JPH07102487A - 寸法安定性を有する防水材用補強布及びその製品 - Google Patents

寸法安定性を有する防水材用補強布及びその製品

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JPH07102487A
JPH07102487A JP26948293A JP26948293A JPH07102487A JP H07102487 A JPH07102487 A JP H07102487A JP 26948293 A JP26948293 A JP 26948293A JP 26948293 A JP26948293 A JP 26948293A JP H07102487 A JPH07102487 A JP H07102487A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 寸法安定性を有する防水層が形成可能なアス
ファルトルーフィング等の防水材料の補強布用不織布を
提供する。 【構成】 芯成分の繊維断面直径が25μm以上のポリ
エステルよりなり、鞘成分が熱可塑性重合体よりなる芯
鞘型複合繊維フィラメントで構成される不織布の鞘成分
を構成する熱可塑性重合体で接着された不織布におい
て、該不織布の幅方向で切断した断面における不織布構
成繊維の切断断面形態の幅方向に対する厚さ方向の繊維
直径比率が80〜120%の繊維を60%以上包含する
ように、不織布構成繊維を縦方向に配列せしめた寸法安
定性を有する防水材用補強布、該防水材用補強布に更に
接着成分としてポリオレフィン又はポリエステル共重合
体からなるフィラメントを混繊又は積層等により複合し
た寸法安定性を有する防水材用補強布及びこれらの防水
材用補強布を用いてなる製品に構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アスファルトルーフィ
ング等の防水材用補強布に関し、特に、不織布の長手方
向に繊維を配列することで、含浸加工時に歪が少なく寸
法安定性の優秀で寸法の経時変化の少ないアスファルト
ルーフィング用補強不織布並びに該補強布を用いて得た
強靱且つ安定な製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、強靱な防水層を形成せしめるため
に、長繊維不織布を補強布として用いたアスファルトル
ーフィングを用いた防水層施工が有効であることが見出
され、この目的を達成できるアスファルトルーフィング
の補強布長繊維不織布として、例えばポリヴィニールア
ルコール(ヴィニロン)よりなる長繊維不織布や、特開
昭60−71778号公報に記載されるポリエステルフ
ィラメントより構成されるスパンボンド不織布が開発さ
れ実用化され、それぞれ高い評価を得た商品の地位を築
いて居るが、前者においては、吸湿の影響があること及
び高いモジュラスで高強力であるが若干強靱性に欠ける
こと、後者においては、優れた強靱性を有するが加熱時
の引張り弾性率が若干低く、アスファルトルーフィング
製造時の伸長変形による加工歪発生を伴う場合もあり、
その改善が望まれ、この目的達成のために、例えば特公
昭62−49398号公報に示されるように、熱硬化性
接着剤で接着した直交配列組織のポリエステルスパンボ
ンド不織布が開発され問題点解決に大きな効果をあげて
いる。
【0003】しかしながら、特公昭62−49398号
公報に示される補強布においても、接着を熱硬化性接着
剤で行うことに基づく問題点、即ち、熱アスファルト含
浸時に熱硬化性接着材樹脂の分解による異臭発生や、接
着剤の使用は、接着による不織布の物性付与に不可欠で
あるが、不織布のアスファルトルーフィングに対する補
強効果(アスファルトルーフィングの強力と引張り弾性
率の向上)は、不織布構成繊維量に依存し、基布目付け
に依存しないために、接着を不織布構成繊維自身にて行
わしめた(例えば接着能をも有する芯鞘型複合繊維で不
織布を構成させ接着をも行わしめる)不織布に比して、
非効率であり臭気発生解消と共に改善工夫が必要であっ
