JP2001146703A - 透水性ブロックおよびその製造方法 - Google Patents

透水性ブロックおよびその製造方法

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JP2001146703A
JP2001146703A JP2000309393A JP2000309393A JP2001146703A JP 2001146703 A JP2001146703 A JP 2001146703A JP 2000309393 A JP2000309393 A JP 2000309393A JP 2000309393 A JP2000309393 A JP 2000309393A JP 2001146703 A JP2001146703 A JP 2001146703A
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Kenji Suzukawa
研二 鈴川
Mitsunobu Otani
光伸 大谷
Manabu Miyazaki
学 宮崎
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】透水性と強度に優れ、長期間使用しても目詰り
の心配が少なく、透水機能の低下が小さい透水性ブロッ
クとその製造法を提供する。 【構成】表層と基層との層状構成を有し、これら表層お
よび基層は無機質骨材粒を含み、透水係数が1×10-2
cm/sec以上である透水性ブロックであって、
(1)表層は、空隙率が25〜50%の範囲内にあり、
骨材粒は平均粒径が0.5〜2mmの範囲内にあるとと
もに最大寸法および平均粒径において基層の骨材粒より
も小さく、(2)基層は、空隙率が10%以上であると
ともに表層よりも低い空隙率を有し、かつ、骨材粒の平
均粒径が1.5〜2.5mmの範囲内にある、透水性ブ
ロック、およびその製造方法により上記課題を解決す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、道路構造物、たとえ
ば、車道、歩道、公園その他の広場、駐車場、各種建造
物(ビル等)の外構の舗装に適した透水性ブロックに関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、雨水を地中に還元することによっ
て下水道や都市河川に流入する雨水を低減し、下水処理
場の負担を軽減したり、河川の氾濫を防止したりするこ
とが重要な課題となっている。また、雨水を地中に還元
することによって地下水の枯渇を防ぎ、地盤沈下を防止
したり、都市部における植裁を促進したりすることも重
要なことである。さらに、降雨時の跳ね返りが少なく、
水溜まりのできにくい、歩行感に優れた歩道も要求され
ている。透水性ブロックは、このような要求を満たすの
に好適な材料として注目されている。
【0003】さて、そのような透水性ブロックとして
は、たとえば特公平5−48321号公報に記載されて
いるようなものが知られている。この従来のブロック
は、無機質骨材粒を焼き固めてなり、表層と基層との2
層構成を有し、基層には表層よりも大きな骨材粒を使用
し、透水性が高く、しかも、長期間使用しても目詰りに
よる透水機能の低下が小さいとしている。すなわち、基
層に表層よりも大きな骨材粒を使用することで基層の孔
径が表層のそれよりも大きくなり、透水性が向上するう
えに、微細な砂等の目詰り成分が表層から基層へとよく
流れるので透水機能の低下も小さくなるというものであ
る。しかしながら、ブロック内を水が流下する量や速
度、すなわち透水性は、空隙率、特に表層の空隙率に大
きく支配されるので、基層の孔径を表層のそれよりも大
きくするということだけでは透水性は向上しない。ま
た、上記従来のブロックは、表層にその骨材粒の粒径の
約1/10程度の大きさの孔が存在し、基層の孔は表層
