JP3563643B2 - イミダゾリン化合物、その中間体、およびそれらの製造方法、並びにアゼピン化合物およびその塩の製造方法 - Google Patents
イミダゾリン化合物、その中間体、およびそれらの製造方法、並びにアゼピン化合物およびその塩の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なイミダゾリン化合物、その中間体、およびそれらの製造方法、並びにアゼピン化合物(エピナスチン)およびその医薬上許容される塩の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エピナスチンは、抗アレルギー薬として医薬上有用な化合物である。エピナスチンの製造方法としては、特公平3−66311号公報に記載のある、下記の一連の工程
【0003】
【化13】
【0004】
が挙げられ、反応試薬として用いているブロモシアンは、非常に揮発性の高い有毒な試薬であり、工業規模での使用には問題がある。また、シアン化カリウムも使用しており、近年、毒物および環境汚染に対する規制はさらに厳しくなっており、シアン化カリウムの使用は問題となる。
最終工程において、ブロモシアンをin situで発生させることにより、上記問題点を改良した製造方法として、下記の一連の工程
【0005】
【化14】
【0006】
(式中、PPAはポリリン酸を示す)が挙げられる(特開平4−346988号公報)。しかしながら、発生させたブロモシアンは反応系内から漏洩する可能性があり、それを避けるためには特別な装置が必要となる。また、反応試薬として高価なフタルイミドを使用しており、工業規模での使用には不適である。
以上のことから、安価で、安全な、工業規模で利用できるエピナスチンの製造方法が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は安価で、安全な、工業規模で利用できるエピナスチンの製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を行った結果、後記式(II)で表される新規なイミダゾリン化合物の製造方法を見出し、さらに該イミダゾリン化合物を用いることにより、安価で、安全に工業規模でエピナスチンを製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、
(1)式(II)
【0010】
【化15】
【0011】
(式中、R3はアシル基を示す)
で表されるイミダゾリン化合物;
(2)R3がアリールカルボニル、アルカノイル、またはアルコキシカルボニルである上記(1)のイミダゾリン化合物;
(3)R3がアリールカルボニルである上記(2)のイミダゾリン化合物;
(4)式(III)
【0012】
【化16】
【0013】
(式中、R3はアシル基を示す)
で表される2−(2−アシルアミノ−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ベンゼンメタノール化合物;
(5)R3がアリールカルボニル、アルカノイル、またはアルコキシカルボニルである上記(4)の化合物;
(6)R3がアリールカルボニルである上記(5)の化合物;
(7)式(IV)
【0014】
【化17】
【0015】
(式中、R3はアシル基を示す)
で表される6−[[[(アシルアミノ)チオキソメチル]アミノ]メチル]−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピン化合物;
(8)R3がアリールカルボニル、アルカノイル、またはアルコキシカルボニルである上記(7)の化合物;
(9)R3がアリールカルボニルである上記(8)の化合物;
(10)式(VI)
【0016】
【化18】
【0017】
(式中、R3はアシル基を示す)
で表される2−[[2−[[(アシルアミノ)チオキソメチル]アミノ]−1−フェニルエチル]アミノ]ベンゼンメタノール化合物;
(11)R3がアリールカルボニル、アルカノイル、またはアルコキシカルボニルである上記(10)の化合物;
(12)R3がアリールカルボニルである上記(11)の化合物;
(13)式(II)
【0018】
【化19】
【0019】
(式中、R3はアシル基を示す)
で表されるイミダゾリン化合物のアミド結合を開裂して、アミノ基を形成することを特徴とする、式(I)
【0020】
【化20】
【0021】
で表されるアゼピン化合物またはその医薬上許容される塩の製造方法;
(14)a)式(IV)
【0022】
【化21】
【0023】
(式中、R3はアシル基を示す)
で表される化合物が分子内反応によりイミダゾリン環を形成するか、または
b)式(III)
【0024】
【化22】
【0025】
(式中、R3はアシル基を示す)
で表される化合物が分子内反応によりアゼピン環を形成することを特徴とする、式(II)
【0026】
【化23】
【0027】
(式中、R3はアシル基を示す)
で表されるイミダゾリン化合物の製造方法;
(15)式(IV)で表される化合物が、有機溶媒中、式(V)
【0028】
【化24】
【0029】
で表される、6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピン−6−メタンアミンを、式:R3NCS(式中、R3はアシル基を示す)で表されるイソチオシアナート化合物と反応させて得られたものである上記(14)の製造方法;(16)式(III)で表される化合物が、式(VI)
【0030】
【化25】
【0031】
(式中、R3はアシル基を示す)
で表される化合物の分子内反応によりイミダゾリン環を形成させて得られたものである上記(14)の製造方法;および
(17)式(VI)で表される化合物が、有機溶媒中、式(VII)
【0032】
【化26】
【0033】
で表される、2−[(2−アミノ−1−フェニルエチル)アミノ]ベンゼンメタノールを、式:R3NCS(式中、R3はアシルを示す)で表されるイソチオシアナート化合物と反応させて得られたものである上記(16)の製造方法に関する。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明におけるアルキル基およびアルコキシ基において、語頭(例えばイソ、ネオなど)または符号(例えばsec−、tert−など)を付していない限り直鎖状であり、例えば単にプロピルとあれば直鎖状のプロピルを表す。
