JP2003025426A - 擬似接着性二軸延伸ポリプロピレンフィルムの製造方法 - Google Patents

擬似接着性二軸延伸ポリプロピレンフィルムの製造方法

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JP2003025426A
JP2003025426A JP2001216211A JP2001216211A JP2003025426A JP 2003025426 A JP2003025426 A JP 2003025426A JP 2001216211 A JP2001216211 A JP 2001216211A JP 2001216211 A JP2001216211 A JP 2001216211A JP 2003025426 A JP2003025426 A JP 2003025426A
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adhesive
thermoplastic resin
film
thermocompression bonding
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JP2001216211A
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Takashi Ohashi
隆 大橋
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 隠蔽葉書等に好適に使用される疑似接着性O
PPフィルムを提供する。 【解決手段】 ポリプロピレン系樹脂をT型ダイスより
溶融押出しし、流れ方向に延伸した一軸延伸ポリプロピ
レンフィルムの一方の面に、軟化点が−30〜100℃
で、150℃における溶融粘度が100〜2000mP
a・sである熱可塑性樹脂組成物の分散液を塗布、乾燥
させ、引き続いて130〜250℃の温度にて幅方向に
延伸することを特徴とする熱圧着層を有する疑似接着性
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、擬似接着性二軸延
伸ポリプロピレンフィルム(以下OPPフィルムとい
う。)に関し、特に隠蔽葉書やスピードくじ等、内容の
秘密性を保持する用途に好適な擬似接着性OPPフィル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、プライバシーを保護し、情報量を
増やし、輸送コストを押さえることを目的に、隠蔽葉書
等への擬似接着性フィルムの使用が増加している。例え
ば、隠蔽葉書として代表的なものは、情報等が印刷され
た紙の印刷面に熱可塑性樹脂層を有する透明樹脂フィル
ム(擬似接着用フィルム)が貼合わされた構成で、フィ
ルムを内面として二つ折りにし、熱可塑性樹脂層同士を
熱圧着して使用する。これらの隠蔽葉書等の擬似接着用
フィルムに要求される特性は、「良好な接着性」と「適
度な剥がれ易さ」そして「透明性」である。従来、隠蔽
葉書等の擬似接着用フィルムとしては、表面に熱圧着層
を設けたOPPフィルムが使用されているが、上記のよ
うな必要特性を充分に満たすものは得られていない。
【0003】先ず、「良好な接着性」を得るためには、
一般的に、比較的低融点の熱可塑性樹脂組成物、例え
ば、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−アクリル酸共重合体、エチレン−ブテン共重合
体、アイオノマー樹脂などを熱圧着層として積層するこ
とで可能となる。しかしながら、擬似接着用途に使用す
るには層厚が厚すぎるため、必要以上に熱圧着強度が強
くなりすぎ、圧着物をきれいに剥がすことができなくな
る傾向にある。この問題を解決するためには熱圧着温度
を下げて接着強度を下げる方法も考えられるが、熱圧着
温度を極めて狭い範囲に制御する必要があり、高度な加
