JPH07103756B2 - シヤツタ−の収納構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、建造物の開口部に設けられる建物用パネルシ
ヤツターのガイドレール構造に関するものである。

［従来技術及び発明が解決しようとする問題点］ 今日、この種建物用パネルシヤツターのなかには、水平
開口部の開閉をするものがあり、その場合に、パネルシ
ヤツターのガイドをするガイドレールは、水平開口部に
対応して水平方向を向いた水平ガイド部と、該水平ガイ
ド部からＲ状の曲折部を経る関係で下方に連続する縦方
向を向いた収納ガイド部とで構成されることになる。

そしてこの場合に、パネル体の左右両縁部の前後にロー
ラを段状に設ける一方、ガイドローラを、各ローラがそ
れぞれ走行する内外二条式とし、これらを開口部側では
パネル体が面一状に並列するよう隣接させ、収納部側で
はパネル体が積層状に重合するよう離間させ、かつ開口
部と収納部との間をＲ状に曲折して一連状に連結せしめ
て構成したものがある。

しかるに従来、ガイドレールのＲ状曲折部は、内外ガイ
ドレールを略同じ曲率で曲折せしめていたから、シヤツ
ターカーテンの開閉を電動で行うとした場合に、開閉機
等の部材は、内外Ｒ状曲折部のさらに内側に別途取付ス
ペースを確保して取付ける必要があり、このため開閉機
等の部材が突出し、しかもこれを覆うためケースが必要
となるか、収納部のスペースを開閉機等の部材を覆える
よう大きくする等の配慮をしなければならないという欠
点がある。

［問題を解決する手段］ 本発明は上記の如き実情に鑑みこれらの欠点を一掃する
ことができるシヤツターの収納構造を提供することを目
的として創案されたものであつて、シヤツターカーテン
を構成するパネル体の左右両縁部の上下にローラを設
け、これらローラが走行するガイドレール構造を、各ロ
ーラが各別に転動する内外二条式のガイドレールとし、
かつこれらガイドレールは、水平開口部に対応して水平
方向を向いた水平ガイド部と、該水平ガイド部からＲ状
の曲折部を経る関係で下方に連続する縦方向を向いた収
納ガイドとでそれぞれ構成され、開口作動時に先行して
収納ガイド部に移動するローラが外側ガイドレールを転
動する構成とすると共に、前記両ガイドレールは、水平
ガイド部では、パネル体が面一状に並列にするように隣
接し、収納ガイド部では、パネル体が積層状に重合する
よう略平行に離間したものとし、さらにＲ状曲折部で
は、内側ガイドレールのＲ状曲折部を、外側ガイドレー
ルのＲ状曲折部より曲率を大きくして外側ガイドレール
のＲ状曲折部に至近せしめることで湾曲状に迂回させる
と共に、該迂回した内側ガイドレールのＲ状曲折部から
収納ガイド部に至る部位を傾斜状の拡張部に形成して、
後行して内側収納ガイド部に向けて転動するローラの下
動を、先行して外側収納ガイド部に転動するローラの下
動を伴いながら行う構成としたことを特徴とするもので
ある。

そして本発明は、この構成によつて、内側ガイドレール
を、湾曲部において外側ガイドレール側に迂回せしめた
ことによつて生じる空間を有効に利用出来るようにした
ものである。

［実施例］ 次に、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。図
面において、１は妻側が略東西を向くようにして東西の
方向に長く建付けられる温室であつて、南面側の垂直状
の支柱２、上端側ほど南面側に変位するよう傾斜した北
面側の支柱３、並びに両支柱２、３の上端部間に南面側
ほど低くなるよう傾斜状に支架された屋根支柱４を用い
て枠組形成されている。そしてこれら支柱２、３、４、
並びに図示しない補助枠材に透光性の樹脂製フイルム５
が全面に張設されることによつて温室１が形成されてい
る。６は反射面が南面を向くように温室内の北側部に傾
斜状に立設された反射板であつて、太陽光線を温室床土
面に満遍なく照射されるように反射させるものである。

