JPH07108898B2 - 3−アミノピロリジン誘導体およびその塩の製造法 - Google Patents

3−アミノピロリジン誘導体およびその塩の製造法

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JPH07108898B2
JPH07108898B2 JP19600986A JP19600986A JPH07108898B2 JP H07108898 B2 JPH07108898 B2 JP H07108898B2 JP 19600986 A JP19600986 A JP 19600986A JP 19600986 A JP19600986 A JP 19600986A JP H07108898 B2 JPH07108898 B2 JP H07108898B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は3−アミノピロリジン誘導体およびその塩の製
造法に関する。
本発明により得られる3−アミノピロリジン誘導体およ
びその塩は、優れた抗菌活性を有するピリドンカルボン
酸誘導体の製造における中間体として重要な化合物であ
る。
従来の技術 従来、ピロリジンの3位にアミノ基を導入する方法とし
ては、オキシム基を還元する方法[ジャーナル・オブ・
メディシナル・ケミストリー,第24巻,第1224頁(1981
年)]あるいはフタルイミド基を導入した後加水分解す
る方法[特開昭61-57579号]が知られている。
発明の目的 本発明の目的は、操作が簡単で工業的にすぐれた3−ア
ミノピロリジン誘導体の新規製造法を提供することにあ
る。
発明の構成 本発明は、一般式 (式中、Rは置換基を有していてもよいベンジル基もし
くはベンズヒドリル基または低級アルコキシカルボニル
基を意味し、 R1は水素原子,低級アルキル基,ハロゲノ低級アルキル
基,低級アルコキシ低級アルキル基またはアリール基を
意味する。) で表わされる化合物に、アルカリの存在下塩素または臭
素を反応させることを特徴とする、一般式 (式中、RおよびR1は前掲と同じものを意味し、R2は水
素原子または低級アルコキシカルボニル基を意味す
る。) で表わされる3−アミノピロリジン誘導体およびその塩
の製造方法に関する。更にこの化合物(II)を加水分解
および/または加水素分解することによって、一般式 (式中、R1は前掲と同じものを意味し、 R2′は水素原子または低級アルコキシカルボニル基を意
味する。) で表わされる化合物(III)に導くことができる。
本明細書において、低級アルキル基としては、例えばメ
チル,エチル,プロピル,ブチル,イソブチル,t−ブチ
ル等が挙げられる。低級アルコキシ基としては、例えば
メトキシ,エトキシ,プロポキシ,ブトキシ,イソブト
キシ,t−ブトキシ等が挙げられる。ハロゲン原子として
は、フッ素,塩素,臭素等が挙げられる。アリール基と
しては、例えばフェニル,トリル,メトキシフェニル,
ナフチル等が挙げられる。また、置換基を有していても
よいベンジル基もしくはベンズヒドリル基における置換
基としては、例えばハロゲン,低級アルキル,低級アル
コキシ,ニトロ等が挙げられる。
本発明により得られる化合物の塩としては、塩酸,臭化
水素酸,硫酸,硝酸,リン酸等の無機酸との塩、あるい
は酢酸,乳酸,コハク酸、シュウ酸,メタンスルホン酸
等の有機酸との塩等が挙げられる。
本発明により得られる化合物は、光学活性体として存在
し得る。またR1が水素原子以外の基である場合には、立
体異性体(シス型,トランス型)として存在し得る。
化合物(I)から化合物(II)への変換は一般にホフマ
ン転位反応と呼ばれている。この反応は、化合物(I)
を適当な溶媒中0〜150℃で、アルカリの存在下に塩素
または臭素と、1〜20時間反応させることにより実施さ
れる。
アルカリとしては、例えば水酸化ナトリウム,水酸化カ
リウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム等が挙げられ
る。なおアルカリの存在下に塩素または臭素を反応させ
るかわりに、次亜塩素酸ナトリウム,次亜臭素酸ナトリ
ウム,アンチホルミン等の試薬を用いてもよい。
溶媒としては、例えば水,メタノールやエタノールの如
き低級アルコール,あるいはその混合溶媒等が使用され
る。溶媒として低級アルコールを用いた場合、R2が対応
する低級アルコキシカルボニル基である化合物(II)が
得られ、水を用いた場合には、R2が水素原子である化合
物(II)が得られる。
R2が低級アルコキシカルボニル基である化合物(II)
は、加水分解により、R2が水素原子である化合物(II)
に導くことができる。この反応は後記の加水分解と同様
にして行われる。
化合物(II)から化合物(III)への変換は、化合物(I
I)を加水分解および/または加水素分解することによ
り実施される。
加水分解は、化合物(II)を、5〜50倍モル量の塩酸,
硫酸等の鉱酸と0〜150℃で1〜24時間反応させること
により行われる。
加水素分解は、Rが置換基を有していてもよいベンジル
基もしくはベンズヒドリル基である化合物(II)を常法
により、例えばエタノール等の適当な溶媒中パラジウム
−炭素の如き触媒の存在下に0〜60℃で接触還元するこ
とにより行われる。
原料化合物(I)は、参考例に記載の方法あるいはこれ
に準ずる方法で製造される。
以上の様にして製造される各化合物は、常法に従い単
離,精製され、その条件によって塩の形や遊離塩基の形
で得られるが、これらは目的に応じて相互に変換され、
目的とする形の化合物が製造される。
本発明により製造される3−アミノピロリジン誘導体
