JPH07100996B2 - 扉構造体及びその製造方法 - Google Patents

扉構造体及びその製造方法

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JPH07100996B2
JPH07100996B2 JP4069728A JP6972892A JPH07100996B2 JP H07100996 B2 JPH07100996 B2 JP H07100996B2 JP 4069728 A JP4069728 A JP 4069728A JP 6972892 A JP6972892 A JP 6972892A JP H07100996 B2 JPH07100996 B2 JP H07100996B2
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孝男 蟹江
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蟹江工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はビル用扉、防火用扉等の
各種の扉に使用して好適な扉構造体及びその製造方法に
関し、特に、製造工程を簡素化でき製造コストを低く抑
えることが可能であるとともに、扉の外観に優れた扉構
造体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、かかる扉構造体については種々の
ものが提案されており、一般に、この種扉構造体は亜鉛
メッキを施した鉄板から成型加工された一対の扉枠体及
び補強部材から基本的に構成され、両扉枠体間に補強部
材を溶接接合して内設することにより構成される。
【0003】かかる従来の扉構造体の製造方法について
図12乃至図16を参照しつつ説明する。図12におい
て、先ず、亜鉛メッキされてなる鉄板から成型された側
面視コ字状の扉枠体1の裏面上に、両側縁に溶接部2を
形成したコ字状の補強部材3の一対を所定間隔離間させ
て溶接部2を当接する。この後、補強部材3の溶接部2
と扉枠体1の裏面とを圧接した状態で、溶接部2の適当
箇所にその上方から炭酸ガスアーク溶接を行なう。
【0004】このような炭酸ガスアーク溶接時、その溶
接特性上図13に示すように突状の溶接痕Pが扉枠体1
の表面に残ってしまう。かかる溶接痕Pが扉枠体1の表
面に残ると商品価値は極めて低下してしまうので、図1
4に示すように溶接痕Pを扉枠体1の表面から取り除く
べくグラインダ5により削り取られる。
【0005】次に、前記のように一対の補強部材3が溶
接接合された扉枠体1に対して、これと協働して扉を構
成する他方の扉枠体1を図15のように上方から対向配
置し、各補強部材3における他方の溶接部2に対応する
位置の上方から前記と同様炭酸ガスアーク溶接を複数箇
所で行なう。このとき、前記した場合と同様扉枠体1の
表面に溶接痕Pが発生してしまうので、前記と同様にグ
ラインダ5により溶接痕Pを取り除く作業が行なわれ
る。
【0006】これに続いて、図16に示すように上下一
対の扉枠体1、1のコ字状対向部の複数箇所Sにおい
て、各扉枠体1の両側面から炭酸ガスアーク溶接を行な
う。かかる場合にも、各扉枠体1、1の側面に複数個の
溶接痕Pが生じてしまうので、これらの溶接痕Pを取り
除くため前記と同様グラインダ5による溶接痕取り除き
作業が行なわれる。
【0007】これにより扉本体が得られるが、前記のよ
うにグラインダ5による仕上げ加工を施した部分は亜鉛
メッキが剥がれており錆易くなっているので、これを防
止するため防請剤にて鉄パテ仕上げ後サンドペーパにて
仕上げが行なわれる。その後、塗装をすることにより扉
が完成されるものである。
【0008】また、一対の扉枠体1、1のそれぞれに対
して補強部材3を取り付けるについて、両面粘着テープ
により接着する方法も存在する。かかる方法によれば、
前記のように扉枠体1の表面に溶接痕Pが形成されるこ
とはないので、前記の場合のようにグラインダ5による
溶接痕Pの除去作業や鉄パテ仕上げ加工作業は必要とさ
れない。更に、特公昭52−36092号公報には、上
部パネル、下部パネル、及び、上側溶接足部と下側溶接
足部を有する断面コ字状に形成するとともに上側溶接足
部に溶接突起を突設した補強部材を用意し、下部パネル
の内側と補強部材の下側溶接足部とをアーク点溶接を行
