JPH06122890A - 自動車ボディ用表面処理アルミニウムシート材 - Google Patents

自動車ボディ用表面処理アルミニウムシート材

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JPH06122890A
JPH06122890A JP30046692A JP30046692A JPH06122890A JP H06122890 A JPH06122890 A JP H06122890A JP 30046692 A JP30046692 A JP 30046692A JP 30046692 A JP30046692 A JP 30046692A JP H06122890 A JPH06122890 A JP H06122890A
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JP
Japan
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sheet material
fine particles
lubricant
polyolefin
aluminum alloy
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Pending
Application number
JP30046692A
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English (en)
Inventor
Tatsuya Hikita
達也 疋田
Yoshio Takeshima
義雄 竹島
Ikuo Goto
郁雄 後藤
Akihiro Kiyotani
明弘 清谷
Tsukasa Kasuga
司 春日
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 アルミニウム合金板の表面に、高級脂肪酸の
アルカリ金属塩にポリオレフィンの球状微粒子を添加し
てなる潤滑剤を塗布する。潤滑剤の塗布量は300〜2500m
g/m2 、ポリオレフィンの球状微粒子の平均径は0.6 〜7
μm 、潤滑剤に対するポリオレフィンの含有量は10〜5
0重量%の範囲が好ましい。 【効果】 潤滑性良好で、プレス成形性に優れた自動車
ボディ用表面処理アルミニウムシート材が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車ボディ用表面処
理アルミニウムシート材、詳しくは、優れたプレス成形
性を付与するための表面処理を施した自動車ボディ用ア
ルミニウムシート材に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車ボディは、一般に、冷延鋼板をプ
レス成形した後、溶接、脱脂、化成処理および塗装工程
を経て製造される。この場合、プレス成形に際しては、
成形性を良好にするために潤滑油が使用されている。近
年、軽量化の要請から自動車ボディ用としてアルミニウ
ム合金板の使用が注目されているが、アルミニウム合金
板は、従来の冷延鋼板に比べて成形性が劣るため冷延鋼
板用の潤滑油ではプレス成形が難しく、量産に対して有
効な潤滑油はまだ見つかっていない。
【0003】自動車用鋼板においては、プレス成形に先
立って板表面に有機皮膜による潤滑処理を施し成形性を
向上させる技術が実用化されており、先に発明者らは、
アルミニウム合金板についてもプレス成形に最適の表面
処理を見出すために鋭意研究を行った結果として、オレ
イン酸のナトリウム塩など高級脂肪酸のアルカリ金属塩
による表面処理技術を開発した。(特開平4 −173897号
公報) この処理技術によれば、表面塗布量が所定の範囲内にあ
る場合は、アルミニウム合金板に対し、スポット溶接
性、脱脂性などを損なうことなしにプレス成形に好適な
表面潤滑性が付与されるが、例えば複雑な形状への成形
を行う場合などにはまだ問題があり、さらに潤滑性につ
いての改良が望まれている。また、潤滑性を上げるため
に塗布量を多くするとスポット溶接性や脱脂性などの性
能が低下し易くなるため、少ない塗布量で同等の潤滑性
を付与できるよう処理剤を改善することも課題の一つで
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、発明者らが
先に開発した高級脂肪酸のアルカリ金属塩を用いる表面
処理技術をさらに改良して潤滑性能を向上させたことに
基づいて、上記の問題点を解消した自動車ボディ用表面
処理アルミニウムシート材を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による自動車ボディ用アルミニウムシート材
は、アルミニウム合金板の表面に、高級脂肪酸のアルカ
