JPH07104129A - 光学素子およびフィルム - Google Patents

光学素子およびフィルム

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JPH07104129A
JPH07104129A JP5277271A JP27727193A JPH07104129A JP H07104129 A JPH07104129 A JP H07104129A JP 5277271 A JP5277271 A JP 5277271A JP 27727193 A JP27727193 A JP 27727193A JP H07104129 A JPH07104129 A JP H07104129A
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JP
Japan
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liquid crystal
polyester film
group
polyester
acid
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Application number
JP5277271A
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English (en)
Inventor
Akira Takagi
彰 高木
Koichi Iwamoto
孝一 岩本
Yasuo Matsumura
泰男 松村
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性の高く高温下において使用可能な液晶
表示素子用補償板、波長板、偏光子または旋光子などの
光学素子を提供する。 【構成】 下記繰返構成単位を10〜90モル%含み、
フェノール/テトラクロロエタン=60/40(重量
比)(30℃)中での0.5g/dlにおける対数粘度
ηinhが0.05〜0.5のサーモトロピック液晶ポ
リエステルフィルムからなる光学素子。 (式中nは1〜4の整数を示し、n個のRは同一または
異なる置換基であり、それぞれC1〜C12のアルキル
基、アラルキル基、アルコキシ基、アリール基もしくは
アリールオキシ基またはハロゲン原子を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば、液晶表示素
子用色補償板、液晶表示素子用視野角補償板、光学的位
相差板、1/2波長板、1/4波長板、旋光性光学素子
などの光学素子およびそれに用いられるフィルムに関す
る。さらに詳しくは、置換ヒドロキシ安息香酸を構成単
位として含み、液晶転移温度以下の温度において、実質
的に結晶相を示さない非晶性サーモトロピック液晶芳香
族ポリエステルフィルムおよび同フィルムからなる光学
素子に関する。
【0002】
【従来の技術】サーモトロピック液晶ポリマーを光学素
子として使用する例は、たとえば特開平3−87720
号公報および特開平4−22917号公報などで知られ
ている。
【0003】ここで、サーモトロピック液晶ポリマーを
光学素子として用いる為にはその液晶転移温度以下にお
いて実質的に完全なガラス状態(非晶状態)を形成しな
ければならず、また液晶表示素子用補償板、波長板、偏
光子、あるいは旋光子などの光学素子としての機能を発
現させるためには、ポリマーを配向処理することが必須
である。
【0004】前記二つの公報記載のサーモトロピック液
晶ポリエステルは、液晶転移温度以下において実質的に
完全なガラス状態(非晶状態)を形成するものではある
が、しかしガラス転移温度が100℃前後と低く耐熱性
が不足するものである。すなわち高温環境下において配
向が崩れる可能性があるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、結晶転移温
度以下において実質的に完全なガラス状態(非晶状態)
を形成し、なおかつ耐熱性の良い、すなわち、高いガラ
ス転移温度を有するサーモトロピック液晶芳香族ポリエ
ステルフィルムおよび該ポリエステルフィルムからなる
光学素子を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、下記繰返構成単位を有す
るポリエステルが光学素子用途において優れた配向性、
非晶性を有し、且つ高いガラス転移温度を有することを
見いだし、本発明を成すに至った。