のそれの4〜5倍程度であることが好ましいとしている
が、用いる骨材粒の粒度分布によっては表層の孔径が著
しく小さくなり、空隙率が低くなって透水性が低下する
ばかりか、表層から基層への目詰り成分の流下が阻害さ
れるようになるので透水機能の低下も大きくなる。さら
に、基層の孔径が大きくなると骨材粒間の結合強度が低
くなり、ブロック全体の強度が低下するという問題もあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、従
来の透水性ブロックの上述した問題点を解決し、透水性
や強度に優れているばかりか、長期間使用しても目詰り
の心配が少なく、透水機能の低下が小さい、特に歩道、
公園その他の広場を舗装するのに好適な透水性ブロック
を提供することにある。
【0005】また、この発明の他の目的は、そのような
透水性ブロックを高収率で製造する方法を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は以下の構成を有する。
【0007】すなわち、表層と基層との層状構成を有
し、これら表層および基層は無機質骨材粒を含み、透水
係数が1×10-2cm/sec以上である透水性ブロッ
クであって、(1)表層は、空隙率が25〜50%の範
囲内にあり、骨材粒は平均粒径が0.5〜2mmの範囲
内にあるとともに最大寸法および平均粒径において基層
の骨材粒よりも小さく、(2)基層は、空隙率が10%
以上であるとともに表層よりも低い空隙率を有し、か
つ、骨材粒の平均粒径が1.5〜2.5mmの範囲内に
ある、透水性ブロック。
【0008】また、透水性ブロックは、曲げ強度が30
kgf/cm2以上で、かつ、圧縮強度が160kgf
/cm2以上であるのが好ましい。また、表層は、表面
のモース硬度が6以上で、湿潤時における滑り抵抗値が
40以上であるのが好ましい。さらに、表層の厚みが4
〜15mmの範囲内にあり、かつ、全体厚みが40〜1
00mmの範囲内にあるのが好ましい。施工面からみる
と、表層の表面の周縁に面取りまたは丸みが付与されて
いたり、側面形状が台形であるのが好ましいし、側面に
目地幅規制用の突起を設けておくのも好ましいことであ
る。
【0009】また、この発明は、重量平均における平均
粒径が1.5〜2.5mmの範囲内にある無機質骨材粒
と成型用糊剤との混合物に骨材粒同士を結合するバイン
ダを添加、混合してなる基層材料を型に入れ、好ましく
は0.5〜50kgf/cm 2の範囲内の圧力で加圧し
た後、その基層材料の上に、重量平均における平均粒径
が0.5〜2mmの範囲内にある無機質骨材粒と成型用
糊剤との混合物に骨材粒同士を結合するバインダを添
加、混合してなる表層材料を入れ、好ましくは0.5〜
50kgf/cm2の範囲内の圧力で加圧、成型し、得
られた成型体を焼成することにより、空隙率が25〜5
0%の範囲内にある表層と、空隙率が10%以上でかつ
上記表層よりも低い空隙率を有する基層との層状構成を
有する透水性ブロックを得ることを特徴とする透水性ブ
ロックの製造方法を提供する。
【0010】基層材料における無機質骨材粒としては、
鉄鋼スラグ、天然石および陶磁器から選ばれる少なくと
も1種の破砕片を用いる。また、表層材料における無機
質骨材粒としては、吸水率が0.5%以下の鉄鋼スラ
グ、天然石および磁器から選ばれる少なくとも1種の破
砕片を用いる。成型用糊剤としては、カルボキシメチル
セルロース、でんぷんまたは水ガラスを用いるのが好ま
しいし、骨材粒同士を結合するバインダとしては、粘
土、天然石またはガラスの粉末を用いるのが好ましい。
表層材料にさらに顔料を添加、混合するのもよい。成型
には、振動プレスを用いるのが好ましい。
【0011】この発明の透水性ブロックは、形状的に
は、図1、図2に示すような形状を有している。すなわ
ち、厚みが4〜15mmほどの表層1と、基層2との層
