JP2000045075A - 加工性および耐食性に優れた燃料タンク用アルミ含有めっき鋼板 - Google Patents

加工性および耐食性に優れた燃料タンク用アルミ含有めっき鋼板

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JP2000045075A
JP2000045075A JP10211480A JP21148098A JP2000045075A JP 2000045075 A JP2000045075 A JP 2000045075A JP 10211480 A JP10211480 A JP 10211480A JP 21148098 A JP21148098 A JP 21148098A JP 2000045075 A JP2000045075 A JP 2000045075A
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aluminum
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corrosion resistance
zinc
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JP10211480A
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Masao Kurosaki
将夫 黒崎
Ryosuke Wake
亮介 和気
Teruaki Isaki
輝明 伊崎
Masahiro Fuda
雅裕 布田
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境上問題となる鉛を全く含有しない加工性
および耐食性に優れた燃料タンク用アルミ含有めっき鋼
板の提供すること。 【解決手段】 アルミ含有金属めっきの上に、亜鉛とり
んとを重量比(亜鉛/りん)2.3〜3.2で含有する
りん酸亜鉛複合皮膜を0.3〜2.5g/m2 有するこ
とを特徴とする加工性および耐食性に優れた燃料タンク
用アルミ含有めっき鋼板。好ましくは、前記りん酸亜鉛
複合皮膜が、さらにニッケル、マグネシウム、鉄、コバ
ルト、カルシウム、マンガンから選ばれる1種以上の金
属を合計で0.1〜8重量%含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料タンク用に用
いる加工性、耐食性に優れたりん酸亜鉛複合皮膜を有す
るアルミ含有めっき鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の環境規制強化に対応するため、従
来燃料タンク用材料として用いられて来た鉛を必須とし
て含有するPb−Sn合金めっき鋼板、すなわちターン
めっき鋼板(特公昭57−61833号公報)を他のめ
っき鋼板に置き換える傾向が強まっている。溶融亜鉛め
っき鋼板、Zn−Ni電気めっき鋼板、Sn−Znめっ
き鋼板等の材料適用が検討されている。燃料タンクは一
般的に車体下部に外付けされるのが一般的で、融雪塩等
を道路に散布する地域では特に厳しい腐食環境下での使
用となる。アルミ含有めっき鋼板はこの過酷な環境下に
おいて優れた耐食性を有し、かつ安価なめっき鋼板であ
る。
【0003】ところがアルミ含有めっき鋼板は、めっき
層と鋼板との界面に鉄とアルミを主成分とする脆い合金
層を有しており、加工時にめっき割れが生じやすいとい
った問題があった。また、めっき金属であるアルミが比
較的柔らかいため、プレス成形時に金型との接触による
線状の傷、いわゆる、かじりが発生しやすいといった問
題があった。これらめっき割れ、かじりといっためっき
鋼板の欠陥は、腐食環境下での耐食性を劣化させる。特
に地鉄まで貫通したかじりが存在すると腐食起点として
作用し腐食を誘発する。さらにめっき層の割れが存在す
ると、かじり部、端面部で発生した腐食が伝播しやすい
ため、耐食性が著しく劣化する。
【0004】これらの課題を解決するため塗装を100
μm以上の厚塗りにして対応する方法も実用化してい
る。ところが従来一般的に用いられている、塗料を上方
からシャワー状に吹きかける塗装方法で付与出来る膜厚
はせいぜい数10μm程度であり、厚い塗装を均一に行
なうためにはスプレーで何度も塗装する必要があり、大
がかりな設備投資が必要で、また塗料自体のコストも増
加する。また、特許第1889879号公報では鋼板に
付与するクロメート層を増加し耐食性を向上させる技術
が開示されているが、クロメートが環境に与える悪影響
を考慮するとその使用量を増加するのは得策ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決し、環境上問題となる鉛を全く含有しない加工性
および耐食性に優れた燃料タンク用アルミ含有めっき鋼
板の提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者らは、これらの諸
問題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、アルミ含有め
っき鋼板表面に亜鉛とりんとが特定の重量比で含まれる
皮膜を形成することで、加工時のめっき欠陥が大幅に減
少し、かつ塗料との密着性が向上するため実使用環境で
の耐食性が維持出来ることを見い出すに至って、本発明
を完成させた。すなわち本発明の要旨とするところは、 (1)アルミ含有金属めっきの上に、亜鉛とりんとを重
量比(亜鉛/りん)2.3〜3.2で含有するりん酸亜
鉛複合皮膜を0.3〜2.5g/m2 有することを特徴
とする加工性および耐食性に優れた燃料タンク用アルミ
含有めっき鋼板。 (2)りん酸亜鉛複合皮膜が、さらにニッケル、マグネ
シウム、鉄、コバルト、カルシウム、マンガンから選ば
れる1種以上の金属を合計で0.1〜8重量%含有する
ことを特徴とする前記(1)に記載のアルミ含有めっき
鋼板である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において用いられるアルミ
含有めっき鋼板はアルミ、またはアルミと他の金属、例
えばシリコン、亜鉛、マグネシウム、ニッケル、鉄、ク
ロム、マンガン等の少なくとも1種との合金、および不
可避的に含まれる不純物からめっきされた鋼板から選ば
れる。本発明におけるりん酸亜鉛複合皮膜は、亜鉛とり
んが主構成成分であって、重量比(亜鉛/りん)が2.