工技術を要するため一般的ではない。
【0004】また「適度な剥がれ易さ」を得るために
は、一般的に、上記低融点の熱可塑性樹脂組成物の積層
厚みを薄くすること、詳しくは、薄膜層を得るのに有効
な樹脂分散物を塗布、乾燥させる工程にて塗布厚みを薄
くすることにより可能となるが、あまりにも薄くしすぎ
ると熱圧着強度が低すぎて問題となり、特に、隠蔽葉書
などでは郵送途中に開封してしまうなどの問題がある。
また、OPP基材表面層と塗布層との密着性が弱いとそ
の界面での剥離が生じ、剥がした時に外観が悪くなって
しまう。
【0005】さらに、「透明性」が良好でない場合、印
刷紙などの基材にラミネート加工してダイレクトメール
等の隠蔽葉書を得る場合には、印刷濃度が低下し見栄え
が悪くなるという問題が生ずる。これらを改善するに
は、フィルム中の耐ブロッキング剤、例えば、無機物や
有機物の微粒体などの添加剤を減らす方法や、熱圧着層
である低融点熱可塑性樹脂組成物の厚みを薄くする方法
がある。しかしながら、耐ブロッキング剤を減らすと当
然フィルム同士がブロッキングしやすくなり、また、熱
圧着層の厚みを薄くすると熱圧着強度が低下するという
問題を生ずる。従って、隠蔽葉書等の擬似接着用OPP
フィルムに要求される特性を満足するような熱可塑性樹
脂組成物の皮膜を得ることができなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、擬似接着用
途として適当な熱圧着強度を持ち、また、熱圧着強度に
おける温度依存性が小さく、さらには、透明性の優れた
擬似接着性OPPフィルムの製造方法に関し、特に、隠
蔽葉書等に好適に使用される擬似接着性OPPフィルム
の製造方法に関する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、熱圧着層
を設けた擬似接着性OPPフィルムの製造方法について
鋭意研究を行った結果、熱圧着層の熱可塑性樹脂につい
て特定の組成物を選択し、該組成物の分散液を塗布、乾
燥させた後、引き続いて幅方向にある範囲の温度で延伸
することにより、擬似接着用途として適当な接着力を持
ち、また、熱圧着強度における温度依存性が小さく、さ
らには、透明性の優れた擬似接着性OPPフィルムの発
明を完成させるに至った。
【0008】本発明は以下の発明を包含する。 (1)ポリプロピレン系樹脂をT型ダイスより溶融押出
しし、流れ方向に延伸した一軸延伸ポリプロピレンフィ
ルムの一方の面に、軟化点が−30〜100℃で、15
0℃における溶融粘度が100〜2000mPa・sで
ある熱可塑性樹脂組成物の分散液を塗布、乾燥させ、引
き続いて130〜250℃の温度にて幅方向に延伸する
ことを特徴とする熱圧着層を有する擬似接着性OPPフ
ィルムの製造方法。
【0009】(2)前記熱可塑性樹脂組成物は、軟化点
が−20〜80℃で、150℃における溶融粘度が20
0〜1000mPa・sであり、前記幅方向の延伸温度
が150〜200℃である(1)項に記載の熱圧着層を
有する擬似接着性OPPフィルムの製造方法。
【0010】(3)前記熱可塑性樹脂組成物の乾燥塗布
量が、延伸後のフィルムとして0.01〜5.00g/
2の範囲である(1)項又は(2)項に記載の熱圧着
層を有する擬似接着性OPPフィルムの製造方法。
【0011】本発明はさらに以下の発明を包含する。 (4)OPPフィルムと熱可塑性樹脂層からなる熱圧着
層が積層された擬似接着性OPPフィルムであって、熱
可塑性樹脂層同士の熱圧着強度が0.03〜3.00N
/25mmである熱圧着層を有する擬似接着性OPPフ
ィルム。
【0012】(5)上記熱可塑性樹脂層が、軟化点が−
30〜100℃で、150℃における溶融粘度が100
〜2000mPa・sの熱可塑性樹脂組成物からなる
(4)項に記載の熱圧着層を有する擬似接着性OPPフ
ィルム。
【0013】(6)上記OPPフィルムは、メルトイン
