JP2003026279A - スライスチーズ包装用フィルム - Google Patents

スライスチーズ包装用フィルム

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JP2003026279A
JP2003026279A JP2001214623A JP2001214623A JP2003026279A JP 2003026279 A JP2003026279 A JP 2003026279A JP 2001214623 A JP2001214623 A JP 2001214623A JP 2001214623 A JP2001214623 A JP 2001214623A JP 2003026279 A JP2003026279 A JP 2003026279A
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cheese
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layer
thermoplastic resin
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Takashi Ohashi
隆 大橋
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】チーズ夾雑状態でも熱圧着強度が良好で透明性
に優れ、開封時にはチーズとの剥離性が良好で、更に外
表面の印刷インキの密着性にも優れたスライスチーズ包
装用フィルムを提供する。 【解決手段】二軸延伸ポリプロピレンフィルムのチーズ
と接触する面に熱可塑性樹脂層を積層させたスライスチ
ーズ包装用フィルムにおいて、上記二軸延伸ポリプロピ
レンフィルムが脂肪酸アミド類を0.1〜2.0重量%
含むことを特徴とするスライスチーズ包装用フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄型スライスチー
ズを個別包装する際、好適に使用される熱圧着性スライ
スチーズ包装用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】スライスチーズの包装は、通常、フィル
ムをセンターシールで円筒状とし、この内面に溶融状態
のチーズを流し込み、ロールの隙間でチーズ厚みを調整
し、水槽にて冷却した後、前後をシールしカットするこ
とで製造されている。このようなスライスチーズ包装用
フィルムとして要求される特性は、チーズ夾雑状態でも
熱圧着強度が良好で透明性に優れ、開封時にはチーズと
の剥離性が良好で、さらに外表面の印刷インキの密着性
にも優れていることなどである。
【0003】従来、スライスチーズ包装用フィルムとし
ては、例えば、セロファン、ポリ塩化ビニリデン樹脂な
どがコーティングされたポリエステルフィルム(以下P
ETフィルムと記す)や二軸延伸ポリプロピレンフィル
ム、ポリエチレンやエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂
(以下EVAと記す)などを積層したPETフィルムや二
軸延伸ポリプロピレンフィルムが使用されている。しか
しながら、これら従来のフィルムは内面に熱圧着層を持
っていても、チーズが夾雑した状態ではシールする部分
にチーズが入りこんで接着を阻害するため接着性が充分
でないものが多い。そこで、熱圧着層の接着性を改善す
るために、熱圧着層の表面に異種類の熱可塑性樹脂を混
合し、表面を粗化する等の方法で夾雑状態での接着性を
改良することが行われているが、フィルムの透明性が劣
ることとなり、内容物が見えにくく、チーズの劣化状態
が確認しづらいという問題点があった。
【0004】さらに、フィルムの熱圧着層と反対面には
印刷等が施されるが、通常は、この面にコロナ処理やフ
レーム処理などの表面処理がなされることが多く、ま
た、集積包装されたあとにフィルム同士が擦れたり、油
脂等が付着した状態で擦れたりすると印刷インキが剥が
れるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、チーズ夾雑
状態でも熱圧着強度が良好で透明性に優れ、開封時には
チーズとの剥離性が良好で、さらに外表面の印刷インキ
の密着性にも優れたスライスチーズ包装用フィルムを提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の各発明
を包含する。 (1)二軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下OPPフ
ィルムと記す)のチーズと接触する面に熱可塑性樹脂層
を積層させたスライスチーズ包装用フィルムにおいて、
上記OPPフィルムが脂肪酸アミド類を0.1〜2.0
重量%含むことを特徴とするスライスチーズ包装用フィ
ルム。 (2)前記熱可塑性樹脂層が、シリコーン樹脂微粒子を
0.05〜10.0重量%含み、且つ熱可塑性樹脂層表
面の10点平均表面粗さ(Rz)が0.4μm以上、1.
