JPH07107002B2 - 芳香族トリアルコールの製造法 - Google Patents

芳香族トリアルコールの製造法

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JPH07107002B2
JPH07107002B2 JP4292745A JP29274592A JPH07107002B2 JP H07107002 B2 JPH07107002 B2 JP H07107002B2 JP 4292745 A JP4292745 A JP 4292745A JP 29274592 A JP29274592 A JP 29274592A JP H07107002 B2 JPH07107002 B2 JP H07107002B2
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reduction reaction
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広秋 中川
健一 水野
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三井石油化学工業株式会社
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はトリス(2−ヒドロキシ
−2−プロピル)ベンゼンを収率良く製造する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】トリス(2−ヒドロキシ−2−プロピ
ル)ベンゼンは、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂
等の改質材として有用なα,α′,α″−トリス(ヒド
ロキシフェニル)トリイソプロピルベンゼンを製造する
際の合成原料となる。
【0003】従来、トリス(2−ヒドロキシ−2−プロ
ピル)ベンゼンの製造法としては、トリイソプロピルベ
ンゼンの酸化反応生成物からトリヒドロペルオキシドを
単離し、これを亜硫酸ソーダを用いて還元する方法(J
ournal fuer praktische Ch
emie,4 Reihe,Band 3,1956)
が知られている。しかしこの方法ではトリイソプロピル
ベンゼンの酸化反応生成物から、トリヒドロペルオキシ
ドを単離する際の収率が低いなど種々の欠点を有するの
で、工業的製造法としては実際的な方法とは言えない。
【0004】一方、ジイソプロピルベンゼンジヒドロペ
ルオキシドを水不溶性溶媒と水可溶性溶媒の混合溶媒に
溶解して水素還元触媒の存在下に水素還元反応を行いジ
(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼンを製造する
方法が知られているが(特開昭56−20532号)、
これを三官能性のトリス(2−ヒドロキシ−2−プロピ
ル)ベンゼンの製造に適用しても、すべての官能基につ
いて水素還元反応を効率よく行うことができるかどうか
は不明であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等は
前記従来法とは異なる工業的に有利なトリス(2−ヒド
ロキシ−2−プロピル)ベンゼンの製造法について検討
した。その結果、下記方法を採用すればトリス(2−ヒ
ドロキシ−2−プロピル)ベンゼンを高収率でしかも簡
単なプロセスによって製造できることを見出し、本発明
を完成するに到った。
【0006】本発明の目的は、簡単なプロセスにより、
高収率でトリス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベン
ゼンを製造することができる芳香族トリアルコールの製
造法を提案することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、トリヒドロペ
ルオキシド、モノカルビノールジヒドロペルオキシド及
びジカルビノールモノヒドロペルオキシドからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種の三官能性ヒドロペルオキシ
ド類を含む水不溶性溶媒溶液を水素還元触媒の存在下に
水素と接触させることからなり、該反応系に水可溶性溶
媒を存在させることによりヒドロペルオキシド含有混合
溶媒溶液をつくり、水素還元反応によって生成する水を
該混合溶媒溶液に溶解させながら該水素還元反応を行う
ことを特徴とするトリス(2−ヒドロキシ−2−プロピ
ル)ベンゼンの製造法である。
【0008】本発明の方法における少なくとも一種の三
官能性ヒドロペルオキシド類を含む水不溶性溶媒溶液と
はトリス(2−ヒドロペルオキシ−2−プロピル)ベン
ゼン〔以下、これをトリヒドロペルオキシドと略記す
る〕、ビス(2−ヒドロペルオキシ−2−プロピル)−
2−ヒドロキシ−2−プロピルベンゼン〔以下、これを
モノカルビノールジヒドロペルオキシドと略記する〕お
よびビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)−2−ヒド