った後、上部パネルと下部パネルの間に補強部材を挟み
込むように組み合わせて、上側溶接足部の溶接突起部分
を上下パネルの外側から電極によって挟持するととも
に、加圧通電することによって溶接突起部分と上部パネ
ルとを溶接する金属製扉の製造方法が記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た従来における扉構造体の製造方法では、一方の扉枠体
1と補強部材3との溶接接合時、他方の扉枠体1と補強
部材3との溶接接合時、及び、両扉枠体1、1の溶接接
合時に、それぞれ溶接痕Pが扉枠体1の表面に形成され
てしまうので、かかる溶接痕Pを取り除くべくグライン
ダ5による仕上げ加工が必要となり、かかる作業は極め
て煩雑なものであるとともに、扉構造体の製造効率が低
下してしまうという問題があった。また、これに伴い扉
構造体の製造コストのアップを将来してしまう問題もあ
った。
【0010】また、前記のようにグラインダ5により溶
接痕Pを取り除く際に、溶接痕Pとともに溶接痕Pの周
辺部をも削り取ってしまうので、鉄板に施されていた亜
鉛メッキが剥がれてしまうことから錆の発生を防止する
ため防錆剤による鉄パテ仕上げ加工が必要となる。かか
る鉄パテ仕上げ加工は、前記溶接痕Pが発生する度に行
なわなければならず、従って、前記グラインダ5による
仕上げ加工作業とも相まって極めて煩雑な作業となる問
題があった。
【0011】更に、前記のように製造された扉構造体に
塗装を施す場合、塗装の管理を十分正確に行なわない
と、前記したグラインダ5による仕上げ加工部分に塗装
斑が生じてしまう虞が多分に存するという問題があっ
た。
【0012】また、前記したように扉枠体1、1と補強
部材3とを両面粘着テープにより接着する方法によれ
ば、溶接痕Pは生じないので前記のようにグラインダ5
による溶接痕Pの除去作業や鉄パテ仕上げ加工を行なう
必要はなくなるが、両面粘着テープに塗布されている粘
着剤は時間の経過に従って劣化してしまい、これにより
粘着力が低下しまうので各扉枠体1から補強部材3が脱
落してしまう虞が多分に存するものである。特に、両面
粘着材の粘着剤が容易に熱変性してしまうことから前記
のように扉枠体1と補強部材3とを両面粘着テープによ
り接着した扉は、防火用扉に使用することは安全性の面
からも不適当と言わざるを得ない。
【0013】更に、前記特公昭52−36092号公報
に記載された金属製扉の製造方法では、補強部材の上側
溶接足部と上部パネルとを溶接するについて、同公報の
第6図に示されるように、上側溶接足部に形成された突
起部分を上下パネルの外側から電極によって挟持した状
態で、加圧通電することによって溶接突起部分と上部パ
ネルとを溶接している。このような、いわゆるプロジェ
クション溶接を行う場合、一方の電極から他方の電極に
電流が流されることとなる。例えば、第6図に示される
状態で、上側の電極から下側の電極に電流が流された場
合、電流は、上部パネルの外面から上部パネル内部を通
り、更に、補強部材の上側溶接足部から垂直な背骨部を
経て下側溶接足部を通った後、下部パネルの外面から下
側の電極に至る経路を流れることとなる。このような経
路に沿って電流が流されると、上部パネルの外面及び下
部パネルの外面には、電流が通り抜けることに起因して
溶接痕が発生してしまうことは明かである。従って、か
かる特公昭52−36092号公報に記載された製造方
法によっても、前記図12乃至図16にて説明した場合
におけると同様、上部パネルの外面及び下部パネルの外
面に形成された溶接痕を取り除くための煩雑な作業が必
要となるとともに、扉の製造効率が低下して扉自体の製
造コストをアップしてしまうという問題が残存するもの
である。
【0014】本発明は前記した従来技術の問題点を解消
するためになされたものであり、極めて簡単な構成によ
り扉枠体の表面に溶接痕を生じさせることなく防火用扉
にも使用でき外観に優れた扉構造体を提供するととも
に、極めて簡単な作業によりグラインダや鉄パテによる
仕上げ加工を必要とすることなく塗装斑を防止すること
ができる扉構造体の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明に係る扉構造体は、一対の扉枠体間に形成される
内部間隙に補強部材を内設するとともに、補強部材に形
成された溶接部を介して各扉枠体の裏面と補強部材とを
