JPH07185707A - 缶の成形方法および成形金型 - Google Patents
缶の成形方法および成形金型Info
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- JPH07185707A JPH07185707A JP35001793A JP35001793A JPH07185707A JP H07185707 A JPH07185707 A JP H07185707A JP 35001793 A JP35001793 A JP 35001793A JP 35001793 A JP35001793 A JP 35001793A JP H07185707 A JPH07185707 A JP H07185707A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 缶の成形方法および成形金型に係り、材料の
座屈によるひずみや皺等の発生およびスプリングバック
による成形金型の跡の発生を防止して缶の品質を向上す
る。 【構成】 小円弧部20と大円弧部25とを滑らかに接
続してなる成形金型12によって、肩部16とネック部
18との接続部19を曲げ戻し可能な曲率半径rとなる
ように成形した後の成形工程において、成形された接続
部19を曲げ戻しつつ新たなネック部18と肩部16と
を成形し、かつ、肩部16の傾斜角度を成形工程ごとに
増大させることにより、接続部19および肩部16の成
形時における過大な応力の発生を回避するとともに、接
続部19の曲げ戻し成形に際して発生した応力をスムー
ズに拡散する。
座屈によるひずみや皺等の発生およびスプリングバック
による成形金型の跡の発生を防止して缶の品質を向上す
る。 【構成】 小円弧部20と大円弧部25とを滑らかに接
続してなる成形金型12によって、肩部16とネック部
18との接続部19を曲げ戻し可能な曲率半径rとなる
ように成形した後の成形工程において、成形された接続
部19を曲げ戻しつつ新たなネック部18と肩部16と
を成形し、かつ、肩部16の傾斜角度を成形工程ごとに
増大させることにより、接続部19および肩部16の成
形時における過大な応力の発生を回避するとともに、接
続部19の曲げ戻し成形に際して発生した応力をスムー
ズに拡散する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、缶の成形方法および成
形金型に関し、特に、飲料缶にテーパ状の肩部を成形す
る技術に関するものである。
形金型に関し、特に、飲料缶にテーパ状の肩部を成形す
る技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ビールやジュース等の飲料を封入する飲
料缶としては、図8に示す形状のアルミニウム製のもの
がある。この飲料缶1は、プレス成形された有底円筒状
の飲料缶本体2の開口端3を折り返してフランジ4を形
成しておき、内部に飲料を充填した後に前記フランジ4
に蓋(図示略)を配置してその周囲にシーミング加工を
施すことにより構成されるようになっている。
料缶としては、図8に示す形状のアルミニウム製のもの
がある。この飲料缶1は、プレス成形された有底円筒状
の飲料缶本体2の開口端3を折り返してフランジ4を形
成しておき、内部に飲料を充填した後に前記フランジ4
に蓋(図示略)を配置してその周囲にシーミング加工を
施すことにより構成されるようになっている。
【0003】ところで、かかる飲料缶1においてコスト
ダウンを図るためには、使用されるアルミニウム材料を
節約することが最も効果的である。すなわち、大量に製
造される飲料缶1の1つ1つにおいて材料の節約を実施
すれば、各飲料缶1ごとの節約量が微小なものであって
も全体として大きなコストダウンを図ることができる。
また、材料を節約することは、飲料缶1の軽量化につな
がるので、その輸送の容易性を向上することもできるこ
とになる。
ダウンを図るためには、使用されるアルミニウム材料を
節約することが最も効果的である。すなわち、大量に製
造される飲料缶1の1つ1つにおいて材料の節約を実施
すれば、各飲料缶1ごとの節約量が微小なものであって
も全体として大きなコストダウンを図ることができる。
また、材料を節約することは、飲料缶1の軽量化につな
がるので、その輸送の容易性を向上することもできるこ
とになる。
【0004】従来、飲料缶1の材料を節約する方法とし
て、蓋の面積を縮小する方法が採用されている。すなわ
ち、飲料缶本体2の開口端部3を縮径する成形加工を施
してフランジ4の口径を小さくし、該フランジ4を閉塞
する蓋の面積を縮小することによって、縮小された面積
分に相当するアルミニウム材料の節約を図るものであ
る。
て、蓋の面積を縮小する方法が採用されている。すなわ
ち、飲料缶本体2の開口端部3を縮径する成形加工を施
してフランジ4の口径を小さくし、該フランジ4を閉塞
する蓋の面積を縮小することによって、縮小された面積
分に相当するアルミニウム材料の節約を図るものであ
る。
【0005】従来より採用されている上記縮径のための
成形加工方法としては、飲料缶1の開口端部3の外側面
に同心に配された円環状の成形金型(図示略)を複数回
に亙って押し当てる成形工程により段階的に縮径してゆ
き、開口端部3に階段状の肩部5を形成するものがあ
る。成形金型は、飲料缶1の外側面に圧接させられる曲
率半径2mm程度の成形面を有しており、各成形工程に
おいてアルミニウム材料に急激な塑性変形を生じさせる
ことにより階段状の肩部5を成形するようになってい
る。
成形加工方法としては、飲料缶1の開口端部3の外側面
に同心に配された円環状の成形金型(図示略)を複数回
に亙って押し当てる成形工程により段階的に縮径してゆ
き、開口端部3に階段状の肩部5を形成するものがあ
る。成形金型は、飲料缶1の外側面に圧接させられる曲
率半径2mm程度の成形面を有しており、各成形工程に
おいてアルミニウム材料に急激な塑性変形を生じさせる
ことにより階段状の肩部5を成形するようになってい
る。
【0006】この場合、各成形工程における飲料缶1の
塑性変形の際に、かなりの応力が発生することとなる
が、成形工程間における変形部分が連続していないため
に、発生した応力が他の成形工程に悪影響を及ぼすこと
