JPH07108173A - 水素化触媒製造用含浸液、水素化触媒の製造方法及び炭化水素油の水素化処理方法 - Google Patents

水素化触媒製造用含浸液、水素化触媒の製造方法及び炭化水素油の水素化処理方法

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JPH07108173A
JPH07108173A JP5280727A JP28072793A JPH07108173A JP H07108173 A JPH07108173 A JP H07108173A JP 5280727 A JP5280727 A JP 5280727A JP 28072793 A JP28072793 A JP 28072793A JP H07108173 A JPH07108173 A JP H07108173A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 水素化触媒製造用含浸液を用いて、水素化処
理に高活性を示す水素化触媒を好適に製造するための方
法を提供する。 【構成】 水又は水を主成分とする水系溶媒に、モリブ
デン化合物及びタングステン化合物から選ばれる少なく
とも1種の金属化合物と周期表VIII族金属の化合物
から選ばれる少なくとも1種の金属化合物と、沸点が3
00℃以上の水溶性有機化合物とを溶解してなる水溶液
であって、30℃における表面張力γが55.0〜7
0.0dyn/cmの範囲にあり、かつ、同温度におけ
る表面張力γと粘度ηの比γ/ηが4.0〜35.0
(dyn/cm)/cPの範囲にある水素化触媒製造用
含浸液。上記記載の水素化触媒製造用含浸液を用いて該
含浸液中に含まれる一部又は全ての活性金属成分を触媒
担体に担持した後、該担持物を残留炭素含量が1.0重
量%以下になるように焼成する水素化触媒の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水素化触媒製造用含浸
液に関し、より詳しく言うと、アルミナ等の多孔性触媒
担体に含浸させて所定の活性金属成分を高分散状態で均
一に担持させ、炭化水素油の水素化処理に対して高活性
を示す優れた水素化触媒を製造するために用いられる水
素化触媒製造用含浸液に関する。
【0002】本発明は、また、水素化触媒の製造方法に
関し、より詳しく言うと、上記のような水素化処理等に
高活性を示す水素化触媒を上記含浸液を用いることによ
って容易に製造する方法に関する。
【0003】本発明は、更にまた、炭化水素油の水素化
処理方法に関し、より詳しく言うと、重質油をはじめと
する各種の炭化水素油の水素化処理を上記本発明の製造
方法で得た水素化触媒を適用して有利に行う方法に関す
る。
【0004】
【従来の技術】近年、地球環境保全及び資源の有効利用
等の点から炭化水素油の水素化処理[水素化脱硫、水素
化脱窒素、水素化脱金属、水素化分解、単純水素化(水
添)など]の重要性がますます増加しており、こうした
水素化処理反応に対してより高活性を示す触媒、特に、
硫黄分や重金属類等の多い重質な炭化水素油(常圧残
油、減圧残油、オイルサンド油等)に対しても十分な活
性を示し、硫黄分等が十分に低減された有用中間留分に
富んだ精製油を効率よく得ることができる性能のよい触
媒の開発が望まれている。
【0005】水素化処理触媒としては、対象とする原料
や反応等の目的に応じて、活性金属種の種類・組み合わ
せ、その担持率、担体の種類、添加成分の種類や有無な
どについて多種多様な組成ものが使用若しくは提案され
ているが、中でも特に、炭化水素油の脱硫、脱窒素、分
解、水添などを行うための水素化処理触媒としては、ア
ルミナ、シリカアルミナ、アルミナボリア、ゼオライト
等の多孔性酸化物系触媒担体に、周期表VIA族金属
(特に、Mo、W)とVIII族金属(特に、Co、N
i、Fe)を酸化物等の形態で担持した触媒(例えば、
CoO・MoO3/Al23、NiO・MoO3/Al2
3、NiO・WO3/Al23、NiO・CoO・Mo
3/Al23など)が一般的であり、これらは、特に
脱硫反応を伴う場合など硫黄分含有炭化水素油を原料と
する場合には、通常、予備硫化処理し活性化した後に使
用されている。
【0006】こうした水素化処理触媒では、触媒の活性
サイトが金属硫化物の表面に形成されるため、金属硫化
物が高分散状態で担持されるほど活性サイトの数が増加
し、結果として水素化処理に高活性な触媒が得られるこ
とが知られている。この金属硫化物を高分散化するため
には、その前駆体である金属酸化物などを高分散化する
必要があり、こうした試みとして次のような方法が提案
されている。
【0007】例えば、特公平3−12935号公報や特
開昭59−69147号公報には、 リンゴ酸やクエン酸等のカルボン酸と活性金属化合物
との混合溶液にアンモニアガスを吹き込み、pHを7か
ら11に調整した含浸液をアルミナ等の担体に担持し、
乾燥、焼成するという方法が開示されている。しかしな
がら、このようなリンゴ酸やクエン酸等のカルボン酸と
アンモニアガスを用いる方法では、活性金属成分を十
分に高分散状態で均一に担持することは難しく、その結
果、上記のような水素化処理反応に対して十分な触媒活
性が得られないという欠点がある。
【0008】本発明者は、そのような欠点が生じる理由
について鋭意研究を行った結果、上記の従来法では、
含浸液の表面張力γが大き過ぎ、しかも表面張力γと粘
度ηの比(γ/η)も大き過ぎることが主な原因となっ
ていることに気付いた。すなわち、含浸液の表面張力γ
と、表面張力γと粘度ηの比(γ/η)が共に大き過ぎ
ると、活性金属成分の触媒担体への担持処理中[具体的
には、含浸液の液量が少なくなって見かけ上固体(触媒
