JPH07103099B2 - 光学活性3−ヒドロキシピロリジンの製法 - Google Patents

光学活性3−ヒドロキシピロリジンの製法

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JPH07103099B2
JPH07103099B2 JP18896791A JP18896791A JPH07103099B2 JP H07103099 B2 JPH07103099 B2 JP H07103099B2 JP 18896791 A JP18896791 A JP 18896791A JP 18896791 A JP18896791 A JP 18896791A JP H07103099 B2 JPH07103099 B2 JP H07103099B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、RS−3−ヒドロキシ
ピロリジンから光学分割法により光学活性3−ヒドロキ
シピロリジンを製造する方法に関する。3−ヒドロキシ
ピロリジンは抗生物質などの重要な合成中間体である。
【0002】
【従来の技術】従来、光学活性な3−ヒドロキシピロリ
ジン誘導体の製造法としては、(1) 光学活性りんご酸と
ベンジルアミンを反応させて、ベンジルりんご酸イミド
を合成し、これを還元する方法(特開昭61−6365
2号公報)、(2) 光学活性ヒドロキシプロリンを脱炭酸
する方法(chemistry Letters, 893,(198
6))、(3) 光学活性4−クロル−3−ヒドロキシブチロ
ニトリルをラネーニッケルで接触還元する方法(特開平
2−85249号公報)などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記方法のうち、(1)
は比較的高価な試薬である水素化リチウムアルミニウム
を使わなければならないうえ、光学活性体を出発原料と
して用いても一部ラセミ化が起こるため、光学純度の高
い製品を得るためにはさらに光学分割しなくてはならな
い。また(2) は光学活性ヒドロキシプロリンが高価であ
るため、有利な方法とはいえない。(3) については、光
学活性な4−クロル−3−ヒドロキシブチロニトリルを
得るために、エピクロルヒドリンから出発して得た2−
アセトキシ−3−クロルプロピル−p−トルエンスルホ
ネートをリパーゼにより不斉水解して光学活性体とし、
さらにKCNと反応させるという多段階反応を経なけれ
ばならないという点でやはり十分な方法とはいえない。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
工業的に実用化可能な光学活性3−ヒドロキシピロリジ
ンの製法を確立することを目的として鋭意検討した。そ
の結果、この目的は公知の方法で容易に調製可能なRS
−3−ヒドロキシピロリジンを光学活性酒石酸アニリド
を分割剤として用いて光学分割することにより達成され
ることが判った。
【0005】すなわち、本発明はRS−3−ヒドロキシ
ピロリジンを下記一般式(I)
【0006】
【化2】
【0007】(式中、Rは塩素原子またはニトロ基を示
す。)で表される光学活性酒石酸アニリドを分割剤とし
て用いて光学分割することを特徴とする光学活性3−ヒ
ドロキシピロリジンの製法である。
【0008】本発明で用いる分割剤は、光学活性な酒石
酸の誘導体であり、そのD体、L体のいずれも用いるこ
とができる。
【0009】酒石酸のアニリド化は、たとえば、酒石酸
に無水酢酸を反応させて得られるジアセチル酒石酸無水
物にp−クロロ、またはp−ニトロアニリンを反応させ
た後、加水分解することにより高収率で得ることができ
る。もちろん、これ以外の方法で製造したものであって
も何ら問題ない。また、この分割剤は、非常に安定な化
合物であり、分割回収の際に分解、ラセミ化することは
ほとんどない。すなわち、本発明で用いる分割剤は安価
に工業的に入手可能な化合物である。
【0010】本発明において、原料として用いられるR
S−3−ヒドロキシピロリジンは、たとえば市販されて
いるRS−N−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジンを
Pd/Cで還元することにより定量的に得ることができ