デックスが1〜10g/10分の範囲のポリプロピレン
系樹脂からなる(4)項又は(5)項に記載の熱圧着層
を有する擬似接着性OPPフィルム。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の擬似接着性OPPフィル
ムは、熱圧着層である熱可塑性樹脂層とOPPフィルム
基材が積層されたフィルムであり、対面する熱可塑性樹
脂層同士及び熱可塑性樹脂層とOPPフィルム基材との
密着性の向上、ならびに透明性を得るために熱可塑性樹
脂層の厚みを薄くしても熱圧着強度の低下を起こさない
ことに特徴がある。このような擬似接着性OPPフィル
ムは、塗布された熱可塑性樹脂組成物を乾燥後に溶融さ
せ、さらには、通常OPPフィルムを成形する温度にて
幅方向に延伸することで、従来の塗布、乾燥工程では得
られない優れた熱圧着強度を有する熱圧着層を有する擬
似接着性OPPフィルムを得ることができる。
【0015】すなわち、熱可塑性樹脂組成物が溶融した
状態でOPPフィルム基材と接着されるので、樹脂組成
物とOPPフィルムが非常に強固に接着し、層間で剥離
するトラブルをなくすことができる。また、樹脂組成物
の溶融粘度が低下した状態で幅方向に延伸されるため、
形成された熱可塑性樹脂層の表面が非常に平滑となり、
熱可塑性樹脂層の厚みが比較的薄くても熱可塑性樹脂層
同士を十分な強度をもって接着させることができる。特
に、低温度や低圧力で熱圧着加工される場合、すなわ
ち、熱圧着層(熱可塑性樹脂層)に十分な熱量や圧力が
無い状態においても、熱圧着層同士の接触面積が大きい
ために十分な熱圧着強度を得ることができ、いいかえる
ならば、熱圧着温度依存性が小さく、広範囲の温度で、
実用的な熱圧着強度を得ることができる。
【0016】本発明に用いられる熱可塑性樹脂組成物
は、軟化点が−30〜100℃、好ましくは−20〜8
0℃、より好ましくは20〜80℃で、150℃におけ
る溶融粘度が100〜2000mPa・s、好ましくは
200〜1000mPa・sの樹脂組成物である。上記
樹脂組成物の軟化点が−30℃に満たないとフィルム同
士がブロッキングしやすくなり、100℃を超えると、
OPPフィルム基材との溶融接着性が不十分であり、ま
た、低温度領域での熱可塑性樹脂層同士の熱圧着強度も
不足する。
【0017】また、上記樹脂組成物の150℃での溶融
粘度が100mPa・sに満たない場合は、フィルム延
伸時にテンターブロアー等の熱風で表面が荒らされ、不
均一なフィルムとなる。また、2000mPa・sを超
える場合は、延伸されたフィルム表面の平滑性が不十分
であり、熱可塑性樹脂層同士の熱圧着強度が不足する
上、このような高粘度の樹脂を溶融させるには温度を高
くしなくてはいけないから、OPPフィルムの耐熱性が
劣るため耐えられない。
【0018】本発明における熱可塑性樹脂組成物の軟化
点は、JIS K 7206に記載のあるビカット軟化
温度試験方法等により測定することができる。また、本
発明における熱可塑性樹脂組成物の溶融粘度は、例え
ば、応力制御式のハイシェア溶融粘度計(商品名「ダイ
ナミックストレスメータDSR」レオメトリック社製)
などで測定することができる。
【0019】熱可塑性樹脂組成物のフィルム延伸後の塗
布量は、0.01〜5.00g/m2、好ましくは0.0
2〜1.00g/m2、さらに好ましくは0.03〜
0.5g/m2である。塗布量がこの範囲であると熱圧
着温度依存性が少なく、広範囲の温度で実用的な熱圧着
強度を得ることができる。また、透明性に優れた擬似接
着性OPPフィルムを得ることができる。塗布量が0.
01g/m2に満たないと、80℃〜150℃の通常の
熱圧着温度では熱可塑性樹脂層同士の熱圧着強度が低す
ぎ、逆に5.00g/m2を超えると透明度が低下し、
また、熱圧着強度も高すぎるので擬似接着用途としては
不適である。
【0020】熱可塑性樹脂層同士の熱圧着強度は、0.
03〜3.0N/25mm程度であり、好ましくは0.