た。又、熱硬化性接着剤を用いているため、原料へのリ
サイクルができない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アスファル
トルーフィング等の防水材料の補強布用不織布の引張り
強力や引張り弾性率(モジュラス)、特に加熱時の縦方
向引張り弾性率を改善し、アスファルトルーフィング製
造工程における加工張力による伸長幅入りに基づき付与
される加工歪生起を防止し、アスファルトルーフィング
の高速製造条件に耐え優れた生産性を有し、且つ該加工
歪解放に基因する寸法不安定の要因が除去された寸法安
定性を有する防水層が形成可能なアスファルトルーフィ
ング等の防水材料の補強布用不織布を提供するものであ
る。
【0005】又、従来補強用不織布において、アスファ
ルト含浸時の寸法安定性改善のための常套手段として使
用されていた、熱硬化製樹脂の分解に基づく異臭発生も
解消せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の構成要
件、即ち、 芯成分の繊維断面直径が25μm以上の ポリエステルよりなり、 鞘成分が熱可塑性重合体よりなる 芯鞘形複合繊維フィラメントにて構成される不織布
の、 鞘成分を構成する熱可塑性重合体で接着された不織布
において、 該不織布の幅方向で切断した断面における不織布構成
繊維の切断断面形態の、幅方向に対する厚さ方向の繊維
直径比率が80〜120%の繊維を60%以上包含する
ように、不織布構成繊維を縦方向に配列せしめた不織
布。 前記不織布の不織布構成繊維間の接着を補助するため
に、不織布を構成する芯鞘形複合繊維フィラメントに加
え、接着成分としてポリオレフィン又はポリエステル共
重合体からなるフィラメントを、混繊又は積層等により
複合せしめた不織布。 または前記不織布を用いてなる製品 より構成され、従来技術で達成し得なかった解決すべき
問題点を、各構成要件のもたらす手段、効果により解決
するものである。
【0007】即ち、本発明においては、強靱で寸法安定
性を有する防水層を与え、高生産性のアスファルトルー
フィング等を得るために、補強布用不織布の引張り強力
や引張り弾性率(モジュラス)、特に、アスファルト含
浸時の加熱時の縦方向引張り弾性率を改善する手段とし
て、 a.優秀な繊維物性と、特に高温時の優秀な引張りモジ
ュラスを付与するため、不織布構成繊維の主体成分とし
て要件項に規定するポリエステルを芯成分として用
い、 b.アスファルトルーフィングにおける補強用不織布の
補強能が不織布目付けに依存せず、不織布構成繊維量に
依存することに着目し、要件、に規定するように熱
融着可能な芯鞘型複合繊維を用いて不織布を構成させ、
接着成分用熱可塑性樹脂にも単に接着剤として機能せし
めるのみならず、繊維物性を担う成分として機能させ、
不織布物性に寄与させながら、要件に規定するとおり
鞘成分を構成する熱可塑性重合体で、不織布構成繊維交
点間を接着させ長繊維不織布を構成させること、 c.更に、縦方向の高い強力と高い引張りモジュラスを
確保する決定手段として要件に規定するように、不織
布の幅方向で切断した断面における不織布構成繊維の切
断断面形態が、幅方向に対する厚さ方向の繊維直径比率
が80〜120%を示すものを60%以上包含するよう
に不織布構成繊維を縦方向に配列せしめ、不織布構成繊
維の繊維物性を最も効率よく不織布物性に寄与せしめる
組織形態となした直行配列状態の不織布を構成させるこ
と、により目的を達成するものである。
【0008】このようなアスファルトルーフィング等防
水材料の補強用不織布の強力及び引張りモジュラス、特
に縦方向の引張りモジュラス改善のためには、前記の特
公昭62−49398号公報に示すように、不織布構成
組織を直交配列組織となすことにより、従来の技術で得
ることができない高レベルの強力と引張りモジュラスを
有する補強用不織布を得ることができるが、この技術の
開発時点においては、高度の繊維配列の直行性による直
交配列組織を実現させ、不織布構成繊維物性の不織布物
