 乳剤(C)と同じ乳剤に銀量で10%の微粒子臭化銀乳
剤(平均粒子サイズ:0.05μm)を添加後、62℃で60分
間熟成して、表面に臭化銀を形成させた。
乳剤(H): 乳剤(D)と同じ乳剤に銀量で10%の微粒子臭化銀乳
剤(平均粒子サイズ:0.05μm)を添加後、62℃で60分
間熟成して、表面に臭化銀を形成させた。
乳剤(I): 乳剤(F)と同じ乳剤に銀量で5%の微粒子臭化銀乳
剤(平均粒子サイズ:0.05μm)を添加後、62℃で60分
間熟成して、表面に臭化銀を形成させた。
乳剤(J): 乳剤(F)と同じ乳剤に銀量で10%の微粒子臭化銀乳
剤(平均粒子サイズ:0.05μm)を添加後、62℃で60分
間熟成して、表面に臭化銀を形成させた。
乳剤(K): 乳剤(D)と同じ乳剤に銀量で10%の微粒子沃臭化銀
乳剤(平均粒子サイズ:0.05μm、AgI含量:5モル%)を
添加後、62℃で60分間熟成して、表面に沃臭化銀を形成
させた。
乳剤(L): 乳剤(D)と同じ乳剤に銀量で10%の微粒子沃臭化銀
乳剤(平均粒子サイズ:0.05μm、AgI含量:20モル%)
を添加後、62℃で60分間熟成して、表面に沃臭化銀を形
成させた。
3.処理液の調製とポッド作製 処理液は空気によって酸化されてしまうので、窒素気
流中で調製した。下記処法で調製後、複数の開裂可能容
器(ポッド)に、1個当たり0.7gの処理液を充填して処
理要素とした。
二酸化チタン ……5 g 水酸化カリウム ……280 g ウラシル ……90 g テトラヒドロピリミジンチオン ……0.2g 2,4−ジメルカプトピリミジン ……0.2g 3−(5−メルカプトテトラゾリル)ベンゼンスルホン
酸ナトリウム ……0.2g 硝酸亜鉛・9H2O ……40 g トリエタノールアミン ……6 g ヒドロキシエチルセルロース ……45 g N,N−ビス(メトキシエチル)ヒドロキシルアミン(17
%水溶液) ……220 g 4−メチル−4−ヒドロキシメチル−1−フェニル−3
−ピラゾリジノン ……0.2g H2O ……1300 ml 4.展開処理 上記受像要素、感光要素(1A)〜(1L)および処理要
素を組み合わせた試料について、露光後、25℃で液厚35
μmになるように展開処理した後、15秒、30秒および60
秒で剥離した受像要素を光学濃度測定し、最高濃度(Dm
ax)と感度(S0.6)について評価した。感度(S0.6
はDmin+0.6の点における露光量の逆数の対数の相対値
で表した。結果を第二表に示した。
第二表から明らかなように、本発明の感光要素(1G)
〜(1K)で得られた転写画像は、比較例(1A)、(1B)
および(1L)で得られた転写画像と比較して、高感度
で、かつ転写画像の完成が速い優れた写真性を示した。
また比較例(1C)〜(1F)は転写画像の完成は速いが、
感度の点で劣っていることがわかる。
実施例−2 処理液を下記のものにする以外は実施例−1と同様に
して展開剥離処理を行った。
二酸化チタン ……5 g 水酸化カリウム ……280 g ウラシル ……90 g チオ硫酸ナトリウム ……2 g テトラヒドロピリミジンチオン ……0.2g 2,4−ジメルカプトピリミジン ……0.2g 3−(5−メルカプトテトラゾリル)ベンゼンスルホン
酸ナトリウム ……0.2g 沃化カリウム ……0.4g 硝酸亜鉛・9H2O ……40 g トリエタノールアミン ……6 g ヒドロキシエチルセルロース ……45 g N,N−ビス(メトキシエチル)ヒドロキシルアミン(17
%水溶液) ……220 g 4−メチル−4−ヒドロキシメチル−1−フェニル−3
−ピラゾリジノン ……2 g H2O ……1300 ml 上記処理液調製後、複数の開裂可能容器(ポッド)
に、1個当たり0.7gの処理液を充填して処理要素とし
た。
展開剥離処理後の受像要素を光学濃度測定し、最高濃
度(Dmax)および感度(S0.6)について評価した。結
果を第三表に示した。
第三表の結果から明らかなように、本発明の感光要素
(1G)〜(1K)は比較例(1A)〜(1F)および(1L)よ
り高感度で、かつ転写画像の完成が速い優れた写真性を
示した。また、本発明の感光要素(1G)〜(1K)は、15
秒から60秒まで感度および階調がほとんど変化しない優
れた写真性を示した。
(発明の効果) 本発明によれば、転写画像の完成が速く、高感度なフ
ィルムユニットを得ることができ、さらに剥離後の画像
安定化処理が不要な画像形成方法を得ることができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像露光された感光性ハロゲン化銀乳剤層
    を含む感光要素を、ハロゲン化銀溶剤を含むアルカリ性
    処理要素を用いて現像して、該乳剤層の未露光ハロゲン
    化銀の少なくとも一部を転写性銀錯塩とし、該錯塩の少
    なくとも一部を銀沈澱核含有受像層を含む受像要素へ転
    写して、該受像要素に画像を形成させる画像形成方法に
    おいて、該感光性ハロゲン化銀乳剤が、沃化銀含量0.5
    〜3.5モル%の,沃臭化銀または塩沃臭化銀から成り、
    かつ化学増感終了後に、粒子表面に、銀量で3〜20%の
    臭化銀または沃臭化銀を形成させたものであることを特
    徴とする画像形成方法。
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