JPH07103368B2 - 蛍光体 - Google Patents

蛍光体

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JPH07103368B2
JPH07103368B2 JP29294486A JP29294486A JPH07103368B2 JP H07103368 B2 JPH07103368 B2 JP H07103368B2 JP 29294486 A JP29294486 A JP 29294486A JP 29294486 A JP29294486 A JP 29294486A JP H07103368 B2 JPH07103368 B2 JP H07103368B2
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高詩 山本
克昭 岩間
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松下電子工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は蛍光体に関するものである。
従来の技術 従来、3価のテルビウムの発光を利用した緑色蛍光体は
蛍光ランプ、特に3波長域発光形蛍光ランプに多く利用
されている。すなわち、特公昭52−22836号公報に開示
されているセリウムおよびテリビウム付活マグネシウム
アルミネート蛍光体、ザ ジャーナル オブ ケミカル
フィジックス(THE JOURNAL OF CHEMICAL PHYSICS)6
0No.1 34(1974)に示されているセリウムおよびテル
ビウム付活ランタンフォスフェイト蛍光体、特開昭56−
28282号公報に開示されているセリウムおよびガドリウ
ム,テルビウム付活マグネシウムボレイト蛍光体等が実
用化されている。
発明が解決しようとする問題点 このような従来の蛍光体はそれぞれわずかに分光分布が
異なり、色度座標の違いを示す。この色度座標の相違は
これらの蛍光体を3波長域発光形蛍光ランプの緑色蛍光
体として使用した場合、その蛍光ランプの光束や演色性
の相違となって表われる。すなわち、3波長域発光形蛍
光ランプのように、数種の蛍光体を混合して用いる場
合、その蛍光ランプの光束や演色性は用いた蛍光体の分
光分布に大きく左右される。
セリウムおよびテルビウムは付活マグネシウムアルミネ
ート蛍光体を使用した3波長域発光形蛍光ランプと、セ
リウムおよびテルビウム付活ランタンフォスフェイト蛍
光体を使用した同種の蛍光ランプとを比較した場合、前
者は光束が低いが演色性がよく、後者は光束は高いが演
色性が低いものである。一方、それぞれの蛍光体を、単
独で光束が最大となる塗布量で塗布した蛍光ランプを製
作して、光束を比較すると初期光束は同程度であるが、
セリウムおよびテルビウム付活ランタンフォスフェイト
蛍光体を使用した蛍光ランプの方が寿命特性が悪い。こ
の傾向はセリウムおよびガドリニウム,テルビウム付活
マグネシウムボレイト蛍光体も同様である。
したがって、演色性および寿命特性にすぐれているセリ
ウムおよびテルビウム付活マグネシウムアルミネイト蛍
光体を3波長域発光形蛍光ランプの緑色蛍光体として使
用した場合に高い初期光束が得られるようにすることが
望まれていた。
問題点を解決するための手段 テルビウムの発光スペクトルは540nm付近の主発光以外
に、490nm,585nmおよび620nm付近に副発光をもつもので
ある。したがって、これらの発光の比によって色度座標
(x,y)が異なる。このため、青色蛍光体と赤色蛍光体
とを混合して特定の色温度(例えば5000K)をもつ3波
長域発光形蛍光ランプを製作する場合、緑色蛍光体の色
度座標によって各蛍光体の調合比が異なり演色性および
初光束の相違をもたらす。セリウムおよびテルビウム付
活マグネシウムアルミネート蛍光体は、他に比べて全発
光に占める490nm付近の発光が多いため、色度座標xが
小さく、yが大きい発光スペクトルをもつものである。
発明者は、この発光スペクトルに600nm付近の発光を加
えるべく、さまざまな付活剤を検討した結果、サマリウ
ムが、テルビウムの輝度をあまり落すことなく600nm付
近の発光が加えられ色度座標xを増加させyを下げる効
果があることを見出した。
すなわち、本発明の蛍光体は一般式 (Ln1-a-bTbaSmb)MgxAlyO(y+1)+x (ただし、0.05≦a≦0.6,0.001≦b≦0.05,0.7≦x≦
1.5,10≦y≦15,LnはCe,Y,La,Gd,Lu,Dy,のうち少なくと
も一種を示す元素)で表わされる。
作用 本発明の構成により、テルビウムの発光にサマリウムの
発光を加えることができ、輝度をあまり落すことなく、
セリウムおよびテルビウム付活マグネシウムアルミネー
ト蛍光体の色度座標を変えることができる。