性に対する寄与率の向上を追求し、所定の縦横バランス
をもたらしめるために縦横配列成分の構成比を設定し、
縦横物性バランスを有する不織布製造技術を開発したの
であり、その実施に際しては、特公昭62−49398
号公報に示すように高速揺動法による不織布構成繊維直
行配列手段を適用して配列させ、その折り返し部分にお
いて大きなループを描き繊維配列効果を低下しないよう
配慮し高度の配列を実現したのであるが、本発明におい
ては、特に高度の直行性を追求せず揺動直行配列条件を
緩和し、直行配列繊維の折り返し部分においても不織布
構成繊維は緩やかなループを描くようにし、より容易な
実施条件下での製造ができ、その代わりに不織布構成繊
維の全てを縦方向に直行配列させるように揺動せしめ、
横方向配列分を設けずにループを画く繊維成分と接着強
化により、横方向に必要な物性を確保し、縦方向物性の
優秀な不織布を製造する技術を開発したのである。
【0009】不織布構成繊維の直径(デニール)を所定
値以上に大きくすればループの曲率が大きくなり、横方
向の物性も要求を満たすことが可能であることにより、
縦横物性比(縦横引張りモジュラス比)が2/1近辺の
場合、構成要件、項記載のように、不織布構成複合
繊維の芯成分の繊維断面直径を25μm以上(25〜4
0μmが好適である)のポリエステルとすることによ
り、不織布構成繊維の配列状態は構成要件を満たす状
態となり、目標物性を有する補強布を得ることができ、
アスファルトルーフィング製造時に、高速で加工しても
加工張力による伸長幅収縮が生ぜず、寸法安定性の高い
防水層を形成可能な防水層補強用不織布を製造すること
ができる。
【0010】更に、防水層補強布における適度のかさ密
度と含浸性の保持は、アスファルトルーフィング製造時
に、補強布内へのアスファルトルーフィングの良好な含
浸性による製造の高効率化のための必然性と共に、単に
補強布上にアスファルト等防水剤がコートされた積層、
貼合わせ構造の防水膜を形成するのではなく、防水膜が
補強布内にアスファルトを均等に包含したマトリックス
構造を示す理想的な補強複合体になすために必須の性能
であり、構成要件によりこの要求が達成させられる。
【0011】
【作用】本発明の補強用不織布は、高強力、高引張り弾
性率を有する長繊維不織布を得るために、トウ開繊法な
どの公知の長繊維不織布製造法の適用も可能であるが、
生産性よりスパンボンド不織布製造法の適用が好適であ
り、目的とする直行配列組織不織布を製造するために、
スパンボンド不織布製造法の適用に際しては、例えば、
特公昭62−49398号公報に開示したプロセスの応
用などが好適である。
【0012】本発明において、不織布を構成する芯鞘型
複合繊維は、公知の複合合成繊維紡糸法を適用して製造
すればよく特別の設備並びにプロセスを必要としない。
【0013】即ち、芯形成成分ポリマー及び鞘形成成分
ポリマーをそれぞれ別個の押出機から押出し、ギヤポン
プを介し所定の芯鞘比率で(芯/鞘構成比=9/1〜4
/6)複合紡糸用ノズルに供給し押出して複合繊維を紡
糸する。
【0014】又、本発明においては、不織布の要求機能
が高引張りモジュラスであること、その要求達成のため
組織構造を有効な直行配列組織になすこと、更にその直
行性が高ければ高い程高い効果が得られることより、対
象とする芯鞘型複合フィラメントは、捲縮を発生しない
同心円タイプの芯鞘型複合フィラメントがより望ましい
が、同心円タイプに限定するものではない。
【0015】トウ開繊法等に基づく長繊維不織布製造法
の適用の際には、常法通り、紡糸延伸し複合繊維フィラ
メントのトウを製造し、長繊維不織布製造工程にかけて
直行配列組織形態を実現できる製造条件を選定し不織布
を製造すればよい。
【0016】スパンボンド法を適用する場合は、特公昭
62−49398号公報に開示の方法などを適用し、紡
糸工程下で直ちに直行配列組織の不織布を製造すればよ
い。
【0017】本発明において、最も好適なスパンボンド
法の適用の際のプロセスを例示すると、特公昭62−4
9398号公報に開示の方法の縦配列成分のみで構成す
