JPH07102886B2 - 物品移載装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は，物品，例えば牛乳，ジュース等の液体を包装
した箱状容器の如き物品を，間欠的に駆動されるＵ字状
のキャリアから連続的に駆動されるベルトコンベア上に
所望の姿勢で移載することを可能とする物品移載装置に
関する。

〔従来の技術〕

従来より，牛乳，ジュース等の流動性食品の包装に，
紙，プラスチック等を基材としたシート材で形成した箱
状容器が使用されており，この箱状容器による液体包装
装置として，両面に熱接着性の樹脂被覆を有する帯状シ
ート材を原反ロールから繰り出し，この帯状シート材を
長手方向に二つ折りし、長手方向に適当な間隔を開けて
横方向にシールし，次いでその帯状シート材を横方向に
切断して切り離すことにより，一端が開口した袋状容器
を形成し、その袋状容器を箱状に成形し，その後，その
容器をキャリアに保持させて間欠的に搬送しながら許容
器に内容物の充填，密閉を行う装置が知られている（特
開昭60−204424号，特開昭61−81905号参照）。

上記の装置において，容器への充填，密閉を行う位置を
通って容器を間欠的に搬送させるために使用するキャリ
アとしては，通常箱状容器とほぼ同寸法の箱状のものが
使用されている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかし，このような箱状のキャリアではキャリアへの容
器の挿入機構或いは箱状キャリアから容器を排出させる
機構が複雑になるという問題がある。これを解決するた
め,L字状部と逆Ｌ字状部を組み合わせてキャリアを構成
したものが上記特開昭60−204424号に提案されている
が，このキャリアでは構造が複雑になる。

本発明者はこの問題を解決するため，箱状のキャリアに
変えてＵ字状のキャリアを用いた液体包装装置を開発し
た。Ｕ字状のキャリアでは容器を排出するに際し，単に
キャリアから横方向に容器を押し出すのみで排出可能で
あり，排出位置のキャリアの横にベルトコンベアを配置
すれば，キャリアから容器を突き出してベルトコンベア
上に移載することができる。ところが,U字状のキャリア
には容器を直立状態で保持しているので，これを移動中
のベルトコンベアに突き出すと，容器がベルトコンベア
上で不規則に倒れ，ベルトコンベア上での姿勢が一定に
ならず，このベルトコンベアから次ぎの工程に移す際の
トラブルの原因になるという新たな問題点を生じた。

本発明はかかる問題点に鑑みて為されたもので,U字状の
キャリアに保持した箱状容器のような物品を，移動中の
ベルトコンベアに対して良好な姿勢で移載することの可
能な物品移載装置を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成すべくなされた本発明の物品移載装置
は，実施例にも示すように,U字状のキャリア25に直立状
態で保持した物品18を，排出位置（ステーションS12）
にあるキャリア25の近傍に配置されたベルトコンベア26
上に移載する装置であって，排出位置に停止したキャリ
ア25の横に配置された反転ホルダー31と，前記キャリア
の反転ホルダーとは反対側に配置され，キャリア上の物
品を前記反転ホルダーに押し出すプッシャー35と，反転
ホルダー31を，キャリア25からプッシャー35によって押
し出される物品18を受け取る直立位置と，水平な且つ前
記ベルトコンベアによる搬送方向に直角な軸線を中心と
して，前記直立位置からベルトコンベア26側に90度回転
した転倒位置とに回動させる駆動装置とを具備し，反転
ホルダー31は，直立状態においてキャリア25に面する側
を除いた３辺に側壁31A,31B,31Cを有すると共に，ベル
トコンベア26側の側壁31Cを低く且つ反転ホルダー31を
転倒位置とした時にベルトコンベア26に接触しないよう
に形成しており，反転ホルダー31が物品18を保持して直
立位置から転倒位置に回動した時，保持した物品を前記
ベルトコンベア上に寝かせた状態で移載させるように構
成されていることを特徴とするものである。

