JP2794320B2 - 炭化水素油用水素化処理触媒組成物の製造方法 - Google Patents
炭化水素油用水素化処理触媒組成物の製造方法Info
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高度な水素化処理、特に水素化脱硫処理に使用される触
媒組成物の製造方法に関する。更に詳しくは、例えばア
ルミナゲルと亜鉛,コバルト又はニッケル化合物の水溶
液とを混練,焼成等することにより高い比表面積を有す
る金属酸化物の複合担体を得、これに水素化活性成分を
担持させる工程を経る炭化水素油用水素化処理触媒組成
物の製造方法に関する。
水素油を燃料として使用した場合には、該硫黄化合物中
の硫黄が硫黄酸化物に転化し、大気中に排出される。
酸化物による大気汚染をできるだけ抑制するために、該
炭化水素油の硫黄含有量を予め減少させておく必要があ
る。
硫によって達成することができる。
で取り上げられている昨今、現状の技術レベル以上の硫
黄分の除去が望まれている。
記の炭化水素油の接触水素化脱硫工程の運転条件、例え
ばLHSV,温度,圧力を苛酷にすることで、ある程度達成
することができる。
させ、触媒の活性を低下させる。特に、炭化水素油が軽
質留分の場合、色相安定性や貯蔵安定性等の性状面の悪
影響もある。
て深度な脱硫を得るには、限度がある。
する触媒を開発することである。
方法としては、周期律表第6B族金属塩及び第8族金属塩
の水溶液を担体に含浸させた後、乾燥及び焼成するいわ
ゆる「含浸法」、アルミナあるいはアルミナゲルを分散
させた水溶液中に周期律表第6B族金属塩の水溶液及び第
8族金属塩の水溶液を加えて金属化合物を沈澱させる
「共沈法」、アルミナあるいはアルミナゲル,周期律表
第6B族金属塩の水溶液及び第8族金属塩の水溶液の混合
ペーストを混練しながら加熱し、水分除去を行う「混練
法」がある(「触媒調製化学」,尾崎萃編,講談社サイ
エンティック,250〜252頁参照)。
のはアルミナである。そのアルミナの製法としては、硫
酸アルミニウムとアルミン酸ナトリウムの夫々の水溶液
を混合し、pH調整後、熟成し、水酸化アルミニウムの沈
澱を生成して得る方法(J.A.Lewis,J.Appl.Chem.,8.223
(1958)),アルミニウム金属を塩化アルミニウム水溶
液に溶解して塩基性塩化アルミニウムヒドロゲルを生成
して得る方法(Universal Oil Products,特公昭29−197
7号),硫酸アルミニウム溶液を炭酸カルシウム溶液中
で中和し、塩基性硫酸アルミニウムのコロイド溶液を生
成して得る方法(Mizusawa Kagaku Kogyo,USP3,183,194
(1965))等が報告されている。
ニア,ボリア等をアルミナと組み合わせたアルミナ−シ
リカ,アルミナ−チタニア,アルミナ−ボリア等も担体
として使用される場合がある。
トリウム溶液から得られるシリカヒドロゲルと硝酸アル
ミニウム溶液から得られるアルミナゲルを混合して得る
方法(特公昭55−44795号)等が報告されている。ま
た、アルミナ−チタニア,アルミナ−ボリア担体も同様
の方法により製造することができる。
担持させた触媒が炭化水素油の水素化脱硫触媒として広
く使用されている。
規模で取り上げられている昨今において、現状のレベル
以上の高い活性を有する触媒を得ることはできない。
を高めるには、高い比表面積を有する担体を用い、これ
に活性金属を高度に分散させることが必要である。
が極めて重要であり、前述の従来技術で得られる担体よ
りも、更に活性金属の分散性を高め得る担体を製造する
必要がある。
素化脱硫活性金属を高分散性で担持することができ、こ
の結果、脱硫活性を高めることのできる炭化水素油用水
素化処理触媒組成物の製造方法を開発することにある。
を重ねた結果、先ず、通常のこの種の触媒担体に用いら
れているアルミナに亜鉛,コバルト,ニッケル化合物の
中から選ばれる1種以上の基材を担体の第2の成分とし