【0035】
まず、各記号の定義を説明する。
R3におけるアシル基としては、例えばアリールカルボニル、アルカノイル、およびアルコキシカルボニルなどが挙げられ、好ましくはアリールカルボニルが挙げられる。
【0036】
該アリールカルボニルにおけるアリール部としては、フェニル、トリル、メシチル、クメニル、ピリジル、ピリミジルなどが挙げられ、好ましくはフェニルが挙げられる。該アリールカルボニルは置換されていてもよく、置換基としては、例えばハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、アミノ、およびニトロが挙げられる。好ましいアリールカルボニルとしては、フェニルが挙げられる。
【0037】
該アルカノイルにおけるアルキル部としては、直鎖状、分岐鎖状または環状である炭素数1〜6のアルキルが挙げられ、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシルなどが挙げられ、好ましくはメチルおよびエチルが挙げられる。
【0038】
該アルコキシカルボニルにおけるアルコキシ部としては、直鎖状または分岐鎖状である炭素数1〜6のアルコキシ基が挙げられ、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシ、ヘキシルオキシなどが挙げられ、好ましくはメトキシおよびtert−ブトキシが挙げられる。
【0039】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、安価で、安全な、工業規模で利用できるエピナスチンの製造方法を研究した結果、式(A)
【0040】
【化27】
【0041】
(式中、R1はヒドロキシメチル基を示し、R2は水素原子を示すか、またはR1とR2とが一緒になってメチレン基を形成していてもよく、R3はアシル基を示す)で表される化合物、および式(B)
【0042】
【化28】
【0043】
(式中、R3はアシル基を示し、R4はヒドロキシメチル基を示し、R5は水素原子を示すか、またはR4とR5とが一緒になってメチレン基を形成していてもよい)で表される化合物を、エピナスチンの合成中間体として使用することにより、その目的が達成できることを見出した。これらの化合物は新規化合物であり、またエピナスチンの合成中間体として有用な化合物である。以下、これら化合物を利用したエピナスチンの製造方法を説明する。
【0044】
エピナスチンの新規製造方法
エピナスチンは、上記式(A)において、R1とR2とが一緒になってメチレン基を形成している化合物、つまり式(II)
【0045】
【化29】
【0046】
(式中、R3はアシル基を示す)で表される、新規なイミダゾリン化合物(N−アシル−9,13b−ジヒドロ−1H−ジベンゾ[c,f]イミダゾ[1,5−a]アゼピン−3−アミン化合物;以下、化合物(II)という)のアミド結合を開裂してアミノ基を形成することにより得ることができる。例えば、酸または塩基性条件下、化合物(II)を加水分解することにより、エピナスチンを得ることができる。具体的には、化合物(II)を、酸または塩基の水溶液、好ましくは酸性水溶液に加えて反応させることにより、エピナスチンを得ることができる。
【0047】
反応に使用する水の量は、化合物(II)1molに対して、10〜30ml、好ましくは15〜20mlである。反応を阻害しない溶媒であれば併用してもよく、例えばアルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノールなど)、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサンなどが挙げられる。
【0048】
酸としては、通常加水分解に使用するものであれば特に限定はなく、例えば塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、硫酸などの無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸などの有機酸などが挙げられ、好ましくは塩酸および臭化水素酸が挙げられる。酸の使用量は、化合物(II)1molに対して50〜200倍mol、好ましくは50〜100倍molである。
【0049】
塩基としては、通常加水分解に使用するものであれば特に限定はなく、例えばアルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなど)またはアルカリ土類金属(例えば、カルシウム、マグネシウムなど)の、水酸化物、炭酸塩または重炭酸塩などの無機塩基、トリアルキルアミン(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミンなど)などの有機塩基が挙げられ、好ましくは水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが挙げられる。塩基の使用量は、化合物(II)1molに対して5〜50倍mol、好ましくは10〜15倍molである。
【0050】
反応温度は、50〜100℃、好ましくは90〜100℃であり、反応時間は5〜24時間、好ましくは8〜18時間である。
【0051】
目的物の単離は、常法で行えばよく、例えば得られた反応液は触媒を使用している場合には液のpHを8〜12になるように調整した後、有機溶媒(例えば酢酸エチル、クロロホルムなど)により抽出する。得られた有機層を洗浄(例えば飽和食塩水など)して乾燥後、溶媒を留去する。得られた残渣を結晶化(例えばアセトニトリルなど)し、結晶を濾取して乾燥させることにより、エピナスチンを単離することができる。
【0052】
