JPH0871673A - 缶のネッキング加工方法およびネッキング加工装置 - Google Patents
缶のネッキング加工方法およびネッキング加工装置Info
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- JPH0871673A JPH0871673A JP21641994A JP21641994A JPH0871673A JP H0871673 A JPH0871673 A JP H0871673A JP 21641994 A JP21641994 A JP 21641994A JP 21641994 A JP21641994 A JP 21641994A JP H0871673 A JPH0871673 A JP H0871673A
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- forming
- necking
- shoulder
- diameter
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 缶のネッキング加工方法およびネッキング加
工装置に係り、缶の壁面におけるひずみや皺等の発生を
防止しつつ、大きな縮径角度のスムーズネックを成形す
る。 【構成】 缶11とその開口端11a側に配した成形金
型14eとを軸線方向に相対移動させ、成形金型14e
の成形面18を缶11の外面に押し当てて、缶11の周
壁に開口端11a側に向けて縮径する略テーパ状の肩部
17とその先端に配される筒状のネック部19とを逐次
成形していく複数の成形工程を具備し、各成形工程にお
いて、その前段に配される成形工程で成形された肩部1
7cとの間に段部20bを形成しつつ縮径加工を施し、
形成された段部20bを、それよりも後段に配される他
の成形工程で押圧して平滑化する。
工装置に係り、缶の壁面におけるひずみや皺等の発生を
防止しつつ、大きな縮径角度のスムーズネックを成形す
る。 【構成】 缶11とその開口端11a側に配した成形金
型14eとを軸線方向に相対移動させ、成形金型14e
の成形面18を缶11の外面に押し当てて、缶11の周
壁に開口端11a側に向けて縮径する略テーパ状の肩部
17とその先端に配される筒状のネック部19とを逐次
成形していく複数の成形工程を具備し、各成形工程にお
いて、その前段に配される成形工程で成形された肩部1
7cとの間に段部20bを形成しつつ縮径加工を施し、
形成された段部20bを、それよりも後段に配される他
の成形工程で押圧して平滑化する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、缶のネッキング加工方
法およびネッキング加工装置に関し、特に、飲料缶に略
テーパ状のスムーズな肩部を成形する技術に関するもの
である。
法およびネッキング加工装置に関し、特に、飲料缶に略
テーパ状のスムーズな肩部を成形する技術に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ビールやジュース等の飲料を封入する飲
料缶としては、図12に示す形状のアルミニウム製のも
のがある。この飲料缶1は、プレス成形された有底円筒
状の飲料缶本体2の開口端3を折り返してフランジ4を
形成しておき、内部に飲料を充填した後に前記フランジ
4に蓋(図示略)を配置してその周囲にシーミング加工
を施すことにより構成されるようになっている。
料缶としては、図12に示す形状のアルミニウム製のも
のがある。この飲料缶1は、プレス成形された有底円筒
状の飲料缶本体2の開口端3を折り返してフランジ4を
形成しておき、内部に飲料を充填した後に前記フランジ
4に蓋(図示略)を配置してその周囲にシーミング加工
を施すことにより構成されるようになっている。
【0003】ところで、かかる飲料缶1においてコスト
ダウンを図るためには、使用されるアルミニウム材料を
節約することが最も効果的である。すなわち、大量に製
造される飲料缶1の1つ1つにおいて材料の節約を実施
すれば、各飲料缶1ごとの節約量が微小なものであって
も全体として大きなコストダウンを図ることができる。
また、材料を節約することは、飲料缶1の軽量化につな
がるので、その輸送の容易性を向上することもできるこ
とになる。
ダウンを図るためには、使用されるアルミニウム材料を
節約することが最も効果的である。すなわち、大量に製
造される飲料缶1の1つ1つにおいて材料の節約を実施
すれば、各飲料缶1ごとの節約量が微小なものであって
も全体として大きなコストダウンを図ることができる。
また、材料を節約することは、飲料缶1の軽量化につな
がるので、その輸送の容易性を向上することもできるこ
とになる。
【0004】従来、飲料缶1の材料を節約する方法とし
て、蓋の面積を縮小する方法が採用されている。すなわ
ち、飲料缶本体2の開口端部3を縮径する成形加工を施
してフランジ4の口径を小さくし、該フランジ4を閉塞
する蓋の面積を縮小することによって、縮小された面積
分に相当するアルミニウム材料の節約を図るものであ
る。
て、蓋の面積を縮小する方法が採用されている。すなわ
ち、飲料缶本体2の開口端部3を縮径する成形加工を施
してフランジ4の口径を小さくし、該フランジ4を閉塞
する蓋の面積を縮小することによって、縮小された面積
分に相当するアルミニウム材料の節約を図るものであ
る。
【0005】従来より採用されている上記縮径のための
成形加工方法としては、飲料缶1の開口端部3の外側面
に同心に配された円環状の成形金型(図示略)を複数回
に亙って押し当てる成形工程により段階的に縮径してゆ
き、開口端部3に階段状の肩部5を形成するものがあ
る。成形金型は、飲料缶1の外側面に圧接させられる曲
率半径2mm程度の成形面を有しており、各成形工程に
おいてアルミニウム材料に急激な塑性変形を生じさせる
ことにより階段状の肩部5を成形するようになってい
る。
成形加工方法としては、飲料缶1の開口端部3の外側面
に同心に配された円環状の成形金型(図示略)を複数回
に亙って押し当てる成形工程により段階的に縮径してゆ
き、開口端部3に階段状の肩部5を形成するものがあ
る。成形金型は、飲料缶1の外側面に圧接させられる曲
率半径2mm程度の成形面を有しており、各成形工程に
おいてアルミニウム材料に急激な塑性変形を生じさせる
ことにより階段状の肩部5を成形するようになってい
る。