0μm未満である(1)項に記載のスライスチーズ包装
用フィルム。
【0007】(3)前記熱可塑性樹脂層が、ポリブテン
を10〜70重量%、又はブテンに基づく単量体単位を
10モル%以上含む共重合体を10〜70重量%含有す
る(1)項又は(2)項に記載のスライスチーズ包装用
フィルム。 (4)前記OPPフィルムの熱可塑性樹脂層と反対面
に、さらに外面層としてアイオノマー樹脂を70重量%
以上含むアイオノマー樹脂組成物層を積層した(1)項
〜(3)項のいずれか1項に記載のスライスチーズ包装
用フィルム。 (5)前記外面層表面の濡れ張力が45mN/m以上で
ある(4)項に記載のスライスチーズ包装用フィルム。
【0008】本発明は、さらに以下の発明を包含する。 (6)前記熱可塑性樹脂層の樹脂層同士の熱圧着強度
は、120〜150℃の圧着温度にて0.1〜2.0N
/15mmである(1)項〜(5)項のいずれか1項に
記載のスライスチーズ包装用フィルム。 (7)ポリプロピレン系樹脂と内面層を形成する熱可塑
性樹脂をそれぞれT型ダイスにて共押出しし、縦方向に
延伸してポリプロピレン系樹脂フィルム/熱可塑性樹脂
層からなる一軸延伸フィルムとし、必要に応じてコロナ
処理を行った後に、ポリプロピレン系樹脂フィルムの熱
可塑性樹脂層と反対面にアイオノマー樹脂組成物の分散
液を塗工、乾燥させ、引き続いて横方向に150℃以上
の温度で延伸するスライスチーズ包装用フィルムの製造
方法。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のスライスチーズ包装用フ
ィルム(以下、本発明の包装用フィルムという。)は、
チーズ夾雑状態でも熱圧着強度が良好で透明性に優れ、
開封時にはチーズとの剥離性が良好で、且つ外面の印刷
適性が良好なフィルムである。
【0010】本発明に用いられるOPPフィルムは、主
にポリプロピレン単独又はプロピレン以外のオレフィン
含有量が2重量%未満のポリプロピレン系樹脂(以下、
両者を併せて「ポリプロピレン系樹脂」と記す)からな
る。ちなみに、プロピレン以外のオレフィン含有量が2
重量%以上となるとOPPフィルム本来の品質が得られ
にくく、実用性に劣る。プロピレン以外のオレフィン単
量体としては、エチレン、ブテン等が挙げられるが、延
伸性を上げるためにはエチレンが好ましい。上記ポリプ
ロピレン系樹脂のメルトインデックスは特に制限されな
いが、良好なフィルム成形性を付与するためには1〜1
0g/10分の範囲とすることが好ましい。
【0011】本発明の包装用フィルムにおいては、OP
Pフィルム中にスリップ剤である脂肪酸アミド類を0.
1〜2.0重量%含有させることにより、熱可塑性樹脂
層とチーズとの親和性を低下させ、剥離性を良くする。
脂肪酸アミド類の含有量が0.1重量%に満たないと剥
離効果が少なく、また2.0重量%を超えるとブリード
アウトにより熱圧着強度が低下し、好ましくない。脂肪
酸アミド類は熱可塑性樹脂層に入れてもある程度の効果
は期待できるが、フィルム成形性が悪くなり、延伸フィ
ルムの外観不良となる可能性がある。また、脂肪酸アミ
ド類を熱可塑性樹脂層に入れると、フィルム押出し成形
中に多くは揮発してしまう上、特にアミドの量を増やす
と口金汚れが発生し易い。したがって、本発明ではOP
Pフィルム中に含ませる。脂肪酸アミド類の種類として
は、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸
アミド、ベヘニン酸アミド等が挙げられる。
【0012】本発明のOPPフィルムには、添加剤とし
て帯電防止剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、充填
剤、また腰を得るために石油樹脂、テルペン樹脂等を適
宜使用しても良い。また、ポリプロピレン系樹脂を押し
出す際に、さらに各種ポリオレフィン系樹脂等を積層し
ても良い。
【0013】内面層を形成する熱可塑性樹脂層は、包装
されるチーズと直接接する層であり、また樹脂層同士が
互いに熱圧着される層であるので、優れた熱圧着強度を
得ることのできる熱可塑性樹脂が使用される。中でもポ
リブテンを10〜70重量%含むか、又はブテンに基づ
