JPH07108934B2 - 水添ブロツク共重合体分散液状エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

水添ブロツク共重合体分散液状エポキシ樹脂組成物

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JPH07108934B2
JPH07108934B2 JP62143912A JP14391287A JPH07108934B2 JP H07108934 B2 JPH07108934 B2 JP H07108934B2 JP 62143912 A JP62143912 A JP 62143912A JP 14391287 A JP14391287 A JP 14391287A JP H07108934 B2 JPH07108934 B2 JP H07108934B2
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敏雄 畑
米司 高島
秀一 石村
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財団法人接着剤研究所
旭化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、優れた耐衝撃性、耐熱性、耐水性、耐溶剤性
を有するエポキシ樹脂組成物に関するものであり、その
特徴は適度な粒子径に分散された水添ブロック共重合体
を含有することにある。
〔従来の技術とその問題点〕
エポキシ樹脂は、優れた機械的・化学的性質、接着性を
有することから、これまで電気絶縁材料、塗料、接着
剤、FRPなどの工業用途に幅広く使用されている。しか
し一般にエポキシ樹脂の硬化体は剛直であり、又、硬化
時に発生する大きな内部応力のために耐衝撃性に弱いと
云う欠点がある。これらの欠点を解消するために、柔軟
性のあるエポキシ樹脂や硬化剤を使用して硬化体を柔軟
化し、かつ、内部応力を低減化する方法があるが、逆に
耐熱性の低下や耐水性のて低下と云う大きな問題点を生
じてしまう。従って、硬化体の耐熱性を保持しながら耐
衝撃性を向上させる方法として、エポキシ樹脂に可塑性
を有する成分を混合し、硬化エポキシ樹脂マトリックス
中にその可塑性成分を粒子状で分散させる方法が用いら
れている。可塑性成分としては、天然ゴム、合成ゴム、
ポリアミド樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、
エチレン−プロピレン系共重合体、アクリル樹脂、シリ
コン樹脂、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエ
ラストマーなどが用いられている。このうち最も一般的
なものは合成ゴムであり、中でも末端に官能基を有する
液状のアクリロニトリル−ブタジエン共重合体(官能基
含有NBR)が多く用いられる。
この官能基含有NBRは目的とする耐衝撃性の向上を達成
し、かつ、耐熱性の低下を抑制する効果を有するもの
の、経時的、熱的な劣化を引き起こすと云う基本的な問
題点を抱えている。従ってこれを改良するためには分子
中に劣化を生じる基を排除すれば良い。特開昭57−1493
69号、特開昭57−149370号公報には、エポキシ樹脂に
(1)モノビニル置換芳香族化合物からなるブロックと
(2)共役ジオレフィン重合体からなるブロックの重合
体の水添物に不飽和カルボン酸をグラフトした変性ブロ
ック共重合体を添加することによる優れた接着性を有す
る組成物が提案されている。本発明者らが目的とする耐
衝撃性の改善のためには、エポキシ樹脂マトリックス中
に可塑性成分が所定の粒度で均一に分散されている必要
があり、そうでない限りは効果を発揮しない。前記公開
公報では、エポキシ樹脂と変性ブロック共重合体の混合
状態が述べられておらず、変性ブロック共重合体が粒子
状を呈するかどうかが疑問であり、かつ、組成物を得る
方法として硬化剤と同時に混合することが述べられてお
り、硬化の過程で変性ブロック共重合体が粒子を形成す
るとしても、その粒子径は硬化条件で大きく異なるため
に品質が不安定であり、工業製品としての要件を満足し
ていない。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明はこうした問題点を解決するものであり、所期の
目的である耐衝撃性の向上と耐熱性の低下を抑制し、か
つ、優れた品質の安定性をもたらすものである。
即ち、本発明は、一分子中に少なくとも2個以上のエポ
