JPH07107852A - しいたけ人工榾の製法 - Google Patents

しいたけ人工榾の製法

Info

Publication number
JPH07107852A
JPH07107852A JP5156421A JP15642193A JPH07107852A JP H07107852 A JPH07107852 A JP H07107852A JP 5156421 A JP5156421 A JP 5156421A JP 15642193 A JP15642193 A JP 15642193A JP H07107852 A JPH07107852 A JP H07107852A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shiitake
mycelium
substance
artificial
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5156421A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaaki Yamauchi
政明 山内
Takahiko Baba
隆彦 馬場
Marie Tsuji
真利栄 辻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kracie Foods Ltd
Original Assignee
Kanebo Foods Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanebo Foods Ltd filed Critical Kanebo Foods Ltd
Priority to JP5156421A priority Critical patent/JPH07107852A/ja
Publication of JPH07107852A publication Critical patent/JPH07107852A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【効果】 しいたけ菌糸成長促進剤含有水溶液の散布に
より、散水中における雑菌の繁殖を防止すると同時に、
菌糸に対して栄養補給する。 【構成】 容器から取り出された容器培養菌糸体に対し
て、しいたけ菌糸成長促進剤含有水溶液を散水する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、容器培養の菌糸体を
利用したしいたけ人工榾の製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、しいたけ栽培は、しいたけ原木
に種菌を接種し、ムシロ,コモ等で覆って外気が直接ふ
れるのを防ぎ、その状態で菌糸の発育促進を図り(仮り
伏せ)しいたけ菌糸を蔓延させて榾木をつくり、この榾
木を適当な場所に広げて菌糸を発育させ発茸化させるこ
とにより行われている。ところが、このような従来のし
いたけの製法では、しいたけ原木の減少によりその供給
が困難となっており、また長期間の栽培期間を要するこ
とからその短縮化が望まれている。さらに、上記のよう
な農業的生産による作業の煩雑さ等の問題も生じてい
る。このような問題を解決するために鋸屑等を用いて人
工榾木を製造し、これを用いてしいたけを栽培すること
が考えられている。しかしながら、しいたけは、ひらた
け,えのきだけ,なめこ,たもぎだけのような人工榾木
栽培が成功しているような茸とは異なり人工榾木栽培が
困難であり、いまだ産業的に確立された技術がないのが
現状である。
【0003】これまでのしいたけ人工榾栽培としては、
瓶に鋸屑を充填し,これに原菌を接種し栓をして培養し
白色の柔らかな菌糸体を生成させ、生成した菌糸体を瓶
から取り出して散水を施し、適時冷水に浸漬するという
低温ショックを与えて発茸させるという方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法によれば、長期間の栽培(例えば3カ月)では子実
体の収量が安定しないという難点がある。すなわち、雑
菌汚染や菌糸体の衰弱化が認められるからである。した
がって、上記従来の方法では、しいたけ人工榾木栽培の
合理化,量産化の見地からは充分な成果が得られていな
いのが実情である。
【0005】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たもので、子実体発生収量および品質を向上させること
をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明のしいたけ人工榾の製法は、容器から取り
出された容器培養菌糸体に対して散水を施すしいたけ人
工榾の製法であって、上記散水に使用する水としてしい
たけ菌糸成長促進剤含有水溶液を用いるという構成をと
る。