なく飲料缶1の健全性が維持される。そして、この方法
によれば、飲料缶1の強度を保持しつつ、アルミニウム
材料の節約を図ることができるというメリットがある。
塑性変形の際に、かなりの応力が発生することとなる
が、成形工程間における変形部分が連続していないため
に、発生した応力が他の成形工程に悪影響を及ぼすこと
なく飲料缶1の健全性が維持される。そして、この方法
によれば、飲料缶1の強度を保持しつつ、アルミニウム
材料の節約を図ることができるというメリットがある。
【0007】しかし、上述した飲料缶1の開口端部3を
縮径していく方法であると、肩部5が階段状に成形され
るので、飲料缶1の内面に凹凸が形成されてしまうこと
になる。そして、この成形方法を使用した場合に、更な
る材料の節約を図るべく、肩部5における縮径角度を大
きくしていくと、上記凹凸によって所望の内容積を確保
することが困難になるという不都合がある。このような
不都合を回避するために、特表平3−502551号に
示されるように、肩部5を階段状に形成することなくテ
ーパ面状の滑らかな形状(スムーズネック)とする成形
方法が提案されている。
縮径していく方法であると、肩部5が階段状に成形され
るので、飲料缶1の内面に凹凸が形成されてしまうこと
になる。そして、この成形方法を使用した場合に、更な
る材料の節約を図るべく、肩部5における縮径角度を大
きくしていくと、上記凹凸によって所望の内容積を確保
することが困難になるという不都合がある。このような
不都合を回避するために、特表平3−502551号に
示されるように、肩部5を階段状に形成することなくテ
ーパ面状の滑らかな形状(スムーズネック)とする成形
方法が提案されている。
【0008】この成形方法では、同心に配される2つの
円筒状壁部分を、まっすぐのテーパ付けされた壁面とそ
れに隣接する曲率半径3〜7.6mmの弓形上面区分お
よび0.76〜7.1mmの弓形表面区分とによって連
結した成形面を有する複数の成形金型を使用する。そし
て、これらの成形金型を、複数工程にわたる成形工程に
おいて、次々に缶の開口端側から押し付けることによ
り、テーパ状のネック部を逐次成形していくものであ
る。すなわち、内側の円筒状壁部分の口径を逐次小さく
していくことにより缶の開口端を絞っていくとともに、
テーパ状壁面によって肩部を成形していくようになって
いる。
円筒状壁部分を、まっすぐのテーパ付けされた壁面とそ
れに隣接する曲率半径3〜7.6mmの弓形上面区分お
よび0.76〜7.1mmの弓形表面区分とによって連
結した成形面を有する複数の成形金型を使用する。そし
て、これらの成形金型を、複数工程にわたる成形工程に
おいて、次々に缶の開口端側から押し付けることによ
り、テーパ状のネック部を逐次成形していくものであ
る。すなわち、内側の円筒状壁部分の口径を逐次小さく
していくことにより缶の開口端を絞っていくとともに、
テーパ状壁面によって肩部を成形していくようになって
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記成
形方法には、以下の問題点がある。まず、スムーズネッ
ク缶の成形においては、各成形工程による変形箇所が連
続するためので、上記成形方法では、一段階前の成形工
程における塑性変形の応力がその次の成形工程によって
飲料缶1の周壁に悪影響を及ぼし、ひずみが誘発されて
しまう不都合が考えられる。すなわち、成形金型がまっ
すぐのテーパ状成形面を有するので、肩部の成形が目標
テーパ角度まで一気に実施されることになり、各成形工
程ごとに過大な応力が発生するとともに、缶の周壁に沿
う応力のスムーズな拡散が行われ難くなる。その結果、
アルミニウム材料に座屈によるひずみや皺等が発生し易
くなって、製品の品質を確保することが困難である。
形方法には、以下の問題点がある。まず、スムーズネッ
ク缶の成形においては、各成形工程による変形箇所が連
続するためので、上記成形方法では、一段階前の成形工
程における塑性変形の応力がその次の成形工程によって
飲料缶1の周壁に悪影響を及ぼし、ひずみが誘発されて
しまう不都合が考えられる。すなわち、成形金型がまっ
すぐのテーパ状成形面を有するので、肩部の成形が目標
テーパ角度まで一気に実施されることになり、各成形工
程ごとに過大な応力が発生するとともに、缶の周壁に沿
う応力のスムーズな拡散が行われ難くなる。その結果、
アルミニウム材料に座屈によるひずみや皺等が発生し易
くなって、製品の品質を確保することが困難である。
【0010】一方、過大な応力発生を回避すべく大きな
曲率半径のみを有する成形面によって成形を行うと、ア
ルミニウム材料に大きなスプリングバックが発生するこ
とになる。その結果、スプリングバックが発生した肩部
5に重ねて次の成形工程が実施されることになり、成形
工程ごとに肩部5に成形金型の跡が残されてしまうとと
もに、スムーズネックのテーパ面形状を維持することが
困難になるという不都合がある。
曲率半径のみを有する成形面によって成形を行うと、ア
ルミニウム材料に大きなスプリングバックが発生するこ
とになる。その結果、スプリングバックが発生した肩部
5に重ねて次の成形工程が実施されることになり、成形
工程ごとに肩部5に成形金型の跡が残されてしまうとと
もに、スムーズネックのテーパ面形状を維持することが
困難になるという不都合がある。
【0011】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
ものであって、材料の座屈によるひずみや皺等の発生お
よびスプリングバックによる成形金型の跡の発生を防止
して缶の品質を向上することができる缶の成形方法およ
び成形金型を提供することを目的としている。
ものであって、材料の座屈によるひずみや皺等の発生お
よびスプリングバックによる成形金型の跡の発生を防止
して缶の品質を向上することができる缶の成形方法およ
び成形金型を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の手段は、有底円筒状の缶とその開口
端側に配される成形金型との間に缶の軸心方向に沿う相
対移動を生じさせ、前記成形金型の缶と同心に配される
円環状の成形面を缶の外面に押し当てることによって、