状構成を有している。全体厚みは、作用する荷重等を考
慮して40〜100mm程度にしてある。平面形状は方
形で、大きさは、施工の容易性等を考慮して一辺の長さ
が100〜400mm程度の正方形か長方形にしてあ
る。側面からみた形状は、台形である。台形とすること
で施工時における表層の欠け等を防止でき、また、ブロ
ック間に適度な幅の目地を形成することができるように
なる。もっとも、上底と下底との長さの差は、歩行感
や、車椅子による走行の容易性等を考慮して3mm以下
と小さくしてある。表層1の表面の周縁には、施工時に
おける表層の欠けや、製造時にできた骨材粒による突起
が表面から突出しないように、1〜3C程度の面取り加
工を施すか、1〜3R程度の丸みをもたせてある。この
面取りや丸みが大きすぎると、やはり歩行感等が低下す
る。舗装はこのようなブロックをマトリクス状や千鳥状
に敷き詰めることによって行うが、その際に目地幅を適
度な幅に規制するために、側面には基層2の部分に目地
幅規制用の突起3が設けられている。この突起3の厚み
は1〜3mm程度、高さは10〜80mm程度である。
なお、突起3は、ブロックを敷き詰めたときに隣接する
ブロックの突起が当たらない位置に設けておく。以下、
この発明の透水性ブロックをその製造方法とともにさら
に詳細に説明する。
【0012】基層材料の調製工程:この工程において
は、無機質骨材粒に成型用糊剤を添加、混合し、さらに
混合物に骨材粒同士を結合するバインダを添加、混合し
て基層材料を調製する。
【0013】無機質骨材粒としては、鉄鋼スラグ、天然
石、陶磁器等の破砕物を用いることができる。これらの
2種以上を併用してもよい。天然石としては、たとえば
ろう石やアプライトを用いることができる。後の焼成時
にクラックを発生しにくい、堆積岩以外のものであるの
が好ましい。また、陶磁器としては、陶磁器質の瓦、タ
イル、土管、その他の陶磁器廃材を用いることができ
る。
【0014】破砕片の大きさは、最大寸法で4.75m
m以下、平均粒径で1.5〜2.5mmの範囲内とす
る。破砕片が最大寸法で4.75mmよりも大きく、平
均粒径で2.5mmよりも大きくなると、均一な混合、
分散が難しくなり、大きな破砕片が偏在するようになっ
て空隙率の大きな部分や小さな部分ができ、ブロックの
曲げ強度や圧縮強度が低下するようになる。また、平均
粒径が1.5mmよりも小さいと透水性が低下するよう
になる。
【0015】このように、破砕片の最大寸法や平均粒径
は、透水性、曲げ強度、圧縮強度等に影響を与える。そ
して、基層の空隙率が10%に満たないと、たとえ表層
の空隙率が25〜50%の範囲内にあっても、ブロック
全体の透水係数は低下し、透水性ブロックとして必要な
1×10-2cm/secという値よりも低くなってしま
う。この透水係数の値は、河川等の設計において一般的
に用いられている、降雨量が50mm/時の降雨時にお
いても雨水が溜らず、全部が浸透するということを意味
している。また、曲げ強度や圧縮強度の低下は、搬送時
や施工時、使用時等におけるブロックの破損の原因にな
る。上述した破砕片の最大寸法や平均粒径は、ブロック
に曲げ強度30kgf/cm2以上、好ましくは50k
gf/cm2以上、圧縮強度160kgf/cm2以上を
与えるための一つの要件である。
【0016】この発明において破砕片の最大寸法は、J
IS Z8801に規定されるふるいで骨材粒500g
をふるい分け、重量で少なくとも85%の骨材粒が通過
するふるいのうちの最小のふるいの呼び寸法として表わ
される。
【0017】また、平均粒径は、重量平均で表わされ
る。
【0018】さらに、空隙率は、ブロックから表層を切
削、除去し、さらに5×5cm角の試験片を切り出し、
105℃で24時間乾燥した後に室温まで冷却したとき
の重量W(g)と体積V(cm3)から見掛密度ρ1=W
