JPH071029A - 線材引出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】線材に不具合が発生しても常に伸線機をノーマ
ル停止させることで対処し、線材が断線し、伸線機が非
常停止することを防止できる装置を提供すること。 【構成】伸線機４への線材引出部６に配備され、少なく
とも、線材に発生した不具合を検出する装置、該不具合
検出装置７に連動して線材を切断８すると共に、同時に
前記伸線機を停止する装置及び伸線機停止まで先行線材
の切断端末を前記線材引出部に保持する貯線装置９から
なる線材引出装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は伸線機に付属する線材引
出装置、特に線材に発生する不具合に対処するための線
材引出装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の伸線機では、マザーワイヤ（原料
線材、以下単に線材という）を巻いた線材コイルから伸
線のための伸線機の一番ダイスまでの間の線材引出部に
は特別の線材引出装置は設けられておらず、かかる従来
の線材引出工程では、図２に示したように、伸線機４に
よって引き出される線材２は、線材コイル１からプーリ
ー３を経て伸線機４の一番ダイス５に達し、該一番ダイ
ス５により伸線されるという構成であった。

【０００３】また従来伸線機で改良された機種では、上
記図２に示した伸線機と同様に、引き出される線材２
は、線材コイル１からプーリー３を経て伸線機４の一番
ダイス５に達し、該一番ダイス５により伸線されるが、
図３に示したように上記線材引出部のプーリー３の上部
に不具合検出装置７を設けて線材に発生する不具合に対
処している。しかし下記するようにこの対処では不具合
の対処として十分でない。

【０００４】上記従来の伸線機では、線材コイルから引
き出される線材に不具合が生じると、伸線機の一番ダイ
スで線材の断線が起こり、伸線機は非常停止される。伸
線機は非常停止されると伸線機の各部に悪影響を及ぼす
他、伸線機の一番ダイス以降にも伸線された線材がなく
なる部分が生じるため、伸線処理を復帰させるためには
材料上も稼働時間上も大きなロスを生じる。

【０００５】ここで、線材に発生する不具合とは、線材
にモツレやキンクのような異常な状態が現れることを指
し、かがる不具合が線材に発生すると伸線機の一番ダイ
スで線材の断線が起こる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記した通り従来は、
線材の不具合による伸線機の非常停止とそれに伴う伸線
機の各部に与える損傷や材料上及び稼働時間上のロス発
生に対処するため、従来の伸線機の改良された機種では
その線材引出部、例えば図３の伸線機の線材引出部にあ
って線材の搬送を支持するプーリー３の上部、に不具合
検出装置７を設けて、線材に不具合が発生すると直ちに
それを検出して伸線機をノーマル停止して線材の断線を
防止している。

【０００７】しかしながら、伸線機の処理が高速の場合
や線材引出部が短い場合には、伸線機をノーマル停止し
たのでは線材の不具合箇所が一番ダイス以降にまで入
り、伸線機は非常停止を起こすので、やはり伸線機の各
部に悪影響を及ぼす他、伸線処理の復帰には材料上も稼
働時間上も大きなロスを生じる。

【０００８】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解決し、伸線に不具合が発生しても常に伸線機をノーマ
ル停止させることで対処し、線材が断線し、伸線機が非
常停止することを防止できる装置を提供することにあ
る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記課題は、伸線機の線
材引出部に本発明の線材引出装置を設置することによっ
て達成される。

【００１０】すなわち、伸線機への線材引出部に配備さ
れ、少なくとも、線材に発生した不具合を検出する装
置、該不具合検出装置に連動して線材を切断すると共
に、同時に前記伸線機を停止する装置及び伸線機停止ま
で先行線材の切断端末を前記線材引出部に保持する貯線
装置からなる線材引出装置である。

【００１１】本発明の骨子は、少なくとも、不具合検出
装置、線材の不具合箇所を切断する装置と線材貯線装置
を有する線材引出装置を伸線機の線材引出部に設けて、
それにより伸線機の非常停止をなくし、伸線機の各部に
及ぼす悪影響や材料上及び稼働時間上のロスを大幅に減
少させることにある。

