JPH07108184B2 - チヨコレートの製造法 - Google Patents

チヨコレートの製造法

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JPH07108184B2
JPH07108184B2 JP62295053A JP29505387A JPH07108184B2 JP H07108184 B2 JPH07108184 B2 JP H07108184B2 JP 62295053 A JP62295053 A JP 62295053A JP 29505387 A JP29505387 A JP 29505387A JP H07108184 B2 JPH07108184 B2 JP H07108184B2
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fatty acid
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fat
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孝二 松田
美和子 北尾
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はチョコレートの製造法に関するものである。詳
しくは低カロリーで、風味と艶が良好であり、かつ適度
の固さを有するチョコレートの製造法に関するものであ
る。
(従来の技術と問題点) チョコレートは一般に、所謂カカオ成分に甘味成分とカ
カオ脂(カカオバター)とを加え、さらに場合により乳
成分を加えた原料成分を溶融状態で混合して任意の形状
とした後、冷却固化することによって製造されている。
これ等従来のチョコレート原料のうち、油脂成分のカカ
オ脂は、常温では適度の硬度を有し体温付近の温度では
急激に溶融する、可塑性範囲が極めて狭い性質を有する
ため、チョコレート原料として不可欠のものであるが、
高価で品薄傾向にあるため、これに代る油脂成分とし
て、カカオ脂と類似する性質を有する所謂ハードバター
が検討され使用されている。
ハードバターとしては、例えば、 (イ)天然又は合成による油脂原料から、物理性がカカ
オ脂の特徴的成分である1,3−ジ飽和脂肪酸−2−不飽
和脂肪酸トリグリセライドを採取したもの、 (ロ)脂肪酸成分として不飽和脂肪酸を含む油脂原料
を、調整された条件下で水素添加処理して得られる、不
飽和脂肪酸のトランス型異性体を含むトリグリセライド
(高トランス酸型ハードバター)、 (ハ)ヤシ油、パーム核油等の油脂酸成分がラウリン酸
を主体とする油脂をそのまま、あるいは水素添加したも
の(ラウリン酸型ハードバター)等が知られている。
これ等のハードバター及びカカオ脂は、何れも化学構造
上トリグリセライド、即ちグリセリンの脂肪酸トリエス
テル体であり、それ等の構造を適宜制御して得られたも
のであるため、体内に摂取された場合に、脂質分解酵素
により分解され、代謝されて、栄養源となり、肥満等の
健康管理上好ましくない問題を招く恐れがある。
以上のトリグリセライドの外、パルミチン酸又は酢酸の
ソルビタンエステルが、カカオ脂の代替として使用し得
ることも知られているが、風味に欠け、安定性にも問題
があり実用性に乏しい。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等は、チョコレート原料中の油脂成分として、
従来知られているカカオ脂や、ハードバターの代りに、
チョコレート原料成分として優れた性質及び風味を付与
すると共に、非カロリー性で健康管理上好ましいカカオ
脂代替物を得ることを目的として探索中のところ、ショ
糖脂肪酸エステルにおいて、ショ糖に対する脂肪酸のエ
ステル結合数(置換度)が4以上のものは、体内に摂取
された場合に、脂質代謝系に取り込まれず、実質的に非
カロリー性の物質であることが知られていることに着目
し、種々検討した結果、特定の脂肪酸成分からなり、か
つ特定のエステル置換度の組成を有するショ糖脂肪酸エ
ステルが上記の目的に適合することを確認し本発明を達
