JP2023519251A - オーバーラミネートフィルム層及び取り外し可能なスキン層を有するフィルムスタック - Google Patents

Abstract

フィルムスタックが記載される。特に、ベースオーバーラミネートフィルム層と、ベースオーバーラミネートフィルム層上に配置された取り外し可能なスキン層とを備えるフィルムスタックが記載される。取り外し可能なスキン層が、ベースオーバーラミネート層を不可逆的に損傷するポイントの前にヘイズを発生させるため、フィルムスタックは、フィルムスタックが一緒に延伸されるときに意図しない過剰延伸を防止することができる。

Description

オーバーラミネートフィルム層を含むフィルムスタックは、印刷された又は画像化されたグラフィックスフィルム、特にインクの耐久性を保護し、それに耐久性を与えるためのグラフィックスフィルム用途に使用される。取り外し可能なスキン層は、適用時又はその後にユーザによって剥離され得る外層である。

一態様では、本明細書はフィルムスタックに関する。フィルムスタックは、第１の材料から形成され、第１及び第２の主表面を有するベースオーバーラミネートフィルム層と、ベースオーバーラミネートフィルムの第１の主表面上に配置された、第２の材料から形成された取り外し可能なスキン層と、ベースオーバーラミネートフィルムの第２の主表面上に配置された接着層と、を備える。ベースオーバーラミネートフィルムは、透明である。取り外し可能なスキン層は、ベースオーバーラミネートフィルム層よりも剛性が高い。フィルムスタックは、ベースオーバーラミネート層に不可逆的な損傷を引き起こすことなく、３０％伸びまで延伸可能である。

別の態様では、本明細書はフィルムスタックに関する。フィルムスタックは、ベースオーバーラミネートフィルム層と、ベースオーバーラミネートフィルムの主表面上に配置された取り外し可能なスキン層と、を備える。フィルムスタックが延伸されるとき、取り外し可能なスキン層は、オーバーラミネートフィルム層への不可逆的な損傷を引き起こす前に目に見える兆候を提供する。

更に別の態様では、本明細書は、フィルムスタックを延伸させながら過剰延伸を防止する方法に関する。この方法は、ベースオーバーラミネートフィルム層と、ベースオーバーラミネートフィルム層上に配置された取り外し可能なスキン層とを含むフィルムスタックを提供することであって、フィルムが延伸状態にあるとき、取り外し可能なスキン層が、ベースオーバーラミネートフィルム層に不可逆的な損傷を引き起こす前に曇った状態になる、提供することと、フィルムスタックを、取り外し可能なスキン層が曇った状態になるときのポイントよりも小さいか又はそのポイントまで延伸させることと、を含む。

ベースオーバーラミネートフィルム層と取り外し可能なスキン層とを備えるフィルムスタックの概略側面断面図である。 ２つのベースオーバーラミネートフィルム層と２つの取り外し可能なスキン層とを備える別のフィルムスタックの概略側面断面図である。 未延伸フィルムスタック、取り外し可能なスキン層がヘイズを発生させるように延伸されたフィルムスタック、及び下にあるベースオーバーラミネートフィルム層を露出させる、フィルムスタックから層間剥離された曇った状態の取り外し可能なスキン層を有するフィルムスタックの概略上面図である。 未延伸フィルムスタック、取り外し可能なスキン層がヘイズを発生させるように延伸されたフィルムスタック、及び下にあるベースオーバーラミネートフィルム層を露出させる、フィルムスタックから層間剥離された曇った状態の取り外し可能なスキン層を有するフィルムスタックの概略上面図である。 未延伸フィルムスタック、取り外し可能なスキン層がヘイズを発生させるように延伸されたフィルムスタック、及び下にあるベースオーバーラミネートフィルム層を露出させる、フィルムスタックから層間剥離された曇った状態の取り外し可能なスキン層を有するフィルムスタックの概略上面図である。 実施例３（及びその構成要素）並びに比較例５についての負荷力対伸びを示すグラフである。

オーバーラミネートは、印刷されたベースグラフィックスフィルムの耐久性を保護又は増強するためにグラフィックスフィルムに使用される。オーバーラミネートは、摩耗又は周囲条件に対してなどの物理的保護を提供し得る。オーバーラミネートは、印刷されたグラフィックスフィルム製品の使用可能な又は最適な寿命を延ばすのに役立ち得る。従来、オーバーラミネートは、印刷時又は印刷後に印刷されたベースグラフィックスフィルムに積層される。

