JPH0710493U - ターボ分子ポンプ - Google Patents

ターボ分子ポンプ

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JPH0710493U
JPH0710493U JP3770593U JP3770593U JPH0710493U JP H0710493 U JPH0710493 U JP H0710493U JP 3770593 U JP3770593 U JP 3770593U JP 3770593 U JP3770593 U JP 3770593U JP H0710493 U JPH0710493 U JP H0710493U
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rotor
blade
stator
casing
blades
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JP3770593U
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恵子 吉江
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セイコー精機株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生成物の堆積による弊害、特にロータの回転
障害によるポンプ排気動作の停止等を防止した信頼性の
高いターボ分子ポンプを提供する。 【構成】 段部3の表面とこれに対向するステータ翼5
との隙間G1はその上方に位置するステータ翼5とロー
タ翼6との隙間g3に比し大きく設けると共に、分子の
平均自由行程と反応性生成物の堆積とを考慮し、ポンプ
の排気性能を損なわずかつ生成物を介し段部3の表面と
ステータ翼5とが接触しない程度に大きく設定する。こ
のような隙間G1は、段部3の表面に生成物が堆積した
場合でも、生成物を介する段部3の表面とステータ翼5
との接触を回避することができ、ロータ2のスムーズな
回転が得られるように設ける。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、生成物の堆積による弊害、特にロータの回転障害によるポンプ排 気動作の停止を防止した信頼性の高いターボ分子ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のターボ分子ポンプは図6に示す如くケーシング1の内部に筒状 のロータ2が回転可能に配設されており、ロータ2の外周面には環状の段部3を 有し、段部3からロータ2の下部に至るまでの範囲にはロータ2の外周面にねじ 溝4が形成されている一方、上記段部3からロータ2の上部に至るまでの範囲に は段部3の表面側からロータ2の軸線に沿ってステータ翼5、ロータ翼6、ステ ータ翼5という具合にステータ翼5とロータ翼6とが交互に設けられており、ス テータ翼5はスペーサリング7を介してケーシング1の内壁に固定され、ロータ 翼6はロータ2の外周面に配設されている。
【0003】 ロータ2の内側にはロータシャフト8が配設されていると共に、このロータシ ャフト8はロータ2と同軸状に配設された状態で先端がロータ2に一体に取り付 けられており、ロータシャフト8とロータ2との間にはステータコラム9が設置 されている。
【0004】 ステータコラム9とロータシャフト8との間には2組のラジアル磁気軸受部1 0,10が設置されており、一方のラジアル磁気軸受部10はロータシャフト8 の先端外周面側に、また他方のラジアル磁気軸受部10はロータシャフト8の後 端外周面側に位置し、これらの両ラジアル磁気軸受部10,10はともに径方向 センサ10a及び径方向電磁石10bから形成されている。
【0005】 なお、径方向センサ10aはロータシャフト8の径方向変位量を検出するよう に構成されており、径方向電磁石10bは径方向センサ10aでの検出結果に基 づき励磁され、その励磁による磁力でロータシャフト8を介しロータ2を径方向 に支持するように構成されている。
【0006】 ステータコラム9とロータシャフト8との間にはモータ11やアキシャル磁気 軸受部12も配設されており、モータ11はロータシャフト8と一体にロータ2 を軸心回りに回転させるように構成され、アキシャル磁気軸受部12はロータシ ャフト8の後端外周面側に位置しかつスラストディスク12a、軸方向センサ1 2b、及び2組の軸方向電磁石12c,12cから形成されており、その両軸方 向電磁石12c,12cはスラストディスク12aを介して互いに対向するよう に設けられている。