担体)が含浸液から露出し始める時点から固体に含まれ
ている含浸液中の溶媒が蒸発して担持が完了する時点ま
での段階]に、活性金属化合物を含む含浸液自体が凝集
しやすく触媒担体面を均一に濡らしにくくなり、しか
も、固体粒子間の空隙や粒子内に含まれた含浸液が毛細
管現象等による局部的な移動が生じ、その結果、活性金
属成分が担体のある部分に凝集し、担持にむらが生じ、
また分散度も悪くなるからである。
【0009】また、特開平4−260442号公報に
は、リン酸やカルボン酸などの酸とポリアルコール及
び活性金属化合物を特定の割合で含有する混合溶液を無
機酸化物系担体に含浸し、活性金属化合物をポリアルコ
ールと共に該担体に担持させた後、得られた担持物を2
00℃以下で乾燥させるという方法が開示されている。
このの方法は、担持物を焼成しないことにより活性金
属とポリアルコールの錯化合物を破壊させないでおき、
その状態で予備硫化処理に供することによって活性金属
成分の凝集を防止しようとするものである。
【0010】しかしながら、この方法の場合にも活性
金属成分の凝集を十分に防止することはできず、活性金
属成分を均一に高分散状態でうまく担持することできな
いという問題があることが判明した。実際、この方法
に従って調製した水素化処理触媒は、活性が不十分であ
り、脱硫反応等に対する反応成績も良好とは言いがた
く、特に重質油の水素化処理には実用的でない。
【0011】この方法では、ポリアルコールの添加モ
ル数が活性金属の総モル数の0.3倍量から5.0倍量
であり、含浸液の表面張力γと粘度ηの比(γ/η)が
小さくなり過ぎるため活性金属成分が凝集を起こしてし
まうからである。
【0012】なお、この方法では触媒の焼成を行って
いないので、予備硫化を行った後にも触媒中にかなりの
量のポリアルコールやその分解炭素質が残留しているた
め、触媒活性が良好でなく、また、触媒寿命の点でも不
十分である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の目的
は、モリブデン及び/又はタングステンとVIII族金
属から選ばれた少なくとも1種の金属とが水素化活性成
分の形態で担持されている担持水素化触媒を調製するに
際して、触媒担体への含浸担持処理時に所定の金属化合
物を担体にむらなく均一性よく担持することができ、か
つ、乾燥から焼成工程においても担持金属成分の凝集を
十分に防止することができ、結果として所定の水素化活
性金属成分がアルミナ等の多孔性触媒担体に十分に高担
持率に至るまで高分散状態で均一性よく担持することが
できる水素化処理に対して高活性を示す優れた水素化触
媒を容易に調製することができる水素化触媒製造用含浸
液を提供することにある。
【0014】本発明は、また、該本発明の水素化触媒製
造用含浸液を用いて、水素化処理に高活性を示す水素化
触媒を好適に製造するための方法を提供することも目的
としている。
【0015】本発明は、更にまた、上記本発明の方法に
よって調製した高活性水素化処理触媒を用いて、特に重
質油をはじめとする各種の炭化水素油の水素化処理を有
利に行うための方法を提供することも目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者は、モリブデン
及び/又はタングステンとVIII族金属から選ばれた
少なくとも1種の金属とが水素化活性成分の形態で担持
されている各種の担持水素化触媒を調製するに際して、
どのような組成及び物性を有する含浸液を用いれば、活
性金属成分をアルミナ等の多孔性触媒担体に高分散状態
で均一に担持することができ、高活性を実現することが
できるかということについて鋭意研究を重ねた結果、含
浸液中に溶解含有されている所定の金属化合物の安定化
(凝集の抑制)をはかるためには含浸液の表面張力γ及
び表面張力γと粘度ηの比(γ/η)を適当な大きさの
範囲に調整することが重要であることを見いだし、この
知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0017】すなわち、本発明は、水又は水を主成分と
する水系溶媒に、モリブデン化合物及びタングステン化
合物から選ばれる少なくとも1種の金属化合物並びに周
期表VIII族金属の化合物から選ばれる少なくとも1
種の金属化合物と、沸点が300℃以上の水溶性有機化
合物とを溶解してなる水溶液であって、30℃における
表面張力γが55.0〜70.0dyn/cmの範囲に
あり、かつ、同温度における表面張力γと粘度ηの比γ
/ηが4.0〜35.0(dyn/cm)/cPの範囲
にあることを特徴とする水素化触媒製造用含浸液を提供
するものである。
【0018】本発明は、また、上記水素化触媒製造用含
浸液を用いて各種の高活性水素化触媒、特に、重質油等
の炭化水素油(特に、硫黄分含有炭化水素油)の水素化
処理[水素化脱硫、水素化脱窒素、水素化脱金属、単純
水素化(水添)等]に高活性を示す水素化処理触媒を好
適に製造するための方法として、本発明の水素化触媒製
造用含浸液を用いて該含浸液中に含まれる一部又は全て
の活性金属成分を触媒担体に担持した後、該担持物を残
留炭素含量が1.0重量%以下になるように焼成するこ
とを特徴とする水素化触媒の製造方法を提供する。
【0019】更にまた、本発明は、上記本発明の水素化
触媒製造用含浸液を用いて製造した水素化触媒の応用例
の中でも特に効果的な適用例として、上記本発明の方法
によって製造した水素化触媒を用いることを特徴とする
炭化水素油の水素化処理方法を提供する。
【0020】I.水素化触媒製造用含浸液及びその調製 本発明の含浸液は、水又は水を主成分とする水系溶媒
に、少なくとも2種の前記金属化合物と沸点が300℃
