JP3721952B2 - 水貼り可能なプラスチック製のフィルム、断熱シートまたは気泡シート - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は、プラスチック製のフィルム、断熱シートまたは気泡シート(以下の記述では、「フィルム」で代表させる)であって、ガラス板に水貼り可能なものに関する。本発明は、暖房や冷房の効率を高めるために、プラスチック製の断熱シートまたは気泡シートを、冬季または夏季に限りガラス窓に貼る場合に適用したとき、とくに有用である。
【0002】
ここで「水貼り」とは、ガラス窓のようなガラスの平らな板に水を塗り、その上にフィルムをのせて、ガラス板とフィルムとの間に空気が残らないように密着させることにより、ガラス板に貼り付けることができ、その後、外観上は水が乾いた状態になっても、貼り付いていることを意味する。「水貼り可能」とは、この貼り付いた状態が長期間保たれ、たとえば窓ガラスに貼ったものが冬季3〜5ヶ月間は、力を加えずそっとしておく限り、貼り付いていることを意味する。このフィルムは、自然には落下しないが、少しの力を加えれば容易に剥離するものである。
【背景技術】
【0003】
窓ガラスに下記のようなプラスチックフィルムを貼って、さまざまな機能を発揮させることが、しばしば行なわれている。
1.紫外線吸収剤入りのフィルム(UVカット)
2.防曇剤入りのフィルム(結露防止)
3.表面に微細な凹凸を与えた不透明フィルム(プライバシー保護)
4.着色フィルム(同上)
5.強靭なフィルム(災害時の飛散防止)
6.発泡シート(断熱)
【0004】
出願人は、プラスチック製の断熱シートであって、窓ガラスに貼るに適したものをすでに開示した(特許文献1)。この断熱シートを含めて、上記1〜5のフィルムの貼り付けを実際に行なうには、基材として用いられることの多いポリエステルなどのフィルムに、粘着剤、たとえばアクリル系エマルジョンを塗布する。6は通常、両面接着テープを用いている。
【特許文献1】
特開平10−156984号
【0005】
これらのフィルムは、貼ったままの場合は問題ないが、貼ったり剥がしたりする場合、たとえば寒冷地でガラス窓に断熱材としてプラスチック気泡シートを貼った場合は、剥がした後も粘着剤がガラス面に残る「跡残り」が避けられず、それ自体目立つ上、そこへホコリがついて美観を損ねることがある。したがってガラス面を清掃しなければならないが、これはなかなか厄介な仕事である。
【0006】
使用以前の流通の段階でも、ポリエステルフィルムは折り畳むと折り目がついてしまい、商品価値を下げるので、商品の形態がロール状に限られ、輸送・保管のときに嵩張るという不都合があった。
【0007】
柔軟なプラスチックのフィルムであれば、多くの場合、ガラス面に水を塗ってそこへ押し付け、間の空気を追い出すだけで、一時的に貼り付くが、水がなくなるとフィルムは自然に剥がれ落ちてしまう。もし、水がなくなった後も貼りついていれば、粘着剤なしの貼り付けが可能になる。このような「水貼り」が可能になれば、フィルムを剥がした後の粘着剤を取り除く仕事が不要になる。柔軟なフィルムであれば、折り畳んだ状態で輸送したり保管したりすることもできる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一般的な目的は、折り畳んで取り扱うことができる軟質なプラスチック製のフィルムを素材とし、これを、ガラス板の面に水を塗った上に押し付け、間の空気を抜いて密 着させるだけで、水が乾いた後も貼り付いた状態が保たれ、それによって粘着剤の使用に伴う「跡残り」などの問題を解決した、「水貼り」可能なプラスチック製のフィルムを提供することにある。
【0009】
本発明の特別な目的は、ガラス窓用の断熱材として使用されるプラスチック製の断熱シートまたは気泡シートにおいて、「水貼り」可能なものを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一般的な目的を達成する、ガラス板に対して水貼り可能なプラスチック製のフィルムは、ポリオレフィン樹脂に、