オーバーラミネートフィルムの外面は、観察者へのフィルムスタックの全体的な外観を決定することができる。例えば、光沢のある外面（表面構造がほとんどない）は、高い割合の鏡面反射対拡散反射を提供し、典型的には低いヘイズ及び高い透明度を提供する。他の所望の外部表面構造が望ましい場合があり、例えば、特定のオーバーラミネートは、艶消し構造又は他のテクスチャー表面を有し得る。この理由から、オーバーラミネートフィルムの表面特性を保持及び保護することが重要である。表面擦傷及び他の欠陥は、フィルムスタックの最終的な外観に影響を及ぼし得、顧客又は観察者にとって不快であり得る。したがって、保護スキン層は、典型的には、ラミネート加工又は最終的な適用の後に除去されるようにフィルムの表面上に提供され、これは、露出表面を損傷し得るスキージング又は他の物理的接触を必要とし得る。

更に、オーバーラミネートは薄く、非常に適合性があり、したがって取り扱いが困難であり得る。取り外し可能なスキン層は、取り扱いを容易にするために十分な剛性を付与することができる。従来、オーバーラミネートがベースグラフィックスフィルムに積層されると、又は合わせたフィルムスタックが所望の表面又は基材に接着された後に、取り外し可能なスキン層が除去され得る。

紙ライナー又はポリマー材料は、従来、異なるステップで形成されるベースオーバーラミネートフィルムに積層されている。これは、典型的には、追加の接着層及び取り付けステップを必要とし、これは、製造のプロセスをいっそう複雑にする場合がある。又は、設置ステップ中の保護として、前面に一時的なライナーが設けられる。紙ライナーは不透明であり、設置中にグラフィックを見ることができない。

本明細書に記載の特定の取り外し可能なスキン層は、ブローフィルム成形又は従来の押出プロセスを通して形成され得、ベースオーバーラミネートフィルムと共形成され得、別個の接着剤及び／又は熱積層プロセスの必要性を排除する。そのような取り外し可能なスキン層は、出荷、取り扱い、及び設置を通してしっかりと取り付けられながら、層をベースオーバーラミネートフィルムから剥がすために、適度な剥離力を必要とし得る。

図１は、ベースオーバーラミネートフィルム層と取り外し可能なスキン層とを備えるフィルムスタックの概略側面断面図である。図１は、ベースオーバーラミネートフィルム層１１０、取り外し可能なスキン層１２０、任意選択の剥離層１３２を有するライナー１３０、感圧接着剤１４０、及び任意選択の結合層１５０を備えるフィルムスタック１００を含む。

ベースオーバーラミネートフィルム層１１０は、任意の好適な材料であってもよく、任意の好適なプロセスを通して形成されてもよい。いくつかの実施形態では、ベースオーバーラミネートフィルム層は、ポリ塩化ビニルを含むか、又はポリ塩化ビニルから作製されている。いくつかの実施形態では、ベースオーバーラミネートフィルム層は、ポリウレタン及びセルロースアセテートプロピオネート又はセルロースアセテートブチレートを含む。いくつかの実施形態では、ベースオーバーラミネートフィルム層は、ポリエステル若しくはコポリエステルを含むか、又はポリエステル若しくはコポリエステルから作製される。いくつかの実施形態では、ベースオーバーラミネートフィルムは、エチレン及びメタクリル酸のコポリマーのアイオノマー樹脂を含むか、又はそれから作製される。いくつかの実施形態では、ベースオーバーラミネートフィルム層は、エチレン酢酸ビニル（ＥＶＡ）を含むか、又はそれから作製される。いくつかの実施形態では、ベースオーバーラミネートフィルム層は、ポリカーボネート、ポリプロピレン、又はポリスチレンを含むか、又はそれらから作製される。いくつかの実施形態では、ベースオーバーラミネートフィルム層は、エラストマー成分を含むか、又はそれを含有する。ポリアミド及びポリアミドを含むブロックコポリマーが好適であり得る。特定の材料又は材料の組み合わせは、それらの物理的特性、光学的特性、及び／又はレオロジー特性に対して選択され得る。いくつかの実施形態では、ベースオーバーラミネートフィルム層は、２つ以上の層を含んでもよく、２つ以上の層は、同じ材料又は異なる材料を含む。