以上の水溶性有機化合物を溶解してなる水溶液であり、
この含浸液は、例えばアルミナ等の適当な触媒担体に含
浸させて、含浸液に含まれている所定の金属成分を適当
な化合物の形態で担持し、所望の組成の担持水素化触媒
を調製するために用いるものである。但し、この含浸液
による担持方式は、必ずしも、狭義の含浸法に限定され
るものではなく、各種の含浸法、浸漬法、軽度浸潤法、
湿式吸着法、湿式混練法、スプレー法、塗布法など、あ
るいはこれらの組み合わせ法など、含浸液と触媒担体と
を接触させて担持させる方式であればどのような方式に
よってもよい。
【0021】本発明の含浸液に具体的にどのような金属
化合物を溶解含有させるかは、目標とする水素化触媒の
組成、言い換えれば、水素化触媒の具体的な用途を考慮
して適宜決定すればよい。
【0022】これらモリブデン化合物、タングステン化
合物及びVIII族金属の化合物についても、それぞ
れ、金属の種類及び化合物の種類・形態に関して、必ず
しも1種のみに限定されるものではなく、適宜2種以上
のものを使用することができる。更に、本発明の含浸液
には、前記所定の金属化合物共に、必要に応じて、他の
金属の化合物を溶解含有させてもよい。
【0023】モリブデン、タングステンのうちでどの金
属種を使用するかは、前記したように場合に応じて適宜
決定すればよい。
【0024】これらの金属は、種々の化合物として含浸
液中に溶解含有せしめることができる。すなわち、含浸
液の調製に際して、これらの金属は、例えば、酸化物
(MoO3 、WO3)、水酸化物若しくは酸素酸(モリ
ブデン酸、タングステン酸、ヘテロポリ酸等)、酸素酸
塩(例えば、モリブデン酸アンモニウム、タングステン
酸アンモニウム、ヘテロポリ酸塩等)、ハロゲン化物若
しくはオキシハロゲン化物(例えば、MoCl5、Mo
OCl3、WCl6、WOCl4、WO2Cl等)、硫化物
(例えば、MoS2、WS2等)、シアン化物、硝酸塩、
硫酸塩、酢酸塩等の有機酸塩、アルコキシドなど、ま
た、これらの錯等の錯体類(例えば、EDTA錯体、ア
セチルアセトナト錯体、ニトロシル錯体、カルボニル錯
体等々]、更には、ヒドロゲルやゾル状化合物等のコロ
イド形態のものなど、様々な種類・形態のものとして、
1種あるいは2種以上を使用することができる。
【0025】これらの中でも、通常、MoO3やWO3
の酸化物、モリブデン酸やタングステン酸等の酸素酸類
などが好適に使用される。なお、これらのMoやWの酸
化物や酸素酸類の中には、そのままでは水に対する溶解
度はあまり大きくないものある。しかし、本発明の場合
には、含浸液中に前記特定の水溶性有機化合物をも溶解
含有させるので、多くの場合、これによって溶解度を向
上させることができるし、また、それでも不十分の場合
には、適宜他の添加剤(例えば、カルボン酸やオキシカ
ルボン酸、EDTA等)を添加したり、液のpHを調整
するなどして溶解度を更に向上させることもしばしば好
適に採用される。
【0026】一方、前記VIII族金属としては、鉄、
コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウ
ム、オスミウム、イリジウム及び白金を挙げることがで
きる。これらのうちでどの金属を使用するかは、前記同
様場合に応じて適宜決定すればよく、1種又は2種以上
を選択することができる。例えば、後述の水素化脱硫反
応等の水素化処理反応に使用する場合には、通常、コバ
ルト、ニッケル及び鉄のうちの1種又は2種以上を選択
して用いることが好ましく、特に、コバルト及びニッケ
ルのうちの1種又は2種以上を選定して用いることが好
ましい。
【0027】これらのVIII族金属も、種々の化合物
として含浸液中に溶解含有せしめることができる。すな
わち、含浸液の調製に際して、これらのVIII族金属
は、例えば、硝酸塩、炭酸塩、塩基性炭酸塩、硫酸塩、
塩化物等のハロゲン化物、硫化物、シアン化物などの無
機塩、酢酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩等の有機酸塩、酸
化物、水酸化物、アルコキシドなど、更にはこれらの錯
塩等の錯体類(例えば、アンミン錯体、アコ錯体、ED
TA錯体、アセチルアセトナト錯体、カルボニル錯体、
ハロゲン酸あるいはハロゲン酸塩等々)、更には、ヒド
ロゲルやゾル状化合物、金属コロイド等のコロイド形態
のものなど、様々な種類・形態のものとして、1種ある
いは2種以上を使用することができる。
【0028】なお、これらの中でも、コバルト及びニッ
ケルについては、通常、硝酸塩、炭酸塩、塩基性炭酸塩
等が好ましい。
【0029】例えば、重質油等の炭化水素油(特に、含
硫炭化水素油)の水素化処理[水素化脱硫、水素化脱金
属、水素化脱窒素、水素化分解、不飽和結合の単純水素
化(水添)等を目的とする反応]に有効な触媒(水素化
処理触媒)の製造を目的とする場合には、従来の場合と
同様に、通常、活性金属種として、Mo及び/又はW
と、VIII族金属としてCo及び/又はNiを組み合
わせて用いるのが好適となり、具体的には例えば、Co
−Mo、Ni−Mo、Ni−W、Ni−Mo−W、Ni
−Co−Mo等の組み合わせが好適となる。
【0030】なお、このような水素化処理に有効な水素
化処理触媒の場合、これらの活性金属種の触媒重量あた
りの担持量は、通常、Mo及び/又はWが酸化物(Mo
3、WO3)として計算した合計量として、0.5〜4
0重量%、好ましくは、1.0〜30重量%、VIII
族金属(好ましくは、Co、Ni;場合によりFe等)
が酸化物(CoO、NiO等として)として計算した合
計量として、0.5〜20重量%、好ましくは、1.0