【0007】 なお、スラストディスク12aはロータシャフト8の外周面に一体に取り付け られ、軸方向センサ12bはロータシャフト8の軸線方向変位量を検出するよう に構成されており、各軸方向電磁石12c,12cは軸方向センサ12bでの検 出結果に基づき励磁され、その励磁による磁力でスラストディスク12aやロー タシャフト8を介してロータ2を軸線方向に支持するように構成されている。
【0008】 上記のような2組のラジアル磁気軸受部10,10及びアキシャル磁気軸受部 12によりロータ2が支持された状態で回転する場合においては、段部3の表面 とこれに対向するステータ翼5との間、ケーシング1の内壁側とロータ翼6の先 端面との間、及びステータ翼5とロータ翼6との間には常時一定の隙間g1,g 2,g3が形成されている。
【0009】 このようなターボ分子ポンプにおいては、その運転開始の当初、ロータ2が低 速で回転すると、特にねじ溝4の部分で分子を吸入口1aから排気口1b側へ排 気し、またロータ2の回転数が次第に高くなり、ロータ2が高速で回転すると、 ステータ翼5とロータ翼6との間に分子流が誘発され、分子を吸入口1aから排 気口1b側へ排気する。
【0010】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来のターボ分子ポンプにあっては、段部3の表 面とこれに対向するステータ翼5との隙間g1や、ケーシング1の内壁側とロー タ翼6の先端面との隙間g2、及びステータ翼5とロータ翼6との隙間g3は、 反応性生成物の堆積を何等考慮せず、単に分子の平均自由行程だけを考慮し、ポ ンプの排気性能を損なわないように設けられているため、半導体製造行程のプロ セスガスとして反応性ガスを排気する場合には、反応性生成物が段部3の表面や ステータ翼5又はロータ翼6上に堆積し、上記隙間g1,g3を埋める、あるい は段部3の表面やステータ翼5上に堆積した生成物がロータ翼6で吹き飛ばされ 、上記隙間g2を埋めるという不具合が生じることは避けられず、これにより生 成物を介してステータ翼5とロータ翼6とが接触し、あるいはロータ翼6の先端 面とケーシング1の内壁側とが接触し、ロータ2のスムーズな回転が妨げられる ので、ロータ2の回転障害によりポンプ排気動作が停止し、また最悪の場合には 上記のような接触によりステータ翼5やロータ翼6が破損したり、その破片で他 の部品が破壊されることもあり、ポンプの信頼性が欠ける等の問題点がある。
【0011】 特に、段部3の表面については、単体のステータ翼5やロータ翼6に比し表面 積が大きいこと、及びステータ翼5やロータ翼6より温度の低い排気口1b側に 位置することから、他の部分に比し生成物が最も堆積し易く、その生成物を介し てステータ翼5の外周面と接触し、ロータ2のスムーズな回転を妨げるため、こ のような生成物の堆積による弊害、つまりロータ2の回転障害によりポンプ排気 動作が停止する等の不具合を最初に生じさせる場所でもあり、その改善が急務と されている。
【0012】 この考案は上述の事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、生 成物の堆積による弊害、特にロータの回転障害によるポンプの排気動作の停止等 を防止した信頼性の高いターボ分子ポンプを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために、請求項1に記載の考案は、ケーシングの内部に回 転可能に配設されかつ外周面に段部を有するロータを具備し、上記段部からロー タの下部に至るまでの範囲にはロータの外周面あるいはケーシングの内壁にねじ 溝を備え、上記段部からロータの上部に至るまでの範囲にはケーシングの内壁に 固定されたステータ翼とロータの外周面に配設されたロータ翼とがロータの軸線 に沿って交互に設けられ、かつ上記ロータの回転によりねじ溝の部分及びステー タ翼とロータ翼との間に分子流を誘発させて分子を排気するターボ分子ポンプに おいて、上記段部の表面とこれに対向するステータ翼との隙間を、それより上の ステータ翼とロータ翼との隙間より大きく設けたことを特徴とする。
【0014】 請求項2に記載の考案は、ケーシングの内部に回転可能に配設されたロータと 、このロータの軸線に沿って交互に設けられると共に上記ケーシングの内壁に固 定されたステータ翼及び上記ロータの外周面に配設されたロータ翼とを備え、上 記ロータの回転によりステータ翼とロータ翼との間に分子流を誘発させて分子を 排気するターボ分子ポンプにおいて、上記ケーシングの内壁側に、ロータ翼の先 端面と対向する溝部を形成したことを特徴とする。