【0007】すなわち、本発明の第1は、下記式(I)
で表される繰返構成単位を10〜90モル%含み、フェ
ノール/テトラクロロエタン=60/40(重量比)
(30℃)中での0.5g/dlにおける対数粘度ηi
nhが0.05〜0.5のサーモトロピック液晶ポリエ
ステルフィルムからなる光学素子に関する。式(I)
【0008】
【化3】
【0009】(式中nは1〜4の整数を示し、n個のR
は同一または異なる置換基であり、C1〜C12のアル
キル基、アラルキル基、アルコキシ基、アリール基もし
くはアリールオキシ基またはハロゲン原子を示す。)
【0010】本発明の第2は、上記ポリエステルフィル
ムが、液晶転移温度以下において配向が固定化されたポ
リエステルフィルムである光学素子に関する。
【0011】本発明の第3は、上記式(I)で表される
繰返構成単位を10〜90モル%含み、フェノール/テ
トラクロロエタン=60/40(重量比)(30℃)
中、0.5g/dlにおける対数粘度ηinhが0.0
5〜0.5のサーモトロピック液晶ポリエステルフィル
ムに関する。
【0012】本発明の第4は、上記ポリエステルフィル
ムが、液晶転移温度以下において配向が固定化されたポ
リエステルフィルムであるサーモトロピック液晶ポリエ
ステルフィルムに関する。
【0013】以下に本発明をさらに説明する。
【0014】本発明のポリエステルは、置換ヒドロキシ
安息香酸から誘導される式(I)で表される繰返構成単
位を含むものである。
【0015】ここで、上記式においては、ベンゼン環は
1〜4個の同一または異なる置換基で置換されている。
この置換基は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプ
ロピル、n−ブチル、イソブチル、ターシャルブチルな
どのC1〜C12のアルキル基;ベンジル、α−メチル
ベンジル、α,α−ジメチルベンジル(クミル)等のC
7〜C12のアラルキル基;メトキシ、エトキシ、n−
プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n−ブトキシ、
イソブトキシ等のC1〜C12のアルコキシ基;フェニ
ル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のC6〜C12の
アリール基;フェノキシ、トリルオキシ、ナフトキシ、
ビフェニルオキシ等のC6〜C12のアリールオキシ
基;弗素、塩素、臭素、ヨウ素のハロゲン原子から選択
される。
【0016】上記繰返構成単位は置換ヒドロキシ安息香
酸、またはその誘導体、たとえばその塩化物、アシル化
物などのエステル形成性モノマーを重合に供することに
より、ポリエステル中に導入することができる。重合に
供される具体的な置換ヒドロキシ安息香酸、またはその
誘導体としては、3−t−ブチル−p−アセトキシ安息
香酸、3−フェニル−p−アセトキシ安息香酸、3−
(α,α−ジメチルベンジル)−4−アセトキシ安息香
酸(3−クミル−4−アセトキシ安息香酸)、3,5−
ジメトキシ−p−アセトキシ安息香酸、3−クロロ−p
−アセトキシ安息香酸などがある。これらは、単独でま
たは混合して重合に供することもできる。
【0017】本発明のポリエステルは上記置換ヒドロキ
シ安息香酸から誘導される式(I)で表される繰返構成
単位のポリエステル中における含有量が、10〜90モ
ル%の範囲を有するものとして規定される。しかしなが
ら他の共重合成分の導入による結晶化阻害の効果を考慮
すればその含有量は好ましくは30〜70モル%であ
る。前記式(I)の繰返構成単位の含有量が90モル%
を超えると置換ヒドロキシ安息香酸の単独重合体の生成
割合が多くなり、得られるポリエステルは結晶相を有す
ることとなり好ましくない。また、一方前記式(I)の
繰返構成単位の含有量が10モル%より少ない場合に
は、得られるポリエステル中の他の共重合成分による結
晶相の発生が見られるかまたは得られるポリエステルの
ガラス転移温度が低下するなどのため好ましくない。
【0018】本発明ではポリエステルを構成する成分と
して、上記置換ヒドロキシ安息香酸以外の芳香族ジカル
ボン酸、芳香族ジオールおよび芳香族ヒドロキシカルボ
ン酸などから誘導される構成成分を有する。これらの他
の構成成分としてのコモノマーは、得られるポリエステ
ルの液晶性および非晶性などの特性を損なわない範囲に
おいてその種類および量を選択する。
【0019】このような芳香族ジカルボン酸の具体例と
しては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカ
