JPH07103873A - ガス検知器およびガス吸着膜の感度検査方法 - Google Patents

ガス検知器およびガス吸着膜の感度検査方法

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JPH07103873A
JPH07103873A JP25065793A JP25065793A JPH07103873A JP H07103873 A JPH07103873 A JP H07103873A JP 25065793 A JP25065793 A JP 25065793A JP 25065793 A JP25065793 A JP 25065793A JP H07103873 A JPH07103873 A JP H07103873A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガス濃度が変化しても高感度にガスを検知
し、また、吸着膜の感度検査を容易にする。 【構成】 発振回路7,8,9によって吸着速度の異な
るガス吸着膜2,4をもつ水晶発振子3,5と吸着膜を
もたない水晶発振子6を発振させ、吸着膜2,4へのガ
ス吸着による発振周波数の変化から、マルチプレクサ1
0、乗算&サンプリング回路11、カウンタ12を介し
てコンピュータ13は水晶発振子3,5の応答の時定数
を抽出して、検知対象ガスの検知と同ガスの種類の判別
を行い、表示装置14に表示する。また、コンピュータ
13は水晶発振子3,5の外乱による応答の分散からガ
ス吸着膜2,4の感度低下を検出して表示装置14にセ
ンサ感度低下の警告表示を表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来の技術】ガス検知器においては、火災などによっ
て発生する微量の燃焼ガスや有機化合物ガスを感度良く
検知し、判別する必要がある。また、常に正常に動作し
ているものでなくてはならない。従来よりこのような用
途におけるガス検知器として、光によって煙を感知する
煙感知器、一酸化炭素を検知する半導体ガスセンサのほ
か、広い選択性を持った吸着膜を水晶発振子に塗布し、
その共振周波数変化からガスを検知するものがある。光
によって煙を感知する煙感知器は、煙中での光の減衰を
測定することによって煙を感知する。半導体ガスセンサ
はガスとの酸化還元反応を利用し、一酸化炭素などの酸
化性ガスを検知する。水晶発振子を用いたものは、その
応答から飽和吸着量や時定数を抽出し、パターン認識技
術によってガスを検知する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のガス検
知器には以下のような欠点があった。すなわち、煙感知
器においては感知対象が煙であるため、火災が十分進行
しないと検知できない。また、火災時にはいつも煙が発
生するとは限らない。つまり、火災に対する感度が低い
といえる。半導体ガスセンサを用いたガス検知器におい
ては、感知対象が酸化性ガスに限定されているため、火
災に対する感度は低く、不発報も多くなる。水晶発振子
を用いたセンサはガスに対する感度は高いが、ガス濃度
が測定中変化するような環境においてはガスの判別に必
要な時定数を抽出することは困難である。さらに、これ
ら煙式、半導体式および水晶発振子式のセンサはセンサ
自体がその感度低下を知らせる機能を持たないので、正
常に動作しているかどうか調べるために煙や対象ガスを
用いた定期的な検査を必要とするが、センサの数が多く
なるとそれに要するコストも高くなるという欠点があ
る。
【0003】本発明の目的は、火災などの異常から発生
するガスや有機化合物ガスを感度良く、確実に検知し、
ガス種類を判別する小型、安価なガス検知器および人手
を必要としないガス吸着膜の感度検査方法を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のガス検知器は、
吸着速度の異なるガス吸着膜を設けた2つの水晶発振子
を有し、前記2つの水晶発振子の応答から時定数を抽出
することによって検知対象ガスを検知し、および前記対
象ガスの種類を判別する。
【0005】前記ガス検知器は線形フィルタのアルゴリ