【0015】 請求項3に記載の考案は、ケーシングの内部に回転可能に配設されたロータと 、このロータの軸線に沿って交互に設けられると共に上記ケーシングの内壁に固 定されたステータ翼及び上記ロータの外周面に配設されたロータ翼とを備え、上 記ロータの回転によりステータ翼とロータ翼との間に分子流を誘発させて分子を 排気するターボ分子ポンプにおいて、上記ケーシングの内壁とロータ翼の先端面 との隙間を、最上位のロータ翼またはステータ翼側から最下位のロータ翼または ステータ翼側に向かって順に大きくなるように設けたことを特徴とする。
【0016】 請求項4に記載の考案は、ケーシングの内部に回転可能に配設されたロータと 、このロータの軸線に沿って交互に設けられると共に上記ケーシングの内壁に固 定されたステータ翼及び上記ロータの外周面に配設されたロータ翼とを備え、上 記ロータの回転によりステータ翼とロータ翼との間に分子流を誘発させて分子を 排気するターボ分子ポンプにおいて、上記ステータ翼とロータ翼との隙間を、最 上位のロータ翼またはステータ翼側から最下位のロータ翼またはステータ翼側に 向かって順に大きくなるように設けたことを特徴とする。
【0017】
【作用】
請求項1に記載の考案によれば、半導体製造行程のプロセスガスとして反応性 ガスを排気する際において、段部の表面に生成物が堆積した場合でも、生成物を 介する段部の表面とステータ翼との接触を回避することができ、ロータのスムー ズな回転が得られる。
【0018】 請求項2及び請求項3に記載の考案によると、両考案とも生成物を介するケー シングの内壁側とロータ翼の先端面との接触を回避することができ、上記と同様 にロータのスムーズな回転が得られる。
【0019】 請求項4に記載の考案によれば、生成物を介するステータ翼とロータ翼との接 触を回避することができ、上記と同様にロータのスムーズな回転が得られる。
【0020】
【実施例】
以下、この考案に係るターボ分子ポンプの実施例について図1ないし図5を用 いて詳細に説明する。
【0021】 なお、図1に示すターボ分子ポンプの基本的な構成、例えばケーシング1の内 部にロータ2が回転可能に配設されており、ロータ2の外周面には環状の段部3 を有すること、段部3からロータ2の下部に至るまでの範囲にはロータ2の外周 面にねじ溝4が形成されている一方、段部3からロータ2の上部に至るまでの範 囲にはステータ翼5とロータ翼6とが交互に設けられており、ステータ翼5はス ペーサリング7を介してケーシング1の内壁に固定され、ロータ翼6はロータ2 の外周面に配設されていること、並びに、ロータ2が低速で回転すると、特にね じ溝4の部分で分子を吸入口1aから排気口1b側へ排気し、またロータ2の回 転数が次第に高くなり、ロータ2が高速で回転すると、ステータ翼5とロータ翼 6との間に分子流が誘発され、分子を吸入口1aから排気口1b側へ排気するこ と等は前述した従来の技術の内容と同様なため、同一部材には同一符号を付して おり、その詳細説明は省略する。
【0022】 同図に示すターボ分子ポンプにおいては、段部3の表面とこれに対向するステ ータ翼との隙間G1が、その上方に位置するステータ翼5とロータ翼6との隙間 g3に比し大きく設けられていると共に、その隙間G1は分子の平均自由行程と 反応性生成物の堆積とを考慮し、ポンプの排気性能を損なわずかつ生成物を介し 段部3の表面とこれに対向するステータ翼5とが接触しない程度に大きく設定さ れている。
【0023】 つまり、上記隙間G1は、反応性生成物の堆積を何等考慮せず単に分子の平均 自由行程だけを考慮してポンプの排気性能を損なわないように設けた従来の狭い 隙間g1(図6参照)とは異なり、分子の平均自由行程のみならず反応性生成物 の堆積も考慮して、その従来の隙間g1より大きく設けられている。
【0024】 次に、上記の如く構成されたターボ分子ポンプの動作について図1を基に説明 する。
【0025】 なお、ターボ分子ポンプの基本動作、即ち運転開始の当初、ロータ2が低速で 回転すると、特にねじ溝4の部分で分子を吸入口1aから排気口1b側へ排気し 、またロータ2の回転数が次第に高くなり、ロータ2が高速で回転すると、ステ ータ翼5とロータ翼6との間に分子流が誘発され、分子を吸入口1aから排気口 1b側へ排気することは前述した従来の技術の内容と同様なため、その詳細説明 は省略する。
【0026】 このターボ分子ポンプによれば、半導体製造行程のプロセスガスとして反応性 ガスを排気する際において、生成物が最も堆積し易い場所、つまり単体のステー タ翼5やロータ翼6に比し表面積が大きく、かつステータ翼5やロータ翼6より 温度の低い排気口1b側に位置する段部3の表面に、生成物が堆積した場合でも 、段部3の表面とこれに対向するステータ翼5との隙間G1は従来に比し大きく 設けられているため、生成物を介する段部3の表面とステータ翼5との接触を回 避することができ、これによりロータ2のスムーズな回転が得られる。