溶接接合してなる扉構造体において、前記補強部材の溶
接部に一定の間隔で形成した突起部を有し前記突起部
は、扉枠体の裏面に当接されるとともに、一対の溶接用
電極の内一方の溶接用電極を突起部が形 成された位置に
対応して溶接部に接触させ、且つ、他方の溶接用電極を
扉枠体の裏面に接触させた状態で、一方の溶接用電極か
ら他方の溶接用電極に通電を行って一方の溶接用電極、
突起部から扉枠体の内部を通って他方の溶接用電極に至
る経路に沿って電流を流すことにより、前記扉枠体と補
強部材とを溶接接合した構成とされる。
【0016】また、本発明に係る扉構造体の製造方法
は、一対の扉枠体間に形成される内部間隙に補強部材を
内設するとともに、補強部材に形成された溶接部を介し
て各扉枠体の裏面と補強部材とを溶接接合して扉構造体
を製造する扉構造体の製造方法において、前記補強部の
溶接部に一定間隔で突起部を形成する第1工程と、前記
突起部が形成された補強部材を前記各扉枠体の裏面に
配置する第2工程と、一対の溶接用電極の内一方の溶
接用電極を突起部が形成された位置に対応して溶接部に
接触させ、且つ、他方の溶接用電極を扉枠体の裏面に接
触させる第3工程と、前記接触状態を保持した状態で、
一方の溶接用電極から他方の溶接用電極に通電を行って
一方の溶接用電極、突起部から扉枠体の内部を通って他
方の溶接用電極に至る経路に沿って電流を流すことによ
り、前記扉枠体と補強部材とを溶接接合する第4工程
と、前記補強部材が溶接接合された各扉枠体の裏面側を
相互に対向させる第5工程と、前記扉枠体相互を対向さ
せた状態でプラズマ溶接を介して各扉枠体を溶接接合す
る第6工程とよりなる構成とされる。
【0017】
【作用】前記構成を有する本発明では、先ず、補強部材
の溶接部に一定間隔で突起部を形成し、この補強部材を
一対の各扉枠体の裏面に当接配置した後、一対の溶接用
電極の内一方の溶接用電極を突起部が形成された位置に
対応して溶接部に接触させ、且つ、他方の溶接用電極を
扉枠体の裏面に接触させる。そして、その接触状態を保
持した状態で、一方の溶接用電極から他方の溶接用電極
に通電を行って一方の溶接用電極、突起部から扉枠体の
内部を通って他方の溶接用電極に至る経路に沿って電流
を流すことにより、前記扉枠体と補強部材とを溶接接合
する
【0018】このとき、一方の溶接用電極は突起部が形
成された位置に対応して溶接部に接触されており、ま
た、他方の溶接用電極は扉枠体の裏面に接触されてお
り、従って、溶接時に各溶接電極間に流される電流は、
一方の溶接用電極から他方の溶接用電極に通電を行って
一方の溶接用電極、突起部から扉枠体の内部を通って他
方の溶接用電極に至る経路に沿って流されることとな
る。これにより、電流は扉枠体の表面側に電流が流れ抜
けることはなくなり扉枠体の表面上に溶接痕が形成され
ることはない。
【0019】そして、このように形成された各扉枠体
を、その裏面側を対向させた後、両扉枠体相互をプラズ
マ溶接により溶接接合する。ここに、扉枠体相互はプラ
ズマ溶接により溶接接合されるので、かかる溶接接合部
には溶接痕が生じることは防止される。
【0020】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例に基づい
て図1乃至図11を参照して詳細に説明する。図1は本
実施例に係る扉を示す斜視図であり、扉10は一対の扉
枠体11、12間に形成される間隙A内に、補強部材1
3、14、15、16を内設することにより構成されて
いる。
【0021】一方の扉枠体11は亜鉛メッキが施された
鉄板より側面視でコ字状に成型されており、平板部11
Aと平板部11Aの両側縁から下方に折り曲げられた側
板部11Bとを有する。また、他方の扉枠体12は、扉
枠体11と同様に、側面視でコ字状に成型されており、
平板部12Aと平板部12Aの両側縁から上方に折り曲
げられた側板部12Bとを有する。前記両扉枠体11、
12は相互に側板部11B及び12Bの端縁が合わさ
れ、両扉枠体11、12間に間隙Aを有する扉10が構
成される。
【0022】また、扉枠体11の裏面には、一対の補強
部材13、16が一定の間隔をもって離間配置されると
ともに、いわゆるプロジェクション溶接により接合され
ている。各補強部材13、16は両扉枠体11、12と
同様、亜鉛メッキされた鉄板から成型されてなり、図2
に示す形状に成型されている。
【0023】即ち、補強部材13は図2に示すように、