成した。
即ち、本発明の要旨は、カカオ成分、油脂成分及び甘味
成分を含み、あるいはこれ等に更に乳成分を加えた成分
を主体とする溶融状態のチョコレート原料を任意形状と
した後、冷却固化してチョコレートを製造する方法にお
いて、油脂成分として、ラウリン系油脂由来の脂肪酸、
ラウリン酸又はミリスチン酸を主構成脂肪酸とするショ
糖脂肪酸のポリエステルであって、置換度が1〜3のエ
ステル体が20重量%以下であり、残余のエステルの平均
置換度が5以上であるショ糖脂肪酸ポリエステル体から
なるハードバター様物質を用いることを特徴とするチョ
コレートの製造法に存する。
以下に本発明を詳細に説明する。
チョコレートは一般に、カカオ成分に、甘味成分及び油
脂成分としてカカオ脂(カカオバター)を加え、さらに
場合により乳成分を加えた原料成分を溶融状態で混合し
て任意形状とした後、冷却固化することによって製造さ
れている。
本発明方法においては、これ等チョコレート原料成分の
うち油脂成分として、後に詳細に述べるような、その性
質がカカオ脂に類似し、かつ低カロリー性のショ糖脂肪
酸ポリエステルからなるハードバター様物質が使用され
る。
油脂成分以外の成分は、従来一般に使用されているもの
が適用される。例えば、カカオ成分としては、カカオ豆
を焙焼して微粒子状にすり潰して得られるカカオマス
と、このカカオマスを搾油してカカオ脂を除いた残固形
分との混合物が使用される。
また、甘味成分としては、ショ糖、葡萄糖、果糖、粉
糖、麦芽糖、転化糖、乳糖等の食品用甘味物質が挙げら
れ、さらに乳成分としては、クリーム、バター、チー
ズ、濃縮乳、無糖練乳、無糖脱脂練乳加糖練乳、加糖脱
脂練乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイ
パウダー、バターミルクパウダー、発酵乳、牛乳等が用
いられる。
油脂成分、カカオ成分、甘味成分及び乳成分の混合割合
も従来のチョコレートとの場合と同様であり、例えば、
準チョコレート(公正取引委員会による規格)の場合
は、油脂成分18〜50%、カカオ成分7〜50%、甘味成分
10〜60%、乳成分0〜30%の配合が好ましく、また準ミ
ルクチョコレートの場合は、油脂成分18〜50%、カカオ
成分7〜50%、甘味成分10〜60%、乳成分12.5〜30%の
配合が好ましく、さらにチョコレート生地の場合は、油
脂成分10〜50%、カカオ成分1〜50%、甘味成分10〜60
%、乳成分0〜30%の配合が好ましい。
本発明の特異とするところは、チョコレート原料の油脂
成分として、その性質がカカオ脂に類似し、かつ低カロ
リー性のショ糖脂肪酸ポリエステルからなるハードバタ
ー様物質を用いることである。
一般に、ある油脂がカカオ脂に類似する所謂ハードバタ
ーとして有用であるためには、種々の温度に対する固体
脂の含有割合の変化が、カカオ脂の温度に対する固体脂
の含有割合の変化と類似していること、換言すれば、常
温では適度の硬度を有し、体温付近の温度では急激に溶
融するという、可塑性範囲が極めて狭い性質を有するこ
とが必要である。
本発明に使用される油脂成分は、種々の温度に対する固
体脂の含有割合の変化が、カカオ脂のそれと類似するよ
うに調整され、体内に摂取された場合に脂質代謝系に取
り込まれず、低カロリー性であって、しかも風味を損な
うことのないハードバター様物質であって、ラウリン系
油脂由来の脂肪酸、ラウリン酸又はミリスチン酸を主構
成脂肪酸とするショ糖脂肪酸のポリエステルからなるも
のである。
上記ラウリン系油脂由来の脂肪酸とは、ヤシ脂、パーム
油糖の所謂ラウリン系油脂又はその水素添加物から得ら
れる脂肪酸を指示するもので、ラウリン酸とミリスチン
酸の合計量が50%(重量)以上であって、該合計量中ラ
ウリン酸が80〜20%、ミリスチン酸が20〜80%の混合物
を指示するものである。
脂肪酸成分としては、上記のラウリン系油脂由来の脂肪
酸に限られず、それぞれ別途に調製されたラウリン酸又
はミリスチン酸を主構成成分とするものであってもよ
い。
このようなショ糖脂肪酸エステルは、脂肪酸成分が上記