【0007】すなわち、この発明は、菌糸体に対する散
水に際して、その散水に使用する水として、しいたけ菌
糸成長促進剤を含有したものを用いるため、そのしいた
け菌糸成長促進剤が菌糸体の表面から内部に浸透し、そ
れによってしいたけ菌糸に対する害菌の作用を低減ない
しは皆無にしたり、栄養分を補給したりすることにより
子実体発生収量およびその品質を向上させるものであ
る。
【0008】つぎに、この発明について詳しく説明す
る。この発明は、例えばつぎのようにして行うことがで
きる。すなわち、まず、培地組成として鋸屑,米糠,ふ
すま等を用いた固形培地をつくり、この固形培地をポリ
プロピレン製瓶もしくは袋等の容器に充填して加熱滅菌
をする。ついで、種菌を接種して菌糸培養の最適温度
(20〜26℃)で1〜2カ月間菌糸培養を行い、培地
内に菌糸が蔓延したのち容器より取り出す。そして、容
器から取り出された菌糸体を網状棚の上に所定の間隔を
保って並べ、この状態で菌糸体の菌糸を成長させるよう
にし、この菌糸体の菌糸成長過程で、図1に示すよう
に、棚2の上方からスプリンクラー等の散水装置3で菌
糸体1の表面に対して均一に水滴がかかるように適宜散
水を施すようにする。
【0009】この発明では、上記散水に際して使用する
水として抗菌作用を有する物質,水素イオン濃度
(pH)を調節する物質,しいたけ菌糸の栄養源となる
物質を単独でもしくは適宜組み合わせて溶存させたもの
を用いる。すなわち、上記またはを溶存させると、
害菌汚染による弊害を効果的に除去することができ、害
菌に冒されていない良好な榾木を収率よく得ることがで
きるようになり、また、上記を溶存させると、菌糸の
成長が促進され、菌糸がよく成長した良好な榾木を収率
よく得ることができるようになる。上記〜は、単独
で用いるよりも併用する方が優れた効果が得られるもの
であり、実用上は併用することが妥当である。
【0010】上記の抗菌作用を有する物質は、しいた
け菌糸の成長を強く阻害しない物質であって抗菌作用を
有するものであればどのようなものも使用できるが、特
に抗バクテリヤ効果を有するものが好適である。その一
例として、次亜塩素酸ナトリウム,サラシ粉,シュガー
エステル,ソルビン酸,チアベンダゾール,プロピレン
グリコール,プロピオン酸,ストレプトマイシン,ジチ
アノン剤(メルクデラン水和剤),ベノミル剤(ベンレ
ート水和剤)があげられ、単独でもしくは2種以上を組
み合わせて用いられる。上記物質の使用に際しては、上
記物質を水に溶解しその濃度を、通常上記物質が使用さ
れている濃度よりも薄め、これを散水に使用する水に混
ぜて使用することが望ましい。そして、このような物質
の溶存している水を常時用いて散水してもよいし、溶存
した水と、溶存していない水とを交互に用いてもよい。
【0011】上記の水素イオン濃度を調節する物質と
しては、無機酸,有機酸およびその塩類があげられる。
その一例として、塩酸,クエン酸,フマル酸,乳酸,酢
酸,フミン酸,リン酸塩,硫酸塩,硝酸塩,カリウム塩
等があげられる。適正なpH値域は、pH2.5〜pH7であ
り、望ましくはpH4〜pH5である。上記のしいたけ菌
糸の栄養源となる物質としては、単糖,オリゴ糖,各種
元素を含む塩類,ビタミン類,ミネラル類等があげられ
る。
【0012】このように、この発明は上記のようなしい
たけ菌糸成長促進剤を含有させた水溶液を散水に用いる
ため、上記しいたけ菌糸成長促進剤の作用により、菌糸
塊に対する雑菌の付着繁殖が阻止され、また菌糸に対す
る栄養素の補給を可能ならしめるものである。この場
合、散水は菌糸体が18〜28℃の温度を保つようにし
て少なくとも初期10日間以上行うことが望ましい。散
水期間が10日未満では、その後発茸させる時などに再
び害菌汚染が生ずる可能性があるからである。この場
合、雰囲気温度を上記の温度に保つことによって菌糸体
の温度を上記の温度に保つようにしてもよいし、散水に
用いる水の温度を上記の温度に設定して菌糸体の温度を
上記の温度に保つようにしてもよい。このように、特殊
な成分を含有させた水溶液を散水することによって菌糸
体1は、菌糸の活性が増々高くなり害菌抵抗性が増加す
る。その後子実体発生に際しては、公知の冷水処理もし
くは変温環境(10〜20℃)静置等を行うが、このと
き散水に使用する水として、この発明のしいたけ菌糸成
長促進剤含有水溶液を用いてもよい。
【0013】
【発明の効果】以上のように、この発明は、散水中にお
ける雑菌の付着活性を強力に防止すると同時に菌糸に対
して栄養素等の補給も可能にするものであり、それによ
って、しいたけ菌糸の成長を促進し、早期に発芽を達成
しうるようになるのである。その結果、しいたけ人工榾
木を効率よく製造しうると同時に、得られるしいたけ人
工榾木が雑菌等に冒されず、活性に優れるようになるた
め、子実体収量の増加および品質の向上効果が得られる
ようになる。
【0014】つぎに、この発明を実施例にもとづいて説