ベースオーバーラミネートフィルム層１１０は、任意の好適な厚さを有してもよく、押出成形（溶融押出又はブローフィルム成形など）によって形成されてもよい。いくつかの実施形態では、ベースオーバーラミネートフィルム層１１０は、２５マイクロメートル～１００マイクロメートルの厚さを有する。ベースオーバーラミネートフィルム層１１０は、滑らかな表面構造を有してもよく、又はテクスチャー表面構造を有してもよい。

取り外し可能なスキン層１２０は、任意の好適な材料であってもよく、任意の好適な材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、取り外し可能なスキン層は、ベースオーバーラミネートフィルム層よりも剛性が高い。いくつかの実施形態では、取り外し可能なスキン層１２０は、ポリプロピレンであり得るか、又はポリプロピレンを含み得る。いくつかの実施形態では、取り外し可能なスキン層１２０は、任意の他の好適なポリマー、コポリマー、又はそれらのブレンドであり得るか、又はそれらを含み得る。取り外し可能なスキン層１２０は、１０マイクロメートル～１５０マイクロメートルを含む、任意の好適な厚さを有し得る。厚さ及び材料は、フィルムスタックに十分な剛性を付与し、層間剥離のために適切な剥離力を維持するように選択され得る。いくつかの実施形態では、層間剥離するための９０度剥離力は、５０～１００グラム／インチ（１センチメートル当たり約２０～４０グラム）であり得る。取り外し可能なスキン層は、押出成形され（溶融押出又はブローフィルム成形）、溶液流延され、又はコーティングされ得る。

取り外し可能なスキン層１２０は、延伸されると、スキン層が急激にヘイズを発生するように、材料と厚さの選択された組み合わせを有する。多くの材料は、延伸誘発ヘイズを発症し得るが、特定の材料は、特定の伸び閾値でヘイズの急速な増加を示す。例えば、０％～３０％のスキン層の伸びは、ヘイズを５０パーセンテージポイント以上増加させることができる。いくつかの実施形態では、０％～３０％のスキン層の伸びは、ヘイズを６０パーセンテージポイント以上増加させることができる。いくつかの実施形態では、０％～３０％のスキン層の伸びは、ヘイズを７０パーセンテージポイント以上増加させることができる。いくつかの実施形態では、０％～３０％のスキン層の伸びは、ヘイズを８０パーセンテージポイント以上増加させることができる。いくつかの実施形態では、０％～３０％のスキン層の伸びは、ヘイズを９０パーセンテージポイント以上増加させることができる。

ライナー１３０は、要素、劣化、及び意図しない接着性への曝露から感圧接着剤１４０を保護するためにフィルムスタック１００の一部として提供され得る。ライナー１３０はまた、フィルムスタック１００が、自己接着なしに、ロールとして構成、保管、及び輸送されることを可能にする。ライナー１３０は、一般に紙又はポリエチレンなどのポリマーを含む任意の好適な材料であり得る。いくつかの実施形態では、ライナー１３０は、任意選択の剥離層１３２でコーティング又は被覆され、それは、ライナーと感圧接着剤との間の滑らかさ及び／又は分離の容易さを向上させ得る。任意選択の剥離層１３２は、シリコーン、ワックス、ブロックコポリマー、又は任意の他の好適な材料であり得る。いくつかの実施形態では、所望の剥離特性を提供するために、任意選択的な剥離層１３２は省略されてもよく、又は必要でない場合がある。

感圧接着剤１４０は、ライナー１３０とベースオーバーラミネートフィルム層１２０との間に配置されている。感圧接着剤１４０は、アクリル接着剤、エポキシ、又は光学的に透明な接着剤を含む任意の好適な接着剤であり得る。特に透明又は半透明のベースオーバーラミネートフィルムの場合、接着剤の光学特性（典型的には、高い透過率、低いヘイズ、及び高い透明度）は、使用中のフィルムの全体的な外観を維持するために重要であり得る。感圧接着剤は、押出成形され（溶融押出又はブローフィルム成形）、溶液流延され、又はコーティングされ得る。