【0006】この場合、各成形工程における飲料缶1の
塑性変形の際に、かなりの応力が発生することとなる
が、成形工程間における変形部分が連続していないため
に、発生した応力が他の成形工程に悪影響を及ぼすこと
なく飲料缶1の健全性が維持される。そして、この方法
によれば、飲料缶1の強度を保持しつつ、アルミニウム
材料の節約を図ることができるというメリットがある。
塑性変形の際に、かなりの応力が発生することとなる
が、成形工程間における変形部分が連続していないため
に、発生した応力が他の成形工程に悪影響を及ぼすこと
なく飲料缶1の健全性が維持される。そして、この方法
によれば、飲料缶1の強度を保持しつつ、アルミニウム
材料の節約を図ることができるというメリットがある。
【0007】しかし、上述した飲料缶1の開口端部3を
縮径していく方法であると、各成形工程ごとに、かなり
の応力を発生させて成形加工を行うため、一度の成形工
程により成形できる肩部の縮径角度には制限があった。
また、肩部5が階段状に成形されるので、飲料缶1の内
面に凹凸が形成されてしまうことになり、更なる材料の
節約を図るべく、肩部5における縮径角度を大きくして
いくと、凹凸によって所望の内容積を確保することが困
難になるという不都合があった。
縮径していく方法であると、各成形工程ごとに、かなり
の応力を発生させて成形加工を行うため、一度の成形工
程により成形できる肩部の縮径角度には制限があった。
また、肩部5が階段状に成形されるので、飲料缶1の内
面に凹凸が形成されてしまうことになり、更なる材料の
節約を図るべく、肩部5における縮径角度を大きくして
いくと、凹凸によって所望の内容積を確保することが困
難になるという不都合があった。
【0008】このような不都合を回避するために、特許
出願公表平5−502551号に示されるように、肩部
5を階段状に形成することなくテーパ面状の滑らかな形
状(スムーズネック)とする成形方法が提案されてい
る。
出願公表平5−502551号に示されるように、肩部
5を階段状に形成することなくテーパ面状の滑らかな形
状(スムーズネック)とする成形方法が提案されてい
る。
【0009】この成形方法では、同心に配される2つの
円筒状壁部分を、まっすぐのテーパ付けされた壁面とそ
れに隣接する曲率半径3〜7.6mmの弓形上面区分お
よび0.76〜7.1mmの弓形表面区分とによって連
結した成形面を有する複数の成形金型を使用する。そし
て、これらの成形金型を、複数工程にわたる成形工程に
おいて、次々に缶の開口端側から押し付けることによ
り、テーパ状のネック部を逐次成形していくものであ
る。すなわち、内側の円筒状壁部分の口径を逐次小さく
していくことにより缶の開口端を絞っていくとともに、
テーパ状壁面によって肩部を成形していくようになって
いる。
円筒状壁部分を、まっすぐのテーパ付けされた壁面とそ
れに隣接する曲率半径3〜7.6mmの弓形上面区分お
よび0.76〜7.1mmの弓形表面区分とによって連
結した成形面を有する複数の成形金型を使用する。そし
て、これらの成形金型を、複数工程にわたる成形工程に
おいて、次々に缶の開口端側から押し付けることによ
り、テーパ状のネック部を逐次成形していくものであ
る。すなわち、内側の円筒状壁部分の口径を逐次小さく
していくことにより缶の開口端を絞っていくとともに、
テーパ状壁面によって肩部を成形していくようになって
いる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記成
形方法には、以下の問題点がある。まず、スムーズネッ
ク缶の成形においては、各成形工程による変形箇所が連
続するためので、上記成形方法では、一段階前の成形工
程における塑性変形の応力がその次の成形工程によって
飲料缶の周壁に悪影響を及ぼし、ひずみが誘発されてし
まう不都合が考えられる。すなわち、成形金型がまっす
ぐのテーパ状成形面を有するので、肩部の成形が目標テ
ーパ角度まで一気に実施されることになり、各成形工程
ごとに過大な応力が発生するとともに、缶の周壁に沿う
応力のスムーズな拡散が行われ難くなる。その結果、ア
ルミニウム材料に座屈によるひずみや皺等が発生し易く
なって、製品の品質を確保することが困難である。
形方法には、以下の問題点がある。まず、スムーズネッ
ク缶の成形においては、各成形工程による変形箇所が連
続するためので、上記成形方法では、一段階前の成形工
程における塑性変形の応力がその次の成形工程によって
飲料缶の周壁に悪影響を及ぼし、ひずみが誘発されてし
まう不都合が考えられる。すなわち、成形金型がまっす
ぐのテーパ状成形面を有するので、肩部の成形が目標テ
ーパ角度まで一気に実施されることになり、各成形工程
ごとに過大な応力が発生するとともに、缶の周壁に沿う
応力のスムーズな拡散が行われ難くなる。その結果、ア
ルミニウム材料に座屈によるひずみや皺等が発生し易く
なって、製品の品質を確保することが困難である。
【0011】一方、過大な応力発生を回避すべく大きな
曲率半径のみを有する成形面によって成形を行うと、ア
ルミニウム材料に大きなスプリングバックが発生するこ
とになる。その結果、スプリングバックが発生した肩部
に重ねて次の成形工程が実施されることになり、成形工
程ごとに肩部に成形金型の跡が残されてしまうととも
に、スムーズネックのテーパ面形状を維持することが困
難になるという不都合がある。
曲率半径のみを有する成形面によって成形を行うと、ア
ルミニウム材料に大きなスプリングバックが発生するこ
とになる。その結果、スプリングバックが発生した肩部
に重ねて次の成形工程が実施されることになり、成形工
程ごとに肩部に成形金型の跡が残されてしまうととも
に、スムーズネックのテーパ面形状を維持することが困
難になるという不都合がある。
【0012】また、このような不都合を解消する成形方
法として、例えば、特公平6−51211号に示される
ように、複数の成形金型によって階段状の肩部を成形す
る従来の成形工程の後に、その成形工程において成形さ
れた肩部を内外面からロールによって押圧する成形工程
を実施することによりスムーズネックを成形する成形方
法が提案されている。
法として、例えば、特公平6−51211号に示される
ように、複数の成形金型によって階段状の肩部を成形す
る従来の成形工程の後に、その成形工程において成形さ
れた肩部を内外面からロールによって押圧する成形工程
を実施することによりスムーズネックを成形する成形方