特定のものであることの外に、エステル置換度1〜3の
エステルが20重量%以下であり、残余のエステルの平均
置換度が5以上の組成のものであることが必要である。
ショ糖脂肪酸エステルには、ショ糖1分子に対する脂肪
酸の置換度によって、モノエステルからオクタエステル
までの8種類が存在するが、これ等のうち、体内に摂取
された場合に、脂質代謝系に取り込まれず、実質的に非
カロリー性の物質であるのは、テトラエステル以上のも
の、即ち脂肪酸の置換度が4以上のものである。
また味覚上、脂肪酸の呈味の懸念を払拭するためには、
ショ糖脂肪酸エステル中のモノエステル体が実質的に存
在しないレベルとすることが肝要である。その理由は、
脂肪酸成分の種類によって程度は異なるものの、モノエ
ステル体は親水性が極めて高く、味覚に大きな影響を与
えるからである。その程度は、脂肪酸成分の炭素数の少
ない程著しく、例えばミリスチン酸(炭素数14)以下の
炭素数の脂肪酸成分のモノエステル体では、1%程度存
在しても苦味を感じるようになる。
以上に述べた低カロリー性であり、しかも風味を損なう
ことのない性質に加えて、前述の常温では適度の硬度を
有し、体温付近の温度では急激に溶融する可塑性範囲が
極めて狭いという、ハードバターとして要求される性質
を具備するために、本発明の油脂成分として使用される
ハードバター様物質は、ショ糖脂肪酸エステルの脂肪酸
成分として、前記のラウリン酸又はラウリン酸を主とす
る脂肪酸を選択するとともに、エステル置換度1〜3の
エステルが20重量%以下、好ましくは10重量%以下、特
に好ましくは5重量%以下で0%に近い程望ましく、ま
た残余のエステルの平均置換度は5以上であることが必
要である。
即ち、エステル置換度1〜3のエステルを含有しない
か、含有してもそれ等の合計量が全体の20重量%以下で
あることが必要であり、20重量%より多い場合には、風
味並びに非カロリー性の点において、ハードバター様物
質として不適当である。
また、エステル置換度1〜3のエステルが20重量%以下
であって、残余のエステルの平均置換度が5以上となる
組成であっても、脂肪酸成分が、前記のラウリン系油脂
由来の脂肪酸、ラウリン酸又はミリスチン酸を主構成と
するもの以外の場合には、後記比較例に示すように、ハ
ードバターとして要求される、常温では適度の硬度を有
し体温付近の温度では急激に溶融する性質のものが得ら
れない。
なお、ラウリン系油脂由来の脂肪酸、ラウリン酸又はミ
リスチン酸を主構成とするもの以外の脂肪酸成分、例え
ばパルミチン酸(炭素数16)やステアリン酸(炭素数1
8)のような高級脂肪酸と、例えば酢酸のような極く低
級の脂肪酸(炭素数が6以下のもの)とを適当な割合で
使用したショ糖脂肪酸エステルでも、本発明に使用され
るハードバター様物質と同様に、常温では適度の硬度を
有し体温付近の温度では急激に溶融する性質のものとす
ることは可能であるが、前述のように風味や香りの点で
チョコレート原料の油脂成分としては不適当である。
上述の本発明の油脂成分として使用されるハードバター
様物質は、ショ糖脂肪酸エステルの製造法として周知の
種々の方法によって製造することができる。
例えば、(a)ショ糖と、前記の脂肪酸の低級アルコー
ルエステルとを、適当な有機溶媒中において、アルカリ
性触媒を使用し、減圧下加熱してエステル交換反応さ
せ、反応の進行に伴って溶媒を留去し、最終的に有機溶
媒を残存させない条件で反応を完結させる方法、(b)
ショ糖と、前記の脂肪酸の低級アルコールエステルと
を、石鹸の存在下で、溶媒を使用し又は使用せずに、溶
融混合状態とし、アルカリ性触媒を使用して減圧下加熱
してエステル交換反応させる方法、あるいは(c)ショ
糖と前記の脂肪酸のクロライドとを、有機溶媒を使用し
又は使用せずに、アルカリ性触媒の存在下でエステル化
する方法等が挙げられるが、製造に当っては、原料によ
って反応条件を選択することが必要である。また場合に
より、これ等の方法で得られたショ糖脂肪酸エステルを
適宜配合することによっても調製される。
以上に述べた本発明の油脂成分として使用されるハード