いくつかの実施形態では、感圧接着剤１４０は、露出温度及び湿度の範囲にわたってその形状を維持する（すなわち、流動しない）のに十分な構造を有してもよい。いくつかの実施形態では、接着剤は完全に又は部分的に架橋されていてもよい。接着剤は、顔料、染料、又は他の着色剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、接着剤の厚さは、１０マイクロメートル～１００マイクロメートルであってもよい。いくつかの実施形態では、接着剤は、ガラス、セラミック、若しくはポリマー樹脂、又は好適なバインダー材料と共に一緒に保持されたそれらの凝集物などの材料から作製された、部分的に埋め込まれたマイクロビーズを含んでもよい。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、構造化接着剤にインデックスを一致させてもよく、及び／又は透明であってもよい。

ベースオーバーラミネートフィルム層は、感圧接着剤に本質的に良好に結合しない場合があるため、いくつかの実施形態は、任意選択の結合層１５０を含み得る。しばしばプライマー層又はプライム層と呼ばれる結合層は、任意の好適な厚さを有する任意の好適な物質又は組成物であり得る。結合層の選択は、ベースオーバーラミネートフィルム層と感圧接着剤との間の十分な接着性（プライボールド破損を防止するため）を確実にすることである。いくつかの実施形態では、結合層はポリアミド又はコポリアミドを含み得る。特定の材料は、可塑剤、水、溶媒、又は他の汚染物質の、フィルムスタックの前面から接着剤への移動を防止するためのバリア層として代替的又は追加的に有用であり得る。結合層は、１０マイクロメートル未満の厚さ、６マイクロメートル未満の厚さ、５マイクロメートル未満の厚さ、４マイクロメートル未満の厚さ、３マイクロメートル未満の厚さ、２マイクロメートル未満の厚さ、又は更には１マイクロメートル未満の厚さで非常に薄い場合がある。結合層は、溶液流延され、コーティングされ、又は更には押出若しくは共押出（他の層のうちの１つ以上と共に）され得る。

フィルムスタック１００は、全体として、ベースオーバーラミネート層に不可逆的な損傷を引き起こすことなく、一緒にある程度延伸可能である。いくつかの実施形態では、フィルムスタック１００は、ベースオーバーラミネート層に不可逆的な損傷を引き起こすことなく、３０％伸びまで延伸可能である。いくつかの実施形態では、フィルムスタック１００は、ベースオーバーラミネート層に不可逆的な損傷を引き起こすことなく、５０％伸びまで延伸可能である。いくつかの実施形態では、フィルムスタック１００は、ベースオーバーラミネート層に不可逆的な損傷を引き起こすことなく、１００％伸び、２００％伸び、又はそれ以上まで延伸可能である。延伸可能であることは、そのようなフィルムを最小限の持ち上げで複雑で湾曲した、又はチャネル付きの表面に適用するのに役立つ。しかしながら、全ての延伸可能なフィルムは、不可逆的な塑性変形を受け、最終的に破壊又は引き裂かれる限界を有する。場合によっては、過剰延伸フィルムの応力は、それが接着される表面から浮き上がらせることになる。場合によっては、フィルムは、濁りなどの光学アーティファクトを発生させ得る。

使用及び設置中の過剰延伸を回避することが重要である。本明細書に記載の実施形態では、ベースオーバーラミネート層が不可逆的に光学的若しくは物理的に損傷するポイントで、又はその前に、フィルムスタックが延伸されるときに、取り外し可能なスキン層はヘイズを発生する。いくつかの実施形態では、取り外し可能なスキン層は、層のいずれかが不可逆的な損傷を受けるポイントで、又はその前にヘイズを発生させる。

したがって、本明細書に記載の構造及びスタックは、ベースオーバーラミネートフィルムがその推奨される伸びの物理的限界に近づいていることを、設置者又はユーザに視覚的指標を提供するので有用であり得る。取り外し可能なスキン層は、適用後に剥離することができるため、ユーザはヘイズが観察されたポイント又はその近くで延伸を停止することができ、不可逆的な損傷のポイントに近づいていると警告された後にフィルムを設置し続け、下にあるベースオーバーラミネートフィルム層がその光学的品質及び物理的品質を保持されたという確信をもってスキン層を除去することができる。