缶の周壁に開口端側に向けて縮径するテーパ状の肩部と
その先端に配される円筒状のネック部とを逐次成形して
いく複数の成形工程を具備し、各成形工程が、肩部とネ
ック部との接続部を曲げ戻し可能な曲率半径に成形する
小円弧部とそれよりも大きな曲率半径を有する大円弧部
とを滑らかに接続してなる成形金型により、前の成形工
程において成形された接続部を曲げ戻しつつ新たなネッ
ク部と肩部とを成形し、かつ、前の成形工程において成
形された肩部の傾斜を漸次増大させるように成形する缶
の成形方法を提案している。
に、本発明の第1の手段は、有底円筒状の缶とその開口
端側に配される成形金型との間に缶の軸心方向に沿う相
対移動を生じさせ、前記成形金型の缶と同心に配される
円環状の成形面を缶の外面に押し当てることによって、
缶の周壁に開口端側に向けて縮径するテーパ状の肩部と
その先端に配される円筒状のネック部とを逐次成形して
いく複数の成形工程を具備し、各成形工程が、肩部とネ
ック部との接続部を曲げ戻し可能な曲率半径に成形する
小円弧部とそれよりも大きな曲率半径を有する大円弧部
とを滑らかに接続してなる成形金型により、前の成形工
程において成形された接続部を曲げ戻しつつ新たなネッ
ク部と肩部とを成形し、かつ、前の成形工程において成
形された肩部の傾斜を漸次増大させるように成形する缶
の成形方法を提案している。
【0013】本発明の第2の手段は、有底円筒状の缶の
開口端側に同心に配される円環状の成形面を具備し、該
成形面を缶との間に生ずる軸心方向の相対移動によって
缶の外面に押し当てる複数の成形工程により、缶の周壁
に開口端側に向けて縮径するテーパ状の肩部とその先端
に配される円筒状のネック部とを逐次成形していく複数
の成形金型よりなり、各成形金型の成形面が、その軸心
を含む切断面内において、前記ネック部と肩部との接続
部を成形する小円弧部とそれよりも大きな曲率半径を有
する大円弧部とを滑らかに接続してなる断面形状に形成
されるとともに、前記小円弧部および大円弧部の共通接
線の前記軸心に対する傾斜角度が目標とする肩部のテー
パ角度よりも小さく形成されている缶の成形金型を提案
している。
開口端側に同心に配される円環状の成形面を具備し、該
成形面を缶との間に生ずる軸心方向の相対移動によって
缶の外面に押し当てる複数の成形工程により、缶の周壁
に開口端側に向けて縮径するテーパ状の肩部とその先端
に配される円筒状のネック部とを逐次成形していく複数
の成形金型よりなり、各成形金型の成形面が、その軸心
を含む切断面内において、前記ネック部と肩部との接続
部を成形する小円弧部とそれよりも大きな曲率半径を有
する大円弧部とを滑らかに接続してなる断面形状に形成
されるとともに、前記小円弧部および大円弧部の共通接
線の前記軸心に対する傾斜角度が目標とする肩部のテー
パ角度よりも小さく形成されている缶の成形金型を提案
している。
【0014】本発明の第3の手段は、第2の手段の成形
金型において、小円弧部が3〜6mmの曲率半径に形成
され、大円弧部が20〜25mmの曲率半径に形成され
ている缶の成形金型を提案している。
金型において、小円弧部が3〜6mmの曲率半径に形成
され、大円弧部が20〜25mmの曲率半径に形成され
ている缶の成形金型を提案している。
【0015】
【作用】本発明の第1の手段に係る缶の成形方法によれ
ば、缶の開口端側に対して成形金型を軸心方向に沿って
相対移動させる複数の成形工程において、成形金型の成
形面を缶の外側面に押し当てることにより、缶の周壁が
逐次変形させられる。各成形工程では、缶の周壁にネッ
ク部と肩部とが成形されるが、これらネック部と肩部と
の接続部は、曲げ戻し可能な曲率半径に成形される。
ば、缶の開口端側に対して成形金型を軸心方向に沿って
相対移動させる複数の成形工程において、成形金型の成
形面を缶の外側面に押し当てることにより、缶の周壁が
逐次変形させられる。各成形工程では、缶の周壁にネッ
ク部と肩部とが成形されるが、これらネック部と肩部と
の接続部は、曲げ戻し可能な曲率半径に成形される。
【0016】そして、次の成形工程においては、その前
の成形工程において成形された接続部が曲げ戻されつつ
新たなネック部と肩部とが成形される。接続部は、曲げ
戻し可能な曲率半径に成形されているので、新たに形成
される肩部によって曲げ戻される際に、過大な応力を生
ずることなく成形される。また、肩部は、前の成形工程
において成形された肩部の傾斜を漸次増大させるように
成形されるので、成形時に肩部に発生する応力が各成形
工程に分散されることになる。
の成形工程において成形された接続部が曲げ戻されつつ
新たなネック部と肩部とが成形される。接続部は、曲げ
戻し可能な曲率半径に成形されているので、新たに形成
される肩部によって曲げ戻される際に、過大な応力を生
ずることなく成形される。また、肩部は、前の成形工程
において成形された肩部の傾斜を漸次増大させるように
成形されるので、成形時に肩部に発生する応力が各成形
工程に分散されることになる。
【0017】また、本発明の第2の手段に係る缶の成形
金型によれば、小円弧部によって缶の周壁にネック部と
肩部との接続部が成形され、大円弧部によって肩部の一
部が成形される。この場合に、大円弧部は前の成形工程
において缶の周壁に成形された接続部に重ねて押し当て
られることになるが、小円弧部よりも大きな曲率半径を
有しているので、接続部を無理なく曲げ戻して缶の周壁
に沿うスムーズなメタルフローを発生させることが可能
となる。
金型によれば、小円弧部によって缶の周壁にネック部と
肩部との接続部が成形され、大円弧部によって肩部の一
部が成形される。この場合に、大円弧部は前の成形工程
において缶の周壁に成形された接続部に重ねて押し当て
られることになるが、小円弧部よりも大きな曲率半径を
有しているので、接続部を無理なく曲げ戻して缶の周壁
に沿うスムーズなメタルフローを発生させることが可能
となる。
【0018】その結果、前の成形工程において缶の周壁
に発生させられている応力を拡散させながら大円弧部に
よって肩部が部分的に成形される。そして、各成形金型
によって部分的に成形される肩部を接続させることによ
り、テーパ状の肩部が成形されることになる。
に発生させられている応力を拡散させながら大円弧部に
