JP3248038B2 - 液晶性ポリエステル - Google Patents

液晶性ポリエステル

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JP3248038B2 JP35485493A JP35485493A JP3248038B2 JP 3248038 B2 JP3248038 B2 JP 3248038B2 JP 35485493 A JP35485493 A JP 35485493A JP 35485493 A JP35485493 A JP 35485493A JP 3248038 B2 JP3248038 B2 JP 3248038B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶配向のガラス固定化
が容易で複屈折の波長分散の大きい、光学素子への応用
に好適な液晶性ポリエステルに関する。
【0002】
【従来の技術】近年高分子液晶は、高い耐熱性、成形性
などを利用した高性能材料分野、および液晶相構造の熱
あるいは電場などの外部場による変化と相の固定化を利
用した機能性材料分野において活発に研究開発され、高
性能材料分野においてはすでに商品化されている。一方
機能性材料分野では、光記録、非線形光学材料、液晶配
向膜、光ファイバー、液晶表示素子用光学素子などへの
応用を目指して活発に研究されているが、いまだ商品化
されたものはない。高分子液晶を機能性材料に応用する
場合、液晶の相転移の動的な変化を利用する用途、およ
び液晶独特の分子配向を固定化して静的な素子として利
用する用途に大別できるが、いずれも液晶の光に対する
性質を用いるものが大部分である。後者の液晶配向を固
定化した光学素子へ応用できる高分子液晶の重要な要件
として、液晶配向の固定化が容易でかつ固定化後の液晶
配向が安定であること、および光に対する性質、すなわ
ち屈折率、複屈折、複屈折の波長分散などを自由に制御
できることが挙げられる。特に最近ディスプレイ分野で
要望の強い、複屈折の波長分散の大きい光学素子を高分
子液晶で製造できれば、固定化された液晶配向構造のも
つ独自の偏光に対する性質と合わせて、画期的な光学素
子を製造できる。しかしながらこのような光学素子の材
料となりうる、複屈折の波長分散が大きくて、かつ液晶
配向を安定して固定化できるような高分子液晶が開発さ
れた例はなく、研究例もほとんどないのが現状であっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは配向固定
化が容易でかつ工業的にみて安価で容易に製造できる高
分子液晶として、液晶転移点以下の温度においてガラス
相を有する液晶性ポリエステルに着目し、さらに要求さ
れる大きな複屈折の波長分散を実現できる独自の構造を
探し求めた結果、構成単位としてカテコール単位および
4−ヒドロキシ桂皮酸単位を分子中に含むポリエステル
がこれらの要請を満足することを見いだし、遂に本発明
に到達した。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は下記一
般式で示される構造単位より成る液晶性ポリエステルに
関する。
【0005】
【化2】
【0006】(式中XおよびYは水素原子、Cl、Br
もしくは炭素数1〜4のアルキル基を示し、モル比で表
した組成がA/(C+D)が45/55から55/45
の範囲にあり、A/Bが49/1から20/30の範囲
にあり、C/Dが10/40から45/5の範囲にあ
る)。
【0007】本発明のポリマーは、前記一般式で表され
るテレフタル酸単位、4−ヒドロキシ桂皮酸単位、ヒド
ロキノンまたは置換ヒドロキノン単位およびカテコール
または置換カテコール単位より成る。芳香族より成る液
晶性ポリエステルは数多く知られているが、同一ポリマ
ー中に4−ヒドロキシ桂皮酸単位およびカテコール単位
を含むようなポリマーはまったく知られていない。一般
に良好な液晶性を発現さすためには、剛直で直線性の高
い分子が好ましいが、カテコール単位は分子の直線性を
乱す方向に作用するため、ポリマーの融点を下げたりあ
るいは溶解性を向上さすためにあえて導入する例(例え
ばF.Navarro et al,J.Polym.
