JP2005028624A - 水貼り可能なプラスチック製の断熱シート - Google Patents

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Hajime Kawakami
肇 川上
Masaki Iwasaka
正基 岩坂
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【課題】窓ガラスに水を塗った上に押し付けるだけで、水が乾いた後も貼りついた状態が保たれ、したがって粘着剤が不要であり、粘着剤の使用に伴う問題を解決した、「水貼り」可能なプラスチックの断熱シートを提供すること。
【解決手段】プラスチック材料をハモニカ型のT−ダイから押し出して、2枚の平行するプラスチックフィルムの間を幅の狭いリブが連結し、多数の平行に走る細長いセルが隣接した中空構造を有する断熱シートにおいて、プラスチック材料として、ポリオレフィンに、これと相溶性のある、親水基を有する物質を混練したものを使用した断熱シート。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチック製の断熱シートであって、ガラス板に水貼り可能なものに関する。ここで「水貼り」とは、ガラス窓のようなガラスの平らな板に水を塗り、その上に断熱シートを押し付けて密着させることができ、その後、外観上は水が乾いた状態にあっても密着状態が保たれることを意味する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック製の断熱シートを、冬季または夏季に限ってガラス窓に貼り、暖房や冷房の効率を高めることが行なわれている。プラスチック製の断熱シートとしては、以前はプラスチック発泡シートが多く用いられていたが、窓ガラスの透明性が失われるので、使用できる場面は限られていた。
【0003】
ある程度の透視可能性を確保して断熱効果を得ようとする場合には、プラスチック気泡シート、すなわち、プラスチックフィルムの真空成形により多数の突起を形成したキャップフィルムの底面に平坦なバックフィルムを貼り合わせてなる成形品が、プラスチック発泡シートに代って使用されるようになった。プラスチック気泡シートには、上記のバックフィルムを貼ることに代えて、キャップの頂を連ねて平坦なライナーフィルムを貼り合わせてなるものや、バックフィルムとライナーフィルムの両方を貼った三層構成のものもあり、それらも使用される。
【0004】
実際に断熱シートの貼り付けを行なうには、通常、両面接着テープが用いられている。断熱シートを貼ったままにしておく場合は問題ないが、貼ったり剥がしたりする場合、剥がした後に粘着剤がガラス面に残る「跡残り」が避けられず、それ自体目立つ上、そこへホコリがついて美観を損ねることがある。したがってガラス面を清掃しなければならないが、これはなかなか厄介な仕事である。なるべく跡残りしない粘着剤が欲しく、できれば粘着剤をまったく使用しないで断熱シートを窓ガラスに貼り付けておきたい。
【0005】
柔軟なプラスチックのフィルムであれば、多くの場合、ガラス面に水を塗ってそこへ押し付けるだけで、一時的に貼り付くが、水がなくなると自然に剥がれ落ちてしまう。もし、水がなくなった後も貼りついていれば、粘着剤なしの貼りつけが可能になる。このような「水貼り」が可能になれば、フィルムを剥がした後の粘着材を取り除く仕事が不要になる。
【0006】
出願人は、このような観点からプラスチックフィルムの水貼り可能性を追求して研究し、ポリオレフィン樹脂をベースとし、これに対して相溶性のある、親水基を有する物質を混練してフィルム状に成形してなるものが、ガラスに対して水貼り可能であることを見出し、かつ、この手法が上記のプラスチック気泡シートを対象としたときも有効であることを知り、「水貼り可能なプラスチック製のフィルム、断熱シートまたは気泡シート」として開示した(特開2002−3655)。
【0007】