く単量体単位を10モル%以上含む共重合体樹脂を10
〜70重量%含む熱可塑性樹脂が好ましい。上記ポリブ
テン含有量が10重量%に満たないと熱圧着強度が低す
ぎ、70重量%を超えるとフィルム同士がブロッキング
し易くなり、いずれの場合も好ましくない。
【0014】また、上記ブテンに基づく単量体単位を含
む共重合体樹脂中のブテン含有量が10モル%に満たな
いと熱圧着強度が低すぎ、熱可塑性樹脂中の上記共重合
体樹脂の含有量が10重量%に満たないと熱圧着強度が
低すぎ、70重量%を超えるとフィルム同士がブロッキ
ングし易くなり、いずれの場合も好ましくない。ブテン
に基づく単量体を含む共重合体樹脂としては、例えばエ
チレン−ブテン共重合体樹脂、エチレン−プロピレン−
ブテン共重合体樹脂、プロピレン−ブテン共重合体樹脂
などが使用可能である。上記熱可塑性樹脂層で、ポリブ
テン又はブテン共重合体樹脂と併用される樹脂として
は、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン
−プロピレン共重合体樹脂等が挙げられる。内面層を形
成する熱可塑性樹脂層の厚さは、0.1〜5.0μmが
好ましく、OPPフィルムの厚さは、5〜50μmが好
ましく、さらに熱可塑性樹脂層とOPPフィルムの合計
厚さに対して、OPPフィルムの厚さの割合は、60〜
99%が好ましい。
【0015】次に、本発明の包装用フィルムは、開封時
に熱可塑性樹脂層とチーズの剥離性を良くするために、
OPPフィルムに脂肪酸アミド類を含ませると同時に、
熱可塑性樹脂層にシリコーン樹脂微粒子を0.05〜1
0.0重量%含ませることにより、さらにチーズの主成
分である油脂の濡れ性が低下し、チーズとの剥離を軽く
することができる。シリコーン樹脂微粒子の含有量が
0.05重量%に満たないと剥離効果が少なく、10.
0重量%を超えるとフィルムの熱圧着強度が低下するの
でいずれの場合も好ましくない。シリコーン樹脂微粒子
の大きさは0.2〜5.0μmが好ましい。シリコーン
樹脂微粒子の大きさが下限に満たないとチーズの剥離が
重く、上限を超えると透明性が悪化したり熱圧着強度が
低下することとなり、いずれの場合も好ましくない。
【0016】また、本発明の包装用フィルムは、熱可塑
性樹脂層の表面を適度に粗化することで、チーズとの接
触面積を減らし、開封時のチーズとの剥離を軽くするこ
とができる。熱可塑性樹脂層表面の粗化の程度は、表面
の10点平均表面粗さ(Rz)を0.4μm以上、1.0
μm未満とすることが好ましい。上記10点平均表面粗
さ(Rz)が0.4μmに満たないとその剥離効果が充分
でなく、また、チーズ夾雑状態での熱圧着強度が低下
し、さらには、ブロッキングなどの弊害を招く可能性が
ある。1.0μm以上すなわち粗面化が進むと逆にフィ
ルムの透明性が悪くなり、チーズの劣化状態が包装され
た状態ではわかりにくいという問題が生ずる。
【0017】熱可塑性樹脂層表面を粗化する手段として
は、フィルムを物理的にエンボスロール等でエンボスす
る方法もあるが、粗化が進みすぎる可能性が高いので、
熱可塑性樹脂層に2種以上の相溶性のあまり良くない樹
脂同士、例えば、エチレン−ブテン共重合体樹脂とポリ
プロピレン樹脂を混合する方法等が好ましい。また、積
層する熱可塑性樹脂層の厚み、延伸温度を代えることに
よって調節することもできる。
【0018】また、チーズ夾雑熱圧着強度は、120〜
150℃の圧着温度にて、好ましくは0.1〜2.0N
/15mm、さらに好ましくは0.2〜1.0N/15
mmである。0.1N/15mmに満たないと包装され
たチーズが輸送途中や店頭で販売されている時に開封す
る恐れがあり、2.0N/15mmを超えると開封時に
フィルムが破れる場合があり、開封が困難となる。
【0019】本発明の包装用フィルムにおいては、OP
Pフィルムのチーズと接触しない面に商品名等の印刷が
施されるため、OPPフィルムと印刷インキの密着性も
重要であり、印刷面の濡れ張力は45mN/m以上が好
ましく、47〜53mN/mがより好ましい。濡れ張力
が45mN/m未満では印刷インキの未着力が不十分と
なる傾向があり、一方、大き過ぎると、フィルム同士が