て特定の方法で配合させ、次いで、これに触媒活性成分
を担持させるという工程を経ることにより、その触媒活
性成分の高度の分散を可能にすることを見い出し、本発
明を完成するに至った。
亜鉛,コバルト又はニッケル化合物の少なくとも1種の
水溶液とを、混練し、成型、乾燥、焼成して金属酸化物
の複合体を得、その後、周期律表第6B族金属の中から選
ばれる少なくとも1種及び第8族金属の中から選ばれる
少なくとも1種の水素化活性成分を担持させることを特
徴とする炭化水素油用水素化処理触媒組成物の製造方法
を要旨とする。
アルミナの前駆物質のアルミナゲルは、例えば、硫酸ア
ルミニウム等のアルミニウム塩をアンモニウムのような
塩基で中和し、あるいはアルミン酸ナトリウムのような
アルミン酸塩を酸性アルミニウム塩又は酸で中和し、生
成したゲルをアンモニア水等で充分洗浄して得ることが
できる。
はニッケルの酸化物の前駆物質は、工業的に入手可能な
硝酸塩,硫酸塩,塩化物等の水溶液又は水酸化物でよ
く、原料は特定されない。
て、約0.5〜8.0重量%、好ましくは約1.0〜5.0重量%で
ある。
ナゲルと、亜鉛,コバルト又はニッケル化合物の中から
選ばれた少なくとも1種の水溶液又は水酸化物とを混練
機に入れて充分に混練する。
くは約40〜80℃で、約3〜6時間混練することが適して
いる。
調節がなされる。
ように成型し、乾燥し、約350〜600℃、好ましくは約40
0〜550℃で、約3時間以上、好ましくは約12〜24時間焼
成して担体を得る。
例えば、所望の担体の前駆物質を所望の寸法及び形状の
開口を有するダイスを介して押し出し後、所望の長さに
切断する方法等により、成型粒子とされる。
硫用触媒として通常良く使用されている各種の金属が用
いられる。主として、周期律表第6B族及び第8族の金属
から選ばれる少なくとも1種が用いられ、特に、モリブ
デン,タングステン,コバルト,ニッケルが好適であ
る。
常の方法により行うことができる。
溶液中に浸漬したり、担体とこの溶液を混合させたり、
担体上にこの溶液を滴下させたり、担体を溶液中に浸漬
した状態で水素化活性金属成分の沈澱剤を加え担体上に
水素化活性金属成分を沈着させる等、担体を水素化活性
金属成分を含有する溶液と接触させることにより、担体
上に水素化活性金属成分を担持させる方法が採用でき
る。
が先でもよいし、また同時でもよい。
リブデン化合物としては、パラモリブデン酸アンモニウ
ム,モリブデン酸,モリブデン酸アンモニウム,リンモ
リブデン酸アンモニウム,リンモリブデン酸等があり、
また周期律表第8族金属の溶液として使用できる例えば
ニッケル化合物としては、ニッケルの硝酸塩,硫酸塩,
フッ化物,塩化物,臭化物,酢酸塩,炭酸塩,リン酸塩
等がある。これ以外にも、この種分野において利用でき
るとして当業者間に公知の周期律表第6B族及び第8族金
属化合物が利用できる。
た後、通常の方法により、乾燥、焼成等を行うことが好
ましい。
℃で、約5時間以上、特に約12〜24時間保持するのが好
ましく、焼成は、通常、約350〜600℃、特に約400〜550
℃で、約3時間以上、特に約12〜24時間保持するのが好
ましい。
化物として計算して約7〜25重量%、好ましくは約10〜
20重量%の第6B族金属と、約3〜6重量%、好ましくは
約3〜5重量%の第8族金属とを含有する。これらの水
素化活性金属成分は、上記の焼成後の触媒中において、
大部分が酸化物となり、一部が単体元素になっていると
考えられる。
場合には、この触媒を予備硫化しておく。
黄を含有する炭化水素油や気相硫化物を、高温高圧下で
触媒上に通じる方法等が採用される。
化水素油としては、原油の常圧蒸留留出油及び残渣,減
圧蒸留留出油及び残渣,ビスブレーキング油,タールサ
ンド油,シェールオイル等が挙げられる。
油留分のような中質留出油、減圧蒸留の重質留出油、ア
スファルトを含有する残渣油、あるいはこれらの混合油
