JPH0710149U

JPH0710149U - 目地部ジョイントシース

Info

Publication number: JPH0710149U
Application number: JP3857993U
Authority: JP
Inventors: 昭男遠藤
Original assignee: 社団法人プレストレスト・コンクリート建設業協会
Priority date: 1993-07-14
Filing date: 1993-07-14
Publication date: 1995-02-14

Abstract

(57)【要約】【目的】ＰＣプレキャスト桁の目地コンクリート打設時
にシース内にセメントペースト漏れを起さず、テーピン
グ等を全く必要とせず、また、桁の製作時に目地寸法を
広げておく手間を不必要にする。【構成】目地部ジョイントシースは、長手方向に伸縮自
在な蛇腹筒２の両端に嵌入筒を備え、合成樹脂製とす
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ＰＣ（プレストレストコンクリート）プレキャスト桁の横桁接合部等の目地内に用いる目地部ジョイントシースに関する。

【０００２】

【従来の技術】

ＰＣプレキャスト桁を横に連結する場合に、従来、目地部ジョイントシースとして、プレキャスト桁のシース端部に掛け渡す割りピースか、又は両方のシース端部内に差し込む細いシースを用い、これにテ−ピングを施し、目地コンクリート又は目地モルタル打設時にセメントペーストがシース内に漏れるのを防止していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このような従来のＰＣプレキャスト桁を製作する時には、横締めＰＣ鋼材を挿通する部分の目地は、テーピング作業を可能にするために、目地の開きを大きくする必要があり、１４０〜１５０ｍｍの間隔を開けていた。通常、プレキャストＰＣ桁の桁間の目地の開き寸法は１１０ｍｍ程度であるから、上記テーピングのために、桁の製作時に、横締めＰＣ鋼材の部分の目地を広げていた。この目地の一部を広げるために、桁の横面に凹部を設けるように、コンクリ−ト型枠内面に板を貼りつけるなどの加工を施していた。この凹部の形成は、桁ごとに異なる位置となるため、桁ごとにその都度施工する必要があり、あらかじめコンクリ−ト型枠に加工を施しておくことができないので、手間を要していた。

【０００４】また、テーピングによる目地部ジョイントシースの施工は完全なシール性の確保を期し難く、目地コンクリ−ト又は目地モルタルを施工する時セメントペーストがシース内に漏れるのを防止することは非常に困難である。シース内へのセメントペースト漏れが生じると、横締め用ＰＣ鋼材のシース内のグラウトが不完全となる問題があった。

【０００５】本考案は以上の実情に鑑み、テーピングを必要とせず、簡単に目地内に装着することができ、シール性の高い目地部ジョイントシースを提供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記目的を達成するために開発されたもので、長手方向に伸縮自在な蛇腹筒と、この蛇腹筒の両端に接続しプレキャスト部材の埋設シース端に嵌入する嵌入筒とを備えた合成樹脂筒体から構成したことを特徴とする目地部ジョイントシースである。この場合、前記嵌入筒は、埋設シース内径に嵌入係止するテーパ筒とすれば好適である。また、前記嵌入筒は、埋設シース内径より小さい円筒と、埋設シース内径より大きい外径を有するフランジとから構成し、この円筒が埋設シース内に挿入され、フランジ部分が埋設シースの口元に当接するようにしたものでもよい。

【０００７】

【作用】

本考案のＰＣプレキャスト部材の目地部ジョイントシースはＰＣプレキャスト部材の目地部に目地の隙間から挿入し、目地部内で伸長させて対向する埋設シース同士を接続し、目地コンクリ−ト又は目地モルタルを打設する時に、シース内と目地部とを絶縁し、シース内へのセメントペースト漏れを防止するものである。

【０００８】またこのジョイントシースは、対向する埋設シースが目地に対して直角でない場合にも、ジョイントシースの端部が対向する埋設シースに密着し、シールが完全となる。このジョイントシースは、蛇腹筒を縮小させた状態で目地内に挿入し、両端の嵌入筒が、埋設シースの端部開口に向き合う位置で伸長させて使用する。

【０００９】長手方向に伸縮自在な蛇腹筒は、伸長した時、十分な弾力性を有して埋設シース間に伸長方向に付勢されており、密閉効果を十分に有するようにする必要がある。また、蛇腹筒を縮小した時、ジョイントシース全体の長さが目地の開き寸法より短くなる必要がある。このような要求は、蛇腹筒の材質、肉厚、蛇腹の形状すなわち蛇腹の長さ、山の深さ、ピッチ、丸み等を目地幅に応じて適切に設計することによって充足される。