(II)およびその塩は、加水分解および/または加水素
分解することによって、Rが水素原子である化合物(II
I)に導くことができ、この化合物は優れた抗菌活性を
有するピリドンカルボン酸誘導体の製造における中間体
として重要な化合物である。例として、7-(3−アミノ
−1−ピロリジニル)−1−シクロプロピル−6,8−ジ
フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−
カルボン酸塩酸塩の製造を参考例7に記す。
実施例 次に実施例および参考例を挙げて、本発明をさらに具体
的に説明する。
参考例 1 1−ベンジルアミノ−2−ブタノール: ベンジルアミン161gをエタノール1に溶かし、これに
1,2−ブチレンオキシド72gを滴下する。反応混合物を6
時間加熱還流した後、溶媒を留去する。残渣を減圧で蒸
留して、目的物132gを得る。b.p.130〜140℃(2 mmH
g). 同様にして次の化合物を得る。
1−ベンジルアミノ−2−プロパノール, 2−ベンジルアミノ−1−フェニルエタノール, 2−ベンジルアミノ−1−メトキシメチルエタノール, 2−ベンジルアミノ−1−フルオロメチルエタノール. 参考例 2 1−ベンジル−3−ピロリジンカルボニトリル: 公知化合物、N−ベンジルエタノールアミン100ml,アク
リロニトリル70mlおよびエタノール200mlの混合物を4
時間加熱還流する。溶媒を留去した後、残渣をトルエン
1に溶かし、氷冷下にトリエチルアミン196mlを加え
る。これにメタンスルホニルクロリド66mlを滴下し、4
℃で10分次いで室温で10分撹拌する。不溶物を濾去し、
濾液にカリウムt−ブトキシド140gを加え、室温で一夜
撹拌する。反応液に水を加えてトルエン層を分け、乾燥
後濃縮する。残渣を減圧で蒸留して、目的物94.9gを得
る。
b.p.140〜144℃(2 mmHg). 同様にして次の化合物を得る。
1−ベンジル−4−メチル−3−ピロリジンカルボニト
リル, 1−ベンジル−4−エチル−3−ピロリジンカルボニト
リル, 1−ベンジル−4−メトキシメチル−3−ピロリジンカ
ルボニトリル, 1−ベンジル−4−フルオロメチル−3−ピロリジンカ
ルボニトリル, 1−ベンジル−4−フェニル−3−ピロリジンカルボニ
トリル. 参考例 3 1−ベンジル−3−ピロリジンカルボキサミド: 氷冷した濃硫酸82ml中に1−ベンジル−3−ピロリジン
カルボニトリル40gを加えた後、80〜85℃で1.5時間加熱
撹拌する。反応液を冷却し、これに氷水150mlを加えた
後、50%水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性としクロ
ロホルムで抽出する。抽出液を乾燥し濃縮して、目的物
25gを得る。酢酸エチル−ジイソプロピルエーテルから
再結晶する。
m.p.119〜120℃. IRスペクトル(KBr)cm-1:3350,3160,1650,1625. NMRスペクトル(CDCl3)δ:7.25(5H,s,C6H5),6.75〜
6.50(1H,br,CONH2),5.50〜5.10(1H,br,CONH2),3.60
(2H,s,PhCH2). 同様にして次の化合物を得る。
トランス−1−ベンジル−4−エチル−3−ピロリジン
カルボキサミド(m.p.78〜80℃), トランス−1−ベンジル−4−メトキシメチル−3−ピ
ロリジンカルボキサミド((m.p.87〜88℃), トランス−1−ベンジル−4−フルオロメチル−3−ピ
ロリジンカルボキサミド((m.p.66〜67℃). 実施例 1 1−ベンジル−3−メトキシカルボニルアミノピロリジ
ン: 1−ベンジル−3−ピロリジンカルボキサミド1.0gとメ
タノール10mlの混合物を氷冷し、これにアンチホルミン
5mlを滴下する。氷冷下に1時間、80℃で20分撹拌した
後、溶媒を減圧で留去する。残渣に水およびクロロホル
ムを加え、クロロホルム層を分ける。乾燥後濃縮して、
目的物0.74gを油状物として得る。
IRスペクトル(液膜)cm-1:3330,1700. NMRスペクトル(CDCl3)δ:7.30(5H,s,C6H5),5.10〜
4.70(1H,br,NH),3.65(3H,s,CO2CH3),3.60(2H,s,Ph
CH2). 同様にして次の化合物を得る。
トランス−1−ベンジル−4−エチル−3−メトキシカ
ルボニルアミノピロリジン(m.p.75〜76℃), トランス−1−ベンジル−3−メトキシカルボニルアミ
ノ−4−メトキシメチルピロリジン(油状物), トランス−1−ベンジル−4−フルオロメチル−3−メ
トキシカルボニルアミノピロリジン(油状物). 参考例 4 3−アミノピロリジン: (1)1−ベンジル−3−メトキシカルボニルピロリジ
ン16.6gと濃塩酸150mlの混合物を12時間加熱還流する。
減圧で濃縮し、残渣に水を加え、10%水酸化ナトリウム
水溶液でアルカリ性とした後、クロロホルムで抽出す
る。抽出液を乾燥した後濃縮して、3−アミノ−1−ベ
ンジルピロリジン12gを油状物として得る。
b.p.74〜76℃(0.2 mmHg). (2)上記化合物12gをエタノール40mlに溶かし、5%
パラジウム−炭素1gを加えて50℃で接触還元する。計算
量の水素吸収後、触媒を濾去する。濾液を減圧で濃縮し
て、目的物5.4gを油状物として得る。b.p.153〜155℃. 参考例 5 1−エトキシカルボニル−3−ピロリジンカルボキサミ
ド: 1−エトキシカルボニル−3−ピロリジンカルボニトリ
ル[b.p.140〜143℃(5 mmHg)]17gを氷冷し、これに
濃硫酸28mlを滴下する。氷冷下で30分、次いで60℃で30
分撹拌する。以下参考例3と同様に処理して、目的物8.