よって肩部が部分的に成形される。そして、各成形金型
によって部分的に成形される肩部を接続させることによ
り、テーパ状の肩部が成形されることになる。
【0019】この場合に、大円弧部は小円弧部に滑らか
に接続され、しかも、それらの共通接線は目標とするテ
ーパ角度よりも小さい傾斜角度に設定されているので、
前の成形工程において缶の周壁に成形されている肩部
が、その傾斜を増大させられつつ缶の開口端方向に成長
させられる。そして、これにより、各成形工程における
肩部の成形時に発生する応力が低減されることになる。
に接続され、しかも、それらの共通接線は目標とするテ
ーパ角度よりも小さい傾斜角度に設定されているので、
前の成形工程において缶の周壁に成形されている肩部
が、その傾斜を増大させられつつ缶の開口端方向に成長
させられる。そして、これにより、各成形工程における
肩部の成形時に発生する応力が低減されることになる。
【0020】さらに、本発明の第3の手段に係る缶の成
形金型によれば、小円弧部が3〜6mmの曲率半径を有
しているので、曲げ戻し可能でしかもスプリングバック
を抑制してネック部の型決めを行うことができる接続部
が成形される。また、大円弧部が20〜25mmの曲率
半径に形成されているので、該大円弧部によって前記接
続部が応力を拡散されつつ曲げ戻されることになる。
形金型によれば、小円弧部が3〜6mmの曲率半径を有
しているので、曲げ戻し可能でしかもスプリングバック
を抑制してネック部の型決めを行うことができる接続部
が成形される。また、大円弧部が20〜25mmの曲率
半径に形成されているので、該大円弧部によって前記接
続部が応力を拡散されつつ曲げ戻されることになる。
【0021】
【実施例】以下、本発明に係る缶の成形方法および成形
金型の一実施例について、図1ないし図7を参照して説
明する。本実施例に係る成形方法も、飲料缶10の成形
方法であって、8工程に亙る成形工程を具備している。
各成形工程では、飲料缶10の開口端部11側に配置さ
れる成形金型12を飲料缶10の軸心13方向に沿って
往復移動させることにより、該成形金型12の成形面1
4を飲料缶10の周壁15の外側面に押し当てて、該周
壁15を逐次変形させるようになっている。該成形工程
は、有底円筒状の飲料缶10の開口端部11に最初に変
形を与える第1工程と、それ以降の第2〜第8工程とに
大別される。
金型の一実施例について、図1ないし図7を参照して説
明する。本実施例に係る成形方法も、飲料缶10の成形
方法であって、8工程に亙る成形工程を具備している。
各成形工程では、飲料缶10の開口端部11側に配置さ
れる成形金型12を飲料缶10の軸心13方向に沿って
往復移動させることにより、該成形金型12の成形面1
4を飲料缶10の周壁15の外側面に押し当てて、該周
壁15を逐次変形させるようになっている。該成形工程
は、有底円筒状の飲料缶10の開口端部11に最初に変
形を与える第1工程と、それ以降の第2〜第8工程とに
大別される。
【0022】第1工程において使用される成形金型12
aは、図3および図4に示すように、飲料缶10の周壁
15が縮径され始める肩部16の曲率半径r0を決定す
る内側円弧部17と、肩部16とネック部18との接続
部19における曲率半径rを決定する小円弧部20とを
有する成形面21を具備しており、従来の階段状肩部を
形成する成形金型と共通するものである。しかし、小円
弧部20の曲率半径rは5mmに設定されており、従来
の約2mmと比較して十分に大きく確保されている点が
相違している。
aは、図3および図4に示すように、飲料缶10の周壁
15が縮径され始める肩部16の曲率半径r0を決定す
る内側円弧部17と、肩部16とネック部18との接続
部19における曲率半径rを決定する小円弧部20とを
有する成形面21を具備しており、従来の階段状肩部を
形成する成形金型と共通するものである。しかし、小円
弧部20の曲率半径rは5mmに設定されており、従来
の約2mmと比較して十分に大きく確保されている点が
相違している。
【0023】なお、この成形金型12aは、図5に示す
ネッキングスピンドル22の先端に取り付けられる。該
ネッキングスピンドル22は、カム等の駆動機構(図示
略)の作動によって成形金型12aを往復移動させると
ともに、該成形金型12aの内側に嵌合状態に配される
ガイドブロック23と成形金型12aとの間のリング状
間隙24に飲料缶10の開口端部11を挿入して支持す
るようになっている。なお、これに代えて、成形金型1
2aを固定し、飲料缶10を往復移動させることとして
もよい。
ネッキングスピンドル22の先端に取り付けられる。該
ネッキングスピンドル22は、カム等の駆動機構(図示
略)の作動によって成形金型12aを往復移動させると
ともに、該成形金型12aの内側に嵌合状態に配される
ガイドブロック23と成形金型12aとの間のリング状
間隙24に飲料缶10の開口端部11を挿入して支持す
るようになっている。なお、これに代えて、成形金型1
2aを固定し、飲料缶10を往復移動させることとして
もよい。
【0024】第2〜第8工程において使用される成形金
型12bは、図6および図7に示すように、肩部16を
成形する大円弧部25と、接続部19における曲率半径
rを決定する小円弧部20とを滑らかに接続した断面形
状の成形面26を有している。前記小円弧部20の曲率
半径rは、第2〜第7工程のものが前記第1工程に使用
される成形金型12aと同様に5mmに設定されてお
り、第8工程の成形金型12bでは5.72mmに形成
されている。また、前記大円弧部25の曲率半径Rは、
第2〜第8工程の成形金型12bに共通して23mmに
設定されている。
型12bは、図6および図7に示すように、肩部16を
成形する大円弧部25と、接続部19における曲率半径
rを決定する小円弧部20とを滑らかに接続した断面形
状の成形面26を有している。前記小円弧部20の曲率
半径rは、第2〜第7工程のものが前記第1工程に使用
される成形金型12aと同様に5mmに設定されてお
り、第8工程の成形金型12bでは5.72mmに形成
されている。また、前記大円弧部25の曲率半径Rは、
第2〜第8工程の成形金型12bに共通して23mmに
設定されている。
【0025】また、第2〜第8工程において使用される