〔作用〕

上記構成の物品移載装置では,U字状のキャリア25が所定
の排出位置に停止すると，プッシャー35が作動してキャ
リア25上の物品18を隣接した直立状態の反転ホルダー31
上に押し出し，反転ホルダー31の３辺の側壁31A,31B,31
Cで囲まれた所定位置に送り込む。この物品18を受け取
った反転ホルダー31は，次に水平な且つベルトコンベア
26の搬送方向に対して直角な軸線を中心としてベルトコ
ンベア26側に90度回動して保持した物品18をベルトコン
ベア26上に移載する。この際，ベルトコンベア26側の側
壁31Cを低く且つベルトコンベア26に接触しないように
構成しているので，側壁31Cがベルトコンベア26への物
品18の移載に干渉することがなく，物品18は良好にベル
トコンベア26に移載される。かくして，物品18は移動中
のベルトコンベア26に対して，ベルトコンベア26の移動
方向に向けて且つ寝かせた状態で乗せられることにな
り，安定して次の工程にベルトコンベア26で搬送され
る。

〔実施例〕

以下，本発明の実施例を図面を参照して説明する。

第４図は本発明の一実施例による物品移載装置を備えた
液体包装装置を概略的に示す斜視図である。同図におい
て,1は紙を基材とし両面に熱可塑性樹脂被覆を有する帯
状シート材,2はその帯状シート材を巻取ってなる原反ロ
ール,3はガイドローラ,4はストロー穴あけ装置,5はプル
タブテープ貼り装置,6はプルタブテープの巻取,7は日付
印刷装置,8は罫線押し装置,9は帯状シート材を所定量ず
つ間欠的に搬送する第一定寸送り駆動ローラ,10は張力
調整用のダンサーローラ,11は殺菌灯,12は帯状シート材
を二つ折りするためのシートフォールディング装置,13
は二つ折りされた帯状シート材１を横方向にシールして
シール部分14を形成するシール装置,15は方向転換ロー
ラ,16は帯状シート材を所定量ずつ間欠的に搬送する第
二定寸送り駆動ローラ,17は帯状シート材の先端を袋状
容器18として切り離す切断装置である。

20は袋状容器18を拡開して箱状容器に成形するための成
形装置であり，袋状容器18を保持して開閉可能な一対の
爪からなるマンドレル21を放射状に備えた回転盤22と，
その周囲に配置された成形手段（図示せず）等を備えて
いる。24は箱状容器18を保持するＵ字状のキャリア25
を，その壁面が前後になるように無端状に連結してなる
容器搬送装置であり，矢印方向に間欠的に駆動される構
成となっている。S1〜S12はこの容器搬送装置24のキャ
リア25に保持した容器にそれぞれ所定の処理を施すステ
ーションを示すものであり，各ステーションにはそれぞ
れ所定の処理を施すための手段が設けられているが，図
示は省略している。26は排出用のベルトコンベアであ
り，本発明の実施例になる物品移載装置はステーション
S12に設けられ，キャリア25に保持した物品即ち容器18
をベルトコンベア26に移載するためのものである。その
詳細は後述する。

次に，上記液体包装装置全体の動作を説明する。第４図
において，原反ロール２から帯状シート材１が繰り出さ
れ，第一定寸送り駆動ローラ９によって間欠的に定寸送
りされる。その途中，帯状シート材１の停止中に各種の
加工が加えられる。即ち，まず，帯状シート材１にスト
ロー穴あけ装置４により帯状シート材１の内面側からス
トロー穴があけられ，そのストロー穴の外面にプルタブ
テープ貼り装置５によりプルタブテープが貼付けられ
る。プルタブテープを貼付けられた帯状シート材１はそ
の後，日付印刷装置７により日付が印刷され，罫線押し
装置８により罫線が形成される。この罫線は，箱状容器
に成形する際の折り目を形成するものである。

第一駆動ローラ９を通り過ぎた帯状シート材１は第二駆
動ローラ16により間欠的に定寸送りされる。この際，第
一駆動ローラ９による定寸送りと第二駆動ローラ16によ
る定寸送りは理論的には同一タイミングで行われるもの
であるが，実際には帯状シート材の伸び等により若干狂
う。しかし，両者の間にダンサーローラ10が介在してい
るので，このダンサーローラ10の上下動により両駆動ロ
ーラによる間欠送りの誤差が吸収される。ダンサーロー
ラ10を通り過ぎた帯状シート材１は，まず殺菌灯11によ
り内面側が殺菌され，ついでシートフォールディング装
置12により二つ折りされ，シール装置13により所定間隔
で横方向にシールされ，方向転換ローラ15により水平方
向に方向転換され，切断装置17によりシール部分14の中
央を切断されて切り離される。これにより，第5A図に示
すように，両端にシール部分18Aを有し，ストロー穴28
及びその上に貼付けられたプルタブテープ29を有する袋
状容器18が形成される。