ブロッキングする場合がある。そこで、OPPフィルム
を挟んで熱可塑性樹脂層と反対面に、さらに印刷インキ
の密着性が良好な外面層を積層したスライスチーズ包装
用フィルムとすることができる。
【0020】上記外面層に用いることのできる樹脂とし
ては、熱可塑性樹脂組成物、例えばEVAやアクリル酸
エステル共重合体等が使用可能であり、必要な濡れ張力
や熱圧着性を得ることは可能である。しかしながら、こ
れらの樹脂は塗工後の乾燥工程で成膜してしまうため、
幅方向延伸時に塗工膜が割れてしまったり、粒径が大き
いため延伸後に表面が白化してしまうなどの問題がある
ので、アイオノマー樹脂が好ましい。
【0021】そこで、本発明の包装用フィルムにおいて
は、OPPフィルムを挟んで熱可塑性樹脂層と反対面
に、さらにアイオノマー樹脂を含む組成物を塗工、乾
燥、表面処理することで外面層を積層する。その結果、
OPPフィルム表面の濡れ張力が格段に上がり、インキ
の密着性が向上する。また、アイオノマー樹脂自身があ
る程度の熱圧着性を持っているため、外面層が熱可塑性
樹脂層(内面層)と熱圧着される場合でも接着性が良好
である。前記外面層は、アイオノマー樹脂を70重量%
以上含む樹脂組成物が好ましい。アイオノマー樹脂の含
有量が70重量%に満たないと、濡れ張力が45mN/
mに満たない場合があり、OPPフィルムと印刷インキ
の密着性が不十分である。
【0022】例えば、上記アイオノマー樹脂組成物は、
フィルムが一軸延伸された状態で、分散液の形でフィル
ムに塗工、乾燥され、引き続いて巾方向に150℃以上
の温度にて延伸、表面処理される。その結果、アイオノ
マー樹脂層と基材OPPフィルムの密着力の優れたフィ
ルムを得ることができる。これは、通常の塗工工程より
も高い温度で乾燥、さらには延伸されることで、アイオ
ノマー樹脂自身が基材OPPフィルムに溶融接着するた
めである。また、フィルム成形後に塗工する工程を省け
るので、経済的でもある。
【0023】本発明に使用されるアイオノマー樹脂組成
物の分散液は、例えば、水やアルコール等の各種溶媒に
分散させたものであり、また、必要に応じてこの分散液
に染料や顔料、消泡剤や濡れ剤等の界面活性剤類、ブロ
ッキング防止剤、滑剤、増粘剤等の各種添加剤を添加す
ることもできる。
【0024】本発明におけるアイオノマー樹脂組成物の
塗工、乾燥は、例えば、ロールコーターやバーコータ
ー、グラビアコーター、エアーナイフコーター等の各種
塗工装置に公知、公用の乾燥方法を組み合わせて行われ
る。なお、前記アイオノマー樹脂組成物の乾燥塗工量は
延伸後のフィルムを基準にして、好ましくは0.02〜
2.00g/m2の範囲である。ちなみに、アイオノマ
ー樹脂組成物の乾燥塗工量が下限に満たないと充分な印
刷インキ密着強度が得られず、上限を超えるとフィルム
の透明性が低下し、好ましくない。なお、本発明の包装
用フィルムにおいては、上記外面層を例えばコロナ処
理、火炎処理やプラズマ処理等により表面処理すること
によって、印刷インキとアイオノマー樹脂層の密着力を
さらに向上させることができる。
【0025】本発明の包装用フィルムは、以下に例示す
る製造方法によって製造することができる。すなわち、
基材層を形成するポリプロピレン系樹脂と内面層を形成
する熱可塑性樹脂をそれぞれ溶融混練し、それぞれの樹
脂をT型ダイスにて冷却ロール上に共押出しし、シート
状に冷却固化する。得られたシートは縦延伸機にて縦方
向に5倍程度に延伸し、必要に応じてコロナ処理を行っ
た後に、アイオノマー樹脂組成物の分散液を塗工、乾燥
させ、引き続いて横延伸機にて横方向に10倍程度に延
伸する。また延伸については縦横同時に延伸するいわゆ
る同時二軸延伸法でもよく、その場合もアイオノマー樹
脂組成物の塗工を行ったあと、引続き150℃以上の温
度にて延伸を行う。こうして得られたフィルムは、場合
により、さらにコロナ処理等の表面処理を行い、本発明
の包装用フィルムとして巻き取る。
【0026】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、本発明はこれらの例によって限定される
ものではない。
【0027】〔外面層の塗工液調製〕 塗工液a アイオノマー樹脂組成物の分散液として、ポリオレフィ