1gを得る。
m.p.113〜114℃. IRスペクトル(KBr):3380,3200,1680,1660,1620. NMRスペクトル(CDCl3)δ:5.70(2H,s,CONH2). 実施例 2 1−エトキシカルボニル−3−メトキシカルボニルアミ
ノピロリジン: 1−エトキシカルボニル−3−ピロリジンカルボキサミ
ド1.0gをメタノール10mlに溶かし、4〜8℃でアンチホ
ルミン7.5mlを加える。氷冷下で45分、次いで室温で一
夜撹拌する。メタノールを留去し、10%水酸化ナトリウ
ム水溶液でアルカリ性とした後、クロロホルムで抽出す
る。クロロホルム層を乾燥後濃縮して、目的物0.7gを油
状物として得る。
IRスペクトル(液膜)cm-1:3330,1700,1680,1540. NMRスペクトル(CDCl3)δ:3.68(3H,s,CO2CH3),4.75
(1H,br,NHCO2CH3) 実施例 3 3−アミノ−1−エトキシカルボニルピロリジン: 水酸化カリウム2.4gを水10mlに溶かし、氷冷下これに臭
素0.17mlを滴下し10分間撹拌する。この溶液に1−エト
キシカルボニル−3−ピロリジンカルボキサミド1.0gを
加え、氷冷下で1時間、次いで室温で18時間撹拌する。
反応液に10%水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和した
後、減圧で濃縮する。残渣をクロロホルムで抽出し、抽
出液を乾燥後濃縮して、目的物0.42gを油状物として得
る。
IRスペクトル(液膜)cm-1:3450,1700,1680,1560. NMRスペクトル(CDCl3)δ:6.50(2H,br,NH2). 参考例 6 3−アミノピロリジン: (1)1−エトキシカルボニル−3−メトキシカルボニ
ルアミノピロリジン5.0gに濃塩酸50mlを加えて12時間加
熱還流する。減圧で濃縮し、残渣にエタノールを加えて
濾取する。これにメタノール10mlおよびナトリウムメト
キシド2.5gを加えて室温で撹拌する。不溶物を濾去し、
瀘液を濃縮して、目的物1.8gを油状物として得る。
b.p.:153〜155℃. (2)3−アミノ−1−エトキシカルボニルピロリジン
3.6gに濃塩酸40mlを加えて12時間加熱還流する。以下
(1)と同様に処理して目的物1.7gを油状物として得
る。b.p.153〜155℃. 参考例 7 7-(3−アミノ−1−ピロリジニル)−1−シクロプロ
ピル−6,8−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキ
ノリン−3−カルボン酸塩酸塩: 参考例4で得た3−アミノピロリジン5.4gをアセトニト
リル100mlに溶かし、これに1−シクロプロピル−6,7,8
−トリフルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン
−3−カルボン酸5.7gを加えて2時間加熱還流する。冷
後析出す結晶を濾取し、エタノールで洗う。結晶をエタ
ノールに懸濁し、これに濃塩酸を加える。得られる結晶
を水−エタノールより再結晶して、目的物6.56gを得
る。m.p.267〜270℃.

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、Rは置換基を有していてもよいベンジル基もし
    くはベンズヒドリル基または低級アルコキシカルボニル
    基を意味し、 R1は水素原子,低級アルキル基,ハロゲノ低級アルキル
    基,低級アルコキシ低級アルキル基またはアリール基を
    意味する。) で表わされる化合物に、アルカリの存在下塩素または臭
    素を反応させることを特徴とする、一般式 (式中、RおよびR1は前掲と同じものを意味し、 R2は水素原子または低級アルコキシカルボニル基を意味
    する。) で表わされる3−アミノピロリジン誘導体およびその塩
    の製造法。
JP19600986A 1986-08-20 1986-08-20 3−アミノピロリジン誘導体およびその塩の製造法 Expired - Lifetime JPH07108898B2 (ja)

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