JPH0236286A - 粘着性構造体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、粘着性構造体に関し、特に耐候性に優れる粘
着性構造体に関する。

〔従来の技術〕

従来、粘着フィルム、粘着シート等の粘着性構造体とし
て、ポリ塩化ビニルフィルムに接着剤又は粘着剤を塗布
したもの、あるいはポリエチレンフィルムに粘着剤を塗
布したものなどが用いられている。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、上記従来の粘着性構造体は、耐候性に劣り、屋
外で使用した場合には変色、表面の光沢の減少、曲げ強
度の減少、伸び等の低下、接着力の減少又は消失などの
物性の低下等が著しく、また剥離、汚れ等が生じ易い。

例えば、従来の粘着テープに使用されている天然ゴム、
合成ゴム等を主成分とする粘着剤は耐候性に劣り、屋外
で使用した場合には、変色、物性の劣化が著しい。また
耐候性が比較的高いアクリル系粘着剤を使用しても未だ
耐候性が不十分であり、さらにこのアクリル系粘着剤は
非極性表面に粘着し難いこと、低温での粘着力が小さい
こと等の欠点がある。

〔課題を解決するだめの手段］ 本発明者は、耐候性に優れた粘着性構造体を得るべく検
討を重ねたところ、耐候性、耐蝕性、耐薬品性等に優れ
、また加工性にも優れたポリフッ化ビニリデン（以下、
ｒ　ＰＶｄＦ　Ｊと略すことがある）を基材とし、粘着
剤として耐候性に優れたシリコーン系粘着剤を使用し、
離型剤としてこのシリコーン系粘着剤に対する離型性及
び長期間の保存後においても良好な離型性を保持するこ
とができる含フッ素シリコーン系離型剤を使用し、さら
に基材層の表面を低温プラズマ処理することにより、上
記離型剤と基材層との接着性を向上させることができ、
耐候性に優れた粘着性構造体を得ることができることを
見出し、本発明に到達した。

すなわち、本発明は、耐候性に優れた粘着性構造体とし
て、少なくとも一方の表面が低温プラズマ処理された、
ポリフッ化ビニリデン系樹脂からなる基材層、含フッ素
シリコーン系離型剤層及びシリコーン系粘着剤層を有す
る粘着性構造体を提供するものである。

本発明の粘着性構造体は、前記の通りの３層を有するも
のであるが、通常、基材層に対して少なくとも１層の粘
着剤層と少なくとも１層の離型剤層とが積層されてなる
ものである。

また、本発明の粘着性構造体は、前記基材層、粘着剤層
及び離型剤層のみに限定されず、必要に応じて他の層、
例えば貼合基材を前記３層の間又は外側に有することが
できる。この貼合基材は、粘着性構造体に要求される機
能、用途等により適宜選択されるものであり、特に限定
されないが、通常、粘着性構造体の使用時には、剥離さ
れて廃棄されるものであるから、材料としては紙等の安
価なものが使用される。また、厚さ等も用途、機能等に
従って適宜選択される。

本発明の粘着性構造体の構造例としては、図示のものが
挙げられる。

図１に示す例は、基材層の一面に粘着剤層が積層され、
他方の面に離型剤層が積層されているものである。この
構造体は、紙芯等に巻き取る等の操作で、このままの構
造を繰り返して作れば、片面粘着テープ、片面粘着シー
ト等として用いることができるものである。

次に、図２に示す例は、両面に離型剤層が積層された貼
合基材と、両面に粘着剤層が積層された基材層とを貼り
合わせたものである。この構造体は、紙芯等に巻き取る
等の操作で、両面粘着シートとしてだけでなく、両面粘
着テープとして用いることができる。

さらに、図３に示す例は、片面に粘着剤層を積層させた
基材層と、片面に離型剤層を積層させた貼合基材を貼り
合わせた構造のものである。この構造体は、ラベル等に
応用できるものである。

本発明の構造体の基材層を形成するフッ化ビニリデン系
樹脂は、フッ化ビニリデン単独又はフッ化ビニリデンを
含む単量体混合物を重合してなるものである。フッ化ビ
ニリデンを含む単量体混合物は、フッ化ビニリデン及び
フッ化ビニリデンと共重合可能な他の単量体を含むもの
である。このフッ化ビニリデンと共重合可能な他の単量
体としては、例えばテトラクロロエチレン、クロロトリ
フルオロエチレン、フン化ビニル１、ヘキサフルオロプ
ロピレン等のフッ素系単量体、アクリル酸アルキルエス
テル、（メタ）アクリル酸アルキルエステル等の（メタ
）アクリレート系単量体等が挙げられる。これらの他の
単量体は１種又は２種以上組み合わせて用いられてもよ
い。これらの他の単量体は、通常、フッ化ビニリデン系
樹脂中、３０重量％以下程度含まれていてもよい。