3〜3.2であり、皮膜中にニッケル、マグネシウム、
鉄、コバルト、カルシウム、マンガンから選ばれる1種
以上の金属が合計で0.1〜8重量%含有されている。
【0008】亜鉛とりんとの重量比(亜鉛/りん)が
3.2を超える場合、或いはニッケル、マグネシウム、
鉄、コバルト、カルシウム、マンガンから選ばれる1種
以上の金属の含有量が0.1重量%以下の場合には皮膜
の硬度が不十分で、めっき鋼板の加工性向上に寄与しな
い。一方、亜鉛とりんとの重量比が2.3未満の場合、
およびニッケル、マグネシウム、鉄、コバルト、カルシ
ウム、マンガンから選ばれる1種以上の金属の含有量が
8重量%を超える場合には、めっき鋼板の加工性は十分
であるがその向上効果は飽和し、製造コストの増加を引
き起こす。
【0009】プレス成形時のめっき鋼板の欠陥を低減す
ることが、塗装後耐食性を向上させる上で不可欠である
ことは前述した通りであるが、めっき鋼板と塗料との密
着性を向上させ、またアルミの腐食生成物を安定化させ
る元素を付与することも重要な因子である。この観点か
ら複合皮膜中にニッケル、マグネシウム、コバルト、カ
ルシウムを含有することは有効であり、特にマグネシウ
ムを1%以上含有させるとその効果は顕著である。
【0010】前記複合皮膜の付着量は特に制限しないが
0.3〜2.5g/m2 の範囲で付与することが望まし
い。付着量が0.3g/m2 未満では皮膜の効果が発揮
されず加工性が不十分であり、また2.5g/m2 を超
えると皮膜付与に要する処理時間が長くなるうえ、プレ
ス成形時に複合皮膜が剥離しプレス金型に付着し鋼板に
押し込まれるため、かえってプレス傷を誘発してしまう
からである。さらに限定するなら1.0〜2.0g/m
2 が好ましく、この範囲でプレス成形時の加工性ならび
にその後に行なう塗装の密着性が最も良好となる。
【0011】また実際にプレス成形する際には、上記複
合皮膜を形成したアルミ含有金属めっき鋼板上に潤滑油
を塗布して用いる。用いる油並びに塗布量は特に制限し
ないが、低融点の鉱油、天然油脂、合成エステル等を
0.1〜3g/m2 の範囲で塗布し用いるのが一般的で
ある。0.1g/m2 未満では効果が無く、3g/m2
超では効果が飽和し返ってコスト上昇を引き起こす。さ
らには、1.0〜2.5g/m2 の範囲が加工性の観点
から最も好ましい。
【0012】
【実施例】市販の溶融Al−10%Siめっき鋼板(め
っき付着量30g/m2 )を用い、りん酸ナトリウム系
のアルカリ脱脂剤を用いて充分な脱脂を行った後、市販
のチタンコロイドをスプレー塗布し活性化処理を施し
た。その後りん酸をPO4 として10〜30g/リット
ル、硝酸をNO3 として2〜6g/リットル、フッ化水
素酸をフッ素として2g/リットル、亜鉛イオンを1〜
3g/リットル含有した化成処理液を基本浴として、更
にニッケルイオン、マグネシウムイオン、鉄イオン、コ
バルトイオン、カルシウムイオン、マンガンイオンを0
〜2.0g/リットルの範囲で含有した化成処理液を調
合した。上記活性化処理を施した鋼板を45℃に加熱し
た化成処理液に0.5〜2.0秒浸漬したのち、水洗、
乾燥を施した。その後試験片の一部を切り出し、蛍光X
線にてりん酸亜鉛複合皮膜の付着量ならびに組成を分析
した。
【0013】その後、ブランク径160mmφの試験片
に鉱油を主成分とする防錆油を1〜2.5g/m2 塗布
したのち、ポンチ径78mmφで押し付け荷重5kgf
/cm2 で45mmの深絞り成形を行なった。このとき
絞り成形されたサンプルの側壁部を目視観察し、加工に
伴うかじりの発生有無を確認した。また加工によるめっ
き層の割れを確認するため、側壁から30×30mmの
サンプルを切り出し、表面からEPMAを用いた元素分
析を行い下地鋼板の露出に伴うFeの検出有無を確認し
た。その後トリクレン脱脂した後アクリル変成樹脂を2
0μm塗装し、腐食評価用サンプルを作成した。腐食評
価用サンプルは50℃の5%温塩水に30日浸漬したの
ち赤錆びの発生有無で耐食性を評価した。上記処理を施
した場合の皮膜量・組成並びに加工・腐食試験結果を表