コ字状部13Aとコ字状部13Aの両端縁に連続する溶
接部13Bとを有する、いわゆるハット(帽子)形に成
型されており、コ字状部13Aの頂面における4箇所に
は係止片13Cが切り起こされている。かかる係止片1
3Cは後述する補強部材15におけるコ字状部15Aの
頂面に形成された係止孔15Cに係止されるものであ
る。
【0024】更に、溶接部13Bには、溶接を行なう際
に使用される突起部18が形成されており(図3参
照)、かかる突起部18を介して補強部材13と扉枠体
11とのプロジェクション溶接による接合が行なわれ
る。
【0025】また、補強部材16は前記補強部材13と
同一のハット形の構成を有し、コ字状部16A、溶接部
16B、係止片16Cが形成されている。更に、補強部
材16の溶接部16Bには、前記突起部18と同一の突
起部23が形成されており、補強部材16はかかる突起
部23を介してプロジェクション溶接が行なわれて前記
補強部材13と同様に扉枠体11に接合される。
【0026】補強部材14は前記補強部材13と同様の
形状を有しており、コ字状部14Aとコ字状部14Aの
両端縁に連続する溶接部14Bとが形成たハット形とさ
れている。コ字状部14Aの頂面には係止孔14Cが穿
設され、かかる係止孔14Cには前記した補強部材16
のコ字状部16Aに形成された係止片16Cが係止され
るものである。また、溶接部14Bには前記補強部材1
3の突起部18と同一形状の突起部19が形成されてお
り、前記補強部材13と同様突起部19を介してプロジ
ェクション溶接により扉枠体12との接合が行なわれ
る。
【0027】また、前記と同様のプロジェクション溶接
により扉枠体12の平板部12Aの裏面に対して補強部
材15が接合される。ここに、補強部材15は前記補強
部材14と同一の構成を有しコ字状部15A、溶接部1
5B、係止孔15Cが形成されたハット形とされてお
り、更に、補強部材15の溶接部15Bには、前記突起
部18等と同一の突起部22が形成されている。そし
て、補強部材15と扉枠体12とは、突起部22を介し
てプロジェクション溶接が行なわれて相互に接合され
る。
【0028】これにより、図4、図5に示すような一対
の扉枠体11、12が構成されるが、これらの扉枠体1
1、12は補強部材13と15が対向し、補強部材16
と14が対向するように合わされる。このとき、補強部
材13の係止片13Cが補強部材15の係止孔15Cに
係止されるとともに、補強部材16の係止片16Cが補
強部材14の係止孔14Cに係止される。この結果、両
扉枠体11と12との相互間における位置決めが容易に
なされるものである。
【0029】この後、補強部材13のコ字状部13Aと
補強部材15のコ字状部15Aとの当接面の両側部及び
補強部材14のコ字状部14Aと補強部材16のコ字状
部16Aとの当接面の両側部に炭酸ガスアーク溶接が行
なわれるとともに、両扉枠体11、12の側板部11
B、12Bの端縁が合わされた部分にプラズマ溶接が施
されて扉10が構成されるものである。
【0030】続いて、前記のように構成される扉10を
製造する方法について図6乃至図11に基づいて説明す
る。
【0031】先ず、亜鉛メッキを施してなる鉄板を所定
寸法に切断し、扉枠体用ベンダープレスにより図6に示
す形状に成型する。これにより、扉枠体11、12が得
られる。一方、これと並行して亜鉛メッキを施した鉄板
を所定寸法に切断した後、前記扉枠体11、12と同様
に2種類の補強部材用ベンダープレスを介して図2に示
す形状に補強部材13、16、及び15、14を折り
曲げる。
【0032】次に、パンチプレスを用いて各補強部材1
3、14、15、16の溶接部13B、14B、15
B、16Bに、図2に示すプロジェクション溶接時に使
用する突起部18、19、22、23を形成する。
【0033】これに続いて、補強部材13、16(両者
は前記したように同一の構成を有する)のコ字状部13
A、16Aの頂面に係止片13C、16Cを形成する。
また、補強部材14、15(両者は前記したように同一
の構成を有する)のコ字状部14A、15Aの頂面に係
止孔14C、15Cを形成する。ここに、前記したよう
に係止片13Cは係止孔15Cに係止されるものであ
り、また、係止片16Cは係止孔14Cに係止されるも
のである。
【0034】次に、扉枠体11と補強部材13、16と
のプロジェクション溶接、及び、扉枠体12と補強部材
