JPH07102064A - 官能基含有ポリアリーレンスルフィドの製造法 - Google Patents

官能基含有ポリアリーレンスルフィドの製造法

Info

Publication number
JPH07102064A
JPH07102064A JP5265520A JP26552093A JPH07102064A JP H07102064 A JPH07102064 A JP H07102064A JP 5265520 A JP5265520 A JP 5265520A JP 26552093 A JP26552093 A JP 26552093A JP H07102064 A JPH07102064 A JP H07102064A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
functional group
alkali metal
metal sulfide
sulfide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5265520A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3779336B2 (ja
Inventor
Hidenori Yamanaka
秀徳 山中
Takashi Tsuda
孝 津田
Osamu Komiyama
治 小味山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tonen Chemical Corp
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tonen Sekiyu Kagaku KK, Tonen Chemical Corp filed Critical Tonen Sekiyu Kagaku KK
Priority to JP26552093A priority Critical patent/JP3779336B2/ja
Publication of JPH07102064A publication Critical patent/JPH07102064A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3779336B2 publication Critical patent/JP3779336B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 十分に官能基化された高分子量PASを、経
済的に有利にかつ簡便に製造する方法を提供する。 【構成】 有機アミド系溶媒中でアルカリ金属硫化物及
びジハロ芳香族化合物を反応させてポリアリーレンスル
フィドを製造する方法において、アルカリ金属硫化物と
ジハロ芳香族化合物との反応に先立って、予めアルカリ
金属硫化物と官能基含有ハロ置換芳香族化合物とを混合
加熱することを特徴とする官能基含有ポリアリーレンス
ルフィドの製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリアリーレンスルフ
ィド(以下、PASと略すことがある)の製造法に関
し、更に詳しくは官能基を有する高分子量のPASを製
造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、PASに官能基を導入する方法と
しては、無水マレイン酸等と溶融混練する方法が知られ
ている(特開平1‐213360号、特開平1‐230
667号、特開平1‐259060号、特開平1‐26
6160号、特開平2‐169667号、特開平2‐1
82726号、特開平2‐208363号、特開平2‐
214774号及び特開平2‐283763号公報)。
しかし、上記方法では、PAS中に導入し得る官能基量
は高々0.01重量%程度であり、PASを十分に官能
基化することはできなかった。従って、該PASではポ
リマーアロイの相溶性や塗装性を十分に改善することが
できなかった。かかる欠点を改善すべく、ラジカル重合
触媒の存在下、PASと無水マレイン酸等を反応させる
方法が知られている(特開平4‐309513号公
報)。しかし、該方法においても、無水マレイン酸等の
反応率の増加は小さく、PASを官能基化するには十分
ではなかった。また、未反応の無水マレイン酸等の除去
に多大な付帯設備と技術と費用が必要であるという欠点
があった。
【0003】PASに官能基を導入する他の方法とし
て、アミノ基、水酸基、カルボキシル基等の官能基を有
するポリハロ芳香族化合物を反応系に存在させて共重合
する方法(特公昭45‐3368号、特開昭48‐16
078号、特開昭62‐95320号及び特開昭62‐
185717号公報)が知られている。しかし、これら
化合物の反応性は低く、PASを十分に官能基化するこ
とはできず、また反応後スラリー中に大量の未反応モノ
マーが残存し、上記同様、その除去に多大な付帯設備と
技術と費用が必要であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、十分に官能
基化された高分子量PASを、経済的に有利にかつ簡便
に製造する方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決し、十分に官能基化されたPASを製造すべく、
重合メカニズムをつぶさに吟味した。その結果、アルカ
リ金属硫化物とジハロ芳香族化合物との反応に先立っ
て、予めアルカリ金属硫化物と官能基含有ハロ置換芳香
族化合物とを混合加熱することにより、十分に官能基化
されたPASを製造することができることを見出だし、
本発明に到達した。