ルボン酸類、ビフェニルジカルボン酸類、ジフェニルエ
ーテルジカルボン酸類、ジフェニルプロパンジカルボン
酸類、メチルテレフタル酸、クロロテレフタル酸、ブロ
モテレフタル酸、テトラクロロテレフタル酸、テトラブ
ロモテレフタル酸、ニトロテレフタル酸、ピリジンジカ
ルボン酸およびこれらの混合物等が例示される。
【0020】芳香族ジオールとしては、ハイドロキノ
ン、レゾルシン、カテコール、ビフェノール類、ビスフ
ェノール−A、ナフタレンジオール類、メチルハイドロ
キノン、トリメチルハイドロキノン、ターシャルブチル
ハイドロキノン、ジ−ターシャルブチルハイドロキノ
ン、フェニルハイドロキノン、ベンジルハイドロキノ
ン、ジメチルベンジルハイドロキノン、クロロハイドロ
キノン、ブロモハイドロキノンおよびこれらの混合物等
が例示される。
【0021】また芳香族ヒドロキシカルボン酸として
は、前記置換ヒドロキシ安息香酸以外の芳香族ヒドロキ
シカルボン酸であって、たとえばヒドロキシ安息香酸、
ヒドロキシナフトエ酸、ヒドロキシビフェニルカルボン
酸およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0022】本発明においては、芳香族ジカルボン酸と
芳香族ジオールとを前記置換ヒドロキシ安息香酸以外の
コモノマー成分として共重合させたものが好ましい。
【0023】かかる芳香族ジカルボン酸から誘導される
繰返構成単位としては、下記式(II)で表される単位
が例示される。下記式において置換基Rは水素原子、
フェニル基などのアリール基または臭素もしくは塩素な
どのハロゲン原子を表す。式(II)
【0024】
【化4】
【0025】また上記芳香族ジオールから誘導される繰
返構成単位としては、下記式(III)で表される単位
が例示される。下記式においてnは0または1の整数、
は、水素原子、メチル、ブチルなどの低級アルキル
基、フェニルなどのアリール基、臭素、塩素などのハロ
ゲン原子などを表す。式(III)
【0026】
【化5】
【0027】具体的な当該コモノマーとしては、得られ
るポリエステルに対する結晶阻害効果、有機溶剤に対す
る溶解性、モノマー自身の反応性、耐熱性、更にモノマ
ーとしての入手の容易性などを考慮して、好ましいその
具体例を挙げると、芳香族ジカルボン酸としてはテレフ
タル酸、2−フェニルテレフタル酸、2−ブロモテレフ
タル酸、2−クロロテレフタル酸などのテレフタル酸ま
たは置換テレフタル酸から誘導される芳香族ジカルボン
酸繰返構成単位が、また芳香族ジオールとしては4,
4’−ビフェノール、2−メチルハイドロキノン、2−
ターシャルブチルハイドロキノン、2−フェニルハイド
ロキノン、2−クロロハイドロキノンなどのビフェノー
ル、ハイドロキノンまたはこれらの置換体から誘導され
る芳香族ジオール繰返構成単位が例示される。芳香族ジ
カルボン酸と芳香族ジオールを用いる場合には、用いる
モノマーの反応系外への昇華、留出を考慮しその使用量
を適宜変化させることが出来るが、その反応系に供給す
るモル比はほぼ一対一である。
【0028】さらに本発明のポリエステルの重合方法は
特に限定されることなく、公知の如何なる手法も用いる
ことができる。例えば、置換ヒドロキシ安息香酸の対応
するヒドロキシ基をアセチル化した後に高温下、常圧、
或いは減圧下に脱酢酸により重合する方法、対応するカ
ルボン酸基をエステル化した後に高温下、常圧、或いは
減圧下に脱アルコールにより重合する方法、さらには対
応するカルボン酸基を酸ハロゲン化物とした後に酸受容
体存在下に溶液重合する手法等が用いることが出来る。
これら重合に際しては公知の触媒を用いることもでき
る。
【0029】また、本発明のポリエステルは、その対数
粘度ηinhが、フェノール/テトラクロロエタン=6
0/40(重量比)を測定溶媒に用い、濃度0.5g/
dl、30℃における測定値が0.05〜0.5でなけ
ればならない。該対数粘度が0.05未満であると均一
な液晶相を示さない、または多量のモノマー残渣が残り
好ましくない。また、対数粘度が0.5を超えると液晶
相の完全な配向処理が困難であり、光学素子用ポリエス
テルとしては好ましくない。液晶相の安定性、配向特性
等を考慮すると更に好ましい対数粘度は0.1〜0.3
である。
【0030】なお重合操作時における対数粘度を調製す
る方法としては、反応温度や反応時間の調整、モノマー
のモルバランス調整、あるいは一官能性の重合度調整剤
の添加等により調整する方法が挙げられ、これらの方法
