JPH07102193B2 - 金属製魔法瓶とその製造方法 - Google Patents

金属製魔法瓶とその製造方法

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JPH07102193B2
JPH07102193B2 JP13870986A JP13870986A JPH07102193B2 JP H07102193 B2 JPH07102193 B2 JP H07102193B2 JP 13870986 A JP13870986 A JP 13870986A JP 13870986 A JP13870986 A JP 13870986A JP H07102193 B2 JPH07102193 B2 JP H07102193B2
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章司 樋田
義典 新井
康弘 古和
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日本酸素株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、瓶本体が金属製の内瓶および外瓶により真空
二重構造をなす金属製魔法瓶とその製造方法に関するも
ので、詳しくは、内瓶および外瓶の胴部横断面形状を楕
円形あるいは四角形など、真円形以外の所望の形状に形
成した金属魔法瓶とその製造方法に関するものである。
「従来の技術」 一般に、魔法瓶は円筒体であるのが普通であるが、携帯
に便利な薄型形状、例えば断面形状が楕円形とか角型形
状とかの魔法瓶の出現が望まれている。
しかしながら、このような金属製魔法瓶の製造にあたつ
ては、その型取り、組み立て接合が困難で、満足し得る
製品が得られないのが実情である。
例えば、第7図(A),(B)に示すように内瓶Xおよ
び外瓶Yの横断面がそれぞれ真円形である普通の金属製
魔法瓶では、内瓶Xは、予め横断面が円形の内瓶胴部1
と内瓶底部2とを、プレス加工やスピニング加工によつ
てそれぞれ別個に形成しておき、次にこれらの内瓶胴部
1と内瓶底部2とを突き合わせ溶接することによつて製
造している。
また、内瓶Xよりも大きな径を有して内瓶Xの周囲を一
定の空隙を隔てて囲繞する外瓶Yも、同様に横断面円形
の外瓶胴部1′と外瓶底部2′とを別個に形成してお
き、前記突き合わせ溶接した内瓶X外周に外瓶胴部1′
を配置しそれぞれの口部端を接合した後外瓶底部2′で
内瓶底部2を覆い、外瓶胴部1′と外瓶底部2′を突き
合わせ接合して外瓶Yを形成すると共に内外瓶X,Yを空
隙を隔てて一体化している。なお、Zは外瓶底部に設け
た排気孔で内外瓶X,Yの壁間を真空排気した後封止され
て金属魔法瓶の完成となる。
しかるに、横断面形状が第8図(B)に示すように楕円
形をなした金属製魔法瓶では、第7図(A),(B)に
示した例と同様に、予め、第9図(A),(B)および
第10図(A),(B)に示すように横断面形状が楕円形
の内外瓶胴部3,3′と内外瓶底部4,4とを、プレス加工や
スピニング加工によつてそれぞれ別個に形成しておき、
次にこれらの内瓶胴部3と内瓶底部4とを突き合わせ溶
接することによつて内瓶Xとし、ついで内瓶Xを覆つて
外瓶胴部・底部を配置して、これらを一体的に接合させ
ることによつて製造しようとすると、胴部・底部相互の
溶接線が楕円形になり、第7図に示したもののように溶
接線が真円形の場合と比較して、トーチの角度、アーク
長、溶接入熱等を一定に保つこと自体が難しく、しかも
金属製魔法瓶に使う内瓶の板厚Tは約0.4mmと非常に薄
いため、気密保持のできる溶接を全周に亘つて均一に施
すことが非常に困難になつてしまい、結果的に非常にコ
スト高になるという問題が生じる。
そこで、第8図に示したように溶接線が楕円形等の非円
形になるような場合には、第11図(A),(B)に示す
ように内瓶胴部3の下端と内瓶底部4の上端とにそれぞ
れ溶接用のフランジ3a,4aを設けて、突き合わせる部分
を両フランジ型にし、溶接の困難性を回避することが検
討されている。
このように両フランジ型にすると、内瓶の横断面形状に