【0006】即ち、本発明は、有機アミド系溶媒中でア
ルカリ金属硫化物及びジハロ芳香族化合物を反応させて
ポリアリーレンスルフィドを製造する方法において、ア
ルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物との反応に先立
って、予めアルカリ金属硫化物と官能基含有ハロ置換芳
香族化合物とを混合加熱することを特徴とする官能基含
有ポリアリーレンスルフィドの製造法である。
【0007】アミノ基のような官能基を有する、本質的
に反応性の低い官能基含有ハロ置換芳香族化合物におい
ても、大幅にその反応率を向上させることができ、十分
にPASを官能基化することができる。従って、重合終
了時に殆ど未反応モノマーはなく、この分離回収処理が
不要であり、経済性にも優れている。このように官能基
含有ハロ置換芳香族化合物の反応率を大幅に向上するこ
とができるのは、予めアルカリ金属硫化物と官能基含有
ハロ置換芳香族化合物とを混合加熱することによって、
反応の律速となっている官能基含有ハロ置換芳香族化合
物のハロゲン原子の置換を容易に生ぜしめることができ
るためと考えられる。従来法のようにアルカリ金属硫化
物とジハロ芳香族化合物及び官能基含有ハロ置換芳香族
化合物を同時に重合系に存在させた場合には、これらの
競争反応となる。官能基含有ハロ置換芳香族化合物の反
応性が低いので、いかに反応条件をコントロールしても
官能基含有ハロ置換芳香族化合物の反応率を増加するこ
とはできない。
【0008】本発明のアルカリ金属硫化物と官能基含有
ハロ置換芳香族化合物との混合加熱にあたって、該官能
基含有ハロ置換芳香族化合物は、アルカリ金属硫化物に
対して好ましくは0.01〜8モル%、特に好ましくは
0.05〜5モル%の量で使用される。0.01モル%
未満では、十分な量の官能基をPASに導入することが
できず、相溶性改善等の官能基導入による効果が十分に
発揮できない。8モル%を超えては、生成したPASが
解重合を起す可能性があり好ましくない。また、溶融時
の増粘が著しく、そのため、成形時にゲル状物が発生
し、また成形性が極めて悪くなる。また、官能基含有ハ
ロ置換芳香族化合物を上記量のアルカリ金属硫化物の存
在下で混合加熱しても、PASの解重合あるいは分子量
低下の傾向は全く見られない。
【0009】アルカリ金属硫化物と官能基含有ハロ置換
芳香族化合物との混合攪拌は、好ましくは200〜30
0℃、より好ましくは200〜250℃の温度で、好ま
しくは0.1〜30時間、より好ましくは1〜15時間
行われる。温度が200℃未満では、十分な量の官能基
をPASに導入することができず、相溶性改善等の官能
基導入による効果が十分に発揮できないことがある。3
00℃を超えては、溶媒の劣化を招き、その後の重合に
悪影響を与える。また、混合攪拌時間が0.1時間未満
では、十分な量の官能基をPASに導入することができ
ず、30時間を超えては、官能基導入量の増加に対する
効果が殆どない。
【0010】本発明で用いられる官能基含有ハロ置換芳
香族化合物としては、少なくとも一の芳香族環を有し、
芳香族環を形成する炭素原子のうち少なくとも一の炭素
原子及び/又は芳香族環の側鎖を形成する炭素原子の少
なくとも一の炭素原子に官能基を有しており、同時に芳
香族環を形成する炭素原子のうち少なくとも二の炭素原
子にハロゲン原子が結合している芳香族化合物を使用す
ることができる。ここで芳香族環としては、ベンゼン
環、ナフタレン環、アントラセン環等を挙げることがで
きる。これらのうちベンゼン環が好ましい。
【0011】官能基含有ハロ置換芳香族化合物が2個以
上の芳香族環を有する場合には、それらの芳香族環は、
直接単結合で結合していてもよく、二価の基を介在して
結合していてもよい。該二価の基としては、例えば酸素
原子、硫黄原子、スルフィニル基、スルホニル基、カル
ボニル基、オキシアルキレン基、カルボニルアルキレン
基、及びポリメチレン基等の二価の炭化水素残基等を挙
げることができる。
【0012】官能基としては、例えば‐NH2 、‐S
H、‐OH、‐NHR、‐COOH、‐CONH2 、‐
CONHRを挙げることができる。上記官能基中のR
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アル
カリール基、アリール置換アルキル基を示す。これらの
官能基のうち、‐NH2 、‐COOHが好ましい。ま
た、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ
素原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。
【0013】官能基含有ハロ置換芳香族化合物として
は、特開昭62‐95320号又は特開昭62‐185
717号公報に記載されているものを使用できる。官能
基として‐NH2 を持つ官能基含有ハロ置換芳香族化合
物としては、例えば2,5‐ジクロロアニリン、2,6
‐ジクロロアニリン、2,4‐ジクロロアニリン、2,
3‐ジクロロアニリン、2,4‐ジブロモアニリン、
2,2´‐ジアミノ‐4,4´‐ジクロロジフェニルエ
ーテル、2,4´‐ジアミノ‐2´,4‐ジクロロジフ
ェニルエーテル、2,2´‐ジアミノ‐4,4´‐ジク
ロロジフェニルチオエーテル、2,4´‐ジアミノ‐2
´,4‐ジクロロジフェニルチオエーテル、2,2´‐
ジアミノ‐4,4´‐ジクロロジフェニルスルホキシ
ド、2,4´‐ジアミノ‐2´,4‐ジクロロジフェニ
ルスルホキシド、2,2´‐ジアミノ‐4,4´‐ジク
ロロジフェニルメタン、2,4´‐ジアミノ‐2´,4
‐ジクロロジフェニルメタン、2,5‐ジクロロ‐4´
‐アミノジフェニルエーテル、2,5‐ジブロモ‐4´