法が提案されている。
【0013】しかしながら、この方法では、ロールによ
る成形工程は、基本的に肩部の凹凸を押し潰すのみで、
その縮径角度を増大させるものではないので、縮径角度
は階段状の肩部を成形したときの縮径角度に左右され、
大きな縮径角度を確保することができないという問題点
を解決するものではない。また、肩部の凹凸を押し潰す
ロールによる成形工程は、成形金型による成形工程とは
別工程として実施しなければならず、成形工程間の缶の
受け渡しの問題や、製造工程の複雑化等の問題が生ずる
ことになるという不都合がある。
る成形工程は、基本的に肩部の凹凸を押し潰すのみで、
その縮径角度を増大させるものではないので、縮径角度
は階段状の肩部を成形したときの縮径角度に左右され、
大きな縮径角度を確保することができないという問題点
を解決するものではない。また、肩部の凹凸を押し潰す
ロールによる成形工程は、成形金型による成形工程とは
別工程として実施しなければならず、成形工程間の缶の
受け渡しの問題や、製造工程の複雑化等の問題が生ずる
ことになるという不都合がある。
【0014】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
ものであって、缶の壁面におけるひずみや皺等の発生を
防止しつつ、大きな縮径角度のスムーズネックを成形す
ることができる缶のネッキング加工方法およびネッキン
グ加工装置を提供することを目的としている。
ものであって、缶の壁面におけるひずみや皺等の発生を
防止しつつ、大きな縮径角度のスムーズネックを成形す
ることができる缶のネッキング加工方法およびネッキン
グ加工装置を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、有底筒状の缶とその開口端側に配される
成形金型との間に缶の軸線方向に沿う相対移動を生じさ
せ、前記成形金型の缶と同心に配される環状の成形面を
缶の外面に押し当てることによって、缶の周壁に開口端
側に向けて縮径する略テーパ状の肩部とその先端に配さ
れる筒状のネック部とを逐次成形していく複数の成形工
程を具備し、各成形工程において、その前段に配される
成形工程で成形された肩部との間に段部を形成しつつ縮
径加工を施し、該成形工程において形成された段部を、
それよりも後段に配される他の成形工程で押圧して平滑
化する缶のネッキング加工方法を提案している。
に、本発明は、有底筒状の缶とその開口端側に配される
成形金型との間に缶の軸線方向に沿う相対移動を生じさ
せ、前記成形金型の缶と同心に配される環状の成形面を
缶の外面に押し当てることによって、缶の周壁に開口端
側に向けて縮径する略テーパ状の肩部とその先端に配さ
れる筒状のネック部とを逐次成形していく複数の成形工
程を具備し、各成形工程において、その前段に配される
成形工程で成形された肩部との間に段部を形成しつつ縮
径加工を施し、該成形工程において形成された段部を、
それよりも後段に配される他の成形工程で押圧して平滑
化する缶のネッキング加工方法を提案している。
【0016】上記ネッキング加工方法においては、各成
形工程とその後段に配される他の成形工程との間に、該
他の成形工程によって形成される段部とほぼ同一位置に
段部を形成し、かつ、該他の成形工程よりも小さい角度
の肩部と大きな口径のネック部とを形成する予備成形工
程を具備する構成とすれば有効である。
形工程とその後段に配される他の成形工程との間に、該
他の成形工程によって形成される段部とほぼ同一位置に
段部を形成し、かつ、該他の成形工程よりも小さい角度
の肩部と大きな口径のネック部とを形成する予備成形工
程を具備する構成とすれば有効である。
【0017】また、本発明は、有底筒状の缶の開口端側
に環状の成形面を同心に配される複数の成形金型を具備
し、各成形金型の成形面を缶に対する軸心方向の相対移
動によって缶の外面に押し当てる複数の成形工程によ
り、缶の周壁に開口端側に向けて縮径する略テーパ状の
肩部とその先端に配される筒状のネック部とを逐次成形
していく缶のネッキング加工装置であって、前記成形金
型の成形面に、当該成形工程の前段に配される他の成形
工程において成形された肩部を凹ませて新たな肩部を形
成しかつ両肩部間に段部を形成する凸面と、当該成形工
程より以前に形成された段部を押圧する段部押圧面とが
設けられている缶のネッキング加工装置を提案してい
る。
に環状の成形面を同心に配される複数の成形金型を具備
し、各成形金型の成形面を缶に対する軸心方向の相対移
動によって缶の外面に押し当てる複数の成形工程によ
り、缶の周壁に開口端側に向けて縮径する略テーパ状の
肩部とその先端に配される筒状のネック部とを逐次成形
していく缶のネッキング加工装置であって、前記成形金
型の成形面に、当該成形工程の前段に配される他の成形
工程において成形された肩部を凹ませて新たな肩部を形
成しかつ両肩部間に段部を形成する凸面と、当該成形工
程より以前に形成された段部を押圧する段部押圧面とが
設けられている缶のネッキング加工装置を提案してい
る。
【0018】
【作用】本発明に係る缶のネッキング加工方法によれ
ば、缶の開口端側に対して成形金型を軸心方向に沿って
相対移動させる複数の成形工程において、成形金型の成
形面を缶の外側面に押し当てることにより、缶の周壁が
逐次変形させられる。各成形工程では、缶の周壁にネッ
ク部と肩部とが成形されるが、その直前に実施された他
の成形工程において成形された肩部との間に段部が形成
される。これにより、段部の前後の塑性変形により発生
する応力の影響が断ち切られるので、缶の周壁に歪みや
皺が発生することが防止されることになる。
ば、缶の開口端側に対して成形金型を軸心方向に沿って
相対移動させる複数の成形工程において、成形金型の成
形面を缶の外側面に押し当てることにより、缶の周壁が
逐次変形させられる。各成形工程では、缶の周壁にネッ
ク部と肩部とが成形されるが、その直前に実施された他
の成形工程において成形された肩部との間に段部が形成
される。これにより、段部の前後の塑性変形により発生
する応力の影響が断ち切られるので、缶の周壁に歪みや
皺が発生することが防止されることになる。
【0019】そして、このようにして形成された段部
は、それよりも後段に配される他の成形工程において押
圧されて平滑化される。すなわち、段部は、その前後の
成形工程において缶の周壁が塑性変形される際に生じる
応力の影響を断ち切るためにのみ利用されるので、応力