の水素化処理を実施するのに好適である。
水素化処理条件は、温度約200〜450℃,圧力約10〜200K
g/cm2,LHSV(液空間速度)約0.1〜5.0Hr-1とすることが
好ましい。
浸担持させたり、共沈担持させる等の方法とは異なり、
亜鉛,コバルト,ニッケルという活性成分の一部を担体
の第2成分として、予め、担体の主要成分であるアルミ
ナに均一な状態で混合されるよう充分混練し、焼成して
おく。
6B族及び第8族金属からなる水素化処理用活性成分を担
持させる。
度の分散性で担持される。この理由は必ずしも明らかで
はないが、上記の第2成分と第6B族及び第8族金属との
親和性によるものと推測される。
本発明方法による触媒は、炭化水素油の水素化処理に対
し、極めて高効率での水素化処理を実現し、地球規模で
の要請に応え得る高度に脱硫された燃料製品を提供する
ことができる。
油と水素との接触による処理を称し、比較的反応条件の
苛酷度の低い水素化精製、比較的苛酷度の高い若干の分
解反応を伴う水素化精製、水添異性化、水素化脱アルキ
ル化、その他の水素の存在下における炭化水素油の反応
を包含するものである。
水素化脱硫,水素化脱窒素,水素化分解を含み、また灯
油留分,軽油留分,ワックス,潤滑油留分の水素化精製
等を包含する。
に説明する。
リウム溶液(Al2O3として約23%含む)と、38.0Kgの硫
酸アルミニウム溶液(Al2O3として約7.9%含む)とをゆ
っくり滴下した。このとき、その溶液のpHは8〜9の間
に保持した。最後に、残っているアルミン酸ナトリウム
溶液を加え、最終的に溶液のpHは11とした。
し、ロ別された沈澱物(アルミナゲル)を、先ずアンモ
ニアを加えてpHを9に調整した水で繰り返し洗浄し、次
いで硝酸を加えてpHを6に調整した水で再び繰り返し洗
浄して、アルミナゲルを得た。
を溶解させて第2成分を調製した。
液を入れ、3時間混練した。
型できる程度の水分量になるように調湿した。
に押し出し成型した。
で550℃で12時間焼成した。
あった。
1252gのパラモリブデン酸アンモニウムを加えて溶解さ
せた。更に、この中に、785gの硝酸ニッケルを加えた。
この溶液には沈澱物はなかった。
調製された触媒担体5Kgを採取して、これに注意深く滴
下した。
℃で12時間乾燥した。最後に、500℃で12時間焼成して
触媒Aを得た この触媒Aには、酸化ニッケルが5重量%,酸化モリ
ブデンが17重量%,酸化亜鉛が3重量%含まれていた。
製した。
ルトを溶解させて第2成分を調製した。
水溶液を入れ、3時間混練した。
型できる程度の水分量になるように調湿した。
に押し出し成型した。
で550℃で12時間焼成した。
あった。
せて、触媒Bを得た この触媒Bには、酸化ニッケルが5重量%,酸化モリ
ブデンが17重量%,酸化コバルトが1重量%含まれてい
た。
製した。
ケルを溶解させて第2成分を調製した。
水溶液を入れ、3時間混練した。
型できる程度の水分量になるように調湿した。
に押し出し成型した。
で550℃で12時間焼成した。
あった。
せて、触媒Cを得た この触媒Cには、酸化ニッケルが6重量%,酸化モリ
ブデンが17重量%含まれていた。
製した。
入れ、3時間混練した。
型できる程度の水分量になるように調湿した。
に押し出し成型した。
で550℃で12時間焼成した。
様の方法で、活性成分を担持させて、触媒Dを得た。
ブデンが17重量%含まれていた。
を550mlのイオン交換水中に溶解させた溶液を注意深く
滴下した。
℃で12時間乾燥した。
ブデンが16重量%,酸化亜鉛が3重量%含まれていた。
〜Eを、下記条件の水素化脱硫の相対活性評価試験で評
価した。
GO)あるいはアラビアンヘビー常圧残油(AH−AR)に対
する水素化脱硫相対活性を内径10mmφの固定床式反応管
を用い、夫々10日目(条件1),20日目(条件2),25日
目(条件3)(反応初期には生成物の硫黄分は少ない
が、日数とともに増加安定するため、10日目,20日目,25