ズムを用いて2つの水晶発振子応答から時定数を抽出
し、対象ガスの種類の判別を行なうものを含む。
【0006】本発明のガス吸着膜の感度検査方法は水晶
発振子の外乱による応答の分散を用いてガス吸着膜の感
度低下を検出する。
【0007】
【作用】2つの水晶発振子の応答から時定数を抽出する
ので、濃度が変化しても高感度にガスの検知と種類の判
別ができる。
【0008】水晶発振子の外乱による応答の分散を用い
るので、ガス吸着膜の感度検査を多くの人手を介さずに
実施できる。
【0009】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0010】図1は本発明のガス検知器の一実施例の構
成ブロック図、図2は図1のコンピュータ13による吸
着膜の感度検査方法の手順を示すフローチャート、図3
は図1のコンピュータ13によるガス判別方法の手順を
示すフローチャート、図4は通常の環境におけるポリク
ロロトリフロロエチレンを用いた真新しい吸着膜を被覆
した水晶発振子の応答を示す図、図5は通常の環境にお
ける感度を低下させた水晶発振子の応答を示す図、図6
はビニルケーブル被膜から発生したガスに対するポリク
ロロトリフロロエチレンを用いた真新しい吸着膜を被覆
した水晶発振子の応答aと感度を落した吸着膜を被覆し
た水晶発振子の応答bを示す図、図7は580ppmの
アセトンに対するポリエチレンとポリテトラフロロエチ
レンの混合物を吸着膜として用いた水晶発振子の応答を
示す図、図8は1220ppmのアセトンと空気に交互
に曝したポリエチレンとポリテトラフロロエチレンの混
合物を吸着膜として用いた水晶発振子3の応答cとポリ
エチレンを吸着膜として用いた水晶発振子5の応答dを
示す図である。
【0011】本発明は吸着膜への被検知ガス分子の吸着
を詳細に検討した結果なされたものであり、ここで、本
発明者らが得た知見について説明する。
【0012】ポリエチレンや、ポリクロロトリフロロエ
チレンや、ポリエチレンとポリテトラフロロエチレンの
混合物等の含弗素系高分子や炭化水素系高分子の高周波
スパッタリングによって水晶発振子上にプラズマ由来の
高分子吸着膜を形成し、これら吸着膜への被検知ガス分
子の吸着による水晶発振子の共振周波数の変化を調べ
た。水晶発振子の共振周波数は、吸着膜の質量変化すな
わち吸着した被検知ガスの質量に比例することが知られ
ている。
【0013】この吸着膜は空気中の分子の動きにも敏感
であり、空気中の分子は絶えず運動しているので通常の
環境下でもこれら分子の外乱(ノイズ)による水晶発振
子応答があることが分かっている。この外乱による水晶
発振子応答は吸着膜の感度が低下すると小さくなること
から、次のように外乱による水晶発振子応答の分散を監
視することによって吸着膜の感度低下を検出することが
できる。
【0014】
【数1】 ここで、kは整数、m[k]はΔtをサンプリング時間
……としたときの時刻k・Δtにおける水晶発振子の応
答、Tsはある決められたデータの数、
【0015】
【外1】 はTs個のデータの平均である。この水晶発振子応答の
分散は吸着膜の感度を表していると考えられる。すなわ
ち、吸着膜の感度が低下すると被検知ガスだけでなく外
乱に対する水晶発振子の応答も小さくなるため、水晶発
振子応答の分散の低下によって吸着膜の感度低下を検出
することができる。また、外乱に対する水晶発振子応答
は、被検知ガスに対する水晶発振子応答よりもはるかに
小さいので、その区別は容易である。
【0016】さらに、これら吸着膜は燃焼ガスや有機化
合物ガスを高感度に吸着するが、ある限られた種類のガ
スのみを吸着するのではなく、その選択性は広いもので
ある。よって、吸着ガスを判別するために水晶発振子応
答から飽和吸着量や時定数を抽出しなければならない。
特に、時定数はガス判別のための有効な量であることが
知られている。
【0017】ガス濃度が一定の場合は、水晶発振子応答
は次のような指数関数を用いて表されるので、時定数を
抽出することは容易である。
【0018】
【数2】 m[k]=a{1−exp(−k・Δt/τ)} ここで、aは吸着膜に対するガスの飽和吸着量、τは時
定数である。ところが、ガス濃度が変化する場合には水
晶発振子応答は複雑な振るまいをするので一つの水晶発
