JPH07103389B2 - 自動車ボディパネル用アルミニウム合金板 - Google Patents

自動車ボディパネル用アルミニウム合金板

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JPH07103389B2
JPH07103389B2 JP30303890A JP30303890A JPH07103389B2 JP H07103389 B2 JPH07103389 B2 JP H07103389B2 JP 30303890 A JP30303890 A JP 30303890A JP 30303890 A JP30303890 A JP 30303890A JP H07103389 B2 JPH07103389 B2 JP H07103389B2
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圭三 難波
義雄 竹島
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、自動車のボディパネルとして使用するための
アルミニウム合金板、とくにプレス成形性に優れる自動
車ボディパネル用アルミニウム合金板に関する。
〔従来の技術〕
一般に自動車ボディパネルは、鋼板材料をプレス成形、
溶接、脱脂および化成処理したのち塗装する工程を経て
製造される。この際、プレス成形工程では成形を円滑化
するために潤滑油が使用されており、通常、後工程にお
ける脱脂効率を考慮して防錆油と呼ばれる低粘度油が多
く用いられている。
ところが、自動車ボディパネル用のアルミニウム合金板
は従来材質の冷延鋼板に比べて成形性に劣るため、前記
のような潤滑油を用いても製品形状によってはプレス割
れを生じることがある。
プレス割れを防止するためには、プレス成形時に材料の
金型への流入量を多くすることが有効であり、また試作
段階ではプレス油と呼ばれる高粘度油やポリ塩化ビニル
(PVC)のフィルムが用いられることもある。しかし、
高粘度のプレス油の使用は脱脂工程の処理能力を減退さ
せ、ポリ塩化ビニルフィルムの使用は金型に付着するた
め剥離作業が必要になる等、いずれも量産化に対しては
有効な手段ではない。
〔発明が解決しようとする課題〕
鋼板の分野では、プレス成形性を向上させるために予め
材料表面に有機質重合体による潤滑処理を施す技術が実
用化されている。しかしながら、発明者らがこのうち主
要な潤滑成分とされているアクリル酸ポリマーについて
アルミニウム合金に適用したところ、スポット溶接性が
大幅に悪化して実用不能であることが確認された。
本発明は、アルミニウム合金板のプレス成形に最適な表
面処理技術について研究を重ねた結果開発されたもの
で、その目的はスポット溶接性、脱脂性などを損ねるこ
となしにプレス成形に好適な表面潤滑性を付与した自動
車ボディパネル用アルミニウム合金板を提供することに
ある。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するための本発明による自動車ボディ
パネル用アルミニウム合金板は、高級脂肪酸のアルカリ
金属塩を表面に塗布したことを構成上の特徴とする。
本発明に有効な高級脂肪酸としては、パルミチン酸、ス
テアリン酸またはオレイン酸を挙げることができ、アル
カリ金属塩には主にナトリウム塩またはカリウム塩が用
いられる。したがって、パルミチン酸、ステアリン酸お
よびオレイン酸から選択された高級脂肪酸のナトリウム
塩またはカリウム塩が、本発明の表面処理材として好適
な材料となる。
これらの表面処理剤は、通常、水溶液の状態でアルミニ
ウム合金板の表面にバーコータ等を用いて塗布し、引き
続き乾燥処理を施す。乾燥後の望ましい表面塗布量は30
0〜2000mg/m2、より好適には500〜1500mg/m2の範囲であ
る。この表面塗布量が300mg/m2未満では潤滑性が不足
し、他方2000mg/m2を上廻るとスポット溶接性および脱
脂性が減退する。
本発明による自動車ボディパネル用アルミニウム合金板
は上記の表面処理の施した形態で素材製品として供給さ
れ、プレス成形以降の工程を経てボディパネルが形成さ
れる。
〔作 用〕
本発明の自動車ボディパネル用アルミニウム合金板面に
介在する高級脂肪酸のアルカリ金属塩は表面に優れた潤
滑性を付与し、成形性を改善するために有効機能する。
したがって、プレス成形時に通常の潤滑油を使用するだ
けで材料自体の成形性不足に起因するプレス成形時の割
れ現象は効果的に減少し、円滑なプレス成形が可能とな
る。また、製品形状によっては、潤滑油を使用せずにプ
レス成形をおこなうことも可能である。そのうえ、本発
明で表面処理剤とする高級脂肪酸のアルカリ金属塩は、
スポット溶接性および脱脂性を損ねることはなく、機器
類を汚損することもない。
なお、潤滑油はプレス成形の直前に塗布するのが通常の
手順であるが、表面処理剤を塗布・乾燥後に潤滑剤を予
め塗布しておくこともできる。そのうえ、本発明で表面
処理剤とする高級脂肪酸のアルカリ金属塩は、スポット
溶接性および脱脂性を損ねることはなく、また機器類を
汚損することもないから、材料自体の成形性不足に起因
するプレス成形時の割れ現象は効果的に減少し、常に正
常で能率的なプレス成形が可能となる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を比較例と対比して説明する。
実施例 板厚1mmの自動車ボディパネル用アルミニウム合金板(A
l−4.5%Mg−0.3%Cu組成の焼鈍材)を酸性脱脂剤で洗
浄したのち、その上下面にオレイン酸ナトリウム水溶液
(2〜15%濃度)をNo.7のバーコータにより塗布量を変
えて塗布し、40℃の温度で乾燥した。
このようにして表面処理を施した各自動車ボディパネル
用アルミニウム合金板を用い、「塗油なし」および「塗
