JPH07107573B2 - プラスチツク製光フアイバ集束体 - Google Patents

プラスチツク製光フアイバ集束体

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JPH07107573B2
JPH07107573B2 JP61256223A JP25622386A JPH07107573B2 JP H07107573 B2 JPH07107573 B2 JP H07107573B2 JP 61256223 A JP61256223 A JP 61256223A JP 25622386 A JP25622386 A JP 25622386A JP H07107573 B2 JPH07107573 B2 JP H07107573B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、プラスチック製光ファイバを複数本配列
し、かつ、相互が樹脂で接着された通信、照明、ディス
プレイ、装飾用などに用いられるプラスチック製光ファ
イバ集束体に関する。
[従来の技術] プラスチック製光ファイバ集束体(以下「光ファイバ集
束体」という)としては、複数本の所定長さのプラスチ
ック製光ファイバ(以下「光ファイバという)を1列に
配列し、その光ファイバ相互を接着剤、例えば、エポキ
シ樹脂、アクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール樹脂などの接
着剤で接着されたものが知られており、これは特開昭61
−6603号公報に記載されている。
[発明が解決しようとする問題点] しかし、係る従来の光ファイバ集束体は、用いられてい
る合成樹脂類の特性により、光ファイバと接着剤間の接
着力が弱く、かつ、集束体の全体が硬いものになるとい
う問題があった。
例えば、光ファイバを複数本シート状に密接配列した、
いわゆる光ファイバーシートの場合には、任意の位置で
光ファイバを引き裂こうとしても、他の位置が引き裂か
れたり、また、この光ファイバシートから何らかの加工
品を製作しようとした時に光ファイバの特徴である可撓
性を生かせず加工性も悪いものであった。
そこで、本発明は、前記問題点を解決し、柔軟性、接着
性及び手切れ性に優れた光ファイバ集束体を提供するこ
とを主な目的とする。
[発明の構成] この目的を達成するため本発明の構成は、次の通りであ
る。すなわち、 芯材が有機重合体、鞘材が含弗素系樹脂からなるプラス
チック製光ファイバ(外径D)を複数本配列し、かつ、
該プラスチック製光ファイバ相互が合成樹脂で接着され
たプラスチック製光ファイバ集束体において、該合成樹
脂がエチレン酢酸ビニール共重合体(酢酸ビニール残基
含有率70〜95重量%)であり、かつ、その塗布厚さが上
記Dの値の1/1000〜1/2であることを特徴とするプラス
チック製光ファイバ集束体。
ここで、光ファイバ集束体とは、光ファイバが複数本配
列され、かつ、該光ファイバが相互に合成樹脂で接着さ
れた集束体をいう。例えば、第1図から第4図に示すよ
うに1列に配列された光ファイバ相互を合成樹脂で固め
たものや第5図に示すように、更に、これらを積層した
ものであり、前記光ファイバ集束体を構成する光ファイ
バとは、鞘材が含弗素系樹脂、芯材が有機重合体、例え
ば、メタクリル樹脂、nメチルメタクリレートなどから
なるものである。なお、鞘材の弗素含有量は、特に限定
されないが10〜77重量%であるのが好ましい。
次に、本発明に用いられる合成樹脂とは、エチレン酢酸
ビニール共重合体であり、酢酸ビニール共重合比率が70
〜95重量%のものであり、さらに好ましくは80〜90重量
%のものである。酢酸ビニールの共重合比率が上記範囲
にあると得られた光ファイバ集束体は、粘着性(ベタツ
キ)がなくて程良く柔軟であり、光ファイバ間の接着性
も良好であり、さらには、光ファイバ間の手切れ性が良
好であるという利点を有するからである。酢酸ビニール
樹脂の共重合比率が70重量%未満の場合には、エチレン
酢酸ビニール共重合体自体が極めて粘着性が高いので、