〜10重量%の範囲に適宜選定するのが好適となる。し
たがって、この場合、含浸液中に化合物として溶解させ
るMo及び/又はWとVIII族金属の割合は、例え
ば、上記の担持率を考慮して適宜定めればよい。
【0031】また、こうした水素化処理触媒等の水素化
触媒には、Mo及び/又はWやVIII族金属の他に他
の金属元素やリンやホウ素等の元素を種々の形態で添加
することもある。これらの他の添加元素は、別途に担持
したり、担体中に含有させることも多いが、場合によっ
ては、本発明の含浸液中に適当な形態で溶解含有させて
もよい。
【0032】なお、場合によっては、所定の金属成分の
担持を2段階以上の多段階処理によって行う場合も(こ
のような場合でも、少なくとも、1回の含浸担持処理
は、本発明の含浸液を用いて行う。)ある。
【0033】本発明の含浸液における前記金属化合物の
溶解含有量(濃度)は、目的に応じて用いる金属化合物
の種類、組み合わせ(割合)を定めた上で、溶解度ある
いは溶解性、担持率、用いる含浸液とこれに接触させる
触媒担体の割合、含浸担持方式、後述の表面張力γや表
面張力γと粘度ηの比(γ/η)等の諸条件を考慮して
適宜選定すればよく、したがって、一律に定めることが
できないが、通常は、溶解している該金属成分(Mo及
び/又はWとVIII族金属)の合計量(モル濃度)
が、0.1〜15.0mol/l、好ましくは0.2〜
10.0mol/lの範囲になるように選定するのが適
当である。
【0034】本発明の含浸液には、上記所定のMo及び
/又はWやVIII族金属の化合物を溶解含有させると
共に沸点が300℃以上の水溶性有機化合物を溶解含有
させることも重要である。
【0035】該水溶性有機化合物としては、沸点が30
0℃以上であり、かつ、水に対して溶解性を示し、結果
として含浸液中に十分に溶解される有機化合物であれば
各種のものが1種又は2種以上使用することができる
が、後述のように含浸液の表面張力γ及び表面張力γと
粘度ηの比(γ/η)をそれぞれ所定の範囲に容易に調
整できるものを選定し使用することが好ましい。
【0036】そのような水溶性有機化合物としては、水
溶性ポリマー等を挙げることができるが、中でも、ポリ
エチレングリコール及びポリエチレングリコール系界面
活性剤が好ましく、特に、ポリオキシエチレン鎖の平均
分子量が300〜6000であるポリエチレングリコー
ル及びポリオキシエチレン鎖の平均分子量が300〜6
000であるポリエチレングリコール系界面活性剤が好
ましい。
【0037】このように含浸液中に沸点が300℃以上
という高沸点の水溶性有機化合物を溶解含有させること
によって、含浸液の表面張力γと表面張力γと粘度ηの
比(γ/η)を所定の範囲に調節することが容易になる
と共に、含浸液の段階で前記金属化合物の溶解安定性を
好適に保つことができ、更には、該水溶性有機化合物が
触媒担体に所定の金属成分と共に担持されて、担持後
(乾燥後)も焼成を行うまで蒸発しにくいので該金属成
分(活性金属成分)と共に残留し、焼成に至るまで及び
焼成時にも該活性金属成分の凝集が十分に抑制される。
【0038】したがって、もし、用いる水溶性有機化合
物の沸点が300℃未満であると、そのような低沸点の
ものは通常低分子量であるのでγ及びγ/ηを所定の範
囲に調製することが困難となったり、また、そのような
比較的低沸点のものは焼成を行う前に担持物から蒸発し
てしまい十分な量が残留しないため、焼成工程において
(場合によりそれ以前においても)、活性金属成分の凝
集を十分に防止することができないので、本発明の目的
を達成することができない。
【0039】このことは、ポリエチレングリコールやポ
リエチレングリコール系界面活性剤についても同様であ
るが、上記のように、これら中でもポリオキシエチレン
鎖の平均分子量が300以上であるものが好ましいの
は、上記のような効果、特に、焼成工程における活性金
属成分の凝集防止効果をより効果的に発揮するからであ
る。一方、あまり高沸点ものや、例えば、ポリエチレン
グリコールやポリエチレングリコール系界面活性剤の場
合、そのポリオキシエチレン鎖の平均分子量が6000
より大きいものは、溶解に時間がかかり過ぎるなどの支
障を生じやすくなり、また、場合によっては、含浸液の
表面張力γや表面張力γと粘度ηの比(γ/η)を好適
な範囲に調整しにくくなるなどの問題を生じることがあ
る。
【0040】なお、前記ポリエチレングリコール及びポ
リエチレングリコール系界面活性剤としては、市販品や
合成品など各種のものが使用可能であり、このうちポリ
エチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、ポ
リオキシエチレン(23)ラウリルエーテル、ポリオキ
シエチレン(20)ソルビタンモノラウレート[但し、
これらの( )内の数値はポリオキシエチレン単位の平
均付加モル数を表す。]等を例示することができるが、
これらに限定されるものではなく、分子量あるいは平均
分子量や末端基の種類など多種多様なものを1種単独
で、あるいは1種又は2種以上の混合物として使用する
ことができる。また、必要に応じて、例えば、ポリエチ
レングリコールとポリエチレングリコール系界面活性剤
を併用してもよい。
【0041】なお、本発明の含浸液中に溶解含有させる
前記水溶性有機化合物の量(濃度)は、用いる水溶性有
機化合物の種類を定めた上で、少なくとも得られる含浸
液のγ及びγ/ηが上記の所定の範囲になるように選定
する。このような条件のもとで、他の諸条件(例えば、
溶解金属化合物の種類や組成、濃度など)に応じて適宜
好ましい範囲に選定するのがよい。このように、含浸液
における前記水溶性有機化合物の濃度範囲は、諸条件に
よって異なるので一律に定めることができないが、前記