(1)ポリエチレンにアクリル酸および(または)無水マレイン酸をグラフト重合させて得たポリマー、および
(2)モノまたはジグリセリン脂肪酸エステル、
から選んだ親水性物質を混練してフィルムまたはシート状に成形してなるものである。
【0011】
本発明の特別な目的を達成する、ガラス板に対して水貼り可能なプラスチック製の断熱シートは、プラスチックフィルムの真空成形により多数の凹みを設けたキャップフィルムのキャップの頂を連ねて、平坦なライナーフィルムを貼り合わせてなるプラスチック製の断熱シートであって、キャップフィルムの材料として、上記した特定の親水性物質を混練したポリオレフィン樹脂を使用した断熱シートである。
【0012】
同じく本発明の特別な目的を達成する、ガラス板に対して水貼り可能なプラスチック製の気泡シートは、プラスチックフィルムの真空成形により多数の凹みを設けたキャップフィルムと、平坦なバックフィルムとを貼り合わせてなる二層気泡シートであって、キャップフィルムおよびバックフィルムの少なくとも一方の材料として、上記した特定の親水性物質を混練したポリオレフィン樹脂を使用した気泡シートである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の水貼り可能なプラスチックのフィルムは、ガラス板に水を塗った上にのせ、空気を追い出して密着させるだけで、3ヶ月またはそれ以上の長期間にわたって、ガラス板に貼り付いた状態を維持する。この水貼りは、粘着剤を用いたわけではないから、貼り付いたフィルムを取り除くことは容易であって、少しの力を加えれば剥離することができる。ガラス板に水を塗ってフィルムを密着させると貼り付く、というだけであれば、そのようなプラスチックフィルムはほかにもあるが、水が乾いた状態でも貼り付いた状態が長期間維持されるのは、本発明のプラスチックのフィルムに限られる。このようにして、本発明の水貼り可能なプラスチックのフィルムは、窓ガラスなどのガラス板に粘着剤なしに適用することができるから、剥がした後に粘着剤の跡が残って美観を損ねる心配もないし、残った粘着剤を取り除く手数も要らない。
【0014】
このプラスチックフィルムは、ポリオレフィンを材料として使用することにより、折り畳んで流通・販売などができるから、嵩張らず好都合である。
【0015】
本発明の特別な態様である、水貼り可能なプラスチック気泡シートは、寒冷地で、断熱材として冬季だけ窓ガラスに貼る場合、上記の利益は、とりわけ有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明で使用するプラスチック製のフィルムは、それ自体を水貼りするにしても、水貼りする断熱シートまたは気泡シートの材料にするにしても、単に水貼り可能というだけではなく、折り畳みと展開を繰り返すことのできるものでなければならないから、材料としてはポリオレフィンを使用する。ポリオレフィンとしては、ポリエチレンが最適である。
【0017】
特定の親水性物質は、低分子量のものはブリードの可能性があるので、使用するプラスチックと相溶性のある、高分子量の物質であることが好ましい。発明者らがこれまでに試用した中では、ポリオレフィンにアクリル酸および無水マレイン酸をグラフト重合させて得たポリマーが、最適なものであった。一方、モノまたはジグリセリン脂肪酸エステルのような、界面活性剤の類もまた、親水性の物質として有用である。上述の親水性のポリマーと、界面活性剤とを併用することもまた、効果的である。
【0018】
ポリオレフィンと親水性の物質とを混合する比率は、両者の相溶性、後者における親水基の存在密度、あるいはフィルムの厚さなどの因子によって影響されるが、一般に広い範囲で可能であるから、必要に応じて若干の実験を行なって、それぞれの場合に最適な比率を決定すべきである。
【0019】
本発明のフィルムが水貼り可能であるのは、つぎのような機構に基づくものと解される。すなわち、図1Aに見るように、窓ガラスなどのガラス板(G)に水を塗り、水貼り可能なフィルム(1)をその上に押し付けると、ガラス板とプラスチックフィルムとは、水(W)の界面張力によって図1Bに示すように貼り付いた状態になる。そのまま放置すると、水は気化し、一部は外部に向かって開いている端から、また一部はプラスチックフィルムを透過して、次第に外部に逸散して、図1Cに見るようになる。