ロペルオキシ−2−プロピルベンゼン〔以下、これをジ
カルビノールモノヒドロペルオキシドと略記する〕のヒ
ドロペルオキシドをそれぞれ単独に水不溶性溶媒に溶解
した溶液、あるいは該ヒドロペルオキシドを2種類以上
の混合物の形で水不溶性溶媒に溶解した溶液を意味す
る。
【0009】本発明の方法においては、前記三官能性ヒ
ドロペルオキシド類を含む該水不溶性溶媒溶液として、
トリイソプロピルベンゼンを分子状酸素で酸化した場合
に得られるトリヒドロペルオキシド、モノカルビノール
ジヒドロペルオキシドおよびジカルビノールモノヒドロ
ペルオキシドの三官能性ヒドロペルオキシドおよび少量
のトリス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼンか
らなるトリイソプロピルベンゼンの三官能性酸化生成物
を主成分とする酸化反応生成混合物を水不溶性溶媒に溶
解した溶液を用いることができる。
【0010】このトリイソプロピルベンゼンの酸化反応
生成混合物は、例えば特開昭58−150529号公報
に記載されている、トリイソプロピルベンゼンを分子状
酸素で酸化する方法等によって得ることができる。該酸
化反応生成混合物中には、主成分である前記三官能性酸
化生成物の他に、未反応のトリイソプロピルベンゼン、
二官能性酸化生成物としてビス(2−ヒドロペルオキシ
−2−プロピル)イソプロピルベンゼンとこれに相応す
るカルビノールヒドロペルオキシドおよびジカルビノー
ルおよび一官能性酸化生成物として(2−ヒドロペルオ
キシ−2−プロピル)ジイソプロピルベンゼンおよびこ
れに相応するカルビノールおよびビス(2−ヒドロペル
オキシ−2−プロピル)アセトフェノン、(2−ヒドロ
ペルオキシ−2−プロピル)ジアセチルベンゼン等の副
生物が少量含まれている場合もある。
【0011】前記方法において使用できるトリイソプロ
ピルベンゼンとして具体的には、1,2,3−トリイソ
プロピルベンゼン、1,2,4−トリイソプロピルベン
ゼン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼンを例示で
きる。
【0012】本発明の方法において該酸化反応生成混合
物中に占める前記した三官能性酸化反応生成物の合計の
含有量としては、通常は50ないし85重量%の範囲に
あるのが好ましい。また該三官能性酸化反応生成物中に
占めるトリヒドロペルオキシドの含有量としては、通常
は10ないし60重量%の範囲にある。
【0013】本発明の方法において使用できる前記水不
溶性溶媒としては、クロロホルム、ジクロルエタン、ト
リクロルエタン、トリクロルエチレン、パークロルエチ
レン等のハロゲン化炭化水素、メチルイソブチルケト
ン、ジイソブチルケトン、イソホロン、アセトフェノン
等のケトン、ブチルエーテル、ペンチルエーテル等のエ
ーテル、およびベンジルアルコール、ペンタノール、ヘ
キサノール、ヘプタノール、n−オクタノール等のアル
コールを例示することができ、これらの中では特に炭素
数が5以上のケトンあるいはアルコールを使用するのが
好ましい。この場合該水不溶性溶媒は必要に応じて単独
使用あるいは混合溶媒の形で使用しても差しつかえな
い。
【0014】水不溶性溶媒の使用量は、通常、前記三官
能性酸化反応生成物あるいは前記酸化反応生成物(以下
この二つを三官能性酸化生成混合物と略記することがあ
る)を溶解するに足る量で充分であるが、この量は溶解
するときの温度、該溶媒の種類によっても異なり、本発
明の方法の水素還元反応の原料である該酸化反応生成混
合物等の100重量部当たり該水不溶性溶媒を通常は5
0ないし3000重量部、好ましくは100ないし10
00重量部使用するのがよい。このようにして該三官能
性酸化生成混合物を溶解した水不溶性溶媒溶液を得るこ
とができる。
【0015】本発明の方法において行われる前記した水
素還元反応は、前記水不溶性溶媒溶液に更に水可溶性溶
媒を加えてヒドロペルオキシド含有混合溶媒溶液をつく
り、該溶液を前記水素還元触媒の存在下に水素と接触さ
せる方法によって行う。この場合には、該水素還元反応
によって得られるトリス(2−ヒドロキシ−2−プロピ
ル)ベンゼンの収率が、前記した水可溶性溶媒を水不溶
性溶媒溶液に加えない方法を採用した場合に比べて高く
なる。
【0016】該水可溶性溶媒としては、例えばメタノー
ル、エタノール、アセトン等を使用できる。該水可溶性
溶媒の使用量としては、該水不溶性溶媒溶液の100重
量部当たり通常は20ないし1000重量部、好ましく
は50ないし500重量部使用するのがよい。
【0017】本発明の方法においては、ヒドロペルオキ
シド含有混合溶媒溶液を水素還元触媒の存在下に水素と
接触させることによって、前記した三官能性酸化生成混
合物を水素還元した還元反応混合物が得られる。この水
素還元処理においては、通常の水素還元触媒が使用で
き、例えばラネーコバルト、ラネーニッケル、酸化白
金、白金、パラジウム、ロジウムなどの周期律表第VIII
族の金属あるいは金属の化合物を水素還元反応の活性成