1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】複合皮膜の付着量並びに組成が適正範囲に
調整された場合には、加工性・耐食性ともに良好である
が、皮膜付着量が適正範囲より少ない比較例1では加工
に伴うかじりが発生し、そこを起点とする腐食が発生す
るため耐食性も劣化する。また皮膜付着量が適正範囲よ
り多い比較例2では皮膜剥離に伴うプレス傷が発生し耐
食性が劣化した。さらに皮膜量は適正範囲に入っていて
も、亜鉛/りん比が低く皮膜の硬度が不十分であった比
較例3ではかじりに伴う腐食で耐食性が不十分であっ
た。同様に皮膜中に含まれるニッケル、マグネシウム、
鉄、コバルト、カルシウム、マンガンの含有量が適正範
囲より低い比較例4でもかじりに伴う腐食で耐食性が不
十分であった。
【0016】
【発明の効果】本発明のりん酸亜鉛複合皮膜をアルミ含
有めっき鋼板に付与することで、環境上問題となる鉛を
全く含有しない加工性・耐食性に優れた燃料タンク用ア
ルミ含有めっき鋼板の提供が可能となる。したがって本
発明は産業上の価値の極めて高い発明であるといえる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊崎 輝明 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1−1 新日 本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 布田 雅裕 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1−1 新日 本製鐵株式会社八幡製鐵所内 Fターム(参考) 3E061 AA15 AB05 AC01 AC05 AD01 4D075 AB03 AB54 BB24Z BB65Y BB87X CA03 DA06 DB02 DB07 DC41 EA06 EB01 EC10 4K026 AA02 AA09 AA13 AA22 BA04 BB08 BB09 CA13 CA18 CA26 CA28 CA32 DA16 EA08 EA11 4K044 AA02 AB02 BA10 BA17 BB03 BC02 BC05 CA11 CA16 CA53

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミ含有金属めっきの上に、亜鉛とり
    んとを重量比(亜鉛/りん)2.3〜3.2で含有する
    りん酸亜鉛複合皮膜を0.3〜2.5g/m 2 有するこ
    とを特徴とする加工性および耐食性に優れた燃料タンク
    用アルミ含有めっき鋼板。
  2. 【請求項2】 りん酸亜鉛複合皮膜が、さらにニッケ
    ル、マグネシウム、鉄、コバルト、カルシウム、マンガ
    ンから選ばれる1種以上の金属を合計で0.1〜8重量
    %含有することを特徴とする請求項1に記載のアルミ含
    有めっき鋼板。
JP10211480A 1998-07-27 1998-07-27 加工性および耐食性に優れた燃料タンク用アルミ含有めっき鋼板 Withdrawn JP2000045075A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6907074B2 (en) 2001-12-15 2005-06-14 Electronics And Telecommunications Research Institute Apparatus and method for performing mixed motion estimation based on hierarchical search
JP2006310830A (ja) * 2005-03-31 2006-11-09 Tdk Corp ボンド磁石

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Effective date: 20051004