振子の応答から時定数を抽出することは困難である。こ
こで、ガス吸着速度の異なる吸着膜を被覆した水晶発振
子を別に用意し、その水晶発振子応答をu[k]とする
と、m[k]とu[k]は両方ともガス濃度の関数であ
り、次の式を満たすようにbi とcj を決めればガス濃
度の項を消去でき、ガス濃度が変化してもm[k]に関
する時定数を抽出できる。
【0019】
【数3】 ここでi、j、L、Hは整数、bi 、cj は実数であ
る。よって、2つの水晶発振子応答から線形フィルタの
アルゴリズムを用いることによってbi を求めることが
できる。bi はm[k]に関する時定数そのものではな
いが、bi からm[k]に関する時定数を得ることがで
きる。よって濃度が変化するような環境においても時定
数の抽出が可能となる。
【0020】この知見から、外乱による水晶発振子応答
を監視することによって対象ガスを用いた検査をするこ
となしに吸着膜の感度検査ができる。また、濃度が変化
するような環境においても、2つの水晶発振子応答から
時定数を抽出することによってガスを高感度に検知、判
別することができる。
【0021】さて、図1のガス感知器はセンサセル1と
水晶発振子3,5,6と発振回路7,8,9とマルチプ
レクサ10と乗算&サンプリング回路11とカウンタ1
2とコンピュータ13と表示装置14とより構成されて
いる。
【0022】雰囲気に曝されるセンサセル1には、表面
にガス吸着膜2を設けた水晶発振子3と、材質を変えて
ガス吸着膜2とはガス吸着速度の異なるガス吸着膜4を
設けた水晶発振子5および吸着膜を被覆していない水晶
発振子6が設けられている。水晶発振子6は水晶発振子
3および5の周波数を計数するための基準となる周波数
を発生する。各水晶発振子3,5,6にはそれぞれ発振
回路7,8,9が設けられ、この発振回路7,8,9は
対応する水晶発振子3,5,6の共振周波数で発振する
ようになっている。マルチプレクサ10は発振回路7,
8のどちらか一つを選択し、乗算&サンプリング回路1
1は発振回路7,8のうちの選択されたものと発振回路
9の出力の周期の差を周期とする信号を出力する。カウ
ンタ12はこの信号の周期を計測し、コンピュータ13
に送る。コンピュータ13は周期の逆数をとって周波数
を計算し、吸着膜の感度低下や被検知ガスの判別結果を
LED、CRTなどの表示装置14に表示する。
【0023】次に、このガス検知器の動作について説明
する。各発振回路7,8,9を動作状態にすると各水晶
発振子3,5,6は発振を始める。水晶発振子6は検知
ガスの有無にかかわらず常に同じ共振周波数で発振す
る。検知ガスが発生すると、水晶発振子3,5上のガス
吸着膜2,4への被検知ガス分子の吸着が開始し、吸着
量に応じて水晶発振子3,5の共振周波数がシフトし発
振回路7,8の発振周波数がシフトする。この発振周波
数のシフトは、ガス吸着膜2,4に吸着した被検知ガス
の質量に比例する。カウンタ12は発振回路7,8と発
振回路9の出力の差、すなわちガス吸着膜2,4に吸着
した被検知ガスの質量を出力する。また、水晶発振子
3,5,6の温度は同一なので、温度変化による共振周
波数の変化分が打消され、温度変化に対する補償も同時
に行われている。マルチプレクサ10は一定の時間おき
に発振回路7,8を選択するが、その周期は1秒以下で
あって、とガス測定時間と比較して十分短いため、ほぼ
同時に両方の水晶発振子7,8の出力を獲得していると
考えてよい。
【0024】コンピュータ13は次に示す手順によって
吸着膜の感度検査を行なう。
【0025】すなわち、図2に示すように、吸着膜の感
度は水晶発振子応答を獲得した後(ステップ21)次の
ように水晶発振子応答の分散をとることによって検査す
ることができる(ステップ22)。
【0026】
【数4】 そして、ある決められたしきい値と比較する(ステップ
23)。しきい値よりも小さくなったとき、吸着膜の感
度が低下したとみなし、センサ感度低下の警告表示を行
う(ステップ24)。しきい値よりも大きければステッ
プ21にもどる。
【0027】コンピュータ13は次に示す手順によって
ガス種別の判別を行なう。
【0028】すなわち、図3に示すように、まず、ガス