本発明の目的とする用途には使用できない。また、酢酸
ビニールの共重合比率が95重量%を越える場合には、エ
チレン酢酸ビニール共重合体自体が極めて堅いものにな
り、本発明の目的とする用途には使用できない。
なお、前記エチレン樹脂ビニール共重合体は、ポリ酢酸
ビニール単独重合体や、酢酸ビニールとアクリル酸エス
テルとの共重合体、酢酸ビニールと合成飽和モノカルボ
ン酸のビニールエステル“ベオバ”(エッソ化学株式会
社製)との共重合体など他の酢酸ビニール共重合体とは
良く相溶するのでこれら重合体との混合物(ポリマブレ
ンド)としても用いることができる。このポリ酢酸ビニ
ール単独重合体あるいは他種の酢酸ビニール共重合体の
混合比率は、具体的には光ファイバ集束体の使用される
環境条件、例えば、環境温度により決定されるが、エチ
レン酢酸ビニール共重合体を100重量%とした場合、好
ましくは10〜300重量%である。
本発明における酢酸ビニール残基の含有量の測定方法
は、次の通りである。
まず、エチレン酢酸ビニール共重合体単独の場合は、NM
R(核磁気共鳴吸収)分析法による。また、エチレン酢
酸ビニール共重合体が他の酢酸ビニール共重合体と混合
されている場合には、GPC(ゲル、パーミェーション、
クロマトグラフィー)法により、両ポリマを分離、分取
し、しかる後に各成分につき、前記NMR法により酢酸ビ
ニール残基の含有量を測定することができる。
前記合成樹脂の塗布厚さ(乾燥後の厚さ)は、光ファイ
バ集束体としての柔軟性、加工性、手切れ性を良くする
には、その塗布厚さが光ファイバ外径Dの1/1000〜1/2
倍であることが必要であり、1/100〜1/10倍とするのが
好ましい。1/1000倍未満では、光ファイバ間の接着力が
弱く集束体としての形状維持が困難であり、また、1/2
倍を越えると光ファイバ集束体の可撓性が失われ、か
つ、ファイバ間の手切れ性も悪くなるからである。
なお、光ファイバ集束体の製造方法は、次のとおりであ
る。
すなわち、プレートやドラムの表面に光ファイバを密
に、あるいは一定間隔で配列したのち、少なくともその
一面に樹脂を塗布するか、あるいは該樹脂溶液の中に、
一列状に配列された複数本の光ファイバを浸漬、含浸
し、その後これを液中から取り出して一定の合成樹脂付
着量が得られるように表面に付着した樹脂を柔らかいフ
ェルト、スポンジ、あるいはバー、ローラなどによりし
ごき取り、その後、乾燥して所望の長さにカットするこ
とにより得られる。
なお、該合成樹脂溶液は、塗布作業を容易にするため、
メタノールのようなアルコール溶液か水エマルジョン溶
液の状態で取扱うのが好ましい。この方が、光ファイバ
表面を侵さないので安心して用いられるからである。た
だし、前記メタノール、水などは乾燥によって蒸発して
しまうので完成品中には実質的に含まれない。
ところで、上述のようにして一本ずつをシート状に密接
配列して得られた光ファイバシートを、さらに、積層し
て何らかの構造体をつくりあげる場合や、また、他の構
成部材と接着する場合には一般にエポキシ系樹脂が接着
剤として用いられる。しかし、該エポキシ系接着剤は、
光ファイバ、特に、鞘材が含フッ素含有樹脂からなる光
ファイバの場合には光ファイバとの接着性が余り良くな
い。それは光ファイバの外層(鞘材)がフッ素含有樹脂
から成るために、本来的に接着しにくいからである。と
ころが本発明で用いたエチレン酢酸ビニール共重合体
は、従来のエポキシ系樹脂よりはフッ素含有樹脂に対し
て数段優れた接着力を有しているだけでなく、このエポ
キシ系樹脂に対しても優れた接着力を有していることを
見出した。言い換えれば、エポキシ系樹脂に対するプラ
イマ的役割をも果たしているからである。よって、本発
明になる光ファイバ集束体と他の部材との接着剤として
エポキシ系樹脂を用いた場合には、上述のようなプライ
マ的効果により、より一層優れた接着効果を発揮するこ
とができる。
[実施例] 次に、この発明の実施例について、図面を参照しながら
説明する。
(実施例1) 第1図は、この発明の一実施例に係る光ファイバ集束体
の斜視図、第2図ないし第4図は、この光ファイバ集束