成形金型12bは、ネック部18を成形する円筒部27
と、肩部16を成形する大円弧部25とが小円弧部20
によって滑らかに接続される形状となっている。特に、
第2〜第7工程において使用される成形金型12bにお
いては、図7に示す各寸法A、B、Cが、以下のように
設定されている。すなわち、寸法A、Bは、大円弧部2
5の中心位置O1と小円弧部20の中心位置O2とが全成
形金型12bにおいて概略同等の相対位置関係を有し、
かつ、これらの中心位置O1・O2が、成形金型12bの
軸心29に対して目標とする肩部16のテーパ角度θ
(以下、目標テーパ角度という。)をなす方向に沿って
それぞれ配列されるように設定されている。また、寸法
Cは、第2工程〜第7工程の成形金型12bを通じて概
略同程度の寸法に設定されている。
成形金型12bは、ネック部18を成形する円筒部27
と、肩部16を成形する大円弧部25とが小円弧部20
によって滑らかに接続される形状となっている。特に、
第2〜第7工程において使用される成形金型12bにお
いては、図7に示す各寸法A、B、Cが、以下のように
設定されている。すなわち、寸法A、Bは、大円弧部2
5の中心位置O1と小円弧部20の中心位置O2とが全成
形金型12bにおいて概略同等の相対位置関係を有し、
かつ、これらの中心位置O1・O2が、成形金型12bの
軸心29に対して目標とする肩部16のテーパ角度θ
(以下、目標テーパ角度という。)をなす方向に沿って
それぞれ配列されるように設定されている。また、寸法
Cは、第2工程〜第7工程の成形金型12bを通じて概
略同程度の寸法に設定されている。
【0026】しかも、第2工程〜第7工程の成形金型1
2bでは、大円弧部25と小円弧部20との共通接線2
8と成形金型12bの軸心29とのなす角度は概略同等
で、しかも、肩部16の目標テーパ角度θよりも若干小
さくなるように設定されている。また、第8工程におい
て使用される成形金型12bにあっては、上記共通接線
28の傾斜角度を他の成形工程の成形金型12bと比較
して若干大きく、目標テーパ角度θと同等となるよう
に、図7の寸法A、B、Cがそれぞれ設定されている。
2bでは、大円弧部25と小円弧部20との共通接線2
8と成形金型12bの軸心29とのなす角度は概略同等
で、しかも、肩部16の目標テーパ角度θよりも若干小
さくなるように設定されている。また、第8工程におい
て使用される成形金型12bにあっては、上記共通接線
28の傾斜角度を他の成形工程の成形金型12bと比較
して若干大きく、目標テーパ角度θと同等となるよう
に、図7の寸法A、B、Cがそれぞれ設定されている。
【0027】このように形成された本実施例の8個の成
形金型12によって、飲料缶10の開口端部11に肩部
16を成形する成形方法について、図1および図2を参
照して説明する。図1は、各成形工程において飲料缶1
0の周壁15の外側面に押し当てられる各成形金型12
a・12bの成形面21・26を重ね合わせるように配
置した図であり、図2は、そのうちの第5工程と第6工
程とにおける成形金型12bの成形面26を示す図であ
る。
形金型12によって、飲料缶10の開口端部11に肩部
16を成形する成形方法について、図1および図2を参
照して説明する。図1は、各成形工程において飲料缶1
0の周壁15の外側面に押し当てられる各成形金型12
a・12bの成形面21・26を重ね合わせるように配
置した図であり、図2は、そのうちの第5工程と第6工
程とにおける成形金型12bの成形面26を示す図であ
る。
【0028】図1によれば、まず、第1工程において成
形金型12aを押し当てることにより、内側円弧部17
によって飲料缶10の周壁15における肩部16の最外
径部分の曲率半径r0が決定され、小円弧部20によっ
てネック部18と肩部16との接続部19が成形され
る。小円弧部20の曲率半径rは5mmに形成されてい
るので、接続部19に発生する応力が最小限に抑制され
るとともに、成形によるスプリングバックを低減した状
態として、ネック部18の型決めが行われる。
形金型12aを押し当てることにより、内側円弧部17
によって飲料缶10の周壁15における肩部16の最外
径部分の曲率半径r0が決定され、小円弧部20によっ
てネック部18と肩部16との接続部19が成形され
る。小円弧部20の曲率半径rは5mmに形成されてい
るので、接続部19に発生する応力が最小限に抑制され
るとともに、成形によるスプリングバックを低減した状
態として、ネック部18の型決めが行われる。
【0029】そして、第2工程において成形金型12b
を押し当てることにより、小円弧部20による新たな接
続部19が成形される。また、これとともに、大円弧部
25が、第1工程において成形された接続部19を曲げ
戻して該大円弧部25に沿う大きな曲率半径Rの肩部1
6を成形する。
を押し当てることにより、小円弧部20による新たな接
続部19が成形される。また、これとともに、大円弧部
25が、第1工程において成形された接続部19を曲げ
戻して該大円弧部25に沿う大きな曲率半径Rの肩部1
6を成形する。
【0030】大円弧部25は23mmの曲率半径Rに形
成されているので、接続部19を曲げ戻す際に、スムー
ズなメタルフローを発生させることができ、該接続部1
9および肩部16に発生している応力を拡散させながら
新たな肩部16が部分的に成形される。したがって、第
1工程において成形された肩部16との間に成形金型1
2bの跡が成形されないように肩部16が延長成形され
ることになる。
成されているので、接続部19を曲げ戻す際に、スムー
ズなメタルフローを発生させることができ、該接続部1
9および肩部16に発生している応力を拡散させながら
新たな肩部16が部分的に成形される。したがって、第
1工程において成形された肩部16との間に成形金型1
2bの跡が成形されないように肩部16が延長成形され
ることになる。
【0031】この場合において、小円弧部20と大円弧
部25との共通接線28の軸心29に対する傾斜角度
が、目標テーパ角度θよりも小さく設定されているの
で、肩部16は、ネック部18との接続部16の近傍に
目標テーパ角度θよりも小さい傾斜角度となる部分30
(以下、小傾斜部という。)を有する形状に成形され
る。
部25との共通接線28の軸心29に対する傾斜角度