関係なく、気密保持のできる溶接が容易に実施できるよ
うになる。しかし、魔法瓶の外瓶は別として、内容物が
入る内瓶では、第12図に示すように、フランジ3a,4a相
互の接合部の隙間5に内容物が入り込み、金属の腐食や
内容物自体の腐食が発生する虞れがあり、衛生面から考
えて、適切な手段とは言いがたい。
このような背景から、最近、本願発明者らによつて液圧
バルジ加工を利用した製造方法が提案された(特願昭61
−86838)。
この製造方法は、第13図(A)に示すように、最初に用
意しておく内瓶胴部10および内瓶底部11は、それぞれ横
断面形状を真円形に形成しておき、次に第13図(B)に
示すように、これらを突き合わせ溶接して横断面形状が
真円形の内瓶12を形成し、次ぎにこの内瓶12の横断面形
状を第13図(C)に示すように液圧バルジ加工により所
望の横断面形状に成形して、第14図(A),(B),
(C)に示したような口部の横断面形状を真円形とし、
かつ外の部分の横断面形状を非真円形の内瓶14を得る。
そして、この内瓶14に、プレス加工等の従来の手段で所
望の横断面形状に成形した外瓶胴部15aの口部15bを内瓶
の口部14aに接合すると共に、同形状の外瓶底部15cを前
記外瓶胴部15aに接合して内外瓶を一体化した瓶本体
(図示略)を形成する。
前述のバルジ加工に使用するバルジ加工機の成形型13
は、第13図(C)に示したように、内瓶14の底部を成形
するための底部型13aと、内瓶14の胴部を成形するため
の中間部型13bと、内瓶14の首下の傾斜部を成形するた
めの上部型13cとの3つに分割されており、前記底部型1
3aの内面は、内瓶12の底部を径方向に膨出させ得るよう
に、滑らかに連続した単一の湾曲面となつている。そし
て、液注入口13dから高圧の液を注入しながら、各分割
型間の間隙13e,13fを狭めてゆくことにより、内瓶12の
内面に液圧Pをかける一方で内瓶12の外面には軸線イ方
向の圧縮力をかけて、第14図(A),(B),(C)に
示すように成形型13の内部形状に合致した内瓶14を得
る。
なお、第13図(C)に示した成形型13において、軸線イ
の上側は成形前の状態を示し、また軸線イの下側は成形
後の状態を示している。また、この図中の寸法L0は成形
前の内瓶12の長さ寸法を示し、寸法L1は成形後の内瓶14
の長さ寸法を示している。
「発明が解決しようとする問題点」 前述のように、予め横断面形状が真円形の内瓶12を形成
し、この内瓶12を液圧バルジ加工によつて所望の非真円
形形状に成形する方法によれば、横断面形状が非真円形
の複雑な内瓶でも、その内瓶の胴部と底部とが溶接する
作業は、円形の溶接作業だけで済ませることができ、し
たがつて、製造が容易でコストを低減させることがで
き、量産に適するとともに、衛生面でも問題が生じな
い。
しかし、前述のものは、液圧バルジ加工を施す際に、成
形型13の底部型13aと中間部型13bとを合わせるタイミン
グと、液圧をかけるタイミングとを適正に設定すること
が非常に難しいという難点があつた。これらのタイミン
グのとり方は非常に微妙で、どちらかが少しずれると、
成形開始時に内瓶12の底部(特に第13図(C)にXで示
した部分)に座屈や割れが発生することがあり、良好な
製品の製造歩留り悪く又一見に良好に見えても強度的に
弱く問題があり、この点の改善が、今後の研究課題とな
つていた。
この発明は前記事情に鑑みてなされたもので、金属製魔
法瓶に使用する金属製の瓶を液圧バルジ加工によつて非
真円形に成形する金属製魔法瓶の製造方法において、バ
ルジ加工開始時に成形型内の瓶の底部に座屈や割れが生
じることを防止すること、すなわち、バルジ加工機にお
ける成形型の移動タイミングや液圧をかけるタイミング
がずれることによつて瓶の底部に座屈や割れが生じるこ
とを防止して、不良率を低減させ良好な製品の製造歩留
りを向上せしめると共に作業性を改善し、更に強度的に
秀れた構造の金属製魔法瓶とその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
「問題点を解決するための手段」 この発明に係る金属製魔法瓶は、金属材料よりなる内
