JPH07103A - 適量の炭酸及び低濃度のエタノールを含有する発酵乳 の製造法 - Google Patents

適量の炭酸及び低濃度のエタノールを含有する発酵乳 の製造法

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JPH07103A
JPH07103A JP16743193A JP16743193A JPH07103A JP H07103 A JPH07103 A JP H07103A JP 16743193 A JP16743193 A JP 16743193A JP 16743193 A JP16743193 A JP 16743193A JP H07103 A JPH07103 A JP H07103A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 適量の炭酸ガス及び低濃度のエタノールを含
有し、保存性及び風味の優れた発酵乳の製造法を提供す
る。 【構成】 発酵乳の製造において、原料に0.25〜
2.5%(重量)のグルコース及び/又はフラクトース
を添加し、乳酸菌及びスクロース非資化性ザイモモナス
・モビリス(Zymomonas mobilis) に属する微生物によ
り、該原料を同時に発酵するか、又は乳酸菌により該原
料を発酵し、次いでスクロース非資化性ザイモモナス・
モビリス(Zymomonas mobilis) に属する微生物により発
酵することを特徴とする適量の炭酸及び低濃度のエタノ
ールを含有する発酵乳の製造法。 【効果】 冷蔵で少なくとも14日間良好な風味を保持
し得る適量の炭酸ガス及び低濃度のエタノールを含有
し、風味の優れた発酵乳が得られ、発酵に使用した微生
物を殺菌又は除菌する必要がないので、製造が簡単であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、適量の炭酸ガス及び低
濃度のエタノールを含有し、保存性に優れ、かつ風味の
優れた発酵乳の製造法に関する。詳しくは、本発明は、
発酵乳の製造において、原料に0.25〜2.5%(重
量)のグルコース及び/又はフラクトースを添加し、乳
酸菌及びスクロース非資化性ザイモモナス・モビリス(Z
ymomonas mobilis) に属する微生物により、該原料を同
時に発酵するか、又は乳酸菌により該原料を発酵し、次
いでスクロース非資化性ザイモモナス・モビリス(Zymom
onas mobilis) に属する微生物により発酵することを特
徴とする適量の炭酸及び低濃度のエタノールを含有する
発酵乳の製造法、である。
【0002】本明細書において百分率は、特に断りのな
い限り重量による値であり、低濃度のエタノールを含有
する発酵乳は、製品中1%未満の濃度でエタノールを含
有する発酵乳である。
【0003】
【従来の技術】炭酸ガスとエタノールを含有する発酵乳
としては、ケフィアが広く知られている。ケフィアは、
乳酸菌による乳酸発酵及び酵母によるエタノール発酵を
同時に行って製造される発酵乳製品であり、東欧諸国及
び旧ソ連邦では広範に愛好されている伝統的な乳製品で
ある。
【0004】本邦においても、炭酸ガス及びエタノール
を含有するケフィア様の発酵乳の商品化が試みられてい
るが、エタノール産生にいずれも酵母を用いているの
で、酵母がそのまま製品中に生残し、次のような問題を
生じている。即ち、乳酸発酵は、pHの低下に伴い事実
上停止するが、酵母によるエタノール発酵は、冷蔵によ
る製品の保存中も、乳糖及びその他の糖類が糖源となり
徐々にながら進行し、温度条件さえ整えば急激に発酵が
進行する。従って、従来のケフィア様製品は、流通段階
でこの2次的なエタノール発酵を惹起し易く、エタノー
ル及び炭酸ガスの2次的、かつ予想以上の生成により著
しい風味の変化が生じるのみならず、炭酸ガスの発生に
ともなう容器内圧力の上昇による容器の膨脹又は容器か
らの液漏れを生じることが多く、しかも発酵乳が分離し
て著しく商品価値が損なわれる欠点があった。
【0005】これらの対策として、発酵終了後に酵母を
除去する試みがなされ、例えば、原料を酵母により1次
発酵させ、のち殺菌又は除菌を行い、2次発酵として乳
