JPH0687712B2 - しいたけ人工榾の製法 - Google Patents

しいたけ人工榾の製法

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JPH0687712B2
JPH0687712B2 JP61151918A JP15191886A JPH0687712B2 JP H0687712 B2 JPH0687712 B2 JP H0687712B2 JP 61151918 A JP61151918 A JP 61151918A JP 15191886 A JP15191886 A JP 15191886A JP H0687712 B2 JPH0687712 B2 JP H0687712B2
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mycelium
shiitake
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watering
mushrooms
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政明 山内
隆彦 馬場
真利栄 辻
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カネボウ食品株式会社
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、容器培養の菌糸体を利用したしいたけ人工
榾の製法に関するものである。
〔従来の技術〕
一般に、しいたけ栽培は、しいたけ原木に種菌を接種
し、ムシロ,コモ等で覆つて外気が直接ふれるのを防
ぎ、その状態で菌糸の発育促進を図り(仮り伏せ)しい
たけ菌糸を蔓延させて榾木をつくり、この榾木を適当な
場所に広げて菌糸を発育させ発茸化させることにより行
われている。ところが、このような従来のしいたけの栽
培法では、しいたけ原木の減少によりその供給が困難と
なつており、また長期間の栽培期間を要することからそ
の短縮化が望まれている。さらに、上記のような農業的
生産による作業の煩雑さ等の問題も生じている。このよ
うな問題を解決するために鋸屑等を用いて人工榾木を製
造し、これを用いてしいたけを栽培することが考えられ
ている。しかしながら、しいたけは,ひらたけ,えのき
だけ,なめこ,たもぎだけのような人工榾の製造が成功
しているような茸とは異なり人工榾の製造が困難であ
り、いまだ産業的に確立された技術がないのが現状であ
る。
これまでのしいたけ人工榾栽培としては、瓶に鋸屑を充
填し,これに原菌を接種し栓をして培養し白色の柔らか
な菌糸体を生成させ、これを取り出して榾木化し、つい
で適時冷水に浸漬するという低温シヨツクを与えて発茸
させるという方法がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記の方法によれば、長期間の栽培(例
えば3カ月)では子実体の収量が安定しないという難点
がある。すなわち、雑菌汚染や菌糸体の衰弱化が認めら
れるからである。
したがつて、上記従来の方法では、しいたけ人工榾木栽
培の合理化,量産化の見地からは充分な成果が得られて
いないのが実情である。一方、しいたけ原木を用いてし
いたけを栽培する際に、栽培を繰り返して、しいたけ原
木榾の活力が衰えたときに、その榾を、デイステイラー
ズ・ソリブルス水性液に浸漬し、しいたけの発茸数を増
やすという技術が提案されている(特開昭55−145605
号)。しかし、この技術は、単に栽培末期の原木榾に対
し発茸するしいたけの芽の数を一時的に増加させるだけ
のものであり、その増加した分だけ次回の収穫量は低下
するため、全体的にはしいたけの増産にはならないとい
う欠点を有しており、実用的ではない。
この発明は、このような事情に鑑みなされたもので、子
実体発生収量および品質を向上させることをその目的と
する。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するため、この発明のしいたけ人工榾