‐アミノジフェニルエーテル、2,5‐ジクロロ‐4´
‐アミノジフェニルチオエーテル、2,5‐ジブロモ‐
4´‐アミノジフェニルチオエーテル、2,5‐ジクロ
ロ‐4´‐アミノジフェニルスルホキシド、2,5‐ジ
ブロモ‐4´‐アミノジフェニルスルホキシド、2,5
‐ジクロロ‐4´‐アミノジフェニルメタン、2,5‐
ジブロモ‐4´‐アミノジフェニルメタン等のジハロ芳
香族化合物及び2,3,4‐トリクロロアニリン、2,
3,5‐トリクロロアニリン、2,3,6‐トリクロロ
アニリン、2,4,5‐トリクロロアニリン、2,4,
6‐トリクロロアニリン、3,4,5‐トリクロロアニ
リン、2,3,4‐トリブロモアニリン、2,3,5‐
トリブロモアニリン、2,3,6‐トリブロモアニリ
ン、2,4,5‐トリブロモアニリン、2,4,6‐ト
リブロモアニリン、3,4,5‐トリブロモアニリン、
2,5‐ジクロロ‐4‐ブロモアニリン、2,2´‐ジ
アミノ‐3,4,4´‐トリクロロジフェニルエーテ
ル、2,4´‐ジアミノ‐2´,5´,4‐トリクロロ
ジフェニルエーテル、2,4,5‐トリクロロ‐4´‐
アミノジフェニルエーテル、2,3,4‐トリクロロ‐
4´‐アミノジフェニルエーテル、2,4,5‐トリブ
ロモ‐4´‐アミノジフェニルエーテル、2,4,6‐
トリブロモ‐4´‐アミノジフェニルエーテル、2,5
‐ジクロロ‐6‐ブロモ‐4´‐アミノジフェニルエー
テル、2,4,5‐トリクロロ‐2´‐アミノジフェニ
ルエーテル、2,2´‐ジアミノ‐3,4,4´‐トリ
クロロジフェニルチオエーテル、2,4,5‐トリクロ
ロ‐4´‐アミノチオエーテル、2,2´‐ジアミノ‐
4,5,4´‐トリクロロジフェニルスルホキシド、
2,4,5‐トリクロロ‐4´‐アミノジフェニルスル
ホキシド、2,2´‐ジアミノ‐3,4,4´‐トリク
ロロジフェニルメタン、2,4,5‐トリクロロ‐4´
‐アミノジフェニルメタン、2,4,4´‐トリクロロ
‐2´‐アミノジフェニルプロパン、3,4,4´‐ト
リクロロ‐3´‐アミノビフェニル等のトリハロ芳香族
化合物及び2,3,4,5‐テトラクロロアニリン、
2,3,5,6‐テトラクロロアニリン、テトラクロロ
アミノジフェニルエーテル、テトラクロロアミノジフェ
ニルチオエーテル等のポリハロ芳香族化合物が挙げられ
る。官能基として‐COOHを持つ官能基含有ハロ置換
芳香族化合物としては、例えば2,6‐ジクロロ安息香
酸、2,5‐ジクロロ安息香酸、2,4‐ジクロロ安息
香酸、2,3‐ジクロロ安息香酸、2,6‐ジブロモ安
息香酸、2,5‐ジブロモ安息香酸、2,4‐ジブロモ
安息香酸、2,3‐ジブロモ安息香酸等のジハロ芳香族
化合物及び2,3,4‐トリクロロ安息香酸、2,3,
5‐トリクロロ安息香酸、2,3,6‐トリクロロ安息
香酸、2,4,5‐トリクロロ安息香酸、2,4,6‐
トリクロロ安息香酸、3,4,5‐トリクロロ安息香
酸、2,3,4‐トリブロモ安息香酸、2,3,5‐ト
リブロモ安息香酸、2,3,6‐トリブロモ安息香酸、
2,4,5‐トリブロモ安息香酸、2,4,6‐トリブ
ロモ安息香酸、3,4,5‐トリブロモ安息香酸等のト
リハロ芳香族化合物が挙げられる。官能基として‐SH
を持つ官能基含有ハロ置換芳香族化合物としては、例え
ば2,6‐ジクロロチオフェノール、2,5‐ジクロロ
チオフェノール、2,4‐ジクロロチオフェノール、
2,3‐ジクロロチオフェノール、2,2´‐ジメルカ
プト‐4,4´‐ジクロロジフェニルエーテル、2,4
´‐ジメルカプト‐2´,4‐ジクロロジフェニルエー
テル、2,2´‐ジメルカプト‐4,4´‐ジクロロジ
フェニルチオエーテル、2,4´‐ジメルカプト‐2
´,4‐ジクロロジフェニルチオエーテル、2,2´‐
ジメルカプト‐4,4´‐ジクロロジフェニルスルホキ
シド、2,4´‐ジメルカプト‐2´,4‐ジクロロジ
フェニルスルホキシド、2,2´‐ジメルカプト‐4,
4´‐ジクロロジフェニルメタン、2,4´‐ジメルカ
プト‐2´,4‐ジクロロジフェニルメタン、2,5‐
ジクロロ‐4´‐メルカプトジフェニルエーテル、2,
5‐ジブロモ‐4´‐メルカプトジフェニルエーテル、
2,5‐ジクロロ‐4´‐メルカプトジフェニルチオエ
ーテル、2,5‐ジブロモ‐4´‐メルカプトジフェニ
ルチオエーテル、2,5‐ジクロロ‐4´‐メルカプト
ジフェニルスルホキシド、2,5‐ジブロモ‐4´‐メ
ルカプトジフェニルスルホキシド、2,5‐ジクロロ‐
4´‐メルカプトジフェニルメタン、2,5‐ジブロモ
‐4´‐メルカプトジフェニルメタン、2,5‐ジブロ
モ‐4´‐メルカプトジフェニルエーテル等のジハロ芳
香族化合物及び2,3,4‐トリクロロチオフェノー
ル、2,3,5‐トリクロロチオフェノール、2,3,
6‐トリクロロチオフェノール、2,4,5‐トリクロ
ロチオフェノール、2,4,6‐トリクロロチオフェノ
ール、3,4,5‐トリクロロチオフェノール、2,
3,4‐トリブロモチオフェノール、2,3,5‐トリ
ブロモチオフェノール、2,3,6‐トリブロモチオフ
ェノール、2,4,5‐トリブロモチオフェノール、
2,4,6‐トリブロモチオフェノール、3,4,5‐
トリブロモチオフェノール、2,2´‐ジメルカプト‐
3,4,4´‐トリクロロジフェニルエーテル、2,
4,5‐トリクロロ‐4´‐メルカプトジフェニルエー
テル、2,2´‐ジメルカプト‐4,5,4´‐トリク
ロロジフェニルチオエーテル、2,4,5‐トリクロロ
‐4´‐メルカプトジフェニルチオエーテル、2,2´
‐ジメルカプト‐3,5,4´‐トリクロロジフェニル
スルホキシド、2,4,5‐トリクロロ‐4´‐メルカ
プトジフェニルスルホキシド、3,3´‐ジメルカプト
‐4,4´,5‐トリクロロジフェニルメタン、2,
4,5‐トリクロロ‐4´‐メルカプトジフェニルメタ