いくつかの実施形態では、本明細書に記載のフィルムスタックは、ベースグラフィックスフィルム（すなわち、着色又はデジタル印刷された装飾フィルム）に積層され、スタック全体が依然として一緒に延伸され得る。他の箇所に記載されるように、フィルムスタック全体は、推奨される又は安全な伸び限界を有し得る。いくつかの実施形態では、これは３０％であり得る。いくつかの実施形態では、これは１５０％であり得る。いくつかの実施形態では、これは１００％、２００％、又はそれ以上であり得る。同様に、取り外し可能なスキン層は、ベースオーバーラミネート層及び／又はベースグラフィックスフィルムが破損点まで過剰延伸されるポイントで、又はその前にヘイズを発生させる。

図２は、２つのベースオーバーラミネートフィルム層と２つの取り外し可能なスキン層とを備える別のフィルムスタックの概略側面断面図である。フィルムスタック２００は、図１のフィルムスタック１００に類似しているが、図２は、２つのオーバーラミネートベース層が形成され、単一のライナー層上に保存される代替構造を示す。フィルムスタック２００は、２つの取り外し可能なスキン層２２０と、２つのベースオーバーラミネートフィルム層２１０と、２つの任意選択の結合層２５０と、２つの感圧接着層２４０と、剥離コーティングを一方、又は両方の表面上に含んでも又は含まなくてもよい単一ライナー２３０とを備える。

図２の各構成要素は、特定のフィルムスタックの製造が押出プロセスに有利に適し得ることを除いて、図１に関連して説明した通りである。単一ライナーでの２つの使用可能なフィルム側面の形成は、廃棄物がより少ない状態で、より経済的な製造、保管、及び出荷を提供することができる。更に、フィルムスタック２００がロールとして保管又は構成されている場合、取り外し可能なスキン層２２０は、ベースオーバーラミネートフィルム上の表面印象又は擦傷を最小限に抑えるために保護ライナーとして機能する。

図３Ａ～３Ｃは、未延伸フィルムスタック（図１と併せて説明され示されたフィルムスタックなど）、取り外し可能なスキン層がヘイズを発生させるように延伸されたフィルムスタック、及び下にあるベースオーバーラミネートフィルム層を露出させる、フィルムスタックから層間剥離された曇った状態の取り外し可能なスキン層を有するフィルムスタックの概略上面図である。

第１のステップでは、図３Ａは、取り外し可能なスキン層３２０が見える状態でのフィルムスタックの上面図を示す。いくつかの実施形態では、取り外し可能なスキン層３２０は、実質的に透明又は明澄であり、下にあるベースオーバーラミネートフィルムの表面は、上面を通して見ることができる。

第２のステップでは、図３Ｂは、取り外し可能なスキン層３２０及び任意の下にある層（ベースオーバーラミネートフィルム３１０など）の両方を有する延伸されたフィルムスタックの上面図を示す。いくつかの実施形態では、これは、１３０％又は更には１５０％の伸びであり得る。取り外し可能なスキン層は、延伸によってヘイズを発生させた。いくつかの実施形態では、ヘイズを発生させることは、ヘイズが未延伸から延伸されたものまで５０パーセンテージポイントを超えて変化することを意味する。いくつかの実施形態では、ヘイズを発生させることは、ヘイズが未延伸から延伸されたものまで６０パーセンテージポイントを超えて変化することを意味する。いくつかの実施形態では、ヘイズを発生させることは、ヘイズが未延伸から延伸されたものまで７０パーセンテージポイントを超えて変化することを意味する。いくつかの実施形態では、ヘイズを発生させることは、ヘイズが未延伸から延伸されたものまで８０パーセンテージポイントを超えて変化することを意味する。いくつかの実施形態では、ヘイズを発生させることは、ヘイズが未延伸から延伸されたものまで９０パーセンテージポイントを超えて変化することを意味する。下にあるベースオーバーラミネートフィルムはヘイズを発生させず、物理的及び光学的完全性のためのその推奨される延伸範囲内に留まったままである。

第３のステップでは、図３Ｃは、ベースオーバーラミネートフィルム層から層間剥離されている取り外し可能なスキン層を有するフィルムスタックの上面図を示す。取り外し可能なスキン層３２０は、そのヘイズを保持するが、容易にかつきれいに除去されて、下にある保護されたベースオーバーラミネートフィルム３１０を露出させ得る。スキン層は、所望の基材上の最終設置の前、設置中、又は設置後に除去され得る。