エピナスチンの医薬上許容される塩としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸;ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸等の有機酸が挙げられ、これらの塩の形成は通常の方法で行えばよく、例えば不活性溶媒中、上記酸または塩基の条件下、エピナスチンを処理することにより得ることができる。得られた塩は、再結晶(例えばメタノール−エーテルの混合溶媒)などの常法により、精製することができる。
【0053】
新規化合物 (II) の製造方法
化合物(II)は新規な化合物であり、医薬上有用なエピナスチンの合成中間体として有用な化合物である。
【0054】
化合物(II)は、例えば以下の製造方法により、得ることができる。
a)式(IV)
【0055】
【化30】
【0056】
(式中、R3はアシル基を示す)
で表される、新規な6−[[[(アシルアミノ)チオキソメチル]アミノ]メチル]−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピン化合物(以下、化合物(IV)という)が分子内反応によりイミダゾリン環を形成するか、または
b)式(III)
【0057】
【化31】
【0058】
(式中、R3はアシル基を示す)
で表される、新規な2−(2−アシルアミノ−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ベンゼンメタノール化合物(以下、化合物(III)という)が分子内反応によりアゼピン環を形成することにより得ることができる。
【0059】
上記a)の製造方法について
化合物(IV)の分子内反応によるイミダゾリン環の形成は、例えば有機溶媒中、ピリジニウム塩および塩基性化合物の存在下で行うことができる。具体的には、化合物(IV)、ピリジニウム塩および塩基性化合物を、有機溶媒中に添加して反応させることにより、化合物(II)を得ることができる。このときの反応試薬の添加順序は特に限定はなく、一括でもあるいはピリジニウム塩と塩基性化合物を添加後、化合物(IV)を添加してもよい。
【0060】
ピリジニウム塩としては、通常使用するものであれば特に限定はなく、好ましくはヨウ化2−クロロ−1−メチルピリジニウム、ヨウ化2−ブロモ−1−メチルピリジニウム、2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボラート、および2−クロロ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボラートが挙げられ、好ましくはヨウ化2−クロロ−1−メチルピリジニウムが挙げられる。該ピリジニウム塩の使用量は、化合物(IV)1molに対して、1〜2倍mol、好ましくは1〜1.2倍molである。
【0061】
塩基性化合物としては、例えばトリアルキルアミン(例えば、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなど)が挙げられ、好ましくはトリエチルアミンおよびトリブチルアミンが挙げられる。該塩基性化合物の使用量は、化合物(IV)1molに対して、2〜4倍mol、好ましくは2〜2.4倍molである。
【0062】
有機溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に限定はなく、例えばジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、塩化メチレン、THF、トルエンが挙げられ、好ましくはDMFおよびアセトニトリルが挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。該有機溶媒の使用量は、化合物(IV)1mmolに対して、5〜20ml、好ましくは9〜15mlであり、これらの溶媒は、反応に使用する直前に乾燥させておくのが好ましい。
【0063】
反応温度は、−10〜15℃、好ましくは0℃〜室温であり、反応時間は30分〜24時間、好ましくは3〜6時間である。
【0064】
目的物の単離は常法で行えばよく、例えば反応後の液に適量の水を注ぎ、析出した固体を濾取して水洗し、濾過物を再結晶(例えば、メタノールとテトラヒドロフランと水との混合溶媒)することにより行うことができる。単離後、再結晶を繰り返すことにより、さらに目的物を精製することができる。また、得られた化合物(II)は単離することなく、そのまま次の反応に付してもよい。
【0065】
原料である化合物(IV)は、上記式(B)において、R4とR5とが一緒になってメチレン基を形成している化合物であり、後記製造方法により得ることができる。
【0066】
上記b)の製造方法について
化合物(III)の分子内反応によるアゼピン環の形成は、例えば、化合物(III)を分子内で脱水反応させることにより行うことができる。通常の脱水反応と同様に行えばよく、例えば、触媒の存在下で反応を行なうことにより、化合物(II)を得ることができ、必要に応じて溶媒を添加してもよい。
【0067】
触媒としては、通常脱水反応に使用するものであれば特に限定はなく、例えばポリリン酸、メタリン酸、五酸化二リン、ハロゲン化リン(三臭化リンなど)、硫酸、ポリリン酸エステル(PPE)などが挙げられ、好ましくはポリリン酸が挙げられる。該触媒の使用量は、化合物(III)1mmolに対して、2〜10ml、好ましくは3〜5mlである。
【0068】
溶媒は必要であれば添加すればよく、脱水反応を阻害しないものであれば特に限定はなく、例えばTHF、トルエン、ベンゼン、ジオキサンなどが挙げられる。
【0069】
反応温度は、70〜120℃、好ましくは80〜100℃であり、反応時間は30分〜5時間、好ましくは1〜2時間である。
【0070】
目的物の単離は常法で行えばよく、例えば得られた反応液を氷水に注ぎ込み、これを中和後、析出した固体を濾取し、乾燥させることにより行うことができる。単離後、再結晶(例えばエタノールなど)などを行うことにより、さらに目的物を精製することができる。また、得られた化合物(II)は単離することなく、そのまま次の反応に付してもよい。
【0071】
