JPH07106954B2

JPH07106954B2 - 土木用通水性多孔体の製造方法

Info

Publication number: JPH07106954B2
Application number: JP61125150A
Authority: JP
Inventors: 一生浅野
Original assignee: 三菱化学ビーエーエスエフ株式会社
Priority date: 1986-05-30
Filing date: 1986-05-30
Publication date: 1995-11-15
Anticipated expiration: 2010-11-15
Also published as: JPS62283887A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明の実施例により得られる土木用通水性多孔体は、
ゴルフ場、運動場、公園等に埋設されて、もしくはコン
クリートブロツク擁壁面に添えて使用される面排水材、
土管として有用である。また、それ自身、陶磁質であつ
て美麗であり、かつ、強度もあるので、土表面に現わし
て排水材機能を有するタイル、踏石、ブロック擁壁材等
の土木用途として用いることも可能である。

〔従来技術およびその問題点〕

ゴルフ場、グランド、公園、道路等において、雨水の排
水を迅速とするため、発泡ポリスチレン粒子を接着剤で
相互に空隙率が５〜60％となるように接着した暗きよ排
水材を土中に埋設することが行われている。

また、住宅、鉄道等においての土砂崩れを防止するコン
クリート擁壁において、かかる面排水材をコンクリート
擁壁に添えて用いている。

この面排水材は、嵩密度が30〜80g/と軽量であり、断
熱性に富むものであるが、外観が粟おこし状で見映えが
悪く、人見にふれるところには現われて仕工されていな
い。また、10〜15年位経過すると、接着剤がバクテリア
や雨水、土圧等で崩壊し、発泡粒子同志の結合が破壊さ
れて通水性空隙がなくなり、面排水材としての機能が消
失するので、取り替え工事をする必要がある。

一方、フアシヨナブルな街造りとして従来のアスフアル
ト舗装に代えて、道路やビル、駅前広場にタイル敷やコ
ンクリート製の組合せブロツク踏石を敷設することが行
われている。

しかし、このタイルや踏石は通水性がないので雨水は排
水ピツトに導かれて排水されることとなり、大雨のとき
は路上もしくは広場に雨水が溢ふれることとなる。

本発明は、通水性を有する陶磁器製多孔体によりかかる
従来の樹脂製面排水材の欠点を改良することを目的とす
る。

無機質の通気性多孔体としては、球形に造粒し焼結した
アルミナ粒を骨材とし、該骨材を無機質結合剤および有
機質添加剤と混練して骨材表面に無機質結合剤および有
機質添加剤を被覆せしめたものを、金型内に充填して任
意形状に加圧成形し、該成形物を前記無機質結合剤の焼
結温度（約1,300℃）に加熱してアルミナ粒を半溶融さ
せて任意の通気性を有するように結合せしめてなること
を特徴とする気孔率が５〜65％の透過性多孔体が知られ
ている（特開昭61−44780号）。

また、窒化珪素、窒化硼素、炭化珪素等の無機粒子を樹
脂水性エマルジヨンや液状樹脂接着剤をバインダーとし
て造型し、これを1100〜1300℃で焼成することにより前
記バインダー樹脂を焼失させて多孔質セラミツクを製造
することも実施されている。

これらは、高価なアルミナ粒や、セラミツク無機粒子を
用いるため通水性多孔体が高価である。また、後者の多
孔体は、エマルジヨンの樹脂粒径が0.1〜0.3ミクロンと
小さく、従つて気孔径が樹脂粒径と略同一径となり小さ
く、かつ、気孔率も高々40％であり透水速度が遅い。液
状樹脂接着剤を用いた場合でも気孔径は数ミクロンのオ
ーダーであり、透水速度が遅い。

前者のアルミナ粒を用いる場合は、アルミナ粒は半溶融
して空隙を形成するため、粒径0.25mmのアルミナ粒を用
いても気孔径は数十ミクロンのオーダーであり、気孔率
は５〜65％と高くても透水速度が遅い。

〔問題点を解決する具体的手段〕

本発明においては、バインダーとして安価な粘土を用
い、アルミナ粒の代りに粒径が0.3〜5mmの樹脂発泡粒子
を用いることにより透水用の空隙の径が約2.7mm以上で
あり、空隙率が50〜80％である透水速度の高い土木用通
水性多孔体を提供するものである。

本発明は、粘土１容量部に対し、密度が８〜50g/、粒
径が0.3〜5mmの樹脂発泡粒子を2.5〜７容量部の割合で
配合し、必要によりこれに水を添加した組成物を、板
状、パイプ状等の形状に形造り、ついでこの造形物を1,
000〜1,300℃で焼成して前記熱可塑性樹脂発泡粒子を焼
失させることにより通水性の空隙率が50〜80％の土木用
通水性多孔体を製造する方法を提供するものである。