を検知し(ステップ31)、そのガスの種類の判別を行
うために水晶発振子応答から時定数を抽出しなければな
らないが、次のようなアルゴリズムを用いて時定数を抽
出する。すなわち、pを整数とし、時刻k・Δtから遡
って時刻(k−p)・Δtまでの水晶発振子3の応答ベ
クトルM
【0029】
【数5】 M=(m[k],m[k−1],…,m[k−p])T
(Tは転置をあらわす) および時刻(k−1)・Δtから遡って時刻(k−L−
p)・Δtまでの水晶発振子3の応答mと時刻k・Δt
から遡って時刻(k−H−p)・Δtまでの水晶発振子
5の応答uからなる(p+1)×(L+H+1)の行列
Φ
【0030】
【数6】 を用いてB={ΦT Φ}-1 ΦT Mを計算し、B={b
1 ,b2 ,…,bL ,c0 ,c1 ,…,cH }を得る
(ステップ32)。得られたBのうち{b1 ,b2
…,bL }を用いてxについての方程式
【0031】
【数7】 を解く(ステップ33)。この方程式はL個の解を持つ
が、このうち正の実数解をrとすると時定数τは
【0032】
【数8】τ=Δt/log(r) と求めることができる(ステップ34)。ここで、L、
Hの値をどのように選ぶかは水晶発振子応答に含まれる
時定数の数に依存するが、例えば、3から10までL、
Hの値を変化させても得られる時定数の値はほぼ同じで
ある。以上のアルゴリズムより得られた時定数を用いて
対象ガスの判別を行うことができる(ステップ35)。
【0033】次に、本実施例の有効性を調べた結果につ
いて説明する。
【0034】まず、吸着膜の感度低下の検出に水晶発振
子応答の分散を用いた結果について述べる。図4は通常
の環境における真新しい吸着膜を被覆した水晶発振子の
応答を表している。サンプリング時間Δtは4(秒)、
Tsは150、すなわち測定時間600秒とし、吸着膜
はポリクロロトリフロロエチレンのスパッタリングによ
って水晶発振子(9MHz、AT一カット、厚さ0.1
mm、直径85mm)表面上に形成したものである。ス
パッタリングパワーは1W/cm2 、スパッタリング時
間は2時間で形成した。この水晶発振子応答の分散は
0.168と大きい。つまり、被検知ガス以外の外乱に
対してもある程度水晶発振子は感応し、この吸着膜の感
度はまだ高いと考えられる。図5は高温加速試験を施し
て感度を低下させた吸着膜を被覆した水晶発振子の通常
の環境における応答を表している。水晶発振子応答の分
散は0.051と小さい。このように、このガス検知器
はある1つの被検知ガスだけに感応するのではなく、通
常の環境におけるごくわずかな変化、すなわち外乱にも
敏感であるため、外乱に対する水晶発振子応答を監視す
ることによってその感度を検査することができる。
【0035】次に、被検知ガスに対する水晶発振子応答
を示す。被検知ガスは通信用ケーブル被膜として使用さ
れているビニルケーブル被膜を30リットルの容器の中
で約150℃のヒーターで1分間加熱し、その結果発生
した0.012gのガスである。そのガスに対するポリ
クロロトリフロロエチレンを用いた水晶発振子の応答を
図6に示す。aは真新しい吸着膜を用いた水晶発振子の
応答、bは感度を低下させた吸着膜を用いた水晶発振子
の応答である。通常環境下で外乱による応答の分散が小
さい水晶発振子は被検知ガスに対する感度も低下してい
ることがわかる。なお、図4、5の応答と比べて明かで
あるように、被検知ガスに対する水晶発振子応答は外乱
による応答に比べて十分大きいのでその区別は容易であ
る。
【0036】次に、ガスを判別するために、ガス吸着膜
2,4として(1)ポリエチレンとポリテトラフロロエ
チレンの混合物、(2)ポリエチレンを各ターゲットと
し、スバッタリングパワー1W/cm2 、スパッタリン
グ時間は2時間で高周波スパッタリングによりそれぞれ
水晶発振子3,5の表面に形成したものを用いた。
【0037】まず、580ppmのアセトンに対するポ
リエチレンとポリテトラフロロエチレンの混合物を吸着
膜として用いた水晶発振子3の応答を図7に示す。この
応答から得られる時定数は約140秒である。他のガ
ス、例えばメタノールに対しては時定数は約30秒、ベ
ンゼンに対しては約630秒であり、時定数はガス判別
に有効である。