る製造プロセスの適用が有効で、複合紡糸ノズルより押
し出されるフィラメント帯列を、数本のフィードローラ
とドローローラにベルト状にかけ、所定速度で牽引し所
定延伸倍率に延伸し、必要ならば静電開繊を行い、細い
スリットを有するエアージェット装置により吸引し引き
取り、その下部に設置された傾斜角可変の偏向揺動板に
向かって噴射させ、この偏向揺動板をその下方に設けら
れている捕集コンベアー装置の進行方向と平行方向に前
後に揺動させ、この揺動運動により、エアジェット装置
からエアと共に噴出する紡出フィラメントを、捕集コン
ベアー装置の進行方向と平行に揺動させながら折り返し
構造状に積層捕集し縦配列不織布を製造する。
【0018】なお、上記の紡出フィラメント糸条帯の折
り返し構造の積層捕集法は、例示した特公昭62−49
398号公報に開示の偏向揺動板法のほか、特公昭45
−19427号公報に記載されるように、牽引用エアジ
ェット装置出口部に、紡出糸を伴う噴出流の進行飛翔方
向を偏向し揺動せしめるため、交互に気流を噴出させる
偏向揺動ジェットプレナムを設けた偏向装置を有するエ
アジェットを適用するなど、公知の何れの方法を採用す
ることも可能である。
【0019】又、本発明の規定する条件(物性)を満足
するに望ましい直行状態を保持する紡出フィラメント糸
条の折り返し積層構造体の製造のために必要な揺動条件
としては、折り返し周期(L)を50cm以上とするこ
と、又直行性保持(付与)のために必要な基本条件とし
ては、紡出糸条の紡出速度をVfとし、揺動周期をNと
したとき、N≒Vf/2Lとすることにより希望する直
行性を保持した積層構造体を得ることができる。
【0020】本発明においては、不織布構成繊維の交点
において不織布を構成する芯鞘型複合繊維の鞘成分の融
着により接着を行い強靱な不織布を製造するのである
が、高強力の不織布を得るためには、接着を完全に行う
ことが極めて重要であり、このようなことにより、縦方
向の高い強力と高い引張りモジュラス等の物性の確保の
みならず、本発明に規定する縦方向のみに配列させた直
行組織の不織布においても強固な接着を行えば、不織布
構成繊維が折り返し部でループを画き、隣接繊維間同士
の交差点での接着により横方向にも充分高い物性が確保
できる。
【0021】本発明においては、一般にカレンダー装置
による接着やエンボスカレンダーによる接着でもよい
が、なお充分且つ完全な接着を行うには、熱シリンダー
あるいは多孔性熱ドラム等にネット又はブランケット等
で、被接着体、即ち不織布を挾み込み圧着して熱接着す
る方法が好適であり、特にネットーサクションドラムの
組合せの熱接着装置において、熱風等の熱媒体を貫通循
環させ被着体を加熱する方法は熱効率もよく効果的であ
り、このような方式の採用により、不織布の熱セットも
同時に行うことができ、寸法安定性の高い製品を得るこ
とができ、本発明の製品製造のために最適である。
【0022】又、本発明における芯鞘型複合繊維の鞘成
分ポリマー、即ち接着成分ポリマーは、200〜230
℃の熱アスファルトに含浸時に溶融軟化流動しない性能
を備えるものが必要であり、且つ芯成分ポリマーである
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン/イソフタ
レート(イソフタレート変性高融点ポリエステル)、ポ
リブチレンテレフタレートと、接着性がよく熱アスファ
ルト含浸に耐え得る融点、熱特性(加熱時弾性率、流動
特性等)を有するコポリエステル(共重合物又はブレン
ド物)や、熱アスファルトの温度以上の融点を有し、芯
成分ポリマーより低い融点を有するポリブチレンテレフ
タレート等の結晶性ポリエステル等や、これら結晶性ポ
リエステルとコポリエステルのブレンド物又は共重合物
が、芯ポリマーとの組合せの適合性及び熱アスファルト
含浸加工温度などを考慮して選定し使用される。
【0023】熱アスファルト含浸条件を考慮し、可能な
限り低融点のコポリマーを接着成分として用いることは
サーマルボンディング条件が緩やかになり容易である
が、反面熱セットが行いにくく、寸法安定性上の問題点