を単独で行うまたは併用して行うことにより対数粘度を
調整することができる。
【0031】更に、本発明のポリエステルを光学材とし
て用いる際には、他のサーモトロピック液晶性ポリエス
テル、光学活性化合物、有機色素、安定剤、酸化防止剤
等の添加剤を適宜に加えることができる。
【0032】重合後得られたポリエステルは、パラクロ
ロフェノール/テトラクロロエタン混合溶媒などの適宜
の溶剤に溶解させて、これを配向基板上に塗布乾燥し、
フィルム形状に成形する。塗布の方法としては、スピン
コート法、ロールコート法、プリント法、浸漬引上げ法
などが例示される。光学素子としてのフィルム厚みとし
ては特に制限はないが、余り厚いと均一性が損なわれる
ために好ましくなく、この点から通常は1000μm以
下、さらに好ましくは500μm以下である。液晶表示
素子用色補償板などの光学素子用として使用する場合に
は、適宜に光学活性化合物を配合してなる組成物として
フィルムを形成される。かかる場合には、たとえば光学
的用途にもよるが通常は0.1〜50重量%、好ましく
は0.1〜30重量%の光学活性化合物を配合する。配
合する光学活性化合物としては、本発明のポリエステル
に相溶性がよい化合物であって、たとえば、光学活性な
基を有する液晶性のポリアクリレート、ポリメタクリレ
ート、ポリシロキサン、ポリエステル、ポリアミド、ポ
リエステルアミド、ポリカーボネート、ポリペプチド、
またはセルロースなどを例示することができる。相溶性
の点からは、芳香族主体の光学活性なポリエステルが好
ましい。
【0033】ポリイミド層を有するガラス基板などの配
向性基板は、適宜の方法たとえば公知のラビング法によ
りそのポリエステルフィルムと接する面、たとえばポリ
イミド層に配向処理が施されており、該配向性基板上に
形成されたポリエステルフィルムを、ガラス転移温度以
上に加熱して冷却すれば、該ポリエステルフィルムは配
向し次いでその配向は液晶転移温度以下において固定化
される。固定化されたポリエステルフィルムは適宜に透
光性基板に転写することもできる。
【0034】配向、固定化後は、光学用途に応じて適宜
に偏光板と組み合わせてまたは組合せることなくそのま
ま光学素子として使用される。たとえば、具体的には液
晶表示素子用色補償板、液晶表示素子用視野角補償板、
光学的位相差板、1/2波長板、1/4波長板、旋光性
光学素子などの光学素子として使用される。本発明のポ
リエステルは、ガラス転移温度が高いので、配向、固定
化後、かなりの高温下に曝されても配向が崩れることが
少ない。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に記
述する。なお、以下の実施例における測定などは次の方
法により行った。
【0036】1)ガラス転移温度の測定 マックサイエンス社製DSC−3110を用い昇温速度
20℃/分、冷却速度10℃/分の速度により同一試料
を2回測定し、2回目の測定値をガラス転移温度とし
た。
【0037】2)対数粘度ηinhの測定 離合社製自動粘度測定装置およびウベローデ型粘度管に
より、溶媒にフェノール/テトラクロロエタン=60/
40(重量比)混合溶媒を用い、ポリマー濃度0.5g
/dl、測定温度30℃で測定した。なお、対数粘度η
inhは次式により求めた。 ηinh=ln(t/t)/0.5 t=溶媒の流下時間(秒) t =ポリマー溶液の流下時間(秒)
【0038】3)液晶相の有無、および結晶の有無の測
定 メトラー社製FP−82HT/FP−90ホットステー
ジおよびオリンパス社製偏光顕微鏡BH−2により、直
交ニコル下において偏光性を観察した。
【0039】4)フィルムの形成および配向性の確認 パラクロロフェノール/テトラクロロエタン=80/2
0(重量比)混合溶媒にポリエステルを溶解させて、1
5重量%濃度の溶液を調整する。
【0040】この溶液を、ラビング処理を施したポリイ
ミド層を有するガラス基板上(10cm×10cm、厚
さ1mm)にスピンコーターを用いて塗布した。
【0041】さらにこの基板を乾燥し溶媒を揮散し、厚
さ10μmのフィルムを形成させる。その後、該基板を
ポリエステルのガラス転移温度以上に加熱処理すること
によりポリエステルを配向させる。配向後、室温まで冷
却し、配向を固定化させた。この固定化フィルムについ
て、回転ステージ付きのオリンパス社製偏光顕微鏡BH
−2により、直交ニコル下に旋光性を観察する。
【0042】実施例1 3−(α,α−ジメチルベンジル)−4−アセトキシ安
息香酸(3−クミル−4−アセトキシ安息香酸) 50