Sci.,Polym.Chem.Ed.,1992,
30,1789)が散見されるほかは、通常はあまり用
いられない。また4−ヒドロキシ桂皮酸はポリマーに光
反応性を付与するために導入した例(例えばW.R.K
rigbaum et al,J.Polym.Sc
i.,Polym.Phy.Ed.,1983,21,
1851)はみられるが、安定性の面から通常はほとん
ど用いられない。本発明者らは液晶配向の固定化が可能
でかつ複屈折の波長分散の大きい高分子液晶の合成を目
的として、通常は回避されるこれら両単位をあえて同一
分子中に積極的に導入した結果、これらのポリマーが液
晶性を損なうことなく、液晶転移点(すなわちガラス転
移点Tg)以下の温度でガラス相となり、液晶構造の固
定化ができること、および大きな複屈折の波長分散を有
することを見いだし本発明を完成した。
【0008】A単位は通常テレフタル酸またはテレフタ
ル酸ジメチルなどのポリエステル形成性機能誘導体より
誘導される単位であり、B単位は通常4−ヒドロキシ桂
皮酸または4−アセトキシ桂皮酸などのポリエステル形
成性機能誘導体より誘導される単位である。またC単位
は通常ヒドロキノンまたは置換ヒドロキノンあるいはそ
れらのジアセテートなどのポリエステル形成性機能誘導
体に基づく単位であり、Xは水素原子、Cl、Brある
いは炭素数1〜4のアルキル基である。アルキル基とし
てはメチル基、エチル基、i−プロピル基、ブチル基お
よびt−ブチル基などがあげられ、なかでもメチル基、
エチル基およびt−ブチル基が特に好ましい。D単位は
通常カテコールまたは置換カテコールあるいはそれらの
ジアセテートなどのポリエステル形成性機能誘導体に基
づく単位であり、Yは水素原子、Cl、Brあるいは炭
素数1〜4のアルキル基である。アルキル基としてはメ
チル基、エチル基、i−プロピル基、ブチル基およびt
−ブチル基などがあげられ、なかでもメチル基、エチル
基およびt−ブチル基が特に好ましい。もちろん、各構
成単位の配置はブロック、ランダムいずれでもよい。
【0009】これらの単位のポリマー中における組成は
モル比で表すと、A/(C+D)が45/55から55
/45の範囲にあり、好ましくは48/52から52/
48の範囲にあり、特に好ましくは50/50である。
またA/Bは49/1から20/30の範囲が好まし
く、特に48/2から25/25範囲が好ましい。この
値が20/30より小さいとき、すなわち4−ヒドロキ
シ桂皮酸の量が多すぎるときは液晶性の発現が阻害され
たり、ポリマーの安定性が低下するなど好ましくない影
響がでる。逆に49/1より大きいとき、すなわちテレ
フタル酸の量が多すぎる場合は複屈折の波長分散が小さ
くなり目的とする効果が得られない。
【0010】またC/Dの値は10/40から45/5
の範囲が好ましく、特に15/35から40/10の範
囲が好ましい。この値が10/40より小さい場合、す
なわちカテコール単位の量が多すぎる場合は、液晶性の
発現が阻害され好ましくなく、45/5より大きい場合
すなわちヒドロキノン単位の量が多すぎる場合は、ポリ
マーが結晶相をもつようになり液晶配向の固定化ができ
なくなり好ましくない。
【0011】ポリマーの分子量は、フェノール/テトラ
クロロエタン混合溶媒(60/40重量比)中、30℃
で測定したηinhの値で、0.05から3.0が好ま
しく、特に0.07から2.0の値が好ましい。ηin
hの値が0.05より小さい場合は、素子とした場合の
強度が弱くなることがあり好ましくなく、3.0より大
きくなると溶融粘度が高くなりすぎて液晶の配向性が低
下することがあり好ましくない。またこれらのポリマー
のTgは50℃以上が好ましく、とくに70℃以上が好
ましく、また上限は特に限定されないが通常300℃以
下が好ましい。Tgが50℃より低くなると液晶配向の
固定化が一度はできたとしても、高温での信頼性にかけ
るようになり、工業材料として安定に使用しがたくなる
場合がある。
【0012】本発明のポリマーの合成法は特に制限され
るものではなく、当該分野で公知の重合法、例えば溶融
