JPH0710834A - ラクタムの回収方法 - Google Patents

ラクタムの回収方法

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JPH0710834A
JPH0710834A JP14932493A JP14932493A JPH0710834A JP H0710834 A JPH0710834 A JP H0710834A JP 14932493 A JP14932493 A JP 14932493A JP 14932493 A JP14932493 A JP 14932493A JP H0710834 A JPH0710834 A JP H0710834A
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JP
Japan
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lactam
distillation residue
oligomer
polycaprolactam
crude
Prior art date
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Pending
Application number
JP14932493A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Shibano
博史 柴野
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ラクタムを簡単な工程で、収率良く、また高
純度で回収すること。 【構成】 6ナイロン重合プラントから副生する抽出水
および/または重合体屑の解重合物から得られる粗ラク
タム含有蒸留残渣よりラクタムを回収する方法におい
て、アルカリ不存在化で蒸留した蒸留残渣を燐酸または
その誘導体の存在下、蒸留残渣の0.5倍量以上のポリ
カプロラクタムと共に260℃以上に加熱し、蒸留残渣
中のラクタムおよびオリゴマーを開環重合させたのち、
引き続いて該ポリカプロラクタムを解重合させ、ラクタ
ムモノマーを回収することを特徴とするラクタムの回収
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は6ナイロン重合プラント
から副生する抽出水および/または重合体屑の解重合物
から得られる粗ラクタムのオリゴマーを含有した蒸留残
渣をラクタムモノマー(以下単にラクタムと呼ぶ)とし
て回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、オリゴマーはナイロンチップの抽
出水や重合体屑の解重合物から得られる粗ラクタム中な
どに多く含まれ、このオリゴマーをラクタムに戻して回
収することは経済的に重要である。抽出水中のオリゴマ
ーでは抽出水を濃縮冷却しオリゴマーを晶析させ濾過分
離した後処理する方法が、また重合体屑の解重合物から
得られる粗ラクタム中のオリゴマーや抽出水のオリゴマ
ーを分離せずに蒸留した場合では蒸留残渣として残った
オリゴマーを処理する方法が行われ、古くからいろいろ
な方法が提案されてきた。しかし、オリゴマーの中の主
成分である環状二量体は熱的、化学的にも安定であるた
め、ラクタムに戻して回収する際にはさまざまな問題を
抱えている。たとえばオリゴマーを燐酸やアルカリ触媒
下で減圧または水蒸気蒸留させる方法(特公昭46−2
4388号公報、特公昭46−31537号公報など)
ではオリゴマーの昇華が激しいためライン詰まりが生じ
易く、収率も低い。またオリゴマーを燐酸存在下で加熱
し、重合後に解重合させる方法(特開昭59−7066
2号公報)ではオリゴマーが溶解・重合平衡に達するま
での時間が長く、平衡に達する前に解重合させるとオリ
ゴマーの昇華量が多くなるという問題がある。またこの
方法でアルカリ蒸留残渣のオリゴマーを用いる場合、燐
酸の活性が残渣中のアルカリで阻害されるため使用燐酸
量が多くなる問題もある。さらにオリゴマーをアルカリ
触媒下で加熱し、重合後に解重合させる方法(特公昭5
9−6849号公報)では、触媒としてアルカリを使用
するため得られた粗ラクタムの品質が低く、満足な品質
を得るまでの精製が複雑になりラクタムの損失が多くな
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来の方
法による問題を解決し、つまりオリゴマーの昇華をおさ
え、かつ回収するラクタムの品質を向上させることを課
題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するために、オリゴマーを含有する蒸留残渣からラ
クタムを回収する方法について検討を行った結果、遂に