キシ基を有する液状エポキシ樹脂〔成分(a)〕100重
量部と、少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体と
する重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン
化合物を主体とする重合体ブロックBとからなるブロッ
ク共重合体を水素添加し、該共重合体中の共役ジエン化
合物に基づく脂肪族二重結合の少なくとも80%を水素添
加せしめた水添ブロック共重合体100重量部当たり10重
量部以下のα,β−不飽和カルボン酸類を付加した物
〔成分(b)〕1〜100重量部とからなる組成物で、成
分(b)が成分(a)の液状エポキシ樹脂中に分散状態
で存在しており、かつ、その分散粒子径が0.05〜10μm
の範囲であることを特徴とする水添ブロック共重合体分
散液状エポキシ樹脂組成物に関するものである。
本発明で用いられる液状エポキシ樹脂は一分子中に少な
くとも2個以上のエポキシ基を有する化合物であり、一
般に知られている液状のエポキシ樹脂をすべて使用する
ことができる。以下に具体的に例示すると、 (1)多価フェノールのポリグリシジルエーテルの例 ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノール
AD、テトラブロムビスフェノールAのうち1種類とエピ
ハロヒドリンから合成されるビスフェノール型ジグリシ
ジル化合物、フェノールノボラック、レゾルシン、又は
クレゾールノボラックなどのフェノール化合物とホルム
アルデヒドの縮合物のポリグリシジル化合物など、 (2)ポリカルボン酸のポリグリシジルエステルの例 フタル酸のジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル
酸のジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸のジ
グリシジルエステル、アジピン酸のジグリシジルエステ
ルなど、 (3)脂環式エポキシ化合物の例 ビニルシクロヘキセンオキシド、3,4−エポキシシクロ
ヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボ
キシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシ
ルメチル−3,4−エポキシ−6−エポキシシクロヘキサ
ンカルボキシレート、3,4−エポキシヘキサヒドロベン
ザル−3,4−エポキシシクロヘキサン1,1−ジメタノー
ル、ビス(3,4−エポキシ−6−メチル−シクロヘキシ
ルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘ
キシルメチル)アジペートなど、 (4)多価アルコールのポリグリシジルーテルの例 エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリ
ン、1,4−ブタンジオール、水添ビスフェノールA、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコールとエ
ピハロヒドリンのポリグリシジル化合物など、 (5)多価アミンのポリグリシジル化合物の例 アニリン、キシレンジアミン、p−アミノフェノール、
4,4−ジアミノジフェニルメタン、5,5−ジメチルヒダン
トインとエピハロヒドリンのポリグリシジル化合物な
ど。
本発明で云う液状とは、室温での状態を指し、一般には
樹脂の融点によって液状か固形かを区別する。例えばビ
スフェノールA型エポキシ樹脂の場合には「エポキシ樹
脂」(垣内弘編、昭晃堂、昭和54年第6版)によれば、
その第61頁の表3、4に示されているように、Durran水
銀法による融点で40℃以下のものが液状と呼ばれるもの
である。
本発明で(b)成分として用いられる水添ブロック共重
合体は、少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体と
する重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン
化合物を主体とする重合体ブロックBとからなるブロッ
ク共重合体を水素添加し、該共重合体の共役ジエン化合
物に基づく脂肪族二重結合の少なくとも80%を水素添加
せしめた水添ブロック共重合体(以下、水添ブロック共
重合体と略記する)である。
ここで、水添ブロック共重合体とは、例えば、A−B、
A−B−A、B−A−B−A、(A-B-)4−Si、A−B−