ン系アイオノマー樹脂の水分散液(商品名「ケミパール
S−300」、三井化学株式会社製)を希釈し、固形分
濃度10%の塗工液aを得た。 塗工液b EVA系樹脂組成物の分散液(商品名「モビニール18
0E」、クラリアントポリマー株式会社製)を希釈し、
固形分濃度10%の塗工液bを得た。
【0028】〔フィルムの製造〕 実施例1 チーズと接触する内面層(熱可塑性樹脂層)の原料とし
て、エチレン−ブテン共重合体樹脂(ブテン含有量40
モル%)40重量%、密度0.927の低密度ポリエチ
レン10重量%、密度0.945の中密度ポリエチレン
50.0重量%を溶融混錬した樹脂(A)と、基材層
(OPPフィルム)の原料としてポリプロピレン樹脂に
エルカ酸アミドを0.5重量%添加した樹脂(B)と
を、Tダイ型共押出機にて冷却ロール上にA/B=11
75/75(μm)となるよう押出し積層した。その
後、縦方向に5倍に延伸し、(A)を積層していない
面、すなわち、内面層と反対面にコロナ処理を行ってか
ら、さらに同面にバーコーターにて上記塗工液aを10
g/m2塗工、乾燥させ、次いで横方向に10倍に延伸
し、A層/B層/塗工液a層からなる厚さ25μmの本
発明の包装用フィルムを得た。なお、フィルム内面層の
10点平均表面粗さは0.7μmであった。また塗工液
aの乾燥重量は約0.1g/m2であった。
【0029】実施例2 基材層(OPPフィルム)の原料として、ポリプロピレ
ン樹脂にエルカ酸アミドを1.5重量%添加した樹脂
(B)を使用した以外は実施例1と同様にして本発明の
包装用フィルムを得た。フィルム内面層の10点平均表
面粗さは0.6μmであった。また塗工液aの乾燥重量
は約0.1g/m2であった。
【0030】実施例3 実施例1と同様の原料、方法で、Tダイ型共押出機にて
冷却ロール上に樹脂A/樹脂Bからなる積層フィルムを
形成し、縦方向に5倍延伸後、即座に横方向10倍に延
伸し、内面層と反対面にコロナ処理を行ってからフィル
ムを巻取った。その後、上記コロナ処理面にバーコータ
ーにて塗工液aを1g/m2塗工、乾燥させ、外面層を
形成させた以外は実施例1と同様にして本発明の包装用
フィルムを得た。フィルム内面層の10点平均表面粗さ
は0.7μmであった。また、塗工液aの乾燥重量は約
0.1g/m2であった。
【0031】実施例4 チーズと接触する内面層(熱可塑性樹脂層)の原料とし
て、エチレン−ブテン共重合体樹脂(ブテン含有量40
モル%)40重量%、密度0.927の低密度ポリエチ
レン10重量%、密度0.945の中密度ポリエチレン
49.92重量%と、シリコーン樹脂微粒子(平均粒子
径2.0μm;商品名「トスパール120」、東芝シリ
コーン株式会社製)0.08重量%を溶融混錬した樹脂
(A)を使用した以外は実施例1と同様にして本発明の
包装用フィルムを得た。フィルム内面層の10点平均表
面粗さは0.5μmであった。また、塗工液aの乾燥重
量は約0.1g/m2であった。
【0032】実施例5 チーズと接触する内面層(熱可塑性樹脂層)の原料とし
て、エチレン−ブテン共重合体樹脂(ブテン含有量40
モル%)40重量%、密度0.927の低密度ポリエチ
レン10重量%、密度0.945の中密度ポリエチレン
42.0重量%と、シリコーン樹脂微粒子(平均粒子径
2.0μm;商品名「トスパール120」、東芝シリコ
ーン株式会社製)8.0重量%を溶融混錬した樹脂
(A)を使用し、基材層(OPPフィルム)の原料とし
て、ポリプロピレン樹脂にエルカ酸アミドを0.2重量
%添加した樹脂(B)を使用した以外は実施例1と同様
にして本発明の包装用フィルムを得た。フィルム内面層
の10点平均表面粗さは0.4μmであった。また、塗
工液aの乾燥重量は約0.1g/m2であった。
【0033】比較例1 基材層(OPPフィルム)の原料として、ポリプロピレ
ン樹脂にエルカ酸アミドを0.05重量%添加した樹脂
(B)を使用した以外は実施例1と同様にして比較用の
包装用フィルムを得た。フィルム内面層の10点平均表
面粗さは0.7μmであった。また塗工液aの乾燥重量
は約0.1g/m2であった。
【0034】比較例2 基材層(OPPフィルム)の原料として、ポリプロピレ