【0027】 したがって、上記実施例のターボ分子ポンプによれば、段部の表面とこれに対 向するステータ翼との隙間をそれより上のステータ翼とロータ翼との隙間より大 きく設けたため、半導体製造行程のプロセスガスとして反応性ガスを排気する際 において、段部の表面に生成物が堆積した場合でも、生成物を介する段部の表面 とステータ翼との接触を回避することができ、ロータのスムーズな回転が得られ るので、生成物の堆積による弊害、特にロータの回転障害によるポンプ排気動作 の停止、並びに上記のような接触によるステータ翼等の破損を防止することがで きる。
【0028】 なお、この実施例ではねじ溝をロータの外周面に形成したが、これに限定され ることはなく、ねじ溝はケーシングの内壁に設けてもよく、このようにねじ溝を ケーシングの内壁に備えるターボ分子ポンプにあっても上記と同様な効果が得ら れる。
【0029】 図2はこの考案に係る第2の実施例を示すもので、同図に示すターボ分子ポン プの基本的な構成は上記実施例と同様なため、同一部材には同一符号を付し、そ の詳細説明は省略する。
【0030】 このターボ分子ポンプはケーシング1の内壁側に溝部13を有し、溝部13は 最上位のロータ翼6の先端面と対向するケーシング1の内壁、及びその他のロー タ翼6の先端面と対向するスペーサリング7の内周面にケーシング1の内壁に沿 って環状に形成されている。
【0031】 上記溝部13により拡大されたケーシング1の内壁側とロータ翼6の先端面と の隙間G2は、分子の平均自由行程と反応性生成物の堆積とを考慮し、ポンプの 排気性能を損なわずかつ生成物を介してケーシング1の内壁側とロータ翼6の先 端面とが接触しない程度に設定されている。
【0032】 つまり、上記隙間G2は、反応性生成物の堆積を何等考慮せず単に分子の平均 自由行程だけを考慮してポンプの排気性能を損なわないように設けた従来の狭い 隙間g2(図6参照)とは異なり、分子の平均自由行程と反応性生成物の堆積と を考慮し、その従来の隙間g2より大きく設けられている。
【0033】 上記の如く構成されたターボ分子ポンプにあっては、隙間G2が従来の隙間g 2より大きく設けられているため、特に生成物を介するケーシング1の内壁側と ロータ翼6の先端面との接触を回避することができ、これによりロータ2のスム ーズな回転が得られる。
【0034】 図3はこの考案に係る第3の実施例を示すもので、同図に示すターボ分子ポン プの基本的な構成は上記実施例と同様なため、同一部材には同一符号を付し、そ の詳細説明は省略する。
【0035】 このターボ分子ポンプはケーシング1の内壁側にテーパ14を有し、テーパ1 4は最上位のロータ翼6の先端と対向するケーシング1の内壁、及びスペーサリ ング7の内周面にそれぞれ形成されていると共に、最上位のステータ翼5または ロータ翼6側から最下位のステータ翼5またはロータ翼6側に向かって連続的に 拡がるように構成されており、このテーパ14により、ケーシング1の内壁とロ ータ翼6の先端面との隙間G2は最上位のステータ翼5またはロータ翼6側から 最下位のステータ翼5またはロータ翼6側に向かって順に大きくなるように設け られている。
【0036】 このような隙間G2は、分子の平均自由行程と反応性生成物の堆積とを考慮し 、ポンプの排気性能を損なわずかつ生成物を介してケーシング1の内壁側とロー タ翼6の先端面とが接触しない程度に設定されている。
【0037】 つまり、上記隙間G2は、反応性生成物の堆積を何等考慮せず単に分子の平均 自由行程だけを考慮してポンプの排気性能を損なわないように設けた従来の狭い 隙間g3(図6参照)とは異なり、分子の平均自由行程と反応性生成物の堆積と を考慮し、ポンプの排気性能を損なわずかつ生成物を介してケーシング1の内壁 側とロータ翼6の先端面とが接触しない程度に従来の隙間g2より大きく設定さ れている。
【0038】 このように、隙間G2を最上位のステータ翼5またはロータ翼6側から最下位 のステータ翼5またはロータ翼6側に向かって順に大きくなるように設けたのは 吸入口1a側より温度の低い排気口1b側の方が生成物が堆積し易いこと等を考 慮したためである。
【0039】 上記の如く構成されたターボ分子ポンプにあっては、隙間G2が従来の隙間g 2より大きく設けられているため、特に生成物を介するケーシング1の内壁側と ロータ翼6の先端面との接触を回避することができ、これによりロータ2のスム ーズな回転が得られる。