A−B−A等の構造を有するビニル芳香族化合物/共役
ジエン化合物ブロック共重合体及びこれらの混合物の水
素添加されたものである。
この水添ブロック共重合体は、ビニル芳香族化合物を5
〜60重量%、好ましくは10〜50重量%含み、更にブロッ
ク構造について言及すると、ビニル芳香族化合物を主体
とする重合体ブロックAが、ビニル芳香族化合物のホモ
重合体ブッロク又は、ビニル芳香族化合物を50重量%を
超え、好ましくは70重量%以上含有するビニル芳香族化
合物と水素添加された共役ジエン化合物との共重合体ブ
ロックの構造を有しており、そして更に水素添加された
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックが、水素
添加された共役ジエン化合物のホモ重合体ブロック又
は、水素添加されて共役ジエン化合物を50重量%を超
え、好ましくは70重量%以上含有する水素添加された共
役ジエン化合物とビニル芳香族化合物との共重合体ブッ
ロクの構造を有するものである。又、これらのビニル芳
香族化合物を主体とする重合体ブロックA、水素添加さ
れた共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックB
は、それぞれの重合体ブロックにおける分子鎖中の水素
添加された共役ジエン化合物又はビニル芳香族化合物の
分布がランダム、テーパード(分子鎖中に沿ってモノマ
ー成分が増加または減少するもの)、一部ブロック状又
はこれらの任意の組合せで成っていても良く、該ビニル
芳香族化合物を主体とする重合体ブロック及び該水素添
加された共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック
がそれぞれ2個以上ある場合は、各重合体ブロックはそ
れぞれが同一構造であっても良く、異なる構造であって
も良い。水添ブロック共重合体を構成するビニル芳香族
化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレン等のうち
から1種又は2種以上が選択でき、中でもスチレンが好
ましい。又、水素添加された共役ジエン化合物を構成す
る水添前の共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジ
エン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル
−1,3−ブタジエン等のうちから1種又は2種以上が選
ばれ、中でもブタジエン、イソプレン及びこれらの組合
せが好ましい。そして、水添される前の共役ジエン化合
物を主体とする重合体ブロックは、そのブロックにおけ
るミクロ構造を任意に選ぶことができ、例えばポリブタ
ジエンブロックにおいては、1,2−ビニル結合構造が20
〜50%、好ましくは25〜45%である。
又、上記した構造を有する水添ブロック共重合体の数平
均分子量は5,000〜1,000,000、好ましくは10,000〜800,
000、更に好ましくは30,000〜500,000の範囲であり、分
子量分布〔重量平均分子量(MW)と数平均分子量(Mn)
との比(MW/Mn)〕は10以下である。更に、水添ブロッ
ク共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状或い
はこれらの任意の組合せの何れであっても良い。
これらのブロック共重合体は、上記した構造を有するも
のであれば、どのような製造方法で得られるものであっ
ても構わない。例えば、特公昭40−23798号公報に記載
された方法により、リチウム触媒を用いて不活性溶媒中
でビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重
合体を合成することができる。又、かかるビニル芳香族
化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体の水素添加
物の製造方法としては、例えば特公昭42−8704号公報、
特公昭43−6636号公報に記載された方法も採用すること
ができるが、特に得られる水添ブロック共重合体の耐候
性、耐熱劣化性に優れた性能を発揮するチタン系水添触
媒を用いて合成された水添ブロック共重合体が最も好ま
しく、例えば、特開昭59−133203号公報、特開昭60−79
005号公報に記載された方法により、不活性溶媒中でチ
タン系水添触媒の存在下に水素添加して、本発明に供す
る水添ブロック共重合体を合成することができる。その