次に，この袋状容器18は成形装置20のマンドレル21に被
せられ，マンドレル21と共に回転する間に拡開され，開
口部とは反対側の端部が平坦に成形され，次いで胴部が
矩形状に成形され，第5B図に示すように下端両側面に三
角フラップ18Bを形成した箱状容器18となる。なお、こ
の工程では下端の三角フラップ18Bは容器側面には接着
されていない。成形された箱状容器18はマンドレル21か
らステーションS1に位置するキャリア25に移される。こ
の際，箱状容器18は三角フラップ18Bを有する側面がＵ
字状キャリア25の両側の開放部に位置するようにキャリ
ア25に挿入される。

キャリア25に保持された箱状容器18はキャリア25に保持
されて間欠的に走行する間に，ステーションS2において
キャリア25に対する所定位置に押し込まれ，ステーショ
ンS3で内容物が充填され，ステーションS4で上部開口部
を閉じるための形状（第5C図参照）に成形され，即ち各
折り目に折りくせを付けられ，ステーションS5,S6で脱
気されると共に上部開口部がシールされ，第5D図に示す
ように，両側面の上下から横方向に延び出す三角フラッ
プ18B,18Cを有する形状となる。次いで，ステーションS
7,S8で上端が平坦に成形されると共に上下の三角フラッ
プが上方に折り曲げられ，ステーションS9で三角フラッ
プ内面及びそれに接合すべき容器外面の樹脂が加熱溶融
され，ステーションS10で各三角フラップが容器外面に
押付けられて接着され，ステーションS11で容器18の上
面及び両側面がプレスされて容器全体が第4E図に示す状
態に成形され，ステーションS12でベルトコンベア26上
に排出される。

排出コンベア26に乗せられた容器は後工程に送られ，包
装等の工程を経て製品化される。

前記したように前記液体包装装置のステーションS12に
本発明の実施例による物品移載装置が配置されている。
以下，その詳細を説明する。

第１図はステーションS12近傍を拡大して示す平面図，
第２図は第１図のII−II矢視断面図，第３図は第１図の
III−III矢視断面図である。同図において，物品移載装
置30は，ベルトコンベア26の一端の上方に，且つステー
ションS12に停止したキャリア25の横に位置する反転ホ
ルダー31を有する。この反転ホルダー31はベルトコンベ
ア26による搬送方向に直角な且つ水平な回転軸32に保持
されており，その軸線を中心に回動可能である。即ち，
この反転ホルダー31は，第３図から良くわかるように，
ステーションS12に停止しているキャリア25から容器18
を直立状態で受け取る直立位置と，その容器18を回転軸
32の中心軸線を中心として90度転倒させてベルトコンベ
ア26上に乗せる転倒位置とに回動可能である。更に反転
ホルダー31はキャリア25に面する側を除いた他の３辺に
側壁31A,31B,31Cを有し，キャリア25から送られる容器1
8を反転ホルダー31上の所定位置に位置決めすることが
できる構成としている。ただし，ベルトコンベア26側の
側壁31Cは，後述するように反転ホルダー31をベルトコ
ンベア26上に転倒させた時，保持した容器18がベルトコ
ンベア26上に良好に移動するよう，高さを低くし且つ中
間部分を抜いた構造としている。回転軸32には，その回
転軸32に90度の往復回転を与えて反転ホルダー31を回動
させる駆動装置（図示せず）が連結されている。更に，
物品移載装置30は，キャリア25の反転ホルダー31とは反
対側に設置されたプッシャー35を有している。このプッ
シャー35は容器18の側面に接触する押圧板36と該押圧板
36を水平に往復動させるエアシリンダ37からなってい
る。なお,38はベルトコンベア26の両側に配置されたガ
イド板である。