原料である化合物(III)は、式(A)において、R1がヒドロキシメチル基であり、R2が水素原子である化合物であり、後記製造方法により得ることができる。
【0072】
新規化合物 (IV) の製造方法
化合物(IV)は新規な化合物であり、医薬上有用なエピナスチンの合成中間体である化合物(II)の原料として有用な化合物である。
【0073】
化合物(IV)は、例えば、式(V)
【0074】
【化32】
【0075】
で表される、6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピン−6−メタンアミン(以下、化合物(V)という)を、式:R3NCS(式中、R3は前記と同義である)で表されるイソチオシアナート化合物と反応させることにより得ることができる。具体的には、有機溶媒中、該イソチオシアナート化合物を添加後、化合物(V)の有機溶媒溶液を添加、好ましくは滴下することにより、化合物(IV)を得ることができる。
【0076】
イソチオシアナート化合物としては、例えばアリールカルボニルイソチオシアナート、アルカノイルイソチオシアナート、およびアルコキシカルボニルイソチオシアナートが挙げられ、好ましくはアリールカルボニルイソチオシアナート、より好ましくはベンゾイルイソチオシアナートが挙げられる。上記「アリールカルボニル」、「アルカノイル」および「アルコキシカルボニル」としては、置換基R3の「アリールカルボニル」、「アルカノイル」および「アルコキシカルボニル」と同様のものが挙げられる。
【0077】
イソチオシアナート化合物は、化合物(V)1molに対して、1〜3倍mol、好ましくは1〜1.2倍mol使用する。
【0078】
有機溶媒としては、反応を阻害しないものでれば特に限定はなく、例えばアセトン、クロロホルム、塩化メチレン、THF、トルエン、およびエーテルが挙げられ、好ましくはアセトンおよび塩化メチレンが挙げられる。該有機溶媒の使用量は、化合物(V)1mmolに対して、1〜8ml、好ましくは3〜5mlである。これらの溶媒は反応に使用する直前に乾燥を行っておくのが好ましい。
【0079】
反応温度は、−20〜50℃、好ましくは0〜25℃である。反応時間は30分〜15時間、好ましくは30分〜2時間である。
【0080】
目的物の単離は常法で行えばよく、例えば反応液の溶媒を留去し、得られた残渣を結晶化(例えばトルエンなど)させることにより行うことができる。単離後、得られた結晶を再結晶(例えば、酢酸エチルとヘキサンとの混合溶媒など)などにより、さらに精製することができる。また、得られた化合物(IV)は単離することなく、そのまま次の反応に付してもよい。
【0081】
原料である化合物(V)は公知化合物であり、例えば特開平4−346988号公報に記載のある方法により製造することができる。
【0082】
新規化合物 (III) の製造方法
化合物(III)は新規な化合物であり、医薬上有用なエピナスチンの合成中間体である化合物(II)の原料として有用な化合物である。
【0083】
化合物(III)は、例えば、式(VI)
【0084】
【化33】
【0085】
(式中、R3はアシル基を示す)
で表される、新規な2−[[2−[[(アシルアミノ)チオキソメチル]アミノ]−1−フェニルエチル]アミノ]ベンゼンメタノール化合物(以下、化合物(VI)という)の分子内反応によりイミダゾリン環を形成させて得ることができる。例えば、有機溶媒中に、ピリジニウム塩および塩基性化合物の存在下で反応を行なうことにより、化合物(III)を得ることができる。反応試薬の添加順序は特に限定はなく、例えば有機溶媒中に化合物(VI)、ピリジニウム塩および塩基性化合物を一括して添加してもよく、有機溶媒中に化合物(VI)を添加した後、この溶液にピリジニウム塩、塩基性化合物を順次添加するのが好ましい。
【0086】
ピリジニウム塩としては、化合物(IV)から化合物(II)を製造する際に使用するものと同様のものが挙げられ、該ピリジニウム塩の使用量は、化合物(VI)1molに対して、1〜2倍mol、好ましくは1.0〜1.2倍molである。
【0087】
塩基性化合物としては、化合物(IV)から化合物(II)を製造する際に使用するものと同様のものが挙げられ、該塩基性化合物の使用量は、化合物(VI)1molに対して、2〜4倍mol、好ましくは2〜2.4倍molである。
【0088】
有機溶媒としては、化合物(IV)から化合物(II)を製造する際に使用するものと同様のものが挙げられ、該有機溶媒の使用量は、化合物(VI)1gに対して、10〜30ml、好ましくは15〜20mlである。これらの溶媒は、反応に使用する直前に乾燥させておくのが好ましい。
【0089】
反応温度は、−10〜50℃、好ましくは0℃〜室温であり、反応時間は30分〜24時間、好ましくは3〜6時間である。
【0090】
目的物の単離は常法で行えばよく、例えば反応液を氷水に注ぐことにより析出した固体を、濾取、乾燥させることにより行うことができる。単離後、再結晶(例えばメタノールと水との混合溶媒)などにより、目的物をさらに精製することができる。また、得られた化合物(III)は単離することなく、そのまま次の反応に付してもよい。
【0091】
原料である化合物(VI)は、式(B)においてR4がヒドロキシメチル基であり、R5が水素原子である化合物であり、後記製造方法により得ることができる。
【0092】
新規化合物 (VI) の製造方法
化合物(VI)は新規な化合物であり、医薬上有用なエピナスチンの合成中間体である化合物(III)の原料として有用な化合物である。
【0093】
化合物(VI)は、例えば、有機溶媒中、式(VII)
【0094】
【化34】
【0095】
で表される、2−[(2−アミノ−1−フェニルエチル)アミノ]ベンゼンメタノール(以下、化合物(VII)という)を、式:R3NCS(式中、R3は前記と同義である)で表されるイソチオシアナート化合物と反応させることにより得ることができる。具体的には、有機溶媒中に化合物(VII)を添加し、これに該イソチオシアナート化合物の有機溶媒溶液を添加、好ましくは滴下することにより、化合物(VI)を得ることができる。
【0096】