の影響のないそれよりも後段の成形工程において押し潰
すこととしても、缶の周壁に歪みや皺が発生することは
ない。これにより、肩部に形成されていた段部が消滅さ
せられあるいはその高さを低減させられるので、略テー
パ状のスムーズな肩部が形成されることになる。
は、それよりも後段に配される他の成形工程において押
圧されて平滑化される。すなわち、段部は、その前後の
成形工程において缶の周壁が塑性変形される際に生じる
応力の影響を断ち切るためにのみ利用されるので、応力
の影響のないそれよりも後段の成形工程において押し潰
すこととしても、缶の周壁に歪みや皺が発生することは
ない。これにより、肩部に形成されていた段部が消滅さ
せられあるいはその高さを低減させられるので、略テー
パ状のスムーズな肩部が形成されることになる。
【0020】また、上記ネッキング加工方法において、
各成形工程とその後段に配される他の成形工程との間
に、予備成形工程を設けることとすれば、該予備成形工
程においては、その後の成形工程において形成される段
部とほぼ同一位置に、少ない塑性変形を伴って段部が形
成され、かつ、後の成形工程よりも小さい角度の肩部と
大きな口径のネック部とが形成される。したがって、段
部を形成する際に大きな塑性変形を伴わないので、その
前段の成形工程により生じている応力の影響を最小限に
抑制して皺の発生等を回避することが可能となる。
各成形工程とその後段に配される他の成形工程との間
に、予備成形工程を設けることとすれば、該予備成形工
程においては、その後の成形工程において形成される段
部とほぼ同一位置に、少ない塑性変形を伴って段部が形
成され、かつ、後の成形工程よりも小さい角度の肩部と
大きな口径のネック部とが形成される。したがって、段
部を形成する際に大きな塑性変形を伴わないので、その
前段の成形工程により生じている応力の影響を最小限に
抑制して皺の発生等を回避することが可能となる。
【0021】また、その後に実施される成形工程におい
ては、予備成形工程において生じた塑性変形の上に、さ
らに大きな塑性変形を生じさせることとなるが、その成
形工程において生じさせられる塑性変形量は少なくて済
み、過大な応力の発生が抑制されることになる。さら
に、当該後の成形工程時には、すでに段部が形成されて
いるので、前段の成形工程により生じている応力の影響
を受けることなく大きな縮径角度となるように縮径加工
を行うことが可能となる。
ては、予備成形工程において生じた塑性変形の上に、さ
らに大きな塑性変形を生じさせることとなるが、その成
形工程において生じさせられる塑性変形量は少なくて済
み、過大な応力の発生が抑制されることになる。さら
に、当該後の成形工程時には、すでに段部が形成されて
いるので、前段の成形工程により生じている応力の影響
を受けることなく大きな縮径角度となるように縮径加工
を行うことが可能となる。
【0022】さらに、本発明に係る缶のネッキング加工
装置によれば、有底筒状の缶の開口端側に環状の成形面
を同心に配される複数の成形金型を複数の成形工程に亙
って缶の外面に順次押し当てることにより、缶の周壁に
開口端側に向けて縮径する略テーパ状の肩部とその先端
に配される筒状のネック部とが逐次成形されていくこと
になる。この場合に、缶の外面に押し当てられる成形金
型の成形面は、その前の成形工程によって成形された肩
部を凸面部によって凹ませることにより新たな肩部を形
成する。
装置によれば、有底筒状の缶の開口端側に環状の成形面
を同心に配される複数の成形金型を複数の成形工程に亙
って缶の外面に順次押し当てることにより、缶の周壁に
開口端側に向けて縮径する略テーパ状の肩部とその先端
に配される筒状のネック部とが逐次成形されていくこと
になる。この場合に、缶の外面に押し当てられる成形金
型の成形面は、その前の成形工程によって成形された肩
部を凸面部によって凹ませることにより新たな肩部を形
成する。
【0023】これにより、前の成形工程により成形され
た肩部と新たな肩部との間に段部が形成される。そし
て、このように形成された段部は、次の成形工程あるい
はそれ以降の成形工程において、成形金型の成形面に設
けられた段部押圧面によって押圧されることにより、押
し潰されて平滑化され、全体として、各成形工程におけ
る肩部を連続させたスムーズな略テーパ状の肩部が形成
されることになる。
た肩部と新たな肩部との間に段部が形成される。そし
て、このように形成された段部は、次の成形工程あるい
はそれ以降の成形工程において、成形金型の成形面に設
けられた段部押圧面によって押圧されることにより、押
し潰されて平滑化され、全体として、各成形工程におけ
る肩部を連続させたスムーズな略テーパ状の肩部が形成
されることになる。
【0024】
【実施例】以下、本発明に係る缶のネッキング加工方法
およびネッキング加工装置の一実施例について、図1か
ら図11を参照して説明する。本実施例に係るネッキン
グ加工方法も、飲料缶10の加工方法であって、例え
ば、第1工程S1、第2予備工程SP2、第2工程S2、第
3予備工程SP3、第3工程S3、第4予備工程SP4、第
4工程S4および第5工程S5の合計8工程に亙る成形工
程S1〜S5および予備成形工程SP2〜SP4を具備してい
る。
およびネッキング加工装置の一実施例について、図1か
ら図11を参照して説明する。本実施例に係るネッキン
グ加工方法も、飲料缶10の加工方法であって、例え
ば、第1工程S1、第2予備工程SP2、第2工程S2、第
3予備工程SP3、第3工程S3、第4予備工程SP4、第
4工程S4および第5工程S5の合計8工程に亙る成形工
程S1〜S5および予備成形工程SP2〜SP4を具備してい
る。
【0025】また、本実施例におけるネッキング加工装
置10、図2に示すように、缶11の開口端11a側に
配されて軸線C方向に進退させられるスピンドルハウジ
ング12と、該スピンドルハウジング12を駆動するカ
ム機構13と、スピンドルハウジング12の先端に取り
付けられる成形金型14a〜14hと、缶11の開口端
11a内に挿入され缶11内に圧縮空気を導入するガイ
ドブロック15とを具備しており、成形金型14a〜1
4hを缶11の外面に押し当てることにより缶11の開
口端11aを順次縮径していくようになっている点にお
いて従来のネッキング加工装置と共通している。しか
し、本実施例のネッキング加工装置10は、その成形金
型14a〜14hの構造において従来のものと相違して