【0020】
それにつれてプラスチックフィルムはガラス板に密着して行き、最後は周囲の湿度との平衡関係で定まる微量の水分が、ガラス板とプラスチックフィルムとの間に残る。図2に示すように、この残存水分の水分子の−H(δ+)が、ガラスの表面に多いと考えられる、SiO2などに由来する−O(δ−)との間で水素結合を生じて存在し、一方、プラスチックフィルムの表面に出た親水基、代表的には=Oや−O−(ともにδ−)と、水分子の−H(δ+)との間でも水素結合を生じる。
【0021】
水素結合は、それ自体の力は比較的弱いものであるが、多数集まればある程度の結合力を発揮する。ガラス板にプラスチックフィルムが貼り付いているとき、両者を引き剥がす方向の応力はほとんど加わらないから、その状態が長く保存される。しかし、貼り付きの力は上述のように弱いから、剥がそうと思えば、プラスチックフィルムの端を持って引き剥がすことにより、まったく容易にガラス板から取り除くことができる。
【0022】
本発明には、種々の態様が可能である。たとえば、前記のような、紫外線吸収剤を添加したプラスチックフィルムがそのひとつであるし、ガラス板に接しない側に微細な凹凸を設けて透明度を調整したプラスチックフィルムも、別の態様である。
【0023】
さらに別の態様としては、図3に誇張して示したように、少なくともガラス板に貼りつける水貼り可能なフィルム(1)の厚さが、一方の辺(11)からそれに対向する他方の辺(12)に向かって次第に変化する勾配を有するものであり、薄い側の辺を上方に、厚い側の辺を下方にしてガラス板(G)に水貼りするように構成したものもある。この態様は、フィルムがその自重で上方の辺からめくれ返って剥がれ落ちるおそれが少ないという利点がある。この利益は、単一のフィルムに限らず、前述したプラスチック製の断熱シートまたは気泡シートの、ガラス板に貼りつけるフィルムに関して適用した場合にも得られる。
【0024】
窓ガラスに貼るに適したプラスチック製の断熱シートであって、出願人がすでに開示した製品(前掲の特許文献1)は、たとえば図4に示したような、キャップフィルム(21)およびライナーフィルム(23)からなる構造を有する。この水貼り可能な断熱シート(2)は、図5に示すように、ガラス板(G)に貼りつけたときに、真空成形により成形したキャップが、ガラス板との間に独立した空気室(24)を形成するため、簡単な構造であるにもかかわらず、高い断熱効果を生じる。キャップフィルムの底面は平坦であり、かつ、ガラス板に接する部分が投影面積の中でもある程度大きい割合を占めるので、水貼りに適する。ただしこの場合、断熱シートをガラス板との間に空気が残らないようにして密着させるのは、キャップフィルムのガラス板に接する部分に限り、真空成形によりキャップを形成した部分は除かれることはいうまでもない。
【0025】
プラスチック製の気泡シートは、前述の二層構成のものも、それ自体で多数の独立した空気室を備えている。気泡シートは、古くから緩衝包装などに多用されているが、断熱効果も買われて、しばしば断熱材としても使用されている。気泡シートには、二層構成だけでなく三層構成のものもあり、それに対しても、本発明を適用することができる。すなわち、プラスチックフィルムの真空成形により多数の凹みを設けたキャップフィルム(31)と、平坦なバックフィルム(32)を貼り合わせ、さらにキャップフィルムのキャップの頂にもう一枚の平坦なライナーフィルム(33)を貼り合わせてなる三層気泡シートであって、バックフィルムおよびライナーフィルムの少なくとも一方の材料として親水性の物質を混練したポリオレフィン樹脂を使用した、ガラス板に対して水貼り可能なプラスチック気泡シートも、本発明に含まれる。
【0026】
三層気泡シートの場合、バックフィルムよりライナーフィルムの方を薄くし、ライナーフィルムの材料として親水性の物質を混練したポリオレフィン樹脂を使用したものが、従って、ライナーフィルム側をガラス板に貼りつける態様が、好適である。