が、目標テーパ角度θよりも小さく設定されているの
で、肩部16は、ネック部18との接続部16の近傍に
目標テーパ角度θよりも小さい傾斜角度となる部分30
(以下、小傾斜部という。)を有する形状に成形され
る。
【0032】そして、第3工程においては、上記第2工
程において成形された小傾斜部30に、第3工程の成形
金型12bの小傾斜部30よりも大きな傾斜角度の成形
面26が押し当てられることになり、該小傾斜部30の
傾斜角度が増大させられる。これとともに、前記小傾斜
部30の一部が目標テーパ角度θまで変形させられて、
第2工程において成形された肩部16を延長するように
して部分的な肩部16が成形されることになる。また、
このようにして成形される肩部16は、成形金型12b
の小円弧部20により新たに成形される接続部19によ
って、スプリングバックを抑制されることは、第2工程
における場合と同様である。
程において成形された小傾斜部30に、第3工程の成形
金型12bの小傾斜部30よりも大きな傾斜角度の成形
面26が押し当てられることになり、該小傾斜部30の
傾斜角度が増大させられる。これとともに、前記小傾斜
部30の一部が目標テーパ角度θまで変形させられて、
第2工程において成形された肩部16を延長するように
して部分的な肩部16が成形されることになる。また、
このようにして成形される肩部16は、成形金型12b
の小円弧部20により新たに成形される接続部19によ
って、スプリングバックを抑制されることは、第2工程
における場合と同様である。
【0033】以下、第4〜第7工程まで同様の成形工程
が繰り返される。すなわち、図2に示すように、飲料缶
10の周壁15に押し当てられる成形金型12bの成形
面26は、その大円弧部25によって、一段階前の成形
工程において成形された接続部19を曲げ戻すととも
に、小傾斜部30の傾斜角度を増大させて、目標テーパ
角度θの肩部16を逐次延長成形していく。また、小円
弧部20は、新たな接続部19を成形し、大円弧部25
によって成形された肩部16に発生するスプリングバッ
クを最小限に抑制するとともにネック部18を等間隔で
縮径していく。
が繰り返される。すなわち、図2に示すように、飲料缶
10の周壁15に押し当てられる成形金型12bの成形
面26は、その大円弧部25によって、一段階前の成形
工程において成形された接続部19を曲げ戻すととも
に、小傾斜部30の傾斜角度を増大させて、目標テーパ
角度θの肩部16を逐次延長成形していく。また、小円
弧部20は、新たな接続部19を成形し、大円弧部25
によって成形された肩部16に発生するスプリングバッ
クを最小限に抑制するとともにネック部18を等間隔で
縮径していく。
【0034】そして、第8工程は、成形金型12bの大
円弧部25によって第7工程で成形された接続部19を
曲げ戻し、小円弧部20によって成形される新たな接続
部19によって型決めを実施する点は、それ以前の工程
と同様である。しかし、大円弧部25と小円弧部20と
の共通接線28の傾斜角度が目標テーパ角度θと同等に
設定されているので、第7工程までに成形された小傾斜
部30は、その傾斜角度を一気に目標テーパ角度θまで
変形させられる。これにより、第1工程において成形さ
れた肩部16の最外径部分から第8工程において成形さ
れた接続部19までが均一な傾斜角度θの平坦なテーパ
状の肩部16によって連結されるように成形されること
になる
円弧部25によって第7工程で成形された接続部19を
曲げ戻し、小円弧部20によって成形される新たな接続
部19によって型決めを実施する点は、それ以前の工程
と同様である。しかし、大円弧部25と小円弧部20と
の共通接線28の傾斜角度が目標テーパ角度θと同等に
設定されているので、第7工程までに成形された小傾斜
部30は、その傾斜角度を一気に目標テーパ角度θまで
変形させられる。これにより、第1工程において成形さ
れた肩部16の最外径部分から第8工程において成形さ
れた接続部19までが均一な傾斜角度θの平坦なテーパ
状の肩部16によって連結されるように成形されること
になる
【0035】この場合において、第8工程の成形金型1
2bは、上述したように第7工程までの小傾斜部30を
一気に目標テーパ角度θまで変形させるので、第2〜第
7工程までにおける場合と比較して、若干大きな変形量
を成形を行うことになる。したがって、飲料缶10の周
壁15に発生する応力は他工程におけるよりも若干大き
くなるが、成形面26が小円弧部20と大円弧部25と
を滑らかに接続して形成されているので、スムーズなメ
タルフローの発生によって、ひずみや皺の発生が防止さ
れる。しかも、肩部16先端側の大半が第8工程の成形
金型12bにより成形され、肩部16の表面に形成され
る成形金型12bの跡を低減することが可能となる。
2bは、上述したように第7工程までの小傾斜部30を
一気に目標テーパ角度θまで変形させるので、第2〜第
7工程までにおける場合と比較して、若干大きな変形量
を成形を行うことになる。したがって、飲料缶10の周
壁15に発生する応力は他工程におけるよりも若干大き
くなるが、成形面26が小円弧部20と大円弧部25と
を滑らかに接続して形成されているので、スムーズなメ
タルフローの発生によって、ひずみや皺の発生が防止さ
れる。しかも、肩部16先端側の大半が第8工程の成形
金型12bにより成形され、肩部16の表面に形成され
る成形金型12bの跡を低減することが可能となる。
【0036】したがって、本実施例の飲料缶10の成形
方法および成形金型12によれば、比較的大きな曲率半
径rの小円弧部20によって、曲げ戻しによって過大な
応力が発生しないように接続部19が成形されるので、
次の成形工程における大円弧部25による曲げ戻しに際
しても、飲料缶10の周壁15を健全な状態に維持する
ことができる。しかも、大円弧部25は、小円弧部20
に滑らかに接続する大きな曲率半径Rに形成されている
ので、曲げ戻し成形時に、飲料缶10の周壁15には、
スムーズなメタルフローが発生して応力の拡散が行わ
れ、該周壁15における座屈によるひずみや皺等の不具
合が発生することを防止することができる。
方法および成形金型12によれば、比較的大きな曲率半
径rの小円弧部20によって、曲げ戻しによって過大な