14、15とのプロジェクション溶接を行なう。かかる
プロジェクション溶接につき図7を参照して説明する。
尚、このプロジェクション溶接は各補強部材13、1
4、15、16について同一の手順を介して行なわれる
ので、図7では補強部材13を例にとって説明すること
とする。
【0035】図7に示す溶接装置Qは一対の溶接用電極
20、21を備えており、両電極20、21間には公知
の変圧器(図示せず)等が接続されている。そして、両
電極20、21間には、高電流を印加すべく制御されて
いる。また、両電極20、21の下方にはセラミック板
Cが配設されており、かかるセラミック板Cはその硬質
性に基づいて上面に載置される扉枠体11の変形を防止
するものである。
【0036】かかる溶接装置Qによるプロジェクション
溶接を行なうに際し、扉枠体11はその裏面を上側にし
てセラミック板C上に載置され、また、補強部材13が
扉枠体11の平板部11A上の所定位置にセットされ
る。この後、一方の電極20を溶接部13Bの突起部1
8が形成された位置に対応して押圧するとともに、他方
の電極21を扉枠体11の平板部11A上に押圧し、両
電極20、21間に高電流が印加される。
【0037】これにより、電流は一方の電極20から他
方の電極21に流れ突起部18は溶融、圧接され上扉枠
体11の平板部11Aと補強部材13の溶接部13Bと
が接合されるが、このとき印加された電流は一方の側の
溶接部13Bの突起部18から平板部11Aの内部を抜
けて他方の電極21に至る経路を流れる。このように、
溶接用電極20、21間に流される高電流は、扉枠体1
1の表面側に抜けて流されることがないので、平板部1
1Aの表面上に溶接痕が形成されることはない。かかる
プロジェクション溶接は、全ての突起部18について同
様に行なわれる。これにより、補強部材13は扉枠体1
1の平板部11Aに接合されるものである。
【0038】前記ようなプロジェクション溶接は、補強
部材16についても同様に行なわれ、この場合補強部材
16の溶接部16Bに形成された突起部23を介して扉
枠体11の平板部11Aとの溶接接合が行なわれる。ま
た、扉枠体12と補強部材15、14とのプロジェクシ
ョン溶接の場合、補強部材15は溶接部15Bの突起部
22を介して扉枠体12の平板部12Aに接合され、ま
た、補強部材14は溶接部14Bの突起部19を介して
扉枠体12の平板部12Aに接合される。
【0039】かかるプロジェクション溶接が終了した時
点で、図8に示すような一対の扉枠体11、12が構成
されるが、これらの扉枠体11、12は補強部材13と
15が対向し、補強部材14と16が対向するように合
わされる。このとき、図9に示すように補強部材13の
係止片13Cが補強部材15の係止孔15Cに係止され
るとともに、補強部材16の係止片16Cが補強部材1
4の係止孔14Cに係止される。これにより、両扉枠体
11と12との相互間における位置決めが極めて容易に
なされるものであり、この後の扉10の組み立てを容易
にするものである。
【0040】前記の作業の結果、両扉枠体11、12の
側板部11B、12Bの端縁が合わされるとともに、各
補強部材13におけるコ字状部13Aの頂面と補強部材
15におけるコ字状部15Aの頂面、及び、補強部材1
4におけるコ字状部14Aの頂面と補強部材16におけ
るコ字状部16Aの頂面が相互に当接される。
【0041】次に、図10に示すように、補強部材13
のコ字状部13Aと補強部材15のコ字状部15Aとの
当接面の両側部V、及び、補強部材14のコ字状部14
Aと補強部材16のコ字状部16Aとの当接面の両側部
Vにおける所定箇所に炭酸ガスアーク溶接が行なわれ
る。
【0042】このとき、各扉枠体11、12の長さが2
mから3mあり通常長さの溶接用トーチでは溶接できな
いので、かかる炭酸ガスアーク溶接は図11に示すよう
な溶接用トーチ30を使用して行なわれる。図11にお
いて、溶接用トーチ30は手掛け部31、中央部32、
及び、先端が図中下方に折曲され溶接用ノーズ部33と
から構成されている。また、中央部32には扉枠体1
1、12の長さに対応してスケール目盛り34が形成さ
れているとともに、ノーズ部33の右方の下部には自在
ローラ35が取り付けられている。ここに、自在ローラ
35は、球状のローラを図10中矢印方向に回転可能な
ローラ枠に軸支してなる公知のものである。