水溶性有機化合物として、例えば、ポリエチレングリコ
ールやポリエチレングリコール系界面活性剤を用いる場
合には、含浸液1000mlに対して、通常、10〜2
50g程度の範囲としかつγとγ/ηを前記所定の範囲
に調整し、更に好ましくは、この条件のもとで溶解金属
成分量(Mo及び/又はWとVIII族金属の合計)と
該水溶性有機化合物の割合が前者1molに対して、後
者が5〜80g程度の範囲に納まるように組成を調節す
るのがよい。
【0042】前記含浸液には、上記の成分(前記金属化
合物及び前記水溶性有機化合物)の他に、必要に応じて
更に他の成分や添加剤を添加してもよい。例えば、適当
な有機酸の添加によって含浸液の安定性を更に向上させ
ることができるので、そのような添加物を適量添加する
ことがしばしば好適に採用される。
【0043】そのような有機酸としては、例えば、クエ
ン酸、酒石酸、コハク酸、マロン酸、リンゴ酸、蓚酸、
蟻酸、酢酸、プロピオン酸等を例示することができる。
これらは、必要に応じて、1種又は2種以上を添加して
もよいが、通常、その添加量は、合計量として、用いる
触媒担体の乾燥重量に対して50重量%以下の範囲に選
定するのが望ましい。こうした有機酸の添加量が上記の
基準で50重量%を超えると、前記金属化合物の溶解性
がかえって悪くなり、含浸液の均一性や安定性も低下す
るなどの支障を生じやすくなるからである。
【0044】本発明の含浸液は、水又は水を主成分する
水系溶媒に、上記のように、少なくとも前記所定の金属
化合物と前記ポリエチレングリコール及び/又はポリエ
チレングリコール系界面活性剤等の所定の高沸点水溶性
有機化合物を溶解してなる水溶液であり、場合に応じ
て、前記有機酸等の他の添加剤を溶解含有せしめたもの
であるが、この含浸液は、30℃における表面張力γが
55.0〜70.0dyn/cmの範囲にあり、かつ、
同温度における表面張力γと粘度ηの比γ/ηが4.0
〜35.0(dyn/cm)/cPの範囲にあるように
調整されていることも肝要である。
【0045】なお、液体特に溶液の表面張力γや粘度η
の測定値は、測定法によって多少異なることがあるの
で、参考までに、この明細書に示すγとγ/ηの値を求
めた方法について以下に記しておく。
【0046】すなわち、ここでは、表面張力γ(dyn
/cm)は、30℃において、通常の滴重法によって測
定し、一方、γ/η[(dyn/cm)/cP](ただ
し、cPは、センチポアズであり、1cP=0.01
dyn・s/cmである。)は、次のようにして求め
た。まず、含浸液の粘度η(cP;30℃)を求めるべ
く、含浸液の動粘度νを、キャノン−フェンスケ粘度計
を用いて、JIS K2283に基づいて30℃におい
て測定し、一方、同じ含浸液の密度ρを、振動式密度計
を用いて、JIS K2249に基づいて15℃と50
℃において測定し、30℃における密度ρ(g/c
3)を単純な補完法により求めた。動粘度ν=粘度η
/密度ρであるので、含浸液の粘度η(cP;30℃)
は、単位を考慮して、上記のようにして求めた動粘度ν
(30℃)に密度ρ(30℃)を乗じることによって求
めた。このようにして求めた含浸液の粘度η(cP;3
0℃)と前記のようにして求めた同じ含浸液の表面張力
γ(dyn/cm;30℃)から、所望のγ/η[(d
yn/cm)/cP;30℃]を求めた。
【0047】なお、以下においては、特にことわらない
限り、γ及びγ/ηの値は、それぞれ、dyn/cm、
(dyn/cm)/cPとし、これらは共に上記のよう
にして求められた30℃におけるものとする。
【0048】前記したように、本発明の含浸液は、表面
張力γ及び表面張力と粘度の比γ/ηが、それぞれ、前
記特定の範囲に調整されていることが肝要である。ここ
で、もし、表面張力γが55.0未満であったり、ある
いは、70.0より大きいと、含浸担持時に触媒担体に
対して含浸液が不均一に分布しやすくなり、結果とし
て、活性金属成分の凝集が起こりやすくなり、所定の水
素化活性金属成分を十分に高分散状態で均一性よく担持
することが困難となる。また、たとえ、含浸液の表面張
力γの値が上記所定範囲にあったとしても、もし、表面
張力γと粘度ηの比(γ/η)が、4.0未満であった
り、あるいは、35.0より大きいと、やはり均一な含
浸担持が困難となり、担持にむらが生じやすくなる。
【0049】なお、好ましいγの範囲は、60.0〜6
7.0であり、好ましいγ/ηの範囲は、4.0〜2
5.0である。
【0050】II.水素化触媒の製造 前記本発明の含浸液を用い、これを適当な触媒担体に接
触含浸させ、所定の金属成分を担持することによって、
少なくともMo及び/又はWとVIII族金属から選ば
れる少なくとも1種の金属とからなる水素化活性成分が
高分散状態で均一性よく担持された各種の高活性水素化
触媒(特に、重質油等の含硫炭化水素類の水素化処理に
有効な水素化処理触媒)を容易に調製することができ
る。
【0051】このような高活性水素化触媒を容易に得る
方法として、本発明の水素化触媒製造用含浸液を用いて
該含浸液中に含まれる一部又は全ての活性金属成分を触
媒担体に担持した後、該担持物を残留炭素含量が1.0
重量%以下になるように焼成する水素化触媒の製造方法
を挙げることができる。
【0052】この方法においては、まず、本発明の含浸
液を適当な触媒担体に接触含浸させることによって、所
定の活性金属成分を担持する。触媒担体としては、従来
から水素化触媒の担体として使用又は提案されているも
のなど多種多様な組成及び形態のものが使用可能であ
る。中でも、通常は、1種又は2種以上の金属酸化物若
しくはその水和物からなる多孔性の無機酸化物系のもの