重合法あるいは対応するジカルボン酸の酸クロライドを
用いる溶液重合法などで合成される。溶融重縮合法で合
成する場合、一例を示せばテレフタル酸(A成分)、
4−アセトキシ桂皮酸(B成分)、一般式(1)で表
されるヒドロキノンジアセテート類(Xは前述と同様、
成分)および一般式(2)で示されるカテコールジ
アセテート類(Yは前述と同様、D成分)を、高温、
減圧下または高真空下で重合させることによって製造で
きる。
【0013】
【化3】
【0014】前記ヒドロキノンジアセテート類として
は、ヒドロキノンジアセテート、メチルヒドロキノンジ
アセテート、エチルヒドロキノンジアセテート、t−ブ
チルヒドロキノンジアセテート、クロロヒドロキノンジ
アセテート、ブロモヒドロキノンジアセテートなどがあ
げられる。また前記カテコールジアセテート類として
は、カテコールジアセテート、メチルカテコールジアセ
テート、エチルカテコールジアセテート、プロピルカテ
コールジアセテート、t−ブチルカテコールジアセテー
ト、ブロモカテコールジアセテート、クロロカテコール
ジアセテートなどがあげられる。
【0015】分子量は重合時間のコントロールあるいは
仕込組成のコントロールによって容易に行える。その場
合の重合条件は特に限定されないが、通常温度150℃
から350℃、好ましくは200℃から〜300℃、反
応時間は30分以上、好ましくは1時間から20時間程
度であり、反応は常圧下または減圧下で行える。各原料
成分A〜Dの仕込組成(モル比)は、A/(C
+D)の値が通常40/60から60/40、好まし
くは45/55から55/45、さらに好ましくは48
/52から52/48、特に好ましくは50/50であ
る。
【0016】A/Bの値は49/1から20/30
の範囲が好ましく、特に48/2から25/25の範囲
が好ましく、またC/Dの値は10/40から45
/5の範囲が好ましく、特に15/35から40/10
の範囲が好ましい。重合反応を促進させるためには、従
来から公知の金属塩、例えば酢酸ナトリウム、酢酸亜鉛
など、あるいは有機アミン類などを使用することもでき
る。
【0017】溶液重合法により本発明の液晶性ポリエス
テルを製造する場合は、テレフタル酸ジハライド(A
成分)、4−ヒドロキシ桂皮酸クロライド、4−ヒドロ
キシ桂皮酸ブロマイドなどの4−ヒドロキシ桂皮酸ハラ
イド(B成分)、一般式(3)で表されるヒドロキノ
ン類(C成分)および一般式(4)で表されるカテコ
ール類(D成分)とを溶媒に溶解し、ピリジンなどの
酸受容体の存在下に加熱することにより、容易に目的の
ポリエステルを得ることができる。
【0018】
【化4】
【0019】テレフタル酸ジハライドとしては、テレフ
タル酸ジクロライド、テレフタル酸ジブロマイドなどが
あげられる。また前記ヒドロキノン類としてはヒドロキ
ノン、メチルヒドロキノン、エチルヒドロキノン、t−
ブチルヒドロキノン、クロロヒドロキノン、ブロモヒド
ロキノンなどがあげられ、前記カテコール類としては、
カテコール、メチルカテコール、エチルカテコール、プ
ロピルカテコール、t−ブチルカテコール、クロロカテ
コール、ブロモカテコールなどがあげられる。
【0020】用いる溶媒は特に限定されないが、たとえ
ばo−ジクロロベンゼン、ジクロロエタン、テトラクロ
ロエタンなどのハロゲン系溶媒、ジメチルスルホキサイ
ド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N
−メチルピロリドン(NMP)などの極性溶媒、テトラ
ハイドロフラン(THF)、ジオキサンなどのエーテル
系溶媒などがあげられる。また酸受容体としては、特に
限定されないが、たとえばピリジン、トリエチルアミ
ン、トリプロピリアミンなどがあげられる。
【0021】溶液重合の際の条件は特に限定されない
が、通常温度50℃から200℃、好ましくは60℃か
ら150℃、反応時間は通常1時間から10時間、好ま
しくは2時間から7時間である。各原料成分A〜D
の仕込組成(モル比)は、A/(C+D)の値
が、通常40/60から60/40、好ましくは45/
55から55/45、さらに好ましくは48/52から