ン樹脂にエルカ酸アミドを3.0重量%添加した樹脂
(B)を使用した以外は実施例1と同様にして比較用の
包装用フィルムを得た。フィルム内面層の10点平均表
面粗さは0.7μmであった。また、塗工液aの乾燥重
量は約0.1g/m2であった。
【0035】比較例3 基材層(OPPフィルム)の原料として、ポリプロピレ
ン樹脂にエルカ酸アミドを3.0重量%添加した樹脂
(B)を使用し、内面層と反対面に塗工液aに代えて塗
工液bを塗工・乾燥した以外は実施例1と同様にして比
較用の包装用フィルムを得た。フィルム内面層の10点
平均表面粗さは0.7μmであった。また、塗工液bの
乾燥重量は約0.1g/m2であった。
【0036】比較例4 チーズと接触する内面層(熱可塑性樹脂層)の原料とし
て、エチレン−ブテン共重合体樹脂(ブテン含有量40
モル%)40重量%、密度0.927の低密度ポリエチ
レン10重量%、密度0.945の中密度ポリエチレン
49.98重量%と、シリコーン樹脂微粒子(平均粒子
径2.0μm;商品名「トスパール120」、東芝シリ
コーン株式会社製)0.02重量%を溶融混錬した樹脂
(A)を使用し、基材層(OPPフィルム)の原料とし
て、脂肪酸アミド類を加えないポリプロピレン樹脂を使
用した以外は実施例1と同様にして比較用の包装用フィ
ルムを得た。フィルム内面層の10点平均表面粗さは
0.7μmであった。また、塗工液aの乾燥重量は約
0.1g/m2であった。
【0037】比較例5 チーズと接触する内面層(熱可塑性樹脂層)の原料とし
て、エチレン−ブテン共重合体樹脂(ブテン含有量40
モル%)40重量%、密度0.927の低密度ポリエチ
レン10重量%、密度0.945の中密度ポリエチレン
48.5重量%とエルカ酸アミドを1.5重量%添加し
た樹脂を溶融混錬した樹脂(A)を使用し、基材層(O
PPフィルム)の原料としてポリプロピレン樹脂100
%の樹脂(B)を使用した以外は実施例1と同様にして
比較用の包装用フィルムを得た。フィルム内面層の10
点平均表面粗さは0.8μmであった。また、塗工液a
の乾燥重量は約0.1g/m2であった。
【0038】上記実施例、比較例の各測定項目につい
て、下記の方法で測定した。 (1)表面粗さ 本発明における10点平均粗さ(Rz)は、サーフコム
554A(東京精密機械製)を用いて、チーズと接触する
内面層の10点の表面粗さを測定した。 (2)チーズ剥離性 90℃に加熱溶融したナチュラルチーズをフイルムに流
し、直ちにフィルムを折り返し上からローラーにてチー
ズの厚みが2mmになるように伸ばす。室温にて2時間
放冷し、15℃にて48時間保持後、23℃にて1時間
放置し、上のフィルムを剥がしてチーズと接触していた
部所を10cm×10cmに切り、付着量を測定した。
【0039】(3)チーズ夾雑熱圧着強度 フィルムのチーズ接触面、すなわち熱圧着面に溶融させ
た市販スライスチーズを挟んだ後、120℃〜150
℃、3kg/cm2、0.5秒の条件下で、熱傾斜型シ
ーラー機で熱圧着させ、15mm幅に切り取り、引張り
速度300mm/minにて圧着強度を測定した。 (4)外面層の濡れ張力 JIS K6768の試験方法にて測定を行った。
【0040】(5)インキ密着強度 プラスチック表刷りグラビアインキ(東洋インキ製PA
NNECO、PN102溶剤にて希釈)をバーコーター
にて、乾燥後の重量が0.1g/m2となるように塗
工、80℃、1分間乾燥後、学振式染色物磨耗堅牢度試
験機(福田機械工業製)にて100g加重させて、医療用
ガーゼで100往復させた後のインキの剥がれ状態を観
察した。 (6)フィルムの透明性(ヘーズ) JIS Z1712の試験方法でヘーズを測定した。
【0041】実施例及び比較例で得られたスライスチー
ズ包装用フィルムを、チーズ剥離性、チーズ夾雑熱圧着
強度、外面層の濡れ張力、インキ密着強度及びヘーズを
測定することによって評価した。評価基準は下記の通り
である。結果を表1に示した。 〔チーズ剥離性〕 ○:チーズ付着量10mg未満 △:チーズ付着量10mg以上、20mg未満 ×:チーズ付着量20mg以上
【0042】〔チーズ夾雑熱圧着強度〕 ○:接着強度が0.1N/15mm以上、2.0N/1