【0040】 なお、この実施例ではケーシング1の内壁側にテーパ14を設けたが、これに 限定されることはなく、そのテーパ14は図4に示すようにロータ翼6の先端面 側に形成してもよく、この場合においては、テーパ14は最上位のステータ翼5 またはロータ翼6側から最下位のステータ翼5またはロータ翼6側に向かって連 続的に狭くなるように構成し、これにより、ケーシング1の内壁とロータ翼6の 先端面との隙間G2が最上位のステータ翼5またはロータ翼6側から最下位のス テータ翼5またはロータ翼6側に向かって順に大きくなるように設けることも可 能である。
【0041】 したがって、上記第2及び第3の実施例のターボ分子ポンプにあっては、第2 の実施例ではケーシングの内壁側にロータ翼の先端面と対向する溝部を形成し、 また第3の実施例ではケーシングの内壁とロータ翼の先端面との隙間を最上位の ステータ翼またはロータ翼側から最下位のステータ翼またはロータ翼側に向かっ て順に大きくなるように設けたため、両実施例のターボ分子ポンプとも生成物を 介するケーシングの内壁側とロータ翼の先端面との接触を回避することができ、 ロータのスムーズな回転が得られるので、生成物の堆積による弊害、特にロータ の回転障害によるポンプ排気動作の停止、並びに上記のような接触によるロータ 翼等の破損を防止することができる。
【0042】 図5はこの考案に係る第4の実施例を示すもので、同図に示すターボ分子ポン プの基本的な構成は上記実施例と同様なため、同一部材には同一符号を付し、そ の詳細説明は省略する。
【0043】 同図に示すターボ分子ポンプにおいては、ステータ翼5とロータ翼6との隙間 G3が、最上位のステータ翼5またはロータ翼6側から最下位のステータ翼5ま たはロータ翼6側に向かって順に大きくなるように設けられていると共に、その 隙間G3は分子の平均自由行程と反応性生成物の堆積とを考慮し、ポンプの排気 性能を損なわずかつ生成物を介してステータ翼5とロータ翼6とが接触しない程 度に大きく設定されている。
【0044】 つまり、この隙間G3は、反応性生成物の堆積を何等考慮せず単に分子の平均 自由行程だけを考慮してポンプの排気性能を損なわないように設けた従来の狭い 隙間g3(図6参照)とは異なり、分子の平均自由行程と反応性生成物の堆積と を考慮して、その従来の隙間g3より大きく設けられている。
【0045】 このように、隙間G3を最上位のステータ翼5またはロータ翼6側から最下位 のステータ翼5またはロータ翼6側に向かって順に大きくなるように設けたのは 吸入口1a側より温度の低い排気口1b側の方が生成物が堆積し易いこと等を考 慮したためである。
【0046】 上記の如く構成されたターボ分子ポンプにあっては、隙間G3が従来の隙間g 3より大きく設定されているため、生成物を介するステータ翼5とロータ翼6と の接触を回避することができ、ロータ2のスムーズな回転が得られる。
【0047】 したがって、上記第4の実施例のターボ分子ポンプによれば、ステータ翼とロ ータ翼との隙間を最上位のステータ翼またはロータ翼側から最下位のステータ翼 またはロータ翼側に向かって順に大きくなるように設けたため、生成物を介する ステータ翼とロータ翼との接触を回避することができ、ロータのスムーズな回転 が得られるので、生成物の堆積による弊害、特にロータの回転障害によるポンプ 排気動作の停止、並びに上記のような接触によるステータ翼やロータ翼等の破損 を防止することができる。
【0048】
【考案の効果】
この考案に係るターボ分子ポンプにあっては、上記の如く段部の表面とこれに 対向するステータ翼との隙間をそれより上のステータ翼とロータ翼との隙間より 大きく設けたため、半導体製造行程のプロセスガスとして反応性ガスを排気する 際において、段部の表面に生成物が堆積した場合でも、生成物を介する段部の表 面とステータ翼との接触を回避することができ、ロータのスムーズな回転が得ら れるので、生成物の堆積による弊害、特にロータの回転障害によるポンプ排気動 作の停止を防止することができ、ターボ分子ポンプの信頼性が向上する。
【0049】 請求項2及び請求項3に記載の考案においては、請求項2に記載の考案ではケ ーシングの内壁側にロータ翼の先端面と対向する溝部を形成し、また、請求項3 に記載の考案ではケーシングの内壁とロータ翼の先端面との隙間を最上位のステ ータ翼またはロータ翼側から最下位のステータ翼またはロータ翼側に向かって順 に大きくなるように設けたため、両考案とも生成物を介するケーシングの内壁側 とロータ翼の先端面との接触を回避することができ、上記と同様にロータのスム ーズな回転が得られるので、生成物の堆積による弊害、特にロータの回転障害に よるポンプ排気動作の停止を防止することができ、ターボ分子ポンプの信頼性が 向上する。