る。もちろん、これ以外の方法で製造したものであって
も何ら問題ない。
【0011】また、この原料は、R−3−ヒドロキシピ
ロリジンとS−3−ヒドロキシピロリジンとを等量含む
ラセミ型混合物だけでなく、いずれか一方の光学異性体
を等量以上に含む混合物をも包含する。
【0012】RS−3−ヒドロキシピロリジンの光学分
割は次の手順と条件で行う。
【0013】まず、溶媒中でRS−3−ヒドロキシピロ
リジン1モルに対して0.5〜1.5モル、好ましくは
0.75〜1.25モルの光学活性酒石酸アニリドを接
触させてジアステレオマー塩をつくる。この時、塩酸、
硫酸、りん酸などの鉱酸あるいは酢酸などの有機酸を共
存させてもよい。鉱酸、有機酸の使用量は、分割剤と合
わせてRS−3−ヒドロキシピロリジン1モルに対して
0.5〜1.5モル、好ましくは0.75〜1.25モ
ル量である。
【0014】ここで使用する溶媒としては、RS−3−
ヒドロキシピロリジンと光学活性酒石酸アニリドを溶解
するとともに、溶液中でこれらの化合物を化学的に変質
せしめることなく、かつ、ジアステレオマー塩を析出せ
しめるものであればよい。たとえば、水、水とエタノー
ル、メタノールなどアルコール類との混合溶媒などが使
用できるが、特に工業的には水が好ましい。
【0015】RS−3−ヒドロキシピロリジンに光学活
性酒石酸アニリドを接触させる方法としては、前記溶媒
中にRS−3−ヒドロキシピロリジンを一挙に加えても
よいし、順次加えてもよい。さらにあらかじめRS−3
−ヒドロキシピロリジンと分割剤とからつくった塩を形
成したのち、該溶媒中に溶解させてもよい。
【0016】次に、かくして得られたジアステレオマー
塩を含む溶液を冷却および/あるいは濃縮する。する
と、難溶性のジアステレオマー塩が溶液から晶析してく
る。
【0017】難溶性のジアステレオマー塩を溶液から析
出させる際の温度は使用する溶媒の凝固点から沸点の範
囲であればよく、目的に応じて適宜決められるが、通常
は0℃から100℃の範囲で十分である。
【0018】難溶性のジアステレオマー塩の結晶は、濾
過、遠心分離などの通常の固液分離法によって容易に分
離することができる。
【0019】一方、難溶性のジアステレオマー塩を分離
した残りの母液を冷却および/あるいは濃縮し、易溶性
のジアステレオマー塩を析出せしめたのち、これを分離
することもできる。
【0020】かくして得られる各ジアステレオマー塩を
適当な方法で分解することによって、R−3−ヒドロキ
シピロリジンまたはS−3−ヒドロキシピロリジンと分
割剤を分離・採取することができる。
【0021】ジアステレオマー塩の分解方法は任意であ
り、たとえば水性溶媒中、酸またはアルカリで処理する
方法などが適用できる。たとえばジアステレオマー塩を
水中に溶解または分散させた中に硫酸や塩酸などの鉱酸
を添加すると水に難溶性の光学活性カルボン酸が析出
し、R−3−ヒドロキシピロリジンまたはS−3−ヒド
ロキシピロリジンの鉱酸塩の水溶液が得られる。通常の
手段で分割剤を固液分離したのち、母液を濃縮し、アル
コールなどを加えれば、R−3−ヒドロキシピロリジン
またはS−3−ヒドロキシピロリジン鉱酸塩が析出し、
これを分離することができる。
【0022】本発明で分割剤として用いる光学活性酒石
酸アニリドは水に難溶性であり、ジアステレオマー塩溶
液から高収率で回収することができ、しかも回収の過程
で分解、ラセミ化することはほとんどない。
【0023】つまり、この分割剤は光学活性が保持され
ているので再使用して光学分割を行うことができる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0025】なお、実施例中3−ヒドロキシピロリジン
の光学純度(%ee)は、(R)−モッシャー試薬と反
応させたのち、ガスクロマトグラフィー(GC)により
分析を行った。
【0026】カラム:Thermon3000(5%)
/ChromosorbW(AW−DMCS) 温度:210℃ キャリヤー:N2 保持時間:S体−23.8分、R体−26.3分。
【0027】実施例1 3−ヒドロキシピロリジン10.45g(0.12モ
ル)、p−クロロ−D−酒石酸アニリド31.16g
(0.12モル)に水41.6gを加え、約50℃に加
熱して溶解したのち、ゆっくり冷却した。約10℃で3