を包含する可能性がある。これに対し、ポリブチレンテ
レフタレート等の結晶性ポリエステルを接着成分として
採用すると、熱セットが行い易く寸法安定性の優れた製
品を得ることができるが、熱接着条件が厳しくなる難点
がある。この解決策として、ポリブチレンテレフタレー
ト等結晶性ポリエステルにコポリエステルを少量ブレン
ドする方法は、熱セット性を損なわず、接着温度も低下
でき極めて効果的であり推奨できる。
【0024】接着工程での生産性の向上と接着プロセス
並びに接着設備機構を容易にするために、前記の不織布
を構成する芯鞘構造複合繊維の他に、接着がより容易な
接着補助用のフィラメントを形成するポリオレフィン又
はポリエステル共重合体を、該不織布製造装置における
同一ノズル内の主体不織布構成繊維吐出用オリフィスに
対し、ランダム配置又は分離された列状配置に穿設され
た接着補助繊維吐出用オリフィスから押出し、前記のよ
うな不織布製造装置における同じ牽引用ジェット装置に
より牽引、移送し捕集することにより、前記接着補助用
フィラメントがランダムに混繊又は積層状に配置された
直行配列状不織布を形成し、より容易に高生産性で不織
布を製造することができる。
【0025】なお、必要に応じて、前記接着補助用フィ
ラメントは不織布構成主体繊維紡出ノズルに対して、平
行位置に配置した専用ノズルから紡出し、不織布構成主
体繊維牽引用のジェット装置で合わせて牽引、移送し捕
集することにより、このような接着補助用フィラメント
が積層状に配置された直行配列状不織布を得ることが可
能であるし、専用の牽引用ジェット装置を用いて牽引、
移送し捕集し、接着補助用フィラメントが積層状に配置
された直行配列状不織布を得ることができる。
【0026】
【実施例】以下本発明の具体的実施例を挙げて説明す
る。芯成分構成ポリマーとして、極限粘度0.63のポ
リエチレンテレフタレートを、鞘成分構成ポリマーとし
て、極限粘度0.63のポリエチレン・ブチレン・イソ
フタレート・テレフタレート共重合体(ブチレン含有率
50モル%、イソフタレート含有率15モル%)をそれ
ぞれの押出し機に供給し、300個のオリフィス(直径
0.5mm、長さ1.5mm)を有する芯鞘構造複合繊
維紡糸用ノズルから押出し量1.33g/hole,m
in、温度280℃で押出し、4本のフィードロール
(後3本は85℃に加熱)と4本のドローロール(表面
速度1000m/min)にベルト掛け状にかけ、5倍
に延伸し単糸直径30μmのフィラメントを得た。この
フィラメントをエアジェットで吸引し引き取り、該エア
ジェット下部に設置し、捕集コンベアー進行方向に揺動
させている(揺動周期650サイクル/分)揺動板に向
けて噴出させ、捕集コンベアー上に振り落し積層捕集し
(折り返し長さ70cm)、ネットで挾み込んだ状態で
熱風を貫通させ、280℃で3秒、250℃で6秒接着
処理し120g/m2 の不織布を得た。
【0027】実施例1、実施例2は、単孔吐出量の変更
により繊維直径を30μm,35μmと変化させ、同じ
揺動条件でサンプリングした試料である。
【0028】実施例1、実施例2において、不織布構成
繊維の直行配列度を示す指標、即ち、幅方向に対する厚
さ方向の繊維直径比が80〜120%を示すものの含有
率が70%、62%と異なるのは、単繊維直径変化によ
る曲げ剛性変化により紡出フィラメント帯の積層捕集に
おけるフィラメント帯折り返し部の曲率が変化し、配列
度に差異が発生したことによるものと考えられる。
【0029】実施例1、実施例2は、単孔吐出量の変更
により繊維直径を30μm,35μmと変化させ、同じ
揺動条件でサンプリングした試料である。
【0030】実施例3において、接着成分として、極限
粘度0.63のポリエチレン・イソフタレート・テレフ
タレート共重合体(イソフタレート含有率20モル%、
テレフタレート含有率80モル%、融点215℃)を押
出し機に供給し、300個のオリフィス(直径0.5m
m、長さ1.5mm)を有するノズルの中で30個を接
着成分用ノズルとして均等に分布させて、押出し量1.