瓶、外瓶を真空空間を隔て一体化されてなる金属製魔法
瓶において、少なくとも前記内瓶を、真円形の横断面形
状とした口部及び底部と真円形以外の所望の横断面形状
とした胴部とよりなることを特徴とする金属製魔法瓶で
あり、その製造方法は、胴部の横断面が非真円形形状よ
りなる金属製の内外瓶をそれぞれ真空空間を隔てて一体
に形成された金属製魔法瓶を製造するにあたつて、従来
方法により真円形の横断面形状の口部を有する胴部と底
面を有する底部とを突き合せ溶接して横断面形状が真円
形の内瓶を形成し、ついでこの横断面形状真円の内瓶
を、横断面形状が真円形の内瓶の底部に密着して内瓶底
部の周縁が径方向に膨出することを防止する第1曲面
と、第1曲面の周縁に連続して所定の形状に膨出する第
2の曲面を形成した底部型と、内瓶の胴部を所望形状に
成形する中間部型と、内瓶の口部と首下を所望形状に成
形する上部型とよりなる成形型により口部と底部を真円
形横断面として胴部を非真円横断面とした後、該内瓶の
外周に空間を保つて沿つてプレス加工やスピニング加工
等の従来の方法で所望の横断面形状に成形した口部を含
む外瓶上部の口部を内瓶の口部に接合しついで同様にし
て成形した底部を含む外瓶下部を前記外瓶上部に接合す
るとともに、内外瓶間の空間を真空排気して真空空間を
形成したことを特徴とする金属製魔法瓶の製造方法であ
る。
「作用」 この発明に係る金属製魔法瓶では少なくとも内瓶の底部
構造が横断面形状を真円として胴部を非真円形横断面と
したので、胴部が薄く携行で便利であると共に強度も強
くそしてその製造にあたつては横断面形状が真円型の内
瓶胴部と内瓶底部とを突き合わせ溶接して横断面形状が
真円形の内瓶を形成し、この横断面形状が真円形の内瓶
を液圧バルジ加工によつて所望の横断面形状に成形する
ため、内瓶の製作には、最終的な内瓶の横断面形状に関
係なく、比較的に溶接作業が容易な真円形の溶接しか必
要とならない。
したがつて、この発明に係る金属製魔法瓶では横断面形
状胴部が非真円形の内瓶を容易にかつ安価に得ることが
でき、これにより、横断面形状が非真円形の金属製魔法
瓶を容易かつ安価に製作し得るとともに強度的にも秀れ
た非真円形の適宜な形状の横断面の製品が得られる。
又この製造方法では、液圧バルジ加工を行うための成形
型が、底部型と中間部型と上部型とに分割された構成を
なし、かつ、横断面形状が真円形の内瓶の底部を成形す
るための底部型の成形面が、横断面形状が真円形の内瓶
の底部に密着して内瓶底部の周縁が径方向に膨出するこ
とを防止するための第1の曲面と、この第1の曲面の周
縁に連なり前記内瓶の底部周縁から適宜距離離れた部分
を所定の形状に膨張させるための第2の曲面とを具備し
た複合曲面となつており、塑性変形しにくい内瓶の底部
周縁は、前記第1の曲面によつて保持されて、径方向へ
の膨出変形が防止される。そのため、成形時に内瓶の底
部周縁に無理な変形力(負荷)が作用せず、したがつ
て、バルジ加工機における成形型の移動タイミングや液
圧をかけるタイミングが多少ずれたとしても、内瓶の底
部に座屈や割れが生じることがなく、不良率を低減させ
ることも可能になり、又薄板材料であるにもかかわらず
強度の秀れた魔法瓶が得られる。
「実施例」 以下、本発明の一実施例をあげて本発明の金属製魔法瓶
の製造方法を説明する。
この一実施例の製造方法は、横断面形状が楕円形の金属
製魔法瓶を製造する場合を例にしたもので、上端の口部
で互いに接合される金属製の内瓶および外瓶を、それぞ
れ口部を有する胴部と底面を有する底部とに分けて形成
しておき、まず内瓶胴部と内瓶底部とを突き合わせ溶接
して内瓶を完成させ、次に外瓶胴部の口部を先に完成さ
せた内瓶の口部に接合し、次いでこの外瓶胴部に外瓶底
部を溶接して二重構造をなす瓶本体を形成するもので、
これらの点については、従来と変わらない。
しかるに本発明での内瓶は、まづ口部20aを有する内瓶
胴部20および底面21aを有する内瓶底部21(第1図
(A)を参照)は、それぞれ横断面形状を真円形に形成
し、これらを溶接部22aで突き合わせ溶接することによ
つて一体化し、第1図(B)に示すように横断面形状が