の製法は、容器から取り出された容器培養菌糸体に対し
て散水を施すしいたけ人工榾の製法であつて、上記容器
から取り出された容器培養菌糸体を、閉鎖空間内で培養
することなく、即座に開放空間内に置き、その状態で、
最初に、抗菌剤含有水溶液を用いて、上記菌糸体を18〜
28℃の温度に保つようにして10日間以上散水を行うよう
にしたという構成をとる。
〔作用〕
すなわち、この発明は、容器から取り出された容器培養
菌糸体を、閉鎖空間内で培養することなく、即座に開放
空間内に置き、その初期散水として、抗菌剤含有水溶液
を用い、所定の散水条件で散水を行うようにしたもので
ある。このようにすると、上記抗菌剤含有水溶液が菌糸
体表面から内部に浸透し、それによつてしいたけ菌糸に
対する害菌の作用が低減され、あるいは皆無になるた
め、この操作を経由したしいたけ人工榾は、一旦閉鎖空
間内で培養(例えば近飽和湿度下で菌糸体表面にさらに
新たな菌糸層を形成させる)する作業をしなくても、子
実体発生収量およびその品質が向上する。
つぎに、この発明について詳しく説明する。
この発明は、例えばつぎのようにして行うことができ
る。すなわち、まず、培地組成として鋸屑,米糠,ふす
ま等を用いた固形培地をつくり、この固形培地をポリプ
ロピレン製瓶もしくは袋等の容器に充填して加熱滅菌を
する。ついで、種菌を接種して菌糸培養の最適温度(20
〜26℃)で1〜2カ月間菌糸培養を行い、培地内に菌糸
を蔓延させることにより、培養菌糸体を得る。この発明
では、このように容器内での培養によつて形成された菌
糸体を「容器培養菌糸体」といい、以下これを「菌糸
体」と略す。つぎに、この菌糸体を容器から取り出した
のち網状棚の上に所定間隔を保つて並べ、この状態で菌
糸体の菌糸を成長させるようにし、この菌糸体の菌糸成
長過程で、図面に示すように、棚2の上方からスプリン
クラー等の散水装置3で菌糸体1の表面に対して均一に
水滴がかかるように適宜散水を施すようにする。
なお、上記菌糸体1に対する散水は、容器より取り出し
た直後から、これを開放空間に置いて施すことが最適で
ある。ただし、この場合、散水した水が菌糸体1に過剰
に吸水されないよう、細霧ノズル等を用いてより微細な
水滴を散水することが望ましい。
この発明では、上記散水に際して、使用する水として、
抗菌剤を含有させたものを用いる。すなわち、これによ
り、害菌汚染による弊害を効果的に除去することがで
き、害菌に冒されていない良好な榾木を収率よく得るこ
とができるようになる。
上記抗菌剤としては、しいたけ菌糸の成長を強く阻害し
ない物質であつて抗菌作用を有するものであればどのよ
うなものも使用できるが、特に抗バクテリヤ効果を有す
るものが好適である。その一例として、次亜塩素酸ナト
リウム,サラシ粉,シユガーエステル,ソルビン酸,チ
アベンダゾール,プロピレングリコール,プロピオン
酸,ストレプトマイシン,ジチアノン剤(メルクデラン
水和剤),ベノミル剤(ベンレート水和剤)があげら
れ、単独でもしくは2種以上を組み合わせて用いられ
る。上記物質の使用に際しては、上記物質を水に溶解し
その濃度を、通常上記物質が使用されている濃度よりも
薄め、これを散水に使用する水に混ぜて使用することが
望ましい。そして、このような物質の溶存している水を
常時用いて散水してもよいし、溶存した水と、溶存して
いない水とを交互に用いてもよい。
このように、この発明は散水用の水として、抗菌剤含有
水溶液を用いるため、菌糸体に対する雑菌の付着繁殖が
阻止されるようになる。
この場合、容器から取り出した菌糸体に対する最初の散
水は、菌糸体を18〜28℃の温度に保つようにして10日間
以上行うことが必要である。容器から取り出した菌糸体
に対する最初の散水期間が10日未満では、その後発茸さ
せる時などに再び害菌汚染が生ずる可能性があるからで
ある。この場合、雰囲気温度を上記の温度に保つことに
よつて菌糸体の温度を上記の温度に保つようにしてもよ
いし、散水に用いる水の温度を上記の温度に設定して菌