分とする触媒をあげることができる。
【0018】これらの活性成分は種々の担体、例えばア
ルミナ、ケイソウ土、活性炭、炭酸カルシウム、シリ
カ、シリカ−アルミナ、硫酸バリウム、酸化チタンなど
の金属酸化物あるいは金属の塩に担持して使用してもよ
いし、あるいは活性成分だけを単独使用することもでき
る。これらの触媒の中では、低温で活性の高いパラジウ
ム触媒、とくにアルミナに担持されたパラジウム触媒の
使用が望ましい。
【0019】この場合の触媒の活性成分の担持量は、活
性成分を金属に換算して担持量を(金属の重量/120
℃乾燥担体の重量)で表示すると、通常は0.0005
ないし0.2の範囲にあり、活性成分としてパラジウム
を用いた場合には通常は0.001ないし0.1、好ま
しくは0.005ないし0.05の範囲にある。
【0020】水素還元反応は前記した三官能性酸化生成
混合物の水不溶性溶媒溶液に該水素還元触媒を懸濁さ
せ、水素を導入する方法によって行われるが、この場合
の該触媒の使用量としては、前記三官能性酸化生成混合
物100重量部当たり該触媒の活性成分を金属で換算し
た量で表示して、通常は0.0002ないし8gの範囲
にあり、活性成分としてパラジウムを用いた場合には通
常は0.001ないし4g、好ましくは0.005ない
し2gの範囲にある。
【0021】水素還元反応を行う際の水素圧は、通常は
絶対圧で1mmHgないし50kg/cm2、好ましく
は絶対圧で0.1ないし10kg/cm2の範囲に維持
するのがよい。この場合、水素だけを単独使用する方法
以外に、窒素あるいはヘリウム、あるいはアルゴン等の
不活性ガスを水素と共存使用してもよい。該水素還元反
応を行うに当たって使用される反応温度としては、通常
は0ないし200℃、好ましくは20ないし150℃の
範囲であり、このときの反応時間は適宜である。
【0022】本発明の方法において使用される水素還元
反応の装置としては、水素導入管および攪拌器を備えた
反応器が採用される。水素還元反応は連続法、半連続
法、回分法のいずれでも実施することができる。
【0023】該水素還元反応終了後の混合物から、傾斜
法、濾別法、遠心分離法などによって水素還元触媒を分
離することによって液状の還元反応混合物が得られる。
該還元反応混合物中には、水不溶性溶媒、水可溶性溶
媒、トリス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン
およびその他の副生成物が含まれる。
【0024】本発明の方法においては該還元反応混合物
からトリス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン
が分離される。分離法として具体的には、晶析法、蒸留
法、抽出法などが採用できる。晶析法としては、還元反
応混合物をそのままあるいは蒸留等により濃縮した後、
トリス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼンを結
晶化させる方法などを例示できる。
【0025】かくして得られたトリス(2−ヒドロキシ
−2−プロピル)ベンゼンは必要があればメタノール、
エタノール等の低級アルコール、アセトン、メチルイソ
ブチルケトンなどのケイン類あるいは芳香族炭化水素と
低級アルコールまたはケトンとの混合溶媒等の溶媒から
再結晶することによって一層純度を高くすることができ
る。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、三官能性ヒドロペルオ
キシドを水不溶性溶媒と水可溶性溶媒の混合溶媒溶液と
して水素還元反応を行うようにしたので、簡単なプロセ
スにより高収率でトリス(2−ヒドロキシ−2−プロピ
ル)ベンゼンを製造することができる。
【0027】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
る。
【0028】実施例1 (1)攪拌機、空気吹込み用スパージャー、アルカリ水
溶液導入口および還流冷却器を備えた反応器に純度95
%の1,3,5−トリイソプロピルベンゼン(1,3,
5−TIPBと略す)7.9kg、4.5重量%NaO
H水溶液0.8kgを仕込み、100℃に昇温したのち
空気で5.5kg/cm2Gまで加圧した。その後、空
気を2.6Nm3/hrの速度で吹込みながら攪拌下、
100℃で34.5hr反応を行い酸化反応終了物を得
た。この間、反応液中の水層のpHを8ないし10に保
つよう4.5重量%NaOH水溶液を適宜反応器内に送
入した。
【0029】得られた該酸化反応終了物中の酸化反応生
成混合物(油層)は10.5kg、イソプロピル基の反
応率は95%であり、該酸化反応生成混合物(油層)中
のトリヒドロペルオキシド(TRHP)、モノカルビノ
ールジヒドロペルオキシド(HDHP)、ジカルビノー
ルモノヒドロペルオキシド(DHHP)およびトリス
(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン(TC)の
濃度は、各々22.2重量%、38.1重量%、14.