真円形の内瓶22を形成する。次に、この内瓶22を液圧バ
ルジ加工によつて所望の横断面形状に成形する。
そして本発明の製造方法では、この液圧バルジ加工時
に、円瓶22の底部周縁に座屈や割れを生じさせないよう
にしたり、又、強度的に強い構造にするように成形にあ
たつては第1図(C),(D)に示すように、バルジ加
工機の成形型23に特徴を有するものである。
即ちこの成形型23について説明すると、成形型23は、前
記内瓶22の底部側を成形するための底部型23aと、内瓶2
2の胴部を成形するための中間部型23bと、内瓶22の首下
の部分を成形するための上部型23cとに分割されるとと
もに、さらにそれぞれの型23a,23b,23cが内瓶22の軸線
イを通る面を境にして2分割されており、上部型23cの
上端に設けた液注入口23dから高圧の液を注入しなが
ら、各分割型間の間隙23e,23fを狭めてゆくことによ
り、内瓶22の内面に液圧Pをかける一方で内瓶22の外面
には軸線イ方向の圧縮力をかけて、第2図(A),
(B),(C)に示すように成形型23の内部形状に合致
した内瓶24を得る。
前記底部型23aの成形面(内面)は、横断面形状が真円
形の内瓶22の底部に密着する第1の曲面26と、この第1
の曲面26の周縁に連なる第2の曲面27とを具備した複合
曲面とされている。
そして、前記第1の曲面26は、第1図(C)から理解し
得るように、内瓶22の底部の周縁(第1図(C)にXで
示した部分で、内瓶22の底部21と胴部20とのつなぎ目22
aである角部分の少し上までを含む)が径方向に膨出す
ることを防止するためのもので、内瓶22の底部から角部
分の少し上まで密着する滑らかな面に形成されている。
第2の曲面27は、内瓶22の底部寄りの位置で、前記第1
の曲面26から外れた部分を所定の形状に膨出させるため
のもので、横断面形状が楕円形のすりばち状を呈してい
る。
前記中間部型23bの成形面は、第1図(D)に示すよう
に、横断面形状が楕円形をなしている。
前記上部型23cは、内瓶22の首部20aおよび首部周辺の屈
曲部の変形を防止するために、内瓶22の首部20aに密着
する第1の曲面28と、内瓶22の首下の傾斜部20bに密着
する第2の曲面29と、この第2の曲面29を中間部型23b
の成形面に連結させる第3の曲面30とを有した複合曲面
になつている。
第2図の内瓶24は、前記成形型23によつて成形した後の
内瓶の最終的な形状を表したもので、上端の首部24aは
横断面形状が真円形に、また胴部24bの横断面形状は第
2図(B)に示すよに、長軸の長さがl1、短軸の長さが
l2の楕円形に、また底部24cの横断面形状は直径がl2
真円形に成形されている。
前記成形型23によつて所望形状の内瓶24を形成したら、
この内瓶24の外側に外瓶を一体化し、次いで内瓶と外瓶
との間の間隙を真空引きするが、このような内瓶24を形
成した後の工程に関しては、先に第13図、第14図で説明
した方法の場合と同様である。
すなわち、第3図(A),(B)に示すように、液圧バ
ルジ加工により横断面形状を楕円形に成形した内瓶24の
首部24aに、予めプレス形等によつて横断面形状を楕円
形に成形した外瓶胴部32の口部32aを接合し、次いで第
4図(A),(B)に示すように、プレス加工等により
横断面形状が楕円形に成形された外瓶底部33を外瓶胴部
32に溶接して、横断面形状が楕円形の外瓶34を完成さ
せ、外瓶34および内瓶24の横断面がともに楕円形の瓶本
体35にする。
なお、前記外瓶胴部32と外瓶底部33との相互の溶接は、
それぞれの端部に設けたフランジ相互を突き合わせて溶
接することになされており、このように両フランジ型に
することによつて、溶接が容易化されている。
また、完成した外瓶34の底部には、内瓶24と外瓶34との
間の間隙36を真空の断熱層とするための真空引き用の開
口部34aが設けられており、この開口部34aは、真空引き
作業後に真空の環境下で蓋部材(図示略)により塞がれ
る。
なお、前述の液圧バルジ加工、あるいはプレス加工等に
よつて横断面真円形の筒体を横断面楕円形の筒体に成形
する場合についてであるが、一般的に、SUS304程度の伸