実施例 本発明の蛍光体は希土類元素の原料として希土類酸化物
を用いてもよく、また、加熱後希土類酸化物となるもの
を用いてもよい。マグネシウム,アルミニウムについて
も同様に酸化マグネシウムや酸化アルミニウムを用いて
も、加熱後酸化物となる原料を用いてもよい。焼成は13
00℃〜1600℃で2回以上行う。
また、一般式を とした場合、aを0.05未満としたときには充分な発光強
度を得ることができないし、0.6を越えると濃度消光に
よって充分な発光強度を得ることができない。bについ
ても同様に、0.001未満や0.05を越える範囲では充分な
発光強度を得ることができない。x,yについても、それ
ぞれ0.7未満,10未満、および1.5,15を越える範囲では、
本発明の緑色蛍光体以外の結晶が生成され充分な発光強
度を得ることができない。
実施例1 組成式 (Ce0.592Tb0.4Sm0.008)MgAl12O20.5になるように下記
の原料を混合する。
酸化セリウム 1.20 g 酸化テルビウム 0.88 g 酸化サマリウム 0.016g 塩基性炭酸マグネシウム 1.18 g 酸化アルミニウム 7.50 g 上記混合物を1500℃〜1600℃で焼成したものを冷却粉砕
後、再度同じ温度で焼成して緑色蛍光体を得た。このよ
うにして得られた蛍光体は、サマリウムを含まないもの
に比して、輝度が1%低下するが、色度座標xが0.027
増加し、yが0.016減少する。本実施例蛍光体を3波長
域発光形蛍光ランプの緑色蛍光体として使用した場合、
サマリウムを含まない蛍光体を使用した同種のランプに
比して、寿命特性は同程度で光束が2%向上した。本実
施例蛍光体の分光分布を図に示す。
実施例2 組成式 (Ce0.595Tb0.4Sm0.005)MgAl12O20.5になるように下記
の原料を混合する。
酸化セリウム 1.22 g 酸化テルビウム 0.89 g 酸化サマリウム 0.010g 塩基性炭酸マグネシウム 1.18 g 酸化アルミニウム 7.52 g 上記混合物を実施例1と同様に焼成した。得られた蛍光
体を使って実施例1と同様に3波長域発光形蛍光ランプ
を製作し、サマリウムを含まない場合と比較すると寿命
特性は同程度で光束が2.5%向上した。
実施例3 組成式 (La0.15Ce0.515Tb0.33Sm0.005) MgAl12O20.5になるように下記の原料を混合する。
酸化ランタン 0.29 g 酸化セリウム 1.05 g 酸化テルビウム 0.73 g 酸化サマリウム 0.010g 塩基性炭酸マグネシウム 1.13 g 酸化アルミニウム 7.52 g 上記混合物を実施例1と同様にして焼成した。得られた
蛍光体を実施例1と同様な3波長域発光形蛍光ランプで
評価した場合、サマリウムを含まない場合に比べて、寿
命特性は同程度で光束が2.7%向上した。
実施例4 組成式 (Y0.05Ce0.545Tb0.4Sm0.005)MgAl12O20.5になるよう
に下記の原料を混合する。
酸化イットリウム 0.067g 酸化セリウム 1.11 g 酸化テルビウム 0.88 g 酸化サマリウム 0.010g 塩基性炭酸マグネシウム 1.13 g 酸化アルミニウム 7.53 g 上記混合物を実施例1と同様にして焼成した。得られた
蛍光体を実施例1と同様な3波長域発光形蛍光ランプで
評価した場合、サマリウムを含まない場合に比べて、寿
命特性は同程度で光束が3.0%向上した。
なお、上記実施例ではLaやYの場合について説明した
が、本発明はLaやYの代わりに、Gd,Lu,Dyを用いた場合
についてもLaやYの場合と同様な効果が得られる。
発明の効果 以上説明したように、本発明の蛍光体によれば、従来の
テルビウムの発光を利用したアルミネート系蛍光体にサ
マリウムの発光を付加させることによって、発光強度を
あまり落すことなく色度座標xを増加させ、yを減少さ
せることができる。この色度座標の変化によって、3波
長域発光形蛍光ランプの緑色蛍光体として利用した場
合、サマリウムを含まないものに比べて、寿命特性を落
とすことなく光束の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の実施例1に示す蛍光体の254nmを照射した
時の分光分布を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式が (ただし、0.05≦a≦0.6,0.001≦b≦0.05,0.7≦x≦
    1.5,10≦y≦15,LnはCe,Y,La,Gd,Lu,Dyのうち少なくと
    も一種を示す元素) で表わされることを特徴とする蛍光体。
JP29294486A 1986-12-09 1986-12-09 蛍光体 Expired - Fee Related JPH07103368B2 (ja)

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