0重量%および2.0重量%であり、TRHPを100
モルとするとHDHP、DHHPおよびTCはそれぞれ
181モル、71モルおよび11モルに相当した。
【0030】また、1,3,5−TIPB(純品)を基
準とした三官能性酸化生成物の収率(〔{TRHP(モ
ル)+HDHP(モル)+DHHP(モル)+TC(モ
ル)}/{(仕込)1,3,5−TIPB(モル)}〕
×100)は76.6モル%であった。
【0031】(2)前記(1)で得られた酸化反応終了
物140重量部にメチルイソブチルケトン(MIBK)
140重量部を加え、分離した水相を除いて、油相から
なる水不溶性溶媒溶液250重量部(TRHP濃度8.
88重量%、HDHP濃度15.24重量%、DHHP
濃度5.60重量%、TC濃度0.80重量%、H2
濃度4.0重量%、メチルイソブチルケトン濃度56重
量%)を得た。
【0032】(3)ガス吹込管、攪拌機、還流冷却器を
付けた反応器に前記(2)で得た酸化反応生成混合物を
含む水不溶性溶媒溶液100重量部、メタノール100
重量部及び2% Pd/Al23 4重量部を仕込み、
63℃に加温したのち、攪拌しながらガス吹込管より1
00Nl/hrの速度で水素ガスを吹込んだ。120分
間の反応で系内のヒドロペルオキシド濃度がゼロとなっ
たので、触媒を濾過によって分離して還元反応混合物1
85gを得た。
【0033】該還元反応混合物中のTC濃度は14.3
4重量%であり、仕込原料に含まれるTRHP、HDH
P、DHHPおよびTCを合計した量を基準としたとき
のTCの収率は98mol%であった。この還元反応混
合物を5段のシーブトレー蒸留塔を用いて常圧で蒸留し
て、メタノールを留去した。
【0034】塔底からはTCを含んだMIBK溶液99
重量部と水相4重量部が得られた。塔底組成物は蒸留温
度で液体であり、TCの晶析は認められなかった。この
塔底組成物から水相を分離したのち油相を30℃まで冷
却し、析出した結晶を濾過によって分離した。得られた
結晶は24.8重量部であり、94%の純度を持つTC
であった。なお、水素還元で得られたTCを基準とした
TCの精製回収率は88%であった。
【0035】実施例2 実施例1の(1)で得られた酸化反応終了物140重量
部にn−オクタノール108部とトルエン162重量部
を加え、分離した水相を除いて油相からなる水不溶性溶
媒溶液380重量部(TRHP濃度5.84重量%、H
DHP濃度10.03重量%、DHHP濃度3.68重
量%、TC濃度0.53重量%、H2O濃度2.63重
量%、n−オクタノール濃度28重量%、トルエン濃度
42.6重量%)を得た。
【0036】上記の水不溶性溶媒溶液100重量部をガ
ス吹込管、攪拌機、還流冷却器を付けた反応器に仕込
み、メタノール100重量部及び2% Pd/Al23
3重量部を加え、65℃に加温したのち攪拌しなが
ら、ガス吹込管より80Nl/hrの速度で水素ガスを
仕込んだ。150分間の反応で系内のヒドロペルオキシ
ド濃度がゼロとなったので触媒を濾過によって分離し、
還元反応混合物185gを得た。
【0037】該還元反応混合物中のTC濃度は9.35
重量%であり、仕込原料に含まれるTRHP、HDH
P、DHHPおよびTCを合計した量を基準としたとき
のTCの収率は97.2mol%であった。この還元反
応混合物を5段シーブトレー蒸留塔を用いて常圧で蒸留
して、メタノールを留去した。
【0038】塔底からはTCを含んだn−オクタノール
/トルエン溶液98重量部と水相3重量部を得た。塔底
組成物は蒸留温度で液体であり、TCの晶出は認められ
なかった。この塔底組成物から水相を分離後、油相を3
0℃まで冷却して、析出した結晶を濾過によって分離し
た。得られた結晶は12.5重量部であり、97%の純
度を持つTCであった。なお、水素還元で得られたTC
を基準としたTCの精製回収率は70%であった。
【0039】実施例3 実施例1の(3)において、メタノールの代わりにアセ
トンを使用し、水素還元反応の温度を60℃に変更した
以外は、実施例1と同じ条件で水素還元反応を行った。
150分間の反応で系内のヒドロペルオキシド濃度がゼ
ロとなったので触媒を濾過によって分離して還元反応混
合物185gを得た。
【0040】該還元反応混合物中のTC濃度は14.2