イソチオシアナート化合物としては、化合物(V)から化合物(IV)を製造する際に使用するものと同様のものが挙げられ、該イソチオシアナート化合物の使用量は、化合物(VII)1molに対して、1〜2倍mol、好ましくは1〜1.5倍molである。
【0097】
有機溶媒としては、化合物(V)から化合物(IV)を製造する際に使用するものと同様のものが挙げられ、該有機溶媒の使用量は、化合物(VII)1gに対して、5〜30ml、好ましくは10〜25mlである。これらの有機溶媒は、反応に使用する直前に乾燥させておくのが好ましい。
【0098】
反応温度は、−78℃〜室温、好ましくは−10〜10℃である。反応時間は30分〜3時間、好ましくは30分〜1.5時間である。
【0099】
目的物の単離は、常法であれば特に限定はなく、例えば反応液にメチルアミンのエタノール溶液を添加して反応を停止させた後、溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(例えばヘキサン:酢酸エチル=60:40の混合溶媒)に付すことにより行うことができる。単離後、得られた結晶を再結晶(例えば、エタノールと水との混合溶媒)などにより、さらに目的物を精製することができる。また、得られた化合物(VI)は単離することなく、そのまま次の反応に付してもよい。
【0100】
原料である化合物(VII)は、後記製造方法により得ることができる。
【0101】
化合物 (VII) の新規製造方法
化合物(VII)は公知化合物であり、例えば特公昭53−15520号公報に記載された方法により得ることができる。また、これ以外に、有機溶媒中、還元剤の存在下で、式(4)
【0102】
【化35】
【0103】
で表される新規な2−[(2−アミノ−1−フェニルエチル)アミノ]安息香酸エチル(以下、化合物(4)という)を還元することにより、化合物(VII)を得ることができる。
【0104】
化合物(4)の還元は常法で行われ、例えば有機溶媒中、還元剤を添加し、この中に化合物(4)の有機溶媒溶液を添加、好ましくは滴下して反応させることにより、化合物(VII)を得ることができる。
【0105】
還元剤としては、通常エステルをアルコールに還元する際に使用するものであれば特に限定はなく、水素化ホウ素リチウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カルシウム、およびジボランが挙げられ、好ましくは水素化アルミニウムリチウムが挙げられる。
【0106】
還元剤の使用量は、化合物(4)1molに対して、1〜3倍mol、好ましくは2〜2.5倍molである。
【0107】
有機溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に限定はなく、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ジオキサン、メタノール、エタノールなどが挙げられ、好ましくはテトラヒドロフランが挙げられる。これらの溶媒は2種以上併用してもよく、反応に使用する直前に乾燥させておくのが好ましい。
【0108】
有機溶媒の使用量は、化合物(4)1gに対して、5〜20ml、好ましくは10〜20mlである。
【0109】
反応温度は0〜90℃、好ましくは0〜70℃であり、反応時間は30分〜3時間、好ましくは30分〜1.5時間である。
【0110】
目的物の単離は、常法であれば特に限定はなく、抽出などの常法により行うことができ、さらに再結晶などにより目的物を精製することができる。また、得られた化合物(VII)は単離することなく、そのまま次の反応に付してもよい。
【0111】
新規化合物(4)の製造方法
化合物(4)は新規な化合物であり、医薬上有用なエピナスチン化合物の合成中間体である化合物(VII)の原料として有用な化合物である。
【0112】
化合物(4)は、例えばβ−クロロベンゼンエタンアミンモノ塩酸塩(以下、化合物(2)という)を、2−アミノ安息香酸エチル(以下、化合物(3)という)と反応させることにより得ることができる。具体的には、化合物(2)と化合物(3)との懸濁液に、必要により溶媒を添加して反応させることにより、化合物(4)を得ることができる。
【0113】
化合物(3)の使用量は、化合物(2)1molに対して、1〜10倍mol、好ましくは3〜5倍molである。
【0114】
反応温度は60〜150℃、好ましくは80〜100℃であり、反応時間は6〜24時間、好ましくは15〜20時間である。
【0115】
目的物の単離は常法で行えばよく、例えば反応物を有機溶媒(例えば、酢酸エチルなど)に分散させ、これを洗浄(例えば、水酸化ナトリウム、飽和食塩水など)して乾燥し、溶媒留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(例えば、クロロホルム:メタノール=95:5)に付すことにより行うことができる。また、得られた化合物(4)は単離することなく、そのまま次の反応に付してもよい。
【0116】
原料である化合物(2)は公知化合物であり、例えば特公昭53−15520号公報に記載のある方法により、それぞれ市販されている、α−(アミノメチル)ベンゼンメタノールと塩化チオニルとの反応により得ることができる。
【0117】
従来ではブロモシアンを使用していた反応は、本発明ではイソチオシアナート化合物を使用して行っており、有毒なブロモシアンの使用を避けることができた。さらに、その他の各製造方法においても、青酸カリウムなどの有毒な試薬を使用していないため、本発明の各製造方法は工業規模で安全に利用することができる。また、本製造方法において使用する原料(例えば、α−(アミノメチル)ベンゼンメタノールなど)および試薬は安価であるため、各製造方法を利用することにより、安価にエピナスチンの合成中間体を得ることができる。以上から、これらの製造方法を利用することにより、抗アレルギー薬として有用であるエピナスチンおよびその医薬上許容される塩を、ブロモシアンなどの有毒な試薬を使用することなく、さらに安価に市販されている原料を使用し、安価に、安全に工業規模で製造することができる。