が好適に使用される。そのような多孔性酸化物系担体の
典型的なものを例示すると、例えば、アルミナ、シリ
カ、チタニア、ジルコニア、マグネシア等の単独金属酸
化物系のもの、アルミナボリア、シリカアルミナ、ゼオ
ライト、シリカジルコニア、シリカチタニア、チタニア
アルミナ、シリカマグネシア等の混合若しくは複合金属
酸化物系のものなどを挙げることができる。重質油等の
炭化水素油の水素化処理に好適な触媒の製造を目的とす
る場合には、上記例示の各種の多孔性酸化物系担体の中
でも、通常、アルミナやシリカアルミナをはじめとする
アルミナ含有系のものが好適に使用される。
【0053】なお、こうした酸化物系担体は、従来の場
合と同様に、添加物の添加や予備処理の実施あるいは調
製法の選定等によって、組成や物性が調整あるいは制御
されたものとして使用することができる。例えば、リン
成分やホウ素成分などの適当な成分を添加したり、ある
いは、酸処理、塩基処理、イオン交換処理等の化学的処
理を行って酸性度等の調整を行ったり、加熱や焼成等に
よる水分やOH含量の調整を行ったり、更には、各種の
手段により細孔径や細孔径分布の制御、表面積の制御を
行ったりして、組成や触媒担体としての特性の調整や改
善がなされているものでもよい。また、場合によって
は、予め適当な金属成分等を含有若しくは担持してある
ものを用いてよい。
【0054】また、これらの酸化物系担体は、予め乾燥
や焼成が施されているものでもよいし、未焼成のものや
未乾燥のものでもよいし、加水分解等によって調製した
ゾル状のものなどスラリー状のものでもよい。
【0055】こうした触媒担体の形状やサイズとして
も、特に制限はなく、例えば、粉末状、ビーズ状、ペレ
ット状、顆粒状、モノリス等の構造体にコーティングし
たもの、微粒子状、超微粒子状、ソル状のものを適宜使
用することができる。すなわち、造粒や成形を施したも
のでもよいし、あるいは、特にそのような処理を施して
いないものでもよい。
【0056】本発明の触媒製造方法においては、本発明
の含浸液を前記所定の触媒担体に含浸することによっ
て、所定の金属成分を該担体に担持し、得られた担持物
を適当な条件で焼成する。
【0057】含浸液と触媒担体の含浸担持操作は、常法
に従って行うことができ、例えば、常用される各種の含
浸法(加熱含浸法、常温含浸法、真空含浸法、常圧含浸
法、含浸乾固法等、あるいはこれらの任意の組み合わせ
法など)、浸漬法、軽度浸潤法、湿式吸着法、湿式混練
法、スプレー法、塗布法など、あるいはこれらの組み合
わせ法など、含浸液と触媒担体とを接触させて担持させ
る方式であればどのような方式によってもよい。
【0058】ここで、用いる触媒担体と含浸液の量比
は、目標とする活性金属成分の担持率、用いる含浸液中
の金属化合物の濃度、含浸担持方式の種類、用いる担体
の細孔容積や比表面積などよって異なるので一律に定め
ることができないが、少なくとも、担持しようとする触
媒担体を十分に濡らす量の含浸液を使用し、一方、触媒
担体に対する含浸液の使用量の上限については、特に制
限はないが、通常は、使用する触媒担体の乾燥重量10
0g当たり、含浸液の使用量100ml以下の範囲に選
定するのが好ましい。使用する含浸液の担体に対する割
合があまり多過ぎると、全てを含浸乾固する場合などに
はそれだけ担持に長時間を要するし、場合によっては水
分の蒸発による過剰な濃縮が起こり、γ特にγ/ηの値
が前記所定の範囲からはずれることがある。また、接触
後過剰の含浸液を除去する場合には、含浸液に無駄が生
じやすくなることもある。
【0059】含浸担持操作は、従来の場合と同様に、大
気圧下あるいは減圧下で好適に行うことができ、その際
の操作温度としても特に制限はなく、室温あるいは室温
付近でも行うことができるし、必要に応じて加熱あるい
は加温し、例えば、室温〜80℃程度の温度でも好適に
行うことができる。
【0060】含浸液と触媒担体との接触時間は、目標と
する活性金属成分の担持率を念頭において、用いる含浸
液中の金属化合物の濃度、含浸担持方式の種類、用いる
担体の細孔容積や比表面積、用いる担体と含浸液の量
比、用いる含浸液のγ/ηの値などの諸条件を考慮して
選定すればよい。一般的に言えば、この接触時間は、場
合によっては例えば30秒程度から数分程度で十分な場
合もあるし、あるいは、数分〜数時間程度とする場合も
あるし、必要に応じて、更に長時間の接触を行ってもよ
い。
【0061】なお、含浸後、必要に応じて、適宜、乾燥
を行ってもよいが、含浸担持方式によっては、多くの水
分が蒸発し、かなりの乾燥状態のものが得られるので、
そのような場合には、必ずしも、別途に乾燥操作を施さ
ないでもよい。
【0062】なお、こうして得られた担持物には、所定
の金属成分と共に少なくとも含浸液に含まれていた前記
高沸点水溶性有機化合物は、乾燥後も下記のような焼成
前まで化合物の形が変わったとしても十分な量が残留す
るので、焼成前にも焼成時にも活性金属成分の凝集防止
効果を発揮する。なお、このような有機化合物あるいは
その分解成分は、下記のように焼成することによってに
よって実質的に焼却除去される。一方、金属成分は、該
焼成によって、クリーンな高分散状態の担持金属酸化物
成分となる。
【0063】すなわち、本発明の触媒製造方法において
は、上記のようにして得た担持物を焼成する。この焼成
は、高活性でしかも十分に寿命の長い高性能水素化触媒
を得るために、焼成後の触媒中の残留炭素分が1.0重
量%以下になるように行う。なお。この焼成前に、場合
により乾燥工程を設けてもよい。更に、必要に応じて、
焼成前のいずれかの適当な時点で担持物を所定の形状及
びサイズに成形してもよい。
【0064】この乾燥は、通常、50〜150℃、好ま