際、ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共
重合体の共役ジエン化合物に基づく脂肪族二重結合は少
なくとも80%を水素添加せしめ、共役ジエン化合物を主
体とする重合体ブロックを形態的にオレフィン性化合物
重合体ブロックに変換させることができる。
又、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック
A、及び必要に応じて共役ジエン化合物を主体とする重
合体ブロックBに共重合されているビニル芳香族化合物
に基づく芳香族二重結合の水素添加率については特に制
限はないが、水素添加率を20%以下にするのが好まし
い。該水添ブロック共重合体中に含まれる非水添の脂肪
族二重結合の量は、赤外分光光度計、核磁気共鳴装置等
により容易に知ることができる。
又、水添ブロック共重合体は、水添ブロック共重合体10
0重量部当たり、10重量部以下のα,β−不飽和カルボ
ン酸類が付加しているものが本発明の(b)成分として
使用することができる。10重量部以上の付加量では付加
量を高めた効果が顕著でなく、却って変性水添ブロック
共重合体の加工性が悪化したり、ゲル等の好ましくない
成分が発生し、好ましくない。
この付加反応物は、上記の構造を有する共重合体にα,
β−不飽和カルボン酸又はその無水物、エステル等(以
下、α,β−不飽和カルボン酸類と略記する)と有機過
酸化物の存在下又は非存在下でグラフト反応によって得
られる。その反応は溶融状態、溶液状態の何れでも良
い。
ここで、グラフト反応の際に供することのできるα,β
−不飽和カルボン酸類としては、例えば、マレイン酸、
無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、
アクリル酸エステル、クロトン酸、シス−4−シクロヘ
キセン−1,2−ジカルボン酸、及びその無水物、エンド
−シス−ビシクロ〔2,2,1〕−5−ヘプテン−2,3−ジカ
ルボン酸、及びその無水物、マレインイミド化合物等が
挙げられ、中でも無水マレイン酸が好ましく用いられ
る。
又、グラフト反応において必要に応じて用いることので
きる有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキ
サイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチ
ルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(te
rt−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(tert−ブチルパーオキシヘキシン−3、n−ブチ
ル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレー
ト、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリ
メチルシクロヘキサン等が挙げられ、これらの中から好
適に選ぶことができる。水添ブロック共重合体の製造方
法に関しては、本発明においては特に限定しないが、得
られた水添ブロック共重合体が上述した特徴から外れた
構造を有していたり、ゲル等の好ましくない成分を含ん
だり、その溶融粘度が著しく増大して加工性が悪化した
りする製造方法は好ましくない。好ましい製造方法の一
例としては、例えば、押出機中で150〜350℃の温度で上
記した水添ブロック共重合体、α,β−不飽和カルボン
酸類、有機過酸化物を溶融混練し、ラジカル変性させる
方法がある。この際、ゲル等の発生を防止するため必要
に応じて安定剤を添加することができる。この安定剤と
しては、公知の酸化防止剤が挙げられ、フェノール系酸
化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤を単独
もしくは併用することができる。又、得られた水添ブロ
ック共重合体は、1価以上の金属イオンとアイオノマー
化しても良い。
液状エポキシ樹脂と水添ブロック共重合体の混合割合
は、液状エポキシ樹脂100重量部に対して水添ブロック
共重合体1〜100重量部の範囲である。水添ブロック共
重合体1重量部未満では、目的とする耐衝撃性の向上効
果が十分でなく、100重量部を超えても、耐衝撃性の向
上は図れるものの、耐熱性の低下が大きく又組成物の粘
度が高過ぎるため実用的でない。好ましい範囲は10〜30
重量部である。
液状エポキシ樹脂中の水添ブロック共重合体の混合状態