ン、3,3´‐ジメルカプト‐4,4´,5‐トリクロ
ロビフェニル、3,4,5‐トリクロロ‐4´‐メルカ
プトビフェニル等のトリハロ芳香族化合物が挙げられ
る。官能基として‐OHを持つ官能基含有ハロ置換芳香
族化合物としては、例えば2,6‐ジクロロフェノー
ル、2,5‐ジクロロフェノール、2,4‐ジクロロフ
ェノール、2,3‐ジクロロフェノール、3,4‐ジク
ロロフェノール、3,5‐ジクロロフェノール、2,4
‐ジブロモフェノール、2,6‐ジブロモフェノール、
2,2´‐ジヒドロキシ‐4,4´‐ジクロロジフェニ
ルエーテル、2,4´‐ジヒドロキシ‐2´,4‐ジク
ロロジフェニルエーテル、2,2´‐ジヒドロキシ‐
4,4´‐ジクロロジフェニルチオエーテル、2,4´
‐ジヒドロキシ‐2´,4‐ジクロロジフェニルチオエ
ーテル、2,2´‐ジヒドロキシ‐4,4´‐ジクロロ
ジフェニルスルホキシド、2,4´‐ジヒドロキシ‐2
´,4‐ジクロロジフェニルスルホキシド、2,2´‐
ジヒドロキシ‐4,4´‐ジクロロジフェニルメタン、
2,4´‐ジヒドロキシ‐2´,4‐ジクロロジフェニ
ルメタン、2,5‐ジクロロ‐4´‐ヒドロキシジフェ
ニルエーテル、2,5‐ジブロモ‐4´‐ヒドロキシジ
フェニルエーテル、2,5‐ジクロロ‐4´‐ヒドロキ
シジフェニルチオエーテル、2,5‐ジブロモ‐4´‐
ヒドロキシジフェニルチオエーテル、2,5‐ジクロロ
‐4´‐ヒドロキシジフェニルスルホキシド、2,5‐
ジブロモ‐4´‐ヒドロキシジフェニルスルホキシド、
2,5‐ジクロロ‐4´‐ヒドロキシジフェニルメタ
ン、2,5‐ジブロモ‐4´‐ヒドロキシジフェニルメ
タン、2,5‐ジブロモ‐4´‐ヒドロキシジフェニル
エーテル等のジハロ芳香族化合物及び2,3,4‐トリ
クロロフェノール、2,3,5‐トリクロロフェノー
ル、2,3,6‐トリクロロフェノール、2,4,5‐
トリクロロフェノール、2,4,6‐トリクロロフェノ
ール、3,4,5‐トリクロロフェノール、2,3,4
‐トリブロモフェノール、2,3,5‐トリブロモフェ
ノール、2,3,6‐トリブロモフェノール、2,4,
5‐トリブロモフェノール、2,4,6‐トリブロモフ
ェノール、3,4,5‐トリブロモフェノール、2,2
´‐ジヒドロキシ‐3,4,4´‐トリクロロジフェニ
ルエーテル、2,4,5‐トリクロロ‐4´‐ヒドロキ
シジフェニルエーテル、2,2´‐ジヒドロキシ‐3,
4,4´‐トリクロロジフェニルチオエーテル、2,
4,5‐トリクロロ‐4´‐ヒドロキシジフェニルチオ
エーテル、2,2´‐ジヒドロキシ‐4,4´,5‐ト
リクロロジフェニルスルホキシド、2,4,5‐トリク
ロロ‐4´‐ヒドロキシジフェニルスルホキシド、2,
2´‐ジヒドロキシ‐4,4´,5‐トリクロロジフェ
ニルメタン、2,4,6‐トリクロロ‐4´‐ヒドロキ
シジフェニルメタン、3‐ヒドロキシ‐3,4,4´‐
トリクロロビフェニル、3,4,5‐トリクロロ‐4´
‐ヒドロキシビフェニル等のトリハロ芳香族化合物が挙
げられる。官能基として‐NHRを持つ官能基含有ハロ
置換芳香族化合物としては、例えば2,6‐ジクロロ
(フェニル)アミノベンゼン、2,5‐ジクロロ(フェ
ニル)アミノベンゼン、2,4‐ジクロロ(フェニル)
アミノベンゼン、2,3‐ジクロロ(フェニル)アミノ
ベンゼン等のジハロ芳香族化合物及び2,3,4‐トリ
クロロ(フェニルアミノ)ベンゼン、2,3,5‐トリ
クロロ(フェニルアミノ)ベンゼン、2,3,6‐トリ
クロロ(フェニルアミノ)ベンゼン、2,4,5‐トリ
クロロ(フェニルアミノ)ベンゼン、2,4,6‐トリ
クロロ(フェニルアミノ)ベンゼン、3,4,5‐トリ
クロロ(フェニルアミノ)ベンゼン、2,3,4‐トリ
ブロモ(フェニルアミノ)ベンゼン、2,3,5‐トリ
ブロモ(フェニルアミノ)ベンゼン、2,3,6‐トリ
ブロモ(フェニルアミノ)ベンゼン、2,4,5‐トリ
ブロモ(フェニルアミノ)ベンゼン、2,4,6‐トリ
ブロモ(フェニルアミノ)ベンゼン、3,4,5‐トリ
ブロモ(フェニルアミノ)ベンゼン等のトリハロ芳香族
化合物が挙げられる。
【0014】本発明で用いられるアルカリ金属硫化物は
公知であり、たとえば、硫化リチウム、硫化ナトリウ
ム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウム及び
これらの混合物である。これらの水和物及び水溶液であ
っても良い。又、これらにそれぞれ対応する水硫化物及
び水和物を、それぞれに対応する水酸化物で中和して用
いることができる。安価な硫化ナトリウムが好ましい。
【0015】アルカリ金属硫化物と官能基含有ハロ置換
芳香族化合物との混合加熱は、重合溶媒である有機アミ
ド系溶媒中で行うのが好ましい。有機アミド系溶媒は、
PAS重合のために知られており、たとえばN‐メチル
ピロリドン(NMP)、N,N‐ジメチルホルムアミ
ド、N,N‐ジメチルアセトアミド、N‐メチルカプロ
ラクタム等、及びこれらの混合物を使用でき、NMPが
好ましい。これらは全て、水よりも低い蒸気圧を持つ。
【0016】アルカリ金属硫化物と官能基含有ハロ置換
芳香族化合物との混合加熱に続いて、ジハロ芳香族化合
物との反応を行う。ジハロ芳香族化合物は、たとえば特
公昭45‐3368号公報記載のものから選ぶことがで
きるが、好ましくはp‐ジクロロベンゼンである。又、
少量(20モル%以下)のジフェニルエーテル、ジフェ
ニルスルホン又はビフェニルのパラ、メタ又はオルトジ
ハロ物を1種類以上用いて共重合体を得ることができ
る。例えば、m‐ジクロロベンゼン、o‐ジクロロベン
ゼン、p,p´‐ジクロロジフェニルエーテル、m,p
´‐ジクロロジフェニルエーテル、m,m´‐ジクロロ
