JP2004191687A - 反射防止フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】粘着剤を用いた反射防止フィルムの欠点と改良すべく、反射防止フィルムの貼り合わせ作業で気泡が入ることなく、リワーク性を満足する粘着剤層付き反射防止フィルムを提供することである。
【解決手段】透明フィルムの一方の面に少なくとも反射防止層及び又は防眩層を設け、他方の面に密着層を設けた反射防止フィルムにおいて、密着層が、両末端にのみビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンと、両末端および側鎖に、ビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンとから選ばれる少なくとも1種のシリコーンから選ばれたシリコーンを主成分として架橋させたものであることを特徴とする反射防止フィルム。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は反射防止フィルムに関し、さらに詳しくはフィルムの貼り付け、貼り直し作業が簡便にできる反射防止フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】CRT、LCR、有機EL、プラズマディスプレー等の画像表示体の画像やショーケース、窓、ディスプレー等を通して展示物、景色等を見る場合、外光や自身が映り込み、非常に見にくいことがある。このため、透明フィルムに反射防止処理を施した反射防止フィルムを貼り合わせることが行われる。被着体との貼り合わせには通常、粘着剤が用いられる。貼り合わせ作業にはラミネーターが用いられる。また、ラミネーターが使えない場合は、霧吹きなどを使って被着体とフィルムの粘着面を水で充分濡らした状態で貼り合わせ、スキージなどでフィルム表面をしごきながら被着体と粘着面の間にある水を外に追い出すことによって貼り付ける方法がよく用いられる。このような面倒な作業を行うには理由がある。粘着フィルムをそのまま貼り付けると、たいてい被着体とフィルムの間に空気が入り込み、その空気は完全に外に追い出すことはほぼ不可能である。無理に追い出そうとするとそこがしわになることも多々ある。貼り直そうとして剥がすと、もはや粘着層の当初の透明性は損なわれるため貼り直す(以下、リワークと呼ぶ。)ことも不可能である。このように反射防止フィルムに代表されるような透明性が必要な光学フィルムの貼り付けは上記のような貼り付け法を用いずに行うのは難しく、手間のかかる作業であった。
【0003】
そこで、リワークが可能な光学フィルム用の粘着剤として、ゴム系粘着剤を主成分とするものが提供された。(特許文献1参照。)この粘着剤は、貼り合わせ等の加工性を向上するために、ゴム系粘着剤に対して、炭化水素樹脂等のタッキファイヤーを併用するものである。タッキファイヤーは、一般にロジン系または石油系炭化水素樹脂の物質よりなり、その添加によってプラスチックとの密着性が向上することが知られており、剥がれや発泡等の問題を解決することができる。しかしながら、これらタッキファイヤーを用いた粘着剤付光学フィルムをガラス板に貼合すると、高温下または高温高湿下において、剥がれや発泡等が生じ、ディスプレイの表示を阻害するという問題があった。また、高温下または高温高湿下において、タッキファイヤーがブリードし易く、白濁等による光学特性の悪化、接着力の低下等の問題があり、十分なものではなかった。特に前記高温下または高温高湿下において、剥がれや発泡等が生じ、ディスプレイの表示を阻害するという問題は、セルロース系のポリマーよりなる光透過性フィルムに起こりやすかった。
【0004】
これらの問題を解決するために硬化型のアクリル系粘着剤を用いた光学用フィルムが種々提供された。(特許文献2、3、4参照。)これらの粘着剤は、いずれも重量平均分子量を細かく規定したアクリル系樹脂を用いるものである。これらの粘着剤の被着体に対する接着強さは、リワーク性を考慮して低く設計されている。しかしながら、JIS K 6856で規定されるはく離接着力(以下、剥離力と呼ぶ。)試験方法で、剥離力を測定するといずれの粘着剤も50mN/12.7mm以上の接着強さをもつものであり、リワーク性を満足させるものではなかった。
【特許文献1】
特開平11−209708号公報
【特許文献2】
特開2002−47463号公報
【特許文献3】
特開2002−107507号公報
【特許文献4】