いる。
置10、図2に示すように、缶11の開口端11a側に
配されて軸線C方向に進退させられるスピンドルハウジ
ング12と、該スピンドルハウジング12を駆動するカ
ム機構13と、スピンドルハウジング12の先端に取り
付けられる成形金型14a〜14hと、缶11の開口端
11a内に挿入され缶11内に圧縮空気を導入するガイ
ドブロック15とを具備しており、成形金型14a〜1
4hを缶11の外面に押し当てることにより缶11の開
口端11aを順次縮径していくようになっている点にお
いて従来のネッキング加工装置と共通している。しか
し、本実施例のネッキング加工装置10は、その成形金
型14a〜14hの構造において従来のものと相違して
いる。
【0026】本実施例のネッキング加工装置10におい
て、第1工程S1および第2工程S2で使用される成形金
型14a・14bは、図3に示すように、缶11の開口
端11aを半径方向内方に導く微少傾斜角度のテーパ内
面よりなる導入部16と、該導入部16に連続する内面
に缶11を絞り込んで肩部17を形成する1つの凸面1
8aよりなる成形面18とを具備している。しかし、第
2工程S2における成形金型14bは、従来よりも大き
な縮径角度を達成するように、その凸面18aが内側に
大きく突出するように形成されている。すなわち、第1
工程S1に続けて第2工程S2を実施したならば、縮径量
が過大となって缶11の周壁に座屈を生じる程度に形成
されている。
て、第1工程S1および第2工程S2で使用される成形金
型14a・14bは、図3に示すように、缶11の開口
端11aを半径方向内方に導く微少傾斜角度のテーパ内
面よりなる導入部16と、該導入部16に連続する内面
に缶11を絞り込んで肩部17を形成する1つの凸面1
8aよりなる成形面18とを具備している。しかし、第
2工程S2における成形金型14bは、従来よりも大き
な縮径角度を達成するように、その凸面18aが内側に
大きく突出するように形成されている。すなわち、第1
工程S1に続けて第2工程S2を実施したならば、縮径量
が過大となって缶11の周壁に座屈を生じる程度に形成
されている。
【0027】また、第3工程S3から第5工程S5におけ
る成形金型14c・14d・14eは、図4に示すよう
に、上記第1工程S1および第2工程S2における成形面
18の形状に加えて、凸面18aと導入部16との間
に、半径方向内方に突出する段部押圧面18bを具備し
ている。この段部押圧面18bは、その前段の成形工程
において形成された後述する段部の外面に当接する半径
方向位置にリング状に設けられており、当該成形工程に
おける段部の成形時に、前段の成形工程において形成さ
れた段部を外部から押圧するようになっている。
る成形金型14c・14d・14eは、図4に示すよう
に、上記第1工程S1および第2工程S2における成形面
18の形状に加えて、凸面18aと導入部16との間
に、半径方向内方に突出する段部押圧面18bを具備し
ている。この段部押圧面18bは、その前段の成形工程
において形成された後述する段部の外面に当接する半径
方向位置にリング状に設けられており、当該成形工程に
おける段部の成形時に、前段の成形工程において形成さ
れた段部を外部から押圧するようになっている。
【0028】さらに、第2予備工程SP2から第4予備工
程SP4における成形金型14f・14g・14hは、従
来と同様に導入部16と1つの凸面18aとを有するも
のであるが、第2工程S2から第5工程S5の成形金型1
4c〜14eよりも小さい縮径角度により縮径加工を行
うように、第2工程S2から第5工程S5の成形金型14
c〜14eよりも半径方向内方に小さく突出する凸面1
8aよりなる成形面18を有している。
程SP4における成形金型14f・14g・14hは、従
来と同様に導入部16と1つの凸面18aとを有するも
のであるが、第2工程S2から第5工程S5の成形金型1
4c〜14eよりも小さい縮径角度により縮径加工を行
うように、第2工程S2から第5工程S5の成形金型14
c〜14eよりも半径方向内方に小さく突出する凸面1
8aよりなる成形面18を有している。
【0029】各成形工程S1〜S5、SP2〜SP4における
缶11の肩部17およびネック部19の形状を図5から
図11に示す。これら各図において一点鎖線は目標とす
る肩部17の形状を示し、二点鎖線は各成形工程S1〜
S5、SP2〜SP4における加工前の缶11の形状を示
し、実線は各成形金型14a〜14hの内面形状を示し
ている。
缶11の肩部17およびネック部19の形状を図5から
図11に示す。これら各図において一点鎖線は目標とす
る肩部17の形状を示し、二点鎖線は各成形工程S1〜
S5、SP2〜SP4における加工前の缶11の形状を示
し、実線は各成形金型14a〜14hの内面形状を示し
ている。
【0030】まず第1工程S1では、直円筒状に形成さ
れた缶11を絞り込む。この成形工程S1は、缶11に
応力が生じていない状態で実施されるので、縮径加工に
応力による悪影響が及ばず、比較的大きく絞り込むこと
が可能である。
れた缶11を絞り込む。この成形工程S1は、缶11に
応力が生じていない状態で実施されるので、縮径加工に
応力による悪影響が及ばず、比較的大きく絞り込むこと
が可能である。
【0031】次いで、第2予備工程SP2では、上記第1
工程S1において成形された肩部17aを、目標とする
缶11の形状よりも小さな縮径角度となるように絞り込
む。この際、新たな肩部17bが形成されることになる
が、この肩部17bと第1工程における肩部17aとの
間に半径方向外方に突出するリング状の段部20aが形
成されることになる。
工程S1において成形された肩部17aを、目標とする
缶11の形状よりも小さな縮径角度となるように絞り込
む。この際、新たな肩部17bが形成されることになる
が、この肩部17bと第1工程における肩部17aとの
間に半径方向外方に突出するリング状の段部20aが形
成されることになる。
【0032】したがって、第2予備工程SP2では、段部
20aを形成する従来のネッキング加工と同様の縮径量
によって縮径加工を実施するので、塑性変形により生ず
る応力が過大なものとならず、材料の座屈による皺の発
生等が回避される。しかも、この第2予備工程SP2にお
いて形成された段部20aにより、第1工程S1におけ
る塑性変形で生じていた応力が、その後の成形工程にお
ける塑性変形に影響を及ぼさないように断ち切られるこ