は、液状エポキシ樹脂中に水添ブロック共重合体が粒子
状で存在しており、かつ、その粒子の平均径が0.05〜10
μmであることが必要である。0.05μm未満では、組成
物の粘度が高過ぎるため実用的ではなく、10μmを超え
ると、耐衝撃性の向上効果が十分でない。好ましい粒子
の平均径は0.1〜3μmの範囲である。
本発明で云う粒子径及び平均径とは「粒度測定技術」
(粉体工学研究会編、日刊工業新聞社、昭和57年2月1
日発行)の表1.1、表1.2に従って、それぞれ定方向径又
は円相当径及び式(1)で示されるものとする。ただし
式(1)でdは個々の粒子径を、nはその粒子径を有す
る粒子の個数を表すものとする。
液状エポキシ樹脂と水添ブロック共重合体の混合方法
は、所定の混合状態を達成するものであれば特に限定す
るものではない。その一例を以下に示す。液状エポキシ
樹脂と水添ブロック共重合体の両者を溶解し得る溶剤を
用いて均一な溶液を作り、攪拌下に減圧により溶剤を揮
発させれば良い。その際の溶剤としては、芳香族炭化水
素系溶剤、塩素系溶剤、エーテル系溶剤、二硫化炭素、
スチレンなどを挙げることができる。芳香族炭化水素系
溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチル
ベンゼン、塩素系溶剤としては、ジクロロメタン、クロ
ロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ベ
ンジルクロライドなどを、エーテル系溶剤としては、ジ
エチルエーテル、テトラヒドロフランなどを用いること
ができる。ここに例示した溶剤は単独又は混合して用い
ても良い。場合によってはエポキシ樹脂又は水添ブロッ
ク共重合体のどちらか一方だけを溶解する溶剤を添加し
ても目的の組成物を得ることができる。好ましいのは芳
香族炭化水素系溶剤とエーテル系溶剤からなる混合溶剤
の系であり、その比率が1/1〜10/1(重量比)のものが
最も粒子径の再現性が得易い。
本発明の使用に際しては、エポキシ樹脂用の硬化剤を添
加して実用に供する。使用できる硬化剤としては特に限
定するものではなく、一般に知られている硬化剤を用い
ることができる。以下に具体的に例示すると、 (1)脂肪族、脂環式又は芳香族アミンの例 エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N,N,N−
トリメチルヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリア
ミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタ
ミン、N,N−ジメチルプロピレンジアミン、N,N−ジエチ
ルプロピレンジアミン、2,2−ビス(4−アミノシクロ
ヘキシル)プロパン、5,5−ジメチル−3−アミノメチ
ル−シクロヘキシルアミン、2,4,6−トリス(ジメチル
アミノメチル)フェノール、m−フェニレンジアミン、
p−フェニレンジアミン、ビス(4−アミノフェニル)
メタン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、m−キ
シリレンジアミン、ピペリジン、モノエタノールアミン
など。
(2)酸無水物の例 無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒド
ロ無水フタル酸、メチル−テトラヒドロ無水フタル酸、
メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドメチ
レン−テトラヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、ポリ
無水アジピン酸、ポリ無水アゼライン酸、ドデセニル無
水コハク酸、無水トリメリット酸、無水トリメリット酸
など。
(3)その他の硬化剤の例 (1)で挙げた各種アミンとエチレンオキシドまたはプ
ロピレンオキシドなどのモノエポキシ化合物との付加
物、ビスフェノールA型エポキシ樹脂との付加物、フェ
ノールとホルマリンとの付加縮合物、リノール酸などの
不飽和脂肪酸の2量体や3量体との付加縮合物、ジシア
ンジアミド、ベンジルジメチルアミン、イミダゾール及
び各種のイミダゾール誘導体、例えば、2−メチルイミ
ダゾール、2−エチル−4−メチル−イミダゾールな
ど、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド
などの酸ヒドラジド、三フッ化ホウ素−アミン錯化合物
など。