応力が発生しないように接続部19が成形されるので、
次の成形工程における大円弧部25による曲げ戻しに際
しても、飲料缶10の周壁15を健全な状態に維持する
ことができる。しかも、大円弧部25は、小円弧部20
に滑らかに接続する大きな曲率半径Rに形成されている
ので、曲げ戻し成形時に、飲料缶10の周壁15には、
スムーズなメタルフローが発生して応力の拡散が行わ
れ、該周壁15における座屈によるひずみや皺等の不具
合が発生することを防止することができる。
【0037】また、肩部16の成形に際しても、小円弧
部20と大円弧部25との共通接線28が目標テーパ角
度θよりも小さい同等の傾斜角度となる複数の成形金型
12bによって、各成形工程に分割して徐々に成形され
るので、過大な応力の発生を防止することができる。
部20と大円弧部25との共通接線28が目標テーパ角
度θよりも小さい同等の傾斜角度となる複数の成形金型
12bによって、各成形工程に分割して徐々に成形され
るので、過大な応力の発生を防止することができる。
【0038】なお、本発明に係る缶の成形方法および成
形金型12にあっては、以下の技術を採用することがで
きる。 小円弧部20の曲率半径rを5mm、5.72mm
としたが、これに代えて、他の値、好ましくは、3〜6
mmの範囲内の値に設定することとしてもよい。また、
成形金型12ごとに異なる値を採用することとしてもよ
い。 大円弧部25の曲率半径Rを23mmとしたが、こ
れに代えて、他の値、好ましくは20〜25mmの範囲
内の値を採用することとしてもよい。また、成形金型1
2ごとに異なる値を採用することとしてもよい。 飲料缶10の成形に適用することとしたが、これに
代えて、他の用途に使用する缶の成形に適用することと
してもよい。 小円弧部20および大円弧部25の中心の位置関係
を規定したが、これに代えて、任意の位置関係に設定す
ることとしてもよい。 ネック部18の縮径を等間隔に実施することとした
が、これに代えて、一定の縮径率、あるいは、適宜変化
する縮径率に基づいて縮径することとしてもよい。
形金型12にあっては、以下の技術を採用することがで
きる。 小円弧部20の曲率半径rを5mm、5.72mm
としたが、これに代えて、他の値、好ましくは、3〜6
mmの範囲内の値に設定することとしてもよい。また、
成形金型12ごとに異なる値を採用することとしてもよ
い。 大円弧部25の曲率半径Rを23mmとしたが、こ
れに代えて、他の値、好ましくは20〜25mmの範囲
内の値を採用することとしてもよい。また、成形金型1
2ごとに異なる値を採用することとしてもよい。 飲料缶10の成形に適用することとしたが、これに
代えて、他の用途に使用する缶の成形に適用することと
してもよい。 小円弧部20および大円弧部25の中心の位置関係
を規定したが、これに代えて、任意の位置関係に設定す
ることとしてもよい。 ネック部18の縮径を等間隔に実施することとした
が、これに代えて、一定の縮径率、あるいは、適宜変化
する縮径率に基づいて縮径することとしてもよい。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の第1の手
段に係る缶の成形方法は、小円弧部と大円弧部とを滑ら
かに接続してなる成形金型によって、肩部とネック部と
の接続部を曲げ戻し可能な曲率半径となるように成形し
た後に、成形された接続部を曲げ戻しつつ新たなネック
部と肩部とを成形し、かつ、肩部の傾斜角度を成形工程
ごとに増大させるので、以下の効果を奏する。 接続部の曲げ戻しに際して、過大な応力の発生を防
止し、缶の周壁の健全性を維持しつつテーパ状の肩部を
成形することができる。 肩部の変形作業が複数の成形工程に分担されるの
で、まっすぐのテーパ状成形面を有し目標テーパ角度ま
で一気に成形する従来の成形方法と比較して、成形時に
過大な応力が発生することを防止することができる。
段に係る缶の成形方法は、小円弧部と大円弧部とを滑ら
かに接続してなる成形金型によって、肩部とネック部と
の接続部を曲げ戻し可能な曲率半径となるように成形し
た後に、成形された接続部を曲げ戻しつつ新たなネック
部と肩部とを成形し、かつ、肩部の傾斜角度を成形工程
ごとに増大させるので、以下の効果を奏する。 接続部の曲げ戻しに際して、過大な応力の発生を防
止し、缶の周壁の健全性を維持しつつテーパ状の肩部を
成形することができる。 肩部の変形作業が複数の成形工程に分担されるの
で、まっすぐのテーパ状成形面を有し目標テーパ角度ま
で一気に成形する従来の成形方法と比較して、成形時に
過大な応力が発生することを防止することができる。
【0040】また、本発明の第2、第3の手段に係る缶
の成形金型は、成形面が、その軸心を含む切断面内にお
いて、ネック部と肩部との接続部を成形する小円弧部と
それよりも大径に形成され接続部を曲げ戻す大円弧部と
を滑らかに接続されてなり、小円弧部および大円弧部の
共通接線の傾斜角度が目標とする肩部のテーパ角度より
も小さく形成されているので、曲げ戻し成形時に大円弧
部に沿うスムーズなメタルフローを発生させ、缶の周壁
に座屈によるひずみや皺等の不具合が発生することを防
止することができるという効果を奏する。しかも、共通
接線の傾斜角度を目標テーパ角度より小さく設定したの
で、成形工程ごとに肩部の変形量を増大させていくこと
ができ、肩部に過大な応力が発生することを防止するこ
とができる。その結果、缶の開口端部に、開口端側に向
けて縮径する滑らかなテーパ状の肩部とその先端に配さ
れるネック部とを成形することができるという効果を奏
する。
の成形金型は、成形面が、その軸心を含む切断面内にお
いて、ネック部と肩部との接続部を成形する小円弧部と
それよりも大径に形成され接続部を曲げ戻す大円弧部と
を滑らかに接続されてなり、小円弧部および大円弧部の
共通接線の傾斜角度が目標とする肩部のテーパ角度より
も小さく形成されているので、曲げ戻し成形時に大円弧
部に沿うスムーズなメタルフローを発生させ、缶の周壁
に座屈によるひずみや皺等の不具合が発生することを防
止することができるという効果を奏する。しかも、共通
接線の傾斜角度を目標テーパ角度より小さく設定したの
で、成形工程ごとに肩部の変形量を増大させていくこと
ができ、肩部に過大な応力が発生することを防止するこ