ジフェニルエーテル、p,p´‐ジクロロジフェニルス
ルホン、m,p´‐ジクロロジフェニルスルホン、m,
m´‐ジクロロジフェニルスルホン、p,p´‐ジクロ
ロビフェニル、m,p´‐ジクロロビフェニル、m,m
´‐ジクロロビフェニルである。
【0017】アルカリ金属硫化物と官能基含有ハロ置換
芳香族化合物との混合加熱に次いで行われるアルカリ金
属硫化物とジハロ芳香族化合物との反応自体は、公知の
通りに行うことができる。また、該反応の際に、反応缶
の気相部分を冷却することにより反応缶内の気相の一部
を凝縮させ、これを液相に還流せしめることが好まし
い。これにより、生成したPASの解重合を回避できる
と共に、一層高分子量のPASを製造することが可能と
なる。
【0018】還流される液体は、水とアミド系溶媒の蒸
気圧差の故に、液相バルクに比較して水含有率が高い。
この水含有率の高い還流液は、反応溶液上部に水含有率
の高い層を形成する。その結果、残存のアルカリ金属硫
化物(たとえばNa2 S)、ハロゲン化アルカリ金属
(たとえばNaCl)、オリゴマー等が、その層に多く
含有されるようになる。反応缶の気相部分の冷却を行わ
ないPAS製造法においては230℃以上の高温下で、
生成したPASとNa2 S等の原料及び副生成物とが均
一に混じりあった状態では、高分子量のPASが得られ
ないばかりでなく、せっかく生成したPASの解重合も
生じ、チオフェノールの副生成が認められる。しかし、
本発明では、反応缶の気相部分を積極的に冷却して、水
分に富む還流液を多量に液相上部に戻してやることによ
って上記の不都合な現象が回避でき、反応を阻害するよ
うな因子を真に効率良く除外でき、高分子量PASを得
ることができるものと思われる。但し、本発明は上記現
象による効果のみにより限定されるものではなく、気相
部分を冷却することによって生じる種々の影響によっ
て、高分子量のPASが得られるのである。
【0019】反応缶の気相部分の冷却は、外部冷却でも
内部冷却でも可能であり、自体公知の冷却手段により行
える。たとえば、反応缶内の上部に設置した内部コイル
に冷媒体を流す方法、反応缶外部の上部に巻きつけた外
部コイルまたはジャケットに冷媒体を流す方法、反応缶
上部に設置したリフラックスコンデンサーを用いる方
法、反応缶外部の上部に水をかける又は気体(空気、窒
素等)を吹き付ける等の方法が考えられるが、結果的に
缶内の還流量を増大させる効果があるものならば、いず
れの方法を用いても良い。外気温度が比較的低いなら
(たとえば常温)、反応缶上部に従来備えられている保
温材を取外すことによって、適切な冷却を行うことも可
能である。外部冷却の場合、反応缶壁面で凝縮した水/
アミド系溶媒混合物は反応缶壁を伝わって液相中に入
る。従って、該水分に富む混合物は、液相上部に溜り、
そこの水分量を比較的高く保つ。内部冷却の場合には、
冷却面で凝縮した混合物が同様に冷却装置表面又は反応
缶壁を伝わって液相中に入る。
【0020】一方、液相バルクの温度は、上記の反応缶
の気相部分の冷却の有無にかかわらず、所定の一定温度
に保たれ、あるいは所定の温度プロフィールに従ってコ
ントロールされる。一定温度とする場合、230〜27
5℃の温度で0.1〜20時間反応を行うことが好まし
い。より好ましくは、240〜265℃の温度で1〜6
時間である。より高い分子量のPASを得るには、2段
階以上の反応温度プロフィールを用いることが好まし
い。第1段階は195〜240℃の温度で行うことが好
ましい。温度が低いと反応速度が小さすぎ、実用的では
ない。240℃より高いと反応速度が速すぎて、十分に
高分子量なPASが得られないのみならず、副反応速度
が著しく増大する。第1段階の終了は、重合反応系内ジ
ハロ芳香族化合物残存率が1モル%〜40モル%、且つ
分子量が3,000〜20,000の範囲内の時点で行
うことが好ましい。より好ましくは、重合反応系内ジハ
ロ芳香族化合物残存率が2モル%〜15モル%、且つ分
子量が5,000〜15,000の範囲である。残存率
が40モル%を越えると、第2段階の反応で解重合など
副反応が生じやすく、一方、1モル%未満では、最終的
に高分子量PASを得難い。その後昇温して、最終段階
の反応は、反応温度240〜270℃の範囲で、1時間
〜10時間行うことが好ましい。温度が低いと十分に高
分子量化したPASを得ることができず、又270℃よ
り高い温度では解重合等の副反応が生じやすくなり、安
定的に高分子量物を得難くなる。
【0021】実際の操作としては、先ず不活性ガス雰囲
気下で、アミド系溶媒中のアルカリ金属硫化物中の水分
量が所定の量となるよう、必要に応じて脱水又は水添加
することによって、反応系内の総体的水分量を、好まし
くは、アルカリ金属硫化物1モル当り1.7モル未満、
特に0.8〜1.2モルとする。
【0022】1.7モル以上では副反応の発生が著しく
なり、系内水分量の増加と共に反応生成物中のフェノー
ル等の副生成物量が増大する。また重合度も上がらな
い。0.8モル未満では、反応速度が速すぎ、十分な高
分子量の物を得ることができない。
【0023】反応時の気相部分の冷却は、一定温度での
1段反応の場合では、反応開始時から行うことが望まし
いが、少なくとも250℃以下の昇温途中から行わなけ
ればならない。多段階反応では、第1段階の反応から冷
却を行うことが望ましいが、遅くとも第1段階反応の終
了後の昇温途中から行うことが好ましい。冷却効果の度
合いは、通常反応缶内圧力が最も適した指標である。圧
力の絶対値については、反応缶の特性、攪拌状態、系内
水分量、ジハロ芳香族化合物とアルカリ金属硫化物との
モル比等によって異なる。しかし、同一反応条件下で冷
却しない場合に比べて、反応缶圧力が低下すれば、還流
量が増加して、反応溶液気液界面における温度が低下し