1重量%であり、仕込原料に含まれるTRHP、HDH
P、DHHPおよびTCを合計した量を基準としたとき
の収率は97.1mol%であった。この還元反応混合
物を5段のシーブトレー蒸留塔を用いて常圧で蒸留し
て、アセトンを留去した。
【0041】塔底からはTCを含んだMIBK溶液98
重量部と水相4重量部を得た。塔底組成物は蒸留温度で
液体でありTCの晶析は認められなかった。この塔底組
成物から水相を分離後、油相を30℃まで冷却して、析
出した結晶を濾過によって分離した。得られた結晶は2
4重量部であり、95%の純度を持つTCであった。な
お、水素還元で得られたTCを基準としたTCの精製回
収率は87%であった。
【0042】実施例4 実施例2の水素還元反応を行う際に加える溶媒をメタノ
ールからアセトンに変更し、該水素還元反応の温度を6
5℃から62℃に変更した以外は実施例2と同じ条件で
実験を行った。180分間の反応で系内のヒドロペルオ
キシド濃度がゼロとなったので触媒を濾過によって分離
し、還元反応混合物177gを得た。該還元反応混合物
中のTC濃度は9.80重量%であり、仕込原料に含ま
れるTRHP、HDHP、DHHPおよびTCを合計し
た量を基準としたときのTCの収率は97.5mol%
であった。この還元反応混合物を5段シーブトレー蒸留
塔を用いて常圧で蒸留して、アセトンを留去した。
【0043】塔底からはTCを含んだn−オクタノール
/トルエン溶液97重量部と水相3重量部を得た。塔底
組成物は蒸留温度で液体でありTCの晶出は認められな
かった。この塔底組成物から水相を分離後、油相を30
℃まで冷却して、析出した結晶を濾過によって分離し
た。得られた結晶は12.4重量部であり、96%の純
度を持つTCであった。なお、水素還元で得られたTC
を基準としたTCの精製回収率は69%であった。
【0044】比較例1 実施例1の(1)で得られた酸化反応終了物140重量
部にアセトン200重量部を加えて50℃に加熱したと
ころ、水を溶解した均一な溶液が340重量部(TRH
P濃度6.53重量%、HDHP濃度11.21重量
%、DHHP濃度4.12重量%、TC濃度0.59重
量%、H2O濃度11.8重量%)が得られた。
【0045】次に、ガス吹込管、攪拌機、還流冷却器を
付けた反応器に前記の溶液270重量部及び2% Pd
/Al23 5.4重量部を仕込み、62℃に加温した
のち攪拌しながらガス吹込管より100Nl/hrの速
度で水素ガスを吹込んだ180分間の反応後でもヒドロ
ペルオキシドの転化率は47%と低く、またこの時点以
降反応はほとんど進まなくなった。
【0046】比較例2 実施例1の(2)で得られた酸化反応生成混合物を含
む、水不溶性溶媒溶液100重量部と、2% Pd/A
23 2重量部をガス吹込管、攪拌機、還流冷却器を
付けた反応器に仕込み、攪拌しながら水素ガスを100
Nl/hrの速度で仕込み100℃で反応を行った。反
応の進行と共に反応速度が遅くなり180分後にはヒド
ロペルオキシドの転化率60%でほとんど反応しなくな
った。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリヒドロペルオキシド、モノカルビノ
    ールジヒドロペルオキシド及びジカルビノールモノヒド
    ロペルオキシドからなる群より選ばれる少なくとも一種
    の三官能性ヒドロペルオキシド類を含む水不溶性溶媒溶
    液を水素還元触媒の存在下に水素と接触させることから
    なり、該反応系に水可溶性溶媒を存在させることにより
    ヒドロペルオキシド含有混合溶媒溶液をつくり、水素還
    元反応によって生成する水を該混合溶媒溶液に溶解させ
    ながら該水素還元反応を行うことを特徴とするトリス
    (2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼンの製造法。
  2. 【請求項2】 三官能性ヒドロペルオキシド類を含む水
    不溶性溶媒溶液を、トリイソプロピルベンゼンの酸化反
    応生成混合物を水不溶性溶媒に溶解して得ることを特徴
    とする請求項1記載の方法。
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