【0038】次に、ガスの濃度が常に一定ではない時の
応答例として、1220ppmのアセトンと空気に交互
に曝した2つの水晶発振子の応答を図8に示す。cはポ
リエチレンとポリテトラフロロエチレンの混合物を用い
た吸着膜を被覆した水晶発振子3、dはポリエチレンの
みを用いた吸着膜を被覆した水晶発振子5の応答であ
る。cの応答のみからcの時定数を抽出するのは前に述
べたように困難であるが、cだけでなくdの応答を用い
てp=150とし、2≦L≦7、2≦H≦4、H≦Lの
ようにH、Lを変化させた各々の場合においてcの時定
数を推定した結果、どの場合においても約150秒とい
う時定数を推定し、対象ガスがアセトンであることを判
別できた。
【0039】本実施例のガス検知器はガス吸着速度の異
なる吸着膜を持った2つの水晶発振子の応答により対象
ガスを検知するので、ガス濃度が変化する環境でも正確
に高感度にガスの検知とガス種類の判別ができ、また、
外乱による水晶発振子応答の分散によって吸着膜の感度
低下を検出するので、感度検査に多くの人手を必要とし
ない。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、外乱によ
る水晶発振子応答の分散を用いることにより、人手を介
することなく吸着膜の感度を検査することができるので
コストの低減になり、また、ガス吸着速度の異なる吸着
膜を表面に設けた2つの水晶発振子の応答から、線形フ
ィルタのアルゴリズムによって時定数を抽出することに
より、従来困難であった測定中に濃度が変化するような
環境におけるガスの早期検知、種類判別を正確に行える
ようになるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス検知器の一実施例の構成ブロック
図である。
【図2】図1のコンピュータ13による吸着膜の感度検
査方法の手順を示すフローチャートである。
【図3】図1のコンピュータ13によるガス判別方法の
手順を示すフローチャートである。
【図4】通常の環境におけるポリクロロトリフロロエチ
レンを用いた真新しい吸着膜を被覆した水晶発振子の応
答を示す図である。
【図5】通常の環境における感度を低下させた水晶発振
子の応答を示す図である。
【図6】ビニルケーブル被膜から発生したガスに対する
ポリクロロトリフロロエチレンを用いた真新しい吸着膜
を被覆した水晶発振子の応答aと感度を落した吸着膜を
被覆した水晶発振子の応答bを示す図である。
【図7】580ppmのアセトンに対するポリエチレン
とポリテトラフロロエチレンの混合物を吸着膜として用
いた水晶発振子の応答を示す図である。
【図8】1220ppmのアセトンと空気に交互に曝し
たポリエチレンとポリテトラフロロエチレンの混合物を
吸着膜として用いた水晶発振子3の応答cとポリエチレ
ンを吸着膜として用いた水晶発振子5の応答dを示す図
である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にガス吸着膜を設けた水晶発振子を
    用い、検知対象ガスの前記ガス吸着膜への吸着による前
    記水晶発振子の共振周波数の変化を求めることにより、
    前記対象ガスを検知し、および前記対象ガスの種類を判
    別するガス検知器において、 吸着速度の異なるガス吸着膜を設けた2つの水晶発振子
    を有し、 前記2つの水晶発振子の応答から時定数を抽出すること
    によって検知対象ガスを検知し、および前記対象ガスの
    種類を判別することを特徴とするガス検知器。
  2. 【請求項2】 線形フィルタのアルゴリズムを用いて2
    つの水晶発振子応答から時定数を抽出し、対象ガスの種
    類の判別を行なうことを特徴とする請求項1に記載のガ
    ス検知器。
  3. 【請求項3】 検知対象ガスの検知および前記検知対象
    ガスの種類の判別のために水晶発振子の表面に設けられ
    たガス吸着膜の感度検査方法において、 前記水晶発振子の外乱による応答の分散を用いて前記ガ
    ス吸着膜の感度低下を検出することを特徴とするガス吸
    着膜の感度検査方法。
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