さらに研究を重ねた出願人は、ハモニカ型のダイからプラスチックを押し出して成形した中空のプラスチックシートにおいても、材料としてポリオレフィン樹脂をベースとし、これに対して相溶性のある、親水基を有する物質を混練したものを使用するならば、やはり窓ガラスに対して水貼り可能であって、かつ、その水貼りは高い密着性と持続性を有することを知った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の知見を活用し、粘着剤の使用に伴う跡残りの問題を解決した、窓ガラスに対して水貼りが可能であって、しかもその水貼りは高い密着性と持続性を有するものであり、高い断熱性と透視可能性を有するプラスチック断熱シートを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のガラス板に対して水貼り可能なプラスチック製の断熱シートは、プラスチック材料をハモニカ型のT−ダイから押し出して、図1に例を示すように、2枚の平行するプラスチックフィルム(1,2)の間を幅の狭いリブ(3)が連結し、多数の平行に走る細長いセル(4)が隣接した中空構造を有するシートであって、プラスチック材料として、ポリオレフィン樹脂に、これと相溶性のある、親水基を有する物質を混練したものを使用することにより、ガラス板に対して水貼り可能にしたプラスチック製の断熱シートである。
【0010】
【発明の実施形態】
図1に示したような構造を有するプラスチックの中空シートは、農業用のシート、緩衝材、保温材ないし断熱材として、すでに市販され、使用されている。窓ガラスに貼り付けて断熱材とする用途も知られているが、その適用法は、両面接着テープによるものしか提案されていない。市販品は材料がLLDPE(リニアローデンシティポリエチレン)であって、これは水貼りできない。
【0011】
本発明でプラスチック材料のベースとして使用するポリオレフィンは、ポリエチレンが最適であるが、これに相溶性のある、親水基を有する物質を適量混練したものを使用してはじめて、水貼り可能になる。「親水基」は、いうまでもなく−OH,=O,−O−などの基を指す。このような基を含む分子または原子グループが、高い極性をもつ化学構造であることが好ましい。親水基を有する化合物であって、ポリオレフィンと組み合わせて使用しやすいものの代表としては、アクリル化合物が挙げられる。具体的には、アクリル酸およびメタアクリル酸とその低級脂肪族アルコールのエステルである。無水マレイン酸およびそのエステル類もまた、本発明にとって有用である。
【0012】
親水基を有する化合物は、低分子量のものはブリードの可能性があるので、使用するプラスチックと相溶性のある、高分子量の物質であることが好ましい。高分子量であって親水性のある物質は、親水基を有する化合物どうし、または親水基を有する化合物とそうでない化合物との、さらには第三の化合物を含めた、共重合体、相互重合体、グラフト重合体などである。発明者らがこれまでに試用した中では、ポリオレフィンにアクリル酸および無水マレイン酸をグラフト重合させて得たポリマーが、最適なものであった。
【0013】
一方、モノまたはジグリセリン脂肪酸エステルのような、界面活性剤の類もまた、親水基を有する物質として有用である。上述の親水基を分子中に取りこんだポリマーと、界面活性剤とを併用することもまた、効果的である。
【0014】
ポリオレフィンと親水基を有する物質とを混合する比率は、両者の相溶性、後者における親水基の存在密度、あるいはフィルムの厚さなどの因子によって影響されるが、一般に広い範囲で可能であるから、必要に応じて若干の実験を行なって、それぞれの場合に最適な比率を決定すべきである。
【0015】
本発明の断熱シートを水貼り可能にしている機構は、前掲の発明に関してすでに説明した機構と同様であると、発明者らは考えている。すなわち、窓ガラスなどのガラス板に水を塗り、水貼り可能な断熱シートをその上に押し付けると、ガラス板とプラスチックフィルムとは、水の界面張力によって貼り付いた状態になる。そのまま放置すると、水は気化し、断熱シートを構成するプラスチックフィルムを透過して、次第に外部に逸散する。それにつれて、プラスチックフィルムがガラス板に密着して行き、最後は周囲の湿度との平衡関係で定まる微量の水分が、ガラス板とプラスチックフィルムとの間に残り、この残存する水分子の−H(δ+)が、ガラスの表面に多いと考えられる、SiOなどに由来する−O(δ−)との間で水素結合を生じて存在し、一方、プラスチックフィルムの表面に出た親水基、代表的には=Oや−O−(ともにδ−)と、水分子の−H(δ+)との間でも水素結合を生じる。
【0016】