バター様物質の詳細は、本発明者等の一部がさきに発明
した特願昭62−236259号に記載されている。
なお、チョコレートの固さを調整するため、本発明の上
記ハードバター様物質に加えて、他の油脂成分、例えば
カカオ脂を併用することができるが、この場合両者の相
溶性が十分でないので、ハードバター様物質に対するカ
カオ脂の量を10重量%以下、好ましくは5重量%以下と
することが、常温で固形状であり、口溶け性が良く、し
かも表面に艶のあるチョコレートを製造する上で必要で
ある。
また、他の油脂成分として、前記のラウリン酸型ハード
バターは、本発明のハードバター様物質との相溶性が良
好であるため、チョコレートの常温での固さの調整用と
して、本発明のハードバター様物質と併用することがで
きるが、多量に使用すると、チョコレート表面にブルー
ムを生じ(結晶が表面に析出し)、チョコレート固有の
色光沢が無くなり、灰色の粉に覆われた外観を呈するよ
うになるので、本発明のハードバター様物質に対するラ
ウリン酸型ハードバターの量は20重量%以下、好ましく
は10重量%以下とすることが好ましい。
以上の事項に加えて、カカオ脂及びラウリン酸型ハード
バター等は何れも代謝性があり、カロリー源となるもの
であるから、低カロリー性で健康管理上好ましいチョコ
レートを製造する点において、これらの添加は自から制
限される。
本発明方法によりチョコレートを製造するには、周知の
方法に従って、所定配合割合の前記チョコレート原料成
分をニーダーで混合した後、粒度が20μm程度になるよ
うにロール掛けし、50〜70℃で20時間精錬する。つい
で、この溶融状のチョコレートを一定量づつ金型へ流し
込み、シェーキングマシンを用いて脱泡した後、クーリ
ングトンネル(5〜10℃)を所定の速度で通過させて10
℃以下に急速冷却し、固化したチョコレートを金型から
脱離する。
本発明の方法においては、チョコレート原料の油脂成分
として、上記のハードバター様物質を使用することの外
に、溶融状態のチョコレート原料を任意の形状に冷却固
化する際に、チョコレートの温度が15℃、好ましくは10
℃に達するまでは、急速冷却することが好ましい。具体
的には、例えば、冷却速度を0.3℃/分以上とするのが
好ましく、遅い冷却速度では適度に固いチョコレートを
得ることが困難である。
(発明の効果) 本発明の方法によれば、原料の油脂成分として、特定の
脂肪酸成分からなり、かつ特定のエステル置換度の組成
を有するショ糖脂肪酸ポリエステルを使用することによ
って、カカオ脂を使用した従来のチョコレートと類似す
る優れた風味と艶があり、かつ適度の硬さを有し、加え
て低カロリー性で健康管理上好ましいチョコレートを得
ることができる。
(実施例) 以下本発明を実施例について更に詳細に説明するが、本
発明はその要旨を超えない限りこれ等の実施例に限定さ
れるものではない。また、実施例中「部」とあるは「重
量部」を表わす。
ショ糖脂肪酸ポリエステル(以下SPEと略記する)の製
造例1 グラニュー糖977部及びジメチルスルホキシド(DMSO)4
000部を仕込み、23Torrの減圧下で沸騰させながら20分
間溶媒を還流させ後、DMSOを留出させ脱水した。留出量
が1000部に達した点で留出を止め、系内の水分を測定し
たところ、残存水分は0.06重量%であった。
次いで無水炭酸カリウム43.7部及びラウリン酸メチル
(純度98%、2%のカプリン酸を含む)4370部を仕込
み、23Torrの減圧下で沸騰させながら溶媒を還流させ、
メタノールは留去した。反応液が実質的に均一になった
時点で溶媒の留去を開始し、7Torrの減圧下で液温を110
℃に保持して10時間反応を行なった後、生成物を中和精
製することによって、98%のラウリン酸(炭素数12)及
び2%のカプリン酸(炭素数10)からなる脂肪酸組成
で、次のエステル体組成を有するSPEを得た。
このSPEにおけるモノエステル体、ジエステル体及びト
リエステル体の合計含量は2.9重量(%)であり、残余
のエステルの平均置換度は6.4であった。
SPEの製造例2 製造例1において使用したラウリン酸メチルの使用量を