明する。 〔菌糸体の培養〕まず、つぎのようにして菌糸体を培養
した。すなわち、鋸屑,米糠,ふすまを8:1:1の割
合で混合し、これに水を加えて培地をつくり、この培地
をポリプロピレン製1kg詰容器に充填しフィルター付
キャップを装着した。これを121℃で90分間加圧高
温減菌し、しいたけ種菌を接種し25℃の温度で培養し
た。このようにして2カ月培養を続け菌糸が蔓延したの
を確認したうえ、菌糸体を容器から取り出した。つぎ
に、このようにして取り出した菌糸体を棚に並べ、図1
に示すようにスプリンクラーから下記のしいたけ菌糸成
長促進剤を含有させた水溶液を10日間散水した。散水
は連続散水であり、温度は20〜25℃に設定し行っ
た。
【0015】
【実施例1】散水をつぎのようにして行った。すなわ
ち、次亜塩素酸ナトリウム100ppm溶液を散水用貯水
タンク内で調整し、これを連続的に10日間散水した。
【0016】
【実施例2】散水に用いる水としてフマル酸を市水に添
加してpHを4.5±0.5に調整したものを用いた。そ
れ以外は実施例1と同様にしてしいたけ人工榾木を得
た。
【0017】
【実施例3】散水をつぎのようにして行った。すなわ
ち、K2HPO4, NH4NO3, KNO4の等量混合物にこれと同量の
糖蜜を加え、この混合物を市水を用いて0.01重量%
(以下「%」と略す)濃度に調整した。それ以外は実施
例1と同様にしてしいたけ人工榾木を得た。
【0018】
【実施例4】散水をつぎのようにして行った。すなわ
ち、市水にサラシ粉を有効塩素で10ppm 溶解し、これ
に廃糖蜜を0.01%加え、ポリリン酸ナトリウム,乳
酸によってpHを4〜5に調整した。それ以外は実施例1
と同様にしてしいたけ人工榾木を得た。
【0019】
【比較例】上記実施例1と同様にして菌糸体をつくり、
これを棚に並べて実施例1と同様にして5日間培養し
た。そして、得られた菌糸体に対して市水を実施例1と
同条件で散水した。以上の実施例および比較例における
散水条件と、害菌汚染率および子実体発生収量とを下記
の表にまとめて示した。
【0020】
【表1】
【0021】なお、茸の発生収率は、しいたけ人工榾木
を8〜18℃の温度条件下において栽培し、3カ月間に
収穫されたしいたけの生産量を、人工榾木の総重量で除
算することにより求めた。
【0022】上記の表の結果より、実施例で得られた人
工榾木によれば、しいたけ人工榾木の害菌汚染率が低
く、しかもしいたけ発生率の著しい向上効果を得ること
ができる。これに対して、散水に市水を用いた比較例で
は、害菌汚染率,発生収率とも実施例に比べて見劣りす
る結果となっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の説明図である。
【符号の説明】
1…菌糸塊 2…網状棚 3…散水装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器から取り出された容器培養菌糸体に
    対して散水を施すしいたけ人工榾の製法であって、上記
    散水に使用する水としてしいたけ菌糸成長促進剤含有水
    溶液を用いることを特徴とするしいたけ人工榾の製法。
  2. 【請求項2】 容器培養菌糸体に対する散水が、菌糸体
    が18〜28℃の温度を保つようにして少なくとも初期
    10日間以上行われる請求項1記載のしいたけ人工榾の
    製法。
  3. 【請求項3】 しいたけ菌糸成長促進剤含有水溶液にお
    けるしいたけ菌糸成長促進剤が、抗菌作用を有する物
    質,水素イオン濃度を調節する物質およびしいたけ菌糸
    の栄養源となる物質からなる群から選択された少なくと
    も一つの物質である請求項1または2記載のしいたけ人
    工榾の製法。
  4. 【請求項4】 抗菌作用を有する物質が、次亜塩素酸ナ
    トリウム,サラシ粉,シュガーエステル,ソルビン酸,
    チアベンダゾール,プロピレングリコール,プロピオン
    酸,ストレプトマイシン,ジチアノン剤(メルクデラン
    水和剤)およびベノミル剤(ベンレート水和剤)からな
    る群から選択された少なくとも一つの化合物である請求
    項3記載のしいたけ人工榾の製法。
  5. 【請求項5】 水素イオン濃度を調節する物質が、塩
    酸,クエン酸,フマル酸,乳酸,酢酸,フミン酸,リン
    酸塩,硫酸塩および硝酸塩,カリウム塩からなる群から
    選択された少なくとも一つの化合物である請求項3記載
    のしいたけ人工榾の製法。
  6. 【請求項6】 しいたけ菌糸の栄養源となる物質が、単
    糖,オリゴ糖,各種元素を含む塩類,ビタミン類および
    ミネラル類から選択された少なくとも一つの化合物であ
    る請求項3記載のしいたけ人工榾の製法。