ていることを意味しており、その相対的な低下の度合い
が水分含有量の多い層と、そうでない層との分離の度合
いを示していると考えられる。そこで、冷却は反応缶内
圧が、冷却をしない場合と比較して低くなる程度に行わ
なければならない。冷却の程度は、都度の使用する装
置、運転条件などに応じて、当業者が適宜設定できる。
【0024】上記本発明の方法によれば、本質的に反応
性の低い官能基含有ハロ置換芳香族化合物においても、
大幅にその反応率を向上させることができ、十分にPA
Sを官能基化することができる。
【0025】こうして得られた官能基化された高分子量
PASは、当業者にとって公知の後処理法によって副生
成物から分離され、乾燥される。それは、ポリマーアロ
イ用の相溶化剤として、あるいはPASにブレンドして
接着性、塗装性に優れた樹脂製造のために最適な性状を
有する。
【0026】アルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物
との反応に際して、PASの分子量をより大きくするた
めに、例えば1,3,5‐トリクロロベンゼン、1,
2,4‐トリクロロベンゼン等のポリハロ化合物をアル
カリ金属硫化物に対して好ましくは0.005〜1.5
モル%、特に好ましくは0.02〜0.75モル%の量
で使用することもできる。
【0027】また、他の少量添加物として、末端停止
剤、修飾剤としてのモノハロ化物を併用することもでき
る。
【0028】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例により限定されるもの
ではない。
【0029】
【実施例】実施例及び比較例において、溶融粘度V6
は、島津製作所製フローテスターCFT‐500Cを用
いて300℃、荷重20kgf/cm2 、L/D=10
で6分間保持した後に測定した粘度(ポイズ)である。
【0030】2,5‐ジクロロアニリン(以下ではDC
Aと略すことがある)又は2,5‐ジクロロ安息香酸
(以下ではDCBAと略すことがある)の反応率、及び
生成したPPS中のアミノ基又はカルボキシル基重量は
ガスクロマトグラフィーによる測定結果から算出した。
ここで、DCA及びDCBAの反応率は下記式により求
めた。 DCAの反応率(重量%)=(1−残存DCA重量/仕
込DCA重量)×100 DCBAの反応率(重量%)=(1−残存DCBA重量
/仕込DCBA重量)×100
【0031】
【実施例1】150リットルオートクレーブに、フレー
ク状硫化ソーダ(60.253重量%Na2 S)19.
253kgとN‐メチル‐2‐ピロリドン(以下ではN
MPと略すことがある)45.0kgを仕込んだ。窒素
気流下攪拌しながら206.5℃まで昇温して、水4.
58kgを留出させた(残存する水分量は硫化ソーダ1
モル当り1.14モル)。その後、オートクレーブを密
閉して190℃まで冷却し、DCA0.486kg(硫
化ソーダに対して約2.67モル%)とNMP5.63
kgを仕込み、液温260℃まで昇温し、攪拌しつつ2
時間保持した後、180℃まで降温した。次に、パラジ
クロロベンゼン(以下ではp‐DCBと略すことがあ
る)21.760kgとNMP18.0kgを仕込み、
液温150℃で窒素ガスを用いて1kg/cm2 Gに加
圧し、再度昇温を開始した。液温260℃で、3時間保
持した後に降温した。
【0032】得られたスラリーを常法により濾過、温水
洗を繰り返し、120℃で4.5時間熱風乾燥機を用い
て乾燥し、白色粉末状の製品を得た。
【0033】DCAの反応率は95.3重量%であり、
ポリフェニレンスルフィド(以下ではPPSと略すこと
がある)中のアミノ基量は2.12重量%であった。ま
た、得られたPPSの溶融粘度V6は8,500ポイズ
であった。
【0034】
【実施例2】DCAに代えて、DCBA(硫化ソーダに
対して約2.67モル%)を用いた以外は、実施例1と
同一にして行った。
【0035】DCBAの反応率は87.9重量%であ
り、PPS中のカルボキシル基は2.63重量%であっ
た。また、得られたPPSの溶融粘度V6は1,500
ポイズであった。
【0036】
【実施例3】150リットルオートクレーブに、フレー
ク状硫化ソーダ(60.8重量%Na2 S)19.25
3kgとNMP45.0kgを仕込んだ。窒素気流下攪
拌しながら204℃まで昇温して、水4.51kgを留
出させた(残存する水分量は硫化ソーダ1モル当り1.
12モル)。その後、オートクレーブを密閉して190
℃まで冷却し、DCA0.972kg(硫化ソーダに対
して約5.33モル%)とNMP5.63kgを仕込
み、液温230℃まで昇温し、攪拌しつつ3時間保持し
た後、180℃まで冷却した。次に、p‐DCB21.
763kgとNMP18.0kgを仕込み液温150℃
で窒素ガスを用いて1kg/cm2 Gに加圧し、再度昇
温を開始した。液温220℃で3時間攪拌しつつ、オー
トクレーブ上部の外側に巻き付けたコイルに80℃の冷
媒を流し気相を冷却した。その後昇温して、液温260
℃で3時間攪拌し、次に降温させると共にオートクレー
ブ上部の冷却を止めた。オートクレーブ上部を冷却中、
液温が下がらないように一定に保持した。反応中の最高
圧力は、9.12kg/cm2 Gであった。
【0037】得られたスラリーを常法により濾過、温水
洗を繰り返し、120℃で4.5時間熱風乾燥機を用い
て乾燥し、白色粉末状の製品を得た。
【0038】DCAの反応率は80.5重量%であり、
PPS中のアミノ基は3.58重量%であった。また、
得られたPPSの溶融粘度V6は15,400ポイズで
あった。
【0039】
【比較例1】150リットルオートクレーブに、フレー
ク状硫化ソーダ(60.8重量%Na2 S)19.25