0分間撹拌したのち、析出した結晶をろ別し、白色結晶
22.6gを得た。この結晶を水25gで再結晶してR
−3−ヒドロキシピロリジンのp−クロロ−D−酒石酸
アニリド塩14.7gを得た(塩収率71%)。
【0028】この結晶を水40g、濃塩酸4.72gの
混液に懸濁し、室温でよく撹拌すると結晶形が変化し、
p−クロロ−D−酒石酸アニリドの白色結晶が析出し
た。約1時間撹拌したのち濾過し、結晶を水洗して乾燥
し、10.7gのp−クロル−D−酒石酸アニリドを得
た(回収率98%)。次いで母液を濃縮して水を除去し
たのち、エタノール15mlを加えて析出してきた結晶
をろ別し、氷冷したエタノールで洗浄して、R−3−ヒ
ドロキシ−ピロリジン塩酸塩3.1gを得た(収率60
%、化学純度99%、光学純度99%ee)。
【0029】実施例2 3−ヒドロキシピロリジン3.5g(0.04モル)、
p−ニトロ−L−酒石酸アニリド10.8g(0.04
モル)に水29.7gを加え、約50℃に加温して溶解
したのち、ゆっくり冷却した。約20℃で30分間撹拌
したのち、析出した結晶をろ別し、S−3−ヒドロキシ
ピロリジン・p−ニトロ−L−酒石酸アニリド塩6.5
gを得た(収率91%、光学純度86.7%ee)。
【0030】実施例3 3−ヒドロキシピロリジン4.4g(0.05モル)、
p−クロロ−D−酒石酸アニリド10.4g(0.04
モル)、濃硫酸0.51g(0.005モル)に水1
0.2gを加え、約50℃に加温したのち、ゆっくり冷
却した。約20℃で30分間撹拌したのち、析出した結
晶をろ別し、R−3−ヒドロキシピロリジン・p−クロ
ロ−D−酒石酸アニリド塩5.9gを得た(収率68
%、光学純度85.8%ee)。
【0031】実施例4 3−ヒドロキシピロリジン4.4g(0.05モル)、
p−クロロ−D−酒石酸アニリド13.0g(0.05
モル)に水13.9gとエタノール3.5gの混合溶液
を加え、約50℃に加温して溶解したのち、ゆっくり冷
却した。約20℃で30分間撹拌したのち、析出した結
晶をろ別し、R−3−ヒドロキシピロリジン・p−クロ
ロ−D−酒石酸アニリド塩5.7gを得た(収率65
%、光学純度80%ee)。
【0032】
【発明の効果】(1) 本発明で使用する分割剤は、安価な
原料から高収率で得られるため、工業的に供給可能であ
る。 (2) 本発明で使用する分割剤は、化学的に非常に安定な
ため、ジアステレオマー塩溶液から極めて高収率でラセ
ミ化することなく回収することができるため、分割剤の
再使用が可能である。 (3) 本発明方法は、収率および光学純度においても優れ
ている。 (4) 従って、本発明によれば工業的に実用化可能な光学
活性3−ヒドロキシピロリジンの製造方法が提供でき
る。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−164066(JP,A) 特開 平4−108773(JP,A) 特開 昭61−7238(JP,A) 特開 昭60−48954(JP,A) 特開 昭51−54566(JP,A) 米国特許3452086(US,A) 岩村秀他著「大学院有機化学(下)」講 談社、昭和63年6月20日発行、661−70頁

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 RS−3−ヒドロキシピロリジンを下記
    一般式(I) 【化1】 (式中、Rは塩素原子またはニトロ基を示す。)で表さ
    れる光学活性酒石酸アニリドを分割剤として用いて光学
    分割することを特徴とする光学活性3−ヒドロキシピロ
    リジンの製法。
JP18896791A 1991-07-29 1991-07-29 光学活性3−ヒドロキシピロリジンの製法 Expired - Fee Related JPH07103099B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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岩村秀他著「大学院有機化学(下)」講談社、昭和63年6月20日発行、661−70頁

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