酸発酵を行って発酵乳を製造する方法(特開昭63−1
46748号公報。以下従来技術1と記載することがあ
る)が知られている。
【0006】更に、酵母の代わりにエタノールを産生
し、スクロースを資化するザイモモナス・モビリス(Zym
omonas mobilis) を使用する方法(日本酪農・食品科学
の研究、第33巻、第5号、第A−147ページ、19
84年。以下従来技術2と記載することがある)が開示
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術1の方法
では、製造工程が複雑になり、かつ酵母を用いることに
よる独特の発酵臭が生じるという不都合があり、従来技
術2の方法において発酵に使用する微生物は、発酵乳の
甘味量として添加されるスクロースを資化するので、前
記従来法と同様に製品の保存中に発酵が進行し、商品価
値が著しく低下するという問題があった。
【0008】本発明者らは、これらの不都合を改善し、
適量の炭酸ガス及び低濃度のエタノールを含有する発酵
乳製品の製造について鋭意研究を行った結果、炭酸ガス
及びエタノールを産生する微生物としてスクロース非資
化性のザイモモナス・モビリスに属する微生物を使用
し、特定量のグルコース、フラクトースを添加した原料
を発酵させることにより簡単な製造工程で、品質及び保
存性に優れた製品が得られることを見出し、本発明を完
成した。
【0009】本発明の目的は、適量の炭酸ガス及び低濃
度のエタノールを含有し、保存性及び風味の優れた発酵
乳の製造法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明は、発酵乳の製造において、原料に0.25〜2.5
%(重量)のグルコース及び/又はフラクトースを添加
し、乳酸菌及びスクロース非資化性ザイモモナス・モビ
リス(Zymomonas mobilis) に属する微生物により、該原
料を同時に発酵するか、又は乳酸菌により該原料を発酵
し、次いでスクロース非資化性ザイモモナス・モビリス
(Zymomonas mobilis) に属する微生物により発酵するこ
とを特徴とする適量の炭酸及び低濃度のエタノールを含
有する発酵乳の製造法、である。
【0011】更に、本発明は、スクロース非資化性ザイ
モモナス・モビリス(Zymomonas mobilis) に属する微生
物が、ザイモモナス・モビリス・サブスピーシス・ポマ
セエ(Zymomonas mobilis subsp. pomaceae) であること
を望ましい態様としてもいる。
【0012】次に本発明について詳述する。
【0013】本発明において発酵に使用する原料は、
0.25〜2.5%のグルコース及び/又はフラクトー
スを含有していることを除き、常法と同一のものを使用
することができる。牛乳、濃縮乳、脱脂粉乳及び無塩バ
ターを水に溶解した還元乳等を例示することができる。
【0014】発酵に使用する原料に添加するグルコー
ス、フラクトースは、いずれか一方又は双方であっても
よく、添加量は、原料の総重量に対して0.25〜2.
5%の範囲、望ましくは0.5〜2.0%である(グル
コース及びフラクトースの双方を添加する場合は、それ
らの合計の量である)。後記する試験例から明らかなよ
うに、添加量が0.25%未満の場合、炭酸ガス及びエ
タノールの産生量が少なく、添加量が2.5%を超える
場合、炭酸ガス及びエタノールの産生量が過剰となり、
いずれも望ましくない。即ち、後記する試験例1から明
らかなように、これらの糖の添加量が0.25%未満の
場合、エタノールの産生量は、0.08%以下となりほ
とんどエタノールによる独特の風味が感じられなくな
り、かつ炭酸ガスの風味も感じられなくなる。又、糖の
添加量が2.5%を越える場合、エタノールの産生量は
0.9%を超え、炭酸ガスの産生量も過剰となり、ホエ
ー分離を生じて商品価値を失ってしまう。
【0015】発酵に使用する乳酸菌は、常法と同一のも
のを使用することができる。本発明において使用するザ
イモモナス・モビリスに属する微生物は、エタノール及
び乳酸を同時に生成し、グルコース及びフラクトースを
資化してエタノール及び炭酸ガスを生成し、スクロース