また、７は温室を樹脂製フイルム５との二重構造にして
断熱、保温、遮光等の効果を高めるために温室内に組付
けられるシヤツターであつて、該シヤツター７を構成す
る板状のパネル体９の左右両側縁のにはローラ支持体８
を介して走行ローラ8a、8bがそれぞれ内外両面に齟齬状
に取付けられている。そしてこれら走行ローラ8a、8b
が、温室１の一方の妻側面から天井部を経て他方妻側面
に至るまで取付けられる内外二条式のガイドレール10、
11にそれぞれ案内される構成となつている。この内外側
ガイドレール10、11は南面側においては南面側支柱２と
略平行な垂直方向に、天井側においては屋根支柱４より
は緩傾斜で南面側が低くなるように敷設されているが、
さらに北面側においては、Ｒ状に曲折された曲折部10
a、11aに形成されているが、内側ガイドレール10のＲ状
曲折部10aは、外側ガイドレール11のＲ状曲折部11aより
も曲率が大きく四分円弧以上に曲折されていて、内側Ｒ
状曲折部10aが外側Ｒ状曲折部11a側に至近せしめられて
おり、これによつて内側Ｒ状曲折部10aが深く湾曲する
状態で迂回するように構成されている。さらに、ガイド
レールはＲ状曲折部10a、11aから、反射板６と北面側支
柱３との間に形成される収納部Ｓ両内側に延設されるこ
とになるが、外側ガイドレール11はＲ状曲折部11aから
支柱３と平行状に延設される収納外側ガイドレール10c
に、また内側ガイドレール10は、外側Ｒ状曲折部11aに
至近する状態の内側Ｒ状曲折部10aの下端部から下方に
向かつて末広がり状に傾斜する拡張部10bを経て外側ガ
イドレール11に対して離間し、走行ローラ8a、8bの間隔
ｐに等しい寸法に離れた状態で延設される外側ガイドレ
ール11に平行な収納内側ガイドレール10cに構成されて
いる。

一方、パネル体９の四方端縁部は、縦框91、上框92、下
框93によつて枠組されており、例えば硬質発泡ポリウレ
タンフオーム等の板状断熱材が充填されたボード90をパ
ネル継板94で補強し、パネル体９の内外表面には前記反
射板６と同様の反射面が形成されている。前記下框93の
室内面には側方が開口した各樋状の水受溝93aと、また
外側には対向する両鈎状の緩衝材保持部93bとが一体的
に形成されている。そしてシヤツター全閉状態のパネル
体９は下框93側が下方に傾斜する姿勢となつたとき、パ
ネル体９の室内面に発生する結露水をこの水受溝93aで
受けることで水滴となつて床土面に落下することを防止
するものであり、緩衝材保持部93bには弾性材による緩
衝材93cが挿入され、シヤツター開閉時にパネル体９同
志の接当による衝撃緩和を図るものである。

尚、パネル体上面には前記走行ローラ8a、8bに接近して
ローラ軸支持体８よりも外方へ突出する高さの保護桟95
が上下框92、93の間に挟持されるように短尺方向に設け
られていて、パネル体収納時にこの保護桟95が隣接パネ
ル体９の表面に当接して、隣接パネル体９とローラ支持
体８との接触を規制してパネル体の表面の保護を計るよ
うになつている。

一方、12は、パネル体９の内側に設けられる内側走行ロ
ーラ8aのローラ軸8cに回動自在に取付けられる作動チエ
ンであつて、該作動チエン12は、互いに隣接するパネル
体９の縁部同志が所定の間隙Ｌを存して対向する関係で
パネル体９を連続的に連結している。また、13は内側ガ
イドレール10の北面側コーナ部に設けた開閉機であつ
て、該開閉機13にチエン伝動された駆動スプロケツト14
が前記作動チエン12に噛合するようになつており、開閉
機13の正逆駆動に伴う駆動スプロケツト14のチエン移送
によつて、チヤツター開閉を行うことができるようにな
つているものであるが、その取付位置は、内側Ｒ状曲折
部10aの曲率を大きくすると共に外側Ｒ状曲折部11a側に
至近せしめられたたことで、内側Ｒ状曲折部10aが深く
湾曲されたことによつて生じる空間部Ｒに配されてい
る。