特開2002−241708号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、以上の粘着剤を用いた反射防止フィルムの欠点を改良すべく、反射防止フィルムの貼り合わせ作業で気泡が入ることなく、リワーク性を満足する粘着剤層付き反射防止フィルムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、下記の反射フィルムが有効であることを見出した。
透明フィルムの一方の面に少なくとも反射防止層及び又は防眩層を設け、他方の面に密着層を設けた反射防止フィルムにおいて、密着層が、両末端にのみビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンと、末端および側鎖に少なくとも2つのビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンとから選ばれる少なくとも1種のシリコーンから選ばれたシリコーンを主成分として架橋させたものであることを特徴とする反射防止フィルム。
前記反射防止層は光の干渉作用を利用することによって、反射光を低減させる層である事を特徴とする▲1▼の反射防止フィルム。
▲3▼前記防眩層は表面に微細な凹凸を設けることにより、反射光の散乱によって反射光を低減させる層であることを特徴とする▲1▼、▲2▼の反射防止フィルム。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明について以下にさらに詳細に説明する。
本発明に適する透明フィルムとしては光透過性に優れる透明フィルムであればよく、例えば樹脂として、PET、アクリル、ポリカーボネート、TACが好適である。これらの透明フィルムはポリマーの種類によって無延伸フィルムであったり、延伸フィルムであったりするが、本発明ではどちらでも使用できる。例えばPETは通常二軸延伸フィルムであり、ポリカーボネート、アクリル、TACは通常、無延伸フィルムである。前記透明フィルムの厚さは反射防止フィルムの用途により適宜決定されるが、通常10〜500μmである。
【0008】
本発明における反射防止層は光の干渉作用を利用することによって、反射光を低減させる層であって、透明フィルムの屈折率よりも低屈折率の層を透明フィルムに設けて反射防止層とするものである。反射防止層の屈折率をn0 、厚みをh、隣接する層の屈折率をng 、光の波長をλとすると、n0 =√ng で、n0 h=λ/4を満足するときに、垂直入射した光を100%透過し、反射を100%防止する。光の波長λを5500Åで代表させれば、例えば透明フィルムとしてアクリル樹脂フィルムの屈折率ng が約1.5、反射防止層としてMgF2 の屈折率n0 が1.38であるから、反射防止層の厚みは約0.1μmとなる。低屈折率の層としては、例えば低屈折率無機材料からなる層がある。低屈折率無機材料としては、例えば、LiF、MgF2 、3Na・AlF3 、AlF3 、Na3 AlF6 、SiOX (x:1.50≦x≦2.00)等が挙げられる。これらの無機材料による反射防止層の形成は、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、プラズマCVD等によって行い、単層又は多層形成する。特にプラズマCVD法で形成したSiOX (xは1.50≦x≦4.00、好ましくは1.70≦x≦2.20)の膜は硬度が高く、且つハードコート層との密着性に優れ、透明フィルムへの熱ダメージも少なく好ましい一つである。
【0009】
或いは、熱または電離放射線により架橋する含フッ素樹脂の架橋からなる低屈折率層、ゾルゲル法による低屈折率層、および粒子とバインダーポリマーを用い、粒子間または粒子内部に空隙を有する低屈折率層等を用いても膜形成しても良い。
【0010】
反射防止性能をさらに向上させる目的で、低屈折率層の上に屈折率が1.55〜2.30の高屈折率層を積層しても良い。高屈折率の層としては、例えば高屈折率無機材料からなる層がある。高屈折率無機材料としては、TiO2、Al23、In23、ZnO、SnO2、Sb23、ITO等が挙げられる。これらを上述の真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、プラズマCVD等によって、単層又は多層形成する。あるいはTiO2、Al23、In23、ZnO、SnO2、Sb23、ITO等の無機微粒子とバインダーポリマーを用いて膜形成しても良い。
【0011】