とになる。
20aを形成する従来のネッキング加工と同様の縮径量
によって縮径加工を実施するので、塑性変形により生ず
る応力が過大なものとならず、材料の座屈による皺の発
生等が回避される。しかも、この第2予備工程SP2にお
いて形成された段部20aにより、第1工程S1におけ
る塑性変形で生じていた応力が、その後の成形工程にお
ける塑性変形に影響を及ぼさないように断ち切られるこ
とになる。
【0033】そして、この後に第2工程S2が実施され
ると、前記第2予備工程SP2において形成された段部2
0aとほぼ同一位置を段部20aとして、それよりも開
口端11a側の肩部17cが、第2予備工程SP2におい
て成形された肩部17bを目標とする縮径角度まで絞り
込まれた形状に形成されることになる。
ると、前記第2予備工程SP2において形成された段部2
0aとほぼ同一位置を段部20aとして、それよりも開
口端11a側の肩部17cが、第2予備工程SP2におい
て成形された肩部17bを目標とする縮径角度まで絞り
込まれた形状に形成されることになる。
【0034】この際、第2工程S2においては、第2予
備工程SP2においてある程度絞り込まれているために、
縮径量自体は少なくて済み、塑性変形による過大な応力
が発生することが回避される。しかも、第2予備工程S
P2において形成された段部20aによって第1工程S1
における塑性変形の応力が第2工程S2の塑性変形に作
用することが防止され、歪みや皺の発生が回避されるこ
とになる。
備工程SP2においてある程度絞り込まれているために、
縮径量自体は少なくて済み、塑性変形による過大な応力
が発生することが回避される。しかも、第2予備工程S
P2において形成された段部20aによって第1工程S1
における塑性変形の応力が第2工程S2の塑性変形に作
用することが防止され、歪みや皺の発生が回避されるこ
とになる。
【0035】以下、第3予備工程SP3、第3工程S3、
第4予備工程SP4、第4工程S4および第5工程S5は、
上述と同様に縮径加工が実施される。ここで、第3工程
S3、第4工程S4および第5工程S5では、上記成形工
程S1・SP2・S2と異なる加工が実施される。すなわ
ち、これらの成形工程S3〜S5において使用される成形
金型14c〜14eの成形面18は、凸面18aの他に
段部押圧面18bを有しているので、それぞれの前段の
成形工程S2〜S4において形成された段部20a・20
b・20cを外部から押圧して押し潰すようになってい
る。
第4予備工程SP4、第4工程S4および第5工程S5は、
上述と同様に縮径加工が実施される。ここで、第3工程
S3、第4工程S4および第5工程S5では、上記成形工
程S1・SP2・S2と異なる加工が実施される。すなわ
ち、これらの成形工程S3〜S5において使用される成形
金型14c〜14eの成形面18は、凸面18aの他に
段部押圧面18bを有しているので、それぞれの前段の
成形工程S2〜S4において形成された段部20a・20
b・20cを外部から押圧して押し潰すようになってい
る。
【0036】この場合に、押し潰される段部20a〜2
0cの前後の肩部17a〜17dにおいては、塑性変形
が完了しており、新たな縮径加工を実施しないので、歪
みや皺が生ずることがなく、段部20a〜20cのみが
平滑化されることになる。その結果、図1に示すよう
に、その段部20a〜20cの前後に配されていた肩部
17a〜17dが連続させられて平坦な略テーパ状の肩
部17が形成されることになる。なお、最終工程である
第5工程S5においては、第4工程S4における肩部17
dとの間に段部を形成しないように、成形金型14eの
形状を決定することとして、縮径量を小さくすればよ
い。
0cの前後の肩部17a〜17dにおいては、塑性変形
が完了しており、新たな縮径加工を実施しないので、歪
みや皺が生ずることがなく、段部20a〜20cのみが
平滑化されることになる。その結果、図1に示すよう
に、その段部20a〜20cの前後に配されていた肩部
17a〜17dが連続させられて平坦な略テーパ状の肩
部17が形成されることになる。なお、最終工程である
第5工程S5においては、第4工程S4における肩部17
dとの間に段部を形成しないように、成形金型14eの
形状を決定することとして、縮径量を小さくすればよ
い。
【0037】したがって、本実施例に係る缶11のネッ
キング加工方法およびネッキング加工装置10によれ
ば、各成形工程S2〜S4において形成される肩部17b
〜17dとその前段に配される成形工程S1〜S3におい
て形成された肩部17a〜17cとの間に段部20a〜
20cを形成しつつ缶11の縮径加工を行うので、前段
の成形工程において塑性変形により生じた応力の影響が
段部によって断ち切られることになり、縮径加工の途中
における歪みや皺の発生を防止することができる。
キング加工方法およびネッキング加工装置10によれ
ば、各成形工程S2〜S4において形成される肩部17b
〜17dとその前段に配される成形工程S1〜S3におい
て形成された肩部17a〜17cとの間に段部20a〜
20cを形成しつつ缶11の縮径加工を行うので、前段
の成形工程において塑性変形により生じた応力の影響が
段部によって断ち切られることになり、縮径加工の途中
における歪みや皺の発生を防止することができる。
【0038】また、このようにして形成された段部20
a〜20cは、その段部20a〜20cを形成した成形
工程S2〜S4よりも後段に配される成形工程S3〜S5に
おいて押し潰されることにより平滑化される。この際
に、段部20a〜20cの両側に配される肩部17a〜
17dにおいては塑性変形を伴わないので、皺等の発生
を生ずることなく肩部17a〜17dどうしを連続させ
て、最終的にスムーズな略テーパ状の肩部17を形成す
ることができる。
a〜20cは、その段部20a〜20cを形成した成形
工程S2〜S4よりも後段に配される成形工程S3〜S5に
おいて押し潰されることにより平滑化される。この際
に、段部20a〜20cの両側に配される肩部17a〜
17dにおいては塑性変形を伴わないので、皺等の発生
を生ずることなく肩部17a〜17dどうしを連続させ
て、最終的にスムーズな略テーパ状の肩部17を形成す
ることができる。
【0039】この場合にあって、本実施例のネッキング
加工方法およびネッキング加工装置10によれば、缶1
1の縮径加工と肩部17の平滑化とを成形金型14a〜