叙述の如く構成された本発明の実施例において、先ず天
井側に閉鎖しているシヤツターを開閉する場合は、開閉
機13を駆動してスプロケツト14を逆転せしめると、各パ
ネル体９に連繋されているチエン12は、収納部Ｓ側へと
移送され、これによつてパネル体９の後行して移送され
る内側走行ローラ8aはチエン12に引張られながら内側ガ
イドレール10の曲率90゜以上大きく曲つたＲ状曲折部10
a部位で方向転換して転動する。このとき、パネル体９
の先頭で先行して移送される外側の走行ローラ8bは、前
記内側走行ローラ8aの移行で押動されて、外側走行ロー
ラ8aより先に外側ガイドレール11のＲ状曲折部11aに沿
つて方向転換し、今度はパネル体９の自重も作用して直
線部位の収納外側ガイドレール11cへと先行していくと
となる。従つて、上述の内外側走行ローラ8a,8bの転動
に対応してパネル体９はＲ状曲折部10a、11aでは大きく
方向転換してスプロケツト14部位から殆んど垂直状姿勢
になつて吊持されるようになり、パネル体９の荷重はチ
エン12を介してスプロケツト14に加圧トルクを掛けるこ
ととなり、チエン12はスプロケツト14側へ強く喰込み、
チエン・スプロケツト噛合はますます確実となつて、チ
エンの外れや歯越への心配が全くない作動伝達が行われ
る。

次いで、内側走行ローラ8aが、外側ガイドレール11から
末広がり状に離間している拡張部10bへと降下すること
になるが、該拡張部10bでは、後行する内側走行ローラ8
aの内側収納ガイドレール10cに向けての転動が、先行し
て外側収納ガイドレール11cに向けて転動する外側走行
ローラ8bの該外側収納ガイドレール11cに向けての下動
を伴いながら行うこととなり、これによつて、パネル体
９は、漸次傾斜が緩やかになりつつ下降し、内外ガイド
レール離間距離がｐに達する時点の収納部Ｓ入口側で
は、略水平状になつて、以後その水平状を保持したまま
下降し、内外側収納部ガイドレール10c、11cへ重合状に
収納されることとなる。

そしてこの収納状態では、後続して降下してくるパネル
体９は内側走行ローラ8aが収納内側ガイドレール10cに
達する部位からは、略水平状を保ちつつ降下することと
なるので、パネル体９の荷重は４本のローラ軸8cに均等
にかかることとなり、外側ローラ8b側にのみ集中的にか
かつて部材の損傷が促進せしめられるようなことはな
い。さらに、パネル体９の積層状重合収納に際しては、
パネル体９上面の保護桟95をローラ支持体８より高く突
設してあるので、上側の隣接パネル体９は、ローラ支持
体８が保護桟95の無い端縁部側に押しやられながら降下
してくるので、直接パネル体９面に衝接するようなこと
もなく静かに降下し、パネル体９は側面視において、少
し段付きの積層状に重合収納されることとなる。この結
果、閉鎖始動時にチエン12がローラ支持体８や水受溝93
a等の部材に絡んだり干渉したりする不都合がなく円滑
に作動できることとなる。

また、シヤツターを閉鎖する場合は、上述とは反対に、
スプロケツト14を正転せしめれば、チエン12の開口部側
への移送に伴つて上側のパネル体９から順次引上げら
れ、ガイドレールＲ状曲折部を経て、開口部側へと送り
出され、先頭パネル体９が先端部に達し、さらに各パネ
ル体９間の間隙Ｌが無くなる状態で全閉となり、図示し
ない上限リミツトスイツチの検知作動で開閉機13を停止
する。尚、この閉鎖の場合も、パネル体９のパネル姿勢
の変化に対応して、チエン12がスプロケツト14へ喰込む
トルクが作用することとなり、チエンとスプロケツト14
と確実な噛合により円滑にパネル体９は移送されること
となる。

この様に、本発明が実施されたものにおいては、ガイド
レール構造を、開口部側のガイドレールと収納部側のガ
イドレールとを曲折した関係で連結し、収納部ではパネ
ル体を積層状に重合して収納できるようにしたものであ
りながら、ガイドレールのＲ状曲折部において、内側Ｒ
状曲折部10aを外側Ｒ状曲折部11a側に至近せしめて深く
湾曲した状態で迂回したため、内側Ｒ状曲折部10aの内
側に有効な空間部Ｒが確保でき、従つて、空間部Ｒに開
閉機13、スプロケツト14等の部材をコンパクトに収納で
きることとなる。従つて開閉機13、スプロケツト14等の
部材が反射板６の内方に突出して取付けられるような不
具合がなく、スペースの有効利用が計れることとなる。