【0027】
実際に製造される三層気泡シートにおいても、バックフィルムよりもライナーフィルムの方が薄くなる。より正確に言えば、三層気泡シートのバックフィルム側は、バックフィルムにキャップフィルムの非キャップ部が貼り重ねられたものであり、ライナーフィルム側はキャップフィルムのキャップの頂にライナーフィルムが貼り重ねられたものである。キャップフィルムは、真空成形を受けることを予定して最も厚いフィルムとして押し出され、キャップの頂は成形時に引き伸ばされて薄くなるが、非キャップ部はもとの厚さが維持されている。バックフィルムは、キャップフィルムほど厚くする必要はないが、気泡シートの強度を確保するため、ある程度の厚さが必要である。これに対してライナーフィルムは、薄くてよい。結局、厚いものどうしを貼り重ねたバックフィルム側が、薄いものどうしを貼り重ねたライナーフィルム側より厚くなる。容易に理解されるように、プラスチックフィルムは薄い方がガラス板に密着しやすく、したがって水貼りが容易である。
【0028】
三層気泡シートにおいてライナーフィルム側に親水基を有する物質を存在させることの有利さは、上述したフィルムの厚さの差に加えて、三層気泡シートの全面積に対する密着可能部分の面積の比が異なることにも、その理由がある。三層気泡シートのバックフィルムとライナーフィルムとは、平面ではなく、誇張して描けば図6のように、出入りがある。図6において、三層気泡シート(3)はキャップフィルム(31)、バックフィルム(32)およびライナーフィルム(33)から構成されている。
【0029】
上記のようにフィルムに出入りがあるため、三層気泡シートをガラス板に水貼りしたときに、ガラス板に密着して貼り付くのは全表面ではなく、断面をみれば図7(ライナー貼り)のAおよび図8(バック貼り)のAで、ガラス板(G)との間に水(W)が存在する部分、平面でいえば図7のBおよび図8のBに斜線で示すように、それぞれ突出した部分だけである。ここでも、ガラス板と気泡シートとの間の空気を追い出して密着させるのは、この突出した部分に限られる。一般に気泡シートは、両図の比較からも感じとれるように、キャップ部分の占める割合が、非キャップ部分の占める割合より大きい。具体的にいえば、下記の実施例で使用したような、標準的なキャップをもつ気泡シートにおいては、前者が70%近くを占め、後者は30%あまりに止まる。それゆえ、キャップの頂を貼り付ける「ライナー貼り」が、より安定な水貼りができる点で、「バック貼り」よりも有利になる。
【実施例】
【0030】
ポリエチレンにアクリル酸をグラフト重合させて得た、親水基を有する変性ポリエチレンのペレットを、低密度ポリエチレン(密度:0.93、MI:3g/10分)のペレットに対し、重量比70:30でブレンドした。この親水性物質混練ポリエチレンをライナーフィルムに使用し、キャップフィルムおよびバックフィルムには上記の低密度ポリエチレンだけを使用し、下記の仕様で三層気泡シートを製造した。
ライナーフィルムの厚さ:15μm
キャップフィルムの厚さ:25μm
バックフィルムの厚さ: 20μm
キャップ:直径10mm、高さ4mm、ピッチ11.5mmの千鳥配置 面積率70%
【0031】
この三層気泡シートを、大きさが0.9m×0.9mの窓ガラスの大きさに裁断して、水貼りした。冬季の3ヶ月間、この気泡シートは窓ガラスに貼り付いた状態で存在し、窓用断熱材として役立ち、暖房費用の節約に貢献した。用済み後は容易に剥がすことができた。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の水貼り可能なフィルムのガラス板への水貼りを説明するための図であって、Aは水貼り直後の平面図、BはAの拡大断面図、Cは水が乾いた後のBに対応する断面図。
【図2】図1Cの状態における、ガラス板へのプラスチックフィルムの貼り付きを説明する、観念的な拡大断面図。
【図3】本発明の水貼り可能なフィルムの一変更態様を示す、フィルム形状を誇張して示した拡大断面図。
【図4】本発明の水貼り可能なプラスチック製の断熱シートの一例について、その構造を示す、一部を切り欠いて内部を示した平面図。