しくは、80〜130℃の範囲で行うのが好適である。
成形を行う場合には、この成形は、常法に従って好適に
行うことができ、必要に応じて、適当なバインダー成分
を添加してもよい。
【0065】前記焼成も、常法に従って行うことがで
き、通常は空気中若しくは空気気流中で、300〜70
0℃、好ましくは、400〜600℃の温度範囲で好適
に実施される。なお、空気の他に、純酸素や酸素富化空
気などの酸素含有ガスを代用したり併用してもよい。
【0066】焼成時間は、通常、1〜24時間程度で十
分であるが、いずれにしても、焼成温度や焼成時間等の
条件は、焼成後の触媒中の残留炭素分が1.0重量%以
下になるように適宜選定される。なお、残留炭素分の測
定は、LECO法によって行った。
【0067】以上のようにして、所定の金属成分が所定
の担持量でむらなく高分散状態で担持された所望の反応
に高活性を示す各種の水素化触媒を容易に得ることがで
きる。
【0068】この焼成によって得られる触媒中の金属成
分は、通常、酸化物若しくは複合酸化物の形態となって
おり、活性金属成分も、通常、そのような酸化物若しく
は複合酸化物の形態で高分散状態で担持されている。
【0069】こうして得た触媒は、そのまま、所定の水
素化反応の触媒あるいは触媒成分と利用することもでき
るが、必要に応じて、種々の適当な前処理を行って活性
化してから触媒反応に用いてもよい。この前処理は、常
法に従って行うことができ、例えば、水素等の還元剤に
よって適度に還元して用いてもよいし、脱硫反応を伴う
反応や硫黄分含有原料を対象とする場合には、通常実施
されるように、予備硫化処理により活性化及び安定化を
行ってから用いるのが好ましい。
【0070】この予備硫化処理も、常法に従って行うこ
とができ、例えば、硫化剤として、硫化水素、チオフェ
ン、二硫化炭素、ジメチルジスルフィドなどを使用し、
200〜400℃程度の温度範囲で好適に行うことがで
きる。
【0071】以下に、本発明の方法によって製造した水
素化触媒の特に好適な利用例である炭化水素油の水素化
処理方法について説明する。
【0072】III.炭化水素油の水素化処理方法 前記本発明の製造方法によって得られる水素化触媒は、
それぞれ、各種の水素化反応用触媒として広く利用する
ことができるが、この水素化処理方法において、炭化水
素油の水素化処理触媒として調製したもの[特に、活性
金属種としてMo及び/又はWとVIII族金属(特
に、Co、Ni等)とが前記の割合(担持率)で前記例
示の多孔性酸化物系担体(特に、アルミナやシリカアル
ミナ等のアルミナ含有酸化物系担体)に担持されている
もの]を触媒として使用する。
【0073】これら本発明の方法で製造した水素化処理
触媒は、多種多様な炭化水素油(特に、硫黄分含有炭化
水素油)の水素化処理[水素化脱硫、水素化脱窒素、水
素化脱金属、水素化分解、水素化精製、単純水素化(水
添)等]に広くかつ好適に利用することができるが、特
に、重質油の水素化脱硫、水素化脱窒素及び水素化分解
に対しても高活性を示すので、このような反応を主とす
る重質油の水素化処理に特に好適に使用される。
【0074】なお、本発明の炭化水素油の水素化処理
は、前記本発明の水素化触媒[水素化処理触媒]を触媒
として用いる限り、他の条件等については、従来と同様
にして行うことができる。以下、特に好適な応用例であ
る、炭化水素油(特に重質油)の水素化処理を行う場合
について、その好適な条件等について説明する。
【0075】なお、前記重質油としては、原油の常圧蒸
留や減圧蒸留によって得られる常圧残油、減圧残油等、
あるいは、オイルサンド油など、更には、これらの混合
物などを挙げることができる。
【0076】これらの水素化処理触媒は、前記したよう
に、該水素化処理反応を行う前に活性化若しくは安定化
処理として予備硫化処理を行ってから使用することが好
ましい。この予備硫化処理は、前記例示の方法等の常法
に従って好適に行うことができる。
【0077】水素化処理の反応温度は、通常、200〜
500℃、好ましくは、250〜450℃の範囲に選定
するのが好適である。水素圧力は、通常、20〜250
kg/cm2G、好ましくは、50〜200kg/cm2
Gの範囲に選定するのが好適である。
【0078】反応方式(反応器の型式等)としては、特
に制限はないが、通常は、固定床、移動床、沸騰床など
による流通方式が好適に採用される。
【0079】こうした流通方式の場合には、供給液空間
速度(LHSV)を、通常、0.05〜10h-1、好ま
しくは、0.2〜5h-1の範囲に選定するのがよい。
【0080】水素ガスと炭化水素油の供給割合(H2
炭化水素油)は、通常、50〜1000Nm3/kl、
好ましくは、100〜800Nm3/klの範囲に選定
するのが好適である。
【0081】以上のように本発明の方法で製造した所定
の水素化処理触媒を用いることによって、重質油をはじ
めとする各種の炭化水素油について、水素化脱硫等の各
種の水素化処理を効率よく行うことができ、硫黄分や窒
素分あるいは重金属分が十分に低減された有用炭化水素
留分を収率よく得ることができる。
【0082】
【実施例】以下に、本発明の実施例及び比較例を示し、
本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実
施例に限定されるものではない。
【0083】実施例1 三酸化モリブデン 185g、炭酸コバルト 85g、
クエン酸 65g、平均分子量600のポリエチレング
リコール 100gを水に溶解し、全量を700mlと
した。得られた金属含浸液の表面張力γは62.0、γ
/η値は18.5であった。残留炭素分は0.1wt%
未満であった。
【0084】比表面積 240m2/g、吸水率 0.