本発明において、多孔体を形成する粘土の他に、長石、
陶石、珪石等を配合してもよく、その場合は、多孔体は
陶磁器製となる。この粘土は、樹脂発泡粒子や長石等の
バインダー機能をも有する。

樹脂発泡粒子としては、粒径が0.3〜5mm、密度が８〜50
g/の樹脂発泡粒子、具体的には発泡ポリスチレン粒
子、発泡ポリプロピレン粒子、発泡ポリエチレン粒子等
の熱可塑性樹脂発泡粒子や、尿素樹脂発泡樹脂、フエノ
ール樹脂発泡粒子等の熱硬化性樹脂発泡粒子を用いるこ
とができる。

これら樹脂粒子は焼成により消失する。

粘土１容量部に対する樹脂発泡粒子の配合量は2.5〜７
容量部である。通水するための連続した空隙を形成させ
るためには発泡粒子は0.6容量部以上でよいが、透水速
度が遅いので、透水用の連続した空隙が多孔体の50〜80
％を占め、透水速度を高めるため2.5容量部以上用い
る。逆に７容量部を越えて用いると多孔体の強度が弱く
なりすぎる。

焼成する前の造形物は、粘土に樹脂発泡粒子、水を加え
て組成物となし、これをプレス成形して板状体・ブロツ
ク状の成型物に、あるいは押出成形してチユーブ、板状
体、棒状体に形造る。

湿粘土は、元来、約18〜25重量％の水分を含むものであ
るが、流動性を持たせて造形しやすくするため、水を粘
土の５〜25重量％の割合で加える。

造形物を1,000〜1,300℃で焼成することにより樹脂発泡
粒子が焼失し、連続した通水性空隙を有する多孔体が得
られる。

この多孔体の嵩密度は0.4〜0.9g/cm³と軽量で、第１図
に示す装置を用い、定水位透水試験（JIS Ａ−1218−1
961、で測定した60分透水後の透水係数（Kt）が0.1×10
^-4cm/sec以上のものであり、透水速度が高いので雨水等
を短時間に排水させることができる。

（ここでＬは多孔体の肉厚、ｈは水高、Ｑは透水後、60
〜62分の２分間における透水量、t₂−t₁は２分間、Ａは
多孔体の断面積である。）なお、本発明の類似技術として特開昭55−116651号公報
に開示される発泡粒子を混入した原料坏土を成形し、そ
れの成形体表面に釉薬または化粧土の泥漿を施した後、
焼成工程を経て製造することを特徴とする多孔質タイル
の製法が知られているが、このものは単にタイルの軽量
化を目的として陶磁器質を多孔質化しているのみで通水
性のための連続した空隙を形成することは目的としてお
らず、異つた技術である。

実施例１蛙目粘土（比重2.0、水分約22重量％）１容量部に対
し、粒径約0.6mmφ、密度38g/のポリスチレン発泡粒
子を４容量部の割合で配合し、これに水を粘土の18重量
％の割合で配合しこれをプレス成形して板状体とした。

ついで、この板状体を1,200℃で６時間焼成し、肉厚が2
1mm、密度が0.60g/cm³の土木用通水性多孔体を得た。

この土木用通水性多孔体の曲げ強度は25kg/cm²であり、
また、熱伝導率は0.185kcal/m・hr℃であつた。

また、JIS Ａ−1218−1961に従つて測定した透水係数
（Kt）は、水高13cm、多孔体の面積78.5cm²、２分間の
透水量の条件下で測定したところ、次のようであつた。

透水後 5分後 0.36×10^-3cm/sec 透水後30分後 0.36×10^-3cm/sec 透水後60分後 0.35×10^-3cm/sec 更に、この多孔体をベツクマン製エアーピクノメーター
より求めた通水性の空隙率は78％であつた。

なお、素材の比重、多孔体の体積計算より求めた気孔率
は70％であつた。

実施例２〜３、比較例１〜４表１に示す組成物を用い、実施例１と同様に焼成して多
孔体を得た。

物性を同表に示す。

【図面の簡単な説明】

第１図は多孔体の透水係数を測定する装置の正面図であ
る。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】粘度１容量部に対し、密度が８〜50g/1、
粒径が0.3〜5mmである樹脂発泡粒子を2.5〜７容量部の
割合で配合し、必要によりこれに水を添加した組成物を
板状、パイプ状等の形状に形造り、ついでこの造形物を
1000〜1300℃で焼成して通水性の空隙率が50〜80％の土
木用通水性多孔体を製造する方法。
【請求項２】水が、粘土に対し10〜25重量％の割合で配
合されることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の
製造方法。