/Vを求め、これと、同様に処理した試験片についてア
ルキメデス法で求めた見掛密度ρ2から、次式によって
求める。
【0019】空隙率(%)=(1−ρ1/ρ2)×100 さらにまた、曲げ強度はJIS A1106に、圧縮強
度はJIS R2206に、透水係数はJIS A12
18にそれぞれ準拠して求める。
【0020】一方、成型用糊剤としては、カルボキシメ
チルセルロース(CMC)、でんぷん等の有機質糊剤
や、水ガラス等の無機質糊剤を用いることができる。有
機質糊剤は、水溶液として用いる。成型用糊剤の量は、
後の成型時における保型性や焼成時における成型体のハ
ンドリング性等を考慮して決めるが、通常、骨材粒10
0重量部に対して5〜20重量部ほど添加する。
【0021】また、骨材粒同士を結合するバインダとし
ては、骨材粒よりも融点の低い粘土、天然石、ガラス等
の粉末を用いることができる。天然石としては、砂岩、
粘板岩、花崗岩等を用いることができる。焼成中に骨材
粒やバインダに発生する歪を小さくするために、バイン
ダの熱膨脹率は、骨材粒のそれと同等かそれ以上である
のが好ましい。バインダは焼成時に溶融して骨材粒同士
を結合するが、バインダの最大粒径は、骨材粒同士の結
合が一様に行われるよう、また、焼成時の溶融に時間が
かかってエネルギーコストが上昇しないよう、0.1m
m以下とするのが好ましい。また、バインダの量は、ブ
ロックの強度や透水性等を考慮して決めるが、通常、骨
材粒100重量部に対して3〜15重量部ほど添加す
る。
【0022】さて、基層材料は、まず、無機質骨材粒
に、液状にした糊剤を、たとえばシャワーにして少しず
つ添加しながら混合する。
【0023】次に、無機質骨材粒と糊剤との混合物にバ
インダを少しずつ添加しながら混合する。ここで、無機
質骨材粒と糊剤とをあらかじめ混合しておき、その混合
物にバインダをさらに添加、混合するのは、これら3者
を同時に混合すると糊剤と骨材粒やバインダとが凝集し
やすく、凝集した糊剤が成型時に型に付着したり、焼成
時に発泡して収率が低下するようになるからである。
【0024】表層材料の調製工程:表層材料もまた、基
層材料と同様に調製する。ただ、無機質骨材粒として
は、吸水率が0.5%以下の鉄鋼スラグ、天然石、磁器
等の破砕片の少なくとも1種を用いる。吸水率は、JI
S A1109に準拠して求める。磁器としては、磁器
質のタイルや電力用碍子等の廃材を用いることができ
る。吸水率が0.5%以下の骨材粒を用いるのは、吸水
率が0.5%を超えるようなものは表面が汚れやすく、
しかも、水洗等による洗浄が困難になるからである。ま
た、摩耗しやすくなり、美観が低下したり、摩耗によっ
て生じた骨材粒粉が表層の表面に存在するようになって
湿潤時か否かにかかわらず滑りやすくなるからである。
かかる傾向は、表層の表面の、モース氏の硬度計による
モース硬度が6未満であるときに特に顕著になる。
【0025】破砕片の大きさは、最大寸法で2.8mm
以下、平均粒径で0.5〜2mmの範囲内とする。最大
寸法、平均粒径のいずれにおいても、表層の骨材粒は基
層のそれよりも小さい。そして、破砕片が最大寸法で
2.8mmよりも大きくなると湿潤時における表層の滑
り抵抗値が小さくなり、降雨時等の湿潤時に滑りやすく
なる。換言すれば、破砕片の最大寸法は、表層の表面の
湿潤時における滑り抵抗値を40以上という好ましい値
にするために必要な条件の一つである。滑り抵抗値は、
ASTM E303に準拠して求める。
【0026】また、表層の空隙率もブロック全体の透水
係数等に大きな影響を与えるが、それが25〜50%の
範囲内にあると、雨水等は積極的に流下させるが土砂等
の目詰り成分の侵入は抑制できるようになる。
【0027】表層を着色するために、表層材料を調製す
るときそれに顔料を加えることができる。顔料として
は、酸化鉄系、酸化チタン系、酸化コバルト系等の粉末