本発明に用いられる防眩層とは、最表面となる層の表面に光を乱反射する様な凹凸があり、これが鏡面反射を防止する事で表示の見にくさを改善するものである。このような防眩層は、例えばシリカやアルミナ等の無機充填剤、或いは樹脂微粒子等の有機充填剤を含有させて表面凹凸性を付与すれば良い。或いは、透明フィルムの表面をエンボス加工により凹凸にしたものでも良い。前記反射防止層、防眩層のバインダー材料としては、その屈折率に関係なく以下に説明するハードコート層に使用できる熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂等の有機材料等が使用できる。なお、防眩層の場合には、防眩層自身をハードコート層とすることができる利点がある。この場合、防眩層とは別にハードコート層を設けなくても良い。防眩層の厚みは、ハードコート層を兼用するのであれば、0.5μm以上、好ましくは3μm以上とする。
【0012】
本発明において反射防止層の耐傷性を向上させるために、ハードコート層を導入しても良い。ハードコート層は、JIS K5400による鉛筆硬度試験でH以上の硬度を示す層であり、無機材料、有機材料、或いは無機粒子を有機材料中に分散したもの等の公知のハードコート層である。例えば無機材料では金属酸化物を真空蒸着やイオンプレーティング等で形成する。或いはゾル−ゲル法で複合酸化物の膜を塗工形成しても良い。有機材料では、熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂等の硬化性樹脂を塗工形成する。熱硬化性樹脂は、例えばフェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等である。電離放射線硬化性樹脂は例えば、アクリロイル基やメタクリロイル基を有する、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、シリコーンアクリレート等の各種アクリレート系オリゴマーやプレポリマー、或いはポリエン−チオール系樹脂等にスチレン等の単官能モノマー、トリメチロールプロパントリアクリレート等の多官能モノマーを加えたもの等である。なお、ハードコート層の厚みは0.5μm以上、好ましくは3μm以上とする。
【0013】
本発明に係るシリコーンの1つの形態としては、両末端にのみ反応基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンであり下記一般式(化1)で表せられる化合物である。
【0014】
【化1】
Figure 2004191687
【0015】
(式中Rは下記有機基、mは整数)
このビニル基以外のケイ素原子に結合した有機基(R)は異種でも同種でもよいが、具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基、フェニル基、トリル基、などのアリール基、またはこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部をハロゲン原子、シアノ基などで置換した同種または異種の非置換または置換の脂肪族不飽和基を除く1価炭化水素基で好ましくはその少なくとも50モル%がメチル基であるものなどが挙げられるが、このジオルガノポリシロキサンは単独でも2種以上の混合物であってもよい。
【0016】
本発明に係るもう1つのシリコーンの形態としては、両末端および側鎖に反応基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンである。このシリコーンは、上記一般式(化1)中のRの一部がビニル基である化合物である。
【0017】
また、ここで架橋反応に用いる架橋剤、触媒等公知のものでよい。架橋反応に用いる架橋剤の例として、オルガノハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。オルガノハイドロジェンポリシロキサンは1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するものであるが、実用上からは分子中に2個の≡SiH結合を有するものをその全量の50重量%までとし、残余を分子中に少なくとも3個の≡SiH結合を含むものとすることがよい。また、触媒としては塩化第一白金酸、塩化第二白金酸などの塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール化合物、アルデヒド化合物あるいは塩化白金酸と各種オレフィンとの鎖塩などの白金触媒があげられる。
【0018】