を資化しない性質を有し、ザイモモナス・モビリス・サ
ブスピーシス・ポマセエ(Zymomonas mobilis subsp. po
maceae) ATCC29192等を例示することができ
る。
【0016】前記発酵原料を常法により殺菌し、所定温
度に保持し、乳酸菌を添加して所定時間発酵させ、のち
スクロース非資化性のザイモモナス・モビリスに属する
微生物を添加して発酵させるか、又は乳酸菌及びスクロ
ース非資化性のザイモモナス・モビリスに属する微生物
を同時に添加して発酵させるか、のいずれかの方法によ
り該原料を発酵させる。乳酸菌及びスクロース非資化性
のザイモモナス・モビリスに属する微生物を同時に添加
して発酵させる場合は、通常30〜37℃で12〜16
時間、別個に発酵させる場合は、通常30〜37℃で1
2〜16時間乳酸菌で発酵させ、生成した発酵乳を均質
化し、スクロース非資化性のザイモモナス・モビリスに
属する微生物を添加して更に25〜42℃で4〜16時
間発酵させる。尚、発酵に使用する乳酸菌の種類により
成育の至適温度が異なるので、前記の温度は、適宜変更
することができる。
【0017】即ち、ザイモモナス・モビリスに属する微
生物の発酵条件としては、その発育至適温度と発酵至適
温度に差はあるが、ほぼ乳酸発酵の至適温度と一致する
ので、発酵時間の調整により種々の乳酸菌との同時発酵
を容易に実施することができる。又、乳酸発酵後の低い
pHにおいても、ザイモモナス・モビリスに属する微生
物は容易に発育できるので、乳酸発酵終了後にザイモモ
ナス・モビリスに属する微生物によるアルコール発酵を
容易に実施し得る。
【0018】発酵終了後、常法により容器に充填し、密
封し、冷却し、最終製品を得る。以上のようにして得ら
れた発酵乳は、適量の炭酸ガス及び低濃度のエタノール
を含有し、保存性に優れ、かつ風味の優れたものであ
る。
【0019】次に試験例を示して本発明を詳述する。
【0020】試験例1 この試験は、発酵原料に添加するグルコース及び/又は
フラクトースの量を調べるために行った。
【0021】(1)試料の調製 発酵原料に添加するグルコース及び/又はフラクトース
の量を表1に示すとおり変更したことを除き、実施例1
と同一の方法により試料1〜試料 を調製した。
【0022】(2)試験方法 各試料を14日間10℃で保存し、次の方法により炭酸
ガス及びエタノール濃度を測定した。 炭酸ガス濃度 各試料を10℃に保持し、ガステック検知管(炭酸ガス
用)を用いて炭酸ガス濃度を求めた。 エタノール濃度 各試料を蒸留水で100倍に希釈し、F−キット−エタ
ノール(ベーリンガー・マンハイム山之内社製)を用い
て酵素法にてエタノール濃度を求めた。
【0023】(3)試験結果 この試験の結果は表1に示す通りである。表1から明ら
かなように、グルコース及びフラクトースの添加濃度依
存的に炭酸ガス及びエタノールが生成している。
【0024】
【表1】 試験例2 この試験は、本発明の方法及び従来の酵母を用いる方法
により製造した製品の風味を調べるために行った。
【0025】(1)試料の調製 本発明の方法による試料は、実施例1と同様の方法によ
り調製した。従来法による試料(対照)は、公知の方法
(穴釜雄三著、「乳学」、498頁、光琳書院、昭和5
0年)により次のようにして調製した。
【0026】脱脂乳4.5kgにスクロース20g及び
グルコース30gを添加し、90℃で15分間殺菌し、
15℃に冷却し、市販のケフィール粒(ハンセン社製)
12gを添加し、2時間毎に攪拌しながら15℃で10
時間発酵させ、発酵終了後100gづつ容器に充填し
た。
【0027】(2)試験方法 製造直後(保存日数0日)から製造後3日(10℃で保
存)の各試料の風味及び外観を男女各8人からなる専門
家パネルにより官能的に試験し、その結果をカイ2乗検
定で嗜好に有意の差があるか否かを判定した。
【0028】(3)試験結果 この試験の結果は表2に示すとおりである。表2から明
らかなように、製造直後及び1日保存後では、対照を好
んだ者4人に対して試料を好んだ者は、12人であり、
カイ2乗検定では嗜好に有意の差はなかったが、3日保
存後では、明らかに試料が好まれることが判明した。