【0118】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、参考例および実施例において記載された物質名の後ろにある括弧内の記号は、各反応式中の化学式に付した記号に対応するものである。
【0119】
(参考例1)
β−クロロベンゼンエタンアミンモノ塩酸塩(2)の合成
【0120】
【化36】
【0121】
氷冷下、α−(アミノメチル)ベンゼンメタノール(1)(1.37g,10mmol)のクロロホルム(15ml)溶液に、塩化チオニル(2ml,27mmol)を滴下し、30分撹拌した後、さらに60℃で30分撹拌した。溶媒と過剰の塩化チオニルを減圧下で留去した。得られた残渣をエーテル(50ml)で結晶化し、濾過することにより、標題化合物を淡黄色固体として得た(収量:1.47g、収率:76.6%)。得られた固体の各種スペクトルデータを以下に示す。
【0122】
mp;155 − 158 ℃
IR(ν,KBr,cm−1);2824, 1608, 1501, 762, 696
1H−NMR(DMSO−d6,300MHz),δ(ppm);3.30−3.60 (2 H, m), 5.45−5.55 (1 H, m), 7.35−7.60 (5 H, m), 8.40−8.90 (3 H, br)
【0123】
実施例1
2−[(2−アミノ−1−フェニルエチル)アミノ]安息香酸エチル(4)の合成
【0124】
【化37】
【0125】
β−クロロベンゼンエタンアミンモノ塩酸塩(2)(500mg,2.6mmol)と2−アミノ安息香酸エチル(3)(1.72g,10.5mmol)との懸濁液を100℃で3時間攪拌した後、さらに80℃で15時間撹拌した。反応物を酢酸エチル(30ml)に注いだ後、1N−水酸化ナトリウム水溶液(30ml)、飽和食塩水(20ml)で洗浄し、乾燥(無水硫酸ナトリウム)させた。減圧下で溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=95:5)に付して精製し、標題化合物を黄色油状物として得た(収量:684mg、収率:91.9%)。得られた油状物の各種スペクトルデータを以下に示す。
【0126】
IR(ν,neat,cm−1);3343, 1680, 1515, 1238, 750, 702
1H−NMR(DMSO−d6,300MHz),δ(ppm);1.34 (3 H, t, J=7 Hz), 1.49 (2 H, br), 2.88 (1 H, dd, J=13, 7 Hz), 2.96 (1 H, dd, J=13, 5 Hz), 4.31 (2 H, q, J=7 Hz), 4.51 (1 H, m), 6.45−6.57 (2 H, m), 7.15−7.40 (6 H, m), 7.80 (1 H, dd, J=8, 2 Hz), 8.43 (1 H, d, J=6 Hz)
EI−MS (m/z);254([M−CH2NH2]+), 208(BP)
【0127】
実施例2
【0128】
2−[(2−アミノ−1−フェニルエチル)アミノ]ベンゼンメタノール (VII )の合成
【0129】
【化38】
【0130】
氷冷した乾燥THF(80ml)に水素化アルミニウムリチウム(1.35g,35.5mmol)を加え、30分撹拌した。この溶液に、2−[(2−アミノ−1−フェニルエチル)アミノ]安息香酸エチル(4)(5.05g,17.8mmol)の乾燥THF(20ml)溶液を30分かけて滴下した後、30分間加熱還流した。氷冷下、反応液に飽和硫酸ナトリウム水溶液(20ml)を滴下し、充分撹拌した後、セライト濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を酢酸エチル(150ml)に溶解し、飽和食塩水(50ml)で洗浄後、乾燥(無水硫酸ナトリウム)した。減圧下で溶媒留去後、得られた固体を酢酸エチル−ヘキサン混合溶媒により結晶化した。得られた結晶を吸引濾取し、乾燥することにより標題化合物を高純度の淡黄色結晶として得た(収量;3.53g、収率;85.7%)。以下に、再結晶溶媒(ヘキサン−酢酸エチルの混合溶媒)を用いて、さらに精製した化合物(VII)の各種スペクルデータを示す。
【0131】
mp;104 − 106 ℃
IR(ν,KBr,cm−1);2855, 1587, 1531, 1007, 750
1H−NMR(DMSO−d6,300MHz),δ(ppm);1.20−2.00 (2 H, br), 2.79 (1 H, dd, J=13, 8 Hz), 2.90 (1 H, dd, J=13, 5 Hz), 4.28−4.38(1 H, m), 4.56 (2 H, s), 5.10−5.50 (1 H, br), 5.78 (1 H, d, J=6 Hz), 6.29 (1 H, d, J=8 Hz), 6.49 (1 H, dt, J=7, 1 Hz), 6.89 (1 H, dt, J=8, 1 Hz), 7.06 (1 H, dd, J=7, 1 Hz), 7.20 (1 H, tt, J=7, 1 Hz), 7.26−7.40 (4 H, m)
EI−MS (m/z);242(M+), 212([M−CH2NH2]+), 194(BP)
【0132】
実施例3
2−[[2−[[(ベンゾイルアミノ)チオキソメチル]アミノ]−1−フェニルエチル]アミノ]ベンゼンメタノール (vi) の合成
【0133】
【化39】
【0134】
(式中、Phはフェニル基を示す)
氷冷下、2−[(2−アミノ−1−フェニルエチル)アミノ]ベンゼンメタノール(VII)(1.00g,4.13mmol)の乾燥塩化メチレン(10ml)溶液に、ベンゾイルイソチオシアナート(0.81g,4.96mmol)の乾燥塩化メチレン(12ml)溶液を1時間かけて滴下後、同条件で30分撹拌した。これに、メチルアミンの30%エタノール溶液(0.3ml)を加え、10分間撹拌し、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=60:40)に付して精製し、標題化合物を高純度の無色結晶として得た(収量:1.56g、収率:93.4%)。以下に、再結晶溶媒(エタノール−水の混合溶媒)を用いて、さらに精製した化合物(vi)の各種スペクトルデータを示す。