14dによる成形工程S1〜S5において同時に実施する
ことができるので、従来のように工程を変える必要がな
く、簡易にかつ短い加工時間でスムーズネックを成形す
ることができる。
加工方法およびネッキング加工装置10によれば、缶1
1の縮径加工と肩部17の平滑化とを成形金型14a〜
14dによる成形工程S1〜S5において同時に実施する
ことができるので、従来のように工程を変える必要がな
く、簡易にかつ短い加工時間でスムーズネックを成形す
ることができる。
【0040】また、本実施例においては、成形工程S2
〜S4の前段に、段部20a〜20cを形成しつつ少な
い塑性変形を生じさせる予備成形工程SP2〜SP4を設け
ることとしているので、成形工程S2〜S4において大き
な縮径角度まで縮径加工を実施することができる。した
がって、缶11の健全性を保持しつつ、大きな縮径角度
のスムーズネックを形成することができるので、内容量
を確保しつつ材料を有効に節約して、製品コストの低減
を図ることができる。
〜S4の前段に、段部20a〜20cを形成しつつ少な
い塑性変形を生じさせる予備成形工程SP2〜SP4を設け
ることとしているので、成形工程S2〜S4において大き
な縮径角度まで縮径加工を実施することができる。した
がって、缶11の健全性を保持しつつ、大きな縮径角度
のスムーズネックを形成することができるので、内容量
を確保しつつ材料を有効に節約して、製品コストの低減
を図ることができる。
【0041】なお、本実施例においては、缶11の形状
を有底円筒状としたが、完全な円筒に限定されるもので
はない。また、スピンドルハウジング12を進退させて
成形金型14a〜14hを缶11の開口端11aに近接
させることとしたが、成形金型14a〜14hに対して
缶11を往復移動させる構造としてもよい。
を有底円筒状としたが、完全な円筒に限定されるもので
はない。また、スピンドルハウジング12を進退させて
成形金型14a〜14hを缶11の開口端11aに近接
させることとしたが、成形金型14a〜14hに対して
缶11を往復移動させる構造としてもよい。
【0042】また、本実施例において、最終製品として
の缶11に成形される肩部17の形状を多少の凹凸の残
る略テーパ状としたが、成形金型14a〜14hの設
定、縮径角度の調整、成形工程の増減によって、凹凸の
程度を調整することとすれば、スムーズな肩部17を形
成することができる。
の缶11に成形される肩部17の形状を多少の凹凸の残
る略テーパ状としたが、成形金型14a〜14hの設
定、縮径角度の調整、成形工程の増減によって、凹凸の
程度を調整することとすれば、スムーズな肩部17を形
成することができる。
【0043】また、一の成形工程において形成された段
部20は、その次の成形工程において押し潰すこととし
たが、これに限定されることなく、それ以降の任意の成
形工程において押し潰すこととしてよい。また、複数の
段部20を一の成形工程において押し潰すこととしても
よい。
部20は、その次の成形工程において押し潰すこととし
たが、これに限定されることなく、それ以降の任意の成
形工程において押し潰すこととしてよい。また、複数の
段部20を一の成形工程において押し潰すこととしても
よい。
【0044】さらに、5つの成形工程S1〜S5と3つの
予備成形工程SP2〜SP4とからなる合計8つの成形工程
によって縮径加工を施すこととしたが、その数、組合わ
せ等を任意に設定してよい。また、各成形工程S1〜
S5、SP2〜SP4における縮径角度、縮径量において
も、任意に設定することとしてよい。
予備成形工程SP2〜SP4とからなる合計8つの成形工程
によって縮径加工を施すこととしたが、その数、組合わ
せ等を任意に設定してよい。また、各成形工程S1〜
S5、SP2〜SP4における縮径角度、縮径量において
も、任意に設定することとしてよい。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る缶の
ネッキング加工方法およびネッキング加工装置によれ
ば、缶の開口端に縮径加工を施す際に一旦段部を形成し
て前段の塑性変形により生じた応力の影響を断ち切ると
ともに、当該縮径加工が完了した後の成形工程において
段部を平滑化するので、缶の周壁に歪みや皺等の発生を
生ずることなくスムーズな略テーパ状の肩部を成形する
ことができるという効果を奏する。
ネッキング加工方法およびネッキング加工装置によれ
ば、缶の開口端に縮径加工を施す際に一旦段部を形成し
て前段の塑性変形により生じた応力の影響を断ち切ると
ともに、当該縮径加工が完了した後の成形工程において
段部を平滑化するので、缶の周壁に歪みや皺等の発生を
生ずることなくスムーズな略テーパ状の肩部を成形する
ことができるという効果を奏する。
【0046】また、各成形工程における縮径加工に先立
って、予備成形工程において段部を形成しかつ少ない塑
性変形の縮径加工を施しておくので、成形工程における
縮径量を低減することができ、塑性変形により生ずる応
力が過大なものとならないように抑制することができ
る。したがって、各成形工程において、肩部の縮径角度
を大きく確保することができ、内容量を確保しつつ材料
を節約して製品コストの低い缶を製造することができる
という効果を奏する。
って、予備成形工程において段部を形成しかつ少ない塑
性変形の縮径加工を施しておくので、成形工程における
縮径量を低減することができ、塑性変形により生ずる応
力が過大なものとならないように抑制することができ
る。したがって、各成形工程において、肩部の縮径角度
を大きく確保することができ、内容量を確保しつつ材料
を節約して製品コストの低い缶を製造することができる
という効果を奏する。
【0047】しかも、本発明に係るネッキング加工方法
およびネッキング加工装置によれば、上記縮径加工と肩
部の平滑化とを工程を変えることなく同時に実施するこ
とができるので、製造工程が簡易なものとなり、工程間
における缶の受け渡し作業が不要となって、加工速度の
向上、製品コストの低減等を図ることができる。
およびネッキング加工装置によれば、上記縮径加工と肩
部の平滑化とを工程を変えることなく同時に実施するこ
とができるので、製造工程が簡易なものとなり、工程間
における缶の受け渡し作業が不要となって、加工速度の
向上、製品コストの低減等を図ることができる。
【図1】本発明に係る缶のネッキング加工方法およびネ
ッキング加工装置の一実施例により成形された缶の肩部