尚、他の方法により製造した試料についても試験した
が、ほぼ同様の結果が得られた。又、従来技術2の方法
によって製造した試料は、スクロースを資化する微生物
を使用しているので、酵母を使用した前記対照と同様な
結果であった。
【0029】
【表2】 試験例3 この試験は、本発明の方法及び従来の酵母を用いる方法
により製造した製品中の微生物を調べるために行った。
【0030】(1)試料の調製 試験例1と同様に調製した試料及び対照を、10℃で1
4日間保存した。
【0031】(2)試験方法 製造直後、製造後1、3、7及び14日後の各試料の微
生物の数を、次の方法により測定した。 乳酸菌数 BCP加プレートカウント寒天培地(栄研化学社製)を
用いて37℃で72時間培養し、常法により細菌数を測
定した。 ザイモモナス・モビリスの菌数 精製寒天(極東製薬工業社製)1.5%、グルコース
(ナカライテスク社製)2%及び酵母エキス0.5%を
含む寒天培地により37℃で72時間培養し、常法によ
り細菌数を測定した。 酵母の菌数 ポテトデキストロース寒天培地(栄研化学社製)を用い
て25℃で96時間培養し、常法により酵母数を測定し
た。
【0032】(3)試験結果 この試験の結果は、表3に示すとおりである。表3から
明らかなように本発明の方法により製造した試料の乳酸
菌数は、製造直後から14日後までほぼ一定であるのに
対して対照の乳酸菌数は、製造3日後に1桁低下し、製
造7日後には、測定不能なまで減少した。これは、対照
の酵母が製造7日後に測定不能なまで増加し、製品中の
炭酸ガス及びエタノールが顕著に増加したことによるも
のである。
【0033】一方、本発明の方法により製造した試料で
は、ザイモモナス・モビリスに属する微生物が資化し得
る糖が消費されてしまっているので、ザイモモナス・モ
ビリスに属する微生物の菌数は、製造3日後から徐々に
減少し、従って過剰の炭酸ガス及びエタノールが生成さ
れず、製造14日後においても製品の風味も良好であっ
た。尚、他の方法により製造した試料についても、ほぼ
同様の結果が得られた。
【0034】次に実施例を示して本発明を更に詳述する
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0035】
【実施例】
実施例1 市販の牛乳3kg、脱脂粉乳(森永乳業社製)800
g、無塩バター(森永乳業社製)100g、砂糖(三井
精糖社製)800g、及びグルコース(ナカライテスク
社製)100gを水5.2kgに添加し、攪拌し、70
℃に加温して150kg/cm2 の圧力で均質化し、9
0℃で15分間加熱殺菌し、40℃に冷却し、ストレプ
トコッカス・サーモフィルス(ハンセン社製)のスター
ター200gを接種し、更にザイモモナス・モビリス・
サブスピーシス・ポマセエ(Zymomonas mobilis subsp.
pomaceae) ATCC29192のスターター100gを
接種し、均一に混合し、100ml容のヨーグルト・カ
ップに90mlづつ充填し、37℃の発酵室で15時間
発酵させ、固形状で適量の炭酸及び低濃度のエタノール
を含有する発酵乳100個を得た。
【0036】得られた発酵乳は、乳酸酸度0.70%、
10℃の温度で微量の炭酸ガスと0.4%のエタノール
を含有し、14日間5℃で保存した後も風味、食感が良
好であり、ホエー分離は認められなかった。
【0037】実施例2 市販の牛乳43kg、脱脂粉乳(森永乳業社製)7.9
1g、45%の脂肪を含有するクリーム(森永乳業社
製)7.82g、砂糖4kg、及びフラクトース(ナカ
ライテスク社製)1kgを水33.27kgに添加し、
攪拌し、90℃で15分間加熱殺菌し、30℃に冷却
し、ラクトコッカス・クレモリス(ハンセン社製)のス
ターター2kgを接種し、更にザイモモナス・モビリス
・サブスピーシス・ポマセエ(Zymomonas mobilis subs
p. pomaceae) ATCC29192のスターター1kg
を接種し、均一に混合後100l容のヨーグルト発酵タ
ンクに充填し、30℃で15時間発酵させ、これを15
0kg/cm2 の圧力で均質化し、液状で適量の炭酸及
び低濃度のエタノールを含有する発酵乳約90kgを得
た。