05〜1.0N/25mm、さらに好ましくは0.10
〜0.50N/25mmである。熱圧着強度が下限に満
たないと使用途中で剥離等のトラブルを生じ、上限を超
えると開封しにくい上、きれいに開封できないので好ま
しくない。
【0021】本発明に使用される熱可塑性樹脂組成物と
しては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポ
リオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系
樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、及びこれらの共重合樹脂
やアイオノマー樹脂等、一般によく知られた各種熱可塑
性樹脂組成物を水やアルコール等の各種溶媒に分散させ
たものが挙げられる。また、必要に応じて、これらの熱
可塑性樹脂組成物の分散液に染料や顔料、消泡剤や濡れ
剤等の界面活性剤類、ブロッキング防止剤、滑剤、増粘
剤等の各種添加剤を添加することもできる。
【0022】本発明における熱可塑性樹脂組成物の塗
布、乾燥は、例えば、ロールコーターやバーコーター、
グラビアコーター、エアーナイフコーター等の各種塗工
装置に公知、公用の乾燥方法を組合わせて行われる。
【0023】本発明のOPPフィルムは、主にポリプロ
ピレン樹脂及び/又はプロピレン以外のオレフィン含有
量が2重量%未満のポリプロピレン系共重合体樹脂(以
下ポリプロピレン系樹脂と総称する。)からなる。ちな
みに、プロピレン以外のオレフィン含有量が2重量%以
上となるとOPPフィルム本来の品質が得られにくく、
実用性に劣る。上記ポリプロピレン系樹脂のプロピレン
以外のオレフィン単量体としては、エチレン、ブテンが
挙げられる。
【0024】上記ポリプロピレン系樹脂のメルトインデ
ックスは、特に制限されないが、良好なフィルム成形性
を付与するためには1〜10g/10分の範囲とするこ
とが好ましい。
【0025】本発明の擬似接着性OPPフィルムは、以
下に例示する方法によって製造することができる。すな
わち、ポリプロピレン系樹脂を溶融、混練し、溶融した
樹脂をT型ダイスにて冷却ロール上に押出し、シート状
に冷却固化する。得られたシートは、縦延伸機にて縦方
向に好ましくは3.5〜7倍、より好ましくは4〜6倍
延伸し、必要に応じてコロナ処理を行った後に、熱可塑
性樹脂組成物の分散液を塗布、乾燥させる。引き続いて
130〜250℃、好ましくは150〜200℃の温度
で横延伸機にて横方向に好ましくは6〜12倍、より好
ましくは7〜11倍延伸し、OPPフィルムとして巻き
取る。この後さらに、必要に応じてコロナ処理等を行っ
てもよい。
【0026】横方向への延伸温度が130℃に満たない
と、フィルムの軟化が不充分で、延伸する際の応力が高
くなり、フィルムが破断する。また、250℃を超える
ような高温では、OPPフィルムが白化して外観が悪く
なったり、溶融状態に近づくため、延伸することができ
なくなり、いずれの場合も本発明の目的を達成すること
ができない。また、延伸倍率が低すぎるとフィルムの弾
性率が低くなり、ラミネート加工適性等に問題を生じる
可能性があり、逆に高すぎると延伸応力が高くなり、成
形が困難となる場合がある。
【0027】なお、本発明の擬似接着性OPPフィルム
には、添加剤として帯電防止剤、酸化防止剤、滑剤、ブ
ロッキング防止剤、充填剤、石油樹脂、テルペン樹脂等
を適宜使用してもよい。また、ポリプロピレン系樹脂を
溶融押出しする際に、さらに各種ポリオレフィン系樹脂
等を積層してもよい。積層する樹脂の種類、厚み等に制
限はないが、前述した添加剤を積層樹脂のみに添加する
ことで、OPPフィルム全体の透明性を向上させること
も可能である。
【0028】得られた擬似接着性OPPフィルムを隠蔽
葉書として使用する場合は、情報等が印刷された紙の印
刷面に、熱可塑性樹脂組成物の層を内面として擬似接着
性OPPフィルムを貼合し、隠蔽葉書を構成する。その
後、熱可塑性樹脂組成物の層を内面として隠蔽葉書を二
つ折りにし、熱圧着層(熱可塑性樹脂組成物層)同士を
熱圧着して使用する。
【0029】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるも
のではない。なお、実施例、比較例の%はすべて重量%
である。
【0030】〔塗工液の調製〕 塗工液A 熱可塑性樹脂組成物の分散液として、エチレン-酢酸ビ
ニル共重合体樹脂の水分散液(商品名「AD−68」昭