とができる。その結果、缶の開口端部に、開口端側に向
けて縮径する滑らかなテーパ状の肩部とその先端に配さ
れるネック部とを成形することができるという効果を奏
する。
【図1】本発明に係る缶の成形方法および成形金型の一
実施例を示す各成形工程における成形金型の成形面を重
ね合わせた図である。
実施例を示す各成形工程における成形金型の成形面を重
ね合わせた図である。
【図2】図1の缶の成形方法および成形金型において、
第4工程と第5工程における成形金型の成形面を重ね合
わせた図である。
第4工程と第5工程における成形金型の成形面を重ね合
わせた図である。
【図3】図1の缶の成形金型のうち、第1工程において
使用される成形金型の一例を示す縦断面図である。
使用される成形金型の一例を示す縦断面図である。
【図4】図3の成形金型の成形面を示す拡大断面図であ
る
る
【図5】図3の成形金型を取り付けるネッキングスピン
ドルの一例を示す一部を省略した縦断面図である。
ドルの一例を示す一部を省略した縦断面図である。
【図6】図1の缶の成形金型のうち、第2工程〜第8工
程において使用される成形金型の一例を示す縦断面図で
ある。
程において使用される成形金型の一例を示す縦断面図で
ある。
【図7】図6の成形金型の成形面を示す拡大断面図であ
る。
る。
【図8】従来の成形方法により成形された飲料缶の一例
を示す正面図である。
を示す正面図である。
10 飲料缶(缶) 11 開口端部(開口端) 12・12a・12b 成形金型 13・29 軸心 15 周壁 16 肩部 18 ネック部 19 接続部 20 小円弧部 21・26 成形面 25 大円弧部 28 共通接線 r・R 曲率半径 θ テーパ角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 清文 茨城県石岡市総社1−8 (72)発明者 菊田 良成 愛知県名古屋市瑞穂区松栄町2−16
Claims (3)
- 【請求項1】 有底円筒状の缶とその開口端側に配され
る成形金型との間に缶の軸心方向に沿う相対移動を生じ
させ、前記成形金型の缶と同心に配される円環状の成形
面を缶の外面に押し当てることによって、缶の周壁に開
口端側に向けて縮径するテーパ状の肩部とその先端に配
される円筒状のネック部とを逐次成形していく複数の成
形工程を具備し、 各成形工程が、肩部とネック部との接続部を曲げ戻し可
能な曲率半径に成形する小円弧部とそれよりも大きな曲
率半径を有する大円弧部とを滑らかに接続してなる成形
金型により、前の成形工程において成形された接続部を
曲げ戻しつつ新たなネック部と肩部とを成形し、かつ、
前の成形工程において成形された肩部の傾斜を漸次増大
させるように成形することを特徴とする缶の成形方法。 - 【請求項2】 有底円筒状の缶の開口端側に同心に配さ
れる円環状の成形面を具備し、該成形面を缶との間に生
ずる軸心方向の相対移動によって缶の外面に押し当てる
複数の成形工程により、缶の周壁に開口端側に向けて縮
径するテーパ状の肩部とその先端に配される円筒状のネ
ック部とを逐次成形していく複数の成形金型よりなり、 各成形金型の成形面が、その軸心を含む切断面内におい
て、前記ネック部と肩部との接続部を成形する小円弧部
とそれよりも大きな曲率半径を有する大円弧部とを滑ら
かに接続してなる断面形状に形成されるとともに、 前記小円弧部および大円弧部の共通接線の前記軸心に対
する傾斜角度が目標とする肩部のテーパ角度よりも小さ
く形成されていることを特徴とする缶の成形金型。 - 【請求項3】 小円弧部が3〜6mmの曲率半径に形成
され、大円弧部が20〜25mmの曲率半径に形成され
ていることを特徴とする請求項2記載の缶の成形金型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35001793A JPH07185707A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 缶の成形方法および成形金型 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35001793A JPH07185707A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 缶の成形方法および成形金型 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07185707A true JPH07185707A (ja) | 1995-07-25 |
Family
ID=18407679
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35001793A Withdrawn JPH07185707A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 缶の成形方法および成形金型 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07185707A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009537329A (ja) * | 2006-05-16 | 2009-10-29 | アルコア インコーポレイテッド | ネッキングされた容器を製造する方法 |
JP2011088188A (ja) * | 2009-10-23 | 2011-05-06 | Nippon Steel Corp | スチール缶のネックイン成形法 |
US9707615B2 (en) | 2010-08-20 | 2017-07-18 | Alcoa Usa Corp. | Shaped metal container and method for making same |
-
1993
- 1993-12-28 JP JP35001793A patent/JPH07185707A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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