また本発明の構造体において、基材層の少なくとも一方
の表面はプラズマ処理されている。すなわち、離型剤層
及び粘着剤層が接する基材層の表面は低温プラズマ処理
される。この低温プラズマ処理によりシリコーン系粘着
剤及び含フッ素シリコーン系離型剤の双方に対して接着
性の高い表面を基材層に形成することができる。特に、
この基材層の離型剤層と接する表面を低温プラズマ処理
することにより、基材層と離型剤層との間の接着性を十
分に高くすることができ、離型剤が粘着剤層に移行する
ことがない。そのため、長期間の保存後でも粘着剤層の
粘着力を良好に保持できる。

この低温プラズマ処理は、通常、一般の方法でよ（、例
えばプラズマ処理装置内で、アルゴンガス雰囲気中、Ｑ
、５Ｔｏｒｒの圧力下、周波数１１０ｋＨｚ、放電電力
密度６Ｗ／ｃ＋１１．放電処理総電力４０Ｗ・秒／Ｃ艷
の条件で行われる。

本発明の構造体における基材層は、ポリフッ化ビニリデ
ン系樹脂からなるものであり、通常、無色透明であるが
、必要に応じて顔料等の着色剤を添加して着色すること
は任意である。

さらに基材層には、充填剤、例えば補強用繊維材（カー
ボン繊維、ガラスクロス、ホイスカー、アラミツド繊維
等）、機能性混和材（磁性、発光、導電、収縮、吸水等
の機能を付与する材料）、金属粉、金属の酸化物、水酸
化物等を添加することも任意である。

本発明の構造体のシリコーン系粘着剤層は、基材層の積
層する面上に、シリコーン系粘着剤を通常、厚さ１０〜
３００μｍ程度、好ましくは２０〜８０μｍ程度に公知
の方法で塗布し、１００〜２００　’Ｃで加熱すること
により得られる。シリコーン系粘着剤層の厚さが薄すぎ
ると、粘着力が不充分となり、また粘着力にむらが生じ
易く、厚すぎるとコスト上昇の原因となるばかりでなく
、かえって接着力が弱くなることがある。

前記粘着剤層に用いられるシリコーン系粘着剤は、例え
ばジメチルポリシロキサンを主成分とするシリコーン系
粘着剤等が挙げられ、好ましくは粘着力が高い点で、ジ
メチルポリシロキサンを主成分とするシリコーン系粘着
剤である。これらは１種単独でも２種以上でも用いるこ
とができる。

前記シリコーン系粘着剤の具体的な市販品としては、信
越化学工業■製ＫＲ−１３０・ＫＲ−１２０・Ｋ　Ｒ−
１０１−１０、トーレシリコーン■製５Ｈ４２８０、東
芝シリコーン■製ＹＲ３３４０、ダウコーニング社製、
ＤＣ２８２等を挙げることができる。

本発明の構造体の含フッ素シリコーン系離型剤層は、基
材層の積層する面上に、含フッ素シリコーン系離型剤を
、通常、厚さ０．１〜５μｍ程度、好ましくは０．５〜
１μｍ程度に公知の方法で塗布し、７０〜１５０°Ｃで
加熱することにより得られる。

含フッ素シリコーン系離型剤層の厚さが薄すぎると、離
型効果が不充分となり、特に離型性にむらが生じ易（、
厚すぎるとコスト上昇の原因となるばかりでな（、フィ
ルムの表面性、物性を損なうこととなる。

前記離型剤層に用いられる含フッ素シリコーン系離型剤
は、例えば特開昭６１−２２８０７８号公報に記載され
たポリフルオロアルキルビニル単量体とシリコーン系ビ
ニル単量体の共重合物を主成分とする含フッ素シリコー
ン系離型剤が挙げられ、ポリフルオロアルキルビニル単
量体５０〜９８重量部とシリコーン系ビニル単量体２〜
５０重量部、さらにポリフルオロアルキルビニル単量体
と共重合可能なビニル系単量体０〜４９重量部とからな
る単量体混合物の共重合体を主剤とした離型剤が特に好
適である。これらの含フッ素シリコーン系離型剤は１種
単独でも２種以上でも用いることができる。

前記含フッ素シリコーン系離型剤の具体的な市販品とし
ては、例えば、信越化学工業■製：信越シリコーンＸ−
７０−２０１等を挙げることができる。

本発明の粘着性構造体は、種々の用途に利用できるが、
特に耐候性に優れるため、例えば、車輌の外装剤、建物
の外装材、補修材、広告看板材、航空機用資材、宇宙産
業用資材等として好適に使用できる。

〔実施例〕

以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の詳細な説明す
る。

実施例１ ポリフッ化ビニリデン（ツルベイ社製、ソーレフ１０１
０）を、押出機を用いて、Ｔダイより２５０″Ｃで押出
して冷却ロール上に引き取り、厚さ０．００５閣、幅５
００飾のポリフッ化ビニリデンフィルムを作製した。得
られたフィルムは透明で表面光沢を有するものであった
。