【0135】
mp;140 − 142 ℃
IR(ν,KBr,cm−1);3331, 1673, 1530, 1269, 1171, 993, 750, 7001H−NMR(DMSO−d6,300MHz),δ(ppm);3.84−3.94 (1 H, m), 4.02−4.12 (1 H, m), 4.51 (1 H, dd, J=14, 5 Hz), 4.62 (1 H, dd, J=14, 6 Hz), 4.90−5.00 (1 H, m), 5.19 (1 H, m), 5.81 (1 H, d, J=8 Hz), 6.35(1 H, d, J=8 Hz), 6.50−6.58 (1 H, m), 6.86−6.94 (1 H, m), 7.12 (1 H, dd, J=7, 1 Hz), 7.26 (1 H, m), 7.36 (2 H, m), 7.52−7.58 (4 H, m), 7.63 (1 H, tt, J=7, 1 Hz), 7.88−7.94 (2 H, m), 11.23 (1 H, t, J=5 Hz), 11.42 (1 H, s)
EI−MS (m/z);405(M+), 250, 212, 194, 44(BP)
【0136】
実施例4
2−(2−ベンゾイルアミノ−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ベンゼンメタノール (iii) の合成
【0137】
【化40】
【0138】
(式中、Phはフェニル基を示す)
2−[[2−[[(ベンゾイルアミノ)チオキソメチル]アミノ]−1−フェニルエチル]アミノ]ベンゼンメタノール(vi)(1.56g,3.85mmol)の乾燥DMF(25ml)溶液に、ヨウ化2−クロロ−1−メチルピリジニウム(5)(1.18g,4.62mmol)、トリエチルアミン(0.93g,9.23mmol)を順次加え、室温で6時間撹拌した。反応液を氷水(300ml)に注ぎ、析出した固体を濾取し、乾燥することにより標題化合物を高純度の淡黄色固体として得た(収量:1.42g、収率:99.3%)。以下に、再結晶溶媒(メタノール−水の混合溶媒)を用いて、さらに精製した化合物(iii)のスペクトルデータを示す。
【0139】
mp;165 − 168 ℃
IR(ν,KBr,cm−1);3264, 1618, 1551, 1476, 1326, 1057, 1007, 751
1H−NMR(DMSO−d6,300MHz),δ(ppm);3.70 (1 H, t, J=10 Hz), 4.20 (1 H, t, J=10 Hz), 4.43 (1 H, dd, J=14, 5.5 Hz), 4.70 (1 H, dd, J=14, 5.5 Hz), 5.17 (1 H, t, J=5.5 Hz), 5.40−5.55 (1 H, br), 7.15−7.55 (12 H, m), 7.80−7.90 (2 H, m), 9.26 (1 H, s)
EI−MS (m/z);371(M+), 105(BP)
【0140】
実施例5
N−ベンゾイル−9,13b−ジヒドロ−1H−ジベンゾ[c,f]イミダゾ[1,5−a]アゼピン−3−アミン (ii) の合成
【0141】
【化41】
【0142】
(式中、Phはフェニル基、PPAはポリリン酸を示す)
2−(2−ベンゾイルアミノ−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)ベンゼンメタノール(iii)(300mg,0.81mmol)をポリリン酸(3.0ml)に懸濁させ、80℃で1時間撹拌した。反応液を氷水(20ml)に注ぎ、1N−水酸化ナトリウム水溶液で中和した。析出した固体を濾取し、乾燥した後、標題化合物を高純度の無色粉末状固体として得た(収量:257mg、収率:90.2%)。以下に、再結晶溶媒(エタノール)を用いて、さらに精製した化合物(ii)の各種スペクトルデータを示す。
【0143】
mp;225 − 227 ℃
IR(ν,KBr,cm−1);1610, 1554, 1347, 744, 712
1H−NMR(DMSO−d6,300MHz),δ(ppm);3.57 (1 H, t, J=11 Hz), 3.69 (1 H, d, J=14 Hz), 4.29 (1 H, t, J=9.5 Hz), 4.48 (1 H, d,J=14 Hz), 5.22 (1 H, dd, J=11, 9.5 Hz), 7.18−7.48 (10 H, m), 7.60 (1 H,m), 7.92−7.98 (2 H, m), 9.23 (1 H, s)
EI−MS (m/z);353 (M+), 77(BP)
【0144】
実施例6
6−[[[(ベンゾイルアミノ)チオキソメチル]アミノ]メチル]−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピン (iv) の合成
【0145】
【化42】
【0146】
(式中、Phはフェニル基を示す)
ベンゾイルイソチオシアナート(516mg,3.16mmol)を乾燥アセトン(5ml)に溶解した。氷冷下、これに、6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピン−6−メタンアミン(V)(709mg,3.16mmol)の乾燥アセトン(7ml)溶液を滴下した後、同条件下30分反応させた。減圧下で、反応混合物から溶媒を留去した。得られた残査をトルエンで結晶化することにより、標題化合物を高純度の黄色針状結晶として得た(収量:639mg、収率:52.2%)。以下に、再結晶溶媒(ヘキサン−酢酸エチルの混合溶媒)を用いて、さらに精製した化合物(iv)の各種スペクトルデータを示す。
【0147】
mp;182−184℃
IR(ν,cm−1,KBr);3368, 1672, 1515, 1255, 1153