4500部とし、反応時間を10.5時間とした以外は製造例1
と同様な処理を行なった。
上記方法によって、製造例1と同一の脂肪酸組成を有
し、次のエステル体組成を有するSPEを製造した。
このSPEにおける、モノエステル体、ジエステル体及び
トリエステル体の合計含量は3.5重量(%)であり、残
余のエステルの平均置換度は6.6であった。
SPEの製造例3 製造例1において使用したラウリン酸メチルの代りに、
70%のラウリン酸メチル、10%のミリスチン酸メチル、
5%のパルミチン酸メチル、3%のカプリン酸メチル及
び3%のカプリル酸メチルを含む脂肪酸メチル3500部を
使用し、他は製造例1と全く同様の処理を行なった。
上記方法によって、次の脂肪酸組成及びエステル体組成
を有するSPEを製造した。
このSPEにおける、モノエステル体、ジエステル体及び
トリエステル体の合計含量は16.8重量(%)であり、残
余のエステルの平均置換度は5.4であった。
SPEの製造例4 製造例1において使用したラウリン酸メチルの代りに、
ラウリン系油脂から調製された、78.7%のラウリン酸メ
チル、21.2%のミリスチン酸メチル及び0.1%のパルミ
チン酸メチルを含む脂肪酸メチル3500部を使用し、かつ
反応時間を10時間とし、他は製造例1と全く同様の処理
を行なった。
上記方法によって、次の脂肪酸組成及びエステル体組成
を有するSPEを製造した。
このSPEにおける、モノエステル体、ジエステル体及び
トリエステル体の合計含量は3.5重量(%)であり、残
余のエステルの平均置換度は6.3であった。
SPEの製造例5 製造例1において使用したラウリン酸メチルの代りに、
49.7%のラウリン酸メチル、49.9%のミリスチン酸メチ
ル及び0.4%のパルミチン酸メチルを含む脂肪酸メチル3
500部を使用し、かつ反応時間を10時間とし、他は製造
例1と全く同様の処理を行なった。
上記方法によって、次の脂肪酸組成及びエステル体組成
を有するSPEを製造した。
このSPEにおける、モノエステル体、ジエステル体及び
トリエステル体の合計含量は4.4重量(%)であり、残
余のエステルの平均置換度は6.3であった。
SPEの比較製造例1 製造例1において使用したラウリン酸メチル(純度98
%、2%のカプリン酸を含む)の使用量を3000部とし、
反応時間を5時間とした以外は製造例1と同様な処理を
行ない、製造例1と同一の脂肪組成を有し、次のエステ
ル体組成を有するSPEを製造した。
このSPEにおける、モノエステル体、ジエステル体及び
トリエステル体の合計含量は90.2重量(%)であり、残
余のエステルの平均置換度は4.2であった。
試験例1 製造例1で得たSPEと、カカオ脂とを、表1及び表2に
示す種々の比率で混合して60℃で溶融し、表1及び表2
に示す各温度で2時間放置し、次いで20℃で1日間放置
した試料について、固さ、均一性及び表面の状態を観察
した。その評価結果を表1及び表2に示す。
表1における、固さの状態を示す記号○は適度の固さを
意味し、×は軟らかいことを意味する。均一性の状態を
示す記号○は均一なことを意味し、×は不均一を意味す
る。また、表面の状態を示す記号○は、表面が滑らかで
艶があることを意味し、×は表面がザラザラであること
を意味する。なお、後記表2〜4における記号も同一の
意味を示す。
試験例2 製造例2で得たSPEと、バルケナH[不二製油(株)製
のラウリン酸型ハードバター]とを、表3及び表4に示
す種々の比率で混合して60℃で溶融し、表3及び表4に
示す各温度で2時間放置し、次いで25℃で1日間放置し
た試料について、固さ、均一性及び表面の状態を観察し
た。その評価結果を表3及び表4に示す。
実施例1 [原料の配合組成] ココアパウダー 6部 脱脂粉乳 20部 粉 糖 42部 カカオ脂 2部 製造例1のSPE 30部 (注)ココアパウダー:カカオ豆を焙煎し、すり潰した
泥状のココアケーキをプレスに掛けてカカオ脂を搾出
し、残渣を粉砕したもの。
上記配合組成の原料をニーダーで混合し、粒度が20μm
程度になるようにロール掛けして50〜70℃で20時間精錬