【0043】かかる溶接用トーチ30により前記のよう
なアーク溶接を行なうには、補強部材13のコ字状部1
3Aと補強部材15のコ字状部15Aとの当接面の両側
部、及び、補強部材14のコ字状部14Aと補強部材1
6のコ字状部16Aとの当接面の両側部に沿って間隙A
内に溶接用トーチ30を挿入する。このとき、溶接用ト
ーチ30は自在ローラ35により扉枠体12の平板部1
2A上を自在に移動させることができ、また、スケール
目盛り34を基準として溶接箇所を正確に決定すること
ができる。
【0044】従って、溶接用トーチ30による溶接作業
が極めて容易となるとともに、所定の箇所に正確に溶接
を行なうことができ補強部材13、16、15、14に
よる扉10の強度に斑が生じることを防止することがで
きる。尚、かかる溶接時、溶接部分には溶接痕が形成さ
れるが、この溶接痕は扉10の内部で形成されるもので
あるから扉10の外観上全く問題にはならない。
【0045】続いて、自動プラズマ溶接装置により、両
扉枠体11、12の側板部11B、12Bの端縁が合わ
された部分Rに沿ってプラズマ溶接が施される。ここ
に、プラズマ溶接は溶接幅を細くでき精密な溶接が可能
であるので、扉10表面に溶接痕が残ることは殆どな
く、また、扉枠体11、12相互の強固な接合が可能と
なる。そして、更に、プラズマ溶接が施された部分にグ
ラスファイバよりなる研磨用刃を介して研磨仕上げが行
なわれる。
【0046】前記工程を経た後、扉枠体11、12の表
面に溶接痕が残ることのない扉10が製造される。この
後、扉10に塗装を行なうことにより製品が完成される
ものである。
【0047】以上詳細に説明した通り本実施例によれ
ば、扉枠体11と補強部材13、16との溶接接合、及
び、扉枠体12と補強部材15、14との溶接接合を行
なうに際し、各扉枠体11、12の裏面側から溶接部1
3B、16B、15B、14Bの突起部18、23、2
2、19を介してプロジェクション溶接を行なうように
したので、各溶接用電極20、21間に印加される高電
流が扉枠体11、12の表面側に抜けて流されることが
防止され、この結果、扉枠体11、12の表面に溶接痕
が生じることを確実に防止することができる。
【0048】これにより、グラインダ5等により溶接痕
を除去する必要は全くなくなり、製造工程が簡素化でき
るとともに、製造効率を向上して製造コストを低く抑え
ることができる。
【0049】また、前記のように溶接痕を除去する必要
はないので、扉枠体11、12に施された亜鉛メッキが
剥がれてしまうことはなく、これより従来の方法におい
て必要とされる鉄パテ仕上げ加工を全く不要とすること
ができ簡単な作業によって扉10を製造することができ
る。更に、扉10に塗装をする場合、溶接痕を除去する
作業が不要なことから塗装斑を生じることを防止するこ
とができ、外観に優れた扉10を提供することができ
る。
【0050】更に、扉枠体11の平板部11Aに接合さ
れた補強部材13の係止片13Cを扉枠体12の平板部
12Aに接合された補強部材15の係止孔15Cに係止
するとともに、これと同様に、補強部材16の係止片1
6Cに補強部材14の係止孔14Cを係止させるように
したので、扉枠体11、12相互を溶接接合するに際
し、両扉枠体11、12相互の位置決め作業を極めて簡
単に行い得るものである。
【0051】また、補強部材13のコ字状部13Aと補
強部材15のコ字状部15Aとの当接面の両側部、及
び、補強部材14のコ字状部14Aと補強部材16のコ
字状部16Aとの当接面の両側部の炭酸ガスアーク溶接
を行なうについて、中央部31にスケール目盛り34が
形成され、また、ノーズ部33の右方の下部には自在ロ
ーラ35が取り付けられた溶接用トーチ30を使用する
ようにしているので、溶接作業が極めて容易となるとと
もに、所定の箇所に正確に溶接を行なうことができる。
【0052】更に、従来の製造方法のように、補強部材
13、14、15、16と扉枠体11、12とを両面粘
着テープにより接着していないので、防火用扉に使用し
ても補強部材13、14、15、16が扉枠体11、1
2から脱落してしまう虞は全くないものである。
【0053】尚、本発明は前記実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種
々の変形、改良を行なうことができる。例えば、本実施
例では、亜鉛メッキされた鉄板から扉10を製造するよ