糸体の温度を上記の温度に保つようにしてもよい。この
ように、抗菌剤を含有させた水溶液を散水することによ
つて菌糸体1は、害菌抵抗性が増加する。この場合、上
記水溶液にしいたけ菌糸成長促進剤、例えば、単糖,オ
リゴ糖,各種元素を含む塩類,ビタミン類,ミネラル類
等を併用するようにしてもよい。そして、その後子実体
発生に際しては、公知の冷水処理もしくは変温環境(10
〜20℃)静置等が行われる。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明は、容器から取り出された容器
培養菌糸体を、閉鎖空間内で培養することなく、即座に
開放空間内に置き、その初期散水として、抗菌剤含有水
溶液を用い、所定の散水条件で散水を行うことによりし
いたけ人工榾を得るようにしたものである。したがつ
て、このしいたけ人工榾を用いてしいたけ栽培を行う
と、しいたけ菌糸に対する害菌の作用が低減され、ある
いは皆無になり、子実体発生収量の増加およびその品質
の向上効果を実現することができる。
つぎに、この発明を実施例にもとづいて説明する。
〔容器培養菌糸体の調整〕 まず、つぎのようにして容器培養菌糸体を調製した。す
なわち、鋸屑,米糠,ふすまを8:1:1の割合で混合し、
これに水を加えて培地をつくり、この培地をポリプロピ
レン製1kg詰容器に充填しフイルター付キヤツプを装着
した。これを121℃で90分間加圧高温減菌し、しいたけ
種菌を接種し25℃の温度で培養した。このようにして2
カ月培養を続け菌糸が蔓延したのを確認したうえ、菌糸
体を容器から取り出した。つぎに、このようにして取り
出した菌糸体を棚に並べ、その直後から、図に示すよう
にスプリンクラーから下記の抗菌剤を含有させた水溶液
を10日間散水した。散水は連続散水であり、温度は20〜
25℃に設定し行つた。
〔実施例1〜10〕 後記の第1表に示す抗菌剤が同表に示す割合で溶解され
ている水溶液を散水用貯水タンク内に入れ、これを同表
に示す期間、同表に示す状態で散水した。
〔比較例1〕 上記実施例と同様にして菌糸体をつくり、これを棚に並
べて実施例と同様にして5日間培養した。そして、得ら
れた菌糸体に対して工業用水を後記の第1表に示す状態
で同表に示す期間散水した。
以上の実施例および比較例における。害菌汚染率および
子実体発生収量とを後記の第1表にまとめて示した。
なお、茸の発生収率は、しいたけ人工榾木を8〜18℃の
温度条件下において栽培し、3カ月間に収穫されたしい
たけの生産量を、人工榾木の総重量で除算することによ
り求めた。
上記の第1表の結果より、実施例で得られた人工榾木に
よれば、しいたけ人工榾木の害菌汚染率が低いことか
ら、しいたけ子実体の発生率の向上効果を得ることがで
きる。これに対して、散水に工業用水を用いた比較例で
は、害菌汚染率および発生収率とも実施例に比べて見劣
りする結果となつている。
【図面の簡単な説明】
図面はこの発明の一実施例の説明図である。 1……菌糸体、2……網状棚、3……散水装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】容器から取り出された容器培養菌糸体に対
    して散水を施すしいたけ人工榾の製法であつて、上記容
    器から取り出された容器培養菌糸体を、閉鎖空間内で培
    養することなく、即座に開放空間内に置き、その状態
    で、最初に、抗菌剤含有水溶液を用いて、上記菌糸体を
    18〜28℃の温度に保つようにして10日間以上散水を行う
    ようにしたことを特徴とするしいたけ人工榾の製法。
  2. 【請求項2】抗菌剤が、次亜塩素酸ナトリウム,サラシ
    粉,シユガーエステル,ソルビン酸,チアベンダゾー
    ル,プロピレングリコール,プロピオン酸,ストレプト
    マイシン,ジチアノン剤およびベノミル剤からなる群か
    ら選択された少なくとも一つの化合物である特許請求の
    範囲第1項記載のしいたけ人工榾の製法。
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