した。ついで、この溶融状のチョコレートを一定量づつ
金型へ流し込み、シェーキングマシンを用いて脱泡した
後、クーリングトンネル(5〜10℃)を通過させて、5
℃/分の速度で10℃以下に急速冷却し、固化したチョコ
レートを金型から取出した。得られた製品は、固さ、風
味及び艶ともに良好なものであった。
実施例2 [原料の配合組成] ココアパウダー 6部 脱脂粉乳 20部 粉 糖 42部 カカオ脂 2部 製造例3のSPE 30部 上記配合組成の原料を、実施例1と同様にニーダーで混
合し、ロール掛けして50〜70℃で20時間精錬した後、溶
融状のチョコレートを一定量づつ金型へ流し込み、シェ
ーキングマシンを用いて脱泡した後、クーリングトンネ
ルを通過させて、5℃/分の速度で10℃以下に急速冷却
し、固化したチョコレートを金型から取出した。得られ
た製品は、固さ、風味及び艶ともに良好なものであっ
た。
実施例3 [原料の配合組成] ココアパウダー 6部 脱脂粉乳 20部 粉 糖 42部 カカオ脂 2部 製造例2のSPE 30部 パルケナH 3部 上記配合組成の原料を、実施例1と同様にニーダーで混
合し、ロール掛けして50〜70℃で20時間精錬した後、溶
融状のチョコレートを一定量づつ金型へ流し込み、シェ
ーキングマシンを用いて脱泡した後、クーリングトンネ
ルを通過させて、5℃/分の速度で10℃以下に急速冷却
し、固化したチョコレートを金型から取出した。得られ
た製品は、固さ、風味及び艶ともに良好なものであっ
た。
実施例4 [原料の配合組成] ココアパウダー 6部 脱脂粉乳 20部 粉 糖 41部 パルケナH 3部 製造例4のSPE 30部 上記配合組成の原料を、実施例1と同様にニーダーで混
合し、ロール掛けして50〜70℃で20時間精錬した後、溶
融状のチョコレートを一定量づつ金型へ流し込み、シェ
ーキングマシンを用いて脱泡した後、クーリングトンネ
ルを通過させて、5℃/分の速度で10℃以下に急速冷却
し、固化したチョコレートを金型から取出した。得られ
た製品は、固さ、風味及び艶ともに良好なものであっ
た。
実施例5 [原料の配合組成] ココアパウダー 6部 脱脂粉乳 20部 粉 糖 50部 製造例5のSPE 30部 上記配合組成の原料を、実施例1と同様にニーダーで混
合し、ロール掛けして50〜70℃で20時間精錬した後、溶
融状のチョコレートを一定量づつ金型へ流し込み、シェ
ーキングマシンを用いて脱泡した後、クーリングトンネ
ルを通過させて、5℃/分の速度で10℃以下に急速冷却
し、固化したチョコレートを金型から取出した。得られ
た製品は、固さ、風味及び艶ともに良好なものであっ
た。
比較例1 [原料の配合組成] ココアパウダー 6部 脱脂粉乳 20部 粉 糖 50部 比較製造例1のSPE 30部 上記配合組成の原料を、実施例1と同様にニーダーで混
合し、ロール掛けして50〜70℃で20時間精錬した後、溶
融状のチョコレートを一定量づつ金型へ流し込み、シェ
ーキングマシンを用いて脱泡した後、クーリングトンネ
ルを通過させて、5℃/分の速度で10℃以下に急速冷却
し、固化したチョコレートを金型から取出した。得られ
た製品は、固く、風味及び口溶けが悪いものであった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カカオ成分、油脂成分及び甘味成分を含
    み、あるいはこれ等に更に乳成分を加えた成分を主体と
    する溶融状態のチョコレート原料を任意形状とした後、
    冷却固化してチョコレートを製造する方法において、油
    脂成分として、ラウリン系油脂由来の脂肪酸、ラウリン
    酸又はミリスチン酸を主構成脂肪酸とするショ糖脂肪酸
    のポリエステルであって、置換度が1〜3のエステル体
    が20重量%以下であり、残余のエステルの平均置換度が
    5以上であるショ糖脂肪酸ポリエステル体からなるハー
    ドバター様物質を用いることを特徴とするチョコレート
    の製造法。
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