【００１２】本発明の線材引出装置では、線材の不具合
箇所を検出装置が検出した時、直ちに切断装置が作動す
ることが必要である。そして、同時に伸線機をノーマル
停止させることが必要である。また、線材を畜えている
装置（貯線装置）の容量は、最高速度で稼働している伸
線機をノーマル停止させた時伸線機が停止するまで先行
線材の切断端末を線材引出部に保持するに必要な線材長
と伸線処理の復帰の段取りに必要な線材長を考慮した線
材貯線容量が必要である。

【００１３】さらに、本発明の線材引出装置は、適用す
る線材のサイズや材質によって制限を受けるものではな
く、いかなる線材をも切断でき、貯線できるように対処
可能である。

【００１４】（具体的態様）図１を用いて本発明の線材
引出装置の構成及び作用について具体的に説明する。た
だし、以下の具体例は本発明の線材引出装置の理解を深
めるためのものであり、本発明を制限するものではない
ことはいうまでもない。

【００１５】図１に示すように、線材コイル１から伸線
機４によって引き出された線材２は、プーリー３を経て
伸線機４の一番ダイス５に達する。途中プーリー３から
伸線機４の一番ダイス５に達するまでの間が伸線機の線
材引出部であり、この領域に線材引出装置６が設置され
る。

【００１６】すなわち、プーリー３の上部には不具合検
出装置７が設けられ、プーリー３に続く線材２の搬送経
路に線材貯線装置９が設けられ、不具合検出装置７と線
材貯線装置９の間に線材切断装置８が設置され、それら
の装置により線材引出装置６が構成されている。

【００１７】（作用）線材コイル１から引き出される線
材２に不具合が生じた時、この不具合により不具合検出
装置７が作動し、線材切断装置８が線材２を切断すると
同時に伸線機４をノーマル停止させる。伸線機４はノー
マル停止で停止するため、完全に停止するまでにある量
の線材２を引き出すが線材貯線装置９には予め引き出さ
れる量に対応する線材が蓄えられているため、線材の切
断箇所は一番ダイス５に達しない。従って線材に不具合
が生じても常に伸線機のノーマル停止で対処でき、伸線
機の非常停止を防止することができ、また伸線機の一番
ダイス５以降に切断された線材の端末が進行し、伸線機
の内部に線材がない部分を生じさせることはない。

【００１８】本発明の線材貯線装置としては種々の装置
が挙げられるが、例えば、図４に示した釜型回転体に線
材を蓄える釜型線材貯線装置１０及び図５に示したよう
な上下に溝付きプーリを多段に設け、その間に線材を掛
けたループ型線材貯線装置１１が例示できる。

【００１９】

【発明の効果】伸線機の線材引出部に本発明の線材引出
装置を設置することにより、線材コイルから引き出され
る線材に不具合が生じても伸線機をノーマル停止するこ
とで対処でき、伸線機で断線が生ぜず、伸線機の一番ダ
イス以降に線材の端末が進行し、伸線機の内部に線材が
ない部分を生じさせることはないので、伸線処理の復帰
は従来より著しく短時間に行え、また材料のロスも著し
く少なくなった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の線材引出装置の一例を示す説明図。

【図２】従来の線材引出装置の典型例を示す説明図。

【図３】従来の線材引出装置の改良機種の一例を示す説
明図。

【図４】本発明の線材引出装置に設ける釜型線材貯線装
置を示す説明図。

【図５】本発明の線材引出装置に設ける上下溝付きプー
リ型線材貯線装置を示す説明図。

【符号の説明】

１ 線材コイル ２ 線材 ３ プーリー ４ 伸線機 ５ 一番ダイス ６ 線材引出装置 ７ 不具合検出装置 ８ 線材切断装置 ９ 線材貯線装置 １０ 釜型線材貯線装置 １１ ループ型線材貯線装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】伸線機への線材引出部に配備され、少なく
   とも、線材に発生した不具合を検出する装置、該不具合
   検出装置に連動して線材を切断すると共に同時に前記伸
   線機を停止する装置及び伸線機停止まで先行線材の切断
   端末を前記線材引出部に保持する貯線装置からなること
   を特徴とする線材引出装置。