mmol、ブロモテレフタル酸 25mmol、4,
4’−ジアセトキシビフェニル 26.3mmolを窒
素導入管、攪拌装置、蒸留装置を備えた100mLガラ
スフラスコに仕込み、系内を窒素置換した後、260℃
にて随時サンプリングをしながら重合を行い、最終的に
ηinh=0.29のポリエステルを得た。
【0043】このポリエステルをDSCで測定したとこ
ろ、ガラス転移温度116℃を示し、且つ結晶の融解に
伴う吸熱ピークおよび結晶化に伴う発熱ピークは観測さ
れなかった。
【0044】またこのポリエステルをホットステージ付
き偏光顕微鏡により250℃で観察したところ極めて均
一な液晶相(光学異方相)を示し、微結晶、もしくは等
方性液体の存在は認められなかった。
【0045】ついで得られたポリエステルに、下記に示
す光学活性エステル系化合物を0.6重量%混合し、前
記4)のフィルムの形成および配向性の確認に従い、フ
ィルムを調製し、配向を固定化させた。配向のための温
度処理は、220℃×30分であり、フィルム膜厚は
7.45μmであった。この固定化フィルムについて、
回転ステージ付きのオリンパス社製偏光顕微鏡BH−2
により、直交ニコル下に旋光性を観察すると、90度の
旋光性を示した。
【0046】
【化6】
【0047】実施例2〜9、および比較例1から4 モノマー仕込比、反応温度を表1の記載のとおりとした
ほかは、実施例1と同様にしてポリエステルの重合を行
った。また、同様にして光学活性ポリマーを混合してフ
ィルムを調製し、配向、固定化した後、その旋光性も測
定した。
【0048】結果は同じく表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明のサーモトロピック液晶性芳香族
ポリエステルはガラス転移温度以下の温度において、均
一な液晶相(光学異方相)を固定化可能であり、且つそ
のガラス転移温度が従来のポリマーよりも高く、それ故
固定化された配向が崩れることが少ないので高温下にお
いて使用可能な液晶表示素子用補償板、波長板、偏光子
または旋光子として使用することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記繰返構成単位を10〜90モル%含
    み、フェノール/テトラクロロエタン=60/40(重
    量比)(30℃)中での0.5g/dlにおける対数粘
    度ηinhが0.05〜0.5のサーモトロピック液晶
    ポリエステルフィルムからなる光学素子。 【化1】 (式中nは1〜4の整数を示し、n個のRは同一または
    異なる置換基であり、それぞれC1〜C12のアルキル
    基、アラルキル基、アルコキシ基、アリール基もしくは
    アリールオキシ基またはハロゲン原子を示す。)
  2. 【請求項2】 ポリエステルフィルムが、液晶転移温度
    以下において配向が固定化されたポリエステルフィルム
    である請求項1記載の光学素子。
  3. 【請求項3】 下記繰返構成単位を10〜90モル%含
    み、フェノール/テトラクロロエタン=60/40(重
    量比)(30℃)中での0.5g/dlにおける対数粘
    度ηinhが0.05〜0.5のサーモトロピック液晶
    ポリエステルフィルム。 【化2】 (式中nは1〜4の整数を示し、n個のRは同一または
    異なる置換基であり、C1〜C12のアルキル基、アラ
    ルキル基、アルコキシ基、アリール基もしくはアリール
    オキシ基またはハロゲンを示す。)
  4. 【請求項4】 液晶転移温度以下において、ガラス状態
    を形成する請求項3記載のサーモトロピック液晶ポリエ
    ステルフィルム。
  5. 【請求項5】 ポリエステルフィルムが、液晶転移温度
    以下において配向が固定化されたポリエステルフィルム
    である請求項3記載のサーモトロピック液晶ポリエステ
    ルフィルム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002114894A (ja) * 2000-07-31 2002-04-16 Sumitomo Chem Co Ltd 芳香族液晶ポリエステル溶液組成物およびフィルムの製造方法
JP2002359145A (ja) * 2001-05-31 2002-12-13 Sumitomo Chem Co Ltd コンデンサー用芳香族液晶ポリエステルフィルム

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