を用いることができ、通常、骨材粒に添加、混合する。
顔料の量は、その発色の程度等にもよるが、骨材粒10
0重量部に対して0.2〜10重量部ほど添加する。
【0028】成型工程:成型は、型を用い、焼成後にお
いて表層および基層が所望する厚みになるよう、充填厚
みを考慮しながら、まず基層材料を充填し、0.5〜5
0kgf/cm2の範囲内の圧力で加圧して一次成型し
た後、その上に表層材料を充填し、再び0.5〜50k
gf/cm2の範囲内の圧力で加圧する。このとき、表
層材料の充填厚みは、ブロックの表層厚みが4〜15m
mの範囲内になるようにするのが好ましい。4mm未満
になるような充填厚みでは、加圧時に基層材料が表層材
料から突き出たりすることがあり、収率が悪くなり、ま
た、表層の美観の上でも好ましくないからである。美観
の低下は、表層材料に顔料を添加している場合には特に
著しくなる。また、14mmを超えるようになるほどの
厚みに充填すると、透水係数が低下するようになる。ま
た、製造上も、顔料を添加する場合にはその使用量が多
くなったり、後の焼成時にひび割れを生じたり収縮が大
きくなったりして収率が低下する。
【0029】成型には振動プレス、油圧プレス、フリク
ションプレス等を用いることができるが、特に圧力が低
い場合には振動プレスを用いるのが好ましい。なお、成
型圧力の好ましい範囲を0.5〜50kgf/cm2
しているのは、あまり低すぎると成型ができず、高すぎ
ると骨材粒が破損したりするからである。
【0030】焼成工程:この工程では、上述した成型工
程で得られた成型体を焼成し、透水性ブロックを得る。
成型体は、焼成に先立って、乾燥するか、成型用糊剤と
して水ガラスを用いている場合には炭酸ガスを作用させ
て水ガラスを一次硬化させ、ハンドリングを容易にして
おく。
【0031】焼成には、トンネルキルンやローラーハー
スキルン等を用いることができる。焼成温度は、骨材粒
の耐熱性等を考慮して決めるが、通常、900〜1,3
00℃の範囲内とする。焼成時間は、基層材料および表
層材料の種類や成型体の大きさ等にもよるので一概には
いえないが、2〜72時間程度である。
【0032】道路構造物の施工:上述したようにして得
られたブロックを用いる道路構造物の施工は、まず、砂
利や鉄鋼スラグ等を用いて路盤を形成し、その路盤の上
に、ポリエステル繊維等からなる不織布を敷き、さらに
不織布の上に最大寸法が4.75mm以下の砂を用いた
サンドクッション層を設け、そのサンドクッション層の
上にブロックをマトリクス状あるいは千鳥状等に敷き詰
めた後、最大寸法が1.19mm以下の砂を散布して砂
目地を形成した後、振動をかけながら転圧してブロック
を固定することによって行う。不織布を用いるのは、ブ
ロック内を流下してきた雨水等によってサンドクッショ
ン層の砂が路盤内に流出しないようにするためである。
【0033】図3は、このようにして施工した道路構造
物を示すものである。図3において、4はブロック、5
は砂目地、6はサンドクッション層、7は不織布、8は
路盤である。車両が乗り入れる車道のような道路構造物
を施工する場合には、不織布7と路盤8との間に耐荷重
層を設ける。この耐荷重層は、透水係数が1×10-2
m/sec以上であるような開粒度アスファルトコンク
リート層や透水性コンクリート層、直径50mm程度の
水抜き孔を有するコンクリート層として設けることがで
きる。
【0034】
【実施例】吸水率が0.2%の磁器タイル廃材の破砕片
(最大寸法:3.35mm、平均粒径:1.9mm)を
骨材粒とし、これに成型用糊剤として水ガラス3号を骨
材粒100重量部に対して8重量部になるように添加、
混合し、得られた混合物に骨材粒同士を結合するバイン
ダとして板ガラス廃材の粉末(最大寸法:0.1mm)
を添加、混合し、基層材料を得た。一方、磁器タイル廃
材の破砕片(最大寸法:1.18mm、平均粒径:0.