本発明の使用に際しては、必要に応じて、(1)硬化促
進剤、(2)充填剤、(3)顔料、(4)希釈剤、
(5)増量剤、(6)有機溶剤、(7)可塑剤、(8)
耐炎剤、(9)離型剤、(10)滑剤などを添加すること
ができる。
本発明を使用するには予め調製されたエポキシ樹脂と水
添ブロック共重合体からなる組成物に硬化剤及び必要に
応じてその他の材料を添加し、均一に混合して配合品を
作製し、目的の形状に応じて、又室温以下の温度から20
0℃以上の高温に至るまで任意の温度で数分から数日間
の時間で硬化させれば良い。一般にこうした硬化条件は
使用するエポキシ樹脂と硬化剤によって決り、水添ブロ
ック共重合体には余り影響を受けない。
〔発明の効果〕
本発明は、優れた耐衝撃性、耐熱衝撃性、耐熱性、耐水
性、及び耐溶剤性を有しており、電気絶縁材料、例えば
碍子やブッシングなどの重電気用材料やプリント配線基
板、IC封止材などの弱電気用材料、金属、コンクリー
ト、木材などの保護塗料、各種材料の接着剤、ガラス繊
維、炭素繊維などの補強繊維と組合せたFRP材料などの
広い用途に使用することができる。
〔実施例〕
以下本発明を更に詳細に説明する。%及び部は重量表示
である。
参考例1 水添ブロック共重合体Aの合成 ポリスチレン−水素添加されたポリブタジエン−ポリス
チレンの構造を有し、結合スチレン量28%、数平均分子
量63000、分子量分布1.06、水添前のポリブタジエン部
の1,2−ビニル結合量が35%、水添化率97%の水添ブロ
ック共重合体100部、無水マレイン酸0.5部、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.1
部をヘンシェルミキサーで混合し、260℃に設定した50m
m径の二軸押出機で変性反応を行った。得られた水添ブ
ロック共重合体Aには無水マレイン酸が0.25部付加して
いた。
参考例2 水添ブロック共重合体Bの合成 (ポリスチレン−水素添加されたポリブタジエン)4−S
iの構造を有し、結合スチレン量26%、数平均分子量690
00、分子量分布1.43、水添前のポリブタジエン部の1,2
−ビニル結合量が38%、水添化率98%の水添ブロック共
重合体100部、無水マレイン酸3.5部、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.3部をヘ
ンシェルミキサーで混合し、260℃に設定した50mm径の
二軸押出機で変性反応を行った。得られた水添ブロック
共重合体Bには無水マレイン酸が2.1部付加していた。
実施例1 ビスフェノールA型エポキシ樹脂AER 331〔旭化成工業
(株)製、エポキシ当量189、粘度14000cps(25℃)〕1
00部、参考例1で合成した水添ブロック共重合体A10部
をトルエン100部、テトラヒドロフラン25部に溶解し、
均一に混合する。この混合液をロータリー・エバポレー
ター(東京理科機械(株)製)に投入し、60℃に加温
し、60rpmで攪拌しながら減圧によりトルエン及びテト
ラヒドロフランを不揮発分(150℃/2時間)が99.9%以
上になるまで揮発させた。得られた組成物1の粘度をB
型粘度計(東京計器(株)製)で測定したところ、2rpm
で41,000cps、20rpmで15,300cps(測定は25℃、ロータ
ーNo.6)であった。本配合品中の水添ブロック共重合体
Aの粒子径を測定するために、ブロック共重合体Aを配
合した組成物110部に対して、硬化剤としてエポメート
B−002(油化シエル(株)製)45部を配合して室温で
1週間硬化させ、硬化体を電子顕微鏡で観察した。その
結果粒子の平均径は0.8μmであった。
実施例2、3 実施例1において使用する水添ブロック共重合体Aの配
合量を20、30部と変えて組成物2、3を作製した。実施
例1と同様にして分散粒子径を測定したところ、1.1μ
m、1.5μmであった。
このうち組成物2の120重量部に対して、硬化剤として
トリエチレンテトラミン12部を添加し、室温で1日更に
80℃で3時間硬化させて硬化体の物性を調べた。結果を
以下に示す。ただし曲げ強さ、曲げ弾性率、アイゾット
衝撃強さの測定にはJIS K−6911に準じて、ガラス転移
点(Tg)はレオバイブロン2型(東洋ボールドウィン
(株)製)によるtanδのピーク位置から求めた。
曲げ強さ(Kg/cm2) 8.5 曲げ弾性率 (Kg/cm2) 204 アイゾット衝撃強さ(Kg・cm/cm) 4.5 Tg(℃) 109 更に組成物を10×10×30mmに成形し、メチルエチルケト
ン(MEK)、トルエン、メタノール、水、10%NaOH水溶