52/48、特に好ましくは50/50である。A
の値は49/1から20/30の範囲が好ましく、
特に48/2から25/25の範囲が好ましく、またC
/Dの値は10/40から45/5の範囲が好まし
く、特に15/45から40/10の範囲が好ましい。
【0022】複屈折の波長分散値は、(5)式で示され
る光の波長が450nmの時の複屈折(Δn)と波長が
600nmの時の複屈折の比であるK値で示される。 K=Δn(450nm)/Δn(600nm) (5) 本発明の液晶性ポリエステルのK値は、主にポリマー中
に導入された4−ヒドロキシ桂皮酸単位の量によって支
配されるが、1.14以上、通常1.14〜1.35の
範囲にあり、4−ヒドロキシ桂皮酸単位の量が増すとK
値も増加する。したがって本発明のポリエステルは4−
ヒドロキシ桂皮酸単位の量を制御することによって、自
在にK値を制御できる。
【0023】
【実施例】以下に実施例をのべるが、本発明はこれらに
制限されるものではない。なお実施例で用いた各分析法
は以下の通りである。 (1)ポリマーの組成の決定 ポリマーを重水素化クロロホルムまたは重水素化トリフ
ルオロ酢酸に溶解し、400MHzのH−NMR(日
本電子製JNM−GX400)で測定し決定した。 (2)対数粘度の測定 ウベローデ型粘度計を用い、フェノール/テトラクロロ
エタン(60/40重量比)混合溶媒中、30℃で測定
した。 (3)DSCの測定 DuPont990 Thermal Analize
rを用いて測定した。 (4)光学顕微鏡観察 オリンパス光学(株)製BH2偏光顕微鏡を用いて観察
した。 (5)複屈折の波長分散の測定 ラビングしたポリイミド配向膜付きガラス上で熱処理し
たのち、冷却して配向固定化したフィルム試料の各波長
における複屈折の測定を、モノクロメータから出射する
各波長の単色光を用いてセナルモン法により行った。得
られたデータはコーシーの式でフィッティングして波長
分散を求めた。
【0024】実施例1 テレフタル酸100mmol、4−アセトキシ桂皮酸2
0mmol、ヒドロキノンジアセテート40mmolお
よびカテコールジアセテート60mmolを、300m
lの酢酸流出用冷却管付きフラスコ中で、窒素気流下に
270℃、8時間加熱攪拌しポリマーを合成した。得ら
れたポリマーをテトラクロロエタンに溶解して、大量の
メタノール中に投入することにより、ポリマーを精製し
た。得られたポリマーの構造単位組成およびηinhを
表1に示した。DSC測定、偏光顕微鏡観察より、Tg
は101℃でガラス相を有しており、それより高い温度
においてネマチック液晶相を示した。ポリマーを少量ス
ライドグラス上に取り、上にカバーグラスを乗せてホッ
トプレート上で220℃、10分加熱しずりを加えたの
ち、ホットプレートより降ろして冷却したサンプルは透
明であり、偏光顕微鏡観察よりネマチック液晶相が完全
に固定化されていた。またこのポリマーのK値は1.1
9と大きな値を示し、本実施例のポリマーが大きな複屈
折の波長分散を有していることが分かった。
【0025】比較例1 テレフタル酸100mmol、ヒドロキノンジアセテー
ト40mmolおよびカテコールジアセテート60mm
olを、実施例1と同様にして300mlの酢酸流出冷
却管付きフラスコ中で、窒素気流下に270℃、8時間
加熱攪拌しポリマーを合成した。得られたポリマーをテ
トラクロロエタンに溶解して、大量のメタノール中に投
入することにより、ポリマーを精製した。得られたポリ
マーの構造単位の組成およびηinhを表1に示した。
DSC測定、偏光顕微鏡観察より、Tgは104℃でガ
ラス相を有しており、それより高い温度においてネマチ
ック液晶相を示した。ポリマーを少量スライドグラス上
に取り、上にカバーグラスを乗せてホットプレート上で
220℃、10分加熱したのちずりを加え、ホットプレ
ートより降ろして冷却したサンプルは透明であり、偏光
顕微鏡観察よりネマチック液晶相が完全に固定化されて
いた。しかしながらこのポリマーのK値は1.13であ
り、実施例1のポリマーに比べて複屈折の波長分散は小
さかった。