3kgとNMP45.0kgを仕込んだ。窒素気流下攪
拌しながら204℃まで昇温して、水4.26kgを留
出させた(残存する水分量は硫化ソーダ1モル当り1.
22モル)。その後、オートクレーブを密閉して190
℃まで冷却し、p‐DCB21.745kg、DCA
0.481kg(硫化ソーダに対して約2.67モル
%)とNMP18.0kgを同時に仕込み、液温150
℃で窒素ガスを用いて1kg/cm2 Gに加圧して、再
度昇温を開始した。液温260℃で、攪拌しつつ3時間
保持した後に降温した。
【0040】得られたスラリーを常法により濾過、温水
洗を繰り返し、120℃で4.5時間熱風乾燥機を用い
て乾燥し、白色粉末状の製品を得た。
【0041】DCAの反応率は28.1重量%であり、
PPS中のアミノ基は0.56重量%であった。また、
得られたPPSの溶融粘度V6は2,500ポイズであ
った。
【0042】
【比較例2】液温260℃で、攪拌しつつ6時間保持し
反応した以外は、比較例1と同一にして実施した。
【0043】DCAの反応率は29.5重量%であり、
PPS中のアミノ基は0.66重量%であった。また、
得られたPPSの溶融粘度V6は2,800ポイズであ
った。
【0044】以上の結果を表1に示す。
【0045】
【表1】 実施例1は、硫化ソーダとp‐DCBとの反応に先立っ
て予め硫化ソーダをDCAと混合しなかった比較例1及
び2と比べて、DCA反応率は著しく高く、生成したP
PS中のアミノ基量も多く、かつ溶融粘度も高かった。
従って、より官能基化された、より高分子量のPPSが
得られたことが分かった。比較例2は、硫化ソーダとp
‐DCBとの反応時間を、比較例1及び実施例1よりも
長くした場合であるが、実施例1のように高いDCA反
応率を得ることはできなかった。つまり、硫化ソーダと
p‐DCBとの反応時間を長くしても、硫化ソーダとp
‐DCBとの反応に先立って予め硫化ソーダをDCAと
混合しなければ、DCA反応率を向上させることはでき
ないことが分かった。実施例2は、DCAに代えてDC
BAを使用した場合である。その反応率は高く、生成し
たPPS中のカルボキシル基量が多く、十分に官能基化
されていることが分かった。実施例3は、DCA仕込量
を増加し、かつ硫化ソーダとp‐DCBとの反応中、オ
ートクレーブの気相部分を冷却したものである。生成し
たPPS中のアミノ基量は増加し、かつPPSの溶融粘
度が著しく上昇し、更に高分子量のPPSが得られたこ
とが分かった。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、十分に官能基化された
高分子量PASを、経済的に有利にかつ簡便に製造する
ことができる。本発明により得られたPASは、十分に
官能基化されているため、他の樹脂との相溶性や金属等
の無機基材との接着性に優れており、ポリマーアロイ用
の相溶化剤として、あるいは接着性、塗装性に優れた樹
脂製造用として、工業的に極めて有用である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機アミド系溶媒中でアルカリ金属硫化
    物及びジハロ芳香族化合物を反応させてポリアリーレン
    スルフィドを製造する方法において、アルカリ金属硫化
    物とジハロ芳香族化合物との反応に先立って、予めアル
    カリ金属硫化物と官能基含有ハロ置換芳香族化合物とを
    混合加熱することを特徴とする官能基含有ポリアリーレ
    ンスルフィドの製造法。
  2. 【請求項2】 官能基含有ハロ置換芳香族化合物を、ア
    ルカリ金属硫化物に対して0.01〜8モル%の量で混
    合する請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 官能基含有ハロ置換芳香族化合物の官能
    基が、‐NH2 、‐SH、‐OH、‐NHR、‐COO
    H、‐CONH2 、又は‐CONHRである請求項1又
    は2記載の方法(ここで、Rは、アルキル基、シクロア
    ルキル基、アリール基、アルカリール基、又はアリール
    置換アルキル基を示す)。
  4. 【請求項4】 混合加熱を200〜300℃で0.1〜
    30時間行う請求項1〜3のいずれか一に記載の方法。
  5. 【請求項5】 アルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合
    物との反応時に、反応缶の気相部分を冷却することによ
    り反応缶内の気相の一部を凝縮させ、これを液相に還流
    せしめる請求項1〜4のいずれか一に記載の方法。
JP26552093A 1993-09-30 1993-09-30 官能基含有ポリアリーレンスルフィドの製造法 Expired - Lifetime JP3779336B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26552093A JP3779336B2 (ja) 1993-09-30 1993-09-30 官能基含有ポリアリーレンスルフィドの製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26552093A JP3779336B2 (ja) 1993-09-30 1993-09-30 官能基含有ポリアリーレンスルフィドの製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07102064A true JPH07102064A (ja) 1995-04-18
JP3779336B2 JP3779336B2 (ja) 2006-05-24