しかも、このものは、ガイドレール内側Ｒ状曲折部10a
を外側Ｒ状曲折部11a側に至近せしめたことにより、こ
こを通るときのパネル９の姿勢が内側Ｒ状曲折部10aが
外側Ｒ状曲折部11aに対して離間する場合（第５図参
照）よりは、内側走行ローラ8aを支点とした立姿勢とな
る。この結果、内側走行ローラ8aはパネル９の自重を下
方に受けた状態となつて、スプロケツト14に噛合するチ
エン12の収納部側下方へ向けての引張り力が大きくな
り、これによつてスプロケツト14との歯飛び現象の防止
に大いに寄与できる。

そのうえ、Ｒ状部を越えて収納レール部に移動しようと
するパネル体は、拡張部を経ることで、その傾斜姿勢
が、先行してＲ状部を越えた先頭ローラの収納レール部
への移動が停滞することなく移動状態を維持したまま漸
次緩やかになりつつ下降するため、パネル体が途中で引
掛つたりする不具合がなく、円滑な収納ガイド部への移
動ができることになる。

［作用効果］ 以上要するに、本発明は叙述の如く構成したものである
から、パネル体側の前後ローラが走行するガイドレール
を内外二条式とし、かつこれをＲ状に曲折して、パネル
体を、水平開口部では面一状に並列させ、縦方向を向い
た収納部では積層状に重合させることができるようにし
たものでありながら、上記ガイドレールのＲ状曲折部に
おいて、内側ガイドレールについては、外側ガイドレー
ルの曲率よりも大きなものに形成して外側ガイドレール
に至近せしめたので内側ガイドレールのＲ状曲折部が湾
曲状に迂回することになつて、この結果、その内側に開
閉機等の部材の収納空間を有効に確保できることとな
る。従つて、これら部材をコンパクトに収納できて、室
内空間の効率化の達成に寄与し得る。

そのうえ、収納時において、Ｒ状部を越えて収納レール
部に移動しようとするパネル体は、拡張部を経ること
で、その傾斜姿勢が、先行してＲ状部を越えた先頭ロー
ラの収納レール部側への移動を常に伴いながら漸次緩や
かに変姿されつつ下降するため、直ちに水平姿勢に変姿
されて収納レール部に達するもののように、パネル体が
途中で引掛つたりする不具合がなく、円滑な収納ガイド
部への移動ができることになる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係るパネルシヤツター収納構造の一実施
例を示したものであつて、第１図はパネル体間隔を存し
てシヤツター閉鎖時の縦断面図、第２図はパネル体の収
納状態を示す側面図、第３図はパネル体の平面図、第４
図はパネル体の正面図、第５図、第６図は従来のパネル
体収納状態を示す側面図である。 図中、７はシヤツター、8a、8bは走行ローラ、９はパネ
ル体、10は内側ガイドレール、10bは内側Ｒ状曲折部、1
1は外側ガイドレール、95は保護桟である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】シヤツターカーテンを構成するパネル体の
   左右両縁部の上下にローラを設け、これらローラが走行
   するガイドレール構造を、各ローラが各別に転動する内
   外二条式のガイドレールとし、かつこれらガイドレール
   は、水平開口部に対応して水平方向を向いた水平ガイド
   部と、該水平ガイド部からＲ状の曲折部を経る関係で下
   方に連続する縦方向を向いた収納ガイド部とでそれぞれ
   構成され、開口作動時に先行して収納ガイド部に移動す
   るローラが外側ガイドレールを転動する構成とすると共
   に、前記両ガイドレールは、水平ガイド部では、パネル
   体が面一状に並列するように隣接し、収納ガイド部で
   は、パネル体が積層状に重合するよう略平行に離間した
   ものとし、さらにＲ状曲折部では、内側ガイドレールの
   Ｒ状曲折部を、外側ガイドレールのＲ状曲折部より曲率
   を大きくして外側ガイドレールのＲ状曲折部に至近せし
   めることで湾曲状に迂回させると共に、該迂回した内側
   ガイドレールのＲ状曲折部から収納ガイド部に至る部位
   を傾斜状の拡張部に形成して、後行して内側収納ガイド
   部に向けて転動するローラの下動を、先行して外側収納
   ガイド部に転動するローラの下動を伴いながら行う構成
   としたことを特徴とするシヤツターの収納構造。