水素結合は、それ自体の力は比較的弱いものであるが、多数集まればある程度の結合力を発揮する。ガラス板に断熱シートが貼り付いているとき、両者を引き剥がす方向の応力はほとんど加わらないから、その状態が長く保存される。しかし、貼り付きの力は上述のように弱いから、剥がそうと思えば、断熱シートの端を持って引き剥がすことにより、まったく容易にガラス板から取り除くことができる。
【0017】
【実施例】
ポリエチレンにアクリル酸をグラフト重合させて得た、親水基を有する変性ポリエチレンのペレットを、低密度ポリエチレン(密度:0.93、MI:3g/10分)のペレットに対し、重量比70:30でブレンドした。この親水性物質混練ポリエチレンを材料として使用し、下記の仕様で、図1に示す中空構造をもつ断熱シートを製造した。
製品断熱シートの厚さ:1.6mm
平行フィルムの厚さ:20μm
連結リブの厚さ:50μm ピッチ:5mm
【0018】
この断熱シートを、大きさが0.9m×0.9mの窓ガラスの大きさに裁断して、水貼りした。このとき、窓ガラスと断熱シートとの間に空気が残らないように注意し、断熱シートを一方の端から他方の端に向かって、順に窓ガラスに押し付けるようにして貼り付けた。冬季の3ヶ月間、この断熱シートは窓ガラスに密着した状態で存在し、窓用断熱材として役立ち、暖房費用の節約に貢献した。用済み後は容易に剥がすことができた。
【0019】
【発明の効果】
本発明の水貼り可能な断熱シートは、平らなガラス板に水を塗ってその上に断熱シートを押し付けて密着させることができ、その後、外観上は水が乾いた状態にあっても密着状態が保たれ、かつ、少しの力を加えれば容易に剥離するという、「水貼り」可能なものである。つまり、窓ガラスなどのガラス板に粘着剤なしに適用することができるから、剥がした後に粘着剤の跡が残って美観を損ねる心配もないし、残った粘着剤を取り除く手数も要らない。
【0020】
本発明の断熱シートは、連結リブが壁となって細長い平行なセルを形成した中空構造であり、セル内部における空気の流動がほとんどなく、とくに、窓ガラスに対して、断熱シートの連結リブが水平に走るような方向に適用した場合、セル内部で空気の対流が問題にならないから、断熱性が高い。この構造はまた、断熱シートに高い透視可能性を与える。本発明には、種々の態様が可能である。たとえば、プラスチックに紫外線吸収剤を添加したものがそのひとつである。断熱シートの構造に関しても、たとえば平行に走るフィルムを3層にしたものや、連結リブのピッチを変化させたものなどがあり得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水貼り可能な断熱シートの構造を示す斜視図。
【符号の説明】
1,2 平行に走る2枚のフィルム
3 連結リブ
4 中空セル

Claims (4)

  1. プラスチック材料をハモニカ型のT−ダイから押し出して、2枚の平行するプラスチックフィルムの間を幅の狭いリブが連結し、多数の平行に走る細長いセルが隣接した中空構造を有するシートであって、プラスチック材料として、ポリオレフィンに、これと相溶性のある、親水基を有する物質を混練したものを使用することにより、ガラス板に対して水貼り可能なプラスチック製の断熱シート。
  2. 親水基を有する物質が、ポリオレフィンにアクリル酸および(または)無水マレイン酸をグラフト重合させて得たポリマーである請求項1の断熱シート。
  3. 親水基を有する物質が、モノまたはジグリセリン脂肪酸エステルである請求項1の断熱シート。
  4. 紫外線吸収剤を添加してある請求項1ないし3のいずれかの断熱シート。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014180826A (ja) * 2013-03-20 2014-09-29 Nitomuzu:Kk 窓ガラス用断熱シート
CN104179295A (zh) * 2014-07-11 2014-12-03 江苏金砼预制装配建筑发展有限公司 一种自保温外墙板及其安装机构
JP5715724B1 (ja) * 2014-05-16 2015-05-13 川上産業株式会社 プラスチック気泡シート
WO2021176921A1 (ja) 2020-03-03 2021-09-10 日清紡ホールディングス株式会社 イオン液体を用いた平滑材料の固定方法

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