7ml/gのγ−アルミナ担体1kgに前記金属含浸液
を減圧含浸法にて含浸し、大気中にて550℃で3時間
焼成した。得られた触媒は焼成重量当り、酸化コバルト
として4wt%を、三酸化モリブデンとして15wt%
を含浸していた。
【0085】調製した触媒を、容量100ccの固定床
マイクロリアクターを用いて、以下の条件で反応評価し
た結果、反応開始後400時間の脱硫率は表1の通りで
あった。
【0086】温度 :400℃ 水素分圧:135kg/cm2G LHSV:0.3h-1 水素/油:700Nm3/kl 原料油には以下の性状のアラビアン・ヘビー常圧残油を
使用した。 密度(15℃) :0.9806g/cm2 勤粘度(50℃):1200mm2/s 残留炭素 :13.0wt% アスファルテン分:6.4wt% 硫黄分 :4.2wt% 窒素分 :2200wtppm バナジウム分 :86.2wtppm ニッケル分 :28.0wtppm 比較例1 実施例1においてポリエチレングリコールを使用しなか
ったこと以外は同様に実施した。調製した金属含浸液の
表面張力γは71.6、γ/η値は39.5、残留炭素
分は0.1wt%未満であった。
【0087】比較例2 実施例1においてポリエチレングリコールの使用量を5
00gとした以外は同様に実施した。調製した金属含浸
液の表面張力γは54.9、γ/η値は0.8、残留炭
素分は0.1wt%未満であった。
【0088】比較例3 比較例2において金属含浸液を触媒担体に含浸した後、
100℃で12時間乾燥し、焼成しなかった以外は同様
に実施した。残留炭素分は12.4wt%であった。
【0089】実施例2 三酸化モリブデン 143g、塩基性炭酸ニッケル(N
iCO3・2Ni(OH)2・4H2O)76g、酒石酸
126g、平均分子量4000のポリエチレングリー
ル 50gを水に溶解し、全量を1000mlとした。
得られた金属含浸液の表面張力γは63.5、γ/η値
は17.8であった。
【0090】約6のSiO2/A123モル比の市販の
アンモニウム−超安定性ゼオライトを水蒸気の存在下で
700℃にて1時間処理し、得られたゼオライト 64
0gを含水率60wt%のアルミナ水和物 900gと
混練し、押し出し成型し、120℃で3時間乾燥した
後、空気流通下で550℃で3時間焼成した。次いで、
得られた触媒担体 1kgに上記の金属含浸液を減圧下
で含浸し、空気流通下にて550℃で3時間焼成した。
得られた触媒は焼成重量当り、酸化ニッケルとして4w
t%を、三酸化モリブデンとして12wt%を含有して
いた。残留炭素分は0.1wt%未満であった。
【0091】調製した触媒を、固定床マイクロリアクタ
ーを用いて、以下の条件で反応評価した結果、反応開始
後400時間の原料油の343℃+留分の分解率は表2
の通りであった。
【0092】温度 :410℃ 水素分圧:135kg/cm2G LHSV:0.3h-1 水素/油:700Nm3/kl 比較例4 実施例2においてポリエチレングリコールを使用しなか
ったこと以外は同様に実施した。調製した金属含浸液の
表面張力γは74.7、γ/η値は38.4で残留炭素
分は0.1wt%未満であった。
【0093】
【表1】 本発明により調製した触媒は、従来技術により調製した
触媒(金属含浸液の表面張力及びγ/η値が好適な範囲
に入っていないもの、あるいは触媒を焼成しなかったも
の)より脱硫活性が高いことがわかる。
【0094】
【表2】 本発明により調製した触媒は、従来技術により調製した
触媒(金属含浸液の表面張力及びγ/η値が好適な範囲
に入っていないもの)より水素分解活性及び水素化脱金
属活性が高いことがわかる。
【0095】
【発明の効果】本発明の水素化触媒製造用含浸液は重質
油(常圧残油、減圧残油、オイルサンド油等)をはじめ
とする各種の炭化水素油の水素化処理に対して高活性を
示す優れた水素化処理触媒を容易に得ることができる。
【0096】また、本発明の水素化触媒の製造方法で
は、含浸液として本発明の含浸液を用い、従来の含浸液
を用いる方法によって得た従来型の水素化触媒に比べて
ずっと高活性・高性能を示す水素化触媒を容易に得るこ
とができる。
【0097】更にまた、本発明の水素化処理では、上記
本発明の製造方法によって製造した高活性水素化触媒を
用いて炭化水素油の水素化処理を行うので、従来の対応
する水素化処理触媒を用いる場合と比べて、水素化脱硫
等の各種の水素化処理反応をより温和な条件でも効率よ
く行うことができ、特に、重質油等の硫黄分や窒素分更
には重金属分の多い重質な炭化水素油の水素化処理を効
率よく行うことができ、これによって、硫黄分等が著し
く低減された有用炭化水素留分を収率よく得ることがで
きる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水又は水を主成分とする水系溶媒に、モ
    リブデン化合物及びタングステン化合物から選ばれる少
    なくとも1種の金属化合物並びに周期表VIII族金属
    の化合物から選ばれる少なくとも1種の金属化合物と、
    沸点が300℃以上の水溶性有機化合物とを溶解してな
    る水溶液であって、30℃における表面張力γが55.
    0〜70.0dyn/cmの範囲にあり、かつ、同温度
    における表面張力γと粘度ηの比γ/ηが4.0〜3
    5.0(dyn/cm)/cPの範囲にあることを特徴
    とする水素化触媒製造用含浸液。
  2. 【請求項2】 前記沸点が300℃以上である水溶性有
    機化合物がポリエチレングリコール及び/又はポリエチ
    レングリコール系界面活性剤である請求項1に記載の水
    素化触媒製造用含浸液。
  3. 【請求項3】 前記ポリエチレングリコール及びポリエ
    チレングリコール系界面活性剤が、ポリオキシエチレン
    鎖の平均分子量が300〜6000の範囲にあるもので
    ある請求項2に記載の水素化触媒製造用含浸液。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれかに記載の水素化触
    媒製造用含浸液を用いて該含浸液中に含まれる一部又は
    全ての活性金属成分を触媒担体に担持した後、該担持物
    を残留炭素含量が1.0重量%以下になるように焼成す
    ることを特徴とする水素化触媒の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の水素化触媒を用いるこ
    とを特徴とする炭化水素油の水素化処理方法。
  6. 【請求項6】 炭化水素油が重質油である請求項5に記
    載の炭化水素油の水素化処理方法。
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