33g/hole,minで押し出すとともに、芯成分
構成ポリマーとして、極限粘度0.63のポリエチレン
テレフタレートを、鞘成分構成ポリマーとして、極限粘
度0.63のポリエチレン・ブチレン・イソフタレート
・テレフタレート共重合体(ブチレン含有率50モル
%、イソフタレート含有率15モル%)をそれぞれの押
出し機に供給し、270個のオリフィス(直径0.5m
m、長さ1.5mm)を有する芯鞘構造複合繊維紡糸用
ノズルから押出し量1.33g/hole,minで押
し出し、芯鞘構造複合繊維と接着成分繊維との比率を9
0:10重量%の割合で、4本のフィードロール(後3
本は85℃に加熱)と4本のドローロール(表面速度1
000m/min)にベルト掛け状にかけ、5倍に延伸
し単糸直径30μmのフィラメントを得た。このフィラ
メントをエアジェットで吸引し引き取り、ガイエアジェ
ット下部に設置し、捕集コンベアー進行方向に揺動させ
ている(揺動周期650サイクル/分)揺動板に向けて
噴出させ、捕集コンベアー上に振り落し積層捕集し(折
り返し長さ70cm)、ネットで挾み込んだ状態で熱風
を貫通させ、第1段階として240℃で3秒間予備接着
し、次いで280℃で5秒間接着処理し120g/m2
の不織布を得た。
【0031】第3実施例の接着補助用繊維を混繊又は積
層した場合、接着条件選定の任意性の増大とマイルド化
が可能になり、生産性が向上した。
【0032】比較例1は、熱硬化性接着剤で接着した細
い単繊維径のランダムループ配列組織の実施例1、2と
同一の目付の補強用スパンボンド不織布の例を示し、比
較例2は、実施例1、2と同一の目付を有し、実施例1
と同一の繊維径を有する芯鞘型複合繊維よりなる不織布
を、特公昭62−49398号公報に記載の方法を参考
とし、縦配列度指標40%となるように作製した直交配
列組織のスパンボンド不織布の例を示した。
【0033】これら試作品の(実施例、比較例試料の)
特性値を表1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】表1に示されるデータより明らかなよう
に、実施例1、実施例2、実施例3の結果は、直行配列
組織とし、芯鞘型複合繊維の鞘成分ポリマーにより強固
な自己接着を行うことにより、また接着成分ポリマーに
より補助接着を行うことにより、本発明のように、同一
目付の比較例に比し充分高い縦方向の引張りモジュラス
が確保でき、アスファルト含浸工程における加工張力に
よる伸長幅入り(寸法変化)が少なく、加工歪の少ない
寸法安定性の高いアスファルトルーフィングが得られる
ことを示した。
【0036】更に、実施例1、実施例2、実施例3の結
果は、横方向配列を除外し縦方向配列のみを行わしめた
直行配列組織の不織布であるにも拘らず、引張りモジュ
ラスの縦/横比が、比較例2の商品設計値のように3/
2のように(或いは3/2〜2/3のように)バランス
の取れたものが要求されず、2/1近傍のものであれ
ば、横方向配列成分を付与しなくても、充分目的にかな
う物性を効率よく付与することができることを示した。
【0037】又、不織布構成繊維直径を太くしたため、
アスファルトの含浸状態も極めて良好であることが確認
された。
【0038】なお、本実施例における性状、物性測定評
価は下記のように行った。 5%伸長時応力(本物性値で引張りモジュラスに代行
させる) サンプルサイズ5cm(幅)×20cm(長さ)の試料
をチャック幅5cmつかみ間隔10cmで把持し、定速
伸長型引張り試験機を用いて伸長し、得られる応力−歪
曲線から5%伸長に要する応力を算定した。 アスファルト含浸時幅入り量 アスファルトルーフィング実生産機において、補強用不
織布を200℃のアスファルト浴中を加工速度100m
/minの加工速度で走行させ、巻取り機直前において
製品幅を測定しアスファルト含浸時幅入り量を算定し
た。 不織布構成繊維配列度指標 不織布を幅方向に切断し、その切断面を走査顕微鏡写真
(100倍)にとり、シート構成繊維個々の断面のシー
トの厚み方向の直径(Y)と厚み方向と垂直をなす方向
の直径(X)を測定し、その直径比(Y/X)を算出