上記反応によって得られるシリコーンはシロキサン結合に由来する離型性と、架橋反応での大きな編み目構造に由来する被着体表面への追従性により、粘着性を生ずることなく無く、ファンデルワールス力に由来する表面吸着力のみで被着体と密着する性質を発現する。一般の弱粘着剤層の被着体に対する剥離力は、50mN/12.7mm以上あるものであるが、本発明の密着層の剥離力は、5mN/12.7mm以下であって、剥離力は無きに等しい力である。そのため、本発明の反射防止フィルムのリワーク性は、弱粘着剤層を用いた光学用フィルムに比べ、格段に優れているものである。
【0019】
本発明の係るシリコーンの形状は、無溶剤型、溶剤型、エマルション型があるが、いずれの型も使用できる。中でも、無溶剤型は、溶剤を使用しないため、安全性、衛生性、大気汚染、コストの面で非常に利点がある。
密着層の厚みは上に積層される透明フィルム、反射防止層、防眩層の厚みや性質によって適宜かえることができるが、1.1〜100μmが好ましい.さらに好ましくは1.1〜50μmであると良い。1.1μm未満では良好な密着性が発現しにくく適当でない。また、100μmを超えると性能上の問題は無いが、コストが上がりすぎるため本発明の用途としては適当でない。
【0020】
なお、透明フィルムの表面に密着層との接着性を向上させるため、コロナ放電処理、プラズマ処理、プライマー塗工処理等の表面処理を施しても良い。
【0021】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をより詳細に説明する。なお実施例中の部数は塗料の固形分中の重量部を表すものである。
<実施例1>50μmPETに、 両末端のみにビニル基を有する 直鎖状ポリオルガノシロキサン含有無溶剤型剥離剤 (商品名「8500」荒川化学工業(株)製)100部 架橋剤(商品名「12031」荒川化学工業(株)製) 2.3部 白金触媒 (商品名「12070」荒川化学工業(株)製) 5部からなる塗工液を、グラビアコーターにて塗工厚みが20μmとなるよう塗工し、ドライヤー温度150℃、滞留時間100秒で熱硬化し、密着層を形成した。次いで密着層と反対の面にフッ素系低屈折率塗工液(商品名「フルオロライトLINC−002」共栄社化学(株)製)をバーコーターにて塗工厚みが0.1μmとなるよう塗工し、150mj/cmの照射エネルギーで塗膜にUV照射を行い、反射防止層を形成した。
【0022】
<実施例2>50μmPETに、 両末端及び側鎖にビニル基を有する 直鎖状ポリオルガノシロキサン含有無溶剤型剥離剤 (商品名「KNS−316」信越化学工業(株)製)100部 白金触媒 (商品名「PL−50T」信越化学工業(株)製) 2部からなる塗工液を、グラビアコーターにて塗工厚みが20μmとなるよう塗工し、ドライヤー温度150℃、滞留時間100秒で熱硬化し、密着層を形成した。
【0023】
次いで密着層と反対の面にトリメチロールプロパントリアクリレート 100部、 PMMA粒子(商品名「エポスターMA1004」日本触媒製)30部、重合開始剤(商品名「ダロキュア1173」チバスペシャリティケミカル製)5部からなる塗工液をバーコーターにて塗工厚みが10μmとなるよう塗工し、150mj/cmの照射エネルギーで塗膜にUV照射を行い、防眩層を形成した。
【0024】
<比較例1>50μmPETに、 アクリル系粘着剤(商品名「SKダイン1310」綜研化学(株)製)100部 架橋剤(商品名「L−45」綜研化学(株)製) 1.5部からなる塗工液を、コンマコーターにて塗工厚みが20μmとなるよう塗工し、ドライヤー温度150℃、滞留時間100秒で熱硬化し、粘着層を形成した。
【0025】
次いで密着層と反対の面にフッ素系低屈折率塗工液(商品名「フルオロライトLINC−002」共栄社化学(株)製)をバーコーターにて塗工厚みが0.1μmとなるよう塗工し、150mj/cmの照射エネルギーで塗膜にUV照射を行い、反射防止層を形成した。以上のようにして得られた反射防止フィルムを50cm×50cmの大きさにカットし、道具類を一切使わずにガラス板に貼り付け、以下の評価を行った。
【0026】
▲1▼気泡
○:ガラス板と反射防止フィルムの間に気泡が残らない。
×:ガラス板と反射防止フィルムの間に気泡が残る。
【0027】
▲2▼再貼付性
○:一度貼り付けた後、引き剥がしてもフィルムの透明性に変化がない。
×:一度貼り付けた後、引き剥がすとフィルムの透明性が劣化する。
【0028】
次に、被着体として、ガラス板、アクリル板に対する剪断力と剥離力を測定した。
【0029】
▲3▼剪断力の測定方法