1H−NMR(DMSO−d6,300MHz),δ(ppm);3.91 (1 H, d, J = 14.8 Hz), 4.00−4.12 (1 H, m), 4.22−4.35 (1 H, m), 4.32 (1 H, d, J = 14.8 Hz), 5.10−5.21 (1 H, m), 5.84 (1 H, d, J = 5.8 Hz), 6.53 (1 H, dt,J = 1.1, 7.3 Hz), 6.60 (1 H, dd, J = 1.1, 6.9 Hz), 6.91 (1 H, dt, J = 1.7, 7.9 Hz), 7.00 (1 H, dd, J = 1.3, 7.4 Hz), 7.19−7.30 (4 H, m), 7.47−7.56 (2 H, m), 7.60−7.68 (1 H, m), 7.90−7.97 (2 H, m), 11.24 (1 H, br.t),11.43 (1 H, s)
EI−MS (m/z);387 (M+), 194(BP)
【0148】
実施例7
N−ベンゾイル−9,13b−ジヒドロ−1H−ジベンゾ[c,f]イミダゾ[1,5−a]アゼピン−3−アミン (ii) の合成
【0149】
【化43】
【0150】
(式中、Phはフェニル基を示す)
乾燥DMF(15ml)中、6−[[[(ベンゾイルアミノ)チオキソメチル]アミノ]メチル]−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e]アゼピン(iv)(639mg,1.65mmol)、ヨウ化2−クロロ−1−メチルピリジニウム(5)(506mg,1.98mmol)およびトリエチルアミン(0.55ml,3.96mmol)を室温で5時間反応させた。反応混合物に水(50ml)を注いだ後、析出した固体を吸引濾取した。濾過物を水洗後、メタノール−テトラヒドロフラン−水の混合溶媒から再結晶することにより、標題化合物を高純度の淡黄色針状結晶として得た(収量:455mg、収率:78.0%)。以下に、得られた結晶の各種スペクトルデータを示す。
【0151】
mp;223−225℃
IR(ν,cm−1,KBr);3333, 1608, 1549, 1494, 1457, 1339
1H−NMR(DMSO−d6,300MHz),δ(ppm);3.57 (1 H, br.t, J = 10.1 Hz), 3.70 (1 H, d, J = 14.3 Hz), 4.29 (1 H, br.t, J = 9.6 Hz), 4.48 (1 H, d, J = 14.0 Hz), 5.23 (1 H, dd, J = 9.3, 11.3 Hz), 7.19−7.50 (10 H, m), 7.61 (1 H, dd, J = 1.1, 7.9 Hz), 7.92−8.00 (2 H, m), 9.23 (1 H, s)
EI−MS m/z;353(M+), 77(BP)
【0152】
実施例8
9,13b−ジヒドロ−1H−ジベンゾ[c,f]イミダゾ[1,5−a]アゼピン−3−アミン(エピナスチン、 I )の合成
【0153】
【化44】
【0154】
(式中、Phはフェニル基を示す)
N−ベンゾイル−9,13b−ジヒドロ−1H−ジベンゾ[c,f]イミダゾ[1,5−a]アゼピン−3−アミン(ii)(0.51g,1.44mmol)の6N−塩酸(20ml)懸濁液を18時間加熱還流した。反応液を冷却後、6N−水酸化ナトリウム水溶液で液のpHを約8に調整し、酢酸エチルで抽出し、洗浄(飽和食塩水)し、乾燥(無水硫酸ナトリウム)した。減圧下で溶媒を留去し、得られた残渣をアセトニトリルで結晶化後、濾取して乾燥した。標題化合物を高純度の微黄色プリズム状結晶として得た(収量:0.25g、収率;69.4%)。以下に、再結晶溶媒(アセトニトリル)を用いて、さらに精製した化合物(I)の各種スペクトルデータを示す。
【0155】
mp;177〜180℃
IR(ν,KBr,cm−1);3436, 3014, 1662, 1492, 1449, 752
1H−NMR(DMSO−d6,300MHz),δ(ppm);3.30 (1 H, t, J=10.5 Hz), 3.63 (1 H, d, J=14 Hz), 4.04 (1H, dd, J=10.5, 9 Hz), 4.44 (1H, d, J=14 Hz), 4.84 (1 H, t, J=9 Hz), 5.20−5.70 (2 H, br), 7.03−7.43 (8 H, m)
EI−MS (m/z);249(M+), 44(BP)
【0156】
9,13b−ジヒドロ−1H−ジベンゾ[c,f]イミダゾ[1,5−a]アゼピン−3−アミンをメタノール性塩酸で処理し、9,13b−ジヒドロ−1H−ジベンゾ[c,f]イミダゾ[1,5−a]アゼピン−3−アミンモノ塩酸塩を無色粉末結晶として得た(再結晶溶媒:メタノール−エーテル)。
mp;269〜273℃(文献値;273〜275℃)
【0157】
【発明の効果】
本発明により、ブロモシアンなどの有毒な試薬を使用することなく、さらに安価な試薬や原料を使用してエピナスチンおよびその医薬上許容される塩を製造することができる。これにより、抗アレルギー薬として有用であるエピナスチンおよびその医薬上許容される塩を、安価で、安全に工業規模で製造することができる。また、本発明の各製造方法において得られる化合物の精製は、常法で行うことができ、容易である。
Claims (10)
- R3がアリールカルボニル、アルカノイル、またはアルコキシカルボニルである請求項1記載の化合物。
- R3がアリールカルボニルである請求項2記載の化合物。
- R3がアリールカルボニル、アルカノイル、またはアルコキシカルボニルである請求項4記載の化合物。
- R3がアリールカルボニルである請求項5記載の化合物。
- 以下の工程(1)〜(3)を包含する、式 (II)
で表されるイミダゾリン化合物の製造方法:
工程(1):有機溶媒中、式 (VII)
で表される化合物を得る工程、
工程(2):上記式 (VI) で表される化合物の分子内反応によりイミダゾリン環を形成し、式 (III)
で表される化合物を得る工程、および
工程(3):上記式 (III) で表される化合物の分子内反応によりアゼピン環を形成し、上記式 (II) で表される化合物を得る工程。
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