7mm)を骨材粒とし、これに酸化鉄系顔料を骨材粒1
00重量部に対して2重量部になるように添加、混合
し、さらに成型用糊剤として水ガラス3号を骨材粒10
0重量部に対して8重量部になるように添加、混合し、
得られた混合物に骨材粒同士を結合するバインダとして
板ガラス廃材の粉末(最大寸法:0.1mm)を添加、
混合し、表層材料を得た。
【0035】次に、上記基層材料を厚みが55mmにな
るように型に入れ、振動プレスを用いて1kgf/cm
2の圧力で一次成型した後、その上に、上記表層材料を
厚みが15mmになるように入れ、再び1kgf/cm
2の圧力で加圧して成型した。
【0036】次に、成型体に炭酸ガスを作用させて糊剤
である水ガラス3号を一次硬化させた後、トンネルキル
ンを用い、1,100℃で48時間焼成し、大きさが1
00×200mm、表層の厚みが12mm、基層の厚み
が48mm、全体厚みが60mmの、この発明のブロッ
クを得た。表層の表面の周縁には、3Cの面取りが付与
されている。収率は97%であった。
【0037】このようにして得たブロックについて、特
性を評価したところ、以下のとおりであった。なお、数
値は10個のブロックについての平均値である。 空隙率 :表層37%、基層25% 透水係数:1.8×10-1cm/sec 曲げ強度:62.3kgf/cm2 圧縮強度:272kgf/cm2 表層表面のモース硬度 :7 湿潤時における滑り抵抗値:52 また、得られた透水性ブロックを用い、都市における歩
道を施工した。すなわち、JIS A5001の粒度調
整砕石(M−30)からなる厚みが150mmの路盤の上
に、厚みが1mmのポリエステル繊維の不織布を敷き、そ
の不織布の上に、最大寸法が4.75mmの粗目川砂から
なる厚み20mmのサンドクッション層を設け、そのサン
ドクッション層の上に上記ブロックを千鳥状に敷き詰め
た後、ブロック間に硅砂4号による砂目地を形成して歩
道を施工した。施工時に欠けや割れ等を生ずることはな
かった。また、供用開始1年後における透水係数は1.
2×10-1cm/secで透水機能の低下は小さく、し
かも、破損や表層の表面の摩耗等は認められなかった。
【0038】
【発明の効果】この発明の透水性ブロックは、表層と基
層との層状構成を有し、これら表層および基層は無機質
骨材粒を含み、透水係数が1×10-2cm/sec以上
である透水性ブロックであって、(1)表層は、空隙率
が25〜50%の範囲内にあり、骨材粒は平均粒径が
0.5〜2mmの範囲内にあるとともに最大寸法および
平均粒径において基層の骨材粒よりも小さく、(2)基
層は、空隙率が10%以上であるとともに表層よりも低
い空隙率を有し、かつ、骨材粒の平均粒径が1.5〜
2.5mmの範囲内にある、ものであるから、実施例に
も示したように、透水性や強度に優れているばかりか、
長期間使用しても目詰りの心配が少なく、透水機能の低
下が小さい。
【0039】また、この発明は、上述したブロックを、
平均粒径が1.5〜2.5mmの範囲にある無機質骨材
粒と糊剤との混合物にバインダを添加、混合してなる基
層材料を型に入れて加圧した後、その上に、平均粒径が
0.5〜2mmの範囲にある無機質骨材粒と糊剤との混
合物にバインダを添加、混合してなる表層材料を入れて
加圧、成型し、得られた成型体を焼成することによって
得るから、収率が、たとえば97%以上と大変高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施態様に係る透水性ブロックの
概略平面図である。
【図2】この発明の一実施態様に係る透水性ブロックの
概略側面図である。
【図3】この発明の透水性ブロックを用いて施工した道
路構造物を示す概略縦断面図である
【符号の説明】
1:表層 2:基層 3:目地幅規制用の突起 4:透水性ブロック 5:目地 6:サンドクッション層 7:不織布 8:路盤