JP5156421A 1993-06-28 1993-06-28 しいたけ人工榾の製法 Pending JPH07107852A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5156421A JPH07107852A (ja) 1993-06-28 1993-06-28 しいたけ人工榾の製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5156421A JPH07107852A (ja) 1993-06-28 1993-06-28 しいたけ人工榾の製法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61151918A Division JPH0687712B2 (ja) 1986-06-25 1986-06-25 しいたけ人工榾の製法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07107852A true JPH07107852A (ja) 1995-04-25

Family

ID=15627386

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5156421A Pending JPH07107852A (ja) 1993-06-28 1993-06-28 しいたけ人工榾の製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07107852A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116024105A (zh) * 2023-02-15 2023-04-28 上海市农业科学院 香菇液体菌种发酵培养基、其制备方法及发酵培养方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59173020A (ja) * 1983-03-23 1984-09-29 カネボウ食品株式会社 しいたけ人工榾木の製法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59173020A (ja) * 1983-03-23 1984-09-29 カネボウ食品株式会社 しいたけ人工榾木の製法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116024105A (zh) * 2023-02-15 2023-04-28 上海市农业科学院 香菇液体菌种发酵培养基、其制备方法及发酵培养方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20090305888A1 (en) Materials and Methods for Providing Oxygen to Improve Seed Germination and Plant Growth
CN103172438A (zh) 无土栽培营养液
US4674228A (en) Process of shiitake (lentinus edodes) cultivation
JPH0283287A (ja) マッシュルームの栽培用コンポストとマッシュルーム栽培法
JPH0567121B2 (ja)
CN108782061A (zh) 一种预防菠萝裂果及裂杆的处理方法
KR101602743B1 (ko) 벼의 직파재배용 비료 조성물
CN103725635A (zh) 一种用于草莓种植的复合益生菌
CN110100519B (zh) 一种改善土壤性质、提高辣椒维生素c和蛋白质含量的施肥方法
JPS59173020A (ja) しいたけ人工榾木の製法
JPS63501286A (ja) 微生物性植物成長促進剤と収量増強剤
JPH05213686A (ja) ハウス栽培用植物生理活性促進剤
JPH07107852A (ja) しいたけ人工榾の製法
RU97112878A (ru) Формононетинат щелочного металла и способ микоризной стимуляции
KR100325991B1 (ko) 노목의 재생방법
JPS637722A (ja) しいたけ人工榾の製法
CN108076983B (zh) 一种有机蔬菜的种植育苗方法
WO2021179150A1 (zh) 一种非转基因木瓜的栽培方法
KR101295754B1 (ko) 식물 생장 촉진제 조성물 및 이를 이용한 식물의 재배 방법
JPH0817636B2 (ja) しいたけ人工榾木の製法
CN108064635A (zh) 一种蘑菇栽培培养料的制备方法
KR100295342B1 (ko) 두채식물의재배방법
CN106888794A (zh) 一种控制绿豆田间裂荚的方法
CN107278598A (zh) 一种富硒西瓜的大棚种植方法
JPH093452A (ja) 土壌膨軟化促進材およびそれを用いる土壌改善方法