このフィルムを連続式低温プラズマ処理装置を用いてア
ルゴンガスのプラズマで処理した。プラズマ処理後のフ
ィルムの表面の水の接触角は５０度となり　（プラズマ
処理前の水の接触角１００度以上）、表面活性が高くな
っていることがわかった。

次ニ、プラズマ処理されたフィルムの片面ニ含フッ素シ
リコーン系離型剤（信越化学工業型、Ｘ７０−２０１）
の溶液を塗布、乾燥して硬化させた。

その後、フィルムのもう一方の片面にシリコーン系粘着
剤（信越化学工業型、信越シリコーンＫＲ−１０１−１
０）を０．５■／　ｃｆｆｌの量塗布、乾燥し、巻き取
って片面に離型剤層、もう一方の片面に粘着剤層を有す
るフィルムを得た。

得られたフィルムを巻き解くときの離型剤層と粘着剤層
の間の剥離力はｌｏｇ／２０ｍｍであった。さらに、こ
のフィルムを３０°Ｃで３０日間放置した後の剥離力は
１５ｇ／２０ｍｎ＋であり、経時における変化がほとん
どなかった。

またフィルムをアルミニウム板に張りつけて試験片を作
製した。この試験片を耐候性試験及び耐熱性試験に供し
た。耐候性試験はスガ試験機製つエザーオメーターを用
いて４００時間経過後の剥離力を測定した。また耐熱性
試験は、１５０°Ｃの空気循環式オーブン中に３００時
間、試験片を放置後、試験片の剥離力を測定した。

結果は下記の通りであった。

剥離力 初期　　　　　　１．５　ｋｇ／２０胴耐候性試験後　
　　１．３　ｋｇ／２０ｍｍ耐熱性試験後　　　１．４
　ｋｇ／２０閣また、耐候性試験後のフィルムの透明性
及び表面の光沢は、試験前と全く変化がなく、着色しな
かった。

比較例１ プラズマ処理していないフッ化ビニリデンフィルムを使
用した以外は実施例１と同様にして片面に離型剤層、も
う一方の片面に粘着剤層を有するフィルムを得た。

得られたフィルムにおいて、離型剤とフッ化ビニリデン
との接着性が悪く、離型剤が粘着剤層の表面に移行し、
接着力におおきなむらが生じ、フィルム面上の異なる地
点において測定した剥離力は０．１〜１ｋｇ／２０ｍｍ
の範囲にバラついた値を示した。またこのフィルムを３
０°Ｃで３０日間放置した後の剥離力はフィルム面上の
異なる地点において、０．１〜０．５　ｋｇ／２０Ｍｍ
の範囲の値を示した。

比較例２ 実施例１において、片面に含フッ素シリコーン系離型剤
の硬化皮膜を形成したフィルムの代わりに、離型効果を
有するテフロンシートを用いた。

実施例１と同じ粘着剤を用いた粘着テープを貼りつけた
ところ、該テープのテフロンシートからの剥離が極めて
困難であり、要した剥離力は４００ｇ／２０ｍｍであっ
た。

比較例３ 粘着剤として天然ゴム系粘着剤を使用した以外は、実施
例１と同様にして片面に離型剤層、もう一方の片面に粘
着剤層を有するフィルムを得た。

このフィルムを耐候性試験に供したところ、１００時間
で粘着剤が黄褐色に、４００時間後には黒褐色に変色し
、この時の基材との接着・剥離力は０．１ｋｇ／ｄであ
った。また耐熱試験後の剥離力は０．３ｋｇ／２ｏ胴で
あった。

〔発明の効果〕

本発明の粘着性構造体は、優れた耐候性を有し、屋外で
長期間使用しても変色、表面光沢の劣化が生じず、また
使用されるＰＶｄＰ及び含フッ素シリコーン系離型剤の
耐汚染性が良好であるため、水、油等によって汚れにく
（美麗な外観を保つことができる。さらに基材層及び粘
着剤層は難燃性であるため、この粘着性構造体を接着し
た物体の難燃性をも改善できる。

【図面の簡単な説明】

図１〜３は、本発明の粘着性構造体の実施態様の断面構
成を示す断面図である。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）少なくとも一方の表面が低温プラズマ処理された
   、ポリフッ化ビニリデン系樹脂からなる基材層、含フッ
   素シリコーン系離型剤層及びシリコーン系粘着剤層を有
   する粘着性構造体。
2. （２）特許請求の範囲第１項記載の粘着性構造体であっ
   て、前記基材層の一方の表面に前記離型剤層が設けられ
   、該基材層の他方の表面に前記粘着剤層が設けられてな
   る粘着性構造体。