び、強度等の物性を持つ金属材料による筒体は、単純に
張り出し加工のみで楕円に変形させた場合には、長軸l1
と短軸l2との比を1.5:1程度にするのが限界となつてし
まうが、前述のように液圧バルジ加工を利用して、その
分割された成形型を容器の軸線方向に移動させて変形さ
せると、長軸l1と短軸l2との比を2:1以上に高めること
が可能であり、十分に楕円として認識できる容器を形成
することができる。
以上の如き製造方法では、横断面形状が真円型の内瓶胴
部20と内瓶底部21とを突き合わせ溶接して横断面形状が
真円形の内瓶22を形成し、この横断面形状が真円形の内
瓶22を液圧バルジ加工によつて所望の横断面形状に成形
するため、内瓶の製作には、最終的な内瓶24の横断面形
状に関係なく、比較的に溶接作業が容易な真円形の溶接
しか必要とならない。
したがつて、前記製造方法によれば、横断面形状が非円
形の内瓶を容易にかつ安価に得ることができ、これによ
り、横断面形状が非真円形の金属製魔法瓶を容易かつ安
価に製作し得ることになる。
しかも、この製造方法では、液圧バルジ加工を行うため
の成形型が、底部型23aと中間部型23bと上部型23cとに
分割された構成をなし、かつ、横断面形状が真円形の内
瓶22の底部を成形するための底部型23aの成形面が、横
断面形状が真円形の内瓶22の底部に密着して内瓶底部の
周縁が径方向に膨出することを防止するための第1の曲
面26と、この第1の曲面の周縁に連なり前記内瓶の底部
周縁から適宜距離離れた部分を所定の形状に膨張させる
ための第2の曲面27とを具備した複合曲面となつてお
り、塑性変形しにくい内瓶22の底部周縁は、前記第1の
曲面26によつて保持されて、径方向への膨出変形が防止
される。そのため、成形時に内瓶22の底部周縁に無理な
変形力(負荷)が作用せず、したがつて、バルジ加工機
における成形型23a,23b,23cの移動タイミングや液圧を
かけるタイミングが多少ずれたとしても、内瓶の底部に
座屈や割れが生じることがなく、不良率を低減させるこ
とも可能になる。
なお、前述の一実施例では、外瓶34および内瓶24の横断
面を楕円形としたが、これに限定するものではない。各
瓶の横断面は、楕円形以外にも、種々の非真円形のもの
が考えられ、上記製造方法は、そのような特殊形状の瓶
の製造に有効に活用することができる。
第5図(A),(B),(C)、および第6図(A),
(B),(C)は、それぞれ本発明の実施によつて横断
面形状を楕円形以外の特殊形状にした内瓶24の例を示し
たものである。
「発明の効果」 以上の説明から明らかなように、本発明に係る金属製魔
法瓶は胴部の横断面形状を真円でない適宜な形状に成形
したものであるにもかかわらず、必要とする強度を充分
備えた魔法瓶の構造となり又その製造にあたつては横断
面形状が真円型の内瓶胴部と内瓶底部とを突き合わせ溶
接して横断面形状が真円形の内瓶を形成し、この横断面
形状が真円形の内瓶を液圧バルジ加工によつて所望の横
断面形状に成形するため、内瓶の製作には、最終的な内
瓶の横断面形状に関係なく、比較的に溶接作業が容易な
真円形の溶接しか必要とならない。
したがつて、この発明の構造とすると製造にあたつて横
断面形状が非円形の円瓶を容易にかつ安価に得ることが
でき、これにより、横断面形状が非円形の金属魔法瓶を
容易かつ安価に製作し得ることになる。
又、この製造方法では、液圧バルジ加工を行うための成
形型が、底部型と中間部型と上部型とに分割された構成
をなし、かつ、横断面形状が真円形の内瓶の底部を成形
するための底部型の成形面が、横断面形状が真円形の内
瓶の底部に密着して内瓶底部の周縁が径方向に膨出する
ことを防止するための第1の曲面と、この第1の曲面の
周縁に連なり前記内瓶の底部周縁から適宜距離離れた部
分を所定の形状に膨張させるための第2の曲面とを具備
した複合曲面となつており、塑性変形しにくい内瓶の底
部周縁は、前記第1の曲面によつて保持されて、径方向
への膨出変形が防止される。そのため、成形時に内瓶の
底部周縁に無理な変形力(負荷)が作用せず、したがつ
て、バルジ加工機における成形型の移動タイミングや液