和高分子社製、軟化点40℃、150℃の溶融粘度45
0mPa・s)を希釈し、固形分濃度15%の塗工液A
を得た。
【0031】塗工液B 熱可塑性樹脂組成物の分散液として、オレフィン共重合
体樹脂の水分散物(商品名「アクアテックスEC−35
00」中央理化工業社製、軟化点70℃、150℃の溶
融粘度800mPa・s)を希釈し、固形分濃度15%
の塗工液Bを得た。
【0032】塗工液C 熱可塑性樹脂組成物の分散液として、アクリル酸エステ
ル共重合樹脂の水分散物(商品名「AM−200」昭和
高分子社製、軟化点100℃、150℃の溶融粘度32
00mPa・s)を希釈し、固形分濃度15%の塗工液
Cを得た。
【0033】〔フィルムの製造〕 実施例1 溶融したポリプロピレン樹脂をTダイ型押出機にて冷却
ロール上に押出し、縦方向に5倍に延伸後、コロナ処理
を行ってからバーコーターにて塗工液Aを6.67g/
2塗布、熱風乾燥させ、次いで、横方向に160℃で
10倍に延伸し、熱可塑性樹脂組成物塗工層の乾燥重量
が0.10g/m2である隠蔽葉書用の擬似接着性OP
Pフィルムを得た。
【0034】実施例2 塗工液Aを使用する代わりに、塗工液Bを用いた以外
は、実施例1と同様にして隠蔽葉書用の擬似接着性OP
Pフィルムを得た。
【0035】実施例3 横方向に190℃で延伸した以外は、実施例1と同様に
して隠蔽葉書用の擬似接着性OPPフィルムを得た。
【0036】実施例4 熱可塑性樹脂組成物塗工層の乾燥重量を0.4g/m2
にした以外は、実施例1と同様にして隠蔽葉書用の擬似
接着性OPPフィルムを得た。
【0037】実施例5 熱可塑性樹脂組成物塗工層の乾燥重量を0.9g/m2
にした以外は、実施例1と同様にして隠蔽葉書用の擬似
接着性OPPフィルムを得た。
【0038】比較例1 実施例1と同様の溶融したポリプロピレン樹脂をTダイ
型押出機にて冷却ロール上に押出し、縦方向に5倍に延
伸し、次いで横方向に160℃で10倍に延伸し、コロ
ナ表面処理した。次いで、バーコーターにて塗工液Aを
0.67g/m 2塗布、熱風乾燥させ、熱可塑性樹脂組
成物の乾燥後塗工量が0.10g/m2の隠蔽葉書用の
擬似接着性OPPフィルムを得た。
【0039】比較例2 熱可塑性樹脂組成物の乾燥後塗工量を1.0g/m2
した以外は、比較例1と同様にして隠蔽葉書用の擬似接
着性OPPフィルムを得た。
【0040】比較例3 塗工液Aを使用する代わりに、塗工液Cを用いた以外
は、実施例1と同様にして隠蔽葉書用の擬似接着性OP
Pフィルムを得た。
【0041】比較例4 横方向への延伸を120℃で行った以外は、実施例1と
同様にして隠蔽葉書用の擬似接着性OPPフィルムを製
造したが、OPPフィルムが延伸できず、破断した。
【0042】「評価」得られた隠蔽葉書用の擬似接着性
OPPフィルムについて、擬似接着適性、熱圧着温度依
存性、ヘーズを下記の方法で評価し、その結果を表1に
示した。
【0043】〔擬似接着適性〕擬似接着性OPPフィル
ムの熱可塑性樹脂面同士を重ね合わせ、100℃、12
0℃、140℃にそれぞれ設定したヒートシーラーを使
用して、25mm×10mmの面積を圧力200kPa
で0.5秒間熱圧着した。これを1時間後に引張り試験
機にて300mm/分の速度で引き剥がして熱圧着強度
を測定した。また、上記各温度における熱圧着強度と、
熱圧着後に剥がした場合の外観状態の目視判定結果と、
それらを基に下記◎、○、△、×の基準で判断した総合
的な擬似接着適性の評価結果を下記(ア)〜(キ)に示
した。本発明の擬似接着性OPPフィルムにおいては、
100℃〜140℃の温度範囲で(ア)〜(オ)、特に
(ア)〜(ウ)の評価を得るような安定した熱圧着強度
が得られることが好ましい。
【0044】 ◎:隠蔽葉書等の擬似接着用途に極めて適する。 ○:隠蔽葉書等の擬似接着用途に適する。 △:隠蔽葉書等の擬似接着用途に使用可能である。 ×:隠蔽葉書等の擬似接着用途に適さない。
【0045】 (ア)熱圧着強度:0.10〜0.50N/25mm。 擬似接着適性評価◎:適度な熱圧着強度を有し、OPP
フィルム同士を剥がした跡が全くなく、カールも生じな
い。隠蔽葉書等の擬似接着用途に極めて適する。 (イ)熱圧着強度:0.05N/25mm以上、0.1
0N/25mm未満。 擬似接着性評価○:OPPフィルム同士を剥がした後の
跡が全くなく、カールも生じない。熱圧着強度がやや軽
目であるが、隠蔽葉書等の擬似接着用途に適する。 (ウ)熱圧着強度:0.50N/25mmを超え、1.