実施例の調製
実施例１～３及び比較例１～５を、３層ブローフィルムライン上で作製した。このラインは、３つの独立した３／４インチのＢｒａｂｅｎｄｅｒ単軸スクリュー押出機（Ｂｒａｂｅｎｄｅｒ ＧｍｂＨ＆Ｃｏ．ＫＧ，Ｋｕｌｔｕｒｓｔｒａｓｓｅ ４９－５５ ４７０５１ Ｄｕｉｓｂｕｒｇ）に接続された、２インチの開口部を有するカスタマーセットアップ３層ダイを有する。実施例４、５、及び６、並びに比較例６を、７層パンケーキスタックダイ（Ｌａｂｔｅｃｈ ＥｎｇｉｎｅｅｒｉｎｇからのＴｙｐｅ ＬＦ－４００ Ｃｏｅｘ ７－層）上で製造した。ダイへの気流を手動で調節して、約２：１のブローアップ比を達成した。その後、気泡を約１０フィートのダイ上で崩壊させ、ローラーを通して横切らせ、次いで３インチのコアに巻いて、巻き取った。供給材料は、７つの独立した２０ｍｍ直径の押出機（Ｌａｂｔｅｃｈ Ｓｃｉｅｎｔｉｆｉｃ Ｓｉｎｇｌｅ Ｓｃｒｅｗ Ｅｘｔｒｕｄｅｒ Ｔｙｐｅ ＬＥ２０～３０／Ｃ ＨＡ）によって供給された。

実施例及び比較例の組成物を以下の表に列挙する。

試験方法
９０°剥離力測定
９０度剥離試験を、Ｔｅｓｔｉｎｇ Ｍａｃｈｉｎｅｓ，Ｉｎｃ．（Ｎｅｗ Ｃａｓｔｌｅ，ＤＥ １９７２０ ＵＳＡ）によって作製された剥離試験機（８０－９１ＬＡＢ ＭＡＳＴＥＲ Ｒｅｌｅａｓｅ＆Ａｄｈｅｓｉｏｎ Ｔｅｓｔｅｒ）で行った。試料を、ＣＴＨ（一定温度７３Ｆ及び湿度５０％）の室内で少なくとも２４時間調整した。調整した試料を２．５ｃｍ（ＴＤ、横方向）及び約３０．５ｃｍ（機械方向）ストリップに切断した。アイオノマーフィルム側が接着剤に面する状態で、３Ｍ Ｏｐｔｉｃａｌｌｙ Ｃｌｅａｒ Ａｄｈｅｓｉｖｅ ８１７１を使用して、試料を金属プレートに積層し、可剥性スキンを剥離するための剥離力を測定した。９０度剥離力（グラム単位）を１２０インチ／分の速度で測定した。

光学ヘイズ測定
試料の光学ヘイズを、ＢＹＫ Ｉｎｓｔｒｕｍｅｎｔｓ（Ｃｏｌｕｍｂｉａ，Ｍａｒｙｌａｎｄ ２１０４６－２７２９，ＵＳＡ）から市販されているＨａｚｅ－Ｇａｒｄ Ｐｌｕｓヘイズメーターで測定した。試料を３８ｍｍ×１２７ｍｍ（１．５インチ×５．０インチ）に切断した。未延伸試料について光学ヘイズを測定し、試料を３０％まで延伸させた。これらの試料を、測定前に、３Ｍ Ｏｐｔｉｃａｌｌｙ Ｃｌｅａｒ Ａｄｈｅｓｉｖｅ ８１７１を使用して、透明な３ｍｍの厚さの６０ｍｍ×２４０ｍｍの汎用アクリルパネルに積層した。スキン側は、空気側にあった。結果を以下のヘイズ結果表に列挙する。

フィルム引張特性
フィルムをＣＴＨ（一定温度及び湿度、２３Ｃ及び５０％）の室内で２４時間調整した後、試料を機械方向に３８ｍｍ×１２７ｍｍ（１．０インチ×５．０インチ）に切断した。２インチ（５０．８ｍｍ）のギャップを有する１２インチ／分（３０４．８ｍｍ／分）のクロスヘッド速度で、Ｉｎｓｔｒｏｎ（モデル：ＥＭＳＹＳＵ ４２４２、Ｎｏｒｗｏｏｄ、ＭＡ ０２０６２）による引張機を使用して、試験を実施した。実施例の各々は、最大１５０％延伸させることができた。