圧をかけるタイミングが多少ずれたとしても、内瓶の底
部に座屈や割れが生じることがなく、不良率を低減させ
ることも可能になる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図は本発明の一実施例を説明するもので、
第1図(A),(B),(C),(E)はそれぞれ金属
製魔法瓶における内瓶の製造工程の説明図、第1図
(D)は第1図(C)におけるD−D線に沿う断面図、
第1図(F)は第1図(E)におけるF−F線に沿う断
面図、第2図(A)はバルジ加工による成形後の内瓶の
正面図、第2図(B)は同底面図、第2図(C)は同側
面図、第3図(A)は内瓶に外瓶胴部を接合した状態の
正面図、第3図(B)は同底面図、第4図(A)は一実
施例の製造方法によつて形成した瓶本体の正面図、第4
図(B)は同底面図、第5図(A),(B),(C)は
本発明により成形する特殊形状の内瓶の他の例を示した
もので、第5図(A)は正面図、第5図(B)は底面
図、第5図(C)は側面図、第6図(A),(B),
(C)は本発明により成形する内瓶のさらに他の例を示
したもので、第6図(A)は正面図、第6図(B)は底
面図、第6図(C)は側面図、第7図(A),(B)お
よび第8図(A),(B)はそれぞれ従来の金属製魔法
瓶の瓶本体を示したもので、第7図(A)は正面図、第
7図(B)は第7図(A)のB−B断面図、第8図
(A)は正面図、第8図(B)は第8図(A)のB−B
断面図、第9図(A),(B)は第8図の内瓶の内瓶胴
部の正面図および底面図、第10図(A),(B)はそれ
ぞれ第8図の内瓶の内瓶底部の正面図および底面図、第
11図(A),(B)は第8図の内瓶の一つの製造法を示
したもので、第11図(A)は正面図、第11図(B)は第
11図(A)のB−B断面図、第12図は第11図に示した製
造法の欠点の説明図、第13図(A),(B),(C)は
それぞれ従来の製造方法の説明図、第14図(A),
(B),(C)は第13図(A),(B),(C)に示し
た製造方法によつて形成された内瓶を示したもので、第
14図(A)は平面図、第14図(B)は正面図、第14図
(C)は底面図である。 20……内瓶胴部、21……内瓶底部、22,24……内瓶、23
……成形型、23a……底部型、23b……中間部型、23c…
…上部型、26……第1の曲面、27……第2の曲面。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属材料よりなる内瓶、外瓶を真空空間を
    隔てて一体化されてなる金属製魔法瓶において、少なく
    とも前記内瓶を真円形の横断面形状とした口部及び底部
    と、真円形以外の所望の横断面形状とした胴部よりなる
    ことを特徴とする金属製魔法瓶。
  2. 【請求項2】胴部の横断面が非真円形形状よりなる金属
    製の内外瓶をそれぞれ真空空間を隔てて一体に形成され
    た金属製魔法瓶を製造するにあたつて、真円形の横断面
    形状の口部を有する胴部と底面を有する底部とを突き合
    せ溶接して横断面形状が真円形の内瓶を形成し、ついで
    この横断面形状真円の内瓶を、横断面形状が真円形の内
    瓶の底部に密着して内瓶底部の周縁が径方向に膨出する
    ことを防止する第1曲面と、第1曲面の周縁に連続して
    所望の形状に膨出する第2の曲面を形成した底部型と、
    内瓶の胴部を所望形状に成形する中間部型と、内瓶の口
    部と首下を所望形状に成形する上部型とよりなる成形型
    により口部と底部を真円形横断面とし胴部を非真円横断
    面とした後、該内瓶に外周に空間を保つて沿つて、プレ
    ス加工やスピニング加工等の方法で所望の横断面形状に
    成形した口部を含む外瓶上部の口部を内瓶の口部に接合
    しついで同様にして成形した底部を含む外瓶下部を前記
    外瓶上部に接合するとともに、内外瓶間の空間を真空排
    気して真空空間を形成したことを特徴とする金属製魔法
    瓶の製造方法。
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