Family

ID=17418289

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26552093A Expired - Lifetime JP3779336B2 (ja) 1993-09-30 1993-09-30 官能基含有ポリアリーレンスルフィドの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3779336B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08193131A (ja) * 1995-01-18 1996-07-30 Tonen Chem Corp ポリアリーレンスルフィドの製造法
JP2001279097A (ja) * 2000-03-31 2001-10-10 Dainippon Ink & Chem Inc ポリアリーレンスルフィド組成物
WO2012057319A1 (ja) 2010-10-29 2012-05-03 東レ株式会社 ポリアリーレンスルフィドの製造方法およびポリアリーレンスルフィド
WO2013161321A1 (ja) 2012-04-27 2013-10-31 東レ株式会社 ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物、該樹脂組成物の製造方法、および該樹脂組成物の成形品
KR20130138538A (ko) * 2012-06-11 2013-12-19 에스케이케미칼주식회사 폴리아릴렌 설파이드 수지 조성물 및 이의 제조 방법

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023208534A1 (en) 2022-04-27 2023-11-02 Solvay Specialty Polymers Usa, Llc Amine-functionalized poly(arylene sulfide) polymer

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08193131A (ja) * 1995-01-18 1996-07-30 Tonen Chem Corp ポリアリーレンスルフィドの製造法
JP2001279097A (ja) * 2000-03-31 2001-10-10 Dainippon Ink & Chem Inc ポリアリーレンスルフィド組成物
WO2012057319A1 (ja) 2010-10-29 2012-05-03 東レ株式会社 ポリアリーレンスルフィドの製造方法およびポリアリーレンスルフィド
US8785571B2 (en) 2010-10-29 2014-07-22 Toray Industries, Inc. Method for producing polyarylene sulfide, and polyarylene sulfide
US9000104B2 (en) 2010-10-29 2015-04-07 Toray Industries, Inc. Polyarylene sulfide
WO2013161321A1 (ja) 2012-04-27 2013-10-31 東レ株式会社 ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物、該樹脂組成物の製造方法、および該樹脂組成物の成形品
KR20150003163A (ko) 2012-04-27 2015-01-08 도레이 카부시키가이샤 폴리아릴렌 설파이드 수지 조성물, 상기 수지 조성물의 제조 방법, 및 상기 수지 조성물의 성형품
US9796850B2 (en) 2012-04-27 2017-10-24 Toray Industries, Inc. Polyarylene sulfide resin composition, manufacturing method of resin composition and molded product of resin composition
KR20130138538A (ko) * 2012-06-11 2013-12-19 에스케이케미칼주식회사 폴리아릴렌 설파이드 수지 조성물 및 이의 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP3779336B2 (ja) 2006-05-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5794468B2 (ja) ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法
JPWO2013147141A1 (ja) 粒状ポリアリーレンスルフィド及びその製造方法
JP2002201274A (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造法
JP3582611B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造法
JP3582610B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造法
JP3617048B2 (ja) ポリアリーレンスルフィド及びその製造法
JPH08193131A (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造法
JPH08193130A (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造法
JP3386882B2 (ja) 高分子量ポリアリーレンスルフィド
JPH08269199A (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造法
JPH07102064A (ja) 官能基含有ポリアリーレンスルフィドの製造法
JPH10245434A (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造法
JPH08157600A (ja) 接着性に優れたポリアリーレンスルフィドの製造法
JP6120054B2 (ja) ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法
JP3034550B2 (ja) 高分子量ポリアリーレンスルフィドの製造法
JP3125391B2 (ja) 高分子量ポリフェニレンスルフィドの製造方法
JP3610992B2 (ja) 接着性に優れたポリアリーレンスルフィド
JPH0762100A (ja) 高分子量ポリアリーレンスルフィドの製造法
JP3538878B2 (ja) 管状押出成形物用の高分子量ポリアリーレンスルフィド
JPH08118502A (ja) 給湯管用の高分子量ポリアリーレンスルフィド
JPH0820645A (ja) 射出成形容器用の高分子量ポリアリーレンスルフィド
JP3243487B2 (ja) 高分子量ポリアリーレンスルフィドの製造法
JP3603433B2 (ja) ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物
JP3164448B2 (ja) 高分子量ポリアリーレンスルフィドの製造法
JPH11335653A (ja) ポリアリーレンスルフィド成形体用溶接棒

Legal Events

Date Code Title Description
A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060302

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090310

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100310

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100310

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110310

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110310

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120310

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120310

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130310

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130310

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140310

Year of fee payment: 8

EXPY Cancellation because of completion of term