【００１０】本考案のジョイントシースの材質は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の弾力性ある蛇腹筒を形成する合成樹脂とする。このような樹脂は、ブロー成形等によって本考案の形状の筒体を製造することができる。また、肉厚０．５〜１ｍｍの一体の薄板状のものが好ましい。本考案のジョイントシースの目地内への取付けは、蛇腹筒を長手方向に圧縮して長さを縮小し、これを目地内に挿入し、両端を埋設シースの端部開口に望ませ、伸張させるだけでよい。両端に嵌入筒としてテーパ筒を備えたジョイントシースは、橋台が斜に設置されている斜角橋の横締めＰＣ鋼材のシースの連結等に特に好都合である。

【００１１】以上の説明では、桁の横締めについて説明したが、本考案の目地部ジョイントシースは、これに限定されるものではなく、建築構造物の仕口部、コンクリ−ト舗装の目地、その他各種構造物、構築物等、プレキャストＰＣ構造物の接合部に広く適用することができるものである。

【００１２】

【実施例】

本考案の実施例のジョイントシースを図１〜図４に示した。図１は蛇腹筒が自由に伸長している状態のジョイントシースの側面図、図２は蛇腹筒を縮小した状態の側面図、図３は別の実施例の側面図、図４はジョイントシースを桁の目地部に挿入する時の説明図である。

【００１３】図１に示すジョイントシース１は、蛇腹筒２、嵌入筒であるテーパ筒３、先頭筒４から構成されている。この実施例は、蛇腹筒２の外径５３ｍｍ、内径４０ｍｍ、全長１９０ｍｍ、蛇腹筒長さ１２４ｍｍ、肉厚０．５ｍｍのポリエチレン製のものである。図２はこれを、長手方向に縮小したもので、全長は約１００ｍｍになっている。図３は別の実施例で、蛇腹筒２の両側に、小径の円筒形の筒５と、フランジ６とを備えている。このフランジ６の外径は埋設シースの内径より大きくなっている。

【００１４】図４に、横並び架設した桁１０ａ、１０ｂ、１０ｃのプロフィールを示した。桁間の目地部の開き寸法１１は１１０ｍｍとなっている。実施例のジョイントシース１を、その長手方向寸法を縮小して、目地部の中に上から挿入し、埋設シース１２の口元に両端を望ませて伸張させ、埋設シース１２、１２を結合する。埋設シース１２が、斜に対向している場合には、図１の形状のジョイントシースを用いると、テーパ筒３が埋設シース１２内にテーパにより密着するので好ましい。

【００１５】実施例のジョイントシースは、目地部の開き寸法１１を最小限にしたまま、目地部内のシースを簡単に連結することができ、テーピング等の手間を要することなく、また、目地コンクリート又は目地モルタルを施工したとき、セメントペーストがシース内に漏れることがなくなった。

【００１６】

【考案の効果】

本考案によれば、シース内と目地部を完全に絶縁した状態にすることができ、目地コンクリート打設時にシース内にセメントペースト漏れを起さない。従って、シース内グラウチングを完全に行うことができる。また、テーピング等を全く必要とせず適正位置に設置施工することが容易であり、桁の製作時に目地寸法を広げておくための手間が不必要となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の目地部ジョイントシースの側面図であ
る。

【図２】実施例の目地部ジョイントシースの側面図であ
る。

【図３】実施例の目地部ジョイントシースの側面図であ
る。

【図４】桁のプロフィールを示す正面図である。

【符号の説明】

１ジョイントシース２蛇腹筒３テーパ筒４先頭筒５筒６フランジ１０ａ、１０ｂ、１０ｃ桁１１目地開き寸
法１２埋設シース

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】長手方向に伸縮自在な蛇腹筒と、該蛇腹
筒の両端に接続しプレキャスト部材の埋設シース端に嵌
入する嵌入筒とを備えた合成樹脂筒体からなることを特
徴とする目地部ジョイントシース。
【請求項２】前記嵌入筒は、埋設シース内径に嵌入係
止するテーパ筒である請求項１記載の目地部ジョイント
シース。
【請求項３】前記嵌入筒は、埋設シース内径より小さ
い円筒と、埋設シース内径より大きい外径を有するフラ
ンジとからなる請求項１記載の目地部ジョイントシー
ス。