5mm以下であり、通常の使用条件下でも接着部分が剥
がれることが無く、またフィルムやチーズを壊すことな
くフィルムを剥すことができ、チーズ包装用途に極めて
適する。 △:接着強度が2.0N/15mmを超えて、接着強度
が強すぎ、きれいにチーズが取り出せない。 ×:接着強度が0.1N/15mm未満であり、接着強
度が弱すぎて使用できない。
【0043】〔インキ密着強度〕 ○:インキが全く剥がれない。 △:インキが、僅かに剥がれる。 ×:インキがほとんど剥がれる。
【0044】〔ヘーズ〕 ○:2.0%未満 △:2.0%以上、5.0%未満 ×:5.0%以上、50.0%未満 ××:50.0%以上
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】表1の結果から明らかなように、本発明
の包装用フィルムは、チーズ剥離性、チーズ夾雑熱圧着
適性、外面の印刷インキ密着性及び透明性に優れたもの
であり、スライスチーズ包装用途に好適に使用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E035 AA18 BC02 BD10 3E086 AB01 BA04 BA15 BA24 BB22 BB62 BB90 CA05 4F100 AH03A AH03H AK01B AK04 AK06 AK07A AK09B AK52B AK65 AK71C AL01B AL05C BA02 BA03 BA07 BA10B BA10C DE01B EH20 EH202 EH46 EH462 EJ372 EJ38 EJ38A EJ382 EJ55 EJ552 GB15 JB05C JB16B JK14B JL12 YY00A YY00B YY00C

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二軸延伸ポリプロピレンフィルムのチー
    ズと接触する面に熱可塑性樹脂層を積層させたスライス
    チーズ包装用フィルムにおいて、上記二軸延伸ポリプロ
    ピレンフィルムが脂肪酸アミド類を0.1〜2.0重量
    %含むことを特徴とするスライスチーズ包装用フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 上記熱可塑性樹脂層がシリコーン樹脂微
    粒子を0.05〜10.0重量%含み、且つ熱可塑性樹
    脂層表面の10点平均表面粗さ(Rz)が0.4μm以
    上、1.0μm未満である請求項1に記載のスライスチ
    ーズ包装用フィルム。
  3. 【請求項3】 前記熱可塑性樹脂層が、ポリブテンを1
    0〜70重量%、又はブテンに基づく単量体単位を10
    モル%以上含む共重合体を10〜70重量%含有する請
    求項1又は2に記載のスライスチーズ包装用フィルム。
  4. 【請求項4】 前記二軸延伸ポリプロピレンフィルムの
    熱可塑性樹脂層と反対面に、さらに外面層としてアイオ
    ノマー樹脂を70重量%以上含むアイオノマー樹脂組成
    物層を積層した請求項1〜3のいずれか1項に記載のス
    ライスチーズ包装用フィルム。
  5. 【請求項5】 前記外面層表面の濡れ張力が45mN/
    m以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載のスラ
    イスチーズ包装用フィルム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015013428A (ja) * 2013-07-05 2015-01-22 三井化学東セロ株式会社 多層フィルムおよびそれからなる包装体
JP2016116739A (ja) * 2014-12-22 2016-06-30 ブリヂストンスポーツ株式会社 ゴルフボール用樹脂組成物
JP2019116025A (ja) * 2017-12-27 2019-07-18 凸版印刷株式会社 包装材用シーラントフィルム、包装材、及び包装体

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