本発明を完成するに到った。すなわち本発明は、6ナイ
ロン重合プラントから副生する抽出水および/または重
合体屑の解重合物から得られる粗ラクタム含有蒸留残渣
よりラクタムを回収する方法において、アルカリ不存在
化で蒸留した蒸留残渣を燐酸またはその誘導体の存在
下、蒸留残渣の0.5倍量以上のポリカプロラクタムと
共に260℃以上に加熱し、蒸留残渣中のラクタムおよ
びオリゴマーを開環重合させたのち、引き続いて該ポリ
カプロラクタムを解重合させ、ラクタムモノマーを回収
することを特徴とするラクタムの回収方法である。
【0005】本発明でいうアルカリ不存在化で蒸留した
残渣とは、オリゴマー含有粗ラクタムの精製において水
酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ化合物を
添加せずにラクタムを蒸留精製した残渣のことである。
一般に重合体屑の解重合物から得られる粗ラクタムの精
製においては、過マンガン酸カリウム等で酸化後アルカ
リ条件下で蒸留して精製されるが、この方法は蒸留残渣
にアルカリ化合物が含まれ、燐酸およびその誘導体の触
媒としての活性を阻害するので本発明には適さない。本
発明に適した重合体屑の解重合物から得られる粗ラクタ
ムの精製方法としては、カチオン交換樹脂で処理する方
法、活性炭で処理する方法、過酸化水素またはオゾンで
酸化後アニオン交換樹脂または活性炭で処理する方法、
これらの組み合わせ、など公知の方法を用いることがで
きる。このようにして精製したラクタム水溶液をそのま
ま蒸留することにより、その残渣を本発明に用いること
ができる。また抽出水から得られたオリゴマー含有粗ラ
クタムはアルカリを添加せずに蒸留した残渣をそのまま
本発明に用いることができる。なお、蒸留物として得ら
れたラクタムの品質が不十分な場合はさらに精製を行う
ことも可能である。
【0006】このようにして蒸留したあとの蒸留残渣
は、触媒として燐酸またはその誘導体の存在下で蒸留残
渣の0.5倍量以上のポリカプロラクタムと共に260
℃以上に加熱し、蒸留残渣中のラクタムおよびオリゴマ
ーを開環重合させる。本発明において触媒としての燐酸
またはその誘導体の好適な具体例としてはオルト燐酸、
ピロ燐酸、メタ燐酸、ポリ燐酸、三燐酸、亜燐酸、次亜
燐酸、および燐酸のアンモニウム塩、カリウム塩、ナト
リウム塩、有機ホスホネート、有機ホスファイトあるい
は燐の酸化物、硫化物など燐酸の誘導体が挙げられる。
添加量はポリカプロラクタムと混合する蒸留残渣量によ
って適宜決定されるが、蒸留残渣量とポリカプロラクタ
ム量の合計量の0.01−5.0%が好ましく、5.0
%を越えると重合平衡時のオリゴマー量が増加し好まし
くない。
【0007】本発明で蒸留残渣に添加するポリカプロラ
クタムはポリカプロラクタムの紡糸や成形等の加工工程
から発生する重合体の屑を用いてもよいが、本発明によ
り蒸留残渣中のラクタムおよびオリゴマーをポリカプロ
ラクタムと共に開環重合させたポリカプロラクタムの一
部をそのまま用いることも可能である。添加量としては
蒸留残渣の0.5倍量以上が好ましく、0.5倍量以下
の場合は本発明の工程中に蒸留残渣中のオリゴマーの昇
華量が増加したり、加熱溶解するまで長時間を有するな
どの問題が生じる。 反応温度としては260℃以上、
好ましくは280℃以上である。また、350℃以上で
は生成したラクタム中に熱分解物が多くなり品質を低下
させるので好ましくない。
【0008】このようにして開環重合させて得られたポ
リカプロラクタムは、引き続き過熱水蒸気を吹き込んだ
り、加熱減圧で蒸留することにより解重合させる。この
解重合反応は開環重合を行った反応容器にそのまま過熱
水蒸気を吹き込むバッチ式で行っても良いし、開環重合
させたポリカプロラクタムを別に準備した解重合反応容
器に移送後に解重合を行うことも可能である。さらには
開環重合させたポリカプロラクタムを、ポリカプロラク
タムの紡糸や成形等の加工工程から発生する重合体の屑
を解重合させる反応容器に導入してこれらの重合体の屑
と混合して解重合させても良い。
【0009】なお、この開環重合させたポリカプロラク
タムを解重合反応容器に移送させる際、全量を移送せず
に一部を開環重合反応容器中に残し、これを本発明にお
ける蒸留残渣に添加するポリカプロラクタムとして利用
し、この中に次の蒸留残渣および触媒を加え本発明の開
環重合を繰り返しても良い。このような本発明の方法で
は収率が高く、工程中の残渣も少ない。また抽出水から
のオリゴマーを晶析分離する必要がないため、工程が簡
略化できるなど経済的に優位である。さらに本発明で得
られたラクタムモノマーは不純物が少なく以後の精製も
容易である。
【0010】
【実施例】以下本発明を実施例を用いて具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例により限定されるもので