リ金属塩にポリオレフィンの微粒子を添加してなる潤滑
剤を塗布したことを構成上の基本的特徴とし、潤滑剤の
塗布量が300 〜2500mg/m2 であり、潤滑剤に対するポリ
オレフィンの含有量が10〜50重量%であること、高級脂
肪酸のアルカリ金属塩がパルミチン酸、ステアリン酸ま
たはオレイン酸のナトリウム塩もしくはカリウム塩であ
ること、およびポリオレフィンの微粒子の平均径が0.6
〜7 μm であることを発明構成上のその他の特徴とす
る。
【0006】アルミニウム合金としては、Al−Mg系
合金、Al−Mg−Si系合金などの自動車ボディパネ
ル用アルミニウム合金が適用される。本発明に有効な高
級脂肪酸としては、パルミチン酸、ステアリン酸および
オイレン酸を挙げることができ、アルカリ金属塩として
は、ナトリウム塩またはカリウム塩が使用される。従っ
て、パルミチン酸、ステアリン酸およびオイレン酸から
選ばれた高級脂肪酸のナトリウム塩またはカリウム塩
が、本発明における好適な表面処理剤として用いられ
る。ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、
ポリアクリロニトリルなどが好適に使用される。ポリオ
レフィンは微粒子の形状に粒状化され、上記表面処理剤
の水溶液に添加して均一に混合し、水性ディスパージョ
ンとする。ポリオレフィン微粒子の添加量は、潤滑剤に
対して10〜50%の範囲が好ましく、10%未満では潤滑性
向上の効果が小さく、50%を越えると潤滑性を低下させ
る。ただし、添加量が20%を越えると接着性を損ない易
くなるため、10〜20%の添加範囲が最も好ましい。好ま
しいポリオレフィン微粒子の平均径は0.6 〜7 μm の範
囲で、0.6 μm 未満では潤滑性向上の効果が小さく、7
μm を越えると、潤滑性能を低下させる。さらに好まし
いポリオレフィン微粒子の平均径は0.6 〜2.5 μm の範
囲である。
【0007】潤滑剤は、通常、水溶液の状態でアルミニ
ウム合金板表面に塗布し乾燥する。アルミニウム合金板
表面に対する好ましい塗布量は300 〜3000mg/m2 で、塗
布量300mg/m2未満では潤滑性が十分でなく、2500mg/m2
を越えるとスポット溶接性、脱脂性を害する。最も好ま
しい塗布量は1000〜2000mg/m2 の範囲である。また、本
発明の潤滑剤は他の潤滑油と併用して適用することもで
き、この場合は、併用する潤滑油の種類に応じて、潤滑
剤の塗布量を上記範囲内で調整する。
【0008】
【作用】本発明の表面処理アルミニウムシート材に塗布
される高級脂肪酸のアルカリ金属塩にポリオレフィンの
微粒子を添加してなる潤滑剤は、アルミニウム合金板の
表面に優れた潤滑性を与え、プレス成形性を改善する。
従って、自動車ボディへの成形に際し、通常の潤滑油を
使用し、場合によっては潤滑油を使用することなくプレ
ス成形が可能となる。そのうえ、本発明の潤滑剤は、か
なり広い塗布量範囲で適用することができ、この範囲に
おいては脱脂性、接着性、スポット溶接性などの他の性
能を損なうことがないから、塗布量を多くして高潤滑性
を付与し、複雑な成形加工を行うことも可能となる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。 実施例 厚さ1mm の自動車ボディ用アルミニウム合金板(Al−
4.5wt %Mg−0.3wt%Cu) を酸性脱脂剤で洗浄した
後、その上下面に、オレイン酸ナトリウム水溶液(10 %
濃度)にポリオレフィン( 三井石油化学工業株式会社製
「ケミパール」) 微粒子( 平均径1 μm)を20重量%添加
してなる潤滑剤を、塗布量を500mg/m2、1000mg/m2 、20
00mg/m2 と変えて塗布し、40℃の温度で乾燥した。さら
に、上記潤滑剤の上に脂肪酸エステルを主成分とする洗
浄油( スギムラ化学株式会社製「R303P 」) を塗布した
試料も作製した。このように表面処理を施したアルミニ
ウム合金板試料について、以下に示す潤滑性能試験を行
った。試験結果を図3および図4に示す。
【0010】深絞り性試験:図1に示す深絞り成形装置
を油圧プレスにセットし、ポンチ2の径Rp を50mm, ポ
ンチ先端rp を5mm 、ダイス3のrd を5mm,ダイス3の
孔径Rd を52.8mmとし、アルミニウム合金試料ブランク
径112.5mm,しわ押え板4によるしわ押え力34KN, 成形速
度2mm/秒の条件で、ポンチ2を押し上げることにより深
絞り成形を行って限界の成形高さH1 を測定し、成形高
さH1 の大きさから潤滑性を評価した。 張出し性試験:図2に示す張出し成形装置を油圧プレス
にセットし、ポンチ5の径Rp を50mm, ポンチ先端球径
p を25mm, ダイス6のrd を5mm,ダイス6の孔径Rd
を52.8mm, ダイス6およびしわ押え7に設けられた凹凸