【図5】図4の断熱シートをガラス板に水貼りしたところを示す断面図。
【図6】本発明の水貼り可能なプラスチック製の気泡シートが三層気泡シートである場合の、気泡シートを構成する各フィルムの形状を誇張して示した拡大断面図。
【図7】図6の三層気泡シートのライナーフィルムをガラス板に接して水貼りした場合の、密着面(斜線部分)を概念的に示す図であって、Aは拡大断面図、Bは平面図。
【図8】図6の三層気泡シートのバックフィルムをガラス板に接して水貼りした場合の、密着面(斜線部分)を概念的に示す図7に対応する図であって、Aは拡大断面図、Bは平面図。
【符号の説明】
【0033】
1 水貼り可能なフィルム
11 一方の辺(薄い辺) 12 他方の辺(厚い辺)
2 水貼り可能な断熱シート
21 キャップフィルム 23 ライナーフィルム
24 空気室
3 三層気泡シート
31 キャップフィルム 32 バックフィルム 33 ライナーフィルム
G ガラス板
W 水
Claims (8)
- ポリオレフィン樹脂に、(1)ポリエチレンにアクリル酸および(または)無水マレイン酸をグラフト重合させて得たポリマー、および(2)モノまたはジグリセリン脂肪酸エステル、から選んだ1種または2種の親水性物質を混練し、製膜してなるフィルムであって、水を塗ったガラス板上にフィルムとの間に空気が残らないように密着させることによりガラス板に貼り付き、かつ、外観上は水が乾いた状態になっても貼り付いた状態が少なくとも3ヶ月間維持される水貼り可能なプラスチック製のフィルム。
- 紫外線吸収剤を添加してある請求項1のフィルム。
- ガラス板に接しない側に微細な凹凸を設けて透明度を調整した、請求項1または2のフィルム。
- プラスチックフィルムの真空成形により多数の凹みを設けたキャップフィルムのキャップの頂を連ねて、平坦なライナーフィルムを貼り合わせてなるプラスチック製の断熱シートであって、キャップフィルムの材料として、請求項1に記載した親水性物質を混練したポリオレフィン樹脂を使用した、水を塗ったガラス板上に断熱シートとの間に空気が残らないように密着させることによってガラス板に貼りつくプラスチック製の断熱シート。
- プラスチックフィルムの真空成形により多数の凹みを設けたキャップフィルムのキャップの底面に、平坦なバックフィルムを貼り合わせて多数の独立した空気室を設けてなる二層気泡シートであって、キャップフィルムおよびバックフィルムの少なくとも一方のフィルムの材料として、請求項1に記載した親水性物質を混練したポリオレフィン樹脂を使用した、水を塗ったガラス板上に気泡シートとの間に空気が残らないように密着させることによってガラス板に貼りつくプラスチック製の気泡シート。
- プラスチックフィルムの真空成形により多数の凹みを設けたキャップフィルムのキャップの底面に、平坦なバックフィルムを貼り合わせて多数の独立した空気室を設けるとともに、キャップフィルムのキャップの頂を連ねて平坦なライナーフィルムを貼り合わせてなる三層気泡シートであって、バックフィルムおよびライナーフィルムの少なくとも一方の材料として、請求項1に記載した親水性物質を混練したポリオレフィン樹脂を使用した、水を塗ったガラス板上に気泡シートとの間に空気が残らないように密着させることによってガラス板に貼りつくプラスチック製の気泡シート。
- 三層気泡シートであって、バックフィルムよりライナーフィルムの方が薄く、ライナーフィルムの材料として、請求項1に記載した親水性物質を混練したポリオレフィン樹脂を使用した、請求項6の気泡シート。
- 少なくともガラス板に貼りつけるフィルムの厚さが、フィルム、断熱シートまたは気泡シートの一方の辺からそれに対向する他方の辺に向かって次第に変化する勾配を有するものであり、薄い側の辺を上方に、厚い側の辺を下方にして、水を塗ったガラス板上に空気が残らないように密着させることによってガラス板に張り付くように構成した請求項1ないし7のいずれかのプラスチック製のフィルム、断熱シートまたは気泡シート。
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