図４は、選択された実施例及び実施例の構成要素についての負荷力（ｌｂｓ／インチ）対伸び（％）を示す。取り扱い及び積層のための伸び（低レベル）の範囲において、スキン層４２０の剛性は、オーバーラミネートベース層４１０よりも大きい。同様に、実施例３の完全な構造４４０（剛性スキン層を含む）は、比較例５の４３０よりも剛性が高い。

Claims (20)

1. フィルムスタックであって、
   第１の材料から形成され、第１及び第２の主表面を有するベースオーバーラミネートフィルム層と、
   前記ベースオーバーラミネートフィルムの前記第１の主表面上に配置された、第２の材料から形成された取り外し可能なスキン層と、
   前記ベースオーバーラミネートフィルムの前記第２の主表面上に配置された接着層と、を備え、
   前記ベースオーバーラミネートフィルム層が、透明であり、
   取り外し可能なスキン層が、前記ベースオーバーラミネートフィルム層よりも剛性が高く、
   前記フィルムスタックが、前記ベースオーバーラミネート層に不可逆的な損傷を引き起こすことなく、３０％伸びまで延伸可能である、フィルムスタック。
2. 前記フィルムスタックが一緒に延伸されるとき、前記ベースオーバーラミネートフィルム層が透明なままでありながら、前記取り外し可能なスキン層がヘイズを発生させる、請求項１に記載のフィルムスタック。
3. 前記取り外し可能なスキン層が、１０マイクロメートル～１５０マイクロメートルの厚さを有する、請求項１に記載のフィルムスタック。
4. 前記フィルムスタックが、前記接着層と前記ベースオーバーラミネートフィルム層との間に結合層を含む、請求項１に記載のフィルムスタック。
5. 請求項１に記載のフィルムスタックを含むフィルムのロールであって、前記フィルムスタックがライナー上に配置されている、フィルムのロール。
6. 前記第１の材料と前記第２の材料とが押出可能である、請求項１に記載のフィルムスタック。
7. 前記第１の材料が、ポリ塩化ビニルを含む、請求項１に記載のフィルムスタック。
8. 前記第１の材料が、ポリウレタンを含む、請求項１に記載のフィルムスタック。
9. 前記第２の材料が、ポリプロピレンを含む、請求項１に記載のフィルムスタック。
10. 前記ベースオーバーラミネート層が、アイオノマーを含む、請求項１に記載のフィルムスタック。
11. フィルムスタックであって、
    ベースオーバーラミネートフィルム層と、
    前記ベースオーバーラミネートフィルムの主表面上に配置された取り外し可能なスキン層と、を備え、
    前記フィルムスタックが延伸されるとき、前記取り外し可能なスキン層が、前記ベースオーバーラミネートフィルムに不可逆的な損傷を引き起こす前に目に見える兆候を提供する、フィルムスタック。
12. 前記目に見える兆候が、ヘイズの急激な増加である、請求項１１に記載のフィルムスタック。
13. 前記ヘイズの急激な増加が、少なくとも５０パーセンテージポイントの増加である、請求項１２に記載のフィルムスタック。
14. フィルムスタックを延伸させる間に過剰延伸を防止する方法であって、
    ベースオーバーラミネートフィルム層と、前記ベースオーバーラミネートフィルム層上に配置された取り外し可能なスキン層とを含むフィルムスタックを提供することであって、前記フィルムスタックが延伸されるとき、前記取り外し可能なスキン層が、前記ベースオーバーラミネートフィルム層に不可逆的な損傷を引き起こす前に曇った状態になる、提供することと、
    前記フィルムスタックを、前記取り外し可能なスキン層が曇った状態になるポイントよりも小さいか又はそのポイントまで延伸させることと、を含む、方法。
15. 前記フィルムスタックを延伸させることが、３０％伸びまで延伸させることを意味する、請求項１４に記載の方法。
16. 前記フィルムスタックを延伸させることが、５０％伸びまで延伸させることを意味する、請求項１１に記載の方法。
17. 前記フィルムスタックを延伸させることが、前記取り外し可能なスキン層がそのヘイズを５０パーセンテージポイント増加させるポイントまで、前記フィルムスタックを延伸させることを含む、請求項１１に記載の方法。
18. 前記スキン層を取り外すステップを更に含む、請求項１４に記載の方法。
19. 前記フィルムを更に延伸させるステップを含む、請求項１４に記載の方法。
20. 前記フィルムに熱を加えるステップを含む、請求項１９に記載の方法。
    

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