【0050】 請求項4に記載の考案にあっては、ステータ翼とロータ翼との隙間を最上位の ステータ翼またはロータ翼側から最下位のステータ翼またはロータ翼側に向かっ て順に大きくなるように設けたため、生成物を介するステータ翼とロータ翼との 接触を回避することができ、上記と同様にロータのスムーズな回転が得られるの で、生成物の堆積による弊害、特にロータの回転障害によるポンプ排気動作の停 止を防止することができ、ターボ分子ポンプの信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示す断面図。
【図2】本考案の第2の実施例を示す断面図。
【図3】本考案の第3の実施例を示す断面図。
【図4】図3に示す第3の実施例の変形仕様例を示す断
面図。
【図5】本考案の第4の実施例を示す断面図。
【図6】従来のターボ分子ポンプの断面図。
【符号の説明】
2 ロータ 3 段部 4 ねじ溝 5 ステータ翼 6 ロータ翼 13 溝部

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングの内部に回転可能に配設され
    かつ外周面に段部を有するロータを具備し、上記段部か
    らロータの下部に至るまでの範囲にはロータの外周面あ
    るいはケーシングの内壁にねじ溝を備え、上記段部から
    ロータの上部に至るまでの範囲にはケーシングの内壁に
    固定されたステータ翼とロータの外周面に配設されたロ
    ータ翼とがロータの軸線に沿って交互に設けられ、かつ
    上記ロータの回転によりねじ溝の部分及びステータ翼と
    ロータ翼との間に分子流を誘発させて分子を排気するタ
    ーボ分子ポンプにおいて、 上記段部の表面とこれに対向するステータ翼との隙間
    を、それより上のステータ翼とロータ翼との隙間より大
    きく設けたことを特徴とするターボ分子ポンプ。
  2. 【請求項2】 ケーシングの内部に回転可能に配設され
    たロータと、このロータの軸線に沿って交互に設けられ
    ると共に上記ケーシングの内壁に固定されたステータ翼
    及び上記ロータの外周面に配設されたロータ翼とを備
    え、上記ロータの回転によりステータ翼とロータ翼との
    間に分子流を誘発させて分子を排気するターボ分子ポン
    プにおいて、 上記ケーシングの内壁側に、ロータ翼の先端面と対向す
    る溝部を形成したことを特徴とするターボ分子ポンプ。
  3. 【請求項3】 ケーシングの内部に回転可能に配設され
    たロータと、このロータの軸線に沿って交互に設けられ
    ると共に上記ケーシングの内壁に固定されたステータ翼
    及び上記ロータの外周面に配設されたロータ翼とを備
    え、上記ロータの回転によりステータ翼とロータ翼との
    間に分子流を誘発させて分子を排気するターボ分子ポン
    プにおいて、 上記ケーシングの内壁とロータ翼の先端面との隙間を、
    最上位のロータ翼またはステータ翼側から最下位のロー
    タ翼またはステータ翼側に向かって順に大きくなるよう
    に設けたことを特徴とするターボ分子ポンプ。
  4. 【請求項4】 ケーシングの内部に回転可能に配設され
    たロータと、このロータの軸線に沿って交互に設けられ
    ると共に上記ケーシングの内壁に固定されたステータ翼
    及び上記ロータの外周面に配設されたロータ翼とを備
    え、上記ロータの回転によりステータ翼とロータ翼との
    間に分子流を誘発させて分子を排気するターボ分子ポン
    プにおいて、 上記ステータ翼とロータ翼との隙間を、最上位のロータ
    翼またはステータ翼側から最下位のロータ翼またはステ
    ータ翼側に向かって順に大きくなるように設けたことを
    特徴とするターボ分子ポンプ。
JP3770593U 1993-07-09 1993-07-09 ターボ分子ポンプ Withdrawn JPH0710493U (ja)

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JP3770593U JPH0710493U (ja) 1993-07-09 1993-07-09 ターボ分子ポンプ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0248066U (ja) * 1988-09-22 1990-04-03
JP2022161786A (ja) * 2021-04-08 2022-10-21 日揚科技股▲分▼有限公司 長期間運転可能なローター

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