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表層と基層との層状構成を有し、これら表
    層および基層は無機質骨材粒を含み、透水係数が1×1
    -2cm/sec以上である透水性ブロックであって、
    (1)表層は、空隙率が25〜50%の範囲内にあり、
    骨材粒は平均粒径が0.5〜2mmの範囲内にあるとと
    もに最大寸法および平均粒径において基層の骨材粒より
    も小さく、(2)基層は、空隙率が10%以上であると
    ともに表層よりも低い空隙率を有し、かつ、骨材粒の平
    均粒径が1.5〜2.5mmの範囲内にある、透水性ブ
    ロック。
  2. 【請求項2】曲げ強度が30kgf/cm2以上で、か
    つ、圧縮強度が160kgf/cm2以上である、請求
    項1に記載の透水性ブロック。
  3. 【請求項3】表層は、表面のモース硬度が6以上で、湿
    潤時における滑り抵抗値が40以上である、請求項1ま
    たは2に記載の透水性ブロック。
  4. 【請求項4】表層の厚みが4〜15mmの範囲内にあ
    り、かつ、全体厚みが40〜100mmの範囲内にあ
    る、請求項1〜3のいずれかに記載の透水性ブロック。
  5. 【請求項5】表層の表面の周縁に面取りまたは丸みが付
    与されている、請求項1〜4のいずれかに記載の透水性
    ブロック。
  6. 【請求項6】側面形状が台形である、請求項1〜5のい
    ずれかに記載の透水性ブロック。
  7. 【請求項7】側面に目地幅規制用の突起が設けられてい
    る、請求項1〜6のいずれかに記載の透水性ブロック。
  8. 【請求項8】重量平均における平均粒径が1.5〜2.
    5mmの範囲内にある無機質骨材粒と成型用糊剤との混
    合物に骨材粒同士を結合するバインダを添加、混合して
    なる基層材料を型に入れて加圧した後、その基層材料の
    上に、重量平均における平均粒径が0.5〜2mmの範
    囲内にある無機質骨材粒と成型用糊剤との混合物に骨材
    粒同士を結合するバインダを添加、混合してなる表層材
    料を入れて加圧、成型し、得られた成型体を焼成するこ
    とにより、空隙率が25〜50%の範囲内にある表層
    と、空隙率が10%以上でかつ上記表層よりも低い空隙
    率を有する基層との層状構成を有する透水性ブロックを
    得ることを特徴とする透水性ブロックの製造方法。
  9. 【請求項9】0.5〜50kgf/cm2の範囲内の圧
    力で加圧し、900〜1,300℃の範囲内の温度で焼
    成する、請求項8の透水性ブロックの製造方法。
  10. 【請求項10】基層材料における無機質骨材粒として、
    鉄鋼スラグ、天然石および陶磁器から選ばれる少なくと
    も1種の破砕片を用いる、請求項8または9の透水性ブ
    ロックの製造方法。
  11. 【請求項11】表層材料における無機質骨材粒として、
    吸水率が0.5%以下の鉄鋼スラグ、天然石および磁器
    から選ばれる少なくとも1種の破砕片を用いる、請求項
    8〜10のいずれかの透水性ブロックの製造方法。
  12. 【請求項12】成型用糊剤として、カルボキシメチルセ
    ルロース、でんぷんまたは水ガラスを用いる、請求項8
    〜11のいずれかの透水性ブロックの製造方法。
  13. 【請求項13】骨材同士を結合するバインダとして、粘
    土、天然石またはガラスの粉末を用いる、請求項8〜1
    2のいずれかの透水性ブロックの製造方法。
  14. 【請求項14】表層材料にさらに顔料を添加、混合す
    る、請求項8〜13の透水性ブロックの製造方法。
  15. 【請求項15】振動プレスを用いて成型する、請求項8
    〜14のいずれかの透水性ブロックの製造方法。
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