油あり」の両条件について、潤滑性、スポット溶接性お
よび脱脂性の調査試験をおこなった。なお、潤滑油には
防錆油〔油研工業(株)製RP−75N〕を使用し、塗布量
を潤滑性の試験時には5000mg/m2、スポット溶接性およ
び脱脂性試験時には400mg/m2に設定して塗油したものを
試験に供した。
各性能調査は、次の試験ならびに評価方法によった。
(1)潤滑性 第1図に示す試験装置をダイクッション付きクランププ
レスにセットし、ダイス2を押し下げて材料1にダイス
2と板押え3とにより板押え力Hを加える〔第1図
(a)〕。ついで、ポンチ4によって円弧曲げ加工を施
す〔第1図(b)〕。ポンチ4に作用する加工力Pおよ
びダイス2に作用する該加工力Pと板押え力の和(H+
P)をロードセルで測定して第2図に例示するチャート
を得、このチャートから下死点における板押え力Hと加
工力Pを読みとる。ダイクッションのエア圧を変えて同
様の試験を行い、板押え力Hと加工力Pの関係を第3図
のように求める。そして、第3図における勾配μ(摩擦
係数)の大小から潤滑性を評価する。
潤滑性の良否評価は、下記の基準で判定する。
○:勾配μが0.1以下 △:勾配μが0.1〜0.2 ×:勾配μが0.2以上 (2)スポット溶接性 溶接電流23KA、三相低周波式、溶接加圧力320kgf、フォ
ージ加圧力920kgf、クロム銅電極(直径16mm)の条件で
スポット溶接をおこない、その際の連続溶接可能回数の
度合からスポット溶接性を評価する。連続溶接可能回数
は連続溶接試験における溶接部の引張剪断強さにより判
定し、溶接開始からの引張剪断強さの平均値が258kg/点
以上で、かつ最少値が166kgf/点以上である連続スポッ
ト溶接回数による定める。なお、表面処理によっては接
触抵抗が大きくなるため電極と材料との接触部分の発熱
量が過大となり、電極の損傷が増大して連続溶接可能回
数が低下することになる。
スポット溶接性の良否は、下記の基準で評価する。
○:連続溶接可能回数が400回以上 △:連続溶接可能回数が100〜400回 ×:連続溶接可能回数が100回未満 (3)脱脂性 材料を、アルカリ系脱脂剤〔日本バーカライジング
(株)製、FCL−4460〕にオレイン酸ナトリウム2g/と
防錆油〔油研工業(株)製、RP−75N〕0.8g/を添加し
た脱脂液に温度43℃、時間2分間の条件で浸漬処理す
る。
脱脂性の評価は、浸漬処理した試験片両面の水濡れ性を
目視し、面積率により下記の基準で判定する。
○:水濡れ性が100% △:水濡れ性が80%以上 ×:水濡れ性が80%未満 上記の各試験結果(実施例)を、塗布したオレイン酸ナ
トリウムの塗布量と対比させて表1に示した。比較のた
めに、無処理の材料および同一アルミニウム合金板に鋼
板潤滑処理に実用されているアクリル酸ポリマーを塗布
した例(比較例)の結果を表1に併載した。
表1の結果から、実施例は「塗油あり」の条件におい
て、無処理の材料よりも優れた潤滑性が付与されている
ことが判る。オレイン酸ナトリウムの塗布量が500mg/m2
以上の場合には、「塗油なし」でも無処理品の「塗油あ
り」と同等以上の潤滑性を有している。スポット溶接性
は塗布量が1500mg/m2以下であれば問題はなく、無処理
品と同等の良結果を与える。また、脱脂性も塗布量が20
00mg/m2までは良好な結果を示している。
なお、実施例のオレイン酸ナトリウムに代えてパルミチ
ン酸またはステアリン酸のナトリウム塩、カリウム塩を
塗布成分とした場合にも同様の結果が得られた。
〔発明の効果〕
以上のとおり、本発明で提供される自動車ボディパネル
用アルミニウム合金板によれば、表面に塗布されている
高級脂肪酸のアルカリ金属塩が独特の潤滑機能を示し、
プレス成形時の割れや傷の発生を効果的に軽減する効果
を発揮する。そのうえ、製品形状によっては、潤滑油な
どを塗油する必要なしにプレス成形することが可能とな
るから、プレス工程の能率向上、装置をはじめ作業環境
の清浄化が図れる等の産業的効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
図は実施例の潤滑性試験に係る説明図で、第1図
(a)、(b)は試験装置の説明図、第2図は荷重チャ
ート例、第3図は評価グラフを示したものである。 1……材料、2……ダイス、3……板押え、4……ポン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 40:24 (72)発明者 疋田 達也 愛知県名古屋市港区千年3丁目1番12号 住友軽金属工業株式会社技術研究所内 (72)発明者 宇都 秀之 愛知県名古屋市港区千年3丁目1番12号 住友軽金属工業株式会社技術研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高級脂肪酸のアルカリ金属塩を表面に塗布
    したことを特徴とする自動車ボディパネル用アルミニウ
    ム合金板。
  2. 【請求項2】高級脂肪酸のアルカリ金属塩が、パルミチ
    ン酸、ステアリン酸またはオレイン酸のナトリウム塩も
    しくはカリウム塩である請求項1記載の自動車ボディパ
    ネル用アルミニウム合金板。
  3. 【請求項3】高級脂肪酸のアルカリ金属塩の表面塗布量
    が、300〜2000mg/m2の範囲にある請求項1記載の自動車
    ボディパネル用アルミニウム合金板。
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DE19500267A1 (de) * 1995-01-07 1996-07-11 Metallgesellschaft Ag Verfahren zur Kaltumformung von Aluminiumronden

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