はない。なお実施例中単に部とあるのは重量部を示す。 実施例1 6ナイロン重合プラントから副生する抽出水から得られ
た粗ε−カプロラクタムを蒸留した残渣(オリゴマー6
8%、モノマー32%含有)80部および重合体屑の解
重合物から得られる粗ε−カプロラクタムをイオン交換
処理した後の蒸留残渣(オリゴマー61%、モノマー3
9%含有)20部に、紡糸工程より発生したポリε−カ
プロラクタムの屑糸100部およびオルト燐酸1.0部
を加え窒素で置換した後300℃に加熱した。5時間後
蒸留残渣はポリε−カプロラクタムに完全に溶解し、平
衡に達した。ただちにこの中に320℃の過熱水蒸気を
吹き込み解重合を行い、生成したモノマーを流出させ
た。粗ε−カプロラクタムの収率は93%(投入した残
渣と添加した屑糸の合計量を基準)であった。
【0011】実施例2 実施例1と同様にして蒸留残渣をポリε−カプロラクタ
ムに溶解、開環重合させた。重合体の120部を溶融状
態のまま、紡糸や成形等の加工工程から発生する重合体
の屑を解重合させる解重合反応釜に投入し、紡糸や成形
等の加工工程から発生する重合体の屑(合計500部、
オルト燐酸2.0部)と共に水蒸気吹き込みを行い解重
合させた。粗ε−カプロラクタムの収率は92.5%で
あった。
【0012】実施例3 実施例2で行った重合体の残りの80部に、実施例1で
用いた6ナイロン重合プラントから副生する抽出水から
得られた粗ラクタムを蒸留した残渣96部および重合体
屑の解重合物から得られる粗ε−カプロラクタムをイオ
ン交換処理した後の蒸留残渣24部とオルト燐酸0.6
部を加え窒素で置換した後300℃に加熱した。5時間
後蒸留残渣はポリε−カプロラクタムに完全に溶解し、
平衡に達した。この重合体の120部を溶融状態のま
ま、実施例2と同様に紡糸や成形等の加工工程から発生
する重合体の屑を解重合させる解重合反応釜に投入し、
紡糸や成形等の加工工程から発生する重合体の屑(合計
500部、オルト燐酸2.0部)と共に水蒸気吹き込み
を行い解重合させた。残りの重合体80部に上記と同様
の操作を合計5回繰り返した。5回の粗ε−カプロラク
タムの平均収率は92.7%であった。
【0013】比較例1 実施例1で用いた6ナイロン重合プラントから副生する
抽出水から得られた粗ラクタムを蒸留した残渣80部お
よび重合体屑の解重合物から得られる粗ε−カプロラク
タムをイオン交換処理した後の蒸留残渣20部にオルト
燐酸0.5部を添加し窒素で置換した後300℃に加熱
した。7時間後でも反応系中に18%のオリゴマーが残
存しており、平衡には達していなかった。これに実施例
1と同様にして過熱水蒸気を吹き込み解重合を行い、生
成モノマーを流出させた。粗ε−カプロラクタムの収率
は71%であり、平衡に達しきれなかったオリゴマーお
よび一部のモノマーは解重合残渣として反応釜中に残っ
た。
【0014】
【発明の効果】以上かかる構成よりなる本発明方法を採
用することにより、ラクタムを高い収率で回収でき、工
程中の残渣も少ない。また抽出水からのオリゴマーを晶
析分離する必要がないため、工程が簡略化できるなど経
済的に優位である。さらに本発明で得られたラクタムモ
ノマーは不純物が少なく以後の精製も容易であるので産
業界に寄与すること大である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 6ナイロン重合プラントから副生する抽
    出水および/または重合体屑の解重合物から得られる粗
    ラクタム含有蒸留残渣よりラクタムを回収する方法にお
    いて、アルカリ不存在化で蒸留した蒸留残渣を燐酸また
    はその誘導体の存在下、蒸留残渣の0.5倍量以上のポ
    リカプロラクタムと共に260℃以上に加熱し、蒸留残
    渣中のラクタムおよびオリゴマーを開環重合させたの
    ち、引き続いて該ポリカプロラクタムを解重合させ、ラ
    クタムモノマーを回収することを特徴とするラクタムの
    回収方法。
JP14932493A 1993-06-21 1993-06-21 ラクタムの回収方法 Pending JPH0710834A (ja)

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JPH0710834A true JPH0710834A (ja) 1995-01-13

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100361566B1 (ko) * 1996-12-30 2003-01-24 주식회사 코오롱 폴리아미드 수지의 제조 방법

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