うにしたが、ステンレス板や化粧鋼板等から扉10を製
造することができることは勿論である。
【0054】
【発明の効果】以上説明した通り本発明は、極めて簡単
な構成により扉枠体の表面に溶接痕を生じさせることな
く防火用扉にも使用でき外観に優れた扉構造体を提供す
るとともに、極めて簡単な作業によりグラインダや鉄パ
テによる仕上げ加工を必要とすることなく塗装斑を防止
することができる扉構造体の製造方法を提供することが
でき、その産業上奏する効果は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】扉を示す斜視図である。
【図2】補強部材の斜視図である。
【図3】補強部材の断面図である。
【図4】一方の扉枠体に補強部材を溶接接合した状態を
示す斜視図である。
【図5】他方の扉枠体に補強部材を溶接接合した状態を
示す斜視図である。
【図6】扉枠体の斜視図である。
【図7】扉枠体に補強部材をプロジェクション溶接によ
り溶接接合する状態を示す説明図である。
【図8】扉の分解斜視図であるる
【図9】補強部材相互を係止片と係止孔とにより位置決
めした状態を示す説明図である。
【図10】炭酸ガスアーク溶接及びプラズマ溶接により
扉枠体相互を溶接接合した状態を示す扉の斜視図であ
る。
【図11】溶接用トーチの平面図である。
【図12】従来の扉枠体と補強部材との溶接状態を示す
斜視図である。
【図13】従来の溶接法により扉枠体の表面に溶接痕が
生じた状態を模式的に示す説明図である。
【図14】グラインダを介して溶接痕を除去している状
態を模式的に示す説明図である。
【図15】従来の溶接法により扉枠体の表面に溶接痕が
生じた状態を模式的に示す説明図である。
【図16】グラインダを介して溶接痕を除去して、扉枠
体相互を溶接接合した後の状態を模式的に示す説明図で
ある。
【符号の説明】
10 扉 11、12 扉枠体 13、14、15、16 補強部材 13B、14B、15B、16B 溶接部 13C、16C 係止片 14C、15C 係止孔 18、19、22、23 突起部 20、21 溶接用電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の扉枠体間に形成される内部間隙に
    補強部材を内設するとともに、補強部材に形成された溶
    接部を介して各扉枠体の裏面と補強部材とを溶接接合し
    てなる扉構造体において、 前記補強部材の溶接部に一定の間隔で形成した突起部を
    有し前記突起部は、扉枠体の裏面に当接されるとともに、一
    対の溶接用電極の内一方の溶接用電極を突起部が形成さ
    れた位置に対応して溶接部に接触させ、且つ、他方の溶
    接用電極を扉枠体の裏面に接触させた状態で、一方の溶
    接用電極から他方の溶接用電極に通電を行って一方の溶
    接用電極、突起部から扉枠体の内部を通って他方の溶接
    用電極に至る経路に沿って電流を流すことにより、 前記
    扉枠体と補強部材とを溶接接合したことを特徴とする扉
    構造体。
  2. 【請求項2】 一対の扉枠体間に形成される内部間隙に
    補強部材を内設するとともに、補強部材に形成された溶
    接部を介して各扉枠体の裏面と補強部材とを溶接接合し
    て扉構造体を製造する扉構造体の製造方法において、 前記補強部の溶接部に一定間隔で突起部を形成する第1
    工程と、 前記突起部が形成された補強部材を前記各扉枠体の裏面
    当接配置する第2工程と、一対の溶接用電極の内一方の溶接用電極を突起部が形成
    された位置に対応して溶接部に接触させ、且つ、他方の
    溶接用電極を扉枠体の裏面に接触させる第3工程と、 前記接触状態を保持した状態で、一方の溶接用電極から
    他方の溶接用電極に通電を行って一方の溶接用電極、突
    起部から扉枠体の内部を通って他方の溶接用電極に至る
    経路に沿って電流を流すことにより、前記扉枠体と補強
    部材とを溶接接合する第4工程と、 前記補強部材が溶接接合された各扉枠体の裏面側を相互
    に対向させる第5工程と、 前記扉枠体相互を対向させた状態でプラズマ溶接を介し
    各扉枠体を溶接接合する第6工程とよりなる扉構造体
    の製造方法。
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