液に室温で1週間浸漬し、重量の増加を調べた。その結
果を以下に示す。
MEK 14.8% トルエン 6.0% メタノール 3.0% 水 0.5% 10%NaOH水溶液 0.4% 又、その硬化体を150℃で1000時間放置した後、曲げ弾
性率を測定したところ218Kg/cm2であり、殆ど性能の劣
化はなかった。
比較例1 AER−331の100部に対して、トリエチレンテトラミン12
部を配合し、実施例2と同様にして硬化体を作製し、そ
の性能を調べた。その結果を以下に示す。
曲げ強さ(Kg/cm2) 14.0 曲げ弾性率 (Kg/cm2) 336 アイゾット衝撃強さ(Kg・cm/cm) 2.6 Tg(℃) 110 実施例2に比較して曲げ弾性率が高く剛直であり、アイ
ゾット衝撃強さに劣る。
比較例2 AER−331の100部に対して、カルボキシル化ブタジエン
−ニトリルゴム共重合体20部、トリエチレンテトラミン
12部を配合して、実施例2と同様にして硬化体を作製
し、耐薬品性を調べた。その結果を以下に示す。
MEK 31.5% トルエン 12.8% メタノール 9.6% 水 0.8% 10%NaOH水溶液 0.7% 実施例2に比べて重量増が多く耐薬品性に劣る。又、実
施例2と同様にして150℃で1000時間の放置後、曲げ弾
性率を測定し、初期値との比を求めたところ、1.9倍に
なっており、耐熱劣化性に劣ることが分かる。
実施例4 実施例1において使用した水添ブロック共重合体Aの代
わりに、参考例2で合成した水添ブロック共重合体Bを
用いて実施例1と同様に組成物を作製した。その組成物
中に分散されたブロック共重合体B粒子の平均径は0.5
μmであった。
実施例5〜8 実施例1において使用したビスフェノールA型エポキシ
樹脂の代わりに、第1表に示す樹脂を用いて実施例1と
同様にして組成物を作製し、同じく実施例1と同様にし
て水添ブロック共重合体Aの分散粒子径を調べた。結果
を第1表に示す。
比較例3、4 参考例1の水添ブロック共重合体Aを冷凍粉砕法、スプ
レー乾燥法で粉砕及び造粒し、それぞれの粒子径を測定
したところ、平均径が55μm、25μmであった。この粉
末状の水添ブロック共重合体Aの20部に、AER331の100
部を配合して実施例1と同様の硬化剤、硬化条件で硬化
体を作製した。その結果を第2表に示す。粒子径が大き
いと耐衝撃性の向上が十分でなく、曲げ弾性率からも可
塑化の程度が低いことが窺える。
実施例9、10 比較例5 実施例1、2で用いたAER331の100部に水添ブロック共
重合体Aを10、20部配合した組成物1、2に対して、ピ
ペリジンを硬化剤として5phr添加し、JIS K−6855に準
拠して衝撃接着剥離強さを測定した。なお硬化条件は12
0℃で16時間である。又、比較の意味で水添ブロック共
重合体Aを添加しない系について測定した。結果を第3
表に示す。
フロントページの続き (72)発明者 石村 秀一 静岡県富士市鮫島2番地の1 旭化成工業 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−75922(JP,A) 特開 昭63−251419(JP,A) 特開 昭52−62363(JP,A) 特開 昭49−25039(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一分子中に少なくとも2個以上のエポキシ
    基を有する液状エポキシ樹脂〔成分(a)〕100重量部
    と、少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする
    重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン化合
    物を主体とする重合体ブロックBとからなるブロック共
    重合体を水素添加し、該共重合体中の共役ジエン化合物
    に基づく脂肪族二重結合の少なくとも80%を水素添加せ
    しめた水添ブロック共重合体100重量部当たり10重量部
    以下のα,β−不飽和カルボン酸類を付加した物〔成分
    (b)〕1〜100重量部とからなる組成物で、成分
    (b)が成分(a)の液状エポキシ樹脂中に分散状態で
    存在しており、かつ、その分散粒子径が0.05〜10μmの
    範囲であることを特徴とする水添ブロック共重合体分散
    液状エポキシ樹脂組成物。
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