体の種々の断面形態を示す断面図である。
第1図において、ポリメチルメタクリレートを芯材1と
し、フッ素含有ポリマを鞘材2として用いたファイバ径
750μmの光ファイバを、円周長1mの円形のドラムに密
に巻きつけた。この巻きつけて得られた光ファイバの密
着集束体の両面に、エチレン酢酸ビニール共重合体(酢
酸ビニール残基含有率85重量%、エチレン残基含有率15
重量%)のメタノール溶液(濃度50重量%)を接着剤3
として塗布した。これを風乾によりメタノール分を完全
に蒸発させると、塗布厚さ0.1mmのややぬめり感のある
第1図に示す光ファイバ集束体4が得られた。第2図
は、上述の場合において、光ファイバ集束体の片面に前
記接着剤を塗布したものである。
次に、第3図に示す光ファイバ集束体は、前記ドラム表
面に光ファイバの直径以上のピッチ、即ち、1mmの等ピ
ッチでV字状溝を刻設してその上に前記光ファイバを巻
き付けて得た光ファイバ集束体に対し、前記接着剤3を
両面から塗布して得られたものであり、第4図はこのよ
うにして得た光ファイバ集束体の片面のみに接着剤を塗
布したものである。
本実施例で得られた光ファイバ集束体を屈曲させ、また
手裂きさせて評価したところ、もろさがなく柔軟であ
り、しかも接着面で剥離せず、光ファイバ間の意図した
位置で容易に引裂くことができ、柔軟性、接着性、手切
れ性のいずれにも優れていた。
(実施例2) 第5図に示す光ファイバ集束体4′は、実施例1で得ら
れた光ファイバ集束体4を、更に、俵積み状に61段重ね
て得た積層体である(完成品外寸は、幅40mm、高さ40m
m、長さ100mm)。この時の積層方法は、光ファイバ集束
体4の上部に被覆されているエチレン酢酸ビニール樹脂
被膜上をメタノールで湿らせたフェルトでゆるく撫で、
メタノールが十分に蒸発し終らない間に、別の光ファイ
バ集束体4を順次貼り合せていったものである。
その結果、従来の接着剤であるエポキシ樹脂,ポリ酢酸
ビニール系樹脂に比較し、接着性も柔軟性も格段に優れ
た光ファイバ集束体を得ることができた。
[発明の効果] 本発明になる光ファイバ集束体は、その接着剤としてエ
チレン酢酸ビニール共重合体を用いたので、他の樹脂か
らなる接着剤を用いた従来品よりも柔軟性、手切れ性が
格段に優れ、さらに他の材料との接着、積層もし易く、
光ファイバの優れた特徴の一つである可撓性の良さをも
そのまま生かし得るものである。
これにより本発明品は、短距離通信、工業用センサ、ラ
イトガイド、装飾用などに用いられる光ファイバ関連製
品製造時の中間製品として幅広い分野で有効に利用する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の一実施例に係る光ファイバ集束体
の斜視図を示し、第2図ないし第4図は、この光ファイ
バ集束体の別の種々の断面形態を示す断面図、第5図
は、第1図に示す光ファイバ集束体を、更に、層状に積
層した場合の斜視図を示す。 図面中の符号の説明 1:光ファイバの芯材 2:光ファイバの鞘材 3:接着剤(エチレン酢酸ビニール共重合体) 4、4′:光ファイバ集束体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芯材が有機重合体、鞘材が含弗素系樹脂か
    らなるプラスチック製光ファイバ(外径D)を複数本配
    列し、かつ、該プラスチック製光ファイバ相互が合成樹
    脂で接着されたプラスチック製光ファイバ集束体におい
    て、該合成樹脂がエチレン酢酸ビニール共重合体(酢酸
    ビニール残基含有率70〜95重量%)であり、かつ、その
    塗布厚さが上記Dの値の1/1000〜1/2であることを特徴
    とするプラスチック製光ファイバ集束体。
JP61256223A 1986-10-28 1986-10-28 プラスチツク製光フアイバ集束体 Expired - Lifetime JPH07107573B2 (ja)

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