【0038】得られた発酵乳は、乳酸酸度0.66%、
10℃の温度で微量の炭酸ガスと0.4%のエタノール
を含有し、14日間5℃で保存した後も風味、食感が良
好であり、ホエー分離は認められなかった。
【0039】実施例3 市販の牛乳43kg、脱脂粉乳(森永乳業社製)7.9
1g、45%の脂肪を含有するクリーム(森永乳業社
製)7.82g、砂糖4kg、グルコース0.8kg及
びフラクトース(ナカライテスク社製)0.2kgを水
33.27kgに添加し、攪拌し、90℃で15分間加
熱殺菌し、30℃に冷却し、ラクトコッカス・クレモリ
ス(ハンセン社製)のスターター2kgを接種し均一に
混合し、100l容のヨーグルト発酵タンクにおいて3
0℃で15時間発酵させ、これを150kg/cm2
圧力で均質化し、更にザイモモナス・モビリス・サブス
ピーシス・ポマセエ(Zymomonas mobilis subsp. pomace
ae) ATCC29192のスターター1kgを接種し、
均一に混合し、該発酵タンクにおいて30℃で16時間
発酵させ、これを150kg/cm2 の圧力で再度均質
化し、液状で適量の炭酸及び低濃度のエタノールを含有
する発酵乳約90kgを得た。
【0040】得られた発酵乳は、乳酸酸度0.66%、
10℃の温度で微量の炭酸ガスと0.4%のエタノール
を含有し、14日間5℃で保存した後も風味、食感が良
好であり、ホエー分離は認められなかった。
【0041】実施例4 市販の牛乳2kg、脱脂粉乳(森永乳業社製)900
g、砂糖300g、グルコース150gを水6.1kg
に添加し、攪拌し、90℃で15分間加熱殺菌し、35
℃に冷却し、ザイモモナス・モビリス・サブスピーシス
・ポマセエ(Zymomonas mobilis subsp. pomaceae) AT
CC29192のスターター300gを接種し、均一に
混合し、35℃で12時間発酵させ、更にラクトコッカ
ス・クレモリス及びストレプトコッカス・サーモフィル
ス(ハンセン社製)の混合スターター250gを接種
し、均一に混合し、100ml容のヨーグルト・カップ
に90mlづつ充填し、42℃の発酵室で5時間発酵さ
せ、固形状で適量の炭酸ガス及び低濃度のエタノールを
含有する発酵乳100個を得た。
【0042】得られた発酵乳は、乳酸酸度0.80%、
10℃の温度で微量の炭酸ガスと0.5%のエタノール
を含有し、14日間5℃で保存した後も風味、食感が良
好であり、ホエー分離は認められなかった。
【0043】
【発明の効果】本発明によって奏せられる効果は次のと
おりである。 (1)適量の炭酸ガス及び低濃度のエタノールを含有
し、かつ風味の優れた発酵乳が得られる。 (2)冷蔵で少なくとも14日間良好な風味を保持し得
る適量の炭酸ガス及び低濃度のエタノールを含有し、か
つ風味の優れた発酵乳が得られる。 (3)発酵に使用した微生物を殺菌又は除菌する必要が
ないので、簡単な工程で製造することができる。
【表3】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発酵乳の製造において、原料に0.25
    〜2.5%(重量)のグルコース及び/又はフラクトー
    スを添加し、乳酸菌及びスクロース非資化性ザイモモナ
    ス・モビリス(Zymomonas mobilis) に属する微生物によ
    り、該原料を同時に発酵するか、又は乳酸菌により該原
    料を発酵し、次いでスクロース非資化性ザイモモナス・
    モビリス(Zymomonas mobilis) に属する微生物により発
    酵することを特徴とする適量の炭酸及び低濃度のエタノ
    ールを含有する発酵乳の製造法。
  2. 【請求項2】 スクロース非資化性ザイモモナス・モビ
    リス(Zymomonas mobilis) に属する微生物が、ザイモモ
    ナス・モビリス・サブスピーシス・ポマセエ(Zymomonas
    mobilis subsp. pomaceae) である請求項1に記載の適
    量の炭酸及び低濃度のエタノールを含有する発酵乳の製
    造法。
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