し、直径比(Y/X)が80〜120の切断面をしめし
た繊維の本数を測定総本数で割り、結果を百分率に表示
した。本発明の条件にかなうこの指標(百分率表示)
は、60%以上である。 防水層の寸法安定性(施工後の長手方向収縮) 年間平均気温18℃の屋外に20mの長さの被試験体防
水膜(アスファルトルーフィング)を施工し、1年間放
置碁長手方向収縮量を測定し、2cm以上収縮したもの
を収縮ありと表示した。
【0039】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているため、以下に記載する効果を有する。
【0040】本発明のアスファルトルーフィング等補強
用不織布は構成繊維が直行配列され、不織布構成繊維の
鞘成分で不織布構成繊維交点間が強固に自己接着されて
いるため、アスファルトルーフィング等製造工程におけ
る加工張力による伸長幅入りに対する抵抗が大きく、加
工歪を受けにくく高速で加工可能であり、高生産性で寸
法安定性の高く残存歪の少ないアスファルトルーフィン
グ等補強用不織布を形成できる。
【0041】又、アスファルトルーフィング等補強用不
織布を防水剤内に包含したマトリックス構造を有する複
合材料(補強複合体)においては、接着剤としても機能
することができる芯鞘型複合繊維により不織布を構成さ
せ、その鞘成分で強固な接着を行わしめることにより、
従来のように接着剤により接着した補強用不織布に比し
て、同一目付けで高い補強能を有する補強布を得ること
ができる。
【0042】更に、不織布構成の芯成分の繊維断面直径
を25μm以上のポリエステルとしたので、マトリック
ス構造を有する複合材料形態を保持させることができ、
アスファルトルーフィング等の製造時にアスファルト等
防水剤の含浸を、高速加工条件下においても行うことが
でき、嵩高性の保持と含浸性保持がなされ、高生産性で
理想的マトリックス構造の不織布を得ることができた。
【0043】又、この不織布構成繊維直径の選択は、構
成繊維を直行配列させ、特に横方向配列成分を配分せず
に不織布に所要の横方向物性を付与せしめるため、不織
布構成繊維糸条帯が、積層構造における糸条帯の折り返
し部において、望ましいループを画き沈積するためにも
極めて効果があった。
【0044】本発明においては、接着剤として熱硬化性
接着剤を使用しないため、不織布製造時、並びにアスフ
ァルトルーフィング等の製造工程で、熱硬化性接着剤の
分解による異臭が発生せず、作業環境が著しく改善され
る。
【0045】更に、不織布を構成する芯鞘型複合フィラ
メントの他に、接着補助用繊維を混繊状態又は積層状態
で付加し、不織布を形成させることにより、接着プロセ
スの簡易化と高生産性がもたらされる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芯成分の繊維断面直径が25μm以上のポ
    リエステルよりなり、鞘成分が熱可塑性重合体よりなる
    芯鞘型複合繊維フィラメントで構成される不織布の鞘成
    分を構成する熱可塑性重合体で接着された不織布におい
    て、該不織布の幅方向で切断した断面における不織布構
    成繊維の切断断面形態の幅方向に対する厚さ方向の繊維
    直径比率が80〜120%の繊維を60%以上包含する
    ように、不織布構成繊維を縦方向に配列せしめたことを
    特徴とする寸法安定性を有する防水材用補強布。
  2. 【請求項2】請求項1記載の防水材用補強布に、更に接
    着成分としてポリオレフィン又はポリエステル共重合体
    からなるフィラメントを混繊又は積層等により複合した
    ことを特徴とする寸法安定性を有する防水材用補強布。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2に記載の防水材用補
    強布を用いてなる製品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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