の形状を示す縦断面図である。
ッキング加工装置の一実施例により成形された缶の肩部
の形状を示す縦断面図である。
【図2】本発明に係る缶のネッキング加工装置を示す一
部を破断した縦断面図である。
部を破断した縦断面図である。
【図3】図2のネッキング加工装置に使用される第1工
程および第2工程の成形金型の一例を示す縦断面図であ
る。
程および第2工程の成形金型の一例を示す縦断面図であ
る。
【図4】図2のネッキング加工装置に使用される第3工
程から第5工程の成形金型の一例を示す縦断面図であ
る。
程から第5工程の成形金型の一例を示す縦断面図であ
る。
【図5】本発明に係る缶のネッキング加工方法における
第1工程により成形された缶の肩部の形状を示す縦断面
図である。
第1工程により成形された缶の肩部の形状を示す縦断面
図である。
【図6】図5の缶のネッキング加工方法における第2予
備工程により成形された缶の肩部の形状を示す縦断面図
である。
備工程により成形された缶の肩部の形状を示す縦断面図
である。
【図7】図5の缶のネッキング加工方法における第2工
程により成形された缶の肩部の形状を示す縦断面図であ
る。
程により成形された缶の肩部の形状を示す縦断面図であ
る。
【図8】図5の缶のネッキング加工方法における第3予
備工程により成形された缶の肩部の形状を示す縦断面図
である。
備工程により成形された缶の肩部の形状を示す縦断面図
である。
【図9】図5の缶のネッキング加工方法における第3工
程により成形された缶の肩部の形状を示す縦断面図であ
る。
程により成形された缶の肩部の形状を示す縦断面図であ
る。
【図10】図5の缶のネッキング加工方法における第4
予備工程により成形された缶の肩部の形状を示す縦断面
図である。
予備工程により成形された缶の肩部の形状を示す縦断面
図である。
【図11】図5の缶のネッキング加工方法における第4
工程により成形された缶の肩部の形状を示す縦断面図で
ある。
工程により成形された缶の肩部の形状を示す縦断面図で
ある。
【図12】従来のネッキング加工方法により成形された
缶の一例を示す正面図である。
缶の一例を示す正面図である。
C 軸線 10 ネッキング加工装置 11 缶 11a 開口端 14(14a〜14h) 成形金型 17(17a〜17d) 肩部 18 成形面 18a 凸面 18b 段部押圧面 19 ネック部 20(20a〜20c) 段部
Claims (3)
- 【請求項1】 有底筒状の缶とその開口端側に配される
成形金型との間に缶の軸線方向に沿う相対移動を生じさ
せ、前記成形金型の缶と同心に配される環状の成形面を
缶の外面に押し当てることによって、缶の周壁に開口端
側に向けて縮径する略テーパ状の肩部とその先端に配さ
れる筒状のネック部とを逐次成形していく複数の成形工
程を具備し、 各成形工程において、その前段に配される成形工程で成
形された肩部との間に段部を形成しつつ縮径加工を施
し、 該成形工程において形成された段部を、それよりも後段
に配される他の成形工程で押圧して平滑化することを特
徴とする缶のネッキング加工方法。 - 【請求項2】 各成形工程とその後段に配される他の成
形工程との間に、該他の成形工程によって形成される段
部とほぼ同一位置に段部を形成し、かつ、該他の成形工
程よりも小さい角度の肩部と大きな口径のネック部とを
形成する予備成形工程を具備することを特徴とする請求
項1記載の缶のネッキング加工方法。 - 【請求項3】 有底筒状の缶の開口端側に環状の成形面
を同心に配される複数の成形金型を具備し、各成形金型
の成形面を缶に対する軸心方向の相対移動によって缶の
外面に押し当てる複数の成形工程により、缶の周壁に開
口端側に向けて縮径する略テーパ状の肩部とその先端に
配される筒状のネック部とを逐次成形していく缶のネッ
キング加工装置であって、 前記成形金型の成形面に、当該成形工程の前段に配され
る他の成形工程において成形された肩部を凹ませて新た
な肩部を形成しかつ両肩部間に段部を形成する凸面と、
当該成形工程より以前に形成された段部を押圧する段部
押圧面とが設けられていることを特徴とする缶のネッキ
ング加工装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21641994A JPH0871673A (ja) | 1994-09-09 | 1994-09-09 | 缶のネッキング加工方法およびネッキング加工装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21641994A JPH0871673A (ja) | 1994-09-09 | 1994-09-09 | 缶のネッキング加工方法およびネッキング加工装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0871673A true JPH0871673A (ja) | 1996-03-19 |
Family
ID=16688276
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21641994A Withdrawn JPH0871673A (ja) | 1994-09-09 | 1994-09-09 | 缶のネッキング加工方法およびネッキング加工装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0871673A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005536411A (ja) * | 2002-08-20 | 2005-12-02 | エグザル コーポレイション | アルミニウム製エアゾール缶及びアルミニウム製ボトル並びにこれらをコイル材から製造する方法 |
US9358604B2 (en) | 2014-06-12 | 2016-06-07 | Ball Corporation | System for compression relief shaping |
-
1994
- 1994-09-09 JP JP21641994A patent/JPH0871673A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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