日目とした。)の反応生成物の残留硫黄分(重量%)か
ら得られる初期相対脱硫活性求めた。
表(軽質軽油),第3表(減圧軽油)及び第4表(常圧
残油)に示す。
た触媒A〜Cはいずれも、比較例1,2で製造された触媒
D,Eに比較して、軽質軽油の脱硫活性に優れた結果を示
していることが判る。
等の差による初期相対脱硫活性値間の差は縮まるとされ
ている。しかし、第3表から明らかなように、本発明の
実施例1〜3で製造された触媒A〜Cと、比較例1,2で
製造された触媒D,Eとでは、初期相対脱硫活性値に差が
あり、本発明で製造された触媒A〜Cはいずれも、比較
例で製造された触媒D,Eに比して、減圧軽油の脱硫活性
に優れた結果を示していることが判る。
媒Aは、比較例1で製造された触媒Dに比較して、常圧
残油の脱硫活性に優れた結果を示していることが判る。
性成分の一部を担体の第2成分として、予め、担体の主
要成分であるアルミナに均一に混練して調製した言わば
複合担体に、水素化処理用活性成分を担持させると言う
工程を経るため、水素化処理用活性成分と上記第2成分
との親和性により、従来法による触媒に比べて、飛躍的
に高い分散性で活性成分を担持する触媒を得ることがで
きる。
各留分及び残渣分のいずれの原料油に対しても、従来法
による触媒よりも、大幅に高い脱硫活性を示し、特に、
石油留出原料に対して顕著な効果を有する。
Claims (1)
- 【請求項1】(A)アルミナゲルと、(B)亜鉛,コバ
ルト又はニッケル化合物の少なくとも1種の水溶液と
を、混練し、成型、乾燥、焼成して金属酸化物の複合体
を得、その後、周期律表第6B族金属の中から選ばれる少
なくとも1種及び第8族金属の中から選ばれる少なくと
も1種の水素化活性成分を担持させることを特徴とする
炭化水素油用水素化処理触媒組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2077708A JP2794320B2 (ja) | 1990-03-27 | 1990-03-27 | 炭化水素油用水素化処理触媒組成物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2077708A JP2794320B2 (ja) | 1990-03-27 | 1990-03-27 | 炭化水素油用水素化処理触媒組成物の製造方法 |
Publications (2)
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2077708A Expired - Lifetime JP2794320B2 (ja) | 1990-03-27 | 1990-03-27 | 炭化水素油用水素化処理触媒組成物の製造方法 |
Country Status (1)
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FR2334415A1 (fr) * | 1975-12-08 | 1977-07-08 | Raffinage Cie Francaise | Nouveaux catalyseurs, leur procede de preparation et leur application a la transformation de charges d'hydrocarbures |
GB1561629A (en) * | 1975-12-10 | 1980-02-27 | Ici Ltd | Catalyst |
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-
1990
- 1990-03-27 JP JP2077708A patent/JP2794320B2/ja not_active Expired - Lifetime
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