【0026】実施例2 テレフタル酸ジクロライド100mmol、4−ヒドロ
キシ桂皮酸クロライド50mmol、メチルヒドロキノ
ン40mmolおよびカテコール60mmolを、50
0mlのo−ジクロロベンゼン中に溶解し、酸受容体と
してピリジン50mlを加えて70℃で4時間窒素気流
下で加熱攪拌してポリマーを合成した。反応溶液を大量
のメタノール中に投入し、析出したポリマーを回収し
た。得られたポリマーの構造単位組成およびηinhを
表1に示した。DSC測定、偏光顕微鏡観察より、Tg
は94℃でガラス相を有しており、それより高い温度に
おいてネマチック液晶相を示した。ポリマーを少量スラ
イドグラス上に取り、上にカバーグラスを乗せてホット
プレート上で190℃、15分加熱したのちずりを加
え、ホットプレートより降ろして冷却したサンプルは透
明であり、偏光顕微鏡観察よりネマチック液晶相が完全
に固定化されていた。またこのポリマーのK値は1.2
1と大きな値を示し、本実施例のポリマーが大きな複屈
折の波長分散を有していることが分かった。
【0027】実施例3〜8 実施例1に準じて実施例3,4および6のポリマーを、
また実施例2に準じて実施例5,7および8のポリマー
を合成した。得られたポリマーの性質を表1に示した
が、いずれもTg以上でネマチック液晶相を有し、また
結晶相は持たなかった。実施例1と同様の方法で熱処理
して配向させたのち液晶状態からTg以下の温度に冷却
することによって、液晶時のネマチック配向状態が固定
化された透明性の高いフィルムが得られた。またこれら
のポリマーのK値は1.17から1.23と高い値を示
し、これらのポリマーの複屈折の波長分散は非常に大き
いことが分かった。
【0028】比較例2 テレフタル酸100mmol、4−アセトキシ桂皮酸3
0mmol、およびヒドロキノンジアセテート100m
molを用いて、実施例1と同様にして表1に示したポ
リマーを合成した。このポリマーはDSC測定、偏光顕
微鏡観察より液晶状態ではネマチック相を示したが、液
晶転移点より下の温度ではガラス相をもたず明確な結晶
相を示した。ポリマーを少量スライドグラス上に取り、
上にカバーグラスを乗せてホットプレート上で220
℃、10分加熱したのち、ホットプレートより降ろして
冷却したサンプルは結晶化により白濁しており、ネマチ
ック液晶相の固定化はできなかった。また得られたフィ
ルムの白濁がひどいためK値の測定はできなかった。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明の液晶性ポリエステルは大きな複
屈折の波長分散特性を示し、また液晶転移点より低い温
度において結晶相を有さず直接ガラス相を有するため
に、液晶状態を示す温度から液晶転移点(ガラス転移
点)以下の温度に冷却することで、液晶状態での配向構
造を固定化することができる。こうして得られた透明で
液晶配向構造を保持した材料は、各種機能材料特に光学
素子に好適に使用でき工業的に極めて価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で得られたポリマーのH−
NMRスペクトルを示す。
【図2】本発明の実施例2で得られたポリマーのH−
NMRスペクトルを示す。
【図3】本発明の実施例4で得られたポリマーのH−
NMRスペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−68884(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式で示される構造単位より成る
    液晶性ポリエステル 【化1】 (式中XおよびYは水素原子、Cl、Brもしくは炭素
    数1〜4のアルキル基を示し、モル比で表した組成がA
    /(C+D)が45/55から55/45の範囲にあ
    り、A/Bが49/1から20/30の範囲にあり、C
    /Dが10/40から45/5の範囲にある)。
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