0N/25mm以下。 擬似接着性評価○:OPPフィルム同士を剥がした後の
跡は殆どないが、わずかにカールを生じる。隠蔽葉書等
の擬似接着用途に適する。 (エ)熱圧着強度:0.03N/25mm以上、0.0
5N/25mm未満。 擬似接着性評価△:OPPフィルム同士を剥がした後の
跡が全くなく、カールも生じない。熱圧着強度がやや弱
いが、通常の使用条件下では、隠蔽葉書等の擬似接着用
途に使用可能である。 (オ)熱圧着強度:1.0N/25mmを超え、3.0
N/25mm以下。 擬似接着性評価△:OPPフィルム同士を剥がした後の
跡が若干あり、カールも少し生じるが隠蔽葉書等の擬似
接着用途に使用可能である。 (カ)熱圧着強度:0.03N/25mm未満。 擬似接着性評価×:熱圧着強度が弱すぎて隠蔽葉書等の
擬似接着用途には適さない。 (キ)熱圧着強度:3.0N/25mmを超える。 擬似接着性評価×:熱圧着強度が強すぎ、OPPフィル
ム同士を剥がした後の跡が残り、カールも生じる。隠蔽
葉書等の擬似接着用途には適さない。
【0046】〔透明性〕ヘーズメーター(商品名「Ha
ze Meter NDH2000」日本電色社製)を
用い、JIS Z1712の方法でフィルムの霞度を測
定し、下記の基準で判断した。
【0047】 ◎:ヘーズが2%未満であり、透明性が良好。 ○:ヘーズが2%以上4%未満であり、若干フィルムが
霞んでいるが実使用上は問題ない。 △:ヘーズが4%以上8%未満であり、ラミネート、隠
蔽葉書加工後に印刷濃度が低下する問題がある。 ×:ヘーズが8%以上であり、フィルムの外観が悪く使
用できない。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】表1の結果から明らかなように、本発明
の擬似接着性OPPフィルムは擬似接着性に優れ、透明
性も良好なものであり、特に隠蔽葉書等の用途に好適に
使用できる。また、熱圧着温度依存性が小さく、広範囲
の温度で、実用的な熱圧着強度を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 9:00 B29L 9:00 Fターム(参考) 2C005 WA04 4F100 AK01B AK03G AK07A AK25G AL01G BA02 BA07 EH46B EJ37B EJ38A EJ55 GB71 GB90 JA04B JA06B JB16B JL11 YY00B 4F210 AA10 AA11 AA20 AG03 AH53 AR06 QA03 QC06 QD08 QD10 QD13 QG01 QG15 QG18 QM03 4J004 AA07 AA09 AA10 AA15 AB01 CA04 CC02 FA08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン系樹脂をT型ダイスより
    溶融押出しし、流れ方向に延伸した一軸延伸ポリプロピ
    レンフィルムの一方の面に、軟化点が−30〜100℃
    で、150℃における溶融粘度が100〜2000mP
    a・sである熱可塑性樹脂組成物の分散液を塗布、乾燥
    させ、引き続いて130〜250℃の温度にて幅方向に
    延伸することを特徴とする熱圧着層を有する擬似接着性
    二軸延伸ポリプロピレンフィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂組成物は、軟化点が−
    20〜80℃で、150℃における溶融粘度が200〜
    1000mPa・sであり、前記幅方向の延伸温度が1
    50〜200℃である請求項1に記載の擬似接着性二軸
    延伸ポリプロピレンフィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記熱可塑性樹脂組成物の乾燥塗布量
    が、延伸後のフィルムとして0.01〜5.00g/m2
    の範囲である請求項1又は2に記載の擬似接着性二軸延
    伸ポリプロピレンフィルムの製造方法。
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