状しわ押え部の径Rs を70mmとし、アルミニウム合金試
料ブランク径120mm,しわ押え力40KN, 成形速度2mm/秒の
条件で、ポンチ5を押し上げることにより張出し成形を
行って限界の張出し成形高さH2 を測定し、成形高さH
2 の大きさから潤滑性の評価を行った。
【0011】比較例 実施例1と同じ厚さ、組成の自動車用アルミニウム合金
板を酸性脱脂剤で洗浄した後、その上下面にオレイン酸
ナトリウム水溶液(10%濃度)を塗布し、40℃の温度で
乾燥した。さらに、その上に脂肪酸エステルを主成分と
する洗浄剤( スギムラ化学株式会社製「R303P] )を上塗
りした試料も作製した。このように表面処理を施したア
ルミニウム合金板試料について、実施例1と同様の方法
で潤滑性を評価した。結果を図3および図4に示す。
【0012】図3および図4にみられるように、本発明
の潤滑剤を塗布したアルミニウム合金板は、ポリオレフ
ィンの微粒子を添加しない従来の潤滑剤を塗布したアル
ミニウム合金板に比べて、深絞り成形高さ、張出し成形
高さともに大きく、優れた成形性を示している。同じ潤
滑性能を得る場合には、潤滑剤の塗布量が少なくてよ
く、脱脂性、接着性、スポット溶接性などの低下をより
少なくすることができる利点がある。
【0013】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、潤滑性
を一層向上させ、しかも脱脂性、スポット溶接性など他
の性能を低下させない自動車用表面処理アルミニウム合
金板材が提供され、アルミニウム合金による自動車ボデ
ィの円滑なプレス成形が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の潤滑性を評価する深絞り成形装置を示
す要部断面図である。
【図2】本発明の潤滑性を評価する張出し成形装置を示
す要部断面図である。
【図3】本発明のアルミニウムシート材の深絞り性能を
従来のアルミニウムシート材と対比して示すグラフであ
る。
【図4】本発明のアルミニウムシート材の張出し性能を
従来のアルミニウムシート材と対比して示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 アルミニウム合金板試料ブランク 2 ポンチ 3 ダイス 4 しわ押え 5 ポンチ 6 ダイス 7 しわ押え
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 143:00) C10N 10:02 20:06 Z 8217−4H 40:24 A 8217−4H (72)発明者 清谷 明弘 東京都港区新橋5丁目11番3号 住友軽金 属工業株式会社内 (72)発明者 春日 司 東京都港区新橋5丁目11番3号 住友軽金 属工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム合金板の表面に、高級脂肪
    酸のアルカリ金属塩にポリオレフィンの微粒子を添加し
    てなる潤滑剤を塗布したことを特徴とする自動車ボディ
    用表面処理アルミニウムシート材。
  2. 【請求項2】 潤滑剤の塗布量が300 〜2500mg/m2 であ
    り、潤滑剤に対するポリオレフィンの含有量が10〜50重
    量%である請求項1記載の自動車ボディ用表面処理アル
    ミニウムシート材。
  3. 【請求項3】 高級脂肪酸のアルカリ金属が、パルミチ
    ン酸、ステアリン酸またはオレイン酸のナトリウム塩も
    しくはカリウム塩である請求項1または請求項2記載の
    自動車ボディ用表面処理アルミニウムシート材。
  4. 【請求項4】 ポリオレフィンの微粒子の平均径が0.6
    〜7 μm である請求項1または請求項2または請求項3
    記載の自動車ボディ用表面処理アルミニウムシート材。
JP30046692A 1992-10-13 1992-10-13 自動車ボディ用表面処理アルミニウムシート材 Pending JPH06122890A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011108326A1 (ja) * 2010-03-01 2011-09-09 出光興産株式会社 表面被覆金属板および金属加工方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011108326A1 (ja) * 2010-03-01 2011-09-09 出光興産株式会社 表面被覆金属板および金属加工方法
JP2011179066A (ja) * 2010-03-01 2011-09-15 Idemitsu Kosan Co Ltd 表面被覆金属板および金属加工方法

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