反射防止フィルムサンプルを1cm角の大きさにカットする。図1のように測定台上に、被着体を載せ、反射防止シートの密着層面と重ね合わせる。反射防止フィルムと上質紙は、両面接着シートを介して貼り合わせる。プレス棒にて、反射防止フィルム部を13.1MPaの圧力で10秒間圧着させる。圧着を解放直後より、上質紙(幅12mm)をつかんで引張りをスタートする。引張り速度は、180mm/minである。引張り時の最大の力を読む。各サンプル毎に5回測定した値の平均値を記録した。
【0030】
▲4▼剥離力の測定方法
反射防止フィルムサンプルを12.7mm×50mmにカットする。厚み6μmのPETフィルムを12.7mm×130mmにカットして、反射防止フィルムの密着面を合わせる。JIS Z 0237に記載された手動式圧着装置を用いて、サンプルの上から毎分約300mmの速さで1往復させて圧着する。圧着してから40分間放置後、厚さ6μmのPETフィルムの遊びの部分を180度折り返し、図2のように測定台にサンプルを置き、毎分300mmの速さで引き剥がす。側長50mmの間の剥離力の平均値を読む。各サンプル毎に2回測定した値の平均値を記録した。
【0031】
尚、PETフィルムを引き剥がす途中で、PETフィルム自身で、剥離帯電し、180度折り返したPETフィルムと、密着層と密着しているPETフィルムが引っ付く現象が生じる。このPETフィルムどうしが引っ付くと剥離力値が上がって、正確な測定ができない。そこで、携帯除電器(株式会社石山製作所)を使って引き剥がしているPETフィルムに向けて除電処理を行いながら引き剥がした。
【0032】
JIS K 6854で規定される接着剤のはく離接着強さ試験方法は、被着体SUSに対して反射防止フィルムを貼りつけ、反射防止フィルムを引き剥がして測定するものである。ところが、本発明の反射防止フィルムの剥離力は、極小値のため前記JISの方法でSUSに密着させた反射防止シートの遊びの部分を180度折り返ししようとすると透明フィルムの腰の強さで一瞬にして反射防止フィルム全体が剥離してしまい、測定することができなかった。よって、上記の方法のように、反射防止フィルムを剥離する方法をとらないで、便宜上、フィルムの腰の弱い厚み6μmのPETフィルムを反射防止フィルムに密着させて剥離する方法をとった。
【0033】
【表1】
Figure 2004191687
【0034】
剪断力は、1.0N/cm以上が実用範囲である。
【0035】
【発明の効果】表1の通り、実施例1、2の反射防止フィルムは、ガラス板に貼り合わせたときに、気泡が入らず、再貼付したときには、フィルムの透明性に劣化が生じないものである。各被着体に対して、いずれも剪断力は、1.0N/cm以上であり、剥離力は、5.0mN/12.7mm以下で極めて小さい力で剥離が可能なものである。よって貼り合わせたときに気泡が発生してもリワークが容易であり、特別な道具を用意しなくても、誰でも簡便に反射防止フィルムを被着体に貼り合わせることが可能になる。比較例1の剥離力は、高い値を示し、リワーク性が劣るものの実施例1、2の剥離力は極めて小さいためリワーク性が優れたものであった。
【0036】
【図面の簡単な説明】
【図1】剪断力の測定方法の説明図である。
【図2】剥離力の測定方法の説明図である。
【符号の説明】
1:反射防止フィルム
2:密着層
3:透明フィルム
4:被着体
5:両面接着テープ
6:測定台
7:上質紙
8:プレス棒
9:PETフィルム(6μm厚)
10:反射防止層又は、防眩層

Claims (3)

  1. 透明フィルムの一方の面に少なくとも反射防止層及び又は防眩層を設け、他方の面に密着層を設けた反射防止フィルムにおいて、密着層が、両末端にのみビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンと、末端および側鎖に少なくとも2つのビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンとから選ばれる少なくとも1種のシリコーンから選ばれたシリコーンを主成分として架橋させたものであることを特徴とする反射防止フィルム。
  2. 前記反射防止層は光の干渉作用を利用することによって、反射光を低減させる層である事を特徴とする請求項1記載の反射防止フィルム。
  3. 前記防眩層は表面に微細な凹凸を設けることにより、反射光の散乱によって反射光を低減させる層であることを特徴とする請求項1、2記載の反射防止フィルム。
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