次に，上記構成の物品移載装置30による容器移載動作を
説明する。前記したようにキャリア25は間欠的に走行し
ている。一方，ベルトコンベア26は常時一定速度で移動
している。反転ホルダー31は第２図，第３図に実線で示
すように直立位置で待機している。キャリア25が容器18
を搬送してステーションS12に到達し，その位置で停止
すると，プッシャー35が作動して押圧板36が前進し，容
器側面を押して容器18をキャリア25から直立位置にある
反転ホルダー31に送り出す。次に，反転ホルダー31が図
示位置から90度回動して保持した容器18をベルトコンベ
ア26上に寝かせた状態で乗せる。これにより，容器18は
ベルトコンベア26上に寝かせた状態で乗せられ，次の工
程に搬送される。ここで，キャリア25からの容器18を一
旦反転ホルダー31で受け,90度転倒させてベルトコンベ
ア26上に乗せているので，停止中のキャリア25から容器
を移動中のベルトコンベア26上に乗せても，容器18がベ
ルトコンベア26の進行方向に対して傾斜することがな
く，常に進行法を浮いた正しい姿勢でベルトコンベア26
上に乗せられる。このため，容器18をベルトコンベア26
から次のコンベアに移し変える際のトラブルが回避され
る。

なお，上記実施例は本発明を，紙を基材とする帯状シー
ト材から，箱状容器を製造し，その容器に液体を充填，
密閉する液体包装装置に適用した場合のものであるが，
本発明はこの場合に限らず，任意の物品をＵ字状のキャ
リアからベルトコンベアに移載する場合に適用可能であ
ることは言うまでもない。

〔発明の効果〕

以上に説明したように，本発明の物品移載装置は,U字状
のキャリアに直立状態で保持された物品を，プッシャー
によって，直立位置にある反転ホルダーに移動させ，次
いでその反転ホルダーを90度転倒させることにより，そ
の物品をベルトコンベア上に所定の方向を向けて寝かせ
て乗せることができるという効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は第４図に示す液体包装装置に設けた本発明の実
施例になる物品移載装置を示す平面図，第２図，第３図
はそれぞれ第１図のII−II矢視断面図,III−III矢視断
面図，第４図は前記物品移載装置を備えた液体包装装置
を示す概略斜視図，第5A図〜第5E図は上記液体包装装置
によって製造される容器の途中の状態及び最終状態を示
す斜視図である。 18……箱状容器 25……Ｕ字状キャリア、26……ベルトコンベア 30……容器移載装置、31……反転ホルダー 32……回転軸、35……プッシャー 36……押圧板、37……エアシリンダ

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−204424（ＪＰ，Ａ) 実開 昭61−203623（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭51−48154（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−83324（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭47−4663（ＪＰ，Ｂ１) 特公 昭52−7645（ＪＰ，Ｂ１) 特公 昭52−16617（ＪＰ，Ｂ２) 実公 昭53−8011（ＪＰ，Ｙ２) 実公 昭56−14267（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】Ｕ字状のキャリア（25）に直立状態で保持
   した物品（18）を，排出位置（S12）にあるキャリア（2
   5）の近傍に配置されたベルトコンベア（26）上に移載
   する装置であって，排出位置に停止したキャリア（25）
   の横に配置された反転ホルダー（31）と，前記キャリア
   の反転ホルダーとは反対側に配置され，キャリア上の物
   品を前記反転ホルダーに押し出すプッシャー（35）と，
   前記反転ホルダー（31）を，前記キャリア（25）から前
   記プッシャー（35）によって押し出される物品（18）を
   受け取る直立位置と，水平な且つ前記ベルトコンベアに
   よる搬送方向に直角な軸線を中心として，前記直立位置
   から前記ベルトコンベア（26）側に90度回転した転倒位
   置とに回動される駆動装置とを具備し，前記反転ホルダ
   ー（31）は，直立状態において前記キャリア（25）に面
   する側を除いた３辺に側壁（31A,31B,31C）を有すると
   共に，ベルトコンベア（26）側の側壁（31C）を低く且
   つ反転ホルダー（31）を転倒位置とした時にベルトコン
   ベア（26）に接触しないように形成しており，該反転ホ
   ルダー（31）が物品（18）を保持して直立位置から転倒
   位置に回動した時，保持した物品を前記ベルトコンベア
